以下、添付の図面を参照しながら、本発明による切削装置、切削方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
〔全体の構成および処理内容〕
図3には、本発明による切削装置の実施の形態の一例を示すブロック構成図が表されている。このブロック構成図は、本発明による切削装置の動作を制御する電気的な制御系の構成を示すものである。
なお、本発明による切削装置の機構的な構成は、例えば、図1に示す切削装置1000と同様な構造を採用することができるものである。
従って、説明を簡略化して本発明の理解を容易にするために、図1に示す切削装置1000に示す構成と同一または相当する構成については、図1に示す切削装置1000において用いた符号と同一の符号を用いて示すこととし、図1に示す切削装置1000の説明を援用することによりその構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
この本発明による切削装置10の電気的な制御系は、切削データの作成処理を制御する切削データ作成処理系と、切削データ作成処理系により作成された切削データに基づいてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御するモーター駆動系とを有して構成されている。
ここで、切削データ作成処理系は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピューター14と、図4に示す切削プログラムや使用するツール1033および被加工物2000に用いられる材料などを記憶する記憶装置15と、マイクロコンピューター14の指示に基づいて各種の表示を行うCRTや液晶パネルなどの画面を備えた表示装置20と、表示装置20の画面上における任意の位置を指定するマウスなどのポインティングデバイスや任意の文字を入力するためのキーボードなどの文字入力デバイスよりなる入力装置18とを有して構成されている。
また、モーター駆動系は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピューター12と、マイクロコンピューター12によりその駆動が制御されるモーター1020、1022、1028、1036とを有して構成されている。
そして、モーター駆動系においては、インターフェース16を介して接続される切削データ作成処理系から出力された切削データに基づいて、マイクロコンピューター12によって、所定の構成部材を動作するモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御する。
また、切削データ作成処理系は、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードなどの文字入力デバイスなどからなる入力装置18によるユーザーの指示にしたがって、記憶装置15に記憶された切削プログラムを実行することにより、切削装置10の動作を制御する。
なお、本実施の形態による切削装置10においては、切削プログラムは予め記憶装置15に記憶されているものとする。
また、マイクロコンピューター14は、切削プログラムによる切削処理の設定を行うための画面を、表示装置20に適宜表示させる。
以上の構成において、切削装置10により被加工物2000を切削するには、まず、ユーザーは、入力装置18を利用して記憶装置15に記憶された切削プログラムを起動し、切削プログラムの実行を開始させる。
切削プログラムの実行が開始されると、表示装置20の表示画面上には切削データ作成画面22(図5(a)を参照する。)が表示される。ユーザーは、切削データ作成画面22を参照しながら、ポインティングデバイスなどの入力装置18により、切削データ作成画面22における切削加工の種類が表示されたタブ24のいずれかを選択し、ユーザーが所望する切削加工の種類を選択する。これにより、切削装置10により被加工物2000を切削する際の切削加工の種類が、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS402)。
次に、ユーザーは、ポインティングデバイスやキーボードなどの文字入力デバイスなどからなる入力装置18を用いて、必要に応じて切削加工領域の概形形状や被加工物2000上における切削加工位置の指定方法などのパラメータを選択するとともに、切削加工領域の具体的な寸法や被加工物2000上における切削加工位置の具体的な位置などのパラメータを入力する。これにより、上記した各種のパラメータが、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS404)。
なお、上記した被加工物2000上における切削加工位置の具体的な位置は、ユーザーが入力装置18によりXYZ直交座標系における座標値を入力することにより、当該座標値が当該具体的な位置を示すパラメータとして設定されることになる。
ここで、XYZ直交座標系における原点位置は、テーブル1006上の所望の位置を原点位置として予めマイクロコンピューター14の記憶領域に設定しておくようにしてもよいし、あるいは、切削プログラムを実行する前に、ユーザーがモーター1020、1022、1028を制御してツール1033を所望の位置に移動させ、移動させた位置を原点位置としてマイクロコンピューター14の記憶領域に設定するようにしてもよい。
次に、ユーザーが、ポインティングデバイスや文字入力デバイスなどからなる入力装置18を用いて、切削データ作成画面22の切削ボタン26(図5(a)を参照する。)または切削データ作成画面22のメニューバーのファイルから切削28(図5(b)を参照する。)をクリックして選択すると、切削条件などを設定することができる画面たる切削ダイアログボックス30の起動が指示され、表示装置20の表示画面上に切削ダイアログボックス30(図5(c)を参照する。)が表示される。
ユーザーは、ポインティングデバイスや文字入力デバイスなどからなる入力装置18を用いて、この切削ダイアログボックス30において、ツール選択プルダウン31を開いて切削加工に使用するツール1033の種類を選択する。これにより、切削加工に使用するツール1033の種類が、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS406)。
さらに、ユーザーは、ポインティングデバイスや文字入力デバイスなどからなる入力装置18を用いて、切削ダイアログボックス30において、材料選択プルダウン33を開いて被加工物2000の材料の種類を選択する。これにより、被加工物2000の材料の種類が、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS408)。
ステップS406の処理およびステップS408の処理により、切削加工に使用するツール1033の種類および被加工物2000の材料の種類が設定されると、マイクロコンピューター14は、所定の計算式により切削条件を自動的に算出し、当該自動的に算出した切削条件をマイクロコンピューター14の記憶領域に設定するとともに切削ダイアログボックス30に表示する(ステップS410)。
ユーザーは、この切削ダイアログボックス30に表示された切削条件を確認し、ポインティングデバイスや文字入力デバイスなどからなる入力装置18を用いて、必要に応じて当該算出された切削条件を変更するための入力することができる。
マイクロコンピューター14は、上記した入力装置18を用いたユーザーによる切削条件の変更の入力があったか否かを監視しており(ステップS412)、ユーザーによる切削条件の変更があったと判断された場合(Yes)には、当該変更された内容に従ってマイクロコンピューター14の記憶領域に設定された切削条件を更新し(ステップS414)、ステップS416の処理へ進む。
一方、ステップS412の判断処理において、ユーザーによる切削条件の変更があったと判断されなかった場合(No)には、そのままステップS416の処理へ進む。
ここで、ステップS416の処理において、マイクロコンピューター14は、ユーザーによる入力装置18の操作により、切削ボタン35が選択されたか否かを監視している。
ステップS416の判断処理において、切削ボタン35が選択がされた判断された場合(Yes)には、ステップS418の処理へ進む。
一方、ステップS416の判断処理において、切削ボタン35が選択がされた判断されなかった場合(Yes)には、ステップS412の処理へ戻って、ステップS412以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS418の処理においては、ステップS402の処理で設定された切削加工の種類、ステップS404の処理で設定された各種パラメータ、ステップS410で自動的に算出した切削条件およびステップS412の処理で更新した切削条件の集合体である切削データを、インターフェース16を介してマイクロコンピューター12へ出力する。
ここで、マイクロコンピューター12は、このインターフェース16を介して出力された切削データを入力して、所定の記憶領域に記憶する。
一方、ユーザーは、手動操作により、切削ダイアログボックス30において選択した種類のツール1033を主軸ヘッド1032に取り付けて支持させる。
それから、ユーザーが、入力装置18により、マイクロコンピュータ12の所定の記憶領域に記憶された切削データによる被加工物2000に対する切削の実行を指示すると、当該切削データに基づいてマイクロコンピューター12の制御によりモーター1020、1022、1028、1036の駆動が制御されて、被加工物2000に対する切削処理が行われる。
〔切削加工の種類に応じた処理の詳細な説明〕
ここで、切削データ作成画面22において選択する切削加工の種類としては、以下にそれぞれ説明する6つの種類、即ち、「ポケット」、「切り出し」、「面取り」、「線」、「穴開け」および「面出し」という6種の切削加工が選択可能に設定されている。
即ち、切削装置10においては、上記した「ポケット」、「切り出し」、「面取り」、「線」、「穴開け」および「面出し」という6つの種類の切削加工に応じた切削データが切削データ作成処理系により生成されて、当該生成された切削データがマイクロコンピューター14からインターフェース16を介してモーター駆動系のマイクロコンピューター12に出力され、マイクロコンピューター12の制御により当該切削データに基づいて被加工物2000に対して切削処理が行われることになる。
以下、上記した「ポケット」、「切り出し」、「面取り」、「線」、「穴開け」および「面出し」という6つの種類の切削加工のそれぞれについて詳細に説明しながら、本発明による切削装置10の切削プログラムにより実行され処理について、さらに詳細に説明することとする。
上記において説明したように、切削プログラムの実行が開始されると、表示装置20の表示画面上に切削データ作成画面22が表示されることになる。
図6を参照しながら切削データ作成画面22の構成を詳細に説明すると、切削データ表示画面22は、タブ24a、24b、24c、24d、24e、24fより構成されるタブ24により、「ポケット」、「切り出し」、「面取り」、「線」、「穴開け」および「面出し」という6つの種類の切削加工をそれぞれ選択可能に設定されている。
そして、上記した6つの種類の切削加工にそれぞれ応じた切削加工領域の寸法や切削加工位置の座標値などの数値を入力するための設定値入力部32と、設定値入力部32で入力された数値と関連づけられて概略図が表示される概略図表示部34とにより構成されている。
つまり、切削データ表示画面22においては、設定値入力部32により入力した数値に連動して、概略図表示部34に表示される概略図上の該当する部分に表示される数値の表示が変化するため、ユーザーは概略図を参照しながら設定値入力部32に各種数値を入力することができる。
そして、上記した構成の切削データ表示画面22が表示装置20の表示画面上に表示されると、次に、ユーザーは、ポインティングデバイスなどの入力装置18により、設定値入力部32において6種類の切削加工が表示されたタブ24a、24b、24c、24d、24e、24fのうちのいずれか1つをクリックして選択する。
これにより、タブ24a、24b、24c、24d、24e、24fのうちユーザーが選択したもの応じた切削加工の種類が、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS402を参照する。)。
以下、切削加工の種類を選択した後の処理について、タブ24a、24b、24c、24d、24e、24fにそれぞれ設定されている6つの種類の切削加工毎にそれぞれ説明することとする。
