JP2013095886A - 超重質油層からの油の回収方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】油と高温水との混合物から分離される高温水を精製して再利用する工程を含む超重質油層からの油の回収方法の提供。
【解決手段】超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する、超重質油層からの油の回収方法であって、前記高温水の温度が60〜90℃まで冷却された原水を限外濾過膜装置に供給し、限外濾過することで水溶性有機物の含有量が低減された透過水を得る工程を有しており、前記限外濾過工程で使用する限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールを有するものである、超重質油層からの油の回収方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、SAGD(Steam Assisted Gravity Drainage)法を適用してカナダオイルサンド又はベネズエラ超重質油層(以下、「超重質油層」という)からの油の回収方法に関する。
超重質油層から超重質油を回収する際、超重質油層内に水蒸気を吹き込んで油と水の混合物として回収するSAGD法がカナダで実用化されている。具体的には、次のような回収プロセスが実施されている。
超重質油層内の超重質油は、常温では流動しない高粘度の油として存在しているため、高温の水蒸気を圧入して加熱し、油の粘度を下げる。そうすることで、水蒸気が凝縮した高温水と油の混合物を回収する。この混合物は、地上の施設にて油と高温水に分離される。
分離された油は製品として出荷されることになり、高温水は、ボイラーに再加熱して水蒸気化した後、SAGD法にて再利用する。このとき高温水には、超重質油層から溶け込んだシリカ、カルシウム塩やマグネシウム塩等の硬度成分、金属イオン、フミン質を主成分とする水溶性有機物等を含んでいる。このため、SAGD法にて高温水を再利用するときには、それらを除去する必要がある。
特許文献1は、有機物を吸着剤に吸着させ、電気分解を使用して有機物を吸着剤から脱着させる有機物の処理法が開示されている。吸着剤としては、活性炭やゼオライトが例示されている(実施例1、2、段落番号0082、0083)。
特許文献2は、オイルサンドからビチュメンを生産する際、地中から回収したビチュメン混合流体からビチュメンを取り出し、前記混合流体から分離された加温含油水をポリテトラフルオロエチレン製の精密ろ過膜(MF膜)で処理する発明が開示されている。段落番号0028には、UF膜、RO膜、NF膜は好ましくないものとされている。
特許文献3、4は、特許文献2と同様の加温含油水を処理する方法が開示されており、図1には、高温水を酸性条件下で凝集沈殿処理し、酸性高温水を常温付近まで冷却した後、UF膜1034、NF膜1036、RO膜1118が直列で接続される膜処理を行うことを含むフロー図が示されている。
特開2008−279435号公報 特開2010−248431号公報 CA2673981 A1 CA2673982 A1
本発明は、超重質油層からの油の回収方法において、超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する過程において、前記高温水を軟化処理と粗濾過処理を行った後に、限外濾過膜装置を使用することで、前記高温水に溶存している硬度成分や濁質分、及び水溶性有機物を高い除去率で除去して再利用することができるようにする、超重質油層からの油の回収方法を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する、超重質油層からの油の回収方法であって、
前記高温水の温度が60〜90℃まで冷却された原水を限外濾過膜装置に供給し、限外濾過することで水溶性有機物の含有量が低減された透過水を得る工程を有しており、前記透過水を前記高温水蒸気の発生用として再利用するものであり、
前記限外濾過工程で使用する限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールを有するものである、超重質油層からの油の回収方法を提供する。
本発明は、課題の他の解決手段として、
超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する、超重質油層からの油の回収方法であって、
前記油と高温水との混合物から分離した高温水を原水タンクに入れる工程、
前記原水タンク内の高温水を軟化器(ソフナー)に送り、軟化処理する工程、
