JP5585377B2 - トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置 - Google Patents

トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5585377B2
JP5585377B2 JP2010235890A JP2010235890A JP5585377B2 JP 5585377 B2 JP5585377 B2 JP 5585377B2 JP 2010235890 A JP2010235890 A JP 2010235890A JP 2010235890 A JP2010235890 A JP 2010235890A JP 5585377 B2 JP5585377 B2 JP 5585377B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
torque limiter
damper
limiter mechanism
rotating shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010235890A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012087899A (ja
Inventor
英明 駒田
直志 藤吉
秀和 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2010235890A priority Critical patent/JP5585377B2/ja
Publication of JP2012087899A publication Critical patent/JP2012087899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5585377B2 publication Critical patent/JP5585377B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Description

この発明は、過大なトルクが入力された場合にトルク伝達を遮断するトルクリミッタ機構を備えたダンパ装置に関するものである。
車両のエンジンのクランクシャフトや変速機のインプットシャフトあるいはドライブシャフトなど、トルク変動やトルク変動に起因する捩り振動が発生する回転体の振動系には、例えばばねの弾性力や質量体の慣性力によって振動系のトルク変動や振動を吸収するもしくは減衰させるダンパ装置が取り付けられている。
その一例が特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載されたダンパ装置は、エンジンの回転軸とクラッチドラムやベルト式無段変速機などの慣性の大きな部品の回転軸との間の動力伝達経路に直列に接続されて配置されている。そのダンパ装置は、動力伝達経路上のエンジン側に設けられて質量体の慣性力によってトルク変動を吸収する第1慣性体と、これに直列に接続されかつ第1慣性体よりも変速機側に設けられ、ばねの弾性力によってトルク変動や振動を吸収する第1ダンパ部と、第1ダンパ部に並列に接続され、摩擦力などのヒステリシストルクによってトルク変動や振動を吸収する第1ヒステリシス部と、第1ダンパ部および第1ヒステリシス部に直列に接続されかつこれらよりも変速機側に設けられ、過大なトルクがダンパ装置に入力された場合に滑りを生じて動力伝達経路におけるトルク伝達を遮断するトルクリミッタ部と、トルクリミッタ部に直列に接続されかつトルクリミッタ部よりも変速機側に設けられた第2ダンパ部と、第2ダンパ部に並列に接続された第2ヒステリシス部と、第2ダンパ部および第2ヒステリシス部に直列に接続されかつこれらよりも変速機側に設けられた第2慣性体とを備えている。そして、これらが回転軸の回転軸線方向でオーバーラップして配設されている。
なお、特許文献2には、車両のパワートレインに設けられたモーターの出力軸にクラッチが介装されており、そのクラッチの入力側のトルクあるいは車両の急制動により生成される反作用トルクのいずれかが予め設定された値を超えた場合に、前述したクラッチをスリップさせてトルクリミッタとして機能させることにより、大きな有効慣性を有するパワートレインからの反作用トルクを制限するように構成された装置が記載されている。
特許文献3には、ツーモータ式ハイブリッド車両の動力伝達装置において、動力分配機構をシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成し、そのキャリアを入力要素とし、リングギアを出力要素とし、サンギアを反力要素として機能させるとともに、サンギアと第1電動機(MG1)との間の動力伝達経路にトルクリミッタ機構を備えたダンパ装置を配置した装置が記載されている。
