JP5580235B2 - スパッタリングターゲット - Google Patents

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Description

本発明は、スパッタリングターゲットに関する。
近年、太陽電池又はタッチパネルに用いられる透明電極を形成する手段としてスパッタリング法が多用されている。スパッタリング法は、基板とスパッタリングターゲットとの間に、高電圧を印加してプラズマを発生させ、プラズマ中のイオンをターゲット素面に衝突させてターゲットを構成する原子を叩き出し、飛び出した原子を基板の表面に付着させて成膜する方法である。
スパッタリングによって飛び出した原子は、基板以外の部分にも付着することから、付着物がパーティクルとなって成膜を阻害する可能性がある。このようなパーティクルの発生を防止するために種々の工夫が提案されている。
たとえば、スパッタリングターゲットの側面の表面粗さを中心線平均粗さRa0.05〜0.5[μm]にし、さらに、スパッタリングターゲットの側面が傾斜面とする技術的手法が提案されている(特許文献1参照)。当該手法によれば、スパッタリングターゲットの傾斜側面の表面粗さが調整されることによって発生する堆積物の剥離又は飛散が直接的に防止される。
また、ターゲット材とバッキングプレートとがボンディング材により接合されることにより構成されているスパッタリングターゲットにおいて、当該ターゲット材を構成する厚さが異なる複数の分割ターゲット材の構造に関する技術的手法が提案されている(特許文献2参照)。当該手法によれば、ある分割ターゲット材において、これよりも薄い分割ターゲット材と隣接する部分に当該薄い分割ターゲット材と略同一の厚みの水平部分が形成されるとともに、当該水平部分から上部ターゲット面に連続する傾斜部分が形成され、かつ、分割ターゲット材の隣接部分がエッジ処理されることが提案されている。これにより、分割ターゲット材の隣接部分におけるパーティクル又はアーキングの発生が抑制される。
さらに、スパッタリングの際に浸食されるエロージョン領域及び浸食されない非エロージョン領域を有するスパッタリングターゲットにおいて、パーティクル発生を防止するために当該非エロージョン領域の上面の表面粗さRaが2.0[μm]以上にされることが提案されている(特許文献3参照)。
特開2000−004038号公報 特開2004−083985号公報 特開2004−315931号公報
しかし、ターゲット材の使用期間を延長してその交換頻度を低下させるために、ターゲット材を厚くすると、プラズマ発生のために高電圧が印加される必要があるため、前記のような工夫が施されたとしてもなおもアーキングが発生しやすくなる。
そこで、本発明は、厚さの増加を図りながらも、アーキングの発生が抑制されうるスパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
本発明は、スパッタリングの雰囲気に晒される主面と、当該主面の反対側の裏面とを有する金属酸化物焼結体からなるターゲット材と、前記ターゲット材に対して前記裏面に接合され、前記ターゲット材を冷却するバッキングプレートとを備えているスパッタリングターゲットに関する。
前記課題を解決するための本発明のスパッタリングターゲットは、前記ターゲット材には、その側面の途中から前記裏面に向かって当該ターゲット材を徐々に小径又は幅狭にするような傾斜面が形成され、前記側面と前記傾斜面との境界線をなす稜線部の表面粗さRa[μm]及び前記裏面を基準とした高さh[mm]の組み合わせを表わすRa−h平面におけるプロットが、後述する第1範囲又は第1範囲の一部である第2範囲に含まれるように前記ターゲット材が形成されていることを特徴とする。
前記ターゲット材の前記傾斜面と前記側面とのなす角度が120〜150°の範囲に含まれるように前記ターゲット材が形成されていることが好ましい。
本発明の一実施形態としてのスパッタリングターゲットの断面図。 図1におけるA部分の拡大説明図。 スパッタリングターゲットの稜線部分の構成説明図。 スパッタリングターゲットの成形方法に関する説明図。 ターゲット材の稜線構造とアーキング発生回数の相関関係の説明図。
(スパッタリングターゲットの構成)
図1に示されているスパッタリングターゲットは、スパッタリング雰囲気に晒される主面11と、その厚さ方向について反対側にある裏面12とを有する略平板状のターゲット材10と、ターゲット材10に対してその裏面12に接合されているバッキングプレート20とを備えている。
バッキングプレート20は銅等の金属により構成されており、その内部には水又は空気等の冷却媒体が通される媒体通路22が形成されている。バッキングプレート20は、アルミニウム合金又は銅などをマトリックス金属とし、セラミックスを強化材とした金属−セラミックス複合材料により構成されていてもよい。
