JP5590521B2 - リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法に関する。
近年、ノートパソコン、携帯電話、PDA等の携帯電子機器の普及に伴い、これらの機器をより軽量化し、且つ、長時間の使用を可能とするため、電源として使用される二次電池の小型化及び高エネルギー密度化が要求されている。二次電池としては、従来、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等が主流であったが、上記した小型化及び高エネルギー密度化の要請から、リチウム二次電池の使用が増大する傾向にある。
現在、一般的にリチウム二次電池では、正極としてコバルト酸リチウム(LiCoO)、負極としてカーボン電極、電解質としてプロピレンカーボネート等の有機溶媒にリチウムイオンを溶解させた非水電解液が使用されている。
他の正極としては、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)等のリチウムイオンを含む遷移金属酸化物が知られているが、主として、現行のリチウム二次電池においては、LiCoOが用いられている。
LiCoOの一般的な製造方法としては、出発材料として炭酸リチウム(LiCO)と水酸化コバルト(Co(OH))を用い、高温で焼成する方法が広く知られている。しかしながら、コバルトは可採埋蔵量が840万tと極端に少ないため、将来コバルトの価格が上昇する可能性を考慮し、また、電池の低コスト化の要求に応えるためにも、LiCoOの代替材料が求められている。
例えば、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)について、次世代の低コスト正極材料として研究開発が盛んに行われている。しかしながら、スピネル型マンガン酸リチウムの放電容量は100mAh/gであり、LiCoOの放電容量より小さく、加えて、高温での充放電時には、3価のマンガンが電解液中に溶出し、炭素負極上に溶出したマンガンが析出するため、充放電特性が著しく劣化するという問題点がある。
また、ある特定の電位で放電プラトーを有するLiCoOやLiMnは、一定電位での放電には優れているが、電池電位から残容量を判断することは困難である。このため、主に電池残量の確認は高/中/低の3段階で表示することが主流であるが、特定電位での放電プラトーを過ぎると電位は急速に低下するため、中や低になってからの減りが速いという問題点がある。
電池材料系における活物質は、単に既存物質の新しい組み合わせを示しただけでは、良好な電池特性を発揮しないことが多く、予測可能性がない。このため、電池材料系の評価は、例え既存物質であっても、電池として評価し、その有用性を結果から証明することが必要とされる。言い換えれば、物質自身が既存であっても、これまでに電池として評価が成されていなければ、電池材料系においては未知物質であるといえる。さらに、電池とは、システムとして動作しなければ無意味であるため、いかに有用な活物質材料であっても、バインダー、導電助剤、集電体等との相性も十分に考慮する必要がある。
そこで、本発明者らは、LiCoOより安価で、LiMnより放電容量が大きく、従来のバインダーや導電助剤、集電体等との相性も良好であることを考慮して安定な結晶構造を有する正極材料を探索し続け、リチウム二次電池用正極活物質として全く評価されていない、単斜晶系の輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム(LiVSi)に注目した。
LiVSiを得る方法としては、例えば、下記非特許文献1に、(1)LiCOとSiOとを混合し、この混合物を725℃で50時間加熱処理する工程、(2)得られた物質を再度粉砕し、730℃で20時間加熱処理を施し、LiSiを得る工程、(3)該LiSiとVとを混合したペレットを作製し、これを990℃で40時間焼結させる工程、を備える方法が記載されている。
また、下記非特許文献2には、LiSiO、SiO、V、及びVを目的組成になるよう秤量・攪拌し、1100℃で96時間加熱処理後、徐冷することで、LiVSiを得る方法が記載されている。
しかしながら、これらの合成方法では、混合が不十分であったり、反応が不均一であることや、原料であるLiCO、SiO、V等の未反応物や、V、LiSi、LiSiO、LiSiO等の副生成物が不純物として含まれることがある。例えば、上記非特許文献1に記載の方法では、LiVSiの純度は95%程度であり、残り5%がSiOとなる。
このような不純物は充放電反応に寄与しないため、電池容量の減少をもたらし、特に、電解液との組み合わせによっては、それらが分解し、電池内部でガスが発して活物質自体が失活する等の問題点がある。また、LiVSiの安定性や電池を構成する際の安全性も十分とはいえなし、更に、大量生産の際に、製造ロットごとにLiVSiに含まれる不純物量がばらつくと、これを用いて作製した電池では、その容量がばらつくという問題点もある。
このため、不純物を極力除去して、純度の高いLiVSiを製造することが必要となる。また、非特許文献1及び2に記載されている方法は、非常に長時間高温を維持することが必要であり、これが製造コストを上昇させる大きな要因となっている。
The European Physical Journal B,55,219−228,2007 Acta Cryst.C53,1727−1728,1997
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、LiCoOより安価で、LiMnより放電容量が大きく、従来のバインダーや導電助剤、集電体等との相性も良好な新規な正極活物質を提供することであり、更に、この様な新規な正極活物質について、その性能を有効に発揮できる新規な製造方法を提供することである。
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、従来、リチウム二次電池用正極活物質として全く評価の行われていない単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物がリチウム二次電池用正極活物質として優れた性能を有するものであり、特に、二段階の複合化処理を組み合わせた特定の製造方法を採用する場合には、比較的簡単な製造方法にもかかわらず、原料物質の反応が均一に進行して、不純物量の少ないナノ粒子状の高純度のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を得ることができ、これはリチウム二次電池用正極活物質として特に優れた性能を発揮するものとなることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のリチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法を提供するものである。
