JP5592328B2 - 仮接着材組成物及びこれを用いた薄型ウエハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、仮接着材組成物、主には半導体ウエハの薄型化を伴う製造工程に用いられる仮接着材組成物に関するものである。
3次元半導体実装は、より一層の高密度、大容量化を実現するために必須となってきている。3次元半導体実装技術とは、1つの半導体チップを薄型化し、更にこれをシリコン貫通電極(TSV;through silicon via)によって結線しながら多層積層していく半導体作製技術である。これを実現するためには、半導体回路を形成したウエハを裏面研削によって薄型化し、更に裏面にTSVを含む電極形成工程が必要である。シリコンウエハの裏面研削工程では、研削面の反対側に保護テープを貼り、研削時のウエハ破損を防いでいるが、このテープは有機樹脂フィルムを基材に用いており、柔軟性がある反面、強度や耐熱性が不十分であり、裏面での配線層形成プロセスを行うには適しない。
そこでシリコンウエハ等の半導体ウエハをシリコン、ガラス等の支持基板に接着材を介して接合することによって、裏面研削、裏面電極形成プロセス等に十分耐えうるシステムが提案されている。この際に重要なのが、両基板を接合する際の接着材である。これは基板を隙間なく接合でき、後のプロセスに耐えるだけの十分な耐久性が必要で、更に最後に薄ウエハを支持基板から簡便に剥離できることが必要である。このように最後に剥離することからこの接着材を仮接着材と呼ぶことにする。
これまでに公知の仮接着材と剥離方法としては、光吸収性物質を含む接着材を高強度の光を照射し、接着材層を分解することによって支持基板から接着材層を剥離する技術(特許文献1)、及び、炭化水素系の熱溶融性の化合物を接着材に用い、加熱溶融状態で接合・剥離を行う技術(特許文献2)等が提案されている。また材料面からシクロオレフィンポリマー(特許文献3、4)、シリコーン樹脂の使用(特許文献5)等が提案されている。しかしながらいずれの樹脂も仮接着材として使用に耐える特性に到達していない。
特開2004−64040号公報 特開2006−328104号公報 国際公開第2010/147103号 国際公開第2010/143510号 米国特許第7541264号明細書
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、仮接着材としての使用に耐える特性を有する仮接着材組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
(A)下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンの付加重合か、又は下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンと下記式(2)で表される環状オレフィン化合物との付加重合のいずれかにより得られる付加重合体であって、下記式(1)に由来する構造単位の割合が前記付加重合体中5〜100モル%であり、THFを溶媒とするGPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜2,000,000であるシロキサン環状オレフィン付加重合体と、
(B)炭化水素系有機溶剤
とを含むものであることを特徴とする仮接着材組成物を提供する。
Figure 0005592328
(式(1)中のRは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、sは0〜2の整数であり、iは0又は1であり、jは1〜4の整数である。)
Figure 0005592328
(式(2)中のA〜Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。あるいは、AとA又はAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基及び酸無水物基のいずれかを形成してもよい。kは0又は1である。)
このような仮接着材組成物であれば、仮接着材としての使用に耐えるだけの優れた特性を有するものとなる。
また、前記(B)成分は沸点が100〜240℃の炭化水素系有機溶剤であることが好ましい。
上記沸点の溶剤であれば、安全性が高く、組成物のスピンコートを可能とするため、取り扱い性が更に良好となる。
また本発明は、薄型ウエハの製造方法であって、
(I)回路形成面と回路非形成面とを有するウエハの前記回路形成面及び支持基板表面の少なくとも一方に、前記本発明の仮接着材組成物により接着層を形成し、該接着層を介して、前記ウエハの回路形成面と前記支持基板とを接合する工程、
(II)前記支持基板と接合したウエハの前記回路非形成面を研削する工程、
(III)前記研削後のウエハを前記支持基板から剥離する工程、
(IV)前記剥離したウエハの回路形成面に残存する接着層を除去する工程
を含むことを特徴とする薄型ウエハの製造方法を提供する。
本発明の薄型ウエハの製造方法は、仮接着材として優れた特性を有する本発明の組成物を用いているため、効率よく薄型ウエハを製造することができる。
