JP5587617B2 - 光弾性定数の低いポリカーボネート樹脂およびフィルム - Google Patents
光弾性定数の低いポリカーボネート樹脂およびフィルム Download PDFInfo
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Description
位相差フィルムとしては、λ/4板、λ/2板が知られており、その材料としてはビスフェノールAを重縮合したポリカーボネートやポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンなどの熱可塑性ポリマーが用いられている。これら材料のフィルムを延伸して得られたλ/4板、λ/2板は、短波長ほど位相差が大きくなるという性質がある。そのため、λ/4板、λ/2板として機能しうる波長が特定の波長に限られるという問題点があった。
1.繰り返し単位が下記式(A)
で表される繰り返し単位(A)、下記式(B)
で表される繰り返し単位(B)、及び下記式(C)
で表される繰り返し単位(C)を主たる繰り返し単位とし、上記繰り返し単位(A)、 (B)、及び(C)のモル数の合計を基準として、繰り返し単位(A)が20〜40モ ル%、繰り返し単位(B)が50〜79モル%、繰り返し単位(C)が1〜10モル% を占めるポリカーボネート樹脂。
2.温度280℃、せん断速度122s−1における溶融粘度が10〜500Pa・s の範囲にある上記1記載の樹脂。
3.上記1または2のいずれかに記載の樹脂を用いてなる未延伸フィルム。
4.偏光板保護フィルムまたは光ディスク用透過層フィルムとして用いる上記3記載 の未延伸フィルム。
5.上記3記載の未延伸フィルムを延伸してなり、波長450nm、550nm、及 び650nmにおけるフィルム面内の位相差値R(450)、R(550)、及びR( 650)が、下記式(1)及び(2)
0.60 < R(450)/R(550)<1.00 (1)
1.01 < R(650)/R(550)<1.40 (2)
を満たす延伸フィルム。
6.位相差フィルムとして用いる上記5記載の延伸フィルム。
7.上記6記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置。
さらに、この未延伸フィルムを延伸することで光学フィルムに所望の逆波長分散を発現できる。
<ポリカーボネート樹脂>
本発明のポリカーボネート樹脂は、繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)、及び繰り返し単位(C)を組み合わせることにより得られる。
本発明で用いられる繰り返し単位(A)は、前記式(A)に示したようにフルオレン骨格を有する繰返し単位であって、このR1とR2は炭素原子数1〜10の炭化水素基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基など)、またはハロゲン基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)である。好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、またはハロゲン基(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)である。m及びnは同一または異なる0〜4の整数を示す。具体的には、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−プロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−n−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−sec−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどから誘導される繰り返し単位が例示される。特に、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンから誘導される繰り返し単位は、低い光弾性定数を有するという観点から好ましい。
本発明で用いられる繰り返し単位(B)は、前記式(B)に示したようにスピロ環を有する構造である。(B)式中、R3〜R6は夫々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基である。特に炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、更には、メチル基が好ましい。式(B)に示したスピロ環を有する構造であることで、光弾性定数の低下や耐熱性の向上が推定される。
本発明で用いられる繰り返し単位(C)は、前記式(C)に示したように、脂肪族構
造である。式(C)中R 7 は炭素原子数3〜8の直鎖脂肪族ジオールから誘導されるア
ルキレン基、または前記式(C1)の脂環式ジオールから誘導されるシクロアルキレン
基である。式(C)に示した脂肪族構造は、柔軟性の高い骨格を有するために引裂き
強度を向上させることが推定される。
や流動性の付与に優れるため特に好ましい。
カーボネート前駆物質を反応させた際に、式(C)の繰り返し単位が誘導される脂肪
族ジオールとしては、脂肪族直鎖ジオールが、柔軟性や流動性の付与に優れるため好
ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂の組成比は、上記繰り返し単位(A)、(B)、及び(C)を主たる繰り返し単位とし、繰り返し単位(A)、(B)、及び(C)の合計を基準として、繰り返し単位(A)20〜40モル%、繰り返し単位(B)50〜79モル%、繰り返し単位(C)1〜10モル%の割合を占める。このような割合とすることにより、光弾性定数が低く、溶融製膜に適した溶融粘度を有する特性を兼ね備えたポリカーボネート樹脂を与える。繰り返し単位(A)、(B)及び(C)の合計を基準として、繰り返し単位(C)が1〜10モル%の割合を占めると、溶融粘度が低下して成形性に優れ、さらに、未延伸フィルムでの引裂き強度も向上する。しかも、延伸により良好な逆波長分散特性を発現する。主たる繰り返し単位とは、繰り返し単位(A)、(B)、及び(C)の合計が90モル%以上であり、好ましくは95モル%以上、より好ましくは100モル%である。