特許文献4には、エンジンと差動回転装置として機能するプラネタリギアユニットとの間の動力伝達経路にダンパ装置が配設された装置が記載されている。
特開2010−038312号公報 特開2005−233423号公報 特開2010−162969号公報 特開2006−006065号公報
上記の特許文献1に記載されているダンパ装置は、エンジンがトルクを発生すると、そのトルクは第1慣性体を経て第1ダンパ部および第1ヒステリシス部に伝達され、そしてトルクリミッタ部を経て第2ダンパ部および第2ヒステリシス部に伝達され、更に第2慣性体を経てクラッチドラムや変速機に伝達される。特許文献1に記載されているダンパ装置では、動力伝達経路においてトルクリミッタ機構よりも変速機側に第二慣性体が配設されているので、例えば、駆動輪がスリップした場合やスリップした駆動輪がグリップ力を回復した場合などの大きなトルク変動が生じた場合に、第2慣性体のイナーシャトルクがトルクリミッタ機構に上乗せされるようになり、変速機のインプットシャフトに過大なトルクが入力されることになる。そのため、特許文献1に記載された構成では、インプットシャフトの強度に不足を生じる虞がある。そこで、インプットシャフトの径サイズを増大させて強度を向上させようとすると、これに伴ってインプットシャフトの外周側に配置されるプラネタリギアユニットの径サイズや変速機の体格、更には質量が増大することになり、これらの部材の車両搭載性を損ねたり、材料コストの増大を招く虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、インプットシャフトに生じるイナーシャトルクを低減し、インプットシャフトの径サイズを小さくすることができるトルクリミッタ機構を備えたダンパ装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動力源が発生する動力を変速機に伝達する回転軸に設けられ、その回転軸に生じるトルク変動を慣性力によって吸収あるいは減衰する第一慣性体および第二慣性体と、前記トルク変動を弾性部材の弾性力によって吸収あるいは減衰するダンパ部と、前記回転軸に所定値以上のトルクが入力された場合にトルク伝達を遮断するトルクリミッタ機構とを備えたダンパ装置において、前記回転軸における前記駆動力源側に前記第一慣性体が設けられ、前記回転軸における前記第一慣性体よりも前記変速機側に前記ダンパ部が設けられ、前記回転軸における前記ダンパ部よりも前記変速機側に前記第二慣性体が設けられ、前記回転軸における前記第二慣性体よりも更に前記変速機側に前記トルクリミッタ機構が設けられ、前記回転軸における前記第一慣性体と前記ダンパ部との間にこれらに動力伝達可能に接続されるとともに、前記回転軸の径方向で前記ダンパ部の外側に他のトルクリミッタ機構が更に設けられており、前記トルクリミッタ機構と前記他のトルクリミッタ機構とは直列に接続されるとともに、前記回転軸の軸線方向で互いに重なり合うように配置されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、回転軸における第2慣性体よりも変速機側にトルクリミッタ機構が配置されるので、トルクリミッタ機構に第2慣性体のイナーシャトルクが上乗せされることが無くなり、トルクリミッタ機構よりも変速機側のイナーシャトルクを低減することができる。その結果、トルクリミッタ機構よりも変速機側の回転軸あるいは変速機に過大なトルクが入力されることを抑制できる。また、これにより回転軸の径サイズを増大させてその強度を向上させる必要性が低くなり、あるいはなくなるので、回転軸や変速機の体格の増大を抑制できるとともに、これらの体格が増大することによる車両搭載性の悪化や材料コストの増大を抑制できる。
また、この発明によれば、第1慣性体と第二慣性体との間におけるトルク変動あるいは捩り振動あるいはイナーシャトルクに対して、他のトルクリミッタ機構を機能させることができる。その結果、第1慣性体および第二慣性体ならびにこれらの間に設けられる部材などに要求される強度を低減あるいは抑制できる。また、回転軸の径方向でダンパ部よりも外側にトルクリミッタ機構および他のトルクリミッタ機構が設けられるとともに、これらが回転軸の軸線方向で互いに重なり合うように立体的に配置される。そのため、回転軸の軸線方向における配置に係る長さを抑えることができ、トルクリミッタ機構および他のトルクリミッタ機構ならびにダンパ部などをコンパクトに配置することができる。その結果、車両搭載性を向上させることができる。
この発明に係るダンパ装置を模式的に示す図である。 図1に示す構成を改良した例を模式的に示す図である。 図1および図2に示す構成を改良した例を模式的に示す図である。 この発明に係るダンパ装置を、ツーモータ式のハイブリッドトランスアクスルに適用した例を模式的に示す図である。 図4に示す構成を改良した例を模式的に示す図である。
