JP5586087B2 - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の可変動弁機構に関する。
従来、内燃機関の可変動弁装置において、ばねによってカムシャフトのカムに常時押し付けられているバルブリフタ内に、バルブステムとバルブリフタとの係合状態を変更する油圧駆動式のスライドピンを設け、バルブの作動態様を開閉作動状態及び休止状態に切り換え可能としたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、特許文献1には、カムシャフトのカムによって駆動されるロッカーアームでバルブのバルブステムを押し下げる構成が開示されている。
特開2009−161004号公報
ところで、上記従来のばねによって常時押し付けられるバルブリフタを用いる可変動弁機構を、上記のようなロッカーアームで押し下げられるバルブに適用する場合、上記ばねに押し付けられているバルブリフタによって、ロッカーアームにばねの力が作用し、カムシャフトがロッカーアームによって押し付けられることとなる。このため、カムシャフトを支持するカムホルダからカムシャフトを取り外してメンテナンスする場合には、ロッカーアームを取り外さなければ、カムシャフトを取り外すことができなかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、内燃機関の可変動弁装置において、ロッカーアームを取り外すことなくカムシャフトを取り外し可能とし、メンテナンス性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、動弁カム(25)に連動するロッカーアーム(27)によって駆動されポペットバルブ(12)のバルブステム(12c)間に介装されるバルブリフタ(13E)がリフタガイド孔(91)に摺動自在に支持されてリフタスプリング(90)により前記ロッカーアーム(27)に常時当接させる方向に付勢され、前記バルブリフタ(13E)内で油圧の制御によってスライドピン(86)を移動してバルブ動作を変更する内燃機関の可変動弁機構において、前記動弁カム(25)のカムホルダ(51)をシリンダヘッド(4r)のデッキ面(19)に対して斜めに設け、前記ロッカーアーム(27)によって駆動される一方の動弁機構(10E)に連動する他方の動弁機構(10I)は、バルブリフタを前記動弁カム(25)で直押しする構造とし、前記カムホルダ(51)の前記合わせ面(55)は、直押し側バルブリフタ(13I)の頂面(32)に平行に設けられ、前記カムホルダ(51)は、前記シリンダヘッド(4r)側に形成されたヘッド側ホルダ(52)と、該ヘッド側ホルダ(52)に連結され前記ヘッド側ホルダ(52)との間に前記動弁カム(25)を支持するキャップ(53)と、前記動弁カム(25)が嵌合するシャフト支持孔(54)とを有し、前記合わせ面(55)は、前記ヘッド側ホルダ(52)と前記キャップ(53)とが合わさる面であり、該合わせ面(55)が、前記ロッカーアーム(27)とは反対側に前記デッキ面(19)に対して下方に傾斜し、傾斜して低くなった側の前記ヘッド側ホルダ(52)と前記デッキ面(19)との間には、前記シャフト支持孔(54)の中心(O1)よりも下方に位置する空間(M)が設けられ、前記シャフト支持孔(54)の前記中心(O1)は、前記デッキ面(19)の高さに一致して設けられることを特徴とする。
この構成によれば、動弁カムに連動するロッカーアームに対して、リフタスプリングによってバルブリフタが常時当接させられる可変動弁機構において、動弁カムのカムホルダをシリンダヘッドのデッキ面に対して斜めに設けたため、動弁カムをカムホルダの傾斜方向側に取り外すことができる。このため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。また、カムホルダの合わせ面が直押し側バルブリフタの頂面に平行であるため、直押し側バルブリフタから動弁カムに作用する力をカムホルダで効率良く受けることができる。また、ヘッド側ホルダとキャップとの合わせ面が、ロッカーアームとは反対側にデッキ面に対して下方に傾斜しており、動弁カムをロッカーアームと反対側に取り外しできるため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
また、上記構成において、前記カムホルダ(51)の合わせ面(55)の傾斜は、前記ロッカーアーム(27)の前記動弁カム(25)との当接側(27a)を前記動弁カム(25)から最も離間させた際に、前記カムホルダ(51)の前記合わせ面(55)に直交する前記動弁カム(25)のベース円(31a)の接線の延長線(S)に対し、前記動弁カム(25)と反対側に前記ロッカーアーム(27)の前記当接側(27a)が位置するように傾斜していても良い。
この場合、カムホルダの合わせ面の傾斜は、ロッカーアームの動弁カムとの当接側を動弁カムから最も離間させた際に、カムホルダの合わせ面に直交する動弁カムのベース円の接線の延長線に対し、動弁カムと反対側にロッカーアームの当接側が位置するように傾斜しているため、動弁カムを取り外す際にロッカーアームの当接側が邪魔にならない。このため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
また、前記ロッカーアーム(27)を支持するロッカーアームシャフト(26)は、前記ロッカーアーム(27)と前記動弁カム(25)との接点(G1)と、前記ロッカーアーム(27)が前記バルブリフタ(13E)に接する接点(G2)とを結んだ線分(T)より下方に位置する構成としても良い。
この場合、ロッカーアームが、より小さな振れ角で動弁カムとの接点から離間するため、動弁カムを容易に取り外すことができる。
さらに、前記ロッカーアーム(27)の前記バルブリフタ(13E)との接触部にアジャストスクリュー(27b)が設けられている構成としても良い。
この場合、アジャストスクリューを調整することにより、ロッカーアームの振れ角をより大きくすることができるため、動弁カムを容易に外すことができる
本発明に係る内燃機関の可変動弁機構では、動弁カムのカムホルダをシリンダヘッドのデッキ面に対して斜めに設けたため、動弁カムをカムホルダの傾斜方向側に取り外すことができる。このため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