1. 組成式:Li1−y1−xSi6−αα
(式中、Aは、Na、K、Rb、Cs及びFrからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属元素を示し、MはAl、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Ga、及びInからなる群から選択される少なくとも一種の元素を示す。x、y及びαは、それぞれ、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦α≦0.1の範囲の数値である)で表される単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を有効成分とするリチウム二次電池用正極活物質。
2.組成式:Li1−y1−xSi6−ααにおいて、yの値が、0.01≦y≦0.3の範囲内である上記項1に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
3.組成式:Li1−y1−xSi6−ααにおいて、xの値が、0.01≦x≦0.3の範囲内である上記項1又は2に記載のリチウム二次電池用正極活物質。
4. 組成式:Li1−y1−xSi6−ααにおいて、αの値が、0.01≦α≦0.1の範囲内である上記項1〜3のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
5. 一次粒子径が、200〜800nmの範囲内のナノ粒子である上記項1〜4のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
6. 炭素又は導電性金属による被覆を有する上記項1〜5のいずれかに記載のリチウム二次電池用正極活物質。
7. 下記の工程を含む、組成式:Li1−y1−xSi6−αα
(式中、Aは、Na、K、Rb、Cs及びFrからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属元素を示し、MはAl、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、及びInからなる群から選択される少なくとも一種の元素を示す。x、y及びαは、それぞれ、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦α≦0.1の範囲の数値である)で表される単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法:
(1)酸素含有リチウム化合物及び酸素含有ケイ素化合物を含む第一複合化工程用原料混合物に対してメカニカルミリング処理を施した後、熱処理を行う第一複合化工程、
(2)第一複合化工程の生成物と酸素含有バナジウム化合物を含む第二複合化工程用原料混合物に対してメカニカルミリング処理を施した後、熱処理を行う第二複合化工程。
8. 第一複合化工程用原料混合物及び第二複合化工程用原料混合物のいずれか一方又は両方が、更に、酸素含有アルカリ金属化合物、元素Mと酸素原子を含む化合物、及び金属フッ化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の成分を含むものである上記項7に記載のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法。
9. 第二複合化工程用原料混合物が、該混合物中に含まれる酸素含有バナジウム化合物におけるバナジウム元素を3価バナジウムとするために必要な酸化当量以上又は還元当量以上の酸化剤又は還元剤を含むものである上記項7又は8に記載のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法。
10.第一複合化工程及び第二複合化工程のメカニカルミリング処理が、遊星ミルを用いて、50〜200Gの重力加速度で行われる上記項7〜9のいずれかに記載のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法。
11.第一複合化工程における熱処理温度が500〜800℃であり、第二複合化工程における熱処理温度が700〜1300℃である上記項7〜10のいずれかに記載のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法。
12.上記項1〜5のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用正極活物質と炭素前駆体を混合し、非酸化性雰囲気下で400〜900℃で加熱することを特徴とする、炭素で被覆されたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
13.炭素前駆体が、粘着性を有するハイドロカーボン系有機物、石炭系ピッチ及び石油系ピッチからなる群から選ばれた少なくとも一種の成分である上記項12に記載の炭素で被覆されたリチウム二次電池用正極活物質の製造方法。
14.上記項1〜5のいずれか一項に記載された正極活物質を含む正極を構成要素として含むリチウム二次電池。
以下、本発明のリチウム二次電池用正極活物質の有効成分であるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物及びその製造方法について詳細に説明する。
(1)メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の有効成分であるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、
組成式:Li1−y1−xSi6−αα
(式中、Aは、Na、K、Rb、Cs及びFrからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属元素を示し、MはAl、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、及びInからなる群から選択される少なくとも一種の元素を示す。x、y、及びαは、それぞれ、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦α≦0.1の範囲の数値である)で表される単斜晶系輝石構造を有するものである。