前工程にて軟化処理されたアルカリ性の高温水を粗濾過処理する工程、
前記高温水の温度が60〜90℃まで冷却された原水を限外濾過膜装置に供給し、限外濾過することで水溶性有機物の含有量が低減された透過水を得る工程、
前工程にて水溶性有機物が除去された水をイオン交換処理する工程を有しており、
前記透過水をイオン交換処理した水を前記高温水蒸気の発生用として再利用するものであり、
前記限外濾過工程で使用する限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールを有するものである、超重質油層からの油の回収方法を提供する。
本発明の超重質油層からの油の回収方法によれば、回収工程中に限外濾過膜装置を有していることから、次のような効果が得られる。
(I)限外濾過膜装置の運転によりフミン質濃度が低下された透過水をボイラーに供給できることから、ボイラーの正常運転を維持するためのメンテナンス回数及び費用が減少される。
(II)ボイラーの正常運転を維持するためのメンテナンス回数及び費用が減少されることから、ボイラーの稼働時間を長くできるため、ボイラーの稼働率を高めることができる。
(III)限外濾過膜装置の運転により生じた濃縮水や逆圧洗浄排水は循環再利用されるため、超重質油層からの油を回収するために使用する水の回収率が向上する、また、河川水または井戸水の取水量を節約することができる。
(IV)限外濾過膜装置の後ろ側に配置される処理用の付属装置には、限外濾過装置の運転によりフミン質濃度が低下された透過水が供給されることから、それらの付属装置に対する負荷が軽減され、より処理能力が高められる。
(V)限外濾過膜装置の後段に、NF膜装置やRO膜装置を設けて、不純物量を更に減少させる場合、これらの膜処理においてファウリングを引き起こすフミン質濃度が低減されているので、安定した膜処理運転が可能となる。
本発明の超重質油層からの油の回収方法を実施するためのフロー図。 本発明の超重質油層からの油の回収方法を実施するための別実施形態のフロー図。 本発明の超重質油層からの油の回収方法を実施するための別実施形態のフロー図。 図1〜図3に示すフロー中の限外濾過膜装置の概略図。 実施例における限外濾過方法を説明するための図。 実施例にて分画分子量が10,000、30,000の中空糸膜を使用して濾過したときの透過水量(Flux)の経時変化を示す図。 比較例にて分画分子量が150,000の中空糸膜を使用して濾過したときのFluxの経時変化を示す図。 実施例及び比較例にて分画分子量が5,000、10,000、30,000、150,000の中空糸膜を使用して濾過したときのフミン質除去率の経時変化を示す図。
図1により超重質油層からの油の回収方法を説明する。なお図1において、限外濾過膜装置10とそれに伴うラインを除いた処理フローは、公知のSAGD法で実施されている処理フローと同じである。
ボイラー1からライン1aを通ってスチームセパレータ2にスチームが供給される。
スチームセパレータ2では、スチームの一部を凝縮水として回収することができる。
スチームセパレータ2で分離された高温スチームは、ライン2aから超重質油層に圧入される。
超重質油層内の超重質油は、圧入された高温スチームにより低粘度化され、水蒸気が凝縮した高温水と油の混合物となる。
高温水と油の混合物は、ライン3aから回収されてウェルヘッドセパレータ3に送られて、そこでガス成分が分離される。
ガス成分が分離された高温水と油の混合物は、ライン3bからセパレータ4に送られて、高温水と油に分離される。
セパレータ4で分離された油は、ライン4aから油タンク5に送られ、ライン5aから油として回収される。
セパレータ4で分離された高温水は、まだ油が混在しているものであるため、ライン4bからセパレータ6(油分離用)に送って残存する油を分離する。
セパレータ6(油分離用)で油が分離された後の高温水は、ライン6aから原水タンク7に送られる。原水タンク7内の原水は、pHが6〜7程度のものである。
原水タンク7内の高温の原水(約90〜100℃)は、原水ライン7aからソフナー8に送られる。ソフナー8ではカルシウムやマグネシウム等の硬度成分やシリカ等を除去する工程である軟化処理が実施される。
ソフナー8による軟化処理の過程においても原水は冷却されるが、必要に応じてライン7bから河川水または井戸水を供給してさらに冷却することができる。
軟化処理法としては、凝集剤により沈殿させる方法、吸着剤により吸着する方法等を適用することができる。
凝集剤により沈殿させる方法を適用するときには、例えば水酸化カルシウム(石灰)及び酸化マグネシウムを添加する方法を適用することができる。
ソフナー8では軟化処理した原水は、ライン8aからアフターフィルタ9に送られて粗濾過処理される。