また、ロッカーアームの動弁カムとの当接側を動弁カムから最も離間させた際に、ロッカーアームの当接側が動弁カムの取り外しの邪魔にならないため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
さらに、ロッカーアームが、より小さな振れ角で動弁カムとの接点から離間するため、動弁カムを容易に取り外すことができる。
さらにまた、アジャストスクリューを調整することにより、ロッカーアームの振れ角をより大きくすることができるため、動弁カムを容易に外すことができる。
また、カムホルダの合わせ面が直押し側バルブリフタの頂面に平行であるため、直押し側バルブリフタから動弁カムに作用する力をカムホルダで効率良く受けることができる。
また、動弁カムをロッカーアームと反対側に取り外しできるため、ロッカーアームを取り外すことなく動弁カムを取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁機構を備えた自動二輪車を示す左側面図である。 内燃機関を示す断面図である。 内燃機関を上方から見た場合における構成を示す模式図である。 排気側のバルブ休止機構の拡大断面図である。 内燃機関の平面図である。 動弁機構の側面断面図である。 カムホルダの近傍の一部破断側面図である。 カムシャフトの周辺のメンテナンスを説明する一部破断側面図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る内燃機関の可変動弁機構を備えた自動二輪車を示す左側面図である。なお、以下の説明中、前後左右及び上下といった方向の記載は車体に対してのものとする。
自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車体後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
メインフレーム114の下方には、前後V型4気筒の内燃機関1が配置されている。この内燃機関1は、クランク軸2を左右水平方向に指向させる横置き配置のエンジンであって、OHC型の4ストロークの水冷式で、クランクケース3を備え、このクランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いた前側バンクBfと、後側バンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。
前側バンクBfの排気口には、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気パイプ119は、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、後側バンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管127(図3参照)を介して、内燃機関1の後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
内燃機関1の後方には、ピボット軸121が設けられており、このピボット軸121には、リヤフォーク122がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取り付けられている。リヤフォーク122の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131と内燃機関1とは、リヤフォーク122内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、内燃機関1からの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。また、リヤフォーク122と車体フレーム111との間には、リヤフォーク122からの衝撃を吸収するリヤクッション124が掛け渡されている。
内燃機関1の後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられている。また、内燃機関1の左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
メインフレーム114の上部には、内燃機関1の上方を覆うようにして燃料タンク141が搭載されている。この燃料タンク141の後方には、シート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置され、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。
また、自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、この車体カバー150は、車体フレーム111の前方から内燃機関1の前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備えている。フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。また、フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図2は、内燃機関1を示す断面図である。図3は、内燃機関1を上方から見た場合における構成を示す模式図である。なお、図2では、図の上下を内燃機関1の上下、図の左側を内燃機関1の前側、図の右側を内燃機関1の後側として説明する。
図2に示すように、前側バンクBfと後側バンクBrとの間には側面視でV字状に形成された空間であるVバンク空間Kが形成されている。
クランクケース3は上下割りで構成され、上クランクケース3Uと下クランクケース3Lとを有している。クランク軸2はクランクケース3U、3Lにより挟まれるようにして回転自在に軸支され、上クランクケース3Uには、それぞれ左右に2気筒が配列される前シリンダブロック3fと後シリンダブロック3rとが、側面視でV字をなすように斜め上方に延出されて一体に形成されている。