(1)ポケット
タブ24aを選択すると、切削加工の種類として「ポケット」が設定される。なお、本実施の形態において「ポケット」とは、図7(a)に示すように、被加工物2000の所望の面の一部を切削して凹部を形成する切削加工およびその切削加工により得られる形状を意味するものとする。
従って、こうしたポケットを切削装置10によって被加工物2000の所望の面に形成しようとする際には、ユーザーはポインティングデバイスなどの入力装置18を使用して、表示装置20の表示画面上に表示された切削データ作成画面22における設定値入力部32のポケットのタブ24aを選択すればよい。
切削加工の種類としてポケットが設定されると、設定値入力部32においては、切削加工領域の概形形状および切削加工位置の指定方法を選択する選択領域36と、切削加工領域のXY平面における座標値や各種寸法を入力するXY平面情報入力領域38と、切削加工領域における面取り加工の要否について設定する面取り設定欄40と、切削加工領域の深さやツールアップ高さの寸法といったZ軸方向に関する情報を入力するZ軸情報入力領域42と、矩形に加工される切削加工領域のコーナーの形状を設定するコーナー形状設定領域44とが表示される(図6を参照する。)。
また、概略図表示部34においては、Z軸情報入力領域42に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、XY平面情報入力領域38で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図6を参照する。)。
このポケットのタブ24aを選択すると、ユーザーは、選択領域36においてポケットとしての切削加工領域の概形形状が「矩形」であるのかあるいは「円/楕円」であるのかを選択するとともに被加工物2000上における切削加工位置の指定方法を選択し、選択した切削加工領域の概形形状および切削加工位置の指定方法に応じて、XY平面情報入力領域38、面取り設定欄40、Z軸情報入力領域42あるいはコーナー形状設定領域44において切削加工領域の具体的な寸法、切削加工位置の具体的な座標値を入力する。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
より詳細には、ユーザーが、選択領域36においてポケットとしての切削加工領域の概形形状として「矩形」を選択した場合には、選択領域36に表示された切削加工位置指定方法選択欄47の切削加工位置指定方法選択プルダウン48により、切削加工位置の指定方法として「対角」と「左下点と辺の長さ」と「中心点と辺の長さ」とのいずれかを選択する(図7(c)を参照する。)。
このとき、切削加工位置の指定方法として「対角」を選択した場合には、XY平面情報入力領域38において、左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52と、右上X軸座標入力ボックス54およびY軸座標入力ボックス56とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図7(b)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52と、右上X軸座標入力ボックス54およびY軸座標入力ボックス56とに文字入力デバイスなどの入力装置18により所望の座標値を入力する。
また、切削加工位置の指定方法として「左下点と辺の長さ」を選択した場合には、XY平面情報入力領域38において、左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52と、幅入力ボックス58と、長さ入力ボックス60とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図7(d)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52に所望の座標値を入力するとともに、入力可能な幅入力ボックス58と長さ入力ボックス60とに所望の寸法を入力する。
なお、この幅入力ボックス58にはX軸方向の長さを示す数値を入力するものであり、長さ入力ボックス60にはY軸方向の長さを示す数値を入力するものである。
さらに、切削加工位置の指定方法として「中心点と辺の長さ」を選択した場合には、XY平面情報入力領域38において、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64と、幅入力ボックス58と、長さ入力ボックス60とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図7(e)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に所望の座標値を入力するとともに、入力可能な幅入力ボックス58および長さ入力ボックス60との所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工位置の指定方法を入力後にXY平面情報入力領域38において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
なお、左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52、右上X軸座標入力ボックス54およびY軸座標入力ボックス56、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に対しては、ユーザーが入力可能な各ボックスにポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて直接座標値を入力することができることは勿論であるが、以下に説明するように、ユーザーがツール位置入力ボタン66、68、70を選択することにより、ツール1033が存在する位置の座標値を入力することもできる。
即ち、左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが左下の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で左下Y軸座標入力ボックス52の近傍に設けられたツール位置入力ボタン66を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が左下X軸座標入力ボックス50およびY軸座標入力ボックス52に左下の座標値として設定される。
また、右上X軸座標入力ボックス54およびY軸座標入力ボックス56に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが右上の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で右上Y軸座標入力ボックス56の近傍に設けられたツール位置入力ボタン68を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が右上X軸座標入力ボックス54およびY軸座標入力ボックス56に右上の座標値として設定される。
さらに、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが中心の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で中心Y軸座標入力ボックス64の近傍に設けられたツール位置入力ボタン70を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に中心の座標値として設定される。
XY平面情報入力領域38において切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
なお、この面取り加工を行うか否かの設定については、後述するコーナー形状設定領域44における「角出し」あるいは「コーナー取りのみ」チェックボックスがチェックされている場合には、グレーアウトされて設定することが不可能となる。
ここで、切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄40において、チェックボックス72に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れない。この場合には、面取り設定欄40はグレーアウトされて入力不可能な状態が維持され、ユーザーは、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図7(b)(d)(e)を参照する。)。
なお、深さ入力ボックス78に入力する寸法は、Z原点(被加工物2000の切削面であり、Z軸方向に関する概略図表示領域46においてZ0で示される。)からの深さ(切削加工領域の深さ)を示す数値であり、ツールアップ高さ入力ボックス80に入力する寸法は、ツール1033が次の切削位置へ移動するときのツール1033のZ原点からの上昇量を示す数値である。
その後に、ユーザーは、コーナー形状設定領域44におけるチェックボックス82あるいはチェックボックス84をチェックすることにより、四隅に残る材料を除去する設定を行う「角出し」あるいは四隅に残った削り残しを少なくする設定を行う「コーナー取りのみ」を設定する。
ここで、入力装置18によりチェックボックス82をチェックした場合には、チェックボックス84と「コーナー取りのみ」の表示がグレーアウトされるとともに、概略図表示部34のXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図が、図7(g)に示すように変更される。
一方、入力装置18によりチェックボックス84をチェックした場合には、チェックボックス82と「角出し」の表示がグレーアウトされるとともに、概略図表示部34のXY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図が、図7(h)に示すように変更される。
また、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄40において、チェックボックス72をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス72にチェックを入れる(図7(f)を参照する。)。
チェックボックス72にチェックを入れると、グレーアウトされていた面取り幅入力ボックス74と角R入力ボックス76とのグレーアウトが解除され入力可能となる。
一方、Z軸情報入力領域42における深さ入力ボックス78とコーナー形状設定領域44とはグレーアウトされて入力不可能となる。
さらに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示される概略図が、図7(f)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄40において入力可能となった面取り幅入力ボックス74と角R入力ボックス76とに所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
なお、面取り幅入力ボックス74には、面取りして除去する部分の幅(X軸方向の長さ)を示す寸法を入力するものであり、角R入力ボックス76には、切削加工領域の角に残っている取り残し半径を入力するものである。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
また、ユーザーが、選択領域36においてポケットとしての切削加工領域の概形形状として「円/楕円」を選択した場合には、設定値入力部32において切削加工位置指定方法選択欄47の近傍に設けられた図形の形状が円形に変更されるとともに、概略図表示部34に表示される概略図が、図8(a)に示すように変更される。
さらに、切削加工領域の概形形状として「円/楕円」を選択すると、コーナー形状設定領域44はグレーアウトされて入力不可能となる。
そして、ユーザーは、選択領域36に表示された切削加工位置指定方法選択欄47の切削加工位置指定方法選択プルダウン48により、切削加工位置の指定方法として「円」と「楕円」とのいずれかを選択する(図8(b)を参照する。)。
このとき、切削加工位置の指定方法として「円」を選択した場合には、XY平面情報入力領域38において、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64と径選択欄86と径入力ボックス88とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる。
