JP5583360B2 - 汚染土壌の浄化処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、汚染土壌中に含有される重金属類や有機塩素化合物、揮発性有機化合物などの分解無害化処理技術に関し、特に工場跡地などの汚染土壌を無害化して復土に使用できる清浄な土壌とする技術に関するものである。本発明により、重金属類の土壌含有基準値を超える土壌については汚染土壌の還元処理により重金属類の不溶化を行うことができる。
有機物及び又は重金属を含有する廃棄物として特に問題となるものは化学工場など種々の薬品を永年取り扱っていた工場跡地などの土壌あるいは所謂シュレッダーダストなどがあり、これらは様々な有害物を複合的に含むことが多く、しかも廃棄物の発生場所によって、大きく成分が変わるなど、従来適当な処理方法が見当たらず、埋め立てるなどによって廃棄処分されていた。埋め立て処分の最大の問題点は汚染物質が地下水等に流入し、環境汚染を引き起こすことにある。そのため近年有害有機物および重金属類を含有する廃棄物は、埋め立て処理することも困難になりつつある。今一つの問題は埋め立てる場所自体が不足しつつあることである。
埋め立て以外の上記廃棄物の処理技術として、有機汚染土壌などでは有機物を乾溜処理する方法なども行われているが、これでは重金属類の除去が困難である。また、近年無機系廃棄物をセメントキルンにセメント原料と共に、或いは燃料と共に供給し、原料の一部として利用するという合理的な廃棄物の処理方法も提案されている。重金属を含んだ有害廃棄物や重金属で汚染された地盤の処理に関しては、溶融法、キレート等の薬剤を用いる方法、酸化還元法及びポルトランドセメント系セメント(3CaO・SiO2;C3S、2CaO・SiO2;C2S系)による固化安定化等が実施されている。特に、ポルトランドセメント系セメントによる固化安定化は、当該セメントが安価であること、また、その水硬性により、処理後の対象物を硬化体とすることや、水を多く含む対象物や粉粒状の対象物を取扱し易い性状にすることができるので、運搬等の作業上の優位性等から汎用的な方法として実施されている。このポルトランドセメント系セメントは、水と接触することによってケイ酸カルシウムとCa(OH)2を生成する性質を持っており、この生成したCa(OH)2は、飽和状態でpH12以上の高アルカリ性を示す。
しかし、この高いアルカリ性が、重金属種によっては問題となり、その溶出量を増やす傾向を示す場合がある。特に、鉛や亜鉛等に代表されるような両性金属は、アルカリ性と酸性の領域において溶解度の高い塩類を生成する性質から、高いアルカリ性を示すポルトランドセメント系セメントによる固化安定化に関して、その安全性に疑問が持たれている。
また、上記以外の方法に関しても、溶融法のコストや処理能力等の問題、キレート法や酸化還元法の安定性や使用する薬剤のコスト面および水分の多い対象物に使用した場合の処理後の運搬・貯蔵等の作業性の問題を多く含んでいるのが実状である。
そこで、重金属の溶出抑制材は、pHが11以下の低アルカリ性のセメント組成物を主成分とし、重金属の溶出を抑制するとともに、鉛や亜鉛等の両性金属の溶出をも抑制するものが開発されている(特許文献1参照)。
しかし、可燃物と不燃物とが混在する廃棄物については、従来十分に対応することができなかった。例えば、有機物など揮発性の大きい物質で汚染された土壌などは、セメント原料と共に供給すれば加熱分解する前にキルン排ガスと共に煙道から大気に放出され環境汚染の問題を生じるおそれがある。別の問題として、有機物で汚染された土壌は、多くの場合ハロゲン、アルカリ成分、重金属類などを多く含むため、セメント原料の一部として用いた場合、製造上及び品質上のトラブルを生じる。即ち、焼成プロセス(キルン)に持ちこまれる塩素等のハロゲン、アルカリ成分や重金属成分が高温状態で互いに反応して揮発しやすい金属ハロゲン化物となり、通常900℃以下の温度で揮発し始める。また、キルン内は相当の流速で燃焼ガスが流れており、前記揮発物はキルン排出ガスに混って排出されるが、プレヒータで新たに供給される原料と熱交換する際に露点以下に温度が低下し、原料に吸着される等で再度キルン内に逆戻りする。このためこれらの金属ハロゲン化物等はキルンとプレヒータの間を循環し、濃縮されていく。この金属ハロゲン化物などは、プレヒータ内で粘着性を示し、内壁に融着し、原料粉体を成長させ塊状化し、これがプレヒータのダクト等の閉塞を引き起こし、安定運転に支障をきたすこともある。
また、亜鉛分、カドミウム分その他の重金属分がセメント中に増加すると、セメントの品質を悪化させるという問題もある。このような問題点を解消できる有機物や重金属を含有する廃棄物の安全で且つ安価な処理方法の開発が望まれていた。
そこで、200〜600℃の温度範囲で且つ低酸素状態で加熱する予備加熱工程(a)と(a)工程により発生する揮発成分を分離除去した固体分をセメント原料と共にプレヒータ付きセメントキルンのプレヒータに供給する工程(b)、セメントキルンの原料供給部近辺に設けられた抽気孔よりキルン排ガスと共に重金属化合物蒸気を抜き出す工程(c)、抜き出された重金属化合物を冷却凝縮させて回収する工程(d)よりなることを特徴とする有機物及び(又は)重金属を含有する廃棄物の処理方法が提案されている(特許文献2参照)。