つぎに、この発明を具体的に説明する。図1に、この発明に係るダンパ装置を模式的に示してある。ダンパ装置1は、前述したように回転体に生じるトルク変動やトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するためのものであり、したがって、例えば駆動力源の出力軸2と変速機やトランスアクスルのインプットシャフト3との間に、これらに動力伝達可能に連結されている。図1に示す例では、ダンパ装置1は、出力軸2に設けられており、その出力軸2における駆動力源側に、はずみ車として機能してトルク変動を吸収あるいは緩衝するフライホイール4を備えている。フライホイール4は、例えば所定の質量を有している。図1においては、フライホイール4は、出力軸2の回転軸線を中心にして回転するとともに、出力軸2と一体回転可能に設けられている。このフライホイール4が、この発明に係る第一慣性体に相当する。フライホイール4に一体化して、フライホイール4よりもインプットシャフト3側に、弾性部材の弾性力によってトルク変動あるいはトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するダンパ部5が設けられている。
ダンパ部5は、図1に示す例では、フライホイール4を挟んで駆動力源とは反対側に、フライホイール4と一体回転可能に設けられ、かつフライホイール4の半径方向で内側に設けられている。ダンパ部5は、その入力側の回転体である環状のドライブプレート6と、例えば圧縮コイルばねにより形成されたダンパスプリング7と、ダンパ部5の出力側の回転体であるドリブンプレート8とを備えている。ドライブプレート6とドリブンプレート8とは相対回転するようになっており、これらに挟まれてダンパスプリング7が保持されている。そして、ドライブプレート6とドリブンプレート8とが相対回転すると、すなわち各プレート6,8の間で捩れが生じることにより、各プレート6,8でダンパスプリング7を圧縮し、そのダンパスプリング7の弾性力によって捩れを吸収し、もしくは捩れによる振動を減衰させるようになっている。ドリブンプレート8と出力軸2との間には、軸受9が設けられており、ドリブンプレート8と出力軸2とは相対回転するようになっている。
ドリブンプレート8の出力部材10を介して、ドリブンプレート8と一体回転可能に慣性体11が連結されている。図1に示す例では、出力軸2に対して相対回転する出力部材10の半径方向で外側かつ出力部材10に一体化して慣性体11が設けられており、その慣性体11は、例えばリング形状に形成されていて出力軸2の回転軸線を中心として回転するようになっている。また、慣性体11の内周円は、ダンパ部5よりも出力軸2の径方向で外側に配置され、出力軸2の回転軸線に対する外周円の半径は、第一慣性体であるフライホイール4の外周円の半径と同じになっている。慣性体11は、はずみ車として機能するとともに、その慣性力によって出力軸2に生じるトルク変動あるいはトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するためのものであり、したがって所定の質量を有している。この慣性体11が、この発明に係る第二慣性体に相当する。
慣性体11に一体化してトルクリミッタ機構12が設けられている。トルクリミッタ機構12は、ここに示す例では、慣性体11に一体化して設けられた環状のドライブプレート13と、ドライブプレート13によって挟み込まれるドリブンプレート14と、これらのプレート13,14の間に設けられた摩擦材(図示せず)とを備えている。トルクリミッタ機構12は、ドライブプレート13によってドリブンプレート14を挟み込むことによりトルクを伝達し、これらの間に過大なトルクが作用した場合にドライブプレート13とドリブンプレート14との間で滑りを生じてトルク伝達を遮断するようになっている。ドリブンプレート14は、一例として、インプットシャフト3に形成されたスプラインに嵌め込まれることによりインプットシャフト3に一体に連結されている。
したがって、図1に示すように構成されたダンパ装置1においては、出力軸2における慣性体11よりもインプットシャフト3側にトルクリミッタ機構12が設けられるので、トルクリミッタ機構12に慣性体11のイナーシャトルクが上乗せされることが無くなり、インプットシャフト3のイナーシャトルクを低減することができる。その結果、インプットシャフト3に過大なトルクが入力されることを抑制できる。また、これによりインプットシャフト3の径サイズを増大させてその強度を向上させる必要性が低くなり、あるいはなくなるので、インプットシャフト3の径サイズの増大に伴う変速機やトランスアクスルの体格が増大することを抑制できる。そして、これらの体格が増大することによる車両搭載性の悪化や材料コストの増大を抑制できる。