以上説明したように、本発明の組成物によれば、ウエハと支持基板とを接合する際の接着性、研削等のプロセスに対する耐久性、最後に薄型化したウエハを支持基板から剥離する際の剥離性等、仮接着材としての使用に耐えるだけの優れた特性を有する仮接着材が提供される。また、用いる溶剤により、取り扱い性を一層良好にすることができ、工業的にも優れている。
更に、これを用いて薄型ウエハを製造すれば、裏面研削等のプロセスに耐えるだけの十分な耐久性を有しているため、ウエハに割れ等の不良や欠陥を生じさせることがなく、また、ウエハから剥離する際には、容易に剥離することができる。これにより、効率よく薄型ウエハを製造することが可能となる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
上述のように、薄型化を伴う半導体ウエハの製造工程で主に用いられる従来公知の仮接着材は、仮接着材として使用に耐える特性には到達していなかった。
そこで本発明者らが検討を行った結果、特定のシリコーン変性されたノルボルネン系樹脂を用いる系が仮接着材として好適な組成物となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の仮接着材組成物は、
(A)下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンの付加重合か、又は下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンと下記式(2)で表される環状オレフィン化合物との付加重合のいずれかにより得られる付加重合体であって、下記式(1)に由来する構造単位の割合が前記付加重合体中5〜100モル%であり、THFを溶媒とするGPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜2,000,000であるシロキサン環状オレフィン付加重合体と、
(B)炭化水素系有機溶剤
とを含むものであることを特徴とする。
Figure 0005592328
(式(1)中のRは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、sは0〜2の整数であり、iは0又は1であり、jは1〜4の整数である。)
Figure 0005592328
(式(2)中のA〜Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。あるいは、AとA又はAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基及び酸無水物基のいずれかを形成してもよい。kは0又は1である。)
上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンが有する−(CH−SiR (OSiR 3−s基により、特にスピンコートする際に用いる溶剤に対する溶解性が向上する。
これにより、本発明の組成物は、接着性、洗浄性、剥離性や、耐グラインダー性、耐熱性、耐薬品性といった、仮接着材としての使用に耐えるだけの優れた諸特性を有するものとなるのである。
以下に、本発明について更に詳しく説明する。
<仮接着材組成物>
[(A)成分]
本発明の組成物の(A)成分であるシロキサン環状オレフィン付加重合体は、下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンを付加重合するか、又は下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンと、下記式(2)で表される環状オレフィン化合物とを付加重合することにより製造される。
Figure 0005592328
Figure 0005592328
上記式(1)中、sは0〜2の整数であり、iは0又は1であり、jは1〜4の整数である。
は、互いに同一又は異なってよい脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、好ましくは炭素数1〜10の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等や、これらの基の水素原子の1個又は2個以上がフッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。
上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンとしては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。ここで、Meはメチル基、Phはフェニル基を表す(以下、同様)。
Figure 0005592328
上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンは、一種単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記式(2)中、kは0又は1である。
〜Aは、それぞれ独立して、水素原子;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;炭素数1〜10のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基等のアリーロキシ基;3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基から選ばれる基、又はオキセタニル基、メトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等の好ましくはアルコキシ基の炭素数が1〜10、特に1〜6のアルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。