上記組成式において、MはAl、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも一種の元素である。これらの元素Mは、LiVSiで表される単斜晶系の輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウムの結晶中において、主として、元素Vの一部と置換してVサイトに存在するものである。このため、Vイオンサイズに近いイオンサイズの元素が好ましく、具体的には、Al、Mn、及びFeが好ましい。
Vサイトに元素Mが置換したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、LiVSiと比較すると、充放電容量と高率充放電特性において優れたものとなる。但し、元素Mの置換量が多くなると、充放電容量が低下し、更に、安定な単斜晶系輝石構造を維持することが困難となるため、充放電サイクル特性が乏しくなる。
このため、元素Mの置換量であるxは、0≦x≦0.3程度の範囲とすればよいが、元素Mの置換効果を発揮させるためには、0.01≦x≦0.3程度の範囲であることが好ましく、0.01≦x≦0.1程度の範囲であることがより好ましい。
上記組成式において、Aは、Na、K、Rb、Cs及びFrからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属元素である。アルカリ金属元素Aは、LiVSiの結晶中に存在するLiの一部と置換して、Liサイトに存在するものであり、取り扱いの安全性やLiサイトへの置換良好性から、Na及びKが好ましい。アルカリ金属元素Aが置換したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、充放電容量が若干低下するが、リチウムを吸蔵・放出する際の体積膨張・収縮を抑制することができる。但し、アルカリ金属元素Aの置換量が多くなると、メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物中のLi量が低下し、正極容量が低下する。
このため、アルカリ金属元素Aの置換量であるyは、0≦y≦0.3程度の範囲とすればよいが、特に、アルカリ金属元素Aの置換効果を十分に発揮させるためには、0.01≦y≦0.3程度とすることが好ましく、0.01≦y≦0.2程度とすることがより好ましい。
上記組成式において、フッ素元素Fは、LiVSiの結晶中に存在するOの一部と置換してOサイトに存在するものであり、フッ素元素Fが置換したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、初期の充放電容量は若干低下するものの、充放電サイクル特性が約10〜20%向上し、同時に、放電電圧が0.05〜0.2V程度上昇する。但し、フッ素元素Fの置換量が多くなるとLi量が低下し、正極容量が低下する。
フッ素元素Fの置換量であるαは0≦α≦0.1の範囲であればよいが、フッ素元素Fの置換効果を十分に発揮させるためには、0.01≦α≦0.1の範囲であることが好ましく、0.02≦α≦0.05の範囲であることがより好ましい。
(2)メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法
上記した組成式:Li1−y1−xSi6−ααで表されるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の製造方法については特に限定はなく、例えば、前述した非特許文献1及び非特許文献2に記載されている方法で得ることができるが、特に、酸素含有リチウム化合物及び酸素含有ケイ素化合物を含む原料混合物にメカニカルミリング処理を施した後焼成してリチウムとケイ素を含む複合体(リチウムケイ素複合金属酸化物)を形成する第一複合化工程と、該リチウムケイ素複合金属酸化物に酸素含有バナジウム化合物を加えてメカニカルミリング処理を施した後焼成する第二複合化工程を含む方法によって製造することが好ましい。この方法によれば、二段階の複合化工程を経て目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を製造することによって、反応が均一に進行して、不純物量が非常に少ない高純度のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を得ることができる。得られるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、高純度であって、しかも微細なナノ粒子からなるものであり、容量が大きく、バラツキの少ない安定な性能を示し、しかも電池を構成する際の安全性が高く、優れた性能を有するリチウム二次電池用正極活物質となる。
以下、この製造方法について具体的に説明する。
(i)第一複合化工程:
第一複合化工程では、原料としては、酸素含有リチウム化合物及び酸素含有ケイ素化合物を用いる。
酸素含有リチウム化合物としては、Liと酸素を含む化合物であれば特に限定なく用いることができ、具体例として、LiNO、LiNO、LiOH、LiOH・HO、CHOOLi、LiO、Li、LiSO、ジカルボン酸Li、クエン酸Li、脂肪酸Li等を挙げることができる。これら酸素含有リチウム化合物の中でも、特に、焼成処理の際にSO、NO等の有害物質を発生させない点で、窒素原子及び硫黄原子を含有しないリチウム化合物が好ましい。特に、取り扱い易く、比較的安価であることからLiCOが好ましい。これらのリチウム化合物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
酸素含有ケイ素化合物としては、珪素と酸素を含む化合物であればよく、例えば、SiO、SiO、LiSiO、LiSiO、LiSi、LiSiO、LiSi、LiSi、LiSi、SiO、SiP、Si(PO、HSi、HSi13、HSiO、HSi、HSi11、等を用いることができる。これら酸素含有ケイ素化合物の中でも、特に、焼成処理の際にSO、NO等の有害物質を発生させない点で、窒素原子及び硫黄原子を含有しないケイ素化合物が好ましい。これらの点を考慮すると、SiO、SiO、LiSiO、LiSiO、LiSi、LiSiO、LiSi、LiSi、LiSi等が好ましく、特に、取り扱い易く、比較的安価であることからSiOが好ましい。これらのケイ素化合物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
