JP5591768B2 - インク組成物、印刷物、印刷物成形体及び印刷物の製造方法 - Google Patents

インク組成物、印刷物、印刷物成形体及び印刷物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インク組成物、印刷物、印刷物成形体及び印刷物の製造方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。これらのうち、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを射出して記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。
このような記録方式に用いるインク組成物として、ポリカーボネート板に対する密着性などの観点から、水酸基を有するケトン樹脂と特定構造のアクリレート化合物とを含有するインクジェット印刷用インク組成物が提案されている(例えば、特許文献1等)。
特開2011−52107号公報
ところで、インクジェット方式で印刷する際、プラスチック印画物の成形品(例えばダミー缶、ブリスターパック等)を製造する場合は、得られる画像のプラスチック基材等の記録媒体への十分な密着性が求められている。また、硬化物の表面硬度を向上させることも求められている。
しかしながら、特許文献1の技術においては、インク組成物の記録媒体への密着性や硬化物の表面硬度に関して未だ改善の余地がある。
したがって、本発明は、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、記録媒体との密着性に優れ、硬化して得られた画像の表面硬度が高いインク組成物を提供することにある。また、本発明の別の目的は、表面硬度が高く、耐湿熱性に優れた印刷物及び印刷物成形体を提供することにある。さらに、印刷物を製造する方法を提供することにある。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1>下記一般式(1)及び下記一般式(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を含むケトン樹脂、アクリルアミド基を有する化合物を含む重合性化合物及び重合開始剤を含有するインク組成物
(一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、RとRとは連結して炭素数10以下の環構造を形成してもよい。一般式(2)において、Rは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。mは0〜5の整数を示す。)
2>前記ケトン樹脂の数平均分子量が3000〜100000である<1>に記載のインク組成物。
3>インク組成物に対する前記ケトン樹脂の含有量が、0.5質量%〜15質量%である<1>又は<2>に記載のインク組成物。
4>前記重合性化合物の総量に対する前記アクリルアミド基を有する化合物の含有量が、5質量%〜80質量%である<1>〜<3>のいずれかに記載のインク組成物。
5>前記重合性化合物の総量に対する単官能モノマーの含有量が、80質量%〜100質量%である<1>〜<4>のいずれかに記載のインク組成物。
6>前記単官能モノマーの総量に対する前記アクリルアミド基を有する化合物の含有量が、1質量%〜30質量%である<5>に記載のインク組成物。
7>前記重合性化合物が、さらに、N-ビニル化合物を含有する<1>〜<6>のいずれかに記載のインク組成物。
8>前記N−ビニル化合物が下記一般式(3)で表される<7>に記載のインク組成物。
(一般式(3)において、pは1〜5の整数を表す。)
9>さらに、ウレタン樹脂を含有する<1>〜<8>のいずれかに記載のインク組成物。
10>インクジェット用である<1>〜<9>のいずれかに記載のインク組成物。
11>記録媒体上に、<1>〜<10>のいずれかに記載のインク組成物により形成された画像を有する印刷物。
12>11>に記載の印刷物を成形加工したことにより得られた印刷物成形体。
13>記録媒体上に、<1>〜<10>のいずれかに記載のインク組成物をインクジェット方式により吐出してインク画像を形成する工程と、得られたインク画像に活性エネルギー線を照射して、前記インク画像を硬化させて、画像を形成する工程と、を含む印刷物の製造方法。
本発明によれば、記録媒体との密着性に優れ、硬化して得られた画像の表面硬度が高いインク組成物を提供することができる。また、本発明の別の目的は、表面硬度が高く、耐湿熱性に優れた印刷物及び印刷物成形体を提供することができる。さらに、印刷物を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明のインク組成物、印刷物、印刷物成形体及び印刷物の製造方法について詳述する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
また、本明細書において、“(メタ)アクリル”はアクリル及びメタクリルの双方、又は、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、オリゴマーであっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
<インク組成物>
本発明のインク組成物は、ケトン樹脂、アクリルアミド基を有する化合物を含む重合性化合物及び重合開始剤を含有する。
本発明の作用は明確ではないが以下のように推定している。
すなわち、ケトン樹脂と他の重合性化合物とを組み合わせたインク組成物に比較して、ケトン樹脂、アクリルアミド基を有する化合物を含む重合性化合物及び重合開始剤を組み合わせた本発明のインク組成物は、ケトン樹脂とアクリルアミドモノマーの相対的な極性に由来し、硬化時に基材界面と空気界面に高Tgのケトン樹脂が偏析した状態で硬化膜が得られやすい組成物であると考えられる。そのため、記録媒体との密着性に優れ、硬化して得られた画像の表面硬度が高いインク組成物を提供することができるものと推測される。
また、アクリルアミド基を有する重合性化合物は、感度が高く、かつ、共存する他の重合性化合物との相溶性が高いものの、湿熱性に劣るという問題点がある。しかし、驚くべきことに、ケトン樹脂と併用することにより、形成された膜の物性が向上し、湿熱性が改善され、形成された画像は、密着性が向上するだけではなく、耐湿熱性にも優れるものと推測される。
以下、各成分について説明する。
[ケトン樹脂]
本発明におけるケトン樹脂としては、ケトン化合物とホルムアルデヒドとの縮合によって得られる、数平均分子量が3000以上の高分子化合物であれば、特に制限はない。これらは、例えば、続く水素化や、末端基修飾などの化学的に修飾されたものであってもよい。市販品であっても、本発明におけるケトン樹脂として使用しうる。市販品としては、例えば、Synthetic resin SK、Synthetic resin AP(Evonik Degussa社製)、ケトンレジン K−90(荒川化学社製)などが挙げられる。
本発明におけるケトン樹脂は、アクリル系化合物を含む溶液への溶解性が高いという観点から、下記一般式(1)及び下記一般式(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を含む。
上記一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、RとRとは連結して炭素数10以下の環構造を形成してもよい。
上記一般式(2)において、Rは水素原子、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。mは0〜5の整数を示す。
