JP5584321B1 - 医療用精製水の製造装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】原水量に対する精製水製造量の回収率を高められる運転方法の提供。
【解決手段】原水タンク1、活性炭装置3、NF装置4、RO装置5、RO水タンク6を備えた装置で医療用精製水を製造する際、NF装置4で生じた濃縮水の全部を第1UF装置7で処理し、透過水を原水タンク1に返送する工程と、RO装置5で生じた濃縮水の全部を原水タンク1に返送する工程を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、人工透析用水などの医療用精製水を製造するための製造装置の運転方法に関する。
従来、医療用精製水の製造装置としては軟水装置、活性炭装置、逆浸透膜装置を組み合わせた精製水製造装置が多く用いられてきた。
軟水装置は、逆浸透膜処理における膜面のスケール分付着の原因となる硬度分を除去するために使用されるが、吸着した硬度分を脱着するため軟水装置内のイオン交換樹脂を頻繁に再生する必要があること、再生用の塩タンク設置が必要で装置の小型化に難があること、シリカ除去が出来ないため逆浸透膜寿命に悪影響を及ぼすことなどから、軟水器の代わりにナノ濾過膜モジュールを用いて活性炭装置、逆浸透膜装置と組み合わせた精製水の製造装置及びそれを使用した精製水の製造方法が知られてきている。
しかし、これまで精製水製造で用いられてきたナノろ過膜モジュールは、硬度分除去能力が十分でないものが多く、長時間運転すると硬度分除去率が低下し、逆浸透膜への負荷が増大するため、せっかく代替した軟水装置を再度、追加設置せざるを得ない場合も出てくる。
また、ナノ濾過膜と逆浸透膜とを組み合わせた精製水の製造方法に対する要求の一つとして、節水および医療用精製水の製造コストの低減の観点から、原水量に対する精製水製造量の割合(回収率)を高めることが挙げられる。
特許文献1、2には、ナノ濾過膜モジュールと逆浸透膜モジュールを備えた精製水製造装置の発明が記載されている。
いずれの発明においても、ナノ濾過膜モジュールで生じた濃縮水は、一部を排水し、残部はそのままナノ濾過膜モジュールへの供給ライン戻すこと、逆浸透膜モジュールで生じた濃縮水は、一部を排水し、一部を逆浸透膜モジュールへの供給ラインに戻し、残部を原水タンクに戻すことが記載されている。
このような製造方法の場合、ナノ濾過膜モジュールと逆浸透膜モジュールの両方で濃縮水の一部をそのまま排水していることから前記回収率が低下することになるため、節水および医療用精製水の製造コストの低減の観点から改善の余地がある。
また、回収率向上(濃縮倍率増大)に伴って生じる硬度分、シリカ、有機汚染物などの膜表面へのスケール析出やファウリング物質蓄積が逆浸透膜寿命の短命化や精製水の水質低下を招かないような改善も望まれている。
特開2004−8958号公報 特開2009−28600号公報
本発明は、原水量に対する精製水製造量の割合(回収率)を高めることができると共に、逆浸透膜の負荷が軽減されて逆浸透膜の長寿命化が可能となり、同時に高品質の逆浸透膜透過水(精製水)が長時間安定して得られる医療用精製水の製造装置の運転方法を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
医療用精製水の製造装置の運転方法であって、
前記医療用精製水の製造装置が、
原水タンク(1)と、
活性炭による吸着装置(3)と、
ナノ濾過膜装置(以下「NF装置」という)(4)と、
逆浸透膜処理装置(以下「RO装置」という)(5)と、
RO装置(5)で処理された処理水(以下「RO水」という)を貯水するRO水タンク(6)を有しており、
原水タンク(1)と活性炭による吸着装置(3)が原水ポンプ(30)を備えた原水ライン(11,12)で接続され、
活性炭による吸着装置(3)とNF装置(4)がNF装置用ポンプ(31)を備えた前処理水ライン(13)で接続され、
NF装置(4)と原水タンク(1)が第1限外濾過膜装置(以下「第1UF装置」という)(7)を介してNF装置(4)で生じた濃縮水の返送ライン(19,20)で接続され、
NF装置(4)とRO装置(5)がRO装置用ポンプ(32)を備えたNF水ライン(14)で接続され、
RO装置(5)とRO水タンク(6)がRO水ライン(15)で接続され、
RO装置(5)と原水タンク(1)がRO装置(5)で生じた濃縮水の返送ライン(22)で接続され、
さらにRO水タンク(6)内のRO水を医療用精製水として取水するための取水ライン(16,17)を有しているものであり、
前記医療用精製水の製造装置の運転方法が、