あるいは、AとA又はAとAとは、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基又は酸無水物基を形成してもよい。
この場合、上記式(2)中の脂環構造としては炭素数4〜10のものが挙げられ、芳香環構造としては、炭素数6〜12のものが挙げられる。これらの構造を例示すると下記の通りである。
Figure 0005592328
なお、これらがノルボルネン環と結合した状態を例示すると下記の通りである。上記式(2)において、k=0の場合を示す。
Figure 0005592328
上記式(2)で表される環状オレフィン化合物としては、以下の化合物が例示できるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−アリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−イソプロピリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸ブチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸プロピル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−カルボン酸トリフロロエチル、2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エニル酢酸エチル、アクリル酸2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル、メタクリル酸2−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等を例示することができる。これらは、一種単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンと、上記式(2)で表される環状オレフィン化合物との仕込み比率は、得られる本発明の環状オレフィン付加重合体の気体透過特性を考慮し、得られた重合体中の上記式(1)由来の構造単位は合計で5〜100モル%、好ましくは10〜100モル%となるように使用することが好ましい。
本発明の組成物の(A)成分であるシロキサン環状オレフィン付加重合体は、上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンの付加重合、又は上記式(1)の環状オレフィン官能性シロキサンと上記式(2)で表される環状オレフィン化合物とを付加重合することで得られる。付加重合の際には、下記化合物(C1)、(C2)及び(C3)を含む多成分系触媒を用いることが好ましい。
〔化合物(C1)〕
0価のパラジウム化合物。
〔化合物(C2)〕
イオン性ホウ素化合物。
〔化合物(C3)〕
炭素数3〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基から選ばれる置換基を有するホスフィン化合物。
従来の環状オレフィン化合物の付加重合触媒としては、周期律表第8族元素、第9族元素及び第10族元素より選択された、例えば、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)及び白金(Pt)等を中心金属とする遷移金属錯体が挙げられる。しかしながら、優れた物性を併せ持つ本発明の環状オレフィン付加重合体を得るためには、上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンへの反応性が高いこと、更に、得られる重合体が高分子量体であることが必要であり、この点から、パラジウムを中心金属とし特定の配位子を有する化合物(C1)、イオン性ホウ素化合物(C2)、ホスフィン化合物(C3)を併せたものが好ましく用いられる。
更に、パラジウムを中心金属とする化合物(C1)は、重合活性、分子量調節能、取り扱い性の点から、0価のパラジウム錯体がよい。
このようにして得られる本発明の環状オレフィン付加重合体は、上記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンを単量体として付加重合することにより形成される、下記式(3)で示される繰り返し単位を含む。
Figure 0005592328
(式(3)中のR、i、j及びsは上記式(1)と同じである。)
また、本発明の環状オレフィン付加重合体は、上記式(2)で表される環状オレフィン化合物を用いた場合、上記式(2)で表される環状オレフィン化合物を単量体として付加重合することにより形成される、下記式(4)で示される繰り返し単位を含む。
Figure 0005592328
(式(4)中のA〜A及びkは上記式(2)と同じである。)
ここで、上記式(4)で示される繰り返し単位は、例えばkが0、A〜Aがいずれも水素原子の場合、2,3付加構造単位を示すものであるが、上記式(2)で表される環状オレフィン化合物を単量体として付加重合することによる2,7付加構造単位となっているものが含まれていてもよい。また、この構造単位については、上記式(3)で示される繰り返し単位においても、同様である。