そして、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に所望の座標値を入力する。
さらに、ポインティングデバイスなどの入力装置18によって、径選択欄86の径選択プルダウン90により、径入力ボックス88に入力する数値が「直径」であるのか「半径」であるのかを選択する(図8(c)を参照する。)。その後、文字入力デバイスなどの入力装置18により径入力ボックス88に所望の寸法を入力する。
一方、切削加工位置の指定方法として「楕円」を選択した場合には、設定値入力部32において切削加工位置指定方法選択欄47の近傍に設けられた図形の形状が楕円形に変更されるとともに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46およびXY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図が図8(d)に示すように変更される。
さらに、XY平面情報入力領域38において、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64と幅入力ボックス58と長さ入力ボックス60とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる。
そして、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に所望の座標値を入力するとともに、幅入力ボックス58と長さ入力ボックス60とに所望の寸法を入力する。
なお、切削加工位置の指定方法として「楕円」を選択した場合に、幅入力ボックス58に入力する数値は、楕円形の切削加工領域の長軸の長さであり、長さ入力ボックス60に入力する数値は、楕円形の切削加工領域の短軸の長さである。
なお、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64に対してユーザーが所望の座標値を入力する際には、上記においても説明したが、ユーザーが入力可能な各ボックスに数値を直接入力することもできるし、ユーザーがツール1033の位置を所望の位置に移動させてツール位置入力ボタン70を選択することにより、ツール1033が位置する当該所望の位置の座標値を入力することができる。
こうして、切削加工位置の指定方法を入力後にXY平面情報入力領域38において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域38において切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄40において、チェックボックス72に対して、ポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れずに、面取り設定欄40をグレーアウトの状態のままとして、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図8(c)(d)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄40において、チェックボックス72をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス72にチェックを入れる(図8(e)を参照する。)。
チェックボックス72にチェックを入れると、チェック前にはグレーアウトされていた面取り幅入力ボックス74および角R入力ボックス76のうち、面取り幅入力ボックス74のみグレーアウトが解除され入力可能となる。
さらに、Z軸情報入力領域42における深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となるとともに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示されている概略図が、図8(e)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄40において入力可能となった面取り幅入力ボックス74に所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
上記のようにして、切削加工するポケットの具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
この切削ダイアログボックス30においては、まず、図9(a)に示すように、ユーザーは、ツール選択欄92のツール選択プルダウン31から、切削加工に使用するツール1033の種類を選択する。これにより、切削加工に使用するツール1033の種類が、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS406を参照する)。
さらに、図9(b)に示すように、ユーザーは材料選択欄94の材料選択プルダウン33により被加工物2000の材料を選択する。これにより、被加工物2000の材料の種類が、マイクロコンピューター14の記憶領域に設定される(ステップS408を参照する)。
ここで、切削加工に使用するツール1033や被加工物2000の材料がツール選択プルダウン31や材料選択プルダウン33によって表示されない場合、つまり、切削加工に使用するツール1033や被加工物2000の材料が切削データ作成処理系の記憶装置15に記憶されていない(つまり、登録されていない)場合には、切削加工に使用するツール1033や被加工物2000の材料を新たに登録することができる。
なお、こうした切削加工に使用するツール1033や被加工物2000の材料の登録だけでなく、使用することのなくなったツール1033や被加工物2000の材料の削除も行うことができる。こうした切削加工に使用するツール1033や被加工物2000の材料の登録や削除に関する作業は、切削プログラムを実行して、設定値入力部32への数値入力を行う前に設定することもできる。
被加工物2000の材料の登録ならびに削除、切削加工に使用するツール1033の登録ならびに削除を実行するには、切削データ作成画面22が表示された状態で、ツールバーのオプションから、それぞれ「材料の追加と削除」、「ツールの追加と削除」を選択する(図9(c)を参照する。)。
まず、被加工物2000の材料の登録および削除について説明するが、ツールバーのオプションから「材料の追加と削除」を選択すると、材料の追加と削除ダイアログボックス96が表示される(図9(d)を参照する。)。
この材料の追加と削除ダイアログボックス96において、ユーザーは、切削データ作成処理系の記憶装置15に登録済みの材料の一覧が表示される登録材料表示欄98から登録されている材料を確認し、被加工物2000の材料として登録が必要な材料が表示されていない場合には、登録材料表示欄98に表示されているいずれかの材料を指定して、複製ボタン100を選択する。
複製ボタン100を選択すると、登録材料表示欄98に指定した材料名が複製されて表示されるとともに、材料の仕様を入力するための材料仕様入力欄102の材料面入力欄102aに複製された材料名が表示され、グレーアウトされていた硬さを選択する選択欄102bおよび溶けやすさ(つまり、熱に対する耐性)を選択する選択欄102cのグレーアウトが解除されて選択可能となる(図9(e)を参照する。)。
その後、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により、複製された材料名が表示されている材料面入力欄102aに、登録が必要な被加工物2000の材料名を入力する。
さらに、ユーザーは、ポインティングデバイスなどの入力装置18により、登録が必要な被加工物2000の材料の硬さを硬さ選択欄102bにおける選択プルダウン102b−1より、「とても硬い」、「硬い」、「軟らかい」、「とても軟らかい」の4段階の中からいずれかを選択するとともに、登録が必要な被加工物2000の材料の溶けやすさを溶けやすさ選択欄102cにおける選択プルダウン102c−1より、「溶けない」、「溶けにくい」、「溶けやすい」、「とても溶けやすい」の4段階の中からいずれかを選択する。
なお、こうした登録が必要な被加工物2000の硬さについては、例えば、図10(a)に示す表を参考にしてユーザーが任意に選択し、登録が必要な被加工物2000の材料の軟らかさについては、例えば、図10(b)に示す表を参考にしてユーザーが任意に選択するものである。
そして、ユーザーが材料仕様入力欄102への入力を終了した後に、OKボタン104を選択することにより、材料面入力欄102aへの材料名の入力に対応して、登録材料表示欄98に表示されている複製された材料名が変更されるとともに、登録が必要な被加工物2000の材料の名称と仕様とが、切削データ作成処理系の記憶装置15へ記憶されて登録される。
一方、材料の追加と削除ダイアログボックス96において、登録材料表示欄98から登録されている材料を確認し、被加工物2000の材料として登録から削除したい材料が表示されている場合には、登録材料表示欄98において、該当する材料を指定し、削除ボタン106を選択する。これにより、指定した材料の名称と仕様とが切削データ作成処理系の記憶装置15から削除される。
また、使用するツール1033の登録および削除については、ツールバーのオプションから「ツールの追加と削除」を選択すると、ツールの追加と削除ダイアログボックス108が表示される(図9(f)を参照する。)。
このツールの追加と削除ダイアログボックス108において、ユーザーは、切削データ作成処理系の記憶装置15に登録済みのツールの一覧が表示される登録ツール表示欄110から登録されているツールを確認し、切削加工に必要なツール1033が登録されていない場合には、登録ツール表示欄110に表示されているいずれかのツールを指定して、複製ボタン112を選択する。
複製ボタン112を選択すると、登録ツール表示欄110に指定したツール名が複製されて表示されるとともに、ツールの仕様を入力するためのツール仕様入力欄114のツール名入力欄114aに複製されたツール名が表示される。
そして、グレーアウトされていたツールタイプ選択欄114b、刃径入力ボックス114c、刃長入力ボックス114d、有効長入力ボックス114e、刃数入力ボックス114f、刃先幅入力ボックス114g、刃先角度入力ボックス114hのグレーアウトが解除されて、選択または数値入力が可能となる(図9(g)を参照する。)。
なお、刃先幅入力ボックス114gおよび刃先角度入力ボックス114hについては、後述するツールタイプ選択欄114bにおいて、「面取り」が選択されている場合にのみ、グレーアウトされた状態からグレーアウトが解除されて数値入力が可能となる。
その後に、ユーザーが、文字入力デバイスなどの入力装置18により、複製されたツール名が表示されているツール名入力欄114aに登録するツール名を入力する。
また、ユーザーは、ポインティングデバイスなどの入力装置18により、登録するツールのタイプをツールタイプ選択欄114bにおける選択プルダウン114b−1により、「ストレート」、「面取り」、「ドリル」の3種類の中からいずれかを選択する。
さらに、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により、刃径入力ボックス114c、刃長入力ボックス114d、有効長入力ボックス114e、刃数入力ボックス114f、刃先幅入力ボックス114g、刃先角度入力ボックス114hに所望の寸法を入力する。
なお、刃先幅入力ボックス108gと刃先角度入力ボックス114hとについては、ツールタイプ選択欄114bにおける選択プルダウン114b−1により、「面取り」を選択した場合にのみ、所望の寸法を入力ことができるようになされている。
また、刃径入力ボックス114c、刃長入力ボックス114d、有効長入力ボックス114e、刃数入力ボックス114f、刃先幅入力ボックス114gおよび刃先角度入力ボックス114hには、それぞれ該当する箇所の寸法を入力する(図10(c)(d)(e)を参照する。)。
即ち、刃径入力ボックス114cにはツールの刃がついた部分の直径を入力し、刃長入力ボックス114dにはツールの刃がついて部分の長さを入力し、有効長入力ボックス114eにはツールの刃径以下の径の部分の長さを入力し、刃数入力ボックス114fにはツールの刃数を入力し、刃先幅入力ボックス114gには面取りツールの刃先の幅を入力し、刃先角度入力ボックス114hには面取りツールの刃先角度を入力する。