原水タンク(1)に貯水された水道水または地下水から医療用精製水を製造する過程において、
NF装置(4)で生じた濃縮水の全部を第1UF装置(7)で処理した後、透過水を原水タンク(1)に返送し、濃縮水を排水する工程と、
RO装置(5)で生じた濃縮水の全部を原水タンク(1)に返送する工程を有しており、
原水量に対する医療用精製水の製造量の割合(次式で求められる回収率)が65%以上である、医療用精製水の製造装置の運転方法を提供する。
回収率(%)=
RO装置で得た透過水量(L/H)/原水量(L/H)×100
本発明の医療用精製水の製造装置の運転方法によれば、製造過程における排水量を低減させることで原水量に対する医療用精製水の製造量の割合(回収率)を高めることができるため、節水および医療用精製水の製造コストの低減ができる。
本発明の運転方法によれば、軟水器を用いた汎用の医療用精製水装置の一般的な回収率の65%を上回ることも可能であり、節水型の精製水の実用的製造が可能である。
また、本発明の運転方法では、RO装置の濃縮水を全量、原水タンクに返送するため、一部を系外に排出し、一部を原水タンクに返送する場合に比べて、配管施工や一部排水量の制御が簡素化することができる。
本発明においては、カルシウムイオンやシリカ、TOCの除去率の高いNF膜を採用しているので、NF膜処理において原水中の硬度分やシリカ、TOCを高いレベルで除去できるため、NF透過水、すなわち後段のRO装置への供給水の水質が向上し、RO装置処理の負荷が低減することにより、RO膜の長寿命化が可能となり、さらにRO透過水として得られる医療用精製水の水質も向上する。
RO装置の後段にEDI装置を設置した精製水製造装置の場合においても、シリカをほとんど含まない水をEDI装置に供給することとなるため、EDI装置内のイオン交換樹脂へのシリカの吸着・蓄積による精製水水質の低下を招かず、長時間、安定して高純度の医療用精製水を得ることができる。
本発明の製造装置の運転方法のフローを示す図。
<医療用精製水の製造装置>
図1により本発明の運転方法を実施するための医療用精製水の製造装置を説明する。
原水タンク1は水源と接続されており、水道水または地下水が貯水されている。
原水タンク1は、原水ポンプ30を備えた第1原水ライン11によりプレフィルター2に接続されているが、プレフィルター2は原水の水質によっては設置しないでもよい。
プレフィルター2は、第2原水ライン12により活性炭による吸着装置(活性炭装置)3に接続されている。
なお、寒冷期に原水タンク1内の水温を上昇させるためのヒーターや熱交換器をプレフィルター2の手前(プレフィルター2を設置しないときは活性炭装置3の手前)に設けてもよい。
熱交換器を設けるときは、温水供給手段と接続された熱交換器と原水タンクを循環ラインで接続することができる。
活性炭装置3は、NF装置用ポンプ31を備えた前処理水ライン13によりNF装置4に接続されている。
NF装置4は、回収率を高める観点から、実施例に記載の方法により測定されるカルシウム除去率(試験例の表1−2)が95%以上、好ましくは97%以上であり、かつシリカ除去率(試験例の表1−2)が70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であるNF分離膜を備えた装置を使用することが望ましい。
このようなカルシウム除去率とシリカ除去率を満たすNF分離膜としては、Dow Filmtech社製のNF90を使用することができる。カルシウムイオン除去率やシリカ除去率の高いNF膜を採用することにより、NF膜処理において原水中の硬度分やシリカ、TOCが高いレベルで除去できるため、NF透過水すなわち後段のRO膜装置への供給水の水質が向上し、RO膜処理の負荷が低減することにより、RO膜の長寿命化が可能となり、さらにRO透過水として得られる医療用精製水の水質も向上する。
NF装置4の透過水出口は、RO装置用ポンプ32を備えたNF水ライン14によりRO装置5に接続されている。
NF装置4の濃縮水出口は、濃縮水ライン19により第1UF装置7に接続されている。
第1UF装置7の透過水出口は第1返送水ライン20により原水タンク1に接続され、濃縮水出口は排水ライン21に接続されている。
第1UF装置7で使用するUF膜モジュールは、公知のものを用いることができ、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社製の酢酸セルロース中空糸膜FUCシリーズ、ポリエーテルスルホン中空糸膜FUSシリーズ等を用いることができる。この中で、酢酸セルロース中空糸UF膜が高透水量を安定して維持できるので好ましい。