加熱する工程のない無害化処理方法として、例えば、地下の飽和帯と不飽和帯の境界部周辺に沿って、互いに連通する数多の間隙を含む広域流体路層を設置すると共に、地上より広域流体路層に連通可能な井戸様構造体を設置する。この井戸様構造体から広域流体路層を通じて、該広域流体路層の周囲に対する流体の注入、および該広域流体路層の周囲からの流体の回収による流体制御を行い、土壌汚染修復で利用される各種流体の回収および注入に関していっそうの簡素化によるコスト低減を図ると共に、流体の注入および回収をより広域に展開して実施することが可能な土壌汚染対策方法(特許文献3参照)や、洗浄効率を向上させて汚染土壌の浄化費用を低減することができるようにした汚染土壌の浄化方法を提供することを目的として、油分・重金属等の汚染物質が付着した土砂から予め汚染物質の分離しやすい所定の粒径以上の土砂Bを選別機により分級し、これら分級した土砂を、分級した土砂A,B毎に加水して、洗浄機に導入し、洗浄機において土砂同士の摩擦等により土砂の表面に付着した汚染物質を離脱させ、土砂及び汚染物質を含む水を、水を張った分離槽並びに加振スクリーン及び空気供給手段を備えた分離装置に導入し、この分離装置の分離槽内において、土砂に振動を付与するとともに気泡を吹き付けて沈降させることにより、土砂と汚染物質とを分離する技術が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、土壌に対する上記のような従来の清浄化方法は現地において簡便、安価に実施できるようなものではないし、重金属汚染土壌を単に封じ込めるだけでは根本的な解決とならなかった。
以上のことから油や重金属等に汚染された土壌を現地において簡便かつ安価に清浄化し得る有効な手段の開発が急務であるとされている
特開平10−258263号公報 特開2000−288527号公報 特開2004−283709号公報 特開2002−254063号公報
土壌汚染の問題は汚染物質の種類その性状において大変複雑である。環境基準では重金属については元素名で示されているが、一つの元素にはいろいろな形態があり、それぞれ性質も大きく異なるため元素に応じた処理を必要としている。また、有機化合物の場合は、土壌中で少しずつ分解されていくものもあり、分解過程で有害な中間物質ができていることもある。さらに、地下の構造も地質構造は複雑で多くの地層がある。そこで、汚染対策工事の実施に際しては、運営面での品質管理、工程管理、安全衛生管理の責任の所在を明確に、常に検査、計測、試験など周辺環境に悪影響を与えない工程管理が一目で分かるようにすることが必要となる。
これら事項を前提にして、本発明では、重金属類や揮発性有機化合物等によって汚染された土壌から清浄な土壌を再生し、復土可能な土壌を効率よく回収し、かつ、経費節減を可能にした土壌再生処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、汚染土壌の還元処理という簡便な操作により、各種の汚染物質を含有する土壌を無害化することを目的とする。
土壌汚染に含有する重金属類や揮発性有機化合物は発生地域で責任をもっては無害化処理しなければならず、汚染土壌処理を他の地域での実施に任せることはきわめては難しく、汚染土壌は現場で無害化処理する以外に方法はなくなってきているのが現状である。本発明はこうした現状に即した汚染土壌の処理技術を提供すること、および、汚染土壌の存在する現場での無害化処理および汚染土壌を有効利用することが可能な新しい技術を提供することを目的とする。
また、本発明の汚染土壌の無害化装置では、汚染土壌を汚染土壌の処理に有用な物質(触媒)に転換することを可能とし、汚染土壌による汚染土壌の無害化処理を達成させて、薬品などの使用を軽減することを目的とする。
また、本発明は焼却灰を利用した汚染土壌の無害化装置を提供し、廃棄物の有効利用をも目的とするものである。
本発明は、以下に記載の技術的手段から構成されるものであり、次の汚染土壌の無害化処理装置からなる。
(1)汚染土壌の無害化処理装置であって、汚染土壌の採取装置、汚染土壌を乾燥させる乾燥装置、乾燥汚染土壌を磁性物含有土壌と非磁性土壌に選別する磁力選別装置、磁性物含有土壌から比重の高い金属又は粗大粒を除去する選別装置、選別された磁性物含有土壌の粉砕装置、磁性物含有土壌の還元加熱処理装置、非磁性土壌および還元処理された磁性物含有土壌の還元加熱処理装置への投入装置、混合土壌の還元加熱処理装置、処理した土壌を復土可能な土壌として回収する土壌回収装置が配置されていることを特徴とする汚染土壌の無害化処理装置。
(2)磁性物含有土壌の還元加熱処理装置での加熱処理が、400〜600℃の範囲で行われる上記(1)に記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(3)混合土壌の還元加熱装置での加熱温度が300〜600℃の範囲で行なわれる上記(1)または(2)に記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(4)還元雰囲気が、酸素濃度6%以下である上記(1)から(3)のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(5)粉砕装置により磁性物含有土壌を100メッシュ以下に粉砕する上記(1)から(4)のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(6)非磁性土壌100重量部に対して還元雰囲気中で熱処理した磁性物含有土壌を2〜40重量部を還元加熱処理装置に投入する上記(1)から(5)のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(7)焼却灰または焼却灰還元処理物の混合土壌の還元加熱処理装置への投入装置を有する上記(1)から(6)のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