本発明の環状オレフィン付加重合体の分子量は、優れた物性の発現に関与する重要な因子である。THFを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜2,000,000であり、好ましくは20,000〜500,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(分散度:Mw/Mn)が、1.0〜6.0が好ましく、より好ましくは1.0〜5.5の範囲である。
数平均分子量が10,000未満では、薄膜、フィルム及びシートとした際、脆く割れやすくなり、実使用に耐える膜強度が得られない。一方、数平均分子量が2,000,000を超えると、成形加工性及び溶媒類への溶解性が低下したり、溶液粘度が高くなり、取り扱い性が困難となる。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、6.0を超えると、割れや脆さの点で劣るものとなる場合がある。
本発明においては、上記化合物(C1)、(C2)、(C3)からなる多成分系触媒を用いた場合、数平均分子量(Mn)が10,000〜2,000,000で、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が、1.0〜6.0の範囲である分子量分布の狭い環状オレフィン付加重合体が容易に得られる。このため、コーティング被膜、フィルムあるいはシート等の薄膜にしたとき、割れや脆さの点で優れたものとなる。
[(B)成分]
成分(B)は、炭化水素系有機溶剤であり、成分(A)のシロキサン環状オレフィン付加重合体を溶解し、スピンコート等、公知の塗膜形成方法によって膜厚1〜200μmの薄膜を形成できるものが好ましい。より好ましい膜厚は5〜180μm、更に好ましくは30〜150μmである。
成分(A)を溶解する有機溶剤としては、ケトン、エステル、アルコール等の極性溶媒以外のものが使用でき、非芳香族炭化水素が好ましい。
具体例として、ペンタン、へキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、オクタン、イソオクタン、デカン、ウンデカン、イソドデカン、リモネン、ピネン、アイソパーE,アイソパーG、アイソパーH、アイソゾール300等が挙げられ、これらの混合物でも良い。
これらの中で仮接着材組成物としてスピンコート可能、かつ安全性も高いものとしては、沸点が100〜240℃であることが好ましい。即ちオクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、ドデカン、イソドデカン、リモネン、アイソパーシリーズが適する。
沸点が100℃以上であれば、炭化水素系有機溶剤の引火点が高くなるため好ましい。沸点が240℃以下の炭化水素系有機溶剤は、塗工後の加熱乾燥によっても揮発しやすく、膜内に留まりにくい。そのため、仮接着材組成物が基板接合後の加熱プロセスで高温に晒される際にも、接合界面での気泡の形成を抑制できるので好ましい。
[その他の成分]
上記(A)、(B)成分の他、塗布性を向上させるため、公知の界面活性剤を本発明の仮接着材組成物に添加してもよい。具体的には、非イオン性のものが好ましく、例えばフッ素系界面活性剤、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。
また、本発明の仮接着材組成物には、公知の酸化防止剤を配合して、酸化安定性を向上させることができる。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート等のフェノール系あるいはヒドロキノン系、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト等のリン系、更にはチオエーテル系、ラクトン系化合物等が挙げられる。
これらの化合物の中でも、その分解温度(5%の質量減少温度)が250℃以上のものが好ましい。また、これら酸化防止剤の配合量は、本発明の環状オレフィン付加重合体100質量部に対し、0.05〜5.0質量部の範囲である。
<薄型ウエハの製造方法>
また本発明は、薄型ウエハの製造方法であって、
(I)回路形成面と回路非形成面とを有するウエハの前記回路形成面及び支持基板表面の少なくとも一方に、前記本発明の仮接着材組成物により接着層を形成し、該接着層を介して、前記ウエハの回路形成面と前記支持基板とを接合する工程、
(II)前記支持基板と接合したウエハの前記回路非形成面を研削する工程、
(III)前記研削後のウエハを前記支持基板から剥離する工程、
(IV)前記剥離したウエハの回路形成面に残存する接着層を除去する工程
を含むことを特徴とする薄型ウエハの製造方法を提供する。
本発明の薄型ウエハの製造方法は、半導体回路を有するウエハと該ウエハの厚みを薄くするために用いる支持基板との接着層として、前述の仮接着材組成物を用いることを特徴とする。本発明の製造方法により得られる薄型ウエハの厚さは、典型的には300〜5μm、より典型的には100〜10μmである。
[工程(I)]