上記繰り返し単位(B)の割合としては、好ましくは55〜74モル%であり、より好ましくは56〜68モル%、特に好ましくは58〜64モル%の割合を占める。
上記繰り返し単位(C)の割合としては、好ましくは1〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%、特に好ましくは2〜6モル%の割合を占める。
本発明のポリカーボネート樹脂は、比粘度(ηSP)が0.20〜1.50の範囲にあることが成形加工特性をより高度に発現させやすく、0.23〜1.20の範囲がさらに好ましく、0.25〜1.00の範囲が特に好ましい。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
本発明のポリカーボネート樹脂のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは100〜150℃、より好ましくは110〜140℃の範囲である。ガラス転移温度(Tg)が100℃以上であれば、耐熱安定性に優れる。また位相差フィルムとして使用する場合、耐熱テスト時の位相差変化も少なく良好である。またガラス転移温度(Tg)が150℃以下では成形に適した粘度となり良好である。ガラス転移温度(Tg)はティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製2910型DSCを使用し、昇温速度20℃/minにて測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂は温度280℃、せん断速度122s−1における溶融粘度が10〜500Pa・sが好ましく、より好ましくは100〜400Pa・sの範囲である。10Pa・s以上であることで均一に溶融させ易く、厚みムラが小さいフィルムを得ることができ、500Pa・s以下であることでせん断力の影響を受けにくく、樹脂の分解、劣化によりフィルム上に発泡、異物、ダイラインなどの欠陥を抑制しやすくなる。溶融粘度は、例えば繰り返し単位(C)の種類にもよるが、その割合を増やすことで低くすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂の光弾性定数の絶対値は、20×10−12Pa−1以下が好ましく、より好ましくは18×10−12Pa−1以下、特に好ましくは16×10−12Pa−1以下である。絶対値が20×10−12Pa−1以下では、応力による複屈折の変化が小さく、位相差フィルム等に使用する場合に光抜けが起こりにくいため好ましい。光弾性定数は未延伸フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定する。
本発明のポリカーボネート樹脂の未延伸フィルムの引裂き強度は、1.0N以上が好ましく、より好ましくは1.2N以上である。1.0N以上では、フィルム製造中に割れが発生しにくく、良好である。引裂き強度は、例えば繰り返し単位(C)の割合を増やすことで高くすることができる。
本発明のポリカーボネート樹脂は、通常のポリカーボネート樹脂を製造するそれ自体公知の反応手段、例えばジオール成分に炭酸ジエステルなどのカーボネート前駆物質を反応させる方法により製造される。次にこれらの製造方法について基本的な手段を簡単に説明する。
また、本発明のポリカーボネート樹脂は、効果を損なわない範囲で他の樹脂と併用してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学成形品は、例えば射出成形法、圧縮成形法、押出成形法、溶液キャスティング法など任意の方法により成形される。本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、延伸により所望の波長分散性を実現することができるため特に光学フィルムとして有利に使用することができる。もちろん本発明のポリカーボネート樹脂は、光弾性定数が低く、しかも成形性にも優れているので、光ディスク基板、光学レンズ、液晶パネル、光カード、シート、フィルム、光ファイバー、コネクター、蒸着プラスチック反射鏡、ディスプレーなどの光学部品の構造材料または機能材料用途に適した光学用成形品としても有利に使用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる光学フィルムは、具体的には、位相差フィルム、プラセル基板フィルム、偏光板保護フィルム、反射防止フィルム、輝度上昇フィルム、光ディスク用透過層フィルム、光ディスク用保護フィルム、拡散フィルム等が挙げられる。特に、位相差フィルム、反射防止フィルムが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することで、波長400〜800nmの可視光領域において、フィルム面内の位相差が短波長になるほど小さくなる逆波長分散性を示す光学フィルムを得ることができる。本発明のポリカーボネート樹脂を用いてなる未延伸フィルムを延伸することで得られる延伸フィルムは、下記式(1)及び(2)の条件を満たす。
0.60 < R(450)/R(550)<1.00 (1)
1.01 < R(650)/R(550)<1.40 (2)
好ましくは、下記式(1−1)及び(2−1)の条件を満たす。
0.65<R(450)/R(550)<0.92 (1−1)
1.02<R(650)/R(550)<1.35 (2−1)
より好ましくは、下記式(1−2)及び(2−2)の条件を満たす。