下クランクケース3Lの下部には、内燃機関1のオイルが貯留されるオイルパン3Gが下方に膨出するように設けられている。内燃機関1内にオイルを循環させるオイルポンプ50は、下クランクケース3L内においてクランク軸2の下方に位置している。オイルポンプ50は、クランク軸2とオイルポンプ50との間に掛け渡されるポンプ駆動チェーン(不図示)によって駆動され、クランク軸2が回転する際には常に稼働される。
また、クランクケース3内には、クランク軸2とそれぞれ平行に配置されるメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43が設けられている。クランク軸2を含むこれらの軸41、42、43は、クランク軸2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び、出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を構成している。カウンタ軸42とメイン軸41との間には、6段変速の変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置が構成されている。出力軸43には、傘歯車(不図示)を介してドライブシャフト123(図1参照)が接続されている。
前シリンダブロック3fには、前シリンダヘッド4fが前方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、前シリンダヘッド4fの上を前シリンダヘッドカバー5fが覆っている。同様に、後シリンダブロック3rには後シリンダヘッド4r(シリンダヘッド)が後方斜め上に重ねられて締結ボルト(不図示)により締結され、後シリンダヘッド4rは後シリンダヘッドカバー(不図示)により覆われる。
前シリンダブロック3f及び後シリンダブロック3rには、一対のシリンダボア3aがそれぞれ形成され、各シリンダボア3aにはシリンダボア3a内を往復運動するピストン6が収容されている。各ピストン6は、各ピストン6に共通な1本のクランク軸2に対し、各コンロッド7f、7rを介して連結されている。
図3に示すように、内燃機関1おいては、ピストン6が収容される気筒が、車幅方向の左側から順に第1気筒C1、第2気筒C2、第3気筒C3、第4気筒C4として設けられている。詳細には、前側バンクBfの左側の気筒が第1気筒C1、右側の気筒が第4気筒C4であり、後側バンクBrの左側の気筒が第2気筒C2、右側の気筒が第3気筒C3である。
図2及び図3に示すように、前シリンダヘッド4f及び後シリンダヘッド4rには、4つの各シリンダボア3aの上方に位置する燃焼室20がそれぞれ設けられている。前シリンダヘッド4fには、第1気筒C1の燃焼室20に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22f、及び、第4気筒C4の燃焼室20に連通する吸気ポート21f及び排気ポート22fが設けられている。
後シリンダヘッド4rには、第2気筒C2の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22r、及び、第3気筒C3の燃焼室20に連通する吸気ポート21r及び排気ポート22rが設けられている。
前シリンダヘッド4fの各吸気ポート21f、21fには、吸気ポート21f、21fに流れる吸気の量を調整する前側スロットルボディ60fが接続され、後シリンダヘッド4rの各吸気ポート21r、21rには、吸気ポート21r、21rに流れる吸気の量を調整する後側スロットルボディ60rが接続されている。
図2に示すように、各気筒の燃焼室20の上面を形成する燃焼凹部20Aには、一対の吸気バルブ開口81及び一対の排気バルブ開口82が形成されている。吸気バルブ開口81は吸気バルブ11により開閉され、排気バルブ開口82は排気バルブ12(ポペットバルブ)により開閉される。
吸気バルブ11は、吸気バルブ開口81を塞ぐ弁体部11bと、弁体部11bを基端として延びるバルブステム11cとを有し、排気バルブ12は、排気バルブ開口82を塞ぐ弁体部12bと、弁体部12bを基端として延びるバルブステム12cとを有している。
バルブステム11c及びバルブステム12cは、吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82の上方に設けられたガイド筒83に摺動自在に嵌合されている。
バルブステム11c及びバルブステム12cの先端のバルブステムエンド11d、12dにはリテーナ84がそれぞれ設けられている。コイル状のバルブスプリング11a及びバルブスプリング12aは、各リテーナ84と吸気バルブ開口81及び排気バルブ開口82との間に設けられ、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉じる方向に付勢している。
これらの吸気バルブ11及び排気バルブ12は、図2に示すように、各シリンダヘッド4f、4rごとに1本ずつ配設されたカムシャフト25(動弁カム)で駆動されるユニカム方式の動弁機構10(可変動弁機構)によって開閉駆動される。
動弁機構10は、各シリンダヘッド4f、4rにおける吸気バルブ11の上方の支持部に回転自在に軸支されるカムシャフト25と、カムシャフト25と平行な軸線を有して各シリンダヘッド4f、4rに固定されるロッカシャフト26(ロッカーアームシャフト)と、ロッカシャフト26に揺動可能に軸支されるロッカーアーム27とを有している。
動弁機構10は、吸気バルブ11を有してカムシャフト25に直押しされる吸気側動弁機構10I(他方の動弁機構)と、排気バルブ12を有してロッカーアーム27により駆動される排気側動弁機構10E(一方の動弁機構)とを備えて構成されている。吸気側動弁機構10I及び排気側動弁機構10Eは、1本のカムシャフト25により駆動され、互いに連動して動作する。
カムシャフト25は、カムシャフト25の外周側に突出した吸気カム30及び排気カム31を有し、クランク軸2の回転に同期して回転させられる。吸気カム30および排気カム31は、中心から外周までの距離(半径)が一定でないカムプロフィールを有し、吸気カム30及び排気カム31が回転した際の半径の変化によって、吸気バルブ11及び排気バルブ12を上下運動させる。
前側バンクBfにおいて、カムシャフト25と吸気バルブ11との間には、カムシャフト25の下方で前シリンダヘッド4fに摺動可能に嵌合される前側バルブリフタ13が設けられている。