なお、本発明におけるケトン樹脂としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される構造単位のうち1種又は2種以上の構造単位を組み合わせて用いることができる。
なかでも、本発明におけるケトン樹脂としては、上記一般式(1)及び上記一般式(2)で表される各構造単位それぞれのみからなるケトン樹脂が好ましく、上記一般式(1)で表される構造単位のみからなるケトン樹脂がより好ましい。
以下、前記式(1)について詳細に説明する。
前記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、RとRとは連結して炭素数10以下の環構造を形成してもよい。
また、前記式(1)中、R〜Rは、好ましくは、水素原子又は炭素数1〜10の炭化水素基、を示し、さらに好ましくは、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基を示す。
なお、本明細書において炭化水素基としては、飽和の炭化水素基及び不飽の炭化水素基のいずれであってもよく、直鎖及び分岐のいずれであってもよい。また、置換基を有しない無置換の炭化水素基のみならず、置換基を有する炭化水素基をも包含するものである。
〜Rで示される炭素数1〜6の炭化水素基が、置換基を有する場合の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)、チオール基等の置換基を有していてもよく、溶解性の観点より、水酸基、臭素原子、塩素原子を有していることが好ましい。
前記式(1)中、R は水素原子を示し、Rは炭素数6以下のアルキル基を示すことが好ましく、R は水素原子を示し、Rは炭素数3以下のアルキル基を示すことがより好ましい。
前記式(1)中、RとRとは連結して炭素数10以下の環構造を形成してもよく、好ましくは炭素数8以下の環構造を形成し、より好ましくは炭素数5または6の環構造を形成する。
また、前記式(1)中、RとRとは連結して炭素数8以下のシクロアルキル構造を形成し、Rは水素原子、またはメチロール基を示すことが好ましく、RとRとは連結して炭素数6以下のシクロアルキル構造を形成し、Rは水素原子、またはメチロール基を示すことがよい。
以下、前記式(2)について詳細に説明する。
前記式(2)中、Rは水素原子、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I等)又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。より好ましくは、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。さらに好ましくは、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。
前記式(2)中、mは、0〜5の整数を示し、好ましくは0〜4の整数を示し、より好ましくは0〜2の整数を示す。
本発明におけるケトン樹脂の具体例を以下に示す。但し、これらに限定されるわけではない。なお、以下の具体例中、nは5〜100を示す。
上記式(1)及び前記式(2)のうち、インクへの溶解性と、粘度増加が小さいという観点より、式(1)が好ましい。
また、上記ケトン樹脂の構成単位の具体例a−1〜a−14のうち、インクジェット吐出安定性と密着性向上の観点より、a−1、a−2、a−3、a−8、a−9、a−10又はa−11が好ましく、a−2又はa−11がより好ましい。
なお、上記ケトン樹脂の構成単位の具体例a−1〜a−14は、公知の方法により、合成することが可能である。また、末端基についても、公知の方法により、合成することが可能である。公知の方法としては、例えば、Journal of applied Polymer Science (1993) 50,577−584や、特開2009−249611号公報等に従い合成することができる。
本発明におけるケトン樹脂の重量平均分子量(Mw)は、3000〜100000であり、好ましくは3000〜50000であり、アクリル系化合物を含有する溶媒への溶解性という観点より、ケトン樹脂の重量平均分子量が3000〜20000であることがより好ましい。
ケトン樹脂の重量平均分子量が3000〜100000である場合には、インクジェットでの吐出安定性良好であるため好ましい。
本発明におけるケトン樹脂の数平均分子量(Mn)は、700以上であることが好ましく、1000以上がさらに好ましく、3000〜100000がより好ましく、3000〜50000がさらに好ましく、アクリル系化合物を含有する溶媒への溶解性という観点より、ケトン樹脂の数平均分子量が3000〜20000であることが最もより好ましい。
ケトン樹脂の数平均分子量が700以上である場合には、インクジェットでの吐出安定性良好であるため好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC法によりスチレン換算で測定した値を用いる。
ケトン樹脂の含有量としては、インク組成物に対して、0.5質量%〜15.0質量%であることが好ましく、1.0質量%〜10.0質量%であることがより好ましく、アクリルアミドを使用した際の安定吐出可能な粘度と基材への密着性向上の観点より、1.0質量%〜5.0質量%であることがさらに好ましい。
[重合性化合物]
本発明のインク組成物は重合性化合物を含み、前記重合性化合物中には、アクリルアミド基を有する化合物を含む。また、必要に応じてアクリルアミド基を有する化合物以外の単官能モノマー又は多官能モノマーを含んでもよい。
(アクリルアミド基を有する化合物)
アクリルアミド基を有する化合物としては、アクリルアミド基、またはメタアクリルアミド基を1つ以上有する重合性の化合物であれば、特に制限はない。中でもアクリルアミド基を1〜2個有する化合物が好ましく、1つ有する化合物が最も好ましい。例えば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド又はN−イソプロピルメタクリルアミド、メチレンビスアクリルアミドが挙げられる。
これらの中でも、特に膜の硬化性及び粘度の観点から、N-イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン又はジメチルアクリルアミドが好ましい。
アクリルアミド基を有する化合物の含有量は、重合性化合物の総量に対して、5質量%〜90質量%であることが好ましく、10質量%〜80質量%であることがより好ましく、10質量%〜70質量%であることがさらに好ましい。
アクリルアミド基を有する化合物の含有量が5質量%〜90質量%である場合には、高い硬化感度と顔料分散安定性を有するため好ましい。
(アクリルアミド基を有する化合物以外の重合性化合物)
アクリルアミド基を有する化合物以外の重合性化合物としては、硬化感度という観点から、N−ビニル化合物、アクリレート化合物、メタクリレート化合物、ビニルエーテル化合物等の単官能モノマーを含むことが好ましい。また、印刷物の強度の向上や高温での耐久性という観点から、多官能モノマーを含むことも有用である。
−N−ビニル化合物−
N−ビニル化合物としては、N−ビニルホルムアミド(NVF)、N−ビニルカプロラクタム(NVC)、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカルバゾール等が挙げられる。
中でも、インク露光感度と安全性の観点より、下記一般式(3)で表されるN−ビニル化合物が好ましい。
式(3)中、pは1〜5の整数を表す。より好ましくは2〜5の整数を表し、さらに好ましくはN-ビニルカプロラクタムを表す。
N−ビニル化合物の含有量は、重合性化合物の総量に対して、1質量%〜60質量%であることが好ましく、1質量%〜50質量%であることがより好ましく、1質量%〜40質量%であることがさらに好ましい。