そして、ユーザーがツール仕様入力欄114への入力が終了した後、OKボタン116を選択することにより、ツール名入力欄114aへのツール名の入力に対応して、登録ツール表示欄110に表示されている複製されたツール名が変更されるとともに、切削加工に必要なツールの名称と仕様とが切削データ作成処理系の記憶装置15へ記憶されて登録される。
一方、ツールの追加と削除ダイアログボックス108において、登録ツール表示欄110から登録されているツールを確認し、切削加工に必要のないツールが表示されている場合には、登録ツール表示欄110において、該当するツールを選択し、削除ボタン118を選択することにより、指定したツールの名称と仕様とが切削データ作成処理系の記憶装置15から削除される。
ユーザーによって切削加工に使用するツール1033および被加工物2000の材料の選択が終わると、選択したツールおよび材料の仕様により、切削条件が算出されて切削条件表示欄120に表示され、ユーザーが表示された切削条件を確認し、必要に応じて当該切削条件を変更する(ステップS410乃至ステップS414を参照する)。
こうして切削条件表示欄120に表示された切削条件をユーザーが変更し、変更した切削条件を保存したい場合には、保存ボタン122を選択することにより、切削データ作成処理系の記憶装置15に記憶することができる。
また、記憶装置15に記憶させた切削条件は、次回の切削から切削条件を設定する際に、読み込みボタン124を選択することにより、切削データ作成処理系の記憶装置15から出力されて切削条件表示欄120に表示することが可能となされている。
さらに、ツールと材料との仕様により切削条件が算出された表示された値を調整した後に、再度、ツールと材料との仕様から算出した切削条件を表示したい場合には、初期値に戻すボタン126を選択することにより、ツールと材料との仕様から算出した切削条件を再表示することができる(図11を参照する。)。
上記のようにして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033、被加工物2000の材料ならびに切削条件を設定した状態で、切削ボタン35を選択することにより、ユーザーによって作成された切削データが、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力される(ステップS416乃至ステップS418を参照する。)。
マイクロコンピューター12は、インターフェース16を介して出力された切削データを入力して所定の記憶領域に記憶する。
マイクロコンピューター12は、所定の記憶領域に記憶した切削データを読み出し、モーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御し、これにより被加工物2000に対して切削処理が施される。
なお、切削データに基づいて、被加工物2000に対して行われる切削処理については、上記した従来の技術による切削装置1000による切削処理と同様にして行われるため、詳細な説明は省略する。
また、「ポケット」において行われる面取り加工については、「ポケット」の切削加工が終了した後に、改めてツールを選択するようになされており、選択したツールによって切削加工領域の面取り加工を行うようになされている。
(2)切り出し
タブ24bを選択すると、切削加工の種類として「切り出し」が設定される。なお、本実施の形態において「切り出し」とは、被加工物2000の所望の面の一部を切削して凸部を形成したり、被加工物2000の所望の箇所を切り落として被加工物2000の外形を所望の形状に形成する切削加工を意味するものとする。
なお、「(2)切り出し」に関する以下の説明においては、「(1)ポケット」において既に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を用いて示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
切削加工の種類として切り出しが設定されると、設定値入力部32においては、切削加工領域の概形形状および切削加工位置の指定方法を選択する選択領域36と、切削加工領域のXY平面における座標値および各種寸法を指定するXY平面情報入力領域39と、切削加工領域において面取り加工の要否について設定する面取り設定欄41と、切削加工領域の深さやツールアップ高さの寸法といったZ軸方向に関する情報を入力するZ軸情報入力領域42とが表示される(図12(a)を参照する。)。
また、概略図表示部34には、Z軸情報入力領域42に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、XY平面情報入力領域39で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図12(a)を参照する。)。
この切り出しのタブ24bを選択すると、ユーザーは切り出しを行う切削加工領域の概形形状が「矩形」であるのかあるいは「円/楕円」であるのかを選択するとともに被加工物2000上における切削加工位置の指定方法を選択し、選択した切削加工領域の概形形状および切削加工位置の指定方法に応じて、切削加工領域の具体的な寸法、切削加工位置の具体的な座標値を入力する。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
ここで、ユーザーが切り出しとしての切削加工領域の概形形状として「矩形」を選択した場合には、選択領域36に表示された切削加工領域指定方法選択欄47の切削加工位置指定方法選択プルダウン48により切削加工位置の指定方法を「対角」、「左下点と辺の長さ」、「中心点と辺の長さ」から選択する(図12(c)を参照する。)。
このとき、切削加工位置の指定方法として「対角」を選択した場合には、XY平面情報入力領域39で入力において、左下X軸座標入力ボックス51およびY軸座標入力のボックス53と、右上X座標入力ボックス55およびY軸座標入力ボックス57と、角丸X方向入力ボックス128およびY方向入力ボックス130とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図12(b)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス51およびY軸座標入力のボックス53と、右上X座標入力ボックス55およびY軸座標入力ボックス57と入力装置18により所望の座標値を入力するとともに、入力可能な角丸X軸方向入力ボックス128およびY軸方向入力ボックス130に入力装置18により所望の寸法を入力する。
ここで、角丸とは、矩形の頂点を円弧または楕円弧状に成形することであり、角丸X軸方向入力ボックス128に入力する数値は、切削加工領域の4角において円弧あるいは楕円弧状に成形される領域S1のX軸方向の寸法であり、角丸Y軸方向入力ボックス130に入力する数値は、切削加工領域の4角において円弧あるいは楕円弧状に成形される領域S1のY軸方向の寸法である。
また、切削加工位置の指定方法として「左下点と辺の長さ」を選択した場合は、XY平面情報入力領域39において、左下X軸座標入力ボックス51およびY軸座標入力ボックス53と、角丸X軸方向入力ボックス128およびY軸方向入力ボックス130と、幅入力ボックス59と、長さ入力ボックス61とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図12(d)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス51およびY軸座標入力ボックス53に入力装置18により所望の座標値を入力するとともに、入力可能な角丸X軸方向入力ボックス128およびY軸方向入力ボックス130と、幅入力ボックス59と、長さ入力ボックス61とに所望の寸法を入力する。
なお、この幅入力ボックス59にはX軸方向の長さを示す数値を入力するものであり、長さ入力ボックス61にはY軸方向の長さを示す数値を入力するものである。
さらに、切削加工位置の指定方法として「中心点と辺の長さ」を選択した場合は、XY平面情報入力領域39において、中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65と、角丸X軸方向入力ボックス128およびY軸方向入力ボックス130と、幅入力ボックス59と、長さ入力ボックス61とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図12(e)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65に所望の座標値を入力するとともに、入力可能な角丸X軸方向入力ボックス128およびY軸方向入力ボックス130と、幅入力ボックス59と、長さ入力ボックス61とに所望の寸法を入力する。
上記のようにして切削加工位置の指定方法を入力後にXY平面情報入力領域39において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
なお、上記した「(1)ポケット」においても説明したが、左下X軸座標入力ボックス51およびY軸座標入力ボックス53、右上X軸座標入力ボックス55およびY軸座標入力ボックス57、中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65に対しては、ユーザーが入力可能な各ボックスにポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて直接座標値を入力することができることは勿論であるが、ユーザーがツール位置入力ボタン67、69、71を選択することにより座標値を入力することができるものである。
XY平面情報入力領域39において切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
ここで、切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れずに、面取り設定欄41をグレーアウトの状態のままとして、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図12(b)(d)(e)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス73にチェックを入れる(図12(f)を参照する。)。
チェックボックス73にチェックを入れると、グレーアウトされていた面取り幅入力ボックス75のグレーアウトが解除され入力可能になるとともに、Z軸情報入力領域42における深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となり、さらに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示される概略図が、図12(f)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄41において入力可能となった面取り幅入力ボックス75に所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42にツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
なお、面取り幅入力ボックス75には、面取りして除去する部分の幅(X軸方向の長さ)を示す寸法を入力するものである。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
一方、ユーザーが切り出しとしての切削加工領域の概形形状として「円/楕円」を選択した場合には、設定値入力部32において切削加工位置指定方法選択欄47の近傍に設けられた図形の形状が円形に変更されるとともに、概略図表示部34に表示される概略図が、図13(a)に示すように変更される。
そして、ユーザーは、選択領域36に表示された切削加工位置指定方法選択欄47の切削加工位置指定方法選択プルダウン48により切削加工位置の指定方法を「円」、「楕円」から選択する(図13(b)を参照する。)。
このとき、切削加工位置の指定方法として「円」を選択した場合は、XY平面情報入力領域39において、中心X軸座標入力ボックス62およびY軸座標入力ボックス64と径選択欄86と径入力ボックス88とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図13(a)を参照する。)。