図2に、図1に示す構成を改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、フライホイール4に一体化してトルクリミッタ機構を更に設けた例である。ダンパ部5よりも出力軸2の径方向で外側かつフライホイール4におけるインプットシャフト3側に一体化してトルクリミッタ機構15が設けられている。このトルクリミッタ機構15と前述したトルクリミッタ機構12とは、出力軸2の回転軸線方向にオーバーラップして配置されている。また、このトルクリミッタ機構15は、前述したトルクリミッタ機構12と同様に、フライホイール4に一体化して設けられた環状のドライブプレート16と、ドライブプレート16によって挟み込まれるドリブンプレート17と、これらのプレート16,17の間に設けられた摩擦材(図示せず)とを備えており、ドライブプレート16によってドリブンプレート17を挟み込むことによりトルクを伝達し、これらの間に過大なトルクが作用した場合にドライブプレート16とドリブンプレート17との間で滑りを生じてトルク伝達を遮断するようになっている。このトルクリミッタ機構15が、この発明に係る他のトルクリミッタ機構に相当する。
したがって、図2に示すように構成されたダンパ装置1においては、出力軸2における慣性体11よりもインプットシャフト3側にトルクリミッタ機構12が設けられるので、インプットシャフト3のイナーシャトルクを低減することができ、すなわちインプットシャフト3に過大なトルクが入力されることを抑制できる。また、図2に示すダンパ装置1は、いわゆるデュアルリミッタ構造とされ、トルクリミッタ機構15が、フライホイール4と慣性体11との間におけるトルク変動あるいは捩り振動あるいはイナーシャトルクの入力に対してトルクリミッタとして機能するので、フライホイール4と慣性体11との間に設けられる部材などに要求される強度を低減あるいは抑制できる。さらにまた、トルクリミッタ機構15は、出力軸2の径方向でダンパ部5よりも外側に配置され、かつ二つのトルクリミッタ機構12,15が出力軸2の回転軸線方向でオーバーラップして配置されるので、ダンパ装置1の軸線方向における長さを抑えることができる。すなわち、フライホイール4、ダンパ部5、トルクリミッタ機構12,15などをコンパクトに配置することができる。その結果、ダンパ装置1の車両搭載性を向上させることができる。
図3に、図1および図2に示す構成を改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、トルクリミッタ機構12とインプットシャフト3との間に、弾性部材の弾性力によってトルク変動あるいはトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するダンパ部を更に設けた例である。トルクリミッタ機構12のドリブンプレート14に一体化してダンパ部18が設けられている。このダンパ部18は、出力軸2の径方向で外側かつ、出力軸2の回転軸線方向でダンパ部5にオーバーラップして配置されている。また、ダンパ部18は、前述したダンパ部5と同様に構成されており、ドリブンプレート14に一体化して設けられた入力側の回転体である環状のドライブプレート19と、圧縮コイルばねにより形成されたダンパスプリング20と、出力側の回転体であるドリブンプレート21とを備えている。そして、ドライブプレート19とドリブンプレート21とは相対回転するようになっており、これらに挟まれてダンパスプリング20が保持されている。したがって、ドライブプレート19とドリブンプレート21とが相対回転すると、すなわち各プレート19,21の間で捩れが生じることにより、各プレート19,21でダンパスプリング20を圧縮し、そのダンパスプリング20の弾性力によって捩れを吸収し、もしくは捩れによる振動を減衰させるようになっている。ドリブンプレート21は、インプットシャフト3に形成されたスプラインに嵌め込まれることによりインプットシャフト3に一体に連結されている。
したがって、図3に示すように構成されたダンパ装置1においては、出力軸2における慣性体11よりもインプットシャフト3側にトルクリミッタ機構12が設けられるので、インプットシャフト3のイナーシャトルクを低減することができ、すなわちインプットシャフト3に過大なトルクが入力されることを抑制できる。また、ダンパ部18をトルクリミッタ機構12とインプットシャフト3との間に設けることにより、ダンパ装置1は、いわゆるデュアルスプリング構造とされ、駆動力源のトルク変動あるいは捩り振動をより効果的に吸収もしくは減衰することができる。さらにまた、二つのダンパ部5,18が出力軸2の回転軸線方向でオーバーラップして配置されるので、ダンパ装置1の軸線方向における長さを抑えることができる。すなわち、フライホイール4、ダンパ部5,18、トルクリミッタ機構12,15などをコンパクトに配置することができ、その結果、ダンパ装置1の車両搭載性を向上させることができる。
図4に、この発明に係るダンパ装置を、ツーモータ式のハイブリッドトランスアクスルに適用した例を模式的に示してある。ハイブリッドトランスアクスル22は、所定のケーシング(図示せず)を有し、その内部に駆動力源として内燃機関23が設けられている。内燃機関23は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、あるいは天然ガスエンジンなどの燃料を燃焼して動力を出力する動力機関であり、以下、内燃機関23をエンジン23と記す。