0.70<R(450)/R(550)<0.91 (1−2)
1.03<R(650)/R(550)<1.30 (2−2)
R=(nx−ny)×d
但し、nxはフィルム面内の主延伸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の主延伸方向と垂直方向の屈折率であり、dはフィルムの厚みである。ここで、主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、二軸延伸の場合にはより配向度があがるように延伸した方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。
光学フィルムの波長分散性は、日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用し測定した。
日本電子社製JNM−AL400のプロトンNMRにて測定し、ポリマー組成比(モル比)を算出した。
20℃で塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを溶解した溶液からオストワルド粘度計を用いて求めた。
比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0
[t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下秒数]
ポリカーボネート樹脂を用いてティー・エイ・インスツルメント(株)製の熱分析システム DSC−2910を使用して、JIS K7121に準拠して窒素雰囲気下(窒素流量:40ml/min)、昇温速度:20℃/minの条件下で測定した。
キャピラリーレオメーター(東洋精機製作所社製 製品名キャピログラフ)を用い、キャピラリー長;10mm、キャピラリー径;1.0mm、バレル直径;9.55mm、温度;280℃、せん断速度;122s−1の条件下で測定した。
未延伸フィルムを製膜方向に50mm、それと直交する幅方向に10mmサイズに切り出し、そのサンプルを用いて光弾性定数を測定した。日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
未延伸フィルムを製膜方向に150mm、それと直交する幅方向に50mm厚み80μmの試験片を作成し、JIS K7128−1に従い測定した。
未延伸フィルムを製膜方向に150mm、それと直交する幅方向に50mm厚み80μmの試験片を作成し、フィルムのTgより10℃高い温度で3倍延伸したときに、割れない場合は○、割れる場合は×とした。
延伸した光学フィルムを日本分光(株)製 Spectroellipsometer M−220を使用して測定した。
ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向している偏光子フィルムを2枚のトリアセチルセルロースフィルムにより挟んだ構造で、その片面にアクリル系感圧接着剤層が設けられている直線偏光板を用意した。実施例で作成した延伸フィルムを積算照射量1500Jの条件でコロナ放電処理を施し、そのコロナ放電処理面を、前記直線偏光板へアクリル系感圧接着剤層側に45°の角度で張り合わせた。上記偏光板を2枚作成し、無アルカリガラス(コーニングジャパン社製、商品名:EAGLE2000)に粘着剤を介し図1に示したように貼り合わせた。構成した円偏光板を85℃30分保管した直後にバックライトを当てた時の透過光の光抜けを目視で評価し、光抜けのない場合は○、エッジから少量光抜けがある場合は△、全体的に光抜けが見られる場合を×とした。光抜けは、位相差フィルムの熱膨張によりガラスに接着されているフィルムに応力が発生して、発生した応力により複屈折が生じて起こる。従って、光弾性定数の高いフィルムほど光抜けが大きい。加熱前の室温での光抜けは、逆波長分散性が良好であるほど少なく黒色となる。
透過型構成での熱ムラ評価に用いたものと同様の偏光板と無アルカリガラスを用意して、図2に示したように粘着剤を介し貼り合わせた。構成した反射構成を反射板の上にのせて、室温で上部から光を当てた時に反射光の光抜けがなく黒色の場合は○、紺色の場合を△、青色の場合を×とした。逆波長分散性が良好であるほど光抜けがなく黒色となる。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(以下SPGと略す)76.6部、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(以下BCFと略す)51.4部、1,6−ヘキサンジオール(以下HDと略す)1.4部、ジフェニルカーボネート87.8部、および触媒として炭酸水素ナトリウム1.6×10−4部を窒素雰囲気下180℃に加熱し溶融させた。その後、30分かけて減圧度を13.4kPaに調整した。その後、60℃/hrの速度で260℃まで昇温を行い、10分間その温度で保持した後、1時間かけて減圧度を133Paまで減圧した。合計5時間撹拌下で反応を行い、反応終了後、触媒量の1.5倍モルのドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を添加し、触媒を失活した後、反応槽の底より窒素加圧下吐出し、水槽で冷却しながら、ペレタイザーでカットしてペレットを得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に、(株)テクノベル製15mmφ二軸押出機に幅150mm、リップ幅500μmのTダイとフィルム引取り装置を取り付け、得られたポリカーボネート樹脂を260℃でフィルム成形することにより透明な押出未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を評価した。また、製膜方向100mm、それと直交する幅方向に70mmサイズ、厚み90μmの未延伸フィルムを167℃(Tg+10℃)にて長さ方向に2.0倍で一軸延伸し、厚み64μmの光学フィルムを得た。