後側バンクBrにおいて、カムシャフト25と吸気バルブ11との間には、カムシャフト25の下方で後シリンダヘッド4rに摺動可能に嵌合されるバルブリフタ13I(直押し側バルブリフタ)が設けられている。
ロッカシャフト26に軸支されたロッカーアーム27の一端には排気カム31に転がり接触するローラ27a(動弁カムとの当接側)が設けられ、他端には排気バルブ12の上端に接触するタペットねじ27b(アジャストスクリュー)が進退位置を調節可能として螺合されている。後側バンクBr側のタペットねじ27bと排気バルブ12との間には、バルブリフタ13Eが設けられている。
そして、カムシャフト25と一体に吸気カム30及び排気カム31が回転されると、吸気カム30が前側バルブリフタ13及びバルブリフタ13Iを介して吸気バルブ11を押し下げるとともに、ローラ27aに当接する排気カム31がロッカーアーム27を介して排気バルブ12を押し下げ、吸気カム30及び排気カム31の回転の位相によって定まる所定のタイミングで各吸気ポート21f、22f及び各排気ポート22r、22rが開閉される。
図3に示すように、前側スロットルボディ60fは前側バンクBfの後部に設けられ、第1気筒C1及び第4気筒C4へ連通する一対の吸気通路61、61を一つのケース体62に備えて構成されている。吸気通路61、61には、バタフライ式の一対のスロットルバルブ63、63が開閉可能にそれぞれ設けられており、スロットルバルブ63、63は、吸気通路61、61に設けられるシャフト64(図2参照)によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ63、63は同時に駆動される。
また、後側スロットルボディ60rは後側バンクBrの前部に設けられ、第2気筒C2及び第3気筒C3へ連通する一対の吸気通路66a、66bを一つのケース体68に備えて構成されている。吸気通路66a、66bには、バタフライ式の一対のスロットルバルブ67、67が開閉可能にそれぞれ設けられており、スロットルバルブ67、67は、吸気通路66a、66bに設けられるシャフト64(図2参照)によって支持されている。シャフト64は、シャフト64に接続された1つのモータ65によって駆動され、2つのスロットルバルブ67、67は同時に駆動される。
スロットルバルブ63、63及びスロットルバルブ67、67は、運転者により操作されるアクセル開度、つまり、運転者の加速意思等に応じて各モータ65に連係して電子制御により開閉動作する、いわゆるTBW(スロットル・バイ・ワイヤ)式のスロットルバルブである。各モータ65の駆動状態は、車両の電子制御ユニットとしてのECU76によってアクセル開度等に応じて制御される。
吸気通路61、61及び吸気通路66a、66bには、吸気通路61、61及び吸気通路66a、66b内に燃料を噴射するインジェクタ70がそれぞれ設けられている。各インジェクタ70は、スロットルバルブ63、63及びスロットルバルブ67、67の下流側に配置されている。各燃焼室20の中央には、各燃焼室20に供給される混合気に点火する点火プラグ71が設けられている。
また、前側バンクBf及び後側バンクBrの右端部には、上下に延びるカムチェーン室35が設けられており、カムシャフト25は、クランク軸2により駆動されカムチェーン室35を通るカムチェーン(不図示)によって回転駆動される。
本実施の形態では、吸気バルブ11及び排気バルブ12を閉状態に維持して気筒を休止させるバルブ休止機構80が後側バンクBrに設けられている。バルブ休止機構80は、図2に示すように、吸気側においては、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dと吸気カム30との間に設けられ、排気側においては、排気バルブ12のバルブステムエンド12dとロッカーアーム27のタペットねじ27bとの間に設けられている。
バルブ休止機構80は、吸気カム30から吸気バルブ11への開弁方向の押圧力の作用・非作用、及び、ロッカーアーム27から排気バルブ12への開弁方向の押圧力の作用・非作用を切り換え可能であり、内燃機関1の特定の運転域、例えば、低速運転域などの低負荷域では押圧力を非作用状態として、吸気バルブ11及び排気バルブ12を休止状態とするものである。すなわち、バルブ休止機構80は、吸気バルブ11及び排気バルブ12の動作を変更可能であり、吸気バルブ11及び排気バルブ12を動作させるか否かを切り換え可能な可変動弁装置である。
図4は、排気側動弁機構10Eのバルブ休止機構80の拡大断面図である。
バルブ休止機構80は、吸気側及び排気側で同様に構成されており、ここでは、主として排気側動弁機構10E側のバルブ休止機構80について説明する。また、バルブ休止機構80は、第2気筒C2及び第3気筒C3にそれぞれ設けられており、同一に構成されているため、ここでは、第2気筒C2のバルブ休止機構80について説明する。
図4に示すように、排気側のバルブ休止機構80は、バルブリフタ13Eを有しており、このバルブリフタ13Eは、カムシャフト25からの押圧力によりバルブステム12cの軸方向に上下に摺動するリフタ85と、リフタ85内に設けられ、バルブステムエンド12dの軸方向に直交する方向に摺動するスライドピン86と、スライドピン86を保持するスライドピンホルダ87と、スライドピン86に油圧を作用させる油圧供給機構88と、スライドピン86に加わる油圧に抗してスライドピン86を一方向に付勢するリターンスプリング89と、リフタ85をタペットねじ27bの下端からの押圧力に抗して付勢するリフタスプリング90とを備えて構成されている。バルブリフタ13Eは、油圧供給機構88からの油圧によって駆動される油圧アクチュエータである。
吸気側動弁機構10Iのバルブ休止機構80は、吸気バルブ11のバルブステムエンド11dと吸気カム30との間に設けられるバルブリフタ13Iを有している。バルブリフタ13Iは、バルブリフタ13Eと略同一に構成されている。
リフタ85は軸方向の上端が平面状に形成された円筒形に構成されるとともに、下面が開口し、内部に円板状のスライドピンホルダ87を収容している。リフタ85の外周面にはリフタ85の内外を連通させる連通孔85aが形成されている。
また、リフタ85の上面とタペットねじ27bの下端との間には、タペットねじ27bの受け部材94が介装されている。リフタスプリング90はコイルばねであり、リフタ85内に収容され、スライドピンホルダ87の下面に当接して設けられている。