このアフターフィルタ9では、濁質固形分など大きめの不純物を濾過して取り除くことができる。
アフターフィルタ9で粗濾過された原水は、ライン9aから限外濾過装置10に送られて濾過処理される。
限外濾過膜装置10に供給される原水温度が高すぎると、限外濾過膜モジュールが劣化して早期のモジュール交換が必要になることから、前記原水温度は60〜90℃の範囲まで冷却されていることが好ましい。
原水の温度調節は、上記したソフナー8、およびアフターフィルタ9を経て、限外濾過膜装置10に至るまでの各ラインを通過する際の自然冷却により実施される場合がある。その他、限外濾過膜装置10に至るまでの各ライン(例えば、ライン6a、7a)において、空冷手段を備えた空冷ゾーンや、水循環式の水冷手段を備えた水冷ゾーンを設置することもできる。
限外濾過膜装置10は、限外濾過膜モジュール11と、限外濾過された透過水を溜める透過水タンク12と、加圧ポンプを備えたものであればよく、図2に示すようなものを用いることができる。
限外濾過膜装置10は、限外濾過膜モジュール11、透過水タンク12及び加圧ポンプが一つの装置として組み合わされたものが好ましいが、それぞれが分離設置されたものでもよい。
図1に示すライン9aから限外濾過膜モジュール11に至る間に加圧ポンプ10Aが設置されており、加圧ポンプ10Aで所定圧力まで加圧された原水が限外濾過膜モジュール11に供給され、限外濾過処理される。
限外濾過膜モジュール11で濾過処理されて得られた透過水は、三方弁10a、10bを操作して開放された透過水ライン11a、11bから透過水タンク12に送られて貯水される。
限外濾過膜モジュール11の濾過処理で生じた濃縮水は、ライン11bから原水タンク7あるいは原水タンク7前後のライン6a(又はライン7a)に送られて循環処理される。この循環処理により水の回収率を高め、河川水又は井戸水の取水量を抑制することができる。
限外濾過膜モジュール11の濾過運転時には、濾過性能を維持するため、逆圧洗浄を実施する。
逆圧洗浄は、逆圧洗浄ポンプ10Bを作動させ、透過水タンク12内の透過水を、逆圧洗浄ライン12bと、三方弁10bを操作して開放された透過水ライン11a(透過水ライン11bは閉じている)から、限外濾過膜モジュール11に供給して実施する。
逆圧洗浄実施の頻度は、透過液量の減少の度合いに応じて、適宜、設定できるが、例えば、1回/30分〜90分程度の逆圧洗浄により、安定した透過水量の維持が可能となる。1回の逆圧洗浄の時間は、例えば、0.5分〜2分間、行われる。
逆圧洗浄は、0.1〜0.2MPaの圧力下で行うことが好ましい。
逆圧洗浄後の洗浄排水は、三方弁10cを操作して、一部はライン11dから原水タンク7あるいは原水タンク7前後のライン6a又は7aに送って循環処理される。このとき、洗浄排水は凝集剤添加による凝沈処理や吸着剤(活性炭やアンスラサイト等)による吸着処理した後に原水タンク7あるいは原水タンク7前後のライン6a又は7aに送って循環処理することもできる。これらの処理をpH4〜6の酸性下で行うことによって洗浄排水中のフミン質の除去効率を高めることができる。この循環処理により、水の回収率を高め、水の取水量を節約することができる。
残部の洗浄排水は、三方弁10cを操作して、ライン11eから排出する。排出された洗浄排水は、水循環式の水冷ゾーンで使用することもできる。
限外濾過膜モジュール11の構造自体は周知のものであり、原水入口、透過水出口、濃縮水出口を備えたケースハウジング内に限外濾過膜が充填されたものである。
限外濾過膜としては、被処理対象となる原水の温度が高いため、耐熱性樹脂からなる中空糸膜が好ましい。中空糸膜は、内圧型、外圧型のいずれでも使用できるが、逆圧洗浄における洗浄性から内圧型が好ましい。内圧型中空糸膜の場合の内径0.5〜1.2mm、外径0.8〜2.0mmが好ましく、内径0.8〜1.0mm、外径1.3〜1.6mmがより好ましい。内径が0.5mm以上であると中空糸膜がつまって透過流速が低下することが防止され、1.2mm以下であるとモジュールあたりの有効膜面積を大きくすることで、コストを抑制できる。
また原水中に含まれている水溶性有機物の主成分がフミン質であることから、それらを効率良く分離するため、分画分子量8,000〜30,000のものが好ましい。
分画分子量が30,000を超えるとフミン質の除去が不十分となり、水の再利用に支障を生じる可能性があり、分画分子量8,000未満では、フミン質の除去は十分であっても膜の透過水量が小さくなり、膜面積を増やしたりポンプの加圧圧力を増大させたりすることにより、限外濾過装置が大型となるため、経済的に見合わない装置となりかねない。