この光学フィルムの位相差値、波長分散性を測定した。さらに、この光学フィルムを用いて前途9の方法で図1のように円偏光板を作成し、熱ムラ評価を実施した。また、この光学フィルムを用いて前途10の方法で図2の反射構成を作成し、反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG76.6部、BCF48.4部、HD2.4部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG74.2部、BCF54.4部、1,4−ブタンジオール(以下、BDと略す)1.1部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG74.2部、BCF51.4部、BD1.8部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG70.5部、BCF51.4部、BD2.9部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
SPG74.2部、BCF51.4部、1,4―シクロヘキサンジメタノール(以下、CHDMと略す)2.9部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下BPAと略称することがある)1775部及びナトリウムハイドロサルファイト3.5部を溶解し、塩化メチレン7925部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール52.6部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
得られたポリカーボネート樹脂を15φ二軸押し出し混練機によりペレット化した。次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
温度計、攪拌機、還流冷却器を備えた反応器にイオン交換水9809部、48%水酸化ナトリウム水溶液2271部を加え、BPA585部、BCF1969部及びナトリウムハイドロサルファイト4.5部を溶解し、塩化メチレン6604部を加えた後、攪拌しながら16〜20℃にてホスゲン1000部を60分を要して吹き込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、p−tert−ブチルフェノール70部と48%水酸化ナトリウム水溶液327部を加え、さらにトリエチルアミン1.57部を添加して20〜27℃で40分間攪拌して反応を終了した。生成物を含む塩化メチレン層を希塩酸、純水にて洗浄後、塩化メチレンを蒸発させ、芳香族ポリカーボネート樹脂を得た。該パウダーの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に得られたポリカーボネート樹脂をメチレンクロライドに溶解させ、固形分濃度19重量%のドープを作製した。このドープ溶液から公知の方法によりキャストフィルムを作製した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
<ポリカーボネート樹脂の製造>
1,4・3,6ージアンヒドローDーソルビトール(以下ISSと略称することがある)7.67部、SPG24.2部、BCF6.81部、ジフェニルカーボネート32.45部を用いた他は、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数を実施例1と同様に測定した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
SPG80.3部、BCF51.4部、ジフェニルカーボネート89.3部を用いた他、実施例1と全く同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂を得た。該ペレットの比粘度、ガラス転移温度、溶融粘度を測定し、表1に記載した。
次に実施例1と同様にして未延伸フィルムを作成した。得られた未延伸フィルムの光弾性定数、引裂き強度、耐延伸性を実施例1と同様に評価した。実施例1と同様に未延伸フィルムをTg+10℃にて2.0倍で一軸延伸し、位相差値、波長分散性を測定した。さらに実施例1と同様に熱ムラ評価と反射光の光抜け評価を実施した。結果を表2に示す。
2.延伸フィルム
3.無機ガラス
4.延伸フィルム
5.偏光板
6.反射板
Claims (7)
- 繰り返し単位が下記式(A)
で表される繰り返し単位(A)、下記式(B)
で表される繰り返し単位(B)、及び下記式(C)
で表される繰り返し単位(C)を主たる繰り返し単位とし、上記繰り返し単位(A)、 (B)、及び(C)のモル数の合計を基準として、繰り返し単位(A)が20〜40モ ル%、繰り返し単位(B)が50〜79モル%、繰り返し単位(C)が1〜10モル% を占めるポリカーボネート樹脂。 - 温度280℃、せん断速度122s−1における溶融粘度が10〜500Pa・sの範 囲にある請求項1記載の樹脂。
- 請求項1または2のいずれかに記載の樹脂を用いてなる未延伸フィルム。
- 偏光板保護フィルムまたは光ディスク用透過層フィルムとして用いる請求項3記載 の未延伸フィルム。
- 請求項3記載の未延伸フィルムを延伸してなり、波長450nm、550nm、及び 650nmにおけるフィルム面内の位相差値R(450)、R(550)、及びR(6 50)が、下記式(1)及び(2)
0.60 < R(450)/R(550)<1.00 (1)
1.01 < R(650)/R(550)<1.40 (2)
を満たす延伸フィルム。 - 位相差フィルムとして用いる請求項5記載の延伸フィルム。
- 請求項6記載の位相差フィルムを具備した液晶表示装置。
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