そして、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65に所望の座標値を入力する。
さらに、ポインティングデバイスなどの入力装置18によって径選択欄86の径選択プルダウン90により径入力ボックス88に入力する数値が「直径」であるの「半径」であるのかを選択した後(図13(c)を参照する。)、文字入力デバイスなどの入力装置18により径入力ボックス88に所望の寸法を入力する。
また、切削加工位置の指定方法として「楕円」を選択した場合は、設定値入力部32において切削加工位置指定方法選択欄47の近傍に設けられた図形の形状が楕円形に変更されるとともに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46およびXY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図が図13(d)に示すように変更する。
さらに、XY平面情報入力領域39において、中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65と幅入力ボックス59と長さ入力ボックス61とが入力可能となり、その他のボックスはグレーアウトして入力不可能となる。
そして、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65に所望の座標値を入力するとともに、幅入力ボックス59と長さ入力ボックス61とに所望の寸法を入力する。
なお、中心X軸座標入力ボックス63およびY軸座標入力ボックス65に対しては、上記においても説明したが、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが入力可能な各ボックスに数値を直接入力することもできるし、ユーザーがツール1033の位置を所望の位置に移動させてツール位置入力ボタン71を選択することにより当該所望の位置の座標値を入力することができる。
また、切削加工位置の指定方法として「楕円」を選択した場合に、幅入力ボックス59に入力する数値は、楕円形の切削加工領域の長軸の長さであり、長さ入力ボックス61に入力する数値は、楕円形の切削加工領域の短軸の長さである。
こうして、切削加工位置の指定方法を入力後にXY平面情報入力領域39において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域39において切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73に対して、ポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れずに、面取り設定欄41をグレーアウトの状態のままとして、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図13(c)(d)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス73にチェックを入れる(図13(e)を参照する。)。
チェックボックス73にチェックを入れると、チェック前にはグレーアウトされていた面取り幅入力ボックス75のグレーアウトが解除され入力可能となる。
さらに、Z軸情報入力領域42における深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となるとともに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示されている概略図が、図13(e)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄41において入力可能となった面取り幅入力ボックス75に所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
こうして、切削加工する切り出しの具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
そして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033の種類を選択するとともに、被加工物2000の材料を選択し、切削条件を確認し必要に応じて変更して、切削データを作成するようにする。
なお、切削ダイアログボックス30を表示させた後の処理については、上記した(1)ポケットにおいて説明した処理と同様の処理が行われるため、その詳細な説明は省略することとする。
また、「切り出し」において行われる面取り加工については、「切り出し」の切削加工が終了した後に、改めてツールを選択するようになされており、選択したツールによって切削加工領域の面取り加工を行うようになされている。
作成された切削データは、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力され、マイクロコンピューター12の制御により切削装置10においてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御しながら、被加工物2000に対して切削処理が施される。
(3)面取り
タブ24cを選択すると、切削加工の種類として「面取り」が設定される。なお、本実施の形態において「面取り」とは、面取り用のツール1033を使用して、被加工物2000の角を削り取る切削加工を意味するものとする。
なお、「(3)面取り」に関する以下の説明においては、「(1)ポケット」ならびに「(2)切り出し」において既に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を用いて示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
切削加工の種類として面取りが設定されると、設定値入力部32においては、面取りとして切削加工を行う切削加工領域のXY平面における始終点の座標値、切削加工領域のツール1033に対する位置および切削加工領域のX軸方向の幅を入力する面取り情報入力領域132と、ツールアップ高さの寸法、つまり、Z軸方向に関する情報を入力するZ軸情報入力領域43とが表示される(図14(a)を参照する。)。
また、概略図表示部32には、Z軸情報入力領域に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、面取り情報入力領域132で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図14(a)を参照する。)。
この面取りのタブ24cを選択すると、ユーザーは面取りとしての切削加工領域の始点ならびに終点の座標値を入力したりするなど、後述する各種の入力や選択の処理を行う。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
この切削加工領域の始点ならびに終点の座標の入力においては、ユーザーはポインティングデバイスなどの入力装置を用いて、始点X軸座標入力ボックス134およびY軸座標入力ボックス136と終点X軸座標入力ボックス138およびY軸座標入力ボックス140とに直接座標値を入力する。あるいは、ユーザーがツール位置入力ボタン142、144を選択することにより始終点の座標値を入力することができる。
即ち、始点X軸座標入力ボックス134およびY軸座標入力ボックス136に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが始点の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で始点Y軸座標入力ボックス136の近傍に設けられたツール位置入力ボタン142を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が始点X軸座標入力ボックス134およびY軸座標入力ボックス136に始点の座標値として設定される。
また、終点X軸座標入力ボックス138およびY軸座標入力ボックス140に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが終点の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で終点Y軸座標入力ボックス140の近傍に設けられたツール位置入力ボタン144を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が終点X軸座標入力ボックス138およびY軸座標入力ボックス140に終点の座標値として設定される。
次に、切削加工領域のツール1033に対する位置がツール1033の進行方向に対して左であるのか右であるのかの選択を行うために、面取り指定欄146において面取り指定プルダウン148により、切削加工領域のツール1033に対する位置が「進行方向の左」か「進行方向の右」かのいずれかを選択する(図14(c)を参照する。)。
つまり、面取り指定プルダウン148により「進行方向の左」を選択した場合には、切削加工領域がツール1033の進行方向に対して左側に位置しているという設定となり(図14(b)を参照する。)、面取り指定プルダウン148により「進行方向の右」を選択した場合には、切削加工領域がツール1033の進行方向に対して右側に位置しているという設定となる(図14(d)を参照する。)。
そして、切削加工領域のツール1033に対する位置の設定が終わると、次に、面取り幅入力ボックス150に面取りして除去する部分の幅(切削加工領域のX軸方向の長さ)を入力する。
上記のようにして、面取り情報入力領域132において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される(なお、切削加工領域のX軸方向の長さを示す面取り幅に関しては、Z軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映される。)。
面取り情報入力領域132において、始終点の座標値、切削加工領域のツールに対する位置、切削加工領域のX軸方向の長さが入力されると、次に、Z軸情報入力領域43のツールアップ高さ入力ボックス81に所望の寸法を入力する。
なお、ツールアップ高さ入力ボックス81に入力する寸法は、ツール1033が次の切削位置へ移動するときのツール1033のZ原点からの上昇量を示す数値である。
そして、ツールアップ高さ入力ボックス81に所望の寸法を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
こうして、面取りのための具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
そして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033の種類を選択するとともに、被加工物2000の材料を選択し、切削条件を確認し必要に応じて変更して、切削データを作成するようにする。
なお、切削ダイアログボックス30を表示させた後の処理については、上記した「(1)ポケット」において説明した処理と同様の処理が行われるため、その詳細な説明は省略することとする。
そして、作成された切削データは、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力され、マイクロコンピューター12の制御により切削装置10においてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御しながら、被加工物2000に対して切削処理が施される。
(4)線
タブ24dを選択すると、切削加工の種類として「線」が設定される。なお、本実施の形態において「線」とは、被加工物2000の所望の面において、所望の長さの直線状の溝を形成する切削加工およびその切削加工により得られる形状を意味するものとする。
なお、「(4)線」に関する以下の説明においては、「(1)ポケット」、「(2)切り出し」ならびに「(3)面取り」において既に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を用いて示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