(8)混合土壌の還元加熱処理装置からの排ガス類を無害化処理して密閉回路を経由して乾燥装置に循環させるガス循環路を有する上記(1)から(7)のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。


従来の汚染土壌処理技術が浄化処理法と封じ込め法に分類される中で、本発明は、低温下で触媒による還元処理により完全無害化する浄化処理に相当するものである。
(1)本発明は、設備費(イニシャルコスト)が廉価であること、維持費(ランニングコスト)がかからないこと、設備が簡単であること、高度な技術を必要としないこと、二酸化炭素の排出が少ないなどを特徴としている。高温度を使わないので、耐熱性の低い鋼材を使用しでき、高温に比べ危険性が少ないので安全設備が複雑でなく簡素化できるため、システムが単純でプラント製造期間が短く、維持費は動力費が少なく人員も少なくてすむ利点を有している。
(2)土壌中に含有される重金属類、有機塩素化合物、揮発性有機化合物などの汚染物質を分解、分離または無害化して清浄な土壌にすることができる。
(3)汚染土壌を処理するための再生資源化プラントは簡便な構造であるため仮設として汚染現場に設置することができる。
(4)本発明の再生資源化プラントは、平成7年から焼却灰等に含まれる重金属類や有機塩素化合物などの実証実験を過去10年間行い、環境庁長官、厚生大臣の承認のもとに、通産大臣から新規事業として該プラントの製造・販売の認定を受けているものを基本としているものであるから信頼性に優れている。
(5)焼却灰に含まれる重金属を、汚染土壌の無害化触媒として加工して再利用することができるので、東京都下九市において、焼却灰の処理を3年間実証し、事故もなく実施することができた焼却灰の処理技術の成果を本発明に応用することができる。
(6)汚染土壌の一部を加工して汚染土壌の処理剤(触媒)として利用できる。
(7)土壌に含有される重金属類のうち、水溶性金属化合物を難溶性金属化合物に替えて、汚染土壌処理用の触媒として有用利用することができる。
(8)有機塩素化合物は加熱処理工程において分解して有害性のない化合物に変換することができる。
従来の焼却灰再資源化プラントシステムフローを示す図面である。 従来の焼却灰の無害化処理設備を示す図面である。
汚染土壌の処理に関して、例えば、「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議報告書9.今後東京都がとるべき対策のあり方」には、(1)生涯暴露による人の健康被害を防止する観点から、汚染土壌を直接暴露、汚染地下水等を暴露、または汚染空気を暴露することによる人の健康被害が生じるおそれが継続して防止されること。」とされている。本発明は、継続して暴露させない解決策として、汚染土壌中の有害金属類を水に溶けない地下資源に存在する鉱物資源と同じ物質にして無害化をするとともに、金属以外の有害物質をも分解または揮散させることにより土壌から分離するのである。
本発明は、(1)汚染土壌を乾燥させる、(2)磁性物含有土壌と非磁性土壌に選別する、(3)さらに分級した磁性物含有土壌を微粉砕する、(4)還元炉にて安定金属化合物に分子の組み替えをする、(5)磁性物含有土壌は複合触媒に加工する、(6)非磁性土壌に複合触媒を添加混合する、(7)混合した非磁性土壌を還元炉で処理する、(8)触媒処理して復土可能な土壌として回収する、各工程を実施するための一連の装置より構成されている。
本発明の汚染土壌の無害化処理装置には焼却灰処理施設が利用できる。例えば、特開2001−942号公報や特開2000−24625号公報に開示されている焼却灰の無害化・再資源化のための処理装置は、処理物を還元雰囲気中で加熱処理するための加熱装置を有し、本発明の汚染土壌の無害化処理装置と対比すると、主要な処理装置については共通する。したがって、上記の焼却灰処理装置を骨格として本発明の汚染土壌の無害化処理装置を構築することができる。図1には上記文献に記載された還元反応を利用した焼却灰の処理装置のプラントシステムのフロー図を示し、図2には焼却灰の還元加熱装置を示す。
例えば、本発明を汚染現場において実施する汚染土壌の無害化処理を具体的に説明すると、汚染現場内に約10,000mの仮設工場を設置する。プラントの設置面積は1基につき約1,000m必要であり、同じ仮説工場を10ヶ所に設置してもよい。汚染土壌はショベルカーで掘削して採取し、工場内に設置した再生資源化プラントに運ぶ。掘削した汚染土壌の運搬は工場前に設置する受け入れホッパーに投入し、ホッパーからプラントはベルトコンベアに結ぶ。掘削現場からホッパーまではダンプカーを用いる。