分画分子量は、分子量の定まったポリエリレングリコール、トリプシンインヒビタを溶質とした希薄溶液で膜濾過試験を行った際のそれらの溶質の透過率および阻止率で求められる。本発明の場合は、ポリエチレングリコール(分画分子量12,000)で20%以上の透過率を有し、かつトリプシンインヒビタ(分子量28,000)で90%以上の阻止率を有する分画分子量のUF膜が好ましい。
耐熱性樹脂からなる中空糸膜としては、ポリスルホン膜、ポリエーテルスルホン膜、ポリフッ化ビニリデン膜、ポリ4フッ化エチレン膜などが好ましいが、分画分子量の低分画性化と耐熱性を併せ持つポリエーテルスルホンがより好ましい。
限外濾過膜モジュール11としては、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製のFE10モジュール、FW50モジュールを使用することが出来る。
ポリエーテルスルホン膜製の中空糸膜は、例えば、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製のFUS0181、FUS01C1、FUS0382等を使用することができる。
限外濾過膜モジュール11における運転条件は、次のようにすることができる。
運転圧力はモジュール入口圧力と出口圧力の平均値から透過圧力を差し引いた膜間圧力として0.02〜0.08MPa、好ましくは0.03〜0.06MPa、クロスフロー線速は、0.1〜0.6m/sが好ましく、0.1〜0.3m/sがより好ましい。
濾過運転は、透過流束1.0〜1.5m/日程度で実施することが好ましい。また、透過液の回収率は80〜95%が好ましい。
限外濾過膜モジュール11により限外濾過処理して得られた透過水は、濾過処理前の原水と比較して、有機物(フミン質)が70%以上除去されていることが好ましく、80%以上除去されていることがより好ましく、85%以上除去されていることがさらに好ましい。
本発明の限外濾過処理を行った透過水は、フミン酸が除去されている。このため、限外濾過処理の後段にNF膜装置、RO膜装置を設けて膜処理する場合であっても、NF膜、RO膜のファウリングを引き起こすフミン質が低濃度に抑えられているので、安定した膜処理運転が可能となり、不純物を殆ど含まない処理水の取得も期待される。
透過水タンク12内の透過水は、ライン12aからイオン交換器13に送られてイオン交換処理された後、ライン13aからボイラーフィード水用タンク14に送られて貯水される。
イオン交換器13は、イオン交換体として、イオン交換膜又はイオン交換樹脂、あるいはそれらの組み合わせを有しているものである。イオン交換器13では、限外濾過装置10により濾過処理された透過水を被処理水として処理するため、イオン交換器13に対する負荷が軽減されることから、イオン交換体の使用可能な期間をより長くすることができるようになる(イオン交換体の交換回数を減少させることができる)。
その後、ボイラーフィード水用タンク14内の透過水は、ライン14aからボイラー1に送られて高温のスチームとなり、ライン1aからスチームセパレータ2に送られる。
ボイラー1では、限外濾過装置10によりフミン質濃度が十分低下した透過水を使用するため、ボイラー1内でのフミン質析出の問題が大幅に改善される。このため、ボイラー1の運転を停止して加熱チューブ内部のコークスを除去する作業の間隔をより長くすることができるようになり、そのための作業負担が軽減されると共に、ボイラー1の運転期間がより長くできるため、稼働率も高められる。
なお、スチームセパレータ2において、スチームの一部を凝縮水(主として塩化ナトリウムを含む凝縮水)として回収したときには、ライン2bから晶析装置(クリスタライザー)21に送って不純物(塩化ナトリウム)等を晶析により取り除く。
この過程において、凝縮水中に残留するフミン質量が多い場合には、フミン質が塩化ナトリウム等の結晶析出を阻害し、晶析による不純物除去の効率が悪くなるが、本発明では、限外濾過装置10においてフミン質が除去されているため、晶析装置(クリスタライザー)21における晶析効率が向上し、不純物(塩化ナトリウム)の除去率も高められる。
除去された不純物はライン21aから排出される。不純物を取り除いた後の水は、ライン21bからライン7aに送って循環処理することができる。この循環処理により水の回収率が高まり、水の取水量を節約することができる。
次に、図1に示す処理フローの別実施形態を図2により説明する。
図2に示す処理フローでは、スチームセパレータ2において、スチームの一部を凝縮水(主として塩化ナトリウムを含む凝縮水)として回収したときには、ライン2bから限外濾過膜モジュール11’に送って限外濾過処理をする。