N−ビニル化合物の含有量が1質量%〜60質量%である場合には、塩化ビニルなどの基材への密着性と感度が向上するため好ましい。
−アクリル化合物−
アクリル化合物としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、トリデシルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、サイクリックトリメチロールプロパンフォルマールアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ラクトン変性アクリレート、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート等のアクリレート化合物、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート等のメタクリレート化合物が好ましい。
アクリル化合物の含有量は、重合性化合物の総量に対して、1質量%〜90質量%であることが好ましく、1質量%〜80質量%であることがより好ましく、5質量%〜60質量%であることがさらに好ましい。
アクリル化合物の含有量が1質量%〜90質量%である場合には、顔料の分散安定性と、インク感度が高くなるため好ましい。
−その他の単官能モノマー−
アリルグリシジルエーテル等のアリル化合物;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、n−オクタデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、
メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート等のビニルエーテル化合物;
等が挙げられる。
本発明のインク組成物中、単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、80質量%〜100質量%であることが好ましく、85質量%〜100質量%であることがより好ましく、90質量%〜100質量%であることがさらに好ましい。
なお、アクリルアミド基を有する化合物の含有量は、単官能モノマーの総量に対して5質量%〜100質量%であることが好ましく、10質量%〜100質量%であることがより好ましく、15質量%〜100質量%であることがさらに好ましい。
アクリルアミド基を有する化合物の含有量が、単官能モノマーの総量に対して5質量%〜100質量%である場合には、膜の延伸性と感度のバランスがよいため好ましい。
単官能モノマーの分子量としては、150〜100が好ましく、150〜800がより好ましく、200〜500がさらに好ましい。
−多官能モノマー−
多官能モノマーとしては、例えば、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を2つ以上有する多官能ラジカル重合性化合物等が挙げられる。
上記多官能モノマーとしては、例えば、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパン(PO変性)トリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、
変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート等のアクリルレート化合物;ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリレート化合物等が挙げられる。その他、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物も挙げられる。なお、POはプロピレンオキシド、EOはエチレンオキシドを示す。
また、多官能ビニルエーテルも多官能ラジカル重合性モノマーとして好適に挙げられる。多官能ビニルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、
ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。これらの多官能ビニルエーテル化合物の中でも、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
また、上記以外にも、多官能ラジカル重合性化合物として、例えば、特開平7−159983号公報、特公平7−31399号公報、特開平8−224982号公報、特開平10−863号公報、特開平9−134011号公報、特表2004−514014号公報等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化型の重合性化合物が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる。
本発明における、多官能モノマーの分子量としては、200〜1500であることが好ましく、250〜1500であることがより好ましく、250〜1200であることがさらに好ましい。
多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、20質量%以下であり、好ましくは0質量%〜15質量%であり、より好ましくは、0質量%〜10質量%である。
[重合開始剤]
本発明のインク組成物は、重合開始剤を含有する。本発明の重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであってもよいが、光重合開始剤が好ましく挙げられる。
重合開始剤としては、公知の重合開始剤を、重合性化合物の種類、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物に使用する重合開始剤は、外部エネルギー(光)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。重合開始剤において、重合を開始させる光とは、活性エネルギー線、すなわち、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線等を示し、好ましくは、紫外線である。
重合開始剤としては、公知の化合物が使用できるが、本発明で使用し得る好ましい重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられ、より好ましくは、(a)芳香族ケトン類及び(b)アシルホスフィンオキシド化合物が挙げられる。
これらの重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独もしくは組み合わせて使用してもよい。本発明における重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、及び、(e)チオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」,J.P.FOUASSIER,J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。
これらのなかでも、本発明において、重合開始剤として芳香族ケトン類又はアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましく、p−フェニルベンゾフェノン(和光純薬工業社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819:BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(Darocur TPO:BASF社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