更に、目的とする組成式:Li1−y1−xSi6−ααで表されるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物がアルカリ金属元素Aを含む場合、即ち、yが0より大きい場合には、第一複合化工程及び後述する第二複合化工程のいずれか一方の工程又は両方の工程の原料として、酸素含有アルカリ金属化合物を用いる。また、上記組成式で表されるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物が、元素Mを含む場合、即ち、xが0より大きい場合には、第一複合化工程及び後述する第二複合化工程のいずれか一方の工程又は両方の工程の原料として、元素Mと酸素を含む化合物を用いる。更に、上記組成式で表されるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物が、フッ素原子を含む場合、即ち、αが0より大きい場合には、第一複合化工程及び後述する第二複合化工程のいずれか一方の工程又は両方の工程の原料として、金属フッ化物を用いる。
上記した原料の内で、酸素含有アルカリ金属化合物としては、リチウム以外のアルカリ金属と酸素を含む化合物であれば特に限定なく用いることができる。その具体例としては、NaNO、NaNO、NaOH、NaOH・HO、CHOONa、NaO、Na、NaSO、ジカルボン酸Na、クエン酸Na、脂肪酸Na、KNO、KNO、KOH、KOH・HO、CHOOK、KO、K、KSO、ジカルボン酸K、クエン酸K、脂肪酸K、RbNO、RbNO、RbOH、RbOH・HO、CHOORb、RbO、Rb、RbSO、ジカルボン酸Rb、クエン酸Rb、脂肪酸Rb、CsNO、CsNO、CsOH、CsOH・HO、CHOOCs、CsO、Cs、CsSO、ジカルボン酸Cs、クエン酸Cs、脂肪酸Cs等を挙げることができる。酸素含有アルカリ金属化合物の内で、焼成処理の際にSO、NO等の有害物質を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しないアルカリ金属化合物が好ましい。なかでも取り扱い易く、比較的安価であることからNaCO、KCOが特に好ましい。これらの酸素含有アルカリ金属化合物は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属フッ化物としては、例えば、LiF、MgF等を用いることができる。
元素Mと酸素原子を含む化合物としては、元素Mと酸素原子を含む化合物であれば特に限定なく使用でき、例えば、M(OH)、M、M(SO等を用いることができる。このような化合物の具体例としては、Al(OH)、Sc(OH)、Ti(OH)、Cr(OH)、Mn(OH)、Fe(OH)、Ga(OH)、In(OH)、Al、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Ga、In、Al(SO、Sc(SO、Ti(SO、Cr(SO、Mn(SO、Fe(SO、Ga(SO、In(SO等が挙げられる。
本発明の製造方法における第一複合化工程では、原料として、酸素含有リチウム化合物と酸素含有ケイ素化合物を用い、更に、第一複合化工程において、A、M及びFのいずれか又は全ての元素を複合化させる場合には、これらの元素を含む原料も加えて原料混合物を得る。各原料の混合割合については、目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物における金属元素及びフッ素の比率と同一の元素比となるようにすればよい。尚、前述した通り、A、M及びFの各元素を含む原料については、第一複合化工程と第二複合化工程のいずれか一方の工程又は両方の工程の原料として用いることができるので、この合計量が、目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物における元素比と同一の元素比となればよい。
次いで、この原料混合物に対してボールミル装置を用いてメカニカルミリング処理を行う。メカニカルミリングを行うために用いるボールミル装置には、主に遊星型ボールミルと振動型ボールミルの2種類があるが、本発明ではいずれのボールミル装置を用いてもよい。例えば、転動ミル、振動ミル、遊星ミル、揺動ミル、水平ミル、アトライターミル等を用いることができる。これらのボールミル装置を用いてメカニカルミリング処理によって、原料混合物を十分に微細な状態まで粉砕することができる。
本発明では、特に、効率良く十分に微細な状態まで粉砕が可能な点で、遊星ミルを用いることが好ましい。遊星ミルによるメカニカルミリング処理では、原料混合物をボールと共にミル容器に入れ、自転と公転をさせることによって生じる力学的エネルギーにより、原料混合物を混合し粉砕する。この際、回転速度を上げることにより、ミル容器内に発生する重力加速度が増加し、力学的エネルギーが増加する。この際の重力加速度が50G未満である場合は、粉砕力が不十分であるため、均一に複合化処理がなされず、また得られる正極活物質粉末の粒径が大きいため、出力特性が低下することがあるので好ましくない。また、重力加速度が200Gを超える場合は、複合化処理に必要な時間を短くできるが、必要となる装置が大規模なものとなるばかりか、ミル容器自身の材料が混入するため好ましくない。このため、遊星ミルを用いる場合には、重力加速度を50〜200G程度とすることが好ましく、70〜150G程度とすることがより好ましい。粉砕時間は、重力加速度にもよるが、通常、0.1〜12時間程度とすればよく、0.5〜10時間程度とすることが好ましい。この場合、粉砕時間が短すぎると十分に複合化が行われず、一方、粉砕時間が長すぎても顕著な効果は得られない。
メカニカルミリング処理時のミル容器内の雰囲気については特に限定はなく、空気中で取り扱ってもかまわない。
次いで、メカニカルミリング処理が終わった後、熱処理を行う。これによって、上記した原料混合物の各成分が十分に反応して、第一段階の複合化が行われる。熱処理温度は、500〜800℃程度とすることが好ましく、600〜700℃程度とすることがより好ましい。熱処理時間は、1〜48時間程度とすることが好ましく、8〜24時間程度とすることがより好ましい。
熱処理時の雰囲気については、特に限定はなく、例えば、空気雰囲気等の酸化性雰囲気、水素ガス雰囲気などの還元性雰囲気、Arガス雰囲気等の不活性ガス雰囲気のいずれの雰囲気でもよい。
上記した方法によって、酸素含有リチウム化合物と酸素含有ケイ素化合物を含む原料混合物中の各成分が反応して、使用した原料中の金属成分を含む複合酸化物が得られる。以下、得られた複合酸化物をリチウムケイ素複合金属酸化物ということがある。
(ii)第二複合化工程
第二複合化工程では、第一複合化工程において酸素含有リチウム化合物と酸素含有ケイ素化合物を含む原料を複合化して得たリチウムケイ素複合金属酸化物に、更に、酸素含有バナジウム化合物を加えて複合化処理を行う。