基板へのパーティクル付着を防止するためのシールド30がターゲット材10を取り囲むように配置され、かつ、接地されていてもよい。
図2及び図3のそれぞれに示されているように、ターゲット材10には、その側面途中から裏面12に向かって当該ターゲット材10を徐々に小径又は幅狭にするような傾斜面14が形成されている。焼結体の裏面12側の外縁をなす角部が面取りされるように研削加工されることにより傾斜面14が形成されうる。主面11及び裏面12に対して平行な方向に臨むターゲット材10の断面(図2参照)において、側面13と傾斜面14とは120〜150°の範囲に含まれる角度θをなしている。
側面13と傾斜面14との境界線をなす稜線部15の表面粗さRa及び裏面12を基準とした高さhの組み合わせは、Ra−h平面において当該組み合わせを表わすプロットが図5に示されている第1範囲S1又は第1範囲S1の一部である第2範囲S2に含まれるように調節される。
第1範囲S1は、式(11)〜(14)のそれぞれにより表現される4つの線分(図5の一点鎖線参照)によって画定されている。
Ra=0.2(0.1≦h≦3.0)‥(11)。
h=0.1(0.2≦Ra≦1.7)‥(12)。
Ra=1.7(0.1≦h≦3.0)‥(13)。
h=3.0(0.2≦Ra≦1.7)‥(14)。
第2範囲S2は、式(21)〜(24)のそれぞれにより表現される4つの線分(図5の二点鎖線参照)によって画定されている。
Ra=0.2(0.2≦h≦2.3)‥(21)。
h=0.2(0.2≦Ra≦1.7)‥(22)。
Ra=1.7(0.2≦h≦2.3)‥(23)。
h=2.3(0.2≦Ra≦1.7)‥(24)。
ターゲット材10としてはアーキングが発生しやすい高体積抵抗性(たとえば体積抵抗率が1×10-5[Ωcm]以上)かつ低熱伝導性(たとえば熱伝導率が50[W/m・K]以下)の金属酸化物焼結体が採用されてもよい。これは、後述するように、ターゲット材10の構造が工夫されているためアーキングの発生が防止されうるからである。
このような観点から、体積抵抗率が1×10-4〜1×101[Ωcm]であり、熱伝導率が30[W/m・K]程度である酸化亜鉛系焼結体がターゲット材10として用いられてもよい。また、体積抵抗率が1×10-4〜1×10-2[Ωcm]であり、熱伝導率が10[W/m・K]程度であるITO(酸化インジウムスズ)系焼結体がターゲット材10として用いられてもよい。さらに、体積抵抗率が1×10-4〜1×101[Ωcm]であり、熱伝導率が80[W/m・K]程度である酸化スズ系焼結体等の金属酸化物焼結体がターゲット材10として用いられてもよい。
ターゲット材10を構成する焼結体の密度が高すぎると研削加工時に焼結体に応力が過度に蓄積されるため、焼結体に割れが発生しやすくなる。また、焼結体の密度が高くなるとヤング率及び曲げ強度も高くなるものの、密度がある程度を超えて高い場合、ヤング率は相応に高い一方で曲げ強度はそうではないため、高いヤング率によって発生する強い熱応力によって焼結体に割れが発生しやすくなる。
さらに、焼結体の密度が高いとその厚さ方向の温度勾配、ひいては部分熱膨張の差により生じる応力が大きくなるため、焼結体に割れが発生しやすくなる。その一方、焼結体の密度が低すぎるとスパッタリング法により製造された膜の質にムラが生じる原因となる。そこで、焼結体の相対密度は75〜99[%]であることが好ましい。
ターゲット材10の温度は、スパッタリング中に上昇する。特に、スパッタリングターゲットの裏側に配置されるマグネット付近の主面の温度が最も高くなる。このため、ターゲット材10の内部で温度勾配が生じ、この温度勾配が著しいとターゲット材10が割れてしまう可能性がある。これは、ターゲット材の密度が高いほど、温度勾配に由来する部分熱膨張の差異によって発生する応力が緩和されにくくなるからである。ターゲット材10が厚くなるほど、このような密度の高低による影響を受けやすい。ターゲット材10の熱伝導が低いほど、その温度勾配が大きくなる。
ターゲット材10の裏面には、当該ターゲット材10を冷却するためのバッキングプレート20が接合される。バッキングプレート20に対して冷却盤を接合させることによって、ターゲット材10の冷却が図られてもよい。しかるに、バッキングプレート20に設けられている媒体通路22を通過する水等の冷却媒体を用いたターゲット材10の冷却法が、その冷却効率等の観点から最適である。
バッキングプレート20により、ターゲット材10の主面と裏面との温度差が大きくなる可能性がある。当該温度差が70[℃]以上となるようなターゲット材10であっても、その形状が前記のように調節されることにより、スパッタリング中におけるアーキングの頻度を著しく低減することができる。
(スパッタリングターゲットの製造方法)