切削加工の種類として線が設定されると、設定値入力部32においては、線として切削加工を行う切削加工領域のXY平面における始終点の座標値、オフセット方向および延長量を入力するXY平面情報入力領域152と、切削加工領域における面取り加工の要否について設定する面取り設定欄154と、切削加工領域の深さやツールアップ高さの寸法といったZ軸方向に関する情報を入力するZ軸情報入力領域42とが表示される(図15(a)を参照する。)。
また、概略図表示部34には、Z軸情報入力領域42に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、XY平面情報入力領域152で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図15(a)を参照する。)。
この線のタブ24dを選択すると、ユーザーは線としての切削加工領域の始終点の座標値、オフセット方向ならびに始点および終点からの切削加工領域の延長量を入力したりするなど、後述する各種の入力や選択の処理を行う。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
この切削加工領域の始点ならびに終点の座標値の入力においては、ユーザーはポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて、始点X軸座標入力ボックス156およびY軸座標入力ボックス158と終点X軸座標入力ボックス160およびY軸座標入力ボックス162とに直接座標値を入力する。あるいは、ユーザーがツール位置入力ボタン164、166を選択することにより始終点の座標値を入力することができる。
即ち、始点X軸座標入力ボックス156およびY軸座標入力ボックス158に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが始点の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で始点Y軸座標入力ボックス158の近傍に設けられたツール位置入力ボタン164を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が始点X軸座標入力ボックス156およびY軸座標入力ボックス158に始点の座標値として入力される。
また、終点X軸座標入力ボックス160およびY軸座標入力ボックス162に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが終点の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で終点Y軸座標入力ボックス162の近傍に設けられたツール位置入力ボタン166を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が終点X軸座標入力ボックス160およびY軸座標入力ボックス162に終点の座標値として入力される。
切削加工領域の始終点の座標値が入力されると、次に、ユーザーはオフセット方向の入力を行う。
ここで、オフセットとは、切削加工領域の始終点として設定した座標を結ぶ直線上からの片寄りのことであって、オフセット方向を選択することにより、当該直線上を切削するのか、あるいは、ツール半径分だけ当該直線上からツールの進行方向に対して左右へずれて切削するのかを設定することができる。
即ち、ユーザーはオフセット方向選択欄168のオフセット方向選択プルダウン170により、オフセット方向を「なし」、「進行方向の左」あるいは「進行方向の右」のいずれかを選択する(図15(c)を参照する。)。
ユーザーがポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて、オフセット方向選択プルダウン170により「なし」を選択した場合(図15(b)を参照する。)は、切削加工領域の始終点として設定した座標を結ぶ直線上を切削するよう設定されることとなり、XY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図においてツールが当該直線上に位置するように表示される。
また、ユーザーがポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて、オフセット方向選択プルダウン170により「進行方向の左」を選択した場合(図15(d)を参照する。)は、切削加工領域の始終点として設定した座標を結ぶ直線からツール半径分だけツール1033の進行方向に対して左にずれて切削するように設定されることとなり、XY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図においてツールが当該直線から左にずれて表示される。
さらに、ユーザーがポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて、オフセット方向選択プルダウン170により「進行方向の右」を選択した場合(図15(e)を参照する。)は、切削加工領域の始終点として設定した座標を結ぶ直線からツール半径分だけツール1033の進行方向に対して右にずれて切削するように設定されることとなり、XY平面に関する概略図表示領域48に表示される概略図においてツールが当該直線から右にずれて表示される。
次に、ユーザーは始点および終点からの切削加工領域の延長量を入力する。この延長量は、設定した切削加工領域の始点および終点からの切削加工領域の延長量であって、切削加工領域の始点および終点の2点からの延長量を設定することにより、当該2点を結ぶ直線よりも長い線を形成するよう設定できる。
ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18により、始点からの延長量を設定する始点の前入力ボックス172に所望の寸法を入力するとともに、終点からの延長量を設定する終点の後入力ボックス174に所望の寸法を入力する。
即ち、始点の前入力ボックス172には、始点からツール1033の進行方向とは逆向きに延長させる寸法を入力し、終点の後入力ボックス174には、終点からツール1033の進行方向に延長させる寸法を入力する。
こうして、XY平面情報入力領域152において、切削加工領域の始終点の座標値、オフセット方向ならびに始点および終点からの切削加工領域の延長量を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域152において具体的な切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
ここで、切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄154において、チェックボックス176に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れない。この場合には、面取り設定欄154はグレーアウトされて入力不可能な状態が維持され、ユーザーは、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図15(b)(d)(e)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄154において、チェックボックス176をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス176にチェックを入れる(図15(f)を参照する。)。
チェックボックス176にチェックを入れると、グレーアウトされていた面取り幅入力ボックス178および溝の幅入力ボックス180のグレーアウトが解除されて入力可能になるとともに、Z軸情報入力領域42における深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となり、さらに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示される概略図が、図15(f)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄154において入力可能となった面取り幅入力ボックス178と溝の幅入力ボックス180とに所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
なお、面取り幅入力ボックス178には、面取りして除去する部分の幅(X軸方向の長さ)を示す寸法を入力するものであり、溝の幅入力ボックス180には、面取りしようとしている溝の幅(切削加工領域の幅)を示す寸法を入力するものである。
こうして切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
こうして、切削加工する線の具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
そして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033の種類を選択するとともに、被加工物2000の材料を選択し、切削条件を確認し必要に応じて変更して、切削データを作成するようにする。
なお、切削ダイアログボックス30を表示させた後の処理については、上記した(1)ポケットにおいて説明した処理と同様の処理が行われるため、その詳細な説明は省略することとする。
また、「線」において行われる面取り加工については、「線」の切削加工が終了した後に、改めてツールを選択するようになされており、選択したツールによって切削加工領域の面取り加工を行うようになされている。
作成された切削データは、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力され、マイクロコンピューター12の制御により切削装置10においてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御しながら、被加工物2000に対して切削処理が施される。
(5)穴あけ
タブ24eを選択すると、切削加工の種類として「穴あけ」が設定される。なお、本実施の形態において「穴あけ」とは、被加工物2000の所望の面に穴または長穴を形成する切削加工を意味するものとする。
なお、「(5)穴あけ」に関する以下の説明においては、「(1)ポケット」、「(2)切り出し」、「(3)面取り」ならびに「(4)線」において既に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を用いて示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
切削加工の種類として線が設定されると、設定値入力部32においては、切削加工により形成される穴たる切削加工領域の形状、XY平面における切削加工領域の座標値や寸法を入力するXY平面情報入力領域182と、切削加工領域において面取り加工の要否について設定する面取り設定欄41と、切削加工領域の深さやツールアップ高さの寸法といったZ軸方向に関する情報とが表示される(図16(a)を参照する。)。
また、概略図表示部34には、Z軸情報入力領域42に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、XY平面情報入力領域182で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図16(a)を参照する。)。
この穴あけのタブ24eを選択すると、ユーザーは切削加工により形成される穴たる切削加工領域の概形形状が「穴」であるのか、あるいは、「長穴」であるのかを選択するとともに、選択した切削加工領域の具体的な寸法および切削加工により穴あけする位置たる切削加工位置の具体的な座標値を入力する。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
ここで、ユーザーが穴あけとしての切削加工領域の概形形状として「穴」を選択した場合には、XY平面情報入力領域182において、ドリル選択欄184と、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188と、径選択欄190と、径ボックス192とが入力可能となり、それ以外のボックスがグレーアウトされて入力不可能となる(図16(b)を参照する。)。
そして、ユーザーはツール1033としてドリルを使用するか否かの選択を行う。
ツール1033としてドリルを使用しない場合には、ドリル選択欄184において、チェックボックス194に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れずに、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に所望の座標値を入力する。