工程(I)は、ウエハの回路形成面及び支持基板の表面の少なくとも一方に、本発明の仮接着材組成物により接着層を形成し、該接着層を介して、ウエハの回路形成面と支持基板とを接合する工程である。ウエハは、一方の面が回路形成面であり、他方の面が回路非形成面であるウエハである。
本発明が適用できるウエハは、通常、半導体ウエハである。該ウエハの例としては、シリコンウエハのみならず、ゲルマニウムウエハ、ガリウム−ヒ素ウエハ、ガリウム−リンウエハ、ガリウム−ヒ素−アルミニウムウエハ等が挙げられる。工程(I)におけるウエハは工程(II)において裏面研削される前のウエハであり、その厚さは、特に制限はないが、典型的には800〜600μm、より典型的には775〜625μmである。
支持基板としては、シリコンウエハ、ガラスウエハ、石英ウエハ等が使用可能である。本発明においては、支持基板を通して接着層に放射エネルギー線を照射する必要はなく、支持基板の光線透過性は不要である。
接着層は、本発明の仮接着材組成物を用いて、例えばスピンコート等により形成される。接着層はウエハと支持基板のどちらか一方または両方に形成され、このようにして形成された接着層を介してウエハは支持基板と接合される。接着層は、ウエハに形成される場合、該ウエハの回路形成面上に形成される。
本発明の仮接着材組成物を用いて形成した接着層は加熱によって軟化する。接着層中の樹脂が軟化する温度範囲は80〜320℃、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜260℃であり、この温度にて減圧下、両基板(即ち、ウエハと支持基板)を均一に圧着することで、ウエハが支持基板と接合した接合基板が形成される。両基板を設置したチャンバー内を、減圧下、上記温度範囲に加熱することで接着層中の樹脂が一部軟化または融解した後、両基板を接触させ、加熱圧着することで、界面に気泡を挟むことなく、一様な接合界面を形成できる。接着層を介してウエハを支持基板と接合するとき、支持基板の温度は上記温度範囲であることが好ましい。これら接合温度にて接着層中の樹脂が十分軟化するため、ウエハの貼り合わせされる面に存在する凹凸を隙間なく埋め込むことができる。圧着するときの荷重は、例えば8インチウエハ(直径200mm)で20kN以下、好ましくは10kN以下、より好ましくは7kN以下で貼り合わせ可能である。
ウエハ貼り合わせ装置としては、市販のウエハ接合装置、例えばEVG社のEVG520IS、850TB;SUSS社のXBC300等が挙げられる。
[工程(II)]
工程(II)は、支持基板と接合したウエハの回路非形成面を研削する工程、即ち、工程(I)にて貼り合わせた積層基板のウエハ裏面側を研削して、該ウエハの厚みを薄くしていく工程である。ウエハ裏面の研削加工の方式には特に制限はなく、公知の研削方式が採用される。研削は、ウエハと砥石に水をかけて冷却しながら行うことが好ましい。ウエハ裏面を研削加工する装置としては、(株)ディスコ製 DAG−810(商品名)等が挙げられる。
[加工工程]
本発明の薄型ウエハの製造方法では、上述の研削工程(II)の後、後述する剥離工程(III)の前に、加工工程を含めることができる。加工工程は、回路非形成面を研削したウエハ、即ち、裏面研削によって薄型化されたウエハに加工を施す工程である。この工程にはウエハレベルで用いられる様々なプロセスが含まれるが、例としては、電極形成、金属配線形成、保護膜形成等が挙げられる。より具体的には、電極等の形成のための金属スパッタリング、金属スパッタリング層をエッチングするウェットエッチング、金属配線形成のマスクとするためのレジストの塗布、露光、及び現像によるパターンの形成、レジストの剥離、ドライエッチング、金属めっきの形成、TSV形成のためのシリコンエッチング、シリコン表面の酸化膜形成等、従来公知のプロセスが挙げられる。
[工程(III)]
工程(III)は、研削後のウエハを支持基板から剥離する工程、即ち、薄型化したウエハに様々な加工を施した後、ダイシングする前に支持基板から剥離する工程である。剥離方法としては、主にウエハと支持基板を、加熱しながら水平反対の方向にスライドさせることにより両基板を分離する方法、積層基板のうち一方の基板を水平に固定しておき、加熱しながらもう一方の基板を水平方向から一定の角度を付けて持ち上げる方法、及び、研削されたウエハの研削面に保護フィルムを貼り、ウエハと保護フィルムをピール方式で剥離する方法等、多数の提案がなされている。
本発明には、これらの剥離方法のいずれも適用可能であるが、水平スライド剥離方式がより適している。
積層基板は加熱され、接着層が融解、或いは軟化した状態で力をかけることでウエハは支持基板から剥離される。加熱温度は、本発明で用いる接着層では好ましくは50〜300℃、より好ましくは60〜230℃、更により好ましくは70〜220℃である。
これらの剥離を行う装置としては、EVG社のEVG850DB、SUSS社のXBC300等が挙げられる(いずれも商品名)。
[工程(IV)]
工程(IV)は、剥離したウエハの回路形成面に残存する接着層を除去する工程である。残存する接着層の除去は、例えば、ウエハを洗浄することにより行うことができる。