まず、ターゲット材10の原料粉末として、純度が99[%]以上、さらに好ましくは99.8[%]以上の高純度の亜鉛酸化物等の金属酸化物粉末が準備される。金属酸化物に対する添加物は、酸化物の粉末の形態であることが好ましいが、大気中での焼結後に酸化物を生成する炭化物又は窒化物の形態であってもよい。純度が99[%]以上、さらに好ましくは99.9[%]以上の添加物が用いられる。
酸化亜鉛系焼結体からなるターゲット材10が製造される場合、導電性付与のためにAl、Ga及びBのうち少なくとも1つが添加される。良好な導電性の膜を得る観点から、Alの添加量は酸化アルミニウム換算で0.5〜3.5[wt%]であることが好ましい。ZnOの粒界及び粒子内に存在するAlは、ZnOとAl23との反応により生成され、ZnOの粒界及び粒子内に存在するスピネル(ZnAl24)を構成する。スピネルの生成態様が調節されることにより、アーキング頻度が低減される、高品質のターゲット材10が得られる。
Gaが原料粉末に添加される場合、酸化亜鉛焼結体におけるGaの含有量が酸化ガリウム(Ga23)換算で0.03〜5[wt%]の範囲に収まるようにGa添加量が調節されることが好ましい。Bが原料粉末に添加される場合、酸化亜鉛焼結体におけるBの含有量が酸化ホウ素(B23)換算で0.5〜4[wt%]の範囲に収まるようにB添加量が調節されることが好ましい。
ITO系焼結体からなるターゲット材10が製造される場合、焼結体におけるSnの含有量が酸化スズ換算で0.5〜15[wt%]の範囲に含まれるように原料粉末が調製されることが好ましい。
前記のように準備された原料粉末が混合される。原料粉末の混合方法としては、ボールミル又は振動ミル等を用いた湿式又は乾式の混合方法など、さまざまな方法が採用されうる。均一な結晶粒子を得る観点から、ボールミルを用いた湿式混合が好ましい。混合時間は、均一な結晶粒子を得ながらも混合物の混入を防止する観点から10〜20時間の範囲に調節される。
続いて、混合された原料粉末が成形されることにより成形体が得られる。原料粉末の成形方法としては、CIP成形又は鋳込み成形等が採用されうる。鋳込み成形法が採用される場合、図4に示されているように吸水性材料からなる底部41と、非吸水性材料からなる側壁部42とを有する成形型40に原料を飛散させたスラリー45が注入される。「底部」は、鉛直方向下側にある部材を意味するのではなく、原料の着肉方向について下流側にある部材を意味する。底部41の姿勢および原料の着肉方向の変更に応じて、側壁部42の姿勢も適宜変更されてもよい。
その上で、底部41に形成されている吸引溝43がポンプにより減圧されることにより、底部41を通じてスラリーから水が吸い取られ、原料粉末が下側から徐々に着肉していくことにより、成形体46が得られる。
この鋳込み成形法によれば、着肉方向を一定方向に安定させることができるので、成形体46の内側部分と外側部分との密度差の発生を防止し、成形体46の密度の均等化が図られる。このため、この成形体46が焼結されて得られたターゲット材10を用いたスパッタリング中に、当該ターゲット材10に温度勾配が生じても、割れを生じにくくすることができる。
さらに、成形体が焼成されることにより焼結体が得られる。焼成温度は金属酸化物の種類に応じて調節される。たとえば、酸化亜鉛系焼結体を得るためには、酸化亜鉛の蒸発抑制による焼結体の緻密化の観点から、焼成温度は1250〜1600[℃]、好ましくは1350〜1550[℃]の範囲に収まるように調節される。焼結時間は5時間〜50時間の範囲で調節される。
焼成雰囲気として、大気雰囲気、酸素雰囲気又は不活性ガス雰囲気などが採用される。焼成中の酸化物の蒸発による焼結体の減量及び組成ずれの抑制のため、大気雰囲気等の酸化雰囲気が採用されることが好ましい。焼成雰囲気の圧力状態としては、減圧状態、常圧状態又は数気圧程度の加圧状態が採用されうる。ホットプレス焼結の場合、不活性ガス雰囲気が採用されることが好ましい。
また、焼結体が研削加工又は研磨加工により略平板状に形成され、かつ、その表面粗さRaが整えられることにより、ターゲット材10が得られる。焼成されたターゲット材10が、その表面粗さが大きいままで用いられると、スパッタリング中にアーキングが頻発するので、これを防止するために研削加工が施される。
その一方、特に酸化亜鉛焼結体に関して、研削加工によりそこに応力が加えられると、その表面の明度が変化し、主面に限らず側面においても明度のムラが生じてしまう。これは、加工によって結晶粒界に応力が蓄積されることで結晶に歪みが生じ、これがスパッタリング時に各結晶における指向性の相違が顕在化するためであると推察される。そこで、ターゲット材10の主面11における明度差ΔL*が5以下になるように研削加工が実施される。