処理後の浄化された土壌は検査を経て、検査に合格した復土可能な土壌は掘削現場へ埋め戻しする。埋め戻しをする現場の深層に可能な限り、焼却灰から得られる以下に説明する焼却灰の加工物を5〜50cm厚に敷き詰めておくことが好ましい。敷き詰めるに際し、強度調整が可能で液状化対策にもなる。焼却灰の処理物はすべての環境基準値はクリアされたもので触媒性能が強く、脱臭・脱色・殺菌力があるため、焼却灰設置後の土壌の汚染にも有用である。この焼却灰の処理物は、低温度による還元無害化処理により製造されるもので、焼却灰に関しては、本発明者らは10年間の実証もあり実績がある。焼却灰に含有される汚染物質(重金属類、有機塩素化合物など)と土壌に含有される汚染物質(重金属類、揮発性有機化合物など)は、共に減酸素雰囲気による還元反応で触媒により無害化処理できる物質である。
本発明は、上述のように、汚染土壌を掘削除去し、有害物の溶出移動を止め、分解や分離して浄化処理するものであり、現場処理のための仮設設備で使用することができる。汚染された土壌は磁力選別によって磁性物を含有する磁性物土壌と磁性物を含有しない非磁性土壌とに磁気的に選別するが、好ましくは、1次および2次の磁力選別装置を使用し、汚染重金属類を含有する磁性物含有土壌の全体量を少なくして、非磁性土壌に含有される汚染土壌のみをさらに選別機によって選別し土壌に不適切な不純物を取り除く。非磁性土壌は100メッシュ以下に粉砕して還元反応が土壌全体にわたって進行するようにしておくことが好ましい。
本発明において使用する磁力選別装置は、土壌の処理に特有な構造を有する必要はなく、各種の産業で使用されている磁力選別装置から適宜選択して使用される。
選別した非磁性土壌は一定温度で乾燥した後、減酸素雰囲気で加熱処理した磁性物含有土壌および/または焼却灰と混合して減酸素雰囲気または還元雰囲気の還元炉を経由して残渣物となって存在する重金属類を不溶性金属とし復土可能な土壌として回収する。汚染土壌に含まれる揮発性有機化合物は400℃前後の温度を維持する還元炉において気化され、バックフィルタを経由して回収、または無害化される。この無害化された非磁性土壌は盛土などに使用する。非磁性土壌を還元処理するには、還元または減酸素雰囲気中で行い、酸素濃度は6%以下とするのが好ましい。また、還元処理の、300〜600℃、好ましくは350〜450℃の範囲で行われる。
磁性物含有土壌は上記と同じく乾燥後に、比重選別により比重の高い金属は選別除去し、また、ふるいにかけて粗大粒を除去して粉砕機によって微粉末にして、還元炉で不溶性金属の分子の組み替えを行い、触媒として利用できるように造粒して複合触媒となし非磁性土壌の処理に使用する。比重の低い金属類は還元処理により、不溶性金属を含む清浄な土壌に変換処理して、埋め戻し用土壌として使用する。磁性物含有土壌の還元処理は、還元雰囲気または減酸素雰囲気中で行い、酸素濃度は6%以下とするのが好ましい。また、還元処理は、350〜600℃、好ましくは350〜450℃の範囲で行われる。
非磁性土壌と還元処理した磁性物含有土壌の配合割合は、汚染土壌中の重金属の含有量に応じて決められるものであるが、通常は、非磁性土壌100重量部に対して、還元処理した磁性物含有土壌を2〜40重量部、好ましくは5〜20重量部を添加混合して還元処理することにより、汚染土壌の非磁性区分を無害化することができる。汚染土壌に含まれている有害な有機化合物類は、還元処理において分解されるか、揮発されるので、還元処理装置から排出される排ガスの処理により十分対処が可能である。この排ガスは、無害化処理して後乾燥熱源として使用できる。
本発明では、重金属を含む異種金属の混合物である焼却灰を効率よく相互分解させ、重金属塩類並びに金属を複合触媒として製造するにあたり使用される焼却灰を処理するための製造工程(設備)と同様の技術を用いて、汚染土壌の無害化を行い、環境基準値以下の清浄な土壌を生成することができる。清浄な土壌とは、化学的に安定した物質のみを含有する土壌のことを言う。人工的に生成した物質以外は地下資源埋蔵物として地球地殻に存在する金属類であり、それらすべてが資源となりうるもので、人間が掘り出し、精錬して金属資源としている。公害の原因となるものは、一次的に金属化合物が化学反応により不安定な状態に置かれているもので、安定化することにより資源としても利用できる。
以下に本発明の詳細を実施例で説明する。本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
本発明の汚染土壌無害化装置は乾燥炉、磁性物含有土壌と非磁性土壌を磁気的に分別する磁気選別装置、分級装置、粉砕装置、第1還元反応炉、第2還元反応炉、混合器、排煙処理設備などの設備を有する。
汚染土壌としては、ベンゼン、シアン、油分および重金属により汚染された工場跡地から採取した土壌を使用した。
(1)受入・供給設備:受入れ:原灰受入ピット100m3、供給:灰クレーン13ton/h、受入れホッパー10m3、フィーダ15ton/h
(2)汚染土壌乾燥設備に受け入れた汚染土壌を水分10%以下になるまで乾燥。
(3)選別設備:粒度選別:振動篩(スクリーン網目20mm、粒度20mm以上除外、粒度20mm以下次工程へ)、磁力選別装置により磁性物含有土壌と非磁性土壌に選別
(4)磁性物含有土壌を破砕処理:粒度100メッシュ以下に破砕
(5)還元反応設備:温度約600℃、処理時間約40分、酸素濃度約6%で磁性物含有土壌を処理。
主反応:有機塩素化合物の脱塩素化;汚染土壌中のダイオキシン類分解、有機塩素化合物の熱分解または飛散;重金属化合物類に対する還元反応の進行、触媒活性の付与。
(6)破砕・粉砕設備:破砕設備:粒度10〜20mm以下を除去、粉砕処理:粒度100メッシュ(95%)