工程(IV)には、接着層中の樹脂を溶解するような洗浄液であればすべて使用可能であり、具体的には、上述の組成物の(B)成分炭化水素系有機溶剤が使用可能である。これらの溶剤は、1種単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、除去しにくい場合は、上記溶剤に、塩基類、酸類を添加してもよい。塩基類の例としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、アンモニア等のアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウム塩類が使用可能である。酸類としては、酢酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸が使用可能である。これら塩基類や酸類の添加量は0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%である。
また、残存物の除去性を向上させるため、既存の界面活性剤を添加してもよい。
洗浄方法としては、上記液を用いてパドルでの洗浄を行う方法、スプレー噴霧での洗浄方法、洗浄液槽に浸漬する方法が可能である。温度は10〜80℃、好ましくは15〜65℃が適する。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、下記例中、Meはメチル基、Phはフェニル基、Cyはシクロヘキシル基をそれぞれ表す。
また、重合体の分子量、分子量分布、単量体の組成比は、下記の方法で評価した。
1)実施例中で得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は、THFを溶媒とするGPCによりポリスチレンを標準物質として用いて求めた。
2)共重合体中のノルボルネン誘導体/ノルボルネンの組成比は、H−NMRにより得られたピークの積分比から求めた。
[触媒溶液の調製]
ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム[Pd(C1714O)]0.0057g(1.0×10−5mol)、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート{[PhC][B(C]}0.0092g(1.0×10−5mol)、トリシクロヘキシルホスフィン(PCy)0.0028g(1.0×10−5mol)をそれぞれトルエン10mlに溶解させ、触媒溶液を調製した。
[合成例1]
窒素置換したガラス製容器中で、下記式(6)で表される単量体a107.4g(0.4mol)をトルエン600mlに溶解した。そこへ調製した上記触媒溶液を添加し、50℃で1.5時間重合反応を行った。
Figure 0005592328
反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、120℃で12時間減圧乾燥し、75g(収率70%)のポリマーP1が得られた。
得られたポリマーP1のGPC測定による分子量はMn=85,000、分子量分布Mw/Mn=3.6であった。得られたポリマーP1をイソドデカン20%溶液になるように調製し、樹脂溶液(X)とした。
[合成例2]
窒素置換したガラス製容器中で、上記式(6)で表される単量体a50.1g(0.19mol)と、下記式(7)で表される単量体b7.5g(0.08mol)をトルエン500mlに溶解した。そこへ調製した上記触媒溶液を添加し、40℃で1時間重合反応を行った。
Figure 0005592328
反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、120℃で12時間減圧乾燥し、31g(収率53%)のポリマーP2が得られた。
得られたポリマーP2のGPC測定による分子量はMn=55,000、分子量分布Mw/Mn=3.9であった。H−NMRスペクトルにより、重合体中の単量体a由来の構造体及び単量体b由来の構造体の組成比はa/b=70/30(mol/mol)であることを確認した。得られたポリマーP2をアイソパーG20%溶液になるように調製し、樹脂溶液(Y)とした。
[合成例3]
窒素置換したガラス製容器中で、下記式(8)で表される単量体c96g(0.28mol)と、上記式(7)で表される単量体b11.3g(0.12mol)をトルエン1500mlに溶解した。そこへ調製した上記触媒溶液を添加し、40℃で0.5時間重合反応を行った。
Figure 0005592328
反応終了後、多量のメタノール中に注いでポリマーを析出させ、濾別洗浄後、120℃で12時間減圧乾燥し、55g(収率51%)のポリマーP3が得られた。
得られたポリマーP3のGPC測定による分子量はMn=32,000、分子量分布Mw/Mn=4.2であった。H−NMRスペクトルにより、重合体中の単量体c由来の構造体及び単量体b由来の構造体の組成比はc/b=70/30(mol/mol)であることを確認した。得られたポリマーP3をアイソパーG20%溶液になるように調製し、樹脂溶液(Z)とした。
[実施例1−3]
片面に回路を形成した8インチシリコンウエハ(直径:200mm、厚さ:725μm)の回路形成面に樹脂溶液(X、Y、Z)を用い、スピンコートにて表1記載の膜厚で接着層を形成した。下記の要領で外観を確認した上で、8インチガラス基板(ガラスウエハ)を支持基板とし、この支持基板と、接着層を有するシリコンウエハを真空貼り合わせ装置内で表1に示す接着温度にて貼り合わせ、積層基板を作製した。その後、下記試験を行った。また、耐溶剤性については、別途実験基板を作製し評価を行った。結果を表1に示す。