インク組成物における重合開始剤の含有量は、インク組成物に対して、3質量%〜20質量%が好ましく、より好ましくは3質量%〜18質量%、さらに好ましくは3質量%〜15質量%である。
[ウレタン樹脂]
本発明のインク組成物は、ウレタン樹脂を含有していてもよい。ウレタン樹脂を含有することにより、インク膜の強度が向上するため、好ましい。
ウレタン樹脂としては、ウレタン構造単位(−NH−CO−O−)を含んでいれば特に制限されない。例えば、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリアルキレンオキサイドポリウレタン、又は、ポリカプロラクトンポリウレタン等が挙げられる。
インク組成物におけるウレタン樹脂の含有量は、インク組成物に対して、0.1質量%〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5質量%〜15.0質量%、さらに好ましくは1.0質量%〜10.0質量%である。
ウレタン樹脂の重量平均分子量は、3000〜60000が好ましく、5000〜50000がより好ましく、8000〜30000がさらに好ましい。
[着色剤]
本発明のインク組成物は、着色剤を含有していてもよい。インク組成物に着色剤を添加することで、可視画像(有色画像)を形成しうるインク組成物とすることができる。
本発明のインク組成物に用いることのできる着色剤は、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料および油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
(顔料)
まず、本発明のインク組成物における着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。着色剤として顔料を用いた場合、インク組成物を使用して形成された着色画像は耐光性に優れたものとなる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等)、C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。C.I.ピグメントイエロー120(モノアゾベンズイミダゾロン)、C.I.ピグメントイエロー155(ジアゾ)、C.I.ピグメントイエロー151(モノアゾベンズイミダゾロン)、C.I.ピグメントイエロー185(イソインドリン)、C.I.ピグメントイエロー213(モノアゾ、キノキサリン)を追加願います。
赤或いはマゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントバイオレット19(無置換キナクリドン)、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
青或いはシアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
緑色を呈する顔料として、C.I.ピグメントグリーン7(フタロシアニングリーン)、C.I.ピグメントグリーン36(フタロシアニングリーン)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントグリーン8(ニトロソグリーン)等の如きアゾ金属錯体顔料等が挙げられる。
オレンジ色を呈する顔料として、C.I.ピグメントオレンジ66(イソインドリンオレンジ)の如きイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ51(ジクロロピラントロンオレンジ)の如きアントラキノン系顔料が挙げられる。
黒色を呈する顔料として、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック等が挙げられる。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCOPb(OH)、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、更に、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、必要に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、ルーブリゾール社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、エネルギー線硬化型のインクであり、インクを記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。
インク組成物中の顔料粒子の体積平均粒径は、0.02μm〜0.60μmであることが好ましく、より好ましくは0.02μm〜0.10μmである。また、最大粒径は3μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、そのような範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性およびブロッキング感度を維持することができる。
なお、上記体積平均粒径は、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(LA920、(株)堀場製作所製)を用いて、トリプロピレングリコールメチルエーテルを測定溶媒として測定されるものである。
(染料)
次に、本発明における着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落番号[0023]〜[0089]、特開2008−13646号公報の段落番号[0136]〜[0140]に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
前記着色剤はインク組成物中、インク組成物に対して0.05質量%〜20.00質量%添加されることが好ましく、0.2質量%〜10.0質量%がより好ましい。着色剤として油溶性染料を用いた場合には、インク組成物の全質量(溶媒を含む)に対して、0.2質量%〜6.0質量%が特に好ましい。
[水]
本発明のインク組成物は、実質的に水を含有しない非水性インク組成物であることが好ましい。
具体的には、インク組成物全量に対して、3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは2質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。これにより保存安定性の点で優れる。
[その他の成分]
さらに、本発明のインク組成物は上記以外の成分を添加することができる。以下順次説明する。
(連鎖移動剤)
本発明のインク組成物は、更に連鎖移動剤を含有していてもよい。
前記連鎖移動剤としては、重合反応において連鎖移動反応により、反応の活性点を移動させる物質であれば特に制限なく使用することができる。