(7)非磁性土壌に100重量部に、還元処理した磁性物含有土壌15重量部を混合
(8)還元反応設備:処理温度約300℃、処理時間約60分、酸素濃度約6% 加熱源(廃熱利用)
処理した土壌中のダイオキシン類の濃度を測定したところ、「毒性等量」は「0.000」であった。また、土壌中の重金属溶出性の評価実験を行ったところ、重金属類の溶出は認められなかった。
実施例1と同様にして汚染土壌の処理を行った。還元反応設備の酸素量は3%に設定して、酸素媒体による酸化反応を抑制した。還元的雰囲気内では、特に有害元素等は酸素よりも硫黄と反応しやすく、ケイ酸塩類は逆に硫黄よりも酸素と反応しやすい。
(1)乾燥処理工程: 処理炉内温度300℃で汚染土壌の含水率低減(2%以下)
還元反応設備からの排ガスを乾燥に使用。
(2)一次反応処理工程(磁性物含有土壌の還元処理工程)における炉内酸素濃度3% 、温度400℃:二次反応処理工程(非磁性土壌還元処理工程)における炉内酸素濃度3%、温度300℃
(3)非磁性土壌100重量部に対して還元処理した磁性物含有土壌を5重量部混合
効果: 実施例1と同様の処理土壌が得られた。
実施例2において、非磁性土壌100重量部に、還元処理後の磁性物含有土壌を5重量部と焼却灰触媒を5重量部添加して、非磁性土壌を還元処理した。処理後の土壌は、ダイオキシンなどの有害化合物、揮発性の有機化合物などは含有せず、土壌中に含まれていた重金属類も不溶化され、それらの試験結果は実施例2よりも優れていた。
実施例1において、還元処理された磁性物含有土壌に換えて、下記の焼却灰触媒を15重量部混合して非磁性土壌を還元処理したところ実施例1と同様の無害化処理した土壌が得られた。
これまでに記載し、また実施例などで使用した触媒能と吸着能を賦活させた焼却灰(単に焼却灰とも言う。)の製造およびその特性について以下に詳細に記載する。この焼却灰は、触媒活性、吸着、脱臭特性を有する。汚染土壌100重量部に2〜30重量部を添加混合し、300〜600℃において還元処理することにより、汚染土壌を無害化することができる。この無害化処理には、還元処理した磁性物含有土壌は必ずしも必要とはされない。
〔触媒能と吸着能を賦活させた焼却灰〕
汚染土壌の無害化処理に使用される焼却灰とは、都市ごみ廃棄物を焼却により中間処理をした焼却灰を、酸素低減雰囲気または還元雰囲気の空間を持つ還元炉で、チタン系金属酸化物と接触させることにより、重金属類を含む異種金属化合物の混合物である焼却灰を効率よく相互分解・反応させ、重金属類を難溶性金属化合物に変化させるとともに触媒能と吸着能を賦活化させ、触媒に再加工することを特徴とする焼却灰の触媒能と吸着能の賦活化させた触媒を製造するものである。
以下に、この焼却灰についてその製造方法および特性について詳細に説明する。
[焼却灰]
原料とする焼却灰としては、都市ごみの一般焼却灰が典型的な例であるが、各種の金属化合物を含む焼却灰であれば利用することができる。焼却灰の他の例としては、活性汚泥、下水汚泥、消化汚泥などの汚泥類の焼却灰、産業廃棄物の焼却灰を挙げることができる。有害なダイオキシン類を含有しない焼却灰であることが望ましい。これらの中にはカドミウム、鉛、六価クロムのような有害物質が含有されている場合がある。しかも、有害物質の種類、含有量は常に変動する。それらの変動に対応した確実な焼却灰の処理方法であるとも言える。
[焼却灰を微粉状に粉砕処理すること]
焼却灰を触媒として利用するには、焼却灰の金属成分を難溶性金属化合物に変えることが必要であり、また、触媒性能を高くするためには金属成分の表面を広げるために焼却灰を微粉砕にしなければならない。焼却灰を微粉化することにより生成した金属化合物の表面積が大きくなり触媒活性が大となり、添加するチタンの酸化物との反応性、ならびに、焼却灰の重金属類を含む異種金属化合物の混合物間あるいは添加するチタンの酸化物との相互分解・反応が良好となる。触媒製造方法において、被処理焼却灰の表面積を拡大する粉砕処理工程、好ましくは100〜300メッシュ、さらに好ましくは150〜200メッシュの微粒子に粉砕処理する粉砕処理工程を還元反応処理工程の前に設けることが好適である。
[チタンの酸化物]
原材料の一部として、焼却灰にチタンの酸化物を添加する。
一般に、触媒には金属触媒、金属酸化物触媒などがある。金属元素の中の遷移金属である鉄、コバルト、ニッケル、銅および白金属であるルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金は水素分子を解離して、水素原子にして活性化を高める。普通、水素分子を解離するエネルギーは約450キロジュールのエネルギーがないと解離されないが水素原子はニッケル、ロジウム、白金などの表面上では、室温で容易に解離してニッケル、ロジウム、白金上に吸着する。この解離をさせる原動力は金属表面の水素原子に対する化学親和力である。解離した水素原子は反応性に富み、金属表面に近づいてくる炭化水素(エチレンやプロピレンなど)に付加したり、炭素と酸素の化合物など有機化合物に付加して水素化生成物をつくる。また、白金属や鉄、コバルト、ニッケルは炭化水素のC−H結合をも解離して水素化分解も行う。このように触媒は金属分子を活性のある金属原子にして、化学反応を熱源にたよらず、促進する力をもっている。