エンジン23の出力軸2には、前述したダンパ装置1が設けられている。ダンパ装置1は、前述したように回転体に生じるトルク変動やトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するためのものであり、したがって図4に示す例では、図1,図2,図3に示すいずれの構成のダンパ装置1も適用することができる。
出力軸2は、ダンパ装置1を介して動力分配機構24に連結されている。動力分配機構24は、三つの回転要素によって差動作用をおこなうように構成されたいわゆる差動機構であり、それらの三つの回転要素は、歯車やローラである。図4に示す例では、シングルピニオン型の遊星歯車機構によって動力分配機構24が構成されている。したがって動力分配機構24は、外歯歯車であるサンギア25と、そのサンギア25に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギア26と、これらサンギア25およびリングギア26の間に配置されてこれらサンギア25とリングギア26とに噛み合っているピニオンギア27を自転かつ公転できるように支持しているキャリア28とを回転要素として備えている。
キャリア28にはエンジン23の出力軸2が動力伝達可能に連結されており、キャリア28が入力要素となっている。サンギア25には第1モータ・ジェネレータ(MG1)29が連結されており、第1モータ・ジェネレータ29が入力要素のキャリア28に対して反力を受けるようになっている。この第1モータ・ジェネレータ29は、一例として永久磁石式の同期モータであって、ケーシング(図示せず)に固定されたステータ30と、そのステータ30の内側に設けられたロータ31とを有している。このロータ31がサンギア25に連結されている。また、第1モータ・ジェネレータ29は、詳細は図示しないが、インバータなどを介して蓄電装置に接続されている。そして、第1モータ・ジェネレータ29は、蓄電装置から電力が供給されることによりモータとして機能し、また強制的に回転させられることにより発電を行って蓄電装置に充電するように構成されている。
出力要素であるリングギア26には、出力軸32が一体化されており、その出力軸32にカウンタギア33が設けられている。カウンタギア33はカウンタドリブンギア34に噛み合っており、このカウンタドリブンギア34は、キャリア28の回転軸(キャリア軸)3、すなわちハイブリッドトランスアクスル22のインプットシャフト3と平行でかつ回転自在に配置されたカウンタ軸35に設けられている。そのカウンタ軸35には出力ギア36が設けられており、その出力ギア36は、デフリングギア37に噛み合っている。このデフリングギア37は、終減速機であるデファレンシャルギア38のデフケースに一体化されたギアであり、したがってこのデファレンシャルギア38から左右の駆動輪(図示せず)に駆動トルクを伝達するように構成されている。
カウンタドリブンギア34は、ギア39に噛み合っており、ギア39に第2モータ・ジェネレータ(MG2)40が連結されている。この第2モータ・ジェネレータ40は、前述した第1モータ・ジェネレータ29と同様に、一例として永久磁石式の同期モータによって構成されており、ケーシング(図示せず)に固定されたステータ41と、そのステータ41の内側に設けられたロータ42とを有している。このロータ42がギア39に動力伝達可能に接続されている。また、第2モータ・ジェネレータ40は、詳細は図示しないが、インバータなどを介して蓄電装置に接続されており、蓄電装置から電力が供給されることによりモータとして機能し、また強制的に回転させられることにより発電を行って蓄電装置に充電するようになっている。すなわち、図4に示すハイブリッドトランスアクスル22は、エンジン23から駆動輪に至る動力伝達経路にクラッチなどの係合・解放要素が配置されず、エンジン23と駆動輪とが機械的に直結される構成となっている。
したがって、前述した構成においては、ダンパ装置1は、いわゆるデュアルマス構造とされているので、図4に示す構成のハイブリッドトランスアクスル22において、第2モータ・ジェネレータ40がトルクを発生しない場合(すなわち、MG2トルク≒0(零))であっても振動特性の悪化を防止もしくは抑制してトルク変動あるいはこれに起因する捩り振動をより効果的に吸収もしくは減衰することができる。その結果、このような駆動系におけるこもり音やガラ音を低減することができる。また、慣性体11よりもインプットシャフト3側にトルクリミッタ機構12が設けられているので、インプットシャフト3のイナーシャトルクを低減できる。