リフタ85は、後シリンダヘッド4rの上部に設けられた円筒状のリフタガイド孔91内に摺動自在に支持されている。リフタガイド孔91の内周面には、リフタ85を囲うように油供給溝91aが形成されている。
油圧供給機構88は、作動油を送出するオイルポンプ50(図2参照)と、オイルポンプ50に接続される上流側制御油路72(図3参照)と、上流側制御油路72から第2気筒C2及び第3気筒C3にそれぞれ分岐する制御油路73、74と、制御油路73、74に流れる作動油を切り換える油圧切換え部75(図3参照)と、制御油路73、74の終端にそれぞれ位置する油供給溝91aとを備えている。
油圧切換え部75は、第2気筒C2のバルブ休止機構80に供給される作動油の油圧のON/OFFを切り換えるスプールバルブ75a、及び、第3気筒C3のバルブ休止機構80に供給される作動油の油圧のON/OFFを切り換えるスプールバルブ75bを有している。スプールバルブ75a、75bの切り換えは、内燃機関1の回転数等の車両の運転状況に基づいてECU76によって制御される。
図4に示すように、スライドピンホルダ87は、その円板形状の径方向に延びるとともにバルブステム12cと直交する方向を向いて形成されたシリンダ孔87aと、スライドピンホルダ87の中央にバルブステム12cと同軸に設けられたステム孔87bとを有し、リフタ85内に嵌着されている。シリンダ孔87aの一端には開口87cが設けられ、他端には壁部87dが形成されている。また、シリンダ孔87aの開口87c側には、シリンダ孔87a内のスライドピン86の位置を規制するストッパピン92が設けられている。
スライドピン86は、シリンダ孔87a内においてバルブステム12cに直交する方向に摺動自在に設けられ、その軸方向と直交する方向に貫通するステム貫通孔93を有している。また、スライドピン86は、その外周面が内側に窪んだステム当り面93aを有し、ステム当り面93aは、ステム貫通孔93に隣り合わせて連続して設けられている。シリンダ孔87a内において、スライドピン86の一端とリフタ85との間の空間は、上記作動油が作用する油圧室95となっている。
スライドピン86の他端とシリンダ孔87aの壁部87dとの間には、リターンスプリング89が設けられており、図4に示すように、リターンスプリング89は、スライドピン86を油圧室95側に付勢している。スライドピン86は、一端側に設けられた溝部にストッパピン92が嵌合することで軸方向の位置を規制されている。スライドピン86がストッパピン92側に押し付けられた状態では、ステム貫通孔93はステム孔87bよりも油圧室95側に位置している。
そして、油圧室95に制御油路73からの油圧が作用してスライドピン86がリターンスプリング89に抗してリターンスプリング89の付勢方向と反対側にスライドすると、ステム貫通孔93はステム孔87bに対して同軸となり、ステム孔87bに連通する。ステム貫通孔93の径は、バルブステムエンド12dの径よりも大きく形成されている。
排気バルブ12のバルブステムエンド12dは、ステム孔87bに挿通されるとともに、スライドピン86のステム当り面93aに係合した状態で設けられている。バルブ休止機構80では、スライドピン86がスライドされることで、各バルブリフタ13I、13Eと各吸排気バルブ11、12との係合状態が変化する。
すなわち、バルブ休止機構80は、油圧の制御によってスライドピン86を移動して、ステム当り面93aとステム貫通孔93とを選択的にバルブステムエンド12dに臨ませるように構成されている。
バルブ休止機構80では、スプールバルブ75aがOFF状態に制御され、スライドピン86に作用する油圧が低く、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動されない状態では、バルブステムエンド12dがステム当り面93aに当接し、排気バルブ12がリフタ85に連結される。このため、カムシャフト25の回転により排気カム31を介してロッカーアーム27が揺動され、タペットねじ27bによってリフタ85が押圧されて下降すると、スライドピン86のステム当り面93aを介して排気バルブ12に押圧力が作用して排気バルブ12が開かれ、リフタ85の往復運動に伴って排気バルブ12が開閉動作する。
また、バルブ休止機構80が作動し、スプールバルブ75aがON状態に制御されて油圧室95に作動油が供給されると、スライドピン86がリターンスプリング89に抗して他端側に移動させられ、スライドピン86のステム貫通孔93がステム孔87bに連通し、排気バルブ12のバルブステムエンド12dはステム貫通孔93に嵌入可能な状態となる。この状態において、カムシャフト25の回転によりロッカーアーム27を介してリフタ85が押圧されて往復運動する場合、リフタ85は、排気バルブ12のバルブステムエンド12dが嵌入された状態で単独で上下に往復するだけであり、排気バルブ12にロッカーアーム27の押圧力は伝達されない。すなわち、排気バルブ12は、カムシャフト25が回転してもロッカーアーム27の押圧力が作用せず、閉弁状態が維持される休止状態となる。
バルブ休止機構80は、第2気筒C2内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12に設けられており、第2気筒C2の気筒休止時には、第2気筒C2内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12が休止状態とされる。また、第3気筒C3内にも第2気筒C2内と同様に、全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12にバルブ休止機構80が設けられており、第3気筒C3の気筒休止時には、第3気筒C3内の全ての吸気バルブ11及び排気バルブ12が休止状態とされる。すなわち、第2気筒C2及び第3気筒C3で構成される後側バンクBrは、休止可能な休止気筒である。また、内燃機関1は、4気筒の全てを運転させる4気筒運転、第2気筒C2及び第3気筒C3を休止する2気筒運転、及び、第2気筒C2或いは第3気筒C3のいずれかを休止する3気筒運転を行うことができる。
ECU76は、車両の運転状況に対応してバルブ休止機構80のスプールバルブ75a、75bを切り換えて後側バンクBrの気筒休止を制御し、気筒を休止する際には、休止する気筒のインジェクタ70の燃料供給を停止する。このため、内燃機関1の燃費を向上させることができる。