本発明に用いうる連鎖移動剤の具体例としては、例えば、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化合物;イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;2−メチル−1−ブテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン類;エタンチオール、ブタンチオール、ドデカンチオール、メルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸エチル、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、エチルジスルフィド、sec−ブチルジスルフィド、2−ヒドロキシエチルジスルフィド、チオサルチル酸、チオフェノール、チオクレゾール、ベンジルメルカプタン、フェネチルメルカプタン、チオカーボネート、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジンー2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等の含イオウ化合物;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の中でも、インク組成物の保存安定性と感度向上の観点から、連鎖移動剤は、チオール化合物であることが好ましい。さらには、連鎖移動剤は、2級又は3級チオールの多官能チオール化合物であることがより好ましい。
が好ましい。
連鎖移動剤の分子量は250以上が好ましく、特に250以上100,000以下が好ましく、500以上80,000以下がより好ましく、3,000以上80,000以下がさらに好ましい。
市販品としては、カレンズMTシリーズ(昭和電工社製)が好適に用いられる。
連鎖移動剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のインク組成物への連鎖移動剤の添加量は、インク組成物の全固形分質量に対して、0.1質量%〜15質量%であることが好ましく、0.5質量%〜10質量%であることがより好ましく、1質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
本明細書において、全固形分質量とは、インク組成物を構成する溶剤を除いた全成分の合計含有量のことである。
(増感色素)
本発明のインク組成物には、重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性エネルギー線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感色素は、インク組成物に使用される重合開始剤に開始種を発生させる活性エネルギー線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ、350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類およびチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
また、特開2008−95086号公報記載の増感色素も好適である。
本発明のインク組成物への増感色素の添加量は、インク組成物の全固形分質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜6質量%であることがより好ましく、1質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(共増感剤)
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性エネルギー線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Science」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
本発明のインク組成物への共増感剤の添加量は、インク組成物の全固形分質量に対して、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜6質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがさらに好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、退色防止等の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の全固形分質量に対して、0.5質量%〜15質量%であることが好ましい。
(酸化防止剤)
本発明のインク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の全固形分質量に対して、0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
(褪色防止剤)
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。
また、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、インク組成物の全固形分質量に対して、0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
(導電性塩類)
本発明のインク組成物には、吐出物性の制御を目的として、チオシアン酸カリウム、硝酸リチウム、チオシアン酸アンモニウム、ジメチルアミン塩酸塩などの導電性塩類を添加することができる。導電性塩類の含有量は限定的でないが、インク組成物全体に対して、0.1質量%〜8質量%が好ましく、0.5質量%〜5質量%がより好ましい。
(溶剤)
本発明のインク組成物には、記録媒体(基材)との密着性を改良するため、極微量の非硬化性の有機溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性又はVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対して、0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
(高分子化合物)
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種油溶性の高分子化合物を併用することもできる。
油溶性高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合体が好ましい。更に、高分子化合物の共重合組成として、「カルボキシル基含有モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
また、本発明のインク組成物を膜としたときに、タック性改善等の目的で表面に偏析しやすい高分子化合物も好適である。これらの高分子化合物は特開2008−248119号公報段落番号[0017]〜[0037]、特開2005−250890号公報段落番号[0015]〜[0034]などに記載されたSi、F原子を含む高分子、長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子などが利用可能である。
高分子化合物の含有量は限定的でないが、インク組成物全体に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましく、0.5質量%〜4.0質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号公報、同62−183457号公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
なお、界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。
有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号公報(第8〜17欄)、特開昭62−135826号公報に記載されたものが挙げられる。
組成物中における界面活性剤の含有量は使用目的により適宜選択されるが、インク組成物全体に対し、0.0001質量%〜1質量%が好ましく、0.001質量%〜0.1質量%がより好ましい。