なお、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に対しては、ユーザーはポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて直接座標値を入力することができる。あるいは、ユーザーがツール位置入力ボタン196を選択することにより中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に対して所望の座標値を入力することができる。
即ち、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが中心の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で中心Y軸座標入力ボックス188の近傍に設けられたツール位置入力ボタン196を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に中心の座標値として入力される。
中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に所望の座標値を入力した後に、ポインティングデバイスなどの入力装置18によって径選択欄190の径選択プルダウン198により径入力ボックス192に入力する数値が「直径」であるのか「半径」であるのかを選択し(図16(c)を参照する。)、文字入力デバイスなどの入力装置18により径入力ボックス192に所望の寸法を入力する。
こうして、XY平面情報入力領域182において、切削加工領域の概形形状を選択するとともに、切削加工領域の具体的な寸法および切削加工位置の具体的な座標値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域182において具体的な切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
ここで、切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れない。この場合には、面取り設定欄41はグレーアウトされて入力不可能な状態が維持され、ユーザーは、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図16(b)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス73にチェックを入れる(図16(d)を参照する。)。
チェックボックス73にチェックを入れると、グレーアウトされていた面取り幅入力ボックス75のグレーアウトが解除されて入力可能になるとともに、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となり、さらに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示される概略図が、図16(d)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄41において入力可能となった面取り幅入力ボックス75に所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
また、ツール1033としてドリルを使用する場合には、ドリル選択欄184において、チェックボックス194をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス194にチェックを入れる(図16(e)を参照する。)。
チェックボックス194にチェックを入れると、XY平面情報入力領域182において、さらに、径選択欄190および径入力ボックス192がグレーアウトされて入力不可能となる。
さらに、面取り選択欄41のチェックボックス73がグレーアウトされて、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの選択が不可能になるとともに、概略図表示部34に表示される概略図が、図16(e)に示すように変更される。
そして、ユーザーは、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に対して、所望の座標値を直接入力あるいはツール1033を移動させた状態でツール位置入力ボタン196の選択にすることによって入力する。
こうして、XY平面情報入力領域182において、切削加工領域の概形形状を選択するとともに、ドリルによる穴あけを選択して、切削加工位置の具体的な座標値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域182において具体的な切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
一方、ユーザーが穴あけとしての切削加工領域の概形形状として「長穴」を選択した場合には、XY平面情報入力領域182において、中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188と、径選択欄190と、径ボックス192と、幅入力ボックス200と、角度入力ボックス202が入力可能となり、それ以外のボックスはグレーアウトされて入力不可能となる(図17(a)を参照する。)。
そして、ユーザーは、文字入力デバイスなどの入力装置18を用いて中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に所望の座標値を入力する。
この中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に対しては、上記したようにして、ユーザーは文字入力デバイスなどの入力装置18を用いて直接座標値を入力したり、あるいは、ツール位置入力ボタン196を選択してツール1033が位置する座標値を読み取らせて入力する。
中心X軸ボックス186およびY軸ボックス188に所望の座標値を入力した後に、ポインティングデバイスなどの入力装置18によって径選択欄190の径選択プルダウン198により径入力ボックス192に入力する数値が「直径」であるのか「半径」であるのかを選択する(図17(b)を参照する。)。
そして、文字入力デバイスなどの入力装置18により径入力ボックス192と、幅入力ボックス200と、角度入力ボックス202とに所望の寸法を入力する。
ここで、角度入力ボックス202に入力する数値は、X軸と長穴の中心軸とがなす角度である(図17(a)を参照する。)。
こうして、XY平面情報入力領域182において、切削加工領域の概形形状を選択するとともに、切削加工領域の具体的な寸法および切削加工位置の具体的な座標値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域182において具体的な切削加工領域の寸法や座標値が入力されると、次に、切削加工領域において面取り加工を行うか否かの設定を行う。
ここで、切削加工領域において面取り加工を行わない場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れない。この場合には、面取り設定欄41はグレーアウトされて入力不可能な状態が維持され、ユーザーは、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する(図17(a)を参照する。)。
一方、切削加工領域において面取り加工を行う場合には、面取り設定欄41において、チェックボックス73をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス73にチェックを入れる(図17(c)を参照する。)。
チェックボックス73にチェックを入れると、グレーアウトされていた面取り幅入力ボックス75のグレーアウトが解除されて入力可能になるとともに、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78がグレーアウトされて入力不可能となり、さらに、概略図表示部34のZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示される概略図が、図17(c)に示すように変更される。
そして、ユーザーは入力装置18により、面取り設定欄41において入力可能となった面取り幅入力ボックス75に所望の寸法を入力するとともに、Z軸情報入力領域42のツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工領域における面取り加工の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
こうして、切削加工による穴あけの形状たる切削加工領域の具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
そして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033の種類を選択するとともに、被加工物2000の材料を選択し、切削条件を確認し必要に応じて変更して、切削データを作成するようにする。
なお、切削ダイアログボックス30を表示させた後の処理については、上記した(1)ポケットにおいて説明した処理と同様の処理が行われるため、その詳細な説明は省略することとする。
また、「穴あけ」において行われる面取り加工については、「穴あけ」の切削加工が終了した後に、改めてツールを選択するようになされており、選択したツールによって切削加工領域の面取り加工を行うようになされている。
作成された切削データは、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力され、マイクロコンピューター12の制御により切削装置10においてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御しながら、被加工物2000に対して切削処理が施される。
(6)面出し
タブ24fを選択すると、切削加工の種類として「面出し」が設定される。なお、本実施の形態において「面出し」とは、被加工物2000の所望の面を平坦にする切削加工を意味するものとする。
なお、「(6)面出し」に関する以下の説明においては、「(1)ポケット」、「(2)切り出し」、「(3)面取り」、「(4)線」ならびに「(5)穴あけ」において既に説明した構成と同一あるいは相当する構成については、それぞれ同一の符号を用いて示すことにより、その構成ならびに作用の詳細な説明は適宜に省略するものとする。
切削加工の種類として面出しが設定されると、設定値入力部32においては、被加工物2000において切削加工を行う対象面たる切削加工面の指定方法を選択する切削加工面指定方法選択欄204と、切削加工面のXY平面における座標値および各種寸法を入力するXY平面情報入力領域206と、切削加工面に対する加工の深さやツールアップ高さの寸法といったZ軸方向に関する情報を入力するZ軸情報入力領域42と、切削加工後の切削加工面をZ原点にするか否かの選択をするZ原点選択欄208とが表示される(図18(a)を参照する。)。
また、概略図表示部34には、Z軸情報入力領域42に入力したZ軸方向に関する情報が一見して読み取れる概略図が表示されるZ軸方向に関する概略図表示領域46と、XY平面情報入力領域206で入力したXY平面における情報が一見して読み取れる概略図が表示されるXY平面に関する概略図表示領域48とが表示される(図18(a)を参照する。)。
この面出しのタブ24fを選択すると、ユーザーは切削加工面の指定方法を選択し、選択した指定方法に応じて、切削加工面の具体的な寸法や座標値を入力する。
これにより、ユーザーが選択したり入力したりした内容に応じた各種のパラメータが、マイクロコンピューター14に設定される(ステップS404を参照する。)。
ユーザーは、ポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて、切削加工面指定方法選択欄204の切削加工面指定選択プルダウン210により切削加工面の指定方法を「対角」、「左下点と辺の長さ」、「中心点と辺の長さ」から選択する(図18(c)を参照する。)。