尚、目的とする組成式:Li1−y1−xSi6−ααで表されるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物が、アルカリ金属元素A、元素M、及びフッ素原子からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を含む場合において、これらの元素を含む原料を第一複合化工程で加えていない場合、或いは、これらの元素を含む原料の添加量が目的とする元素比より不足する場合には、更に、上記した酸素含有アルカリ金属化合物、元素Mと酸素原子を含む化合物、及び金属フッ化物からなる成分の内で必要な成分を第二複合化工程の原料として用いる。
第二複合化工程では、酸素含有バナジウム化合物としては、バナジウムと酸素を含む化合物であれば特に限定なく用いることができる。その具体例として、VO、VO、V、V、V、VOSO、NHVO等を挙げることができる。
これらのバナジウム化合物の中で、焼成処理の際にSO、NO等の有害物質や水分等を発生させない点で、窒素原子や硫黄原子を含有しない化合物が好ましく、特に、VO、VO、V、V、V等が好ましい。これらのバナジウム化合物は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
尚、原料として用いるバナジウム化合物に含まれるバナジウム元素が三価以外の価数である場合には、バナジウムを三価の状態とするために、第二複合化工程の原料に酸化剤又は還元剤を添加する。このため、酸化剤及び還元剤を必要としない点でVが特に好ましい。
酸化剤又は還元剤の配合量は、使用するバナジウム化合物の種類、量等に応じて、バナジウム化合物を三価のバナジウム化合物とするために必要な酸化当量又は還元当量を見積もって決めればよい。
例えば、Vδεから三価のバナジウム酸化物を製造するには、Vδεを1当量とした場合、3−β酸化当量以上の酸化剤を使用すればよい。但し、3−βの値が負の実数の場合はβ−3還元当量の還元剤を使用すればよい。なお、Vδεにおいて、バナジウムVの原子数δ、酸素Oの原子数ε、バナジウムVの価数βの間には、δ×β=ε×2の関係が成立する。それぞれの元素の原子数は、各価数に応じて適合するように規定されるものである。
理想反応すると仮定した場合の酸化剤又は還元剤の使用量について、以下に具体的に例示する。
例えば、原料としてVO(Vの価数βは2+)を1当量用いる場合には、1酸化当量以上の酸化剤を加えることによって、三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。原料としてVO(Vの価数βは4+)を1当量用いる場合には、1還元当量以上の還元剤を加えることによって、三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。原料としてV(Vの価数βは2+)を1当量用いる場合には、1酸化当量以上の酸化剤を加えることによって、三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。原料としてV(Vの価数βは5+)を1当量用いる場合には、2還元当量以上の還元剤を加えることによって三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。原料としてVOSO(Vの価数βは4+)を1当量用いる場合には、1還元当量以上の還元剤を加えることによって三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。原料としてNHVO(Vの価数βは5+)を1当量用いる場合には、2還元当量以上の還元剤を加えることによって、三価のバナジウム酸化物Vとすることができる。
但し、実際は理想的な反応は難しいため、理論当量に対して1〜6倍量程度の酸化剤又は還元剤を用いることが好ましく、1〜3倍量程度用いることがより好ましい。
酸化剤としては、酸化力を有していれば特に限定なく使用でき、具体例として、酸素、塩素、臭素、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、過酸化水素水等を挙げることができ、特に、酸素、過酸化水素水等が好ましい。
還元剤としては、還元力を有していれば特に限定なく使用することができ、例えば、水素、ホルムアルデヒド、イソアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム等を用いることができ、特に、水素、イソアスコルビン酸ナトリウム等が好ましい。
また、酸化剤又は還元剤は適当な気体であってもよい。即ち、酸化性又は還元性を有する気体の雰囲気中で後述するメカニカルミリング処理を行うことによって、原料とするバナジウム化合物を三価のバナジウム化合物とすることができる。
気体状の酸化剤としては、空気の他、例えば、不活性気体で希釈した空気、酸化ガス(O、O、NO等)等を用いることができる。気体状の還元剤としては、H、HS、SO、HCHO等の還元性を有する気体を用いることができる。尚、大気中で第二複合化工程を行うと、バナジウム化合物の酸化が進行するので、三価のバナジウム化合物を原料とする場合には、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中でメカニカルミリング処理を行うことが好ましい。
上記した通り、第二複合化工程では、第一複合化工程で得たリチウムケイ素複合金属酸化物と酸素含有バナジウム化合物に、更に、必要に応じて、酸素含有アルカリ金属化合物、元素Mと酸素原子を含む化合物、及び/又は金属フッ化物を加えて、原料混合物とする。各原料の混合割合については、目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物における金属元素及びフッ素の比率と同一の元素比となるようにすればよい。尚、前述した通り、A、M及びFの各元素を含む原料については、第一複合化工程と第二複合化工程のいずれか一方の工程又は両方の工程の原料として用いることができるので、この合計量が、目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物における元素比と同一の元素比となればよい。
第二複合化工程では、まず、上記した原料混合物についてメカニカルミリング処理を行う。メカニカルミリング処理の条件については、第一複合化工程と同様とすればよい。