NF装置4の濃縮水をUF装置7で膜処理することにより、NF膜処理濃縮水中に混在する固形不純分等が除かれたUF透過水が原水タンク1に返送されるため、本発明の精製水装置全体における回収率も向上する。
RO装置5は、公知のものを用いることができ、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社より販売されている、装置型式VCR40シリーズ、VCR80シリーズ、NER40シリーズ、NER80シリーズ、SHRシリーズ等を用いることができる。
RO装置5の透過水出口は、第1RO水ライン15によりRO水タンク6に接続されている。
RO装置5の濃縮水出口は、第2返送水ライン22により原水タンク1に接続されている。
RO水タンク6はステンレスなどの金属製のものが用いられる。
RO水タンク6の形状は特に制限されるものではないが、タンク内部への液の残留を防止して液の流れを円滑にする観点から、底部が円錐あるいは四角錐の錐状構造ものが好ましい。
RO水タンク6は、外部雰囲気からの雑菌等の混入を防ぐためのエアフィルター付きの通気孔を有しており、必要に応じて、内部に殺菌を目的として紫外線ランプを取り付けることもできる。
RO水タンク6内のRO水は、そのまま医療用精製水として取水することができるが、さらに図示するように、RO水タンク6と第2RO水ライン16で接続された第2UF装置8を設けることができる。第2UF装置8を設けないときは、第2RO水ライン16はそのまま取水ラインとなる。
第2RO水ラインには第2UF装置用ポンプ35が設けられており、第2UF装置8を設置しない場合にはRO水タンク6の送水ポンプとして機能する。
第2UF装置8を設けたときは、第2UF装置8で処理した処理水(透過水)を取水ライン17から医療用精製水として取水する。
第2UF装置8で得られた濃縮水は、排水ライン18から排水する。
第2UF装置8で使用するUF膜モジュールは、公知のものを用いることができ、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ株式会社製の酢酸セルロース中空糸膜FUCシリーズ、ポリエーテルスルホン中空糸膜FUSシリーズ等を用いることができる。この中で、ポリエーテルスルホン中空糸膜FUS−T653が耐熱性で熱殺菌可能なこと、低分画型でエンドトキシン除去能に優れていること等の特徴があり好ましい。
図1には、取水ライン17に人工透析液の調製装置40が接続され、そこで調製した人工透析液をライン41から利用することが示されている。
本発明で使用する製造装置には、医療用精製水の製造運転を停止している間に細菌が増殖することを抑制するため、RO水タンク6から、第2UF装置8、活性炭装置3、NF装置4、RO装置5を経てRO水タンク6に戻る循環ライン(図示せず)を設けることができる。
また本発明で使用する製造装置には、RO水タンク6からの第2RO水ライン16において(図1では、RO水タンク6と第2UF装置8の間)、EDI装置(図示せず)を設置することもできる。
EDI装置は公知のものであり、中央部にあるイオン交換室(脱塩室)、脱塩室の両外側にある2つの濃縮室、濃縮室のそれぞれの外側にある電極室(正及び負の電極室)を有する公知の装置であり、イオン交換室で脱イオン処理して脱塩水(EDI処理水)を取り出すことができるものである。
EDI装置としては、例えば、特開2007−252396号公報、特開2007−237062号公報、特開平11−244853号公報、特開2001−239270号公報、特開2001−353498号公報、特開2004−74109号公報に記載のもののほか、市販のEDI装置である、EDIシステムシリーズ,商品名MOLSEP(登録商標)(ダイセン・メンブレン・システムズ(株)販売)等を用いることができる。
<医療用精製水の製造装置の運転方法>
次に図1により製造装置の運転方法を説明する。
NF装置4で得られた透過水(NF水)は、マグネシウム、カルシウムなどの硬度成分やシリカ及びナトリウム、塩素などのイオン類の濃度が低下されたものであり、NF水ライン14によりRO装置5に送る。
NF膜処理における膜モジュール入口圧力は、好ましくは0.5〜1.0MPaで操作され、濃縮によるファウリングを防止するため、NF装置4への供給流量に対するNF膜透過水の回収率が好ましくは55〜75%、より好ましくは60〜72%となるように、NFモジュール内の循環流量を調整して運転する。
NF装置4で生じた濃縮水(硬度成分濃度が高いもの)の全量は、濃縮水ライン19により第1UF装置7に送る。
第1UF装置7で得られた透過水は、第1返送水ライン20により原水タンク1に戻されて貯水され、原水として再使用される。