限外濾過膜モジュール11’で得られた濾過液は、ライン2dから晶析装置(クリスタライザー)21に送って不純物(塩化ナトリウム)等を晶析により取り除く。
限外濾過膜モジュール11’で生じた濃縮液は、ライン6aに戻して原水タンク7に送るか、直接原水タンク7に戻す。
晶析装置(クリスタライザー)21で除去された不純物はライン21aから排出され、不純物を取り除いた後の水は、ライン21bからライン7aに送って循環処理する。
限外濾過膜モジュール11’を配置することで、晶析装置(クリスタライザー)21に対する負荷が軽減され、水の取水量の節約効果を高めることができる。
次に、図1に示す処理フローのさらに別実施形態を図3により説明する。
図3に示す処理フローでは、スチームセパレータ2において、スチームの一部を凝縮水(主として塩化ナトリウムを含む凝縮水)として回収したときには、ライン2bから、多重効用缶22、限外濾過膜モジュール11’、晶析装置(クリスタライザー)21の順に送って処理する。
多重効用缶22の処理液はライン2dから限外濾過膜モジュール11’に送り、上部からの流出液はライン2eからライン7aに送る。
限外濾過膜モジュール11’の処理液(濾過液)は、ライン2gから晶析装置(クリスタライザー)21に送り、濃縮液はライン2fからライン6aに戻して原水タンク7に送るか、直接原水タンク7に戻す。
晶析装置(クリスタライザー)21で除去された不純物はライン21aから排出され、不純物を取り除いた後の水は、ライン21bからライン7aに送って循環処理する。
多重効用缶22と限外濾過膜モジュール11’を配置することで、晶析装置(クリスタライザー)21に対する負荷が軽減され、水の取水量の節約効果を高めることができる
実施例及び比較例
図1に示すフローにおいて得られた各サンプルを使用して、限外濾過処理を実施したときの評価を行った。
<原水サンプル>
UF膜処理の原水は、原水タンク7からの高温水をソフナー8で軟化処理し、アフターフィルタ9で粗濾過処理した処理液を原水とした。
<限外濾過装置>
図5に示す実験用の濾過装置を使用した。
原水タンク(原水サンプルが入っている)に相当する容器101と濃縮水タンクに相当する容器104の間に中空糸膜102が設置されており、内圧濾過法で膜透過水を得た。
中空糸膜102の真下に透過水タンク相当する容器103が置かれており、中空糸膜(UF膜)102で処理された透過水を貯水できるようになっている。
<膜の種類>
分画分子量が10,000、30,000,150,000の中空糸UF膜は、ポリエーテルスルホン(PES)製で、それぞれ、ダイセン・メンブレン・システムズ(株)製のFUS0181、FUS0381、FUS1581を使用した。
図5に示す透過試験では1m長の中空糸膜1本を使用した。これらのUF膜はいずれも内径は0.8mm、外径は1.3mmのものを使用した。
分画分子量が5,000のものは、PES製の平膜(ナディア社製マイクロダインUP005)を使用して、図4に示す装置に準じて設置した。
<運転条件>
(中空糸膜)
膜入口102aの圧力:0.050MPa
膜出口102bの圧力:0.035MPa
回収率(透過水量/原水量):30〜50%
原水サンプル温度:25℃又は65℃
濾過方法:内圧クロスフロー濾過
(平膜)
膜入口の圧力:1MPa
濾過方法:全量濾過
原水循環量:1.2L/min
原水サンプル温度:25℃
各分画分子量のUF膜による結果を図6及び図7に示す。
分画分子量10,000、30,000、150,000のUF膜では、0.05MPaの低圧下でも1.2〜1.5m3/m2・dayのFluxが得られた。一方、図6に示す通り、分画分子量5,000の平膜を使用した場合には、開始してすぐ膜面閉塞により膜透過ができなくなり、3時間運転したが、透過液は得られなかった。フミン質が膜表面を閉塞させてしまったためと考えられる。
次に、図6及び図7に示す膜透過実験において、除去対象とする有機物をフミン質とした場合、その濃度はフミン質の芳香族環の吸収波長465nmで代表することができるため(「Effect of the fractionation and immobilization on the sorption properties of humic acid」)Soil Biology and Biochemistry volume 21, issu 2, 1989, Pages 223-230)、フミン質の除去率を以下の式で定義した。結果を表1と図8に示す。
フミン質除去率:R=(透過水の465nm吸光度/原水の465nm吸光度)x100
Figure 2013095886