次いで、メカニカルミリング処理終了後、熱処理を行う。これによって、原料混合物に含まれる各成分の反応が十分に進行して第二段階の複合化が行われる。熱処理温度は、700〜1300℃程度とすることが好ましく、800〜1000℃程度とすることがより好ましい。熱処理時間は、1〜48時間程度とすることが好ましく、8〜24時間程度とすることがより好ましい。
熱処理時の雰囲気については、酸化を防ぐために、水素ガス雰囲気等の還元性雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性雰囲気、還元性ガスと不活性ガスの混合ガス雰囲気等とすることが好ましい。特に、水素を1〜5vol%程度混合したArガス雰囲気下で熱処理を行うことが好ましい。
上記した方法によれば、組成式:Li1−y1−xSi6−αα
(式中、A、Mx、y、及びαは前記に同じ)で表される単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を得ることができる。
この方法によれば、原料物質の反応が均一に生じて、不純物量の少ないナノ粒子状の高純度のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物が得られる。得られるメタケイ酸バナジウム系化合物は、一次粒子系が200〜800nm程度の均一性のよい微細なナノ粒子となる。
尚、この結晶性の材料をメカニカルミリング等で微粉砕処理して、10nm以下の微結晶にすると、X線回折パターンはブロード化して一見アモルファス状となる。この場合には、初期容量は多少減るものの、出力特性を向上させることができる。
(3)導電性被覆処理
上記した方法で得られるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、更に、導電性金属、炭素等によって導電性を有する被覆を形成することによって、導電性を向上させることができる。これにより、リチウム電池用正極活物質として、より良好な電池特性を有するものとなる。
メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物に導電性金属、炭素等の導電性被覆を形成する方法としては、スパッタリング、蒸着法、MA法、無電解めっき法などの公知の技術を利用できる。
この場合、導電性被覆に用いる材料としては、炭素の他に、例えば、4.5V程度までの耐食性を有する材料が好ましく、具体例としては、Al、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Pt、Au、ステンレス鋼(SUS)等の導電性金属を用いることができる。これらの内で、コストの観点から炭素、Al、Cr、Zr、SUS等が好ましい。
導電性被覆の被覆量については、少なすぎると導電性を向上させる効果が十分ではなく、一方、多すぎるとメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の表面がほとんど被覆されてリチウムイオンの挿入・脱離が難しくなるので好ましくない。このため、導電性被覆の被覆量は、メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物100重量部に対して、0.1〜30重量程度とすることが好ましく、1〜30重量部程度とすることがより好ましく、1〜10重量部程度とすることが更に好ましい。
特に、前記したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物と炭素前駆体とを混合し、非酸化性雰囲気下で加熱して炭素による被覆を形成する方法によれば、大規模な装置を用いることなく、簡単な方法で均一性に優れた炭素による被覆を形成できる点で有利である。
この方法で用いる炭素前駆体は、加熱によって炭化する有機材料であればよく、例えば、粘着性を有するハイドロカーボン系有機物、石炭系ピッチ、石油系ピッチ等を用いることができる。これらの内で、粘着性を有するハイドロカーボン系有機物としては、フェノ−ル樹脂、フラン樹脂、クエン酸、ウルシオールなどを例示できる。これらの炭素前駆体は一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
加熱温度は、炭素前駆体が炭化する温度であれば良く、例えば、300〜900℃程度とすることが好ましく、500〜800℃程度とすることがより好ましい。この場合、加熱温度が低すぎると、炭素前駆体が炭化されにくく、一方、加熱温度が高すぎると、被覆した炭素が還元する危険性があるばかりか、装置も大掛かりなものとなりコスト高となるので好ましくない。
加熱処理の時間は、炭素前駆体が炭化する時間であれば良く、通常は、1〜24時間程度とすればよい。加熱時間が短すぎる場合には、炭素前駆体が十分には炭化されず、電子伝導性の悪い負極になるので好ましくない。一方、加熱時間が長すぎると、熱処理が無駄であり、経済的に好ましくない。
炭化処理時の雰囲気は、不活性雰囲気、還元雰囲気等の非酸化性雰囲気とすればよい。具体的には、He(ヘリウム)、Ne(ネオン)、Ar(アルゴン)、N(窒素)、H(水素)等の雰囲気とすればよい。尚、市販の不活性ガスは微量に酸素を含んでいるため、不活性ガス雰囲気で熱処理を行う場合であっても、加熱温度高すぎる場合や、加熱時間が長すぎると、炭化が進行しすぎて導電性を十分に向上させることができないので、注意が必要である。
(4)リチウム二次電池用正極活物質
上記したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物、及びこれに導電性を有する被覆を形成した化合物は、いずれもリチウム二次電池用正極活物質として有効に使用できる。この正極活物質を用いる正極は、通常のリチウム二次電池用正極と同様の構造とすることができる。
例えば、上記したメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物、又はこれに導電性金属、炭素等の導電性を有する被覆を形成した化合物に、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)、気相法炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber:VGCF)等の導電助剤、ポリフッ化ビニリデン(poly(vinylidinefluoride):PVdF)、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)等のバインダー、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)等の溶媒を加えてペースト状として、これを集電体に塗布することによって正極を作製することができる。導電助剤の使用量については、特に限定的ではないが、例えば、正極活物質100重量部に対して、20〜100重量部程度とすることができる。また、バインダーの使用量についても、特に限定的ではないが、例えば、正極活物質100重量部に対して、10〜20重量部程度とすることができる。