焼結体に傾斜面14を形成するため、平面研削・研磨加工機又はマシニングセンタなどが用いられる。この際に生じる研削歪み(酸化亜鉛系焼結体においては歪みが特に大きくなる。)を除去するため、研削加工後の焼結体に熱処理が実施されることが好ましい。熱処理は600〜800[℃]の温度範囲で実施される。熱衝撃による焼結体の割れ防止の観点から、昇温速度及び降温速度は300[℃/h]以下に調節される。熱処理雰囲気としては、大気雰囲気又は不活性ガス雰囲気などが採用される。このような熱処理条件は、前記のような研削歪みが焼結体から十分に除去され、当該焼結体の粒成長等も起きない点で好ましい。
そして、ターゲット材10及びバッキングプレート20がインジウム接合等により接合されることにより、スパッタリングターゲットが製造される。インジウムにより形成される接合層は、製造時又は使用中の熱応力による当該接合層の割れ防止の観点から、ターゲット材10及びバッキングプレート20の接合面に対して90[%]以上の接触面積を有することが好ましい。
(実施例1)
酸化亜鉛に酸化アルミニウム粉末2[wt%]が添加された原料から、鋳込み成形法により酸化亜鉛系焼結体が製造された。酸化亜鉛焼結体の相対密度は99[%]であり、体積抵抗率は5×10-4[Ωcm]であり、熱伝導率は35[W/m・K]であった。密度はアルキメデス法により測定された。体積抵抗率は4探針法により測定された。熱伝導率はレーザーフラッシュ法により測定された。
焼結体は研削及び研磨加工により直径100[mm]、厚さ20[mm]の略円盤状に形成された。稜線部15の表面粗さRaが0.2[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.2[mm]になるように傾斜面14が形成された。
成形後の焼結体が700[℃]で熱処理されることによりターゲット材10が得られ、その裏面12に銅製のバッキングプレート20がインジウム接合されることにより、実施例1のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例2)
稜線部15の表面粗さRaが0.2[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.3[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例2のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例3)
稜線部15の表面粗さRaが0.6[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが1.8[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例3のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例4)
稜線部15の表面粗さRaが0.8[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが1.0[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例4のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例5)
稜線部15の表面粗さRaが1.0[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.2[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例5のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例6)
稜線部15の表面粗さRaが1.2[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.0[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例6のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例7)
稜線部15の表面粗さRaが1.7[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.5[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例7のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例8)
稜線部15の表面粗さRaが1.7[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.3[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例8のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例9)