第1UF装置7で得られた濃縮水は、排水ライン21により排水される。第1UF装置7におけるUF膜処理の回収率は、好ましくは45〜55%で運転される。
NF装置4の透過水(NF水)はRO装置5に送られた後で膜分離処理され、透過水と濃縮水が得られる。
RO装置5で得られた透過水(RO水)は、第1RO水ライン15によりRO水タンク6に送られて貯水される。
RO装置5で得られた濃縮水の全量は、第2返送水ライン22により原水タンク1に戻されて貯水され、原水として再使用される。
RO膜処理における膜モジュール入口圧力は、好ましくは0.5〜1.0MPaで操作され、濃縮によるファウリングを防止するため、RO装置5への供給流量に対するRO膜透過水の回収率が好ましくは60〜80%、より好ましくは65〜75%となるように、ROモジュール内の循環流量を調整して運転する。
RO装置5で処理されるNF水は、含まれている硬度成分やシリカ分濃度が低いものであるため、RO装置5で生じた濃縮水中の硬度成分やシリカ分濃度も低くなり、全量をそのまま原水タンク1に戻した場合であっても、医療用精製水の製造運転に悪影響を及ぼすことはない。また、RO膜濃縮水を全量、原水タンクに返送するため、一部を系外に排出し、一部を原水タンクに返送する場合に比べて、配管施工や一部排水量の制御が簡素化される。
NF装置4において、カルシウムイオン除去率やシリカ除去率の高いNF膜を採用することにより、NF膜処理における原水中の硬度分やシリカ、TOCが高いレベルで除去できるため、NF透過水すなわち後段のRO膜装置への供給水水質が向上し、RO膜処理の負荷が低減することにより、RO膜の長寿命化が可能となる。
また、水質が高いRO装置供給水を使用して膜処理するため、RO透過水として得られる医療用精製水の水質も向上する。
さらに第2RO水ライン16にEDI装置を設けたときは、RO水タンク6内のRO水を処理したEDI処理水を医療用精製水として取水する。
EDI装置ではシリカや硬度成分量の少ないRO水を処理しているものであるため、EDI装置で生じた濃縮水は、RO装置5と同様に全量を原水タンク1に返送することができる。
さらに第2RO水ライン16第2UF装置8を設けたときは、ROタンク6内のRO水をさらに膜分離処理することで、残存する細菌やエンドトキシンなどを除去することができる。
なお、第2RO水ライン16にEDI装置を設けたときは、その下流側(人工透析液の調製装置40側)に第2UF装置8を設ける。
本発明の運転方法は、RO装置5で生じた濃縮水を全量、原水タンク1に返送するため、濃縮水ラインを分岐させ一部を系外に排水し、一部を原水タンクに返送する必要がない。このため、濃縮水ラインの分岐に伴う配管施工や系外排出水と原水タンク返送水の流量調節の制御などが不要もしくは簡素化される。
RO膜濃縮水を全量、原水タンクに返送するため、RO装置5における回収率は100%となり、当然、濃縮水の一部を系外排出する場合の回収率よりも、本発明の方法の方が回収率は高い。仮に、濃縮水の一部を系外排出した場合の回収率の低下分をNF装置の回収率アップにより補おうとしても、NF膜面への硬度分やシリカ分の析出問題が生じるため、RO濃縮水の排水分を補うことはできず、全体回収率は本発明の方法よりも劣ることとなる。
NF装置4で生じた濃縮水の全量を第1UF装置7で膜分離処理し、その際に生じた濃縮水を排水するだけであることから、特許文献1、2と比べると、排水量が大きく低減されている。
このため本発明の運転方法を実施したとき、次式から求められる、原水量に対する医療用精製水の製造量の割合(回収率)を65%以上、好ましくは70%以上にすることができる。
回収率(%)=RO装置で得た透過水量(L/H)/原水量(L/H)×100
試験例1(NF装置の硬度成分(カルシウム、マグネシウム)、シリカ等の除去率)
試験水として、姫路市地下水の砂ろ過水を原水として使用して、下記の表1−1に示す条件にて、実施例1と比較例1のNF装置(NF膜モジュール)のイオン類、硬度成分、シリカ、TOC等の除去率を測定した。結果を表1−2に示す。
Figure 0005584321
表1−2の結果から確認できるとおり、実施例1で使用するNF装置(NF膜モジュール)は、比較例1で使用するNF膜装置(NF膜モジュール)に比べて、硬度成分、イオン分、シリカ、TOCのいずれの溶質においても高い除去性能を有していた。
実施例1
図1に示す運転フローにて医療用精製水の製造運転を実施した。
運転条件および各装置の詳細は、次のとおりである。
<原水タンク1>
250L
<活性炭装置3>
ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製ジュラコールMAC750L
<NF装置4>
Dow Filmtech社製のNF90
<RO装置5>
RO膜モジュール;ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製 SV08−DRA991E
<RO水タンク6>
SUS316、300L
<第1UF装置7>
UF膜モジュール;ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製FE10FC−FUC1582
原水タンク1内に、水道水(原水)を2480L/hで流入させて原水を貯水した。原水タンクには、前記の流入水道水と後述のRO濃縮水、第1UF装置透過水も流入し、これらが原水タンク内で混合されて、プレフィルター以降の精製水製造装置に送られる。
原水タンク1から原水ポンプにより4030L/hで送水し、プレフィルター2、活性炭装置3を経て、NF装置4にて膜分離処理した。
NF装置4における膜処理入口圧力は、0.69MPaであり、供給流量4030L/hに対するNF装置4の膜分離処理にて得た透過水(NF水)は2730L/h、濃縮水は1300L/hであった。NF装置4における透過水回収率は、67.7%であった。
NF装置4で得た濃縮水1300L/hを第1UF装置7に送って膜分離処理し、UF透過水650L/hとUF濃縮水650L/hを得た。UF装置4における回収率は、50%であった。
UF透過水(650L/h)は原水タンク1に戻し、UF濃縮水(650L/h)は排水した。
NF装置4の膜分離処理にて得た透過水(NF水)2730L/hをRO装置5に送って膜分離処理した。RO装置5における膜処理入口圧力は、0.59MPaであり、供給流量2730L/hに対して透過水(RO水)1830L/h、濃縮水930L/hを得た。RO装置5における透過水回収率は、66.3%であった。
透過水(RO水)1830L/hは医療用精製水として使用し、濃縮水930L/hは、全量を原水タンク1に戻した。
よって、本発明の装置全体の回収率(RO透過水量/原水供給量×100)は、1830/2480×100=73.8%であった。
原水タンク内の水、NF透過水、NF濃縮水、RO透過水、RO濃縮水を採取して、採取水中の硬度成分量、イオン分、シリカ等を測定した。結果を表2に示す。
なお、表1〜表4における硬度成分、各種イオン分、シリカ等の測定方法は、次のとおりである。
イオン状シリカ(mg/L):JIS−K 0101−44.1.1
全硬度(mg/L):JIS−K 0101−15.1
カルシウム(mg/L):イオンクロマトグラフ分析法
マグネシウム(mg/L):イオンクロマトグラフ分析法
TOC(全有機炭素)(mg/L):平成15年厚生労働省告示第261号46号
Figure 0005584321
表2に示される通り、実施例1のNF膜処理により、NF透過水では、Caイオン、Mgイオン等の硬度成分イオンおよびイオン性シリカが高い除去率で除去されていることが分かった。
NF膜処理で高度にイオン成分が除去されているため、それを供給原水とした後段のRO膜処理によるRO透過水においても、イオン分は非常に少なく、高品質の精製水が得られている。
また、RO濃縮水中のイオン濃度も低く、RO濃縮水を全量原水タンクに返送しても全く問題のない水質であった。
実施例2
実施例1と同様の装置を用いて1年間継続運転をした。装置の全体回収率は、65〜70%で運転した。硬度成分量、電導度、シリカ等を測定した結果を表3に示す。
Figure 0005584321
表3に示される通り、1年間の継続運転を実施した後でも、硬度成分量、イオン性シリカおよび電導度測定によるイオン分の除去率は、運転開始時と同等であり、高い除去性能を保持していた。
比較例1
実施例1のNF装置に代えて、「GE社製のHL NF80」を使用したほかは同様にして1年間の継続運転を実施した。その結果、回収率は約65%であった。硬度成分量、イオン分、シリカ等を測定した結果を表4に示す。
Figure 0005584321
表4に示される通り、NF膜処理における硬度成分量、イオン性シリカおよび電導度の除去率は大きく低下していた。
実施例3、比較例2
実施例3は、実施例1と同様の装置を用いて実施した。装置の全体回収率は、68〜72%で運転した。
比較例2は、実施例3と同じ原水を用いて、実施例1のNF装置に代えて、イオン交換樹脂を用いた軟水装置(ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製ATS50)を使用したほかは同様にして実施した。装置の全体回収率は、63%であった。