この他にも、必要に応じて、例えば、重合禁止剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤー(粘着付与剤)などを含有させることができる。
重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、メトキシベンゾキノン、メトキシフェノール、フェノチアジン、t−ブチルカテコール、メルカプトベンズイミダゾール、アルキルジチオカルバミン酸塩類、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノール類、サリチル酸塩類、チオジプロピオン酸エステル類、ホスファイト類、ニトロキサイドアルミニウム錯体などが挙げられる。具体的には、Gerorad16,18,20,21、22、(Rahn社製)等が挙げられる。重合禁止剤の含有量は限定的でないが、インク組成物全体に対して、0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.02質量%〜1質量%がより好ましい。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
(インク組成物の好ましい物性)
本発明のインク組成物は、インクジェット用途に好適に用いられる。従って、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40℃〜80℃、好ましくは25℃〜30℃)において、粘度が、7mPa・s〜30mPa・sであることが好ましい。より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な記録媒体を用いた場合でも、記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
また、本発明のインク組成物は、25℃における表面張力が20mN/m〜40mN/mであることが好ましい。表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。また、粘度は、1mPa・s〜40mPa・sが好ましく、3mPa・s〜30mPa・sがより好ましい。インク組成物の粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYOCO.LTD製)を用い、25℃の条件下で測定されるものである。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録に好適に用いられる。本発明のインク組成物をインクジェット記録に適用する場合には、本発明のインク組成物をインクジェット記録装置により記録媒体に射出し、その後、射出されたインク組成物にエネルギー線を照射して硬化して記録を行う。
また、本発明のインク組成物は、インクジェット記録以外の一般的な印刷物の画像形成にも用いることができる。
その他、本発明のインク組成物は、支持体等の記録媒体に画像を形成した後に加工を施す態様においても好適に用いることができる。
<印刷物、印刷物成形体及び印刷物の製造方法>
本発明の印刷物は、記録媒体上に、本発明のインク組成物により形成された画像を有する。
本発明の印刷物は、本発明のインク組成物を用いるため、高硬度な画像が形成されるとともに、成形性に優れた画像を有する印刷物となる。
また、本発明の印刷物は、一般的な印刷物の製造方法に好適に用いられる他、支持体等の記録媒体に画像を形成した後に加工を施す態様においても好適に用いることができる。
本発明の印刷物の製造方法は、特に制限されず、公知の方法で製造することができる。また、例えば、以下に詳述する製造方法に従い製造することもできる。
本発明の印刷物の製造方法は、記録媒体上に、本発明のインク組成物を、市販の装置を含んだ公知のインクジェット記録装置等を用いたインクジェット方式により吐出してインク画像を形成する工程と、得られたインク画像に活性エネルギー線を照射することにより、前記インク画像を硬化させて、前記記録媒体上に硬化した画像を形成する工程と、を含む。
本発明に適用し得る記録媒体(基材)としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も記録媒体として使用可能である。
なお、本発明のインク組成物は、記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしてはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ABS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましく、成型性と耐久性及び、耐キズ性の観点より、アクリル樹脂、アクリル樹脂/ポリカーボネート樹脂の合板がより好ましい。
本発明に適用される活性エネルギー線としては、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線などが挙げられる。活性エネルギー線のピーク波長は、200nm〜600nmであることが好ましく、300nm〜450nmであることがより好ましく、350nm〜420nmであることが更に好ましい。また、活性エネルギー線の出力は、2,000mW/cm以下であることが好ましく、より好ましくは、10mW/cm〜2,000mW/cmであり、更に好ましくは、20mW/cm〜1,000mW/cmであり、特に好ましくは、50mW/cm〜800mW/cmである。
特に、本発明の印刷物の製造方法では、エネルギー線照射が、発光波長ピークが350nm〜420nmであり、かつ、前記記録媒体表面での最高照度が10mW/cm〜2,000mW/cmとなる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。本発明のインク組成物は、発光ダイオードの発する光のような、低露光量の光でも高感度で硬化する。
本発明により得られる印刷物成形体は、本発明の印刷物を成形加工したものである。印刷物成形体の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法を用いることができる。例えば、記録媒体上に、既述の本発明の活性エネルギー線硬化型インクジェット用インク組成物をインクジェット方式により吐出してインク画像を形成する工程と、得られたインク画像に活性エネルギー線を照射して、前記インク組成物を硬化させて、前記記録媒体上に硬化した画像を有する印刷物を得る工程と、前記印刷物を成形加工して印刷物成形体を得る工程と、を含む本発明の印刷物成形体の製造方法等により製造できる。
印刷物成形体の製造に用いられる記録媒体としては、成形可能な樹脂材料からなる記録媒体が用いられ、例えば、PET、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリル樹脂等が挙げられる。
前述の印刷物成形体を作製するための加工方法としては、真空成形や圧空成形或いは真空圧空成形が最も好適である。真空成形は原理的に、平坦な支持体を予め熱変形可能な温度まで予熱し、これを金型へ減圧によって吸引して延伸しながら金型に圧着冷却するものであり、圧空成形は金型の反対側から加圧して金型に圧着冷却するものである。また、真空圧空成形は、前記減圧及び加圧を同時に行うものである。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
実施例及び比較例で使用する化合物のうち、製造元の記載のない化合物は、公知の方法、又は、公知の方法を応用し合成した。
・IBOA(イソボルニルアクリレート、アロニックスM−156、東亞合成社製)