稜線部15の表面粗さRaが0.2[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.1[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例9のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例10)
稜線部15の表面粗さRaが0.4[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが3.0[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例10のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例11)
稜線部15の表面粗さRaが0.8[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.5[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例11のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例12)
稜線部15の表面粗さRaが1.4[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.6[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例12のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例13)
稜線部15の表面粗さRaが1.5[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.1[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例13のスパッタリングターゲットが製造された。
(実施例14)
稜線部15の表面粗さRaが1.7[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが3.0[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で実施例14のスパッタリングターゲットが製造された。
図5には、実施例1〜14のそれぞれの稜線部15の表面粗さRa及びその高さhの組み合わせを表わすプロットが、該当番数を囲む丸により示されている。図5から明らかなように、実施例1〜14のプロットのすべてが第1範囲S1に含まれている。また、実施例1〜8のプロットは第2範囲S2に含まれている。
各実施例のスパッタリングターゲットがDCマグネトロンスパッタ装置に装着された上で、スパッタリングが実施された。スパッタリング環境として、圧力0.5[Pa]の純アルゴン雰囲気、投入電力200[W]であり、アルミ製シールドがターゲットの周囲を取り囲むように配置されている環境が採用された。そして、スパッタリング中の1時間当たりのアーキング発生回数が計測された。この計測結果が、表1にまとめて示されている。
Figure 0005580235
表1及び図5から明らかなように、稜線部15の表面粗さRa及び高さhの組み合わせを表わすプロットが第1範囲S1に含まれるように傾斜面14が形成されることにより、1時間当たりのアーキング発生回数が40以下に抑制される。また、当該プロットが第2範囲S2に含まれるように傾斜面14が形成されることにより、1時間当たりのアーキング発生回数が20以下に抑制される。
(比較例)
(比較例1)
稜線部15の表面粗さRaが0.4[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが3.2[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で比較例1のスパッタリングターゲットが製造された。
(比較例2)
稜線部15の表面粗さRaが1.4[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが3.2[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で比較例2のスパッタリングターゲットが製造された。
(比較例3)
稜線部15の表面粗さRaが1.8[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.2[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で比較例3のスパッタリングターゲットが製造された。
(比較例4)