一方、第1気筒C1及び第4気筒C4はバルブ休止機構80を有しておらず、前側バンクBfは、内燃機関1の運転時には常に吸気バルブ11及び排気バルブ12の開閉が行われる常時稼働気筒である。
図5は、内燃機関1の平面図である。図6は、動弁機構10の側面断面図である。ここで、図5では、後シリンダヘッド4rの第2気筒C2において、後シリンダヘッドカバーを外した状態を示している。また、後シリンダヘッド4rは図2に示すように、後傾した状態で搭載されるが、図6では、後シリンダヘッド4rは後述するデッキ面19が水平となる状態で図示されている。
図5に示すように、中空に形成されたカムシャフト25は、リフタガイド孔91の上方においてクランク軸2(図2参照)と平行に車幅方向に延在して配置され、後シリンダヘッド4rの上部に設けられた複数のカムホルダ51によって回転自在に支持されている。カムホルダ51は、略円形の燃焼室20(図3参照)の中央に配置された点火プラグ71の前方に配置され、車幅方向において燃焼室20の中央に位置している。点火プラグ71は、筒状のプラグ孔部29に支持されている。なお、図6には、第3気筒C3のプラグ孔部29が図示されている。
一対の吸気カム30は、カムホルダ51を挟んでカムホルダ51の両側にそれぞれ設けられ、一対の排気カム31は、各吸気カム30よりも車幅方向の外側にそれぞれ設けられている。
一対のバルブリフタ13Iを支持するリフタガイド孔91は各吸気カム30の下方にそれぞれ位置しており、カムホルダ51は、後シリンダヘッド4rの上部において、一対のリフタガイド孔91の間に設けられている。
一対のロッカーアーム27は、各排気カム31に連続して排気側の各バルブリフタ13E側へ後方に延びるように配置されており、一対のタペットねじ27bは、後端側にかけて内側に屈曲するロッカーアーム27の後端に設けられている。
また、後シリンダヘッド4rの第3気筒C3(図3参照)においても、動弁機構10は第3気筒C3と略同一に構成されており、カムシャフト25はカムホルダ51と同一に構成されたカムホルダ(不図示)によって支持されている。
後シリンダヘッド4rの側壁18の上面には、不図示の後シリンダヘッドカバーの下面と合わさるデッキ面19が形成されている。デッキ面19は、シリンダボア3a(図2参照)の軸線に垂直な平面形状に形成されている。デッキ面19と後シリンダヘッドカバーの下面との間には、枠状のガスケット(不図示)が介装される。
図6に示すように、ロッカーアーム27は、吸気バルブ11及び排気バルブ12のバルブ軸線V1、V2の交差する角度により規定されるバルブ挟み角Aの内側位置に配置され、後シリンダヘッド4rの上部に形成されたシャフト支持部36に挿通されるロッカシャフト26によって前後に揺動自在に軸支されている。
ロッカーアーム27は、前後に延びるアーム状に形成され、ロッカシャフト26によって軸支されるシャフト貫通孔27cは、ローラ27aとタペットねじ27bとの間のロッカーアーム27の中間部において燃焼室20の側に下方へ膨出した部分に形成されている。
ロッカーアーム27は、排気側の端に上下に貫通するねじ支持孔部28を有し、タペットねじ27bは、ねじ支持孔部28内に挿通されるとともに上部に締め込まれるナット28aによって、ねじ支持孔部28に固定されている。タペットねじ27bの上下方向の位置は、ナット28aとタペットねじ27bとの締め込み具合によって調節可能である。
リフタスプリング90によって付勢されている排気側のバルブリフタ13Eは、タペットねじ27bを常に上方に押圧しており、この力を受けているロッカーアーム27は、ロッカシャフト26を軸にしてカムシャフト25側に押し付けられている。このため、ローラ27aは排気カム31に常時押し付けられている。詳細には、排気バルブ12の閉弁時には、ローラ27aは排気カム31のベース円31a(動弁カムのベース円)に当接しており、排気バルブ12の開弁時には、ベース円31aから突出したカム山31bに当接する。本実施の形態では、ローラ27aとベース円31aとの接点G1は、排気カム31におけるロッカーアーム27側の面において、ベース円31aの中心より上方の面に位置している。
また、吸気側のバルブリフタ13Iはリフタスプリング90によって吸気カム30に常に押し付けられている。詳細には、吸気バルブ11の閉弁時には、バルブリフタ13Iは吸気カム30のベース円30aに当接しており、吸気バルブ11の開弁時には、ベース円30aから突出したカム山30bに当接する。
図7は、カムホルダ51の近傍の一部破断側面図である。図7では、吸気カム30、排気カム31及びロッカーアーム27の図示を省略している。
図6及び図7に示すように、カムホルダ51は、後シリンダヘッド4rの上部に一体に形成されたヘッド側ホルダ52と、ヘッド側ホルダ52に上方から連結されるキャップ53とを有して構成されている。ヘッド側ホルダ52及びキャップ53は、側面視で半円状のカムシャフト支持部52a、53aを前後の中間部にそれぞれ有しており、ヘッド側ホルダ52にキャップ53を連結することで、側面視で円形のシャフト支持孔54が形成される。カムシャフト25は、一対の吸気カム30(図5参照)の間に形成された軸部25aがシャフト支持孔54に嵌合されることで支持されている。
詳細には、カムホルダ51は、ヘッド側ホルダ52の上面とキャップ53の下面とを当接させて合わせ面55を構成し、この状態でシャフト支持孔54の両側に跨って設けられる一対のキャップ固定ボルト56によって、キャップ53がヘッド側ホルダ52に締結されることで組み立てられる。
合わせ面55は、シャフト支持孔54の中心O1を通ってシャフト支持孔54を上下に2等分する平面であり、後シリンダヘッド4rのデッキ面19に対し、中心O1を回転中心として、ロッカーアーム27と反対側の車両前方側に前傾して斜めに形成されている。中心O1はデッキ面19の高さに一致して設けられている。
また、合わせ面55は、吸気バルブ11のバルブ軸線V1に対して直交する平面であるとともに、バルブリフタ13Iの頂面32に平行な平面である。また、合わせ面55は面一な平面であり、ヘッド側ホルダ52の上面及びキャップ53の下面も面一となるため、ヘッド側ホルダ52及びキャップ53を容易に加工することができる。