・Ebecryl 110:フェノキシジエチレングリコールアクリレート(ダイセルサイテック社製)
・ACMO(化合物名アクリロイルモルホリン、興人社製)
・NIPAM(化合物名N-イソプロピルアクリルアミド、興人社製)
・DMAA(ジメチルアクリルアミド、興人社製)
・PEA(2−フェノキシエチルアクリレート、ビスコート#192、大阪有機化学社製)
・NVF(N−ビニルフォルムアミド、荒川化学社製)
・NVC(化合物名N-ビニルカプロラクタム、BASF社製)
・HDDA:ヘキサンジオールジアクリレート、2官能ラジカル重合性モノマー、SR238、サートマー社)
・Synethetic resin SK(ポリオールレジン、Evonik Degussa社製)Mn=800
・Synethetic resin AP (Mn=780)
ケトン樹脂の合成例
(a−1の合成)
三口フラスコにシクロヘキサノン98g、シクロヘキサン20g、ホルマリン20gを加え、攪拌しながら60度に加熱した。20%NaOH水溶液0.36mlを滴下し、75度で1時間還流を行った。さらにホルマリン100gと20%NaOH水溶液3.64mlを加え、2時間還流を続けた。冷却後、デカンテーションで油相を取り出し、温水で3回洗浄を行った後、減圧乾燥を行い、a−1を得た。得られたa−1はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−2の合成)
得られたa−1 5gを乾燥ピリジン20ml、クロロホルム20mlに溶解した中に、激しく攪拌、氷冷しながら塩化ベンゾイル20gを滴下したのち、室温にて24時間反応した。反応終了後、クロロホルム80mlを添加し希硫酸水溶液と炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、ヘキサン溶液に注ぎ、沈殿物を100℃にて真空乾燥して、a−2を得た。得られたa−2はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−3〜a−5の合成)
a−1の合成の際に用いたシクロヘキサノンを、表1に記載の各原料に変更した以外は、a−1と同様の条件で、a−3〜a−5を得た。得られたa−3〜a−5はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−6及びa−7の合成)
得られたa−4 5gを乾燥ピリジン20ml、クロロホルム20mlに溶解した中に、激しく攪拌、氷冷しながら塩化ベンゾイル20gを滴下し、24時間反応した。反応終了後、希硫酸水溶液と炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄を行い、ヘキサン溶液に注ぎ、沈殿物を100℃にて真空乾燥して、a−6を得た。またピリジンと無水酢酸の3:1混合物20mlに2gのa−5を加え、120度で3時間還流を行うことにより、a−7を得た。得られたa−6及びa−7はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−8の合成)
三口フラスコにアセトフェノン67g、ホルマリン30g、40%KOH水溶液10gを加え、90度で8時間還流を行った。さらに、40%KOH水溶液6.5gを加え8時間還流を行った。冷却後、デカンテーションで油相を取り出し、温水で3回洗浄を行った後、減圧乾燥を行い、a−8を得た。得られたa−8はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−9〜a−13の合成)
a−8の合成の際に用いたアセトフェノンを、表1に記載の各原料に変更した以外は、a−8と同様の条件で、a−9〜a−13を得た。得られたa−9〜a−13はNMR及びGPC測定により同定を行った。
(a−14の合成)
得られたa−8 5gをイソプロピルアルコール20mlに溶解し水素化ホウ素ナトリウム2gを加え40度にて6時間反応を行ったのち、氷水へ注ぎ、沈殿物を100度にて真空乾燥することでa−14を得た。得られたa−14はNMR及びGPC測定により同定を行った。
下記実施例で用いたケトン樹脂(a−1)〜(a−14)の構造は下記に示す構造である。
(顔料分散物の調製)
次に示す顔料、分散剤、溶媒を混合して、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて10分撹拌した。その後、ビーズミル分散機DISPERMAT LS(VMA社製)に入れ、直径0.65mmのYTZボール((株)ニッカトー製)を用い、2,500回転/分で6時間分散を行い、各色の顔料分散物(Y1、M1、C1、K1及びW1)を調製した。
イエロー顔料分散物(Y1)
・顔料:C.I.ピグメントイエロー12 10部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート[PEA、ビスコート#192、大阪有機化学社製] 85部
マゼンタ顔料分散物(M1)
・顔料:C.I.ピグメントレッド57:1 15部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 80部
シアン顔料分散物(C1)
・顔料:C.I.ピグメントブルー15:3 20部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
ブラック顔料分散物(K1)
・顔料:C.I.ピグメントブラック7 20部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
ホワイト顔料分散物(W1)
・顔料:MICROLITH WHITE R−A(BASF社製) 20部
・分散剤:高分子分散剤〔日本ルーブリゾール(株)製、ソルスパース32000〕5部
・単官能重合性化合物:2−フェノキシエチルアクリレート 75部
(実施例1)
−カラーインク組成物の調製−
表2に示す成分に下記の成分を混合して、ミキサー(シルバーソン社製L4R)を用いて2,500回転/分にて15分撹拌した。その後、日本ポール(株)製カートリッジフィルター(製品名:プロファイルII AB01A01014J)を用いてろ過し、実施例1のインク組成物を調製した。
・Genorad 16〔Rahn社製、重合禁止剤〕 0.05部
・Lucirin TPO〔BASF社製、重合開始剤〕 6.0部
・p−フェニルベンゾフェノン〔和光純薬工業社製、重合開始剤〕 4.0部
・カレンズMT−PE1〔多官能チオール化合物、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、昭和電工(株)、連鎖移動剤〕 2.0部
・Byk 307〔BYK Chemie社製、界面活性剤〕 0.05部
得られた実施例1のインク組成物について、以下の通り密着性評価を行った。結果を表3に示す。
−密着性評価−
記録媒体としてポリカーボネートシート(PC、帝人化成社製)及びアクリルシート(Acryl、日本アクリエース社製)を用い、各々の表面に、得られた実施例A1のインク組成物を、Kハンドコーター(バーNo.2)を用いてウェット膜厚12μmとなるように塗布した。次いで、オゾンレスメタルハライドランプMAN250Lを搭載し、コンベアスピード9.0m/分、露光強度2.0W/cmに設定した実験用UVミニコンベア装置CSOT(ジーエス・ユアサパワーサプライ製)により、エネルギー線硬化させた。記録媒体への接着性は、この硬化塗膜を用いてISO2409(クロスカット法)により下記の基準で評価した。結果を表3に示す。
0:カットの縁が完全に滑らかで、どの格子の目にもはがれがない。
1:カットの交差点における塗膜の小さなはがれが生じる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を上回ることはない。