焼却灰中には、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、硫黄、塩素、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ホウ素などの元素のほかに未燃カーボンCが含まれており、金属や非金属の化合物から成る混合物である。表1に焼却灰の含有される金属の種類と含有量の季節変動を示す。焼却灰含有金属の中では、アルミニウム、ケイ素、塩素、カルシウム、鉄の含有量が大きな値を示している。
このように焼却灰の中には、典型元素が多く、遷移元素は少ない。遷移金属のチタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛などは酸素との結合が強すぎて金属酸化物となってしまうため、反応(燃焼)系は酸素量を6%以下に減らした低酸素状態あるいは還元状態の空間で加熱処理することにより触媒が製造できる。遷移金属酸化物は酸化反応に活性を示すものと、脱水素反応に活性を示すものに分けられ、例えば、Fe23、Cr23は水素分子が存在していても金属状態に還元されないので脱水素に対して良い触媒となる。焼却灰中のCrはCrO3として水に溶け易い化合物の形態で存在するので、水素との反応によりCr(OH)3となり、またCr(OH)3の燃焼工程により、安定不溶化のCr23となる。一方、SiO2、Al23、MgOなどの典型金属酸化物は反応分子と酸塩基相互作用をし、反応分子にプロトンを与えたり、反応分子からプロトンを引き抜いたりして分子を活性化する。本発明の触媒は、主成分として、酸化鉄(Fe34)、チタンの酸化物(TiOなど)、酸化カリウム(K2O)、アルミナ(Al23)、酸化カルシウム(CaO)、シリカ(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)などを含んでいる。焼却灰は、反応器内での粒子の外表面積が大きいほど活性が大きくなるので粒径は小さいほどよい。
触媒能と吸着能の賦活化された焼却灰を製造する原材料としては焼却灰とチタンの酸化物を主要成分とするものであり、チタンの酸化物としては、例えば、酸化チタン、チタン酸塩またはチタン複合酸化物としてチタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉄、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸アルミニウム、ニッケル、コバルト、ジルコニウム、チタンを含む複合酸化物などを挙げることができる。また、チタン鉱石と称されている、イルメナイト、ゲイキ石、バイロファン石などの粉砕物を特別な処理を施すことなく用いることができる。
焼却灰としては、上記のとおり都市ごみの一般焼却灰が典型的な例であるが、各種の金属化合物を含む焼却灰であれば利用することができる。焼却灰の他の例としては、活性汚泥、下水汚泥、消化汚泥などの汚泥類の焼却灰を挙げることができる。焼却灰には上記チタンの酸化物をチタンとして0.0001〜0.01重量%、好適には0.0005〜0.005重量%、さらに好適には0.001〜0.005重量%添加混合し加熱処理することにより、燃焼灰に含有される金属化合物間との反応が生起されて本発明の触媒(触媒能と吸着能の賦活化された焼却灰)が製造される。
[焼却灰とチタンの酸化物を混合すること]
一般廃棄物、下水汚泥、産業廃棄物などの焼却灰の再焼成に先だってチタンの酸化物を添加し、上記割合となるように調整する。再焼成する時には、原料焼却灰に含まれるチタン(チタンの酸化物)量の確認が必要で、原料焼却灰に含まれるチタン(チタンの酸化物)量を勘案して添加するチタンの酸化物の量を決める。したがって、再焼却時に粉体状のチタンの酸化物を添加して焼却する。そのようにすれば、チタンの酸化物の触媒作用で、重金属類を含む異種金属化合物の混合物である焼却灰を300℃前後の低い温度で効率よく相互分解・反応させ、重金属類を難溶性金属化合物に変化させるとともに触媒能と吸着能を賦活化させ、触媒に再加工することができる。
[低酸素雰囲気または還元雰囲気において加熱すること]
通常、焼却灰は金属もしくは非金属元素の酸化物の混合体であり、場合によっては毒性物質の発生もあり得るため、酸化反応を極力小さくし、金属酸化物を金属状態に近づけると同時に共存する金属類間の反応を促進するために不活性ガス雰囲気下または還元雰囲気下に加熱することが好適である。チタンの酸化物の存在下、低酸素雰囲気または還元雰囲気においては、焼却灰から触媒を製造する工程において、焼却灰中に含まれる有害物質の除去または無害化することができる。通常、焼却灰からダイオキシン類を分解除去するには、ダイオキシン類の完全な分解を考慮して、処理温度は雰囲気温度900℃前後とすることが好適であるとされている。炉内温度800〜900℃で処理する加熱処理工程を設けて、焼却灰の含水率を短時間で低減(2%以下)する場合には、同時に排ガス中のダイオキシン類の熱分解を行ってもよい。しかし、この乾燥工程は必ずしも必要ではなく、ダイオキシン類の除去を次の還元加熱工程と同時に行なうほうが好ましい。
反応雰囲気の調整には不活性ガスが使用される、例えば、窒素(N2)ガスを循環使用する。不活性ガスとして窒素(N2)ガスを使用すると、窒素ガスの分子量は28であり、その熱的特性(熱容量、熱伝導度、伝熱係数等)は、分子量が29の空気とほとんど差がないので、両者の乾燥特性には変わりがない。加熱機から乾燥装置へ送りこまれるガスの温度、湿度は常に一定でないと安定した運転が保持できないので、加熱器へのリターンも温度条件が一定となるよう、ガスの熱交換を行う熱回収器をつけることが好適である。