ロッカーアーム27側の合わせ面55は、デッキ面19よりも上方に突出している。前方の側壁18側の合わせ面55は、デッキ面19及び中心O1よりも下方に位置している。キャップ53が取り付けられていない状態では、側壁18側の合わせ面55の上方には、中心O1よりも下方に位置する空間Mが形成される。
キャップ53の上面においてキャップ固定ボルト56の頭部を受ける座面53bは合わせ面55と平行に形成され、キャップ固定ボルト56は、合わせ面55に対して垂直に形成されたヘッド側ホルダ52の雌ねじ部52bに締結されている。また、合わせ面55には、キャップ53のボルト孔53c及び雌ねじ部52bに跨ってノックピン57が設けられており、キャップ53はノックピン57によって位置決めされている。
本実施の形態では、合わせ面55をバルブリフタ13Iの頂面32に対して平行に設けたため、バルブリフタ13Iを吸気カム30で直押しして吸気バルブ11を駆動する際にバルブリフタ13Iからカムシャフト25に作用する反力Fを、この反力Fに対して垂直な合わせ面55で受けることができる。このため、吸気バルブ11を駆動する際の反力Fをカムホルダ51で効率良く受けることができ、カムシャフト25をより安定的に支持することができる。
さらに、キャップ固定ボルト56が合わせ面55に対して垂直に設けられており、反力Fをキャップ固定ボルト56の軸方向と平行に受けることができるため、カムホルダ51によってカムシャフト25をより安定的に支持することができる。
次に、カムシャフト25の周辺のメンテナンスについて説明する。
図8は、カムシャフト25の周辺のメンテナンスを説明する一部破断側面図である。
カムシャフト25を後シリンダヘッド4rから取り外す際には、図8に示すように、ナット28aを緩めてタペットねじ27bを上方に移動させ、ねじ支持孔部28の下面をバルブリフタ13Eの上面の受け部材94に当接させるとともに、キャップ固定ボルト56を取り外し、キャップ53をヘッド側ホルダ52から取り外す。この状態では、ロッカーアーム27の排気カム31との当接側であるローラ27aは排気カム31から離れており、ローラ27aは最も離間した位置にある。
詳細には、ローラ27aが最も離間した位置では、ローラ27aの排気カム31の先端は、合わせ面55に直交する排気カム31のベース円31aの接線におけるローラ27a側の接線の延長線Sに対し、排気カム31と反対側の領域に位置している。すなわち、合わせ面55は、ローラ27aを排気カム31から離間させた状態において、ローラ27aの先端が延長線Sに対して排気カム31と反対側の領域に位置するように、ロッカーアーム27と反対側に向けて下側に傾斜している。
本実施の形態では、図8に示すように、排気カム31とローラ27aとの接点G1は延長線Sに対して排気カム31側の領域に位置しているが、ロッカーアーム27をバルブリフタ13E側に揺動させることで、ローラ27aの先端を延長線Sに対して排気カム31と反対側に位置させることができる。このため、カムシャフト25を延長線Sに沿うようにしてロッカーアーム27と反対側に前上方へ取り外す際に、ローラ27aがカムシャフト25の取り外しの邪魔にならない。これにより、ロッカーアーム27及びロッカシャフト26を取り外すことなくカムシャフト25を容易に取り外すことができるため、メンテナンス性を向上させることができる。
また、カムシャフト25をヘッド側ホルダ52に取り付ける際にも同様に、ローラ27aが邪魔にならないため、ロッカーアーム27が組み付けられた状態でカムシャフト25を容易に取り付けできるため、メンテナンス性を向上できる。
さらに、前側の側壁18側の合わせ面55の上方には、シャフト支持孔54の中心O1よりも下方に位置する空間Mが形成されおり、カムシャフト25をロッカーアーム27と反対側に前上方へ取り外す際に、カムシャフト25が空間Mを通ることができるため、カムシャフト25を前上方に取り外しできる。このため、ロッカーアーム27を取り外すことなくカムシャフト25を容易に取り外すことができる。
また、カムシャフト25をヘッド側ホルダ52に取り付ける際にも同様に、カムシャフト25が空間Mを通ることができ、ロッカーアーム27が組み付けられた状態でカムシャフト25を容易に取り付けできるため、メンテナンス性を向上できる。
また、図6に示すように、ロッカシャフト26の中心O2は、ローラ27aと排気カム31との接点G1と、タペットねじ27bがバルブリフタ13Eの受け部材94に接する接点G2とを結んだ線分Tよりも下方に位置している。これにより、ロッカシャフト26が上方に位置している構成に比して、ロッカーアーム27をより小さな振れ角で接点G1から離間させることができるため、ロッカーアーム27を取り外すことなくカムシャフト25を容易に取り外すことができる。
さらに、カムホルダ51の合わせ面55が、吸気側のバルブリフタ13Iの頂面32に平行であるため、リフタスプリング90に付勢されるバルブリフタ13Iの押圧力によってバルブリフタ13Iの摺動方向にカムシャフト25を取り外しでき、この際に、ローラ27aが邪魔にならないため、カムシャフト25を容易に取り外しできる。
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、カムシャフト25に連動するロッカーアーム27に対して、リフタスプリング90によってバルブリフタ13Eが常時当接させられる動弁機構10において、カムシャフト25のカムホルダ51を後シリンダヘッド4rのデッキ面19に対して、ロッカーアーム27と反対側に前下がりで斜めに設けたため、カムシャフト25をカムホルダ51の傾斜方向側、すなわち、前方側の外側へ取り外すことができる。このため、ロッカーアーム27を取り外すことなくカムシャフト25を取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
また、カムホルダ51の合わせ面55の傾斜は、ロッカーアーム27のカムシャフト25との当接側であるローラ27aをカムシャフト25の排気カム31から最も離間させた際に、合わせ面55に直交する吸気カム30のベース円30aの接線の延長線Sに対し、カムシャフト25の吸気カム30と反対側にローラ27aの先端が位置するように傾斜しているため、カムシャフト25を延長線Sに沿うようにして前方側の外側へ取り外す際に、ロッカーアーム27のローラ27aの先端が邪魔にならない。このため、ロッカーアーム27を取り外すことなくカムシャフト25を取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