図5に、図4に示す構成を改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、動力分配機構のサンギアと第1モータ・ジェネレータとの間に、トルクリミッタ機構を設けた例である。ダンパ装置1は、前述したように回転体に生じるトルク変動やトルク変動に起因する捩り振動を吸収もしくは減衰するためのものであり、したがって図5に示す例では、図1,図2,図3に示すいずれの構成のダンパ装置1であっても適用することができる。
サンギア25の回転軸すなわち第1モータ・ジェネレータ29のロータ31の回転軸に直結してトルクリミッタ機構43が設けられている。このトルクリミッタ機構43は、前述したトルクリミッタ機構12,15と同様の構成を備えており、サンギア25の回転軸に一体化して設けられた環状のドライブプレート44と、ドライブプレート44によって挟み込まれるドリブンプレート45と、これらのプレート44,45の間に設けられた摩擦材(図示せず)とを備えており、ドライブプレート44によってドリブンプレート45を挟み込むことによりトルクを伝達し、これらの間に過大なトルクが作用した場合にドライブプレート44とドリブンプレート45との間で滑りを生じてトルク伝達を遮断するようになっている。
したがって、前述した構成においては、動力分配機構24と第1モータ・ジェネレータ29との間にトルクリミッタ機構43が設けられているので、インプットシャフト3や動力分配機構24に過大なイナーシャトルクが入力されることを防止もしくは抑制できる。また、トルクリミッタ機構43は、動力分配機構24において反力を受ける第1モータ・ジェネレータ29に直結して設けられているので、そのトルク容量は、第1モータ・ジェネレータ29が受ける反力トルクに相当するトルク容量あるいはこれと同程度のトルク容量にすることができる。したがって、トルクリミッタ機構43は、第1モータ・ジェネレータ29が受ける反力トルクに相当するトルク容量を超えたトルクが入力された場合にトルクリミッタとして機能するように構成されていればよいので、言い換えれば、第1モータ・ジェネレータ29およびトルクリミッタ機構43が分担するトルク容量を小さく抑えることができるので、その構成を小型化することができる。さらにまた、図5に示す構成においては、トルクリミッタ機構43は、動力分配機構24と第1モータ・ジェネレータとの間に配置されているので、これに適用することができる図1,図2,図3に示す構成のダンパ装置1から、トルクリミッタ機構12,15を省くことができる。その結果、ダンパ部5や慣性体11などを立体的に避けてトルクリミッタ機構を配置する必要がなくなり、トルクリミッタ機構の配置の自由度を向上できる。
したがって、この発明によれば、ダンパ装置における慣性体よりも変速機やトランスアクスルのインプットシャフト側にトルクリミッタ機構が設けられているので、慣性体のイナーシャトルクがトルクリミッタ機構に上乗せされ、インプットシャフトに過大なイナーシャトルクが入力されることを防止もしくは抑制できる。その結果、インプットシャフトの径サイズを増大させてその強度を向上させるなどの措置を未然に抑えることができる。また、これによりインプットシャフトの径サイズの増大に伴う変速機やトランスアクスルの体格の増大を抑制できるので、これらの車両搭載性を向上させることができる。
1…ダンパ装置、 2…出力軸、 3…インプットシャフト、 4…フライホイール、 11…慣性体、 12,15,43…トルクリミッタ機構、 22…ハイブリッドトランスアクスル、 23…エンジン。

Claims (1)

  1. 駆動力源が発生する動力を変速機に伝達する回転軸に設けられ、その回転軸に生じるトルク変動を慣性力によって吸収あるいは減衰する第一慣性体および第二慣性体と、前記トルク変動を弾性部材の弾性力によって吸収あるいは減衰するダンパ部と、前記回転軸に所定値以上のトルクが入力された場合にトルク伝達を遮断するトルクリミッタ機構とを備えたダンパ装置において、
    前記回転軸における前記駆動力源側に前記第一慣性体が設けられ、前記回転軸における前記第一慣性体よりも前記変速機側に前記ダンパ部が設けられ、前記回転軸における前記ダンパ部よりも前記変速機側に前記第二慣性体が設けられ、前記回転軸における前記第二慣性体よりも更に前記変速機側に前記トルクリミッタ機構が設けられ、
    前記回転軸における前記第一慣性体と前記ダンパ部との間にこれらに動力伝達可能に接続されるとともに、前記回転軸の径方向で前記ダンパ部の外側に他のトルクリミッタ機構が更に設けられており、
    前記トルクリミッタ機構と前記他のトルクリミッタ機構とは直列に接続されるとともに、前記回転軸の軸線方向で互いに重なり合うように配置されている
    ことを特徴とするトルクリミッタ機構を備えたダンパ装置。