集電体としては、特に限定はなく、従来からリチウム二次電池用正極として使用されている材料、例えば、アルミ箔、アルミメッシュ、ステンレスメッシュなどを用いることができる。
上記したリチウム二次電池用正極を用いるリチウム二次電池は、公知の手法により製造することができる。例えば、負極材料としては、公知の負極材料、例えば、黒鉛等の炭素系負極材料;CuSn等の合金系負極材料;SnO、SiO等の酸化物系負極材料;LiN等の窒化物系負極材料等を用いることができる。
また、本発明の正極を用いるリチウム二次電池は、リチウムイオンを含有する必要があることから、電解質塩としてはリチウム塩が好ましい。このリチウム塩としては特に制限されないが、具体例としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウムなどを挙げることができる。これらのリチウム塩は、1種単独又は2種以上混合して用いることができる。上記のリチウム塩は、電気的陰性度が高くイオン化しやすいことから、充放電サイクル特性に優れ、二次電池の充放電容量を向上させることができる。
上記電解質の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等を用いることができ、これらの溶媒を一種単独又は2種以上混合して用いることができる。特に、プロピレンカーボネート単体、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物又はγ−ブチロラクトン単体が好適である。なお、上記エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物の混合比は、一方の成分が10体積%以上90体積%以下となる範囲で任意に調整することができる。
上記した構造のリチウム二次電池は、高容量且つサイクル寿命の良好な二次電池として優れた性能を発揮することができる。
本発明のリチウム二次電池用正極活物質の有効成分であるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、従来、リチウム二次電池の正極活物質としての有効性が知られていない物質であり、現行のリチウム二次電池において主として使用されている正極活物質であるLiCoOと比較して安価な材料であり、また、LiMnより高い充放電容量を有するものである。また、作動電圧が4.5〜1.5Vという広い範囲であり、各種の用途に使用可能である。
特に、本発明の製造方法によって二段階の複合化工程を経て得られるメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物は、高純度で均一性が良好なナノ粒子であることから、正極活物質として特に優れた性能を発揮できる。また、本発明の製造方法によれば、比較的簡単な製造方法によって、短い製造時間で目的とするメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を得ることができる。
更に、本発明のメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物に導電性金属、炭素等の導電性を有する被覆を施すことによって、正極活物質としての性能を更に向上させることができる。
従って、本発明によれば、LiCoOより安価で、LiMnより放電容量が大きく、優れた性能を有する新規なリチウム二次電池用正極活物質が提供される。
実施例1で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の放射光X線回折図。 実施例1で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の結晶構造を示す模式図。 実施例2で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物のSEM画像。 実施例2で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を正極活物質とする2極式評価セルの各サイクルにおける放電曲線を示すグラフ。 実施例2で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を正極活物質とする2極式評価セルの各放電電流における初期放電曲線(25℃)。 実施例2で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を正極活物質とする2極式評価セルの各放電電流における初期放電曲線(60℃)。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
実施例1〜13及び比較例1
(1)第一複合化工程
Arガスで置換したグローブボックス内で、下記表1に示す原料を合計約2g秤量し、100個のジルコニアボール(φ8mm)とともに容積100mLのジルコニア製ミリング容器に封入した。ミリング容器内を6×10−5Paの真空度で1時間以上真空引きした後、容器内にArガスを1MPa充填した。その後、遊星ボールミル装置にて、重力加速度50G、2時間の条件でメカニカルミリング処理を行った。
次いで、ミリング終了後の試料に対して、空気雰囲気下、温度730℃で2時間加熱処理を施し、中間製造物1〜7としてリチウムとケイ素を含む複合体(リチウムケイ素複合金属酸化物)を得た。
Figure 0005590521
(2)第二複合化工程
Arガスで置換したグローブボックス内で、下記表2に示す材料を合計約2g秤量し、100個のジルコニアボール(φ8mm)とともに容積100mLのジルコニア製ミリング容器に封入した。ミリング容器内を6×10−5Paの真空度で1時間以上真空引きした後、容器内にArガスを1MPa充填した。その後、遊星ボールミル装置にてメカニカルミリング処理を行った。尚、実施例11では、ミリング容器内にVに対して2還元当量の水素ガスを充填し、実施例12では、ミリング容器内にVOに対して1還元当量の水素ガスを充填し、実施例13では、ミリング容器内にVに対して1酸化当量の酸素ガスを充填して、ミリング処理を施した。