さらに、ロッカシャフト26が、ロッカーアーム27とカムシャフト25との接点G1と、ロッカーアーム27がバルブリフタ13Eに接する接点G2とを結んだ線分Tより下方に位置し、ロッカーアーム27がバルブリフタ13E側に揺動する際に、より小さな振れ角で接点G1から離間する。これにより、ローラ27aを接点G1から大きく離間させることができるため、カムシャフト25を容易に取り外すことができる。
さらにまた、ナット28aによってタペットねじ27bの位置を調整することにより、ロッカーアーム27の振れ角をより大きくすることができ、ロッカーアーム27を接点G1から大きく離間させることができるため、カムシャフト25を容易に外すことができる。
また、カムホルダ51の合わせ面55が直押しされる吸気側のバルブリフタ13Iの頂面32に平行であるため、バルブリフタ13Iからカムシャフト25に作用する反力Fをカムホルダ51で効率良く受けることができる。
また、ヘッド側ホルダ52とキャップ53とが合わさる合わせ面55が、ロッカーアーム27とは反対側にデッキ面19に対して下方に傾斜しており、カムシャフト25をロッカーアーム27と反対側に向けて取り外しできるため、ロッカーアーム27を取り外すことなくカムシャフト25を取り外すことができ、メンテナンス性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、合わせ面55は、吸気バルブ11のバルブ軸線V1に対して直交する平面であるとともに、バルブリフタ13Iの頂面32に平行な平面であるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、合わせ面55の傾斜角度は、少なくとも、シャフト支持孔54の中心O1よりも下方に位置する空間Mが形成される角度であれば良い。
また、自動二輪車100の細部構成については任意に変更可能であることは勿論である。
1 内燃機関
4r 後シリンダヘッド(シリンダヘッド)
10 動弁機構(可変動弁機構)
10E 排気側動弁機構(一方の動弁機構)
10I 吸気側動弁機構(他方の動弁機構)
12 排気バルブ(ポペットバルブ)
12c バルブステム
13E バルブリフタ
13I バルブリフタ(直押し側バルブリフタ)
19 デッキ面
25 カムシャフト(動弁カム)
26 ロッカシャフト(ロッカーアームシャフト)
27 ロッカーアーム
27a ローラ(動弁カムとの当接側)
27b タペットねじ(アジャストスクリュー)
31a ベース円(動弁カムのベース円)
32 頂面
51 カムホルダ
52 ヘッド側ホルダ
53 キャップ
55 合わせ面
86 スライドピン
90 リフタスプリング
91 リフタガイド孔
100 自動二輪車
G1 接点(ロッカーアームと動弁カムとの接点)
G2 接点(ロッカーアームがバルブリフタに接する接点)
S 延長線
T 線分

Claims (4)

  1. 動弁カム(25)に連動するロッカーアーム(27)によって駆動されポペットバルブ(12)のバルブステム(12c)間に介装されるバルブリフタ(13E)がリフタガイド孔(91)に摺動自在に支持されてリフタスプリング(90)により前記ロッカーアーム(27)に常時当接させる方向に付勢され、前記バルブリフタ(13E)内で油圧の制御によってスライドピン(86)を移動してバルブ動作を変更する内燃機関の可変動弁機構において、
    前記動弁カム(25)のカムホルダ(51)をシリンダヘッド(4r)のデッキ面(19)に対して斜めに設け
    前記ロッカーアーム(27)によって駆動される一方の動弁機構(10E)に連動する他方の動弁機構(10I)は、バルブリフタを前記動弁カム(25)で直押しする構造とし、前記カムホルダ(51)の前記合わせ面(55)は、直押し側バルブリフタ(13I)の頂面(32)に平行に設けられ、
    前記カムホルダ(51)は、前記シリンダヘッド(4r)側に形成されたヘッド側ホルダ(52)と、該ヘッド側ホルダ(52)に連結され前記ヘッド側ホルダ(52)との間に前記動弁カム(25)を支持するキャップ(53)と、前記動弁カム(25)が嵌合するシャフト支持孔(54)とを有し、前記合わせ面(55)は、前記ヘッド側ホルダ(52)と前記キャップ(53)とが合わさる面であり、該合わせ面(55)が、前記ロッカーアーム(27)とは反対側に前記デッキ面(19)に対して下方に傾斜し、傾斜して低くなった側の前記ヘッド側ホルダ(52)と前記デッキ面(19)との間には、前記シャフト支持孔(54)の中心(O1)よりも下方に位置する空間(M)が設けられ、
    前記シャフト支持孔(54)の前記中心(O1)は、前記デッキ面(19)の高さに一致して設けられることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 前記カムホルダ(51)の合わせ面(55)の傾斜は、前記ロッカーアーム(27)の前記動弁カム(25)との当接側(27a)を前記動弁カム(25)から最も離間させた際に、前記カムホルダ(51)の前記合わせ面(55)に直交する前記動弁カム(25)のベース円(31a)の接線の延長線(S)に対し、前記動弁カム(25)と反対側に前記ロッカーアーム(27)の前記当接側(27a)が位置するように傾斜していることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁機構。
  3. 前記ロッカーアーム(27)を支持するロッカーアームシャフト(26)は、前記ロッカーアーム(27)と前記動弁カム(25)との接点(G1)と、前記ロッカーアーム(27)が前記バルブリフタ(13E)に接する接点(G2)とを結んだ線分(T)より下方に位置することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁機構。
  4. 前記ロッカーアーム(27)の前記バルブリフタ(13E)との接触部にアジャストスクリュー(27b)が設けられていることを特徴とする請求項2または3記載の内燃機関の可変動弁機構。
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