表1、図8から明らかなとおり、分画分子量が30,000のUF膜では約80%のフミン質除去がなされ、分画分子量10,000のUF膜を使用することによってフミン質を90%以上除去できることが確認された。また、図8から分かるように、分画分子量10,000のUF膜においては、65℃の高温下でも、フミン質除去率は25℃の除去率をやや上回る結果を与えた。
一方、分画分子量150,000のUF膜では、フミン質除去率が70%以下にとどまり除去率が不十分であり、分画分子量5,000のUF膜では、図6に示す通り、濾過実験開始直後に膜が閉塞し透過実験が行えなかった。
本発明の超重質油層からの油の回収方法は、超重質油層から超重質油を回収する際、超重質油層内に水蒸気を吹き込んで油と水の混合物として回収する方法として利用することができる。
1 ボイラー
2 スチームセパレータ
3 ウェルヘッドセパレータ
4 セパレータ
5 油タンク
6 セパレータ6
7 原水タンク
8 ソフナー
9 アフターフィルタ
10 限外濾過装置
11 限外濾過膜モジュール
12 透過水タンク
13 イオン交換器
14 ボイラーフィード水用タンク
21 晶析装置(クリスタライザ)

Claims (8)

  1. 超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する、超重質油層からの油の回収方法であって、
    前記高温水の温度が60〜90℃まで冷却された原水を限外濾過膜装置に供給し、限外濾過することで水溶性有機物の含有量が低減された透過水を得る工程を有しており、前記透過水を前記高温水蒸気の発生用として再利用するものであり、
    前記限外濾過工程で使用する限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールを有するものである、超重質油層からの油の回収方法。
  2. 超重質油層に高温水蒸気を吹き込んで得られる油と高温水との混合物から油と高温水を分離回収した後、前記高温水を前記高温水蒸気の発生用として再利用する、超重質油層からの油の回収方法であって、
    前記油と高温水との混合物から分離した高温水を原水タンクに入れる工程、
    前記原水タンク内の高温水をソフナーに送り、軟化処理する工程、
    前工程にて軟化処理された高温水を粗濾過処理する工程、
    前記高温水の温度が60〜90℃まで冷却された原水を限外濾過膜装置に供給し、限外濾過することで水溶性有機物の含有量が低減された透過水を得る工程、
    前工程にて水溶性有機物が除去された水をイオン交換処理する工程を有しており、
    前記透過水をイオン交換処理した水を前記高温水蒸気の発生用として再利用するものであり、
    前記限外濾過工程で使用する限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールを有するものである、超重質油層からの油の回収方法。
  3. 前記限外濾過膜装置が、耐熱性樹脂からなる分画分子量が8,000〜30,000の中空糸膜が充填された限外濾過膜モジュールと、限外濾過された透過水を溜める透過水タンクと、加圧ポンプを備えたものであり、
    限外濾過膜モジュールと透過水タンクが、限外濾過膜モジュールから透過水タンクに透過水を送るための透過水ラインと、透過水タンクから限外濾過膜モジュールに逆圧洗浄水を送るための逆圧洗浄ラインと、限外濾過膜モジュールにて生じた濃縮水を排水するための濃縮水ラインを有しているものである、請求項1又は2記載の超重質油層からの油の回収方法。
  4. 前記限外濾過膜装置が、さらに逆圧洗浄水の排水ラインを備えており、
    前記濃縮水ラインが原水タンク又は原水タンク前後のラインと接続されており、
    前記逆圧洗浄水の排水ラインが原水タンク又は原水タンク前後のラインと接続されている、請求項3記載の超重質油層からの油の回収方法。
  5. 前記限外濾過膜装置が、内圧クロスフロー濾過方式である請求項1〜4のいずれか1項記載の超重質油層からの油の回収方法。
  6. 耐熱性樹脂からなる中空糸膜がポリエーテルスルホン膜である、請求項1〜5のいずれか1項記載の超重質油層からの油の回収方法。
  7. 限外濾過装置にて処理される、60〜90℃に冷却された被処理水のpHが8〜10の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項記載の超重質油層からの油の回収方法。
  8. 前記水溶性有機物がフミン質を含むものである、請求項1〜7のいずれか1項記載の超重質油層からの油の回収方法。
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