2:塗膜のカットの縁に沿って、及び/又は、交差点においてはがれる。クロスカット部分で影響を受けるのは、5%を超えるが、15%を上回ることはない。
3:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は目のいろいろな部分が、部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、15%を超えるが、35%を上回ることはない。
4:塗膜がカットの縁に沿って、部分的又は全面的に大はがれを生じており、及び/又は数か所の目が部分的又は全面的にはがれている。クロスカット部分で影響を受けるのは、35%を超えるが、65%を上回ることはない。
5:はがれの程度が65%を超える。
ISOの評価に基づき0〜1をA、2〜4をB、5をCとして評価を行った。
また、印刷物を下記の方法により作製し、鉛筆硬度評価及び耐湿熱性評価を行った。結果を表3に示す。
−印刷物の作製−
実施例1で調製されたインク組成物を絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過した。
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置(商品名LuxelJet UV350GTW、富士フイルム社製)を用いて、ファインモード、ランプ5、にて記録媒体[(ポリカーボネート樹脂(パンライトPC−1151)、厚み500μm、帝人化成社製)、または(アクリル樹脂(アクリライトE)、厚み30mm、三菱レーヨン社製)]、への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱および加温を行いノズル部分が常に45℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8pl〜30plのマルチサイズドットを600×450dpiの解像度で射出できるよう駆動し、ベタ画像を形成した。なお、本発明でいうdpi(dot per inch)とは、2.54cm当たりのドット数を表す。
着弾後は、高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング社製)を用いて紫外線照射(露光)して画像を硬化させ印刷物を得た。具体的には、紫外線を、露光面照度100mW/cmに集光し、記録媒体上にインク着弾した0.1秒後に照射が始まるよう露光系、主走査速度および射出周波数を調整した。また、露光時間を可変とし、露光エネルギーを照射した。
メディアとの距離及び搬送速度の設定に応じて、メディア上の露光エネルギーを0.01J/cm〜15J/cmの間で調整した。なお、紫外線照射時間は、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなるまでとした。
−鉛筆硬度評価−
得られた印刷物について、JIS K5600−4に基づき、鉛筆硬度試験を行った。結果を表3に示す。
延伸性を有する本発明のインクにおいて硬度の許容範囲はHB以上であり、H以上であることが好ましい。評価結果がBである印刷物は印刷物の取り扱い時にキズが生じる可能性があり好ましくない。
なお、鉛筆は三菱鉛筆社製のUNI(登録商標)を使用した。
―耐湿熱性評価−
3cm×3cmの上記印刷塗膜を70度、90RH%の恒温槽へ塗膜が表となるようにいれ、192時間後、目視、及び50倍の光学顕微鏡にて膜の形状変化を観察した。
結果を表3に示す。
A評価:塗膜変化なし
B評価:目視ではわかりにくいが光学顕微鏡にてわかる塗膜のはがれ、歪みあり
C評価:目視にてわかる塗膜のはがれ、歪みあり
(実施例2〜19、比較例1〜3)
顔料分散物、重合性化合物及びケトン樹脂の種類及び添加量を表2に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜19、比較例1〜3のインク組成物を調製し、密着性の評価を行った。また、実施例1と同様にして印刷物を作製し、鉛筆硬度及び耐湿熱性の評価を行った。結果を表3に示す。
表3の結果からも明らかな通り、本発明のインク組成物を用いた実施例1〜19は、比較例1〜3のインク組成物に比べて、密着性に優れることが分かった。また、本発明のインク組成物を用いて作製された印刷物は高硬度であり、耐湿熱性に優れることが明らかになった。さらに、実施例1〜19のインク組成物のうち、数平均分子量が700以上のケトン樹脂を用いたインク組成物は優れた効果を示すことが明らかになった。

Claims (13)

  1. 下記一般式(1)及び下記一般式(2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位を含むケトン樹脂、(メタ)アクリルアミド基を有する化合物を含む重合性化合物及び重合開始剤を含有するインク組成物。


    (一般式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、RとRとは連結して炭素数10以下の環構造を形成してもよい。一般式(2)において、Rは水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示す。mは0〜5の整数を示す。)
  2. 前記ケトン樹脂の数平均分子量が3000〜100000である請求項1に記載のインク組成物。
  3. インク組成物に対する前記ケトン樹脂の含有量が、0.5質量%〜15質量%である請求項1又は請求項2に記載のインク組成物。
  4. 前記重合性化合物の総量に対する前記アクリルアミド基を有する化合物の含有量が、4質量%〜90質量%である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインク組成物。
  5. 前記重合性化合物の総量に対する単官能モノマーの含有量が、80質量%〜100質量%である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク組成物。
  6. 前記単官能モノマーの総量に対する前記アクリルアミド基を有する化合物の含有量が、5質量%〜90質量%である請求項5に記載のインク組成物。
  7. 前記重合性化合物が、さらに、N-ビニル化合物を含有する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のインク組成物。
  8. 前記N−ビニル化合物が下記一般式(3)で表される請求項7に記載のインク組成物。


    (一般式(3)において、pは1〜5の整数を表す。)
  9. さらに、ウレタン樹脂を含有する請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のインク組成物。
  10. インクジェット用である請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のインク組成物。
  11. 記録媒体上に、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物により形成された画像を有する印刷物。
  12. 請求項11に記載の印刷物を成形加工したことにより得られた印刷物成形体。
  13. 記録媒体上に、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のインク組成物をインクジェット方式により吐出してインク画像を形成する工程と、
    得られたインク画像に活性エネルギー線を照射して、前記インク画像を硬化させて、画像を形成する工程と、
    を含む印刷物の製造方法。
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