次いで、ミリング終了後の試料に対して、水素及びアルゴンの混合ガス雰囲気(H:Ar=10vol%:90vol%)下で温度950℃で3時間の加熱処理を行い、組成式:Li1−y1−xSi6−αα (式中、A、Mx、y、及びαは前記に同じ)で表される単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を得た。遊星ボールミルによるミリング処理(重力加速度及び処理時間)と加熱処理(加熱温度及び加熱時間)の各条件は表2に示す通りである。
尚、実施例2〜13で得られた各試料は、ミリング処理と加熱処理を行って得られた試料100重量部に対してクエン酸を10重量部混合し、水素ガス雰囲気下、温度600℃で3時間加熱処理を行い、メタケイ酸バナジウムリチウム系化合物100重量部に対して3重量部の炭素被覆を形成した。
Figure 0005590521
(3)構造解析結果
実施例1で得たメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物の放射光X線回折図を図1に示す。リートベルト解析により、LiVSiが97.13%と高い純度であることがわかった。尚、その他の相はLiSiとVであることがわかった。LiVSi相は、a軸の長さが9.627Å、b軸の長さが8.608Å、c軸の長さが5.297Åであり、格子体積が413.61Åであった。
さらに、精密結晶構造解析を施したところ、LiVSiの結晶構造は図2に示す単斜晶系輝石構造であり、表3に示す原子座標を有することがわかった(nは配位数、gは占有率、x、y、zはそれぞれのベクトルを示す)。リチウムイオンは、bc面のb軸に沿って存在し、そのリチウムイオン間距離は5.635Åと4.493Åであった。
Figure 0005590521
(4)SEM観察
実施例2で得たメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物のSEM写真を図3に示す。炭素で被覆した状態での一次粒径は約0.5μmであり、粒子形状の揃った形態をしていることが確認できる。
(5)電池試験
実施例1〜13及び比較例1のそれぞれの試料を正極活物質として用い、これを用いて試験極を作成した(正極活物質の組成:活物質70wt.%、導電助剤(ケッチェンブラック(KB))20wt.%、バインダー(PTFE)10wt.%)。
対極として金属リチウム箔を用い、電解液として、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とを体積比1:1で混合した溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解した溶液を用いて、2極式評価セル(コイン2032型セル)を作製し、25℃で充放電試験を行った。試験はカットオフ電圧(4.5−1.5V)で制御し、0.2Cに相当する充放電電流で行った。
実施例1〜13及び比較例1の各試料を正極活物質とした電池について、初期サイクルでの電極容量が最高値に達するまでの活性化サイクルを行った後の初期放電容量と300サイクル目の各放電容量維持率を下記表4に示す。また、表4には、中間放電電圧として、300サイクル目の放電容量の半分の容量時点の電位を示す。
Figure 0005590521
上記表4から下記の結果が判る。
(1)30Gの重力加速度でメカニカルミリング処理を行った比較例1の試料は、60Gの重力加速度でメカニカルミリング処理を行った実施例1の試料と比較して、放電容量が大きく劣るものであった。これは、比較例1の試料では、ミリング処理が不十分であるために、未反応物や副生成物が多く、全体的に正極活物質量が少ないことによるものと考えられる。
(2)実施例1と同様の条件で得られたメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物に対して炭素被覆を形成した実施例2の試料は、実施例1の試料と比較して、放電容量が大きく向上した。尚、100Gの重力加速度でミリング処理を行った実施例3の試料は、実施例2の試料と比較して、放電容量の向上は認められなかった。
(3)LiVSi6のLiサイトにNa又はKが置換した実施例4と実施例5の試料は、LiVSi6を主たる成分とする実施例1〜3の試料と比べて、充放電容量は若干低下したが、300サイクル後の放電容量維持率が高く、サイクル寿命特性が向上した。
(4)LiVSi6のVサイトにAl、Mn又はFeが置換した実施例6〜9の各試料は、LiVSi6を主たる成分とする実施例1〜3の試料と比べて、充放電容量が向上した。
(5)LiVSi6のOサイトに元素Fが置換した実施例10〜13の各試料は、LiVSi6を主たる成分とする実施例1〜3の試料と比べて、初期放電容量は若干低下したが、サイクル寿命特性が向上し、同時に放電電圧が0.1〜0.2V程度上昇した。
また、一例として、実施例2の試料を正極活物質として用いた2極式評価セル(コイン2032型セル)について、各サイクルにおける充放電曲線を図4に示す。40サイクル後の重量当たりの活物質容量は約95mAh/gであり、この値は、理論容量の約75%に相当するものであった。
また、実施例2の試料を正極活物質として用いた2極式評価セルについて、各放電電流における放電曲線を図5に示す。図4及び図5からわかるように、実施例2の試料を正極活物質とする電池は、充放電プラトーがほとんどない充放電曲線を描くものであり、この点が本発明の正極活物質の特徴の1つである。このため、放電電圧4V時では約90%、3.5V時では約70%、3V時では約60%、2.5V時では約50%、2V時では30%の残容量があると見積もることができる。
次に、実施例2の試料を正極活物質として用いた2極式評価セルについて、上記した25℃での充放電試験に代えて、60℃で同様の方法で充放電試験を行った。各放電電流における放電曲線を図6に示す。この結果から、25℃での充放電試験と比較して、60℃での充放電試験の方が高い放電容量を示し、高温時での電池特性がよいことが確認できた。

Claims (2)

  1. 組成式:Li1−y1−xSi6−αα
    (式中、Aは、Na、K、Rb、Cs及びFrからなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ金属元素を示し、MはAl、Sc、Ti、Cr、Mn、Fe、Ga及びInからなる群から選択される少なくとも一種の元素を示す。x、y及びαは、それぞれ、0≦x≦0.3、0≦y≦0.3、0≦α≦0.1の範囲の数値である)で表される単斜晶系輝石構造を有するメタケイ酸バナジウムリチウム系化合物を有効成分とするリチウム二次電池用正極活物質。
  2. 請求項1記載の正極活物質を含む正極を構成要素として含むリチウム二次電池。
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