このとき、切削加工面の指定方法として「対角」を選択した場合は、XY平面情報入力領域206において、左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214と、右上X軸座標入力ボックス216およびY軸座標入力ボックス218とが入力可能となり、それ以外のボックスがグレーアウトされて入力不可能となる(図18(b)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214と、右上X軸座標入力ボックス216およびY軸座標入力ボックス218とに文字入力デバイスなどの入力装置18により所望の座標値を入力する。
また、切削加工面の指定方法として「左下点と辺の長さ」を選択した場合は、XY平面情報入力領域206において、左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214と、幅入力ボックス220と、長さ入力ボックス222とが入力可能となり、それ以外のボックスがグレーアウトされて入力不可能となる(図18(d)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214に所望の座標値を入力するとともに、入力可能な幅入力ボックス220と長さ入力ボックス222とに所望の寸法を入力する。
なお、この幅入力ボックス220にはX軸方向の長さを示す数値を入力するものであり、長さ入力ボックス222にはY軸方向の長さを示す数値を入力するものである。
さらに、切削加工位置の指定方法として「中心点と辺の長さ」を選択した場合は、XY平面情報入力領域206において、中心X軸座標入力ボックス224およびY軸座標入力ボックス226と、幅入力ボックス220と、長さ入力ボックス222とが入力可能となり、それ以外のボックスがグレーアウトされて入力不可能となる(図18(e)を参照する。)。
そして、ユーザーは、入力可能な中心X軸座標入力ボックス224およびY軸座標入力ボックス226に所望の座標値を入力するとともに、入力可能な幅入力ボックス220および長さ入力ボックス222との所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工位置の指定方法を入力後にXY平面情報入力領域206において所望の数値を入力すると、入力した数値がXY平面に関する概略図表示領域48に表示された概略図に反映されて表示される。
なお、左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214、右上X軸座標入力ボックス216およびY軸座標入力ボックス218、中心X軸座標入力ボックス224およびY軸座標入力ボックス226に対しては、ユーザーが入力可能な各ボックスにポインティングデバイスなどの入力装置18を用いて直接座標値を入力することができることは勿論であるが、ユーザーがツール位置入力ボタン228、230、232を選択することにより座標値を入力することができる。
即ち、左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが左下の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で左下Y軸座標入力ボックス214の近傍に設けられたツール位置入力ボタン218を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が左下X軸座標入力ボックス212およびY軸座標入力ボックス214に左下の座標値として入力される。
また、右上X軸座標入力ボックス216およびY軸座標入力ボックス218に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが右上の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で右上Y軸座標入力ボックス218の近傍に設けられたツール位置入力ボタン230を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が右上X軸座標入力ボックス216およびY軸座標入力ボックス218に右上の座標値として入力される。
さらに、中心X軸座標入力ボックス224およびY軸座標入力ボックス226に対して、ユーザーが所望の座標値を入力する際には、ユーザーが中心の座標値として設定しようとする位置までツール1033を移動させ、当該位置にツール1033が位置している状態で中心Y軸座標入力ボックス226の近傍に設けられたツール位置入力ボタン232を選択する。
これにより、ツール1033の位置の座標値がマイクロコンピューター12に読み込まれ、読み込まれた座標値がインターフェース16を介してマイクロコンピューター14へ出力される。マイクロコンピューター14はインターフェース16を介して出力された座標値を入力して、当該入力した座標値が中心X軸座標入力ボックス224およびY軸座標入力ボックス226に中心の座標値として入力される。
そして、XY平面情報入力領域206において切削加工面の寸法や座標値が入力した後に、Z軸情報入力領域42の深さ入力ボックス78およびツールアップ高さ入力ボックス80に所望の寸法を入力する。
こうして、切削加工面の具体的な寸法ならびに座標値の設定後にZ軸情報入力領域42に所望の数値を入力すると、入力した数値がZ軸方向に関する概略図表示領域46に表示された概略図に反映されて表示される。
XY平面情報入力領域206およびZ軸情報入力領域42における入力が終了すると、ユーザーは、切削加工面をZ原点に指定するか否かの選択を行う。
即ち、切削加工面をZ原点に指定しない場合には、Z原点選択欄208において、チェックボックス234に対してポインティングデバイスなどの入力装置18によってチェックを入れない。
一方、切削加工面をZ原点に指定する場合には、Z原点選択欄208において、チェックボックス234をポインティングデバイスなどの入力装置18で選択することにより、チェックボックス234にチェックを入れる(図18(f)を参照する。)。
こうして、切削加工により面出しされた切削加工面の具体的な寸法や座標値の設定が終了すると、ユーザーは切削ボタン26(または、メニューバーのファイルから切削28)を選択して切削ダイアログボックス30を表示させる。
そして、切削ダイアログボックス30において、切削加工に使用するツール1033の種類を選択するとともに、被加工物2000の材料を選択し、切削条件を確認し必要に応じて変更して、切削データを作成するようにする。
なお、切削ダイアログボックス30を表示させた後の処理については、上記した(1)ポケットにおいて説明した処理と同様の処理が行われるため、その詳細な説明は省略することとする。
作成された切削データは、切削データ作成処理系からインターフェース16を介してモーター駆動系へ出力され、マイクロコンピューター12の制御により切削装置10においてモーター1020、1022、1028、1036の駆動を制御しながら、被加工物2000に対して切削処理が施される。
〔ツールのアプローチの説明〕
本発明による切削装置10においては、上記した切削プログラムによって作成した切削データに基づいて、被加工物2000に対して切削処理を行うものであるが、実際にツール1033によって被加工物2000を切削する際には、上記した切削の種類によって被加工物2000に対するツール1033のアプローチ(ツールの移動経路)が、図19に示すように、それぞれ異なる。
即ち、ポケットについては、切削データにより指定した形状(切削加工領域)の内側を切削するものであって、ツール1033は当該切削データにより指定した形状の中心付近へ進入し、外側(切削加工領域の輪郭)に向かって切削を行うものであり、指定した形状のツール半径分内側まで切削するものである(図19(a)を参照する。)。
また、切り出しについては、切削データにより指定した形状(切削加工領域)の外側を切削するものであって、ツール1033は当該切削データにより指定した形状の輪郭に仕上げ代を付加した線からツール半径分外側に進入しするとともに、周回して切削した後に、輪郭線に沿って切削を行い仕上げ代の部分を切削するものである(図19(b)を参照する。)。なお、仕上げ代とは、指定した形状を精度よく削るために、材料に残す一皮分の厚みのことを意味するものである。
さらに、面取りについては、切削データにより指定した始終点間において、ツールの進行方向の右または左に位置する被加工物2000の角を切削するものであって、面取り用のツールの刃先の角度を利用して切削を行い、その角度がそのまま仕上がりの角度となる(図19(c)を参照する。)。
さらにまた、線については、切削データにより指定した始終点間および始点または終点からの延長量だけ切削するものであって、ツール1033が被加工物2000の所望の面に対して所望の角度を有して進入し、ツール1033や被加工物200に対して過負荷にならないような角度が選択され、ツール1033の刃径が線幅(線の太さ)として切削する(図19(d)を参照する。)。
また、穴あけについては、切削データにより指定された穴形状に切削するものであって、ツール1033としてエンドミルまたはドリルを使用し、ツール1033としてエンドミルを用いた場合は、ツール1033が回転するとともに、ツール1033を螺旋状に移動させることにより所望の直径(または半径)の穴を切削し(図19(e)を参照する。)、ツール1033としてドリルを用いた場合には、ツール1033が回転して真下に移動することにより、使用したツール1033の刃径と同じ直径の穴を切削する(図19(f)を参照する。)。
さらに、面出しについては、切削データにより指定された面を切削するものであって、指定した面の外周においてツールを被加工物2000の所望の面に対して所望の角度を有して進入し、外側から内側に向かって切削するものである(図19(g)を参照する。)。
こうした切削の種類によって被加工物に対するアプローチ(ツールの移動経路)が異なることにより、切削加工毎にツールによる被加工物への切り込みの際のツールおよび被加工物にかかる切削負荷が軽減される。
以上において説明したように、本発明による切削装置10においては、切削加工する領域などを設定するとともに、予め登録されたツール1033ならびに被加工物2000の材料を選択することによって切削条件を算出して切削データを作成し、作成した切削データに基づいて被加工物2000に対して切削処理を行うものである。
従って、本発明による切削装置10によれば、切削データを作成するのに、3DCADによる3D形状データを用いる必要がなくなる。
つまり、本発明による切削装置10においては、切削データを3DCADにより所得した3D形状データに基づいて作成しなければならなかった従来の技術による切削装置1000と比べて、簡単な切削を手軽に行うことができるようになる。
また、本発明による切削装置10においては、予め登録されていない被加工物の材料やツールを使用したとしても、被加工物の材料と切削加工に使用するツールの仕様を入力することにより、自動的に切削条件が計算されるため、簡単な作業によって切削処理を行うことができる。
〔他の実施の形態の説明〕
上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形することができるのもである。
(1)上記した実施の形態においては、切削加工がポケット、切り出し、面取り、線、穴あけおよび面出しの6つの種類についてそれぞれ説明したが、切削装置10においては、いずれか1種類の切削加工のみ行われるものではないことは勿論であり、所望の切削加工の後に他の切削加工を行うようにして複数の切削加工を行うことができるものである。
(2)上記した実施の形態においては、切削データ作成処理系が切削装置10内に設けられていたが、これに限られるものではないことは勿論であり、切削データ作成処理系を所望のマイクロコンピューターにより実現させ、当該所望のマイクロコンピューターにより作成された切削データを、当該所望のマイクロコンピューターに接続された従来の技術による切削装置へ出力し、当該切削装置において出力された切削データに基づいて切削処理を行うようにしてもよい。
(3)上記した実施の形態においては、本発明による切削装置10の機構的な構成を、切削装置1000と同様な構成としたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ツールを用いてテーブル上に載置された被加工物を切削する切削装置であって、モーターによりツールと被加工物との相対的な位置関係が3次元で変化するような構成を有する切削装置であれば、どのような機構的な構成を有した切削装置であってもよい。
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。