触媒能と吸着能の賦活化された焼却灰(以下、単に、触媒とも称する。)を製造するには、焼却灰とチタンの酸化物を混合した後、低酸素雰囲気または還元雰囲気で加熱することにより行なうが、これは、雰囲気による酸化反応を極力小さくし、金属酸化物を金属状態に近づけると同時に共存する金属類間の反応を促進することを目的とする。触媒製造方法において、被処理焼却灰の表面積を拡大する粉砕処理工程、好ましくは100〜300メッシュの微粒子に粉砕処理する粉砕処理工程を還元反応処理工程の前に設けることが好適である。還元反応処理工程においては、好ましくは焼却灰温度約300℃〜600℃(炉内温度300〜900℃)に、時間20分〜40分維持することにより焼却灰中の金属類とチタンの酸化物との反応が進行する。焼却灰とチタンの酸化物を加熱処理した後に、安定化処理工程を設けることにより、生成した触媒の活性を賦活させ安定化することが好適である。この安定化反応処理工程においては、好ましくは処理温度200℃〜450℃に、時間40分〜60分維持することにより行なわれる。
[触媒能と吸着能の賦活化された焼却灰]
本触媒(触媒能と吸着能の賦活化された焼却灰)の成分組成は明らかではないが、主成分としてはチタン複合金属や酸化鉄、アルミナ、カルシウム、シリカ、マグネシウムなどを含有する難溶性の化合物からなるものと考えられる。本発明により製造された触媒の溶出試験を行ったところ表2の結果を得た。カドミウム、鉛、六価クロム、砒素、水銀およびセレン化合物の溶出はほとんど無いことが判明した。
焼却灰には種々の元素が含有されているが、原子、分子、結晶の面から化合物を解離し、触媒の活性力と元素の性質の相乗効果により再生資源とする。得られる製品は、焼却灰低温再焼却用触媒、脱水反応または水素付加反応触媒、および脱臭触媒として有用な触媒としてのみでなく、農業関係資材として土壌改良材、肥料、養豚・養鶏の脱臭剤、土木建築資材としては地盤改良材、煉瓦・ブロック、融雪材など利用範囲が広い。
次に、焼却灰の処理法および生成物の特性について具体的に説明する。
〔例1〕
例1での焼却灰サンプルは、ストーカ炉方式の焼却場および流動床炉方式の焼却場より採取したものを使用した。本発明の触媒製造装置は、焼却灰再資源化プラントシステムの還元反応設備、安定化反応設備、排煙処理設備などの設備を有する。
(1)受入・供給設備:受入れ:原灰受入ピット100m3、供給:灰クレーン13ton/h、受入れホッパー10m3、フィーダ15ton/h
(2)選別設備:粒度選別:振動篩(スクリーン網目50mm、粒度50mm以上除外、粒度50mm以下次工程へ)鉄分選別:磁選機〔鉄分除外(比較的粗大な鉄分)〕
(3)破砕処理:粒度100メッシュ以下に破砕
(4)還元反応設備:雰囲気温度約900℃、焼却灰温度約600℃、処理時間約40分、添加剤(チタンの複合酸化物)、酸素濃度約6%、加熱源(A重油)
主反応:有機塩素化合物の脱塩素化;灰中のダイオキシン類分解、有機塩素化合物の熱分解;炉内のダイオキシン類分解;重金属化合物とチタンの複合酸化との反応、触媒活性の付与
(5)破砕・粉砕設備:破砕設備:粒度10〜20mm以下、鉄分選別:鉄分除去(比較的微細な鉄分)、粉砕処理:粒度100メッシュ(95%)
(6)安定化反応設備:処理温度約200℃、処理時間約60分、酸素濃度約6% 加熱源(廃熱利用)
製造した触媒中のダイオキシン類濃度を測定したところ、「毒性等量」は「0.000」であった。また、生成物の重金属溶出性の評価実験を行ったところ、重金属類の溶出はほとんど認められなかった。
〔例2〕
焼却灰サンプルはストーカ炉方式の焼却場より採取したものを使用した。例1と同様にして本発明の触媒を製造した。焼却灰化から触媒を製造する再資源化プラントシステムは、乾燥処理設備、還元反応設備、安定化処理設備を有し、例1の設備に乾燥処理設備を付属させたものである。酸素量は3%に設定して、酸素媒体による反応を抑制した。還元的雰囲気内では、特に有害元素等は酸素よりも硫黄と反応しやすく、ケイ酸塩類は逆に硫黄よりも酸素と反応しやすい。
(1)ダイオキシン類分解処理 乾燥処理工程 処理 炉内温度800〜900℃ 効果 焼却灰の含水率低減(2%以下)
排ガス中のダイオキシン類の熱分解 粉砕処理工程 処理 乾燥焼却灰を粒度100メッシュ以下に粉砕 効果 焼却灰の表面積増大による反応速度向上及び安定化
(2)一次反応処理工程(還元処理工程) 処理: 添加剤(主成分:酸化チタン)を混入 炉内酸素濃度3% 、排煙処理設備:排ガス急冷装置+バグファイルタ
効果: 焼却灰中のダイオキシン類の脱塩素化および熱分解 、重金属溶出防止
〔例3〕
醤油糟から油脂を分離するにあたり触媒を使用した。醤油糟には大豆、小麦の脂肪分が約18%含有している。乾燥させた醤油糟と脂肪を分離するために醤油糟50gに上記触媒を10g添加して混練し、5時間放置した。触媒を添加した容器には5gの油脂が確認された。本例における油脂の分離は、触媒の作用により、電子受容性の高い水素が付加結合をして油脂を分離したものと考察される。
〔例4〕
養豚場の床1m当たりを例1で製造した還元処理焼却灰を20g散布して、約10分間経過後には床からの匂いは完全に消失した。
〔例5〕