[外観]
スピンコート後の塗膜を、ホットプレート上で150℃/2分後、200℃/2分乾燥を行い、塗膜中の溶剤を完全に留去した後、目視による塗膜外観、指触によるタック感を確認した。クラック、及びタックのないものを良好(○)、クラック、及び、又はタックが認められるものを不良(×)とした。
[接着性試験]
8インチのウエハ接合は、EVG社のウエハ接合装置520ISを用いて行った。接合温度は表1に記載の値、接合時のチャンバー内圧力は10−3mbar以下、荷重は5kNで実施した。接合後、室温まで冷却した後の界面の接着状況を目視で確認し、界面での気泡等の異常が発生しなかった場合を○、異常が発生した場合を×とした。
[裏面研削耐性試験]
グラインダー(DAG810 DISCO製)を用いて、接合後のシリコンウエハの裏面研削を行った。最終基板厚50μmまでグラインドした後、光学顕微鏡にてクラック、剥離等の異常の有無を調べた。異常が発生しなかった場合を○、異常が発生した場合を×で示す。
[耐熱性試験]
シリコンウエハを裏面研削した後の積層基板を窒素雰囲気下の250℃オーブンに2時間入れた後、270℃のホットプレート上で10分加熱した後の外観異常の有無を調べた。外観異常が発生しなかった場合を○、外観異常が発生した場合を×で示す。
[剥離性試験]
EVG社のEVG850DBを用いて、耐熱性試験を行った後の積層基板を再び220℃に加熱しながら、ウエハと支持基板を水平反対の方向にスライドさせて分離した。その後、ウエハの回路形成面をアイソパーGにより洗浄した。洗浄後のウエハの回路形成面を目視により観察し、残存物が認められないものを良好(○)とし、残存物が認められたものを不良(×)とした。
[耐溶剤試験]
6インチウエハ(直径150mm)に樹脂溶液(X、Y、Z)を用いてスピンコートにて30μm厚の塗膜を形成し、150℃/2分後、200℃/2分加熱乾燥させた。その後、この塗膜を25℃でプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶液に10分浸漬し、溶解の有無を目視でチェックした。樹脂の溶解が認められないものを良好(○)とし、樹脂の溶解が認められたものを不良(×)とした。
Figure 0005592328
表1に示されるように、本発明の仮接着材組成物を用いた実施例1〜3とも、シリコンウエハとガラスウエハ(支持基板)とを接合する際の接着性に優れ、裏面研削耐性、耐熱性、耐溶剤性を有し、シリコンウエハを支持基板から剥離する際の剥離性にも優れたものであった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. (A)下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンの付加重合か、又は下記式(1)で表される環状オレフィン官能性シロキサンと下記式(2)で表される環状オレフィン化合物との付加重合のいずれかにより得られる付加重合体であって、下記式(1)に由来する構造単位の割合が前記付加重合体中5〜100モル%であり、THFを溶媒とするGPCで測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が10,000〜2,000,000であるシロキサン環状オレフィン付加重合体と、
    (B)炭化水素系有機溶剤
    とを含むものであることを特徴とする仮接着材組成物。
    Figure 0005592328
    (式(1)中のRは互いに同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない一価の有機基であり、sは0〜2の整数であり、iは0又は1であり、jは1〜4の整数である。)
    Figure 0005592328
    (式(2)中のA〜Aは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基及びハロゲン化炭化水素基から選ばれる置換基、又はオキセタニル基及びアルコキシカルボニル基から選ばれる極性を有する置換基である。あるいは、AとA又はAとAとが、それぞれが結合する炭素原子と共に脂環構造、芳香環構造、カルボンイミド基及び酸無水物基のいずれかを形成してもよい。kは0又は1である。)
  2. 前記(B)成分は沸点が100〜240℃の炭化水素系有機溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の仮接着材組成物。
  3. 薄型ウエハの製造方法であって、
    (I)回路形成面と回路非形成面とを有するウエハの前記回路形成面及び支持基板表面の少なくとも一方に、請求項1又は請求項2に記載の仮接着材組成物により接着層を形成し、該接着層を介して、前記ウエハの回路形成面と前記支持基板とを接合する工程、
    (II)前記支持基板と接合したウエハの前記回路非形成面を研削する工程、
    (III)前記研削後のウエハを前記支持基板から剥離する工程、
    (IV)前記剥離したウエハの回路形成面に残存する接着層を除去する工程
    を含むことを特徴とする薄型ウエハの製造方法。
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