硬度成分量、イオン分、シリカ等を測定した結果を表5に示す。
Figure 0005584321
実施例3では、高い全体回収率においても良好な除去率が得られるのに対して、比較例2では、全体回収率を実施例3より低く設定したにもかかわらず、電導度で表されるイオン分の除去率やシリカの除去率は、実施例3よりも低かった。
本発明の医療用精製水の製造装置の運転方法によれば、軟水器を使用した従来型の精製水の製造装置に比べて、原水に対する精製水の回収率を高めながら、イオン分やシリカがより低減された高品質の医療用精製水の製造を行うことができた。
また、硬度分やシリカ除去率の高いNF膜を使用することで、従来からの活性炭、NF装置と逆浸透膜装置を組み合わせた精製水装置と比較して、RO濃縮水を全量、原水タンクに返送できて回収率が向上し、さらにRO膜の長寿命化とRO透過水として得られる医療用精製水の水質も向上させることができた。
1 原水タンク
2 プレフィルター
3 活性炭装置
4 NF装置
5 RO装置
6 RO水タンク
7 第1UF装置
8 第2UF装置

Claims (5)

  1. 医療用精製水の製造装置の運転方法であって、
    前記医療用精製水の製造装置が、
    原水タンク(1)と、
    活性炭による吸着装置(3)と、
    ナノ濾過膜装置(以下「NF装置」という)(4)と、
    逆浸透膜処理装置(以下「RO装置」という)(5)と、
    RO装置(5)で処理された処理水(以下「RO水」という)を貯水するRO水タンク(6)を有しており、
    原水タンク(1)と活性炭による吸着装置(3)が原水ポンプ(30)を備えた原水ライン(11,12)で接続され、
    活性炭による吸着装置(3)とNF装置(4)がNF装置用ポンプ(31)を備えた前処理水ライン(13)で接続され、
    NF装置(4)と原水タンク(1)が第1限外濾過膜装置(以下「第1UF装置」という)(7)を介してNF装置(4)で生じた濃縮水の返送ライン(19,20)で接続され、
    NF装置(4)とRO装置(5)がRO装置用ポンプ(32)を備えたNF水ライン(14)で接続され、
    RO装置(5)とRO水タンク(6)がRO水ライン(15)で接続され、
    RO装置(5)と原水タンク(1)がRO装置(5)で生じた濃縮水の返送ライン(22)で接続され、
    さらにRO水タンク(6)内のRO水を医療用精製水として取水するための取水ライン(16,17)を有しているものであり、
    前記医療用精製水の製造装置の運転方法が、
    原水タンク(1)に貯水された水道水または地下水から医療用精製水を製造する過程において、
    NF装置(4)で生じた濃縮水の全部を第1UF装置(7)で処理した後、透過水を原水タンク(1)に返送し、濃縮水を排水する工程と、
    RO装置(5)で生じた濃縮水の全部を原水タンク(1)に返送する工程を有しており、
    原水量に対する医療用精製水の製造量の割合(次式で求められる回収率)が65%以上である、医療用精製水の製造装置の運転方法。
    回収率(%)=
    RO装置で得た透過水量(L/H)/原水量(L/H)×100
  2. NF装置としてカルシウム除去率が95%以上であり、シリカ除去率が70%以上であるものを使用する、請求項1記載の医療用精製水の製造装置の運転方法。
  3. 前記医療用精製水の製造装置が、さらにRO水タンクと取水ラインとの間に電気再生式脱イオン装置(以下「EDI装置」という)を備えており、
    EDI装置で処理された処理水(以下「EDI水」という)を取水ラインから医療用精製水として取水するものである、請求項1または2記載の医療用精製水の製造装置の運転方法。
  4. 前記医療用精製水の製造装置として、さらに取水ラインにおいて第2限外濾過膜装置(以下「第2UF装置」という)と第2UF装置用ポンプを有しているものを使用し、
    RO水タンク内のRO水、またはEDI処理水を第2UF装置で処理した処理水を医療用精製水として取水する、請求項1〜3のいずれか1項記載の医療用精製水の製造装置の運転方法。
  5. 前記医療用精製水の製造装置として、さらに温水供給手段と接続された熱交換器を有し、熱交換器と原水タンクが循環ラインで接続されているものを使用し、
    医療用精製水の製造過程において原水タンク内の原水温度を20〜30℃に維持する、請求項1〜4のいずれか1項記載の医療用精製水の製造装置の運転方法。
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