例1で製造した還元処理焼却灰を用い、家畜糞尿臭の脱臭効果を試験した。養鶏場の鶏糞1kgに、本発明の還元処理した焼却灰を50g添加し撹拌して均一に混合した後、約10分間経過後の鶏糞の匂いを5人の被験者により測定した。脱臭前後における嗅覚臭気の変化を調べたところ5人の被験者は全て鶏糞のにおいは完全に消失したと判断した。比較例として、150メッシュに粉砕した無処理の焼却灰により鶏糞を同様に処理したところ、被験者全員が臭気は僅かに減少したと判断したに過ぎなかった。
〔例6〕
例1で製造した還元処理焼却灰により家庭用ゴミから生成した汚水により汚染され悪臭のある土壌の改良を行なった。汚染土壌1kgに対し本発明の土壌改良材を50g添加し十分に撹拌することにより、土壌のべたつきは解消し、汚水に基づく悪臭は感じなくなった。こうした土壌改良効果は長期間維持された。
〔例7〕
土壌が重金属により汚染されしかも含水量が多くて取り扱いが困難であった土壌の1kgに対し、実施例2で製造した還元処理焼却灰を100g添加し十分に撹拌した。土壌改良材により処理した汚染土壌は、ハンドリング性が改善され、土壌浄化処理のために汚染場所より処理場へと運び出すことが可能となった。
本発明は、汚染土壌の無害化処理装置であって、(1)汚染土壌を乾燥させる装置、(2)乾燥汚染土壌を磁性物含有土壌と非磁性土壌に選別する装置、(3)磁性物含有土壌の分級および粉砕装置、(4)磁性物含有土壌を還元雰囲気中で加熱処理する装置、(5)非磁性土壌と磁性物含有土壌を混合する装置、(6)混合した土壌を還元雰囲気中で加熱処理する装置、(6)処理した土壌を復土可能な土壌として回収する装置を有する汚染土壌の無害化処理装置に係るものであり、本発明は、設備費(イニシャルコスト)が廉価であること、維持費(ランニングコスト)がかからないこと、設備が簡単であること、高度な技術を必要としないこと、二酸化炭素の排出が少ないなどを特徴とし、さらに、高温度を使わないので建設用の鋼材費が安く、高温に比べ危険性が少ないので安全設備が簡素化できるため、システムが単純でプラント製造期間が短く、維持費は動力費が少なく人員も少なくてすむ利点を有している。
また、本発明は、汚染土壌の無害化処理に、汚染土壌の一部を加工して無害化処理用触媒として使用するものであり、薬品類の使用することなく土壌に含有する重金属類、有機塩素化合物、揮発性有機化合物などの汚染物質を分解、分離または無害化して清浄な土壌にすることができる。また、本発明の汚染土壌を処理するための再生資源化プラントは簡便な構造であるところから仮設として汚染現場に設置することができるため、いかなる地域での土壌汚染にも迅速に対応することが可能な新規な汚染土壌の無害化技術を提供することができる。
1 供給クレーン設備
2 受入れホッパー
3 搬送装置
4 振動篩機
5 No.1磁選機
6 搬送装置
7 還元反応装置
8 搬送設備
9 破砕機
10 No.2磁選機
11 搬送装置
12 粉砕機
13 搬送装置
14 安定化反応装置
15 搬送装置
16,17 原料、セメントタンク
18,19 搬送装置
20,21 No.1、No.2定量供給機
22 混合機
23 搬送装置
24 袋詰機

Claims (8)

  1. 汚染土壌の無害化処理装置であって、汚染土壌の採取装置、汚染土壌を乾燥させる乾燥装置、乾燥汚染土壌を磁性物含有土壌と非磁性土壌に選別する磁力選別装置、磁性物含有土壌から比重の高い金属又は粗大粒を除去する選別装置、選別された磁性物含有土壌の粉砕装置、磁性物含有土壌の還元加熱処理装置、非磁性土壌および還元処理された磁性物含有土壌の還元加熱処理装置への投入装置、混合土壌の還元加熱処理装置、処理した土壌を復土可能な土壌として回収する土壌回収装置が配置されていることを特徴とする汚染土壌の無害化処理装置。
  2. 磁性物含有土壌の還元加熱処理装置での加熱処理が、400〜600℃の範囲で行われる請求項1に記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  3. 混合土壌の還元加熱装置での加熱温度が300〜600℃の範囲で行なわれる請求項1または2に記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  4. 還元雰囲気が、酸素濃度6%以下である請求項1から3のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  5. 粉砕装置により磁性物含有土壌を100メッシュ以下に粉砕する請求項1から4のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  6. 非磁性土壌100重量部に対して還元雰囲気中で熱処理した磁性物含有土壌を2〜40重量部を還元加熱処理装置に投入する請求項1から5のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  7. 焼却灰または焼却灰還元処理物の混合土壌の還元加熱処理装置への投入装置を有する請求項1から6のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
  8. 混合土壌の還元加熱処理装置からの排ガス類を無害化処理して密閉回路を経由して乾燥装置に循環させるガス循環路を有する請求項1から7のいずれかに記載の汚染土壌の無害化処理装置。
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