稜線部15の表面粗さRaが1.8[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが2.5[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で比較例4のスパッタリングターゲットが製造された。
(比較例5)
稜線部15の表面粗さRaが3.5[μm]になり、裏面12を基準とした稜線部15の高さhが0.5[mm]になるようにターゲット材10が形成されているほかは、実施例1と同様の条件下で比較例5のスパッタリングターゲットが製造された。
図5には、比較例1〜5のそれぞれの稜線部15の表面粗さRa[μm]及びその高さh[mm]の組み合わせを表わすプロットが、該当番数を囲む三角により示されている。図5から明らかなように比較例1〜5のプロットのすべてが第1範囲S1から外れている。
各比較例のスパッタリングターゲットがDCマグネトロンスパッタ装置に装着された上で、前記実施例と同様の条件下でスパッタリングが実施され、スパッタリング中の1時間当たりのアーキング発生回数が計測された。この計測結果が、表2にまとめて示されている。
Figure 0005580235
表2及び図5から明らかなように、稜線部15の表面粗さRa及び高さhの組み合わせを表わすプロットが第1範囲S1から外れるように傾斜面14が形成された場合、1時間当たりのアーキング発生回数が40を超え、実施例1〜14のいずれと比較しても多くなる。
(発明の効果)
本発明によれば、高体積抵抗率かつ低熱伝導率の金属酸化物からなり、5[mm]以上の厚さなど、長期間にわたる使用を可能とする厚さを有するターゲット材10が採用された場合であっても、前記のようにターゲット材10の稜線部15の構成によって、アーキングの発生が確実に抑制又は防止されうる(表1、表2及び図5参照)。
スパッタリング成膜終了直後におけるターゲット材10の主面11及び裏面12の温度差は70[℃]以上であることが確認された。温度差の計測には熱電対が用いられた。バッキングプレート20の温度がターゲット材10の裏面12の温度とみなされた。ターゲット材10の裏面12の温度が低く、アーキングが生じやすい状況であるにもかかわらず、アーキング発生頻度の著しい低減が図られる。
10‥ターゲット材、11‥主面、12‥裏面、13‥側面、14‥傾斜面、15‥稜線部、20‥バッキングプレート。

Claims (3)

  1. スパッタリングの雰囲気に晒される主面と、当該主面の反対側の裏面とを有する金属酸化物焼結体からなるターゲット材と、前記ターゲット材に対して前記裏面に接合され、前記ターゲット材を冷却するバッキングプレートとを備えているスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット材には、その側面の途中から前記裏面に向かって当該ターゲット材を徐々に小径または幅狭にするような傾斜面が形成され、
    前記側面と前記傾斜面との境界線をなす稜線部の表面粗さRa[μm]及び前記裏面を基準とした高さh[mm]の組み合わせを表わすRa−h平面におけるプロットが、式(11)〜(14)のそれぞれにより表現される4つの線分によって画定されている第1範囲に含まれるように前記ターゲット材が形成されていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
    Ra=0.2(0.1≦h≦3.0)‥(11)。
    h=0.1(0.2≦Ra≦1.7)‥(12)。
    Ra=1.7(0.1≦h≦3.0)‥(13)。
    h=3.0(0.2≦Ra≦1.7)‥(14)。
  2. 請求項1記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記稜線部の表面粗さRa[μm]及び前記裏面を基準とした高さh[mm]の組み合わせを表わすRa−h平面におけるプロットが、前記第1範囲の一部である、式(21)〜(24)のそれぞれにより表現される4つの線分によって画定されている第2範囲に含まれるように前記ターゲット材が形成されていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
    Ra=0.2(0.2≦h≦2.3)‥(21)。
    h=0.2(0.2≦Ra≦1.7)‥(22)。
    Ra=1.7(0.2≦h≦2.3)‥(23)。
    h=2.3(0.2≦Ra≦1.7)‥(24)。
  3. 請求項1又は2記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット材の前記側面に対して前記傾斜面がなす内角が120〜150°の範囲に含まれるように前記ターゲット材が形成されていることを特徴とするスパッタリングターゲット。
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