JP2010235890A 2010-10-20 2010-10-20 トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置 Expired - Fee Related JP5585377B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235890A JP5585377B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010235890A JP5585377B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012087899A JP2012087899A (ja) 2012-05-10
JP5585377B2 true JP5585377B2 (ja) 2014-09-10

Family

ID=46259720

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010235890A Expired - Fee Related JP5585377B2 (ja) 2010-10-20 2010-10-20 トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5585377B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6123888B2 (ja) * 2013-05-10 2017-05-10 トヨタ自動車株式会社 ダンパ装置
FR3008152B1 (fr) * 2013-07-08 2015-08-28 Valeo Embrayages Double volant amortisseur a moyens d'amortissements perfectionnes
JP6708565B2 (ja) * 2017-02-03 2020-06-10 株式会社エクセディ 動力伝達装置
JP6708566B2 (ja) * 2017-02-03 2020-06-10 株式会社エクセディ 動力伝達装置
JP7458697B2 (ja) 2018-07-17 2024-04-01 株式会社エクセディ 動力伝達システム、及び減衰機構

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3920964B2 (ja) * 1997-05-09 2007-05-30 株式会社エクセディ フライホイール組立体
JP2003222192A (ja) * 2002-01-29 2003-08-08 Valeo Unisia Transmission Kk 捩り振動減衰装置
JP2010038312A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Aisin Seiki Co Ltd ダンパ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012087899A (ja) 2012-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5252122B1 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
WO2012066679A1 (ja) 車両用ダンパ装置
WO2012066680A1 (ja) 車両用ダンパ装置
JP5458612B2 (ja) ダンパ装置
JP5488441B2 (ja) トルクリミッタ付ダンパ装置
WO2012108357A1 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
JP5656949B2 (ja) 車両のダンパ装置
JP5585377B2 (ja) トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置
WO2014147839A1 (ja) 車両用ダンパ装置
JP5527428B2 (ja) 捩り振動減衰装置
JP5136697B2 (ja) ダイナミックダンパ装置
JP4013259B2 (ja) ハイブリッド型車両用動力伝達装置
JP2016133123A (ja) ダンパ装置
JP5502720B2 (ja) 動力伝達装置
JP5673460B2 (ja) 車両用ダンパ装置
US12006997B2 (en) Damper device
JP2011230536A (ja) 駆動力伝達装置
JP6534943B2 (ja) ハイブリッド車両の動力伝達装置
WO2020230651A1 (ja) ダンパ装置
WO2020226055A1 (ja) ダンパ装置
JP5561413B2 (ja) ダンパ装置
JP2011241918A (ja) 捩り振動減衰装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140624

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140707

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees