JP5578738B2 - 車 - Google Patents

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Description

本発明は、車に関する。特に、4つの車輪である左前車輪、右前車輪、左後車輪、右後車輪と、2つの支持体である前側支持体及び後側支持体であって、該前側支持体は長手方向両端部にて前記左前車輪及び前記右前車輪を回転可能に支持し、該後側支持体は長手方向両端部にて前記左後車輪及び前記右後車輪を回転可能に支持する前側支持体及び後側支持体と、を有する車に関する。
4つの車輪である左前車輪、右前車輪、左後車輪、右後車輪と、2つの支持体である前側支持体及び後側支持体であって、該前側支持体は長手方向両端部にて前記左前車輪及び前記右前車輪を回転可能に支持し、該後側支持体は長手方向両端部にて前記左後車輪及び前記右後車輪を回転可能に支持する前側支持体及び後側支持体と、を有する車は、既によく知られており、かかる車は、車輪を回転させることにより路面上を走行する。
また、当該車の中には、前記2つの支持体の各々が、車輪が上下方向に移動するように回動する第一回動動作と、車輪が前後方向に移動するように回動する第二回動動作と、を実行することができるようになっているものがある。
そして、かかる車は、前記4つの車輪のうちの少なくとも一の車輪が路面上の凸部に差し掛かった際に、該一の車輪を支持する前記2つの支持体のうちの一方の支持体が、該一の車輪が上方向に移動するように前記第一回動動作を、該一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪を上げて前記凸部に乗せる車輪乗せ動作を行うようになっている。
すなわち、当該車は、車輪を回転させることにより路面上を走行する第一モード(車輪モードと呼ぶ)と、凸部の存在により車輪モードの実行(すなわち、走行)が不可能なとき等に、路面上の凸部に対し車輪を脚として用いて前記車輪乗せ動作を行う第二モード(脚モードと呼ぶ)の双方を実行することができるようになっている。
特開2009−173133号公報
ところで、上述した車輪乗せ動作を適切に行うために、考慮すべき点がある。
例えば、上述した車輪乗せ動作においては、前記一の車輪を上げることとなるため、この車輪以外の3つの車輪で車が支持されることとなる。そのため、車が倒れないように、車の安定性を考慮する必要がある。
また、車輪乗せ動作においては、前記一の車輪を凸部に乗せるために、前記一方の支持体が第二回動動作を実行して一の車輪を前方向に移動させるが、一の車輪を凸部に乗せるのに十分な歩幅が採れることを考慮する必要がある。
一方で、車輪モードと脚モードの双方を実行できる車を簡易(シンプル)に実現したいという要請がある。
したがって、上記を考慮して車輪乗せ動作を適切なものとするために特別な機構を車に設けるのは、当該要請に反することとなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能な車を実現することにある。
主たる本発明は、4つの車輪である左前車輪、右前車輪、左後車輪、右後車輪と、
2つの支持体である前側支持体及び後側支持体であって、該前側支持体は長手方向両端部にて前記左前車輪及び前記右前車輪を回転可能に支持し、該後側支持体は長手方向両端部にて前記左後車輪及び前記右後車輪を回転可能に支持する前側支持体及び後側支持体と、を有し、
前記2つの支持体の各々は、車輪が上下方向に移動するように回動する第一回動動作と、車輪が前後方向に移動するように回動する第二回動動作と、を実行可能であり、
前記4つの車輪のうちの少なくとも一の車輪が路面上の凸部に差し掛かった際に、該一の車輪を支持する前記2つの支持体のうちの一方の支持体が、該一の車輪が上方向に移動するように前記第一回動動作を、該一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪を上げて前記凸部に乗せる車輪乗せ動作を行う車であって、
前記一の車輪を支持する前記一方の支持体は、前記車輪乗せ動作の準備動作として、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行し、
前記準備動作は、第二準備動作であり、
前記2つの支持体のうちの他方の支持体は、前記車輪乗せ動作の第一準備動作として、上げられた前記一の車輪以外の3つの車輪で前記車が支持されるときの前記車の安定度を増加させるように、前記第二回動動作を実行して前記他方の支持体により支持された車輪の前記路面上の位置を変更し、
前記第一準備動作としての前記第二回動動作の実行により変更される前記車輪の前記路面上の位置に基づいて、前記安定度が閾値より大きいか否かを判定する安定度判定処理と、
前記一方の支持体が、前記一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を実行して前記車輪乗せ動作を行う場合に、該一の車輪が前方向に移動する際の歩幅が、閾値より大きいか否かを判定する歩幅判定処理と、
を実施するコントローラーを備え、
前記一方の支持体は、前記コントローラーが前記安定度判定処理及び前記歩幅判定処理の双方において是と判定する安定度歩幅クリア判定が得られなかった場合に、前記第二準備動作を実行し、
前記コントローラーが前記安定度判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記安定度を増加させるように前記第二回動動作を実行し、
前記コントローラーが前記歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記歩幅を増加させるように前記第二回動動作を実行することを特徴とする車である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
車10の外観を模式的に示した斜視図である。 車10を正面側から見た図である。 車10を上方から見た図である。 図3のA−A断面図である。 第一アクチュエーター100及び第二アクチュエーター200についての拡大図である。 車10の制御系統を示すブロック図である。 車輪乗せ動作を説明するための説明概念図である。 安定余裕Sを説明するための説明概念図である。 凸部50に乗せる車輪20毎の第二回動動作について説明した図である。 安定余裕判定処理の必要性を説明するための説明概念図である。 歩幅判定処理の必要性を説明するための説明概念図である。 歩幅判定処理における閾値を説明するための説明概念図である。 左前車輪21を上げて凸部50に乗せる車輪乗せ動作の第二準備動作を説明するための説明概念図である。 左後車輪23を上げて凸部50に乗せる車輪乗せ動作の第二準備動作を説明するための第一説明概念図である。 左後車輪23を上げて凸部50に乗せる車輪乗せ動作の第二準備動作を説明するための第二説明概念図である。 複数ケースの各々毎の第二準備動作を示した図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
4つの車輪である左前車輪、右前車輪、左後車輪、右後車輪と、
2つの支持体である前側支持体及び後側支持体であって、該前側支持体は長手方向両端部にて前記左前車輪及び前記右前車輪を回転可能に支持し、該後側支持体は長手方向両端部にて前記左後車輪及び前記右後車輪を回転可能に支持する前側支持体及び後側支持体と、を有し、
前記2つの支持体の各々は、車輪が上下方向に移動するように回動する第一回動動作と、車輪が前後方向に移動するように回動する第二回動動作と、を実行可能であり、
前記4つの車輪のうちの少なくとも一の車輪が路面上の凸部に差し掛かった際に、該一の車輪を支持する前記2つの支持体のうちの一方の支持体が、該一の車輪が上方向に移動するように前記第一回動動作を、該一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪を上げて前記凸部に乗せる車輪乗せ動作を行う車であって、
前記一の車輪を支持する前記一方の支持体は、前記車輪乗せ動作の準備動作として、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行することを特徴とする車。
かかる場合には、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能な車を実現することが可能となる。
また、前記準備動作は、第二準備動作であり、
前記2つの支持体のうちの他方の支持体は、前記車輪乗せ動作の第一準備動作として、上げられた前記一の車輪以外の3つの車輪で前記車が支持されるときの前記車の安定度を増加させるように、前記第二回動動作を実行して前記他方の支持体により支持された車輪の前記路面上の位置を変更することとしてもよい。
かかる場合には、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作をより適切に行うことが可能な車を実現することが可能となる。
また、前記第一準備動作としての前記第二回動動作の実行により変更される前記車輪の前記路面上の位置に基づいて、前記安定度が閾値より大きいか否かを判定する安定度判定処理と、
前記一方の支持体が、前記一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を実行して前記車輪乗せ動作を行う場合に、該一の車輪が前方向に移動する際の歩幅が、閾値より大きいか否かを判定する歩幅判定処理と、
を実施するコントローラーを備え、
前記一方の支持体は、前記コントローラーが前記安定度判定処理及び前記歩幅判定処理の双方において是と判定する安定度歩幅クリア判定が得られなかった場合に、前記第二準備動作を実行し、
前記コントローラーが前記安定度判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記安定度を増加させるように前記第二回動動作を実行し、
前記コントローラーが前記歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記歩幅を増加させるように前記第二回動動作を実行することとしてもよい。
かかる場合には、車の移動を速めることが可能となる。
また、前記コントローラーは、
前記位置に基づいて、前記安定度が閾値より大きいか否かを、
前記車の重心から鉛直方向に下ろした仮想線が、前記一の車輪以外の3つの車輪の各々が前記路面と接する接地点を結ぶ三角形の内部と交わるか否かによって判定し、
前記歩幅が閾値より大きいか否かを、
前記一の車輪が前方向に移動する際に移動可能な最大歩幅が、前記一の車輪の半径よりも大きいか否かによって判定することとしてもよい。
かかる場合には、簡便な方法で、安定度や歩幅が閾値より大きいか否かを判定することができる。
また、前記一方の支持体が前記前側支持体であり、前記他方の支持体が前記後側支持体である場合に、
前記コントローラーが前記安定度判定処理において否と判定した際と前記コントローラーが前記歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記一の車輪ではない方の車輪が前方向に移動するように、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行することとしてもよい。
かかる場合には、既存の前側支持体の回動機構を用いて、前側の車輪の車輪乗せ動作に対応した(特化した)第二準備動作が適切に実行され、したがって、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能となる。
また、前記一方の支持体が前記後側支持体であり、前記他方の支持体が前記前側支持体である場合に、
前記コントローラーが前記安定度判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記一の車輪ではない方の車輪が後方向に移動するように、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行し、
前記コントローラーが前記歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記一の車輪ではない方の車輪が前方向に移動するように、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行することとしてもよい。
かかる場合には、既存の後側支持体の回動機構を用いて、後側の車輪の車輪乗せ動作に対応した(特化した)第二準備動作が適切に実行され、したがって、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能となる。
===車10の構成例について===
以下に、本実施の形態に係る車10の構成例について説明する。
先ず、図1乃至図4を用いて、車10の機器構成の概要を説明する。
図1は、車10の外観を模式的に示した斜視図である。図2は、車10を正面側から見た図である。図3は、車10を上方から見た図である。なお、図2及び図3には、車10の内部構造を示す都合上、車10の外側からは本来見えない部品についても図示している。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図4に図示された第一アクチュエーター100及び第二アクチュエーター200についての拡大図である。
また、図1には座標軸としてのX軸、Y軸、及びZ軸が、図2にはY軸及びZ軸が、図3にはX軸及びY軸が、図4にはX軸及びZ軸が、それぞれ示されている。ここで、X軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときの該車10の前後方向に相当する。また、X軸方向は、車10が水平な地面を直進走行する際の直進方向と一致する。Y軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときの該車10の左右方向に相当する。つまり、Y軸方向は、水平方向であって、X軸方向と直交する方向である。また、Y軸方向は、車10が水平な地面を直進走行する際に車輪20の回転軸方向と一致する。Z軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときの該車10の上下方向に相当する。また、Z軸方向は鉛直方向と一致する。
本実施形態の車10は、図1に示すように、互いに同径である4つの車輪20を有する車である。すなわち、車10は、一対の車輪20を2つ有し、当該2つのうちの一方は該車10の前方側に位置し、他方は後方側に位置している。そして、それぞれの一対の車輪20が回転することにより、該車10は地面を走行する。以下、前方側に位置した一対の車輪20を左前車輪21、右前車輪22とし、後方側に位置した一対の車輪20を左後車輪23、右後車輪24とする。
なお、左前車輪21及び右前車輪22の各々の回転軸は、同一直線上にあり、車10の姿勢が基本姿勢であるときにはY軸方向に略平行である。同様に、左後車輪23及び右後車輪24の各々の回転軸も同一直線上にあり、車10の姿勢が基本姿勢であるときにはY軸方向に略平行である。
また、本実施形態では、図3に示すように、左前車輪21、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24を回転させるためのモーター30が、車輪20毎に4つ備えられている。そして、本実施形態では、モーター30をそれぞれ個別に制御することが可能である。換言すると、左前車輪21、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24の回転速度を車輪20毎に制御することが可能である。
車10は、図1に示すように、車輪20及びモーター30の他に、車体12と、2つの支持体の一例としての2つの車輪支持アーム38である前側車輪支持アーム40(前側支持体に相当)及び後側車輪支持アーム42(後側支持体に相当)を有する。
車輪支持アーム38(前側車輪支持アーム40及び後側車輪支持アーム42)は、図1に示すように、長尺体であり、後述するケーシング14の長手方向両端の先に配置されている。図2や図3に示すように、車輪支持アーム38(前側車輪支持アーム40及び後側車輪支持アーム42の各々)の長手方向両端部には、前記モーター30が固定されている。そして、モーター30の回転軸を介して前記車輪20が車輪支持アーム38(前側車輪支持アーム40及び後側車輪支持アーム42の各々)の長手方向両端部に回転可能に支持されている。すなわち、前側車輪支持アーム40は、長手方向両端部にて左前車輪21及び右前車輪22を回転可能に支持し、後側車輪支持アーム42は、長手方向両端部にて左後車輪23及び右後車輪24を回転可能に支持している。
なお、車輪支持アーム38は、その長手方向が、該車輪支持アーム38が支持する車輪20の回転軸方向に沿った状態で車10に備えられている。したがって、車輪支持アーム38の長手方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときにはY軸方向に略平行である。
車体12は、図1に示すように、ケーシング14と、載置台16とを有している。
ケーシング14は、鋼材からなる構造体であり、上壁、下壁、及び、側壁を有する。このケーシング14の長手方向が車10の前後方向となる。したがって、ケーシング14の長手方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときにはX軸方向と一致する。また、図1に示すように、ケーシング14の長手方向両端部には側壁が備えられておらず、上壁及び下壁のみが備えられている。すなわち、ケーシング14の長手方向両端部には、上壁及び下壁が張り出した状態で備えられていることになる。
載置台16は、人又は物を載せるための略矩形状の平板台である。すなわち、本実施形態の車10は、人又は物を前記載置台16に載せた状態で走行可能な車である。載置台16は、図1等に示すように、ケーシング14の長手方向中央部の上方に位置している。また、載置台16の長手方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときにはケーシング14の長手方向に沿っている。
載置台16の下面には、図1及び図2に示すように、一対の台支持アーム18が取り付けられている。この一対の台支持アーム18の各々は、載置台16の下面から下方に延出した長尺体である。台支持アーム18は、車10の左右方向においてケーシング14よりも外側に位置する位置にて載置台16を支持している。なお、台支持アーム18の長手方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときには、鉛直方向(すなわち、Z軸方向)に略平行である。
さらに、図3に示すように、車10は、第一アクチュエーター100、110、第二アクチュエーター200、210、及び、第三アクチュエーター300を有している。
第一アクチュエーター100、110及び第二アクチュエーター200、210は、それぞれ、2つの車輪支持アーム38毎に備えられている。すなわち、図4に示すように、本実施形態の車10は、2つの第一アクチュエーター100、110と、2つの第二アクチュエーター200、210とを有している。そして、一方の第一アクチュエーター100及び一方の第二アクチュエーター200は、車10の前方側に位置している。他方の第一アクチュエーター110及び他方の第二アクチュエーター210は、車10の後方側に位置している。
なお、前方側の第一アクチュエーター100は、後方側の第一アクチュエーター110と同じ構造及び機能を有する。同様に、前方側の第二アクチュエーター200は、後方側の第二アクチュエーター210と同じ構造及び機能を有する。このため、以下では、主として、前方側の第一アクチュエーター100及び第二アクチュエーター200について説明する。
第一アクチュエーター100は、前側車輪支持アーム40を支持するとともに、該前側車輪支持アーム40を後述のアーム支持部102の中心軸を中心にして回動させるための機構である。この第一アクチュエーター100は、図4に示すように、前記ケーシング14の長手方向端部において該ケーシング14の上壁と下壁との間に配置されている。また、第一アクチュエーター100は、図5に示すように、アーム支持部102と、駆動モーター104と、駆動力伝達部106とを有している。
アーム支持部102は、前側車輪支持アーム40を支持するための円筒状の部材である。このアーム支持部102は、図5に示すように、ケーシング14の長手方向端部側に位置し、その一部は該ケーシング14よりも外側に突き出ている。そして、アーム支持部102の一端面に前側車輪支持アーム40の長手方向中央部がボルト止めされることにより、該前側車輪支持アーム40が前記アーム支持部102に支持される。なお、アーム支持部102の中心軸方向は、前側車輪支持アーム40の長手方向と略直交し、ケーシング14の長手方向(すなわち、車10の前後方向)に略平行である。したがって、当該中心軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときには、X軸方向に略平行である。
駆動モーター104はDCサーボモーターであり、該駆動モーター104が有する回転軸は正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能である。駆動力伝達部106は、アーム支持部102及び駆動モーター104の双方を支持するとともに、駆動モーター104からの駆動力をアーム支持部102に伝達するためのものである。この駆動力伝達部106は、複数のギア(不図示)を有し、駆動モーター104の回転軸の回転を減速して前記アーム支持部102に伝達する。そして、駆動モーター104からの駆動力がアーム支持部102まで伝達されると、該アーム支持部102がその中心軸周りに回動するようになる。なお、駆動力伝達部106には、図5に示すように、第二アクチュエーター200が有するアクチュエーター保持部205(詳細は後述する)が取り付けられている。そして、当該アクチュエーター保持部205により、第一アクチュエーター100はケーシング14の上壁と下壁との間に保持される。
以上のような構造を有する第一アクチュエーター100では、図2に示すように、駆動モーター104が回転することにより、アーム支持部102が、その中心軸を中心にして前側車輪支持アーム40と一体的に回動する。なお、前述したように、駆動モーター104の回転軸は正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能であるため、前側車輪支持アーム40は、アーム支持部102の中心軸を中心にして正回動方向及び逆回動方向のいずれにも回動可能である。なお、本実施の形態においては、図2に示すように、前側車輪支持アーム40の長手方向が水平方向に対して最大約28.5度傾くまで該前側車輪支持アーム40を回動させることが可能である。
そして、前側車輪支持アーム40が前記中心軸周りに回動する結果、車輪20が上下移動するようになる。すなわち、前側車輪支持アーム40は、車輪20が上下方向に移動するように回動する回動動作(第一回動動作と呼ぶ)を実行可能である。
例えば、前側車輪支持アーム40が、車10の正面から見て反時計回りに回動したときには、左前車輪21が上方向に移動するように、右前車輪22を支点(ここで、支点とは、回動動作実行の際に路面上の(路面をXY座標としたきの座標上の)位置が動かない点を意味する)として、第一回動動作を実行する。そして、このことにより、左前車輪21を路面から離して上げることが可能となる。
また、前側車輪支持アーム40が、車10の正面から見て時計回りに回動したときには、右前車輪22が上方向に移動するように、左前車輪21を支点として、第一回動動作を実行する。そして、このことにより、右前車輪22を路面から離して上げることが可能となる。
第二アクチュエーター200は、第一アクチュエーター100を介して前側車輪支持アーム40を支持するとともに、該前側車輪支持アーム40を後述の回動軸202を中心にして回動させるための機構である。この第二アクチュエーター200は、図4に示すように、前記ケーシング14の長手方向端部に取り付けられている。また、第二アクチュエーター200は、図5に示すように、駆動モーター201と、回動軸202と、駆動力伝達部203と、連結部204と、アクチュエーター保持部205とを有している。
駆動モーター201はDCサーボモーターであり、該駆動モーター201が有する回転軸は、正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能である。回動軸202は、前記駆動モーター201からの駆動力により回動する軸であり、その軸方向は車の上下方向に沿っている。当該軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときには、Z軸方向に略平行である。
駆動力伝達部203は、連結部204との協働により、駆動モーター201からの駆動力を回動軸202に伝達するためのものである。この駆動力伝達部203は、図5に示すように、ベルトプーリー機構からなる。つまり、駆動モーター201の回転軸の回転が、該回転軸と直結した駆動プーリー203aからベルト203bを介して従動プーリー203cに伝達された後、該従動プーリー203cと直結した軸203dまで伝達される。この結果、駆動モーター201の回転軸の回転が減速されて前記軸203dに伝達され、該軸203dがその中心軸を中心にして回動するようになる。
また、従動プーリー203cと直結した軸203dと回動軸202とは連結部204により連結している。この連結部204によって、従動プーリー203cに直結された軸203dは、回動軸202と一体的に回動する。また、連結部204は、図5に示すように、ケーシング14の上壁に取り付けられている。
アクチュエーター保持部205は、前述したように、第一アクチュエーター100をケーシング14の上壁及び下壁の間に保持するためのものである。そして、アクチュエーター保持部205は、第一アクチュエーター100を保持することにより、該第一アクチュエーター100に支持された前側車輪支持アーム40を支持することになる。アクチュエーター保持部205は、図5に示すように、第一アクチュエーター100の駆動力伝達部106に取り付けられる。
また、アクチュエーター保持部205は、図5に示すように、上端部205aと、下端部205bと、を有する。アクチュエーター保持部205を第一アクチュエーター100の駆動力伝達部106に取り付けると、該駆動力伝達部106は前記上端部205a及び下端部205bの間に位置する。そして、アクチュエーター保持部205は、駆動力伝達部106に取り付けられた状態でケーシング14内に配置される。ケーシング14内では、上端部205aがケーシング14の上壁に対向し、下端部205bがケーシング14の下壁に対向する。また、上端部205aには、回動軸202を挿入するための挿入孔が設けられている。下端部205bには、後述する下軸207の軸部207aを嵌入するための嵌入孔が設けられている。
そして、アクチュエーター保持部205の上端部205aは、図5に示すように、回動軸202の先端部が前記挿入孔に挿入された状態で、該回動軸202に軸着された軸着部206にボルト止めされている。これにより、回動軸202が回動すると、軸着部206、及び、軸着部206に固定されたアクチュエーター保持部205も一体的に回動することになる。さらに、アクチュエーター保持部205に保持された第一アクチュエーター100、及び、該第一アクチュエーター100に支持された前側車輪支持アーム40も、回動軸202を中心にして回動することになる。
一方、アクチュエーター保持部205の下端部205bは、図5に示すように、下軸207の軸部207aが前記嵌入孔に嵌入された状態で、該下軸207の固定部207bにボルト止めされている。下軸207の軸部207aは軸受を介してケーシング14の下壁に回動自在に支持されている。そして、アクチュエーター保持部205が回動軸202を中心にして回動する際には、下軸207も該アクチュエーター保持部205と一体的に回動する。すなわち、下軸207は、アクチュエーター保持部205の回動を妨げることなく、該アクチュエーター保持部205の下端部205bを支持する。なお、当然ながら、回動軸202の軸中心と、下軸207の軸中心とは一致する。
以上のような構造を有する第二アクチュエーター200では、駆動モーター201が回転することにより回動軸202が回動する。そして、回動軸202が回動すると、アクチュエーター保持部205、該アクチュエーター保持部205に保持された第一アクチュエーター100、が前記回動軸202を中心にして回動する。この結果、図3に示すように、第一アクチュエーター100に支持された前側車輪支持アーム40が、回動軸202を中心にして回動する。なお、前述したように、駆動モーター201の回転軸は正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能であるため、前側車輪支持アーム40は、回動軸202を中心にして正回動方向及び逆回動方向のいずれにも回動可能である。なお、本実施の形態においては、図3に示すように、前記回転軸方向がY軸方向に対して最大約50度傾くまで前側車輪支持アーム40を回動させることが可能である。
そして、前側車輪支持アーム40が回動軸202を中心にして回動する結果、車輪20が前後移動するようになる。すなわち、前側車輪支持アーム40は、車輪20が前後方向に移動するように回動する回動動作(第二回動動作と呼ぶ)を実行可能である。
例えば、前側車輪支持アーム40が、車10の上方から見て反時計回りに回動したときには、右前車輪22が前方向に移動するように、左前車輪21を支点として、第二回動動作を実行する。そして、このことにより、右前車輪22を前方へ運ぶことが可能となる。また、前側車輪支持アーム40が、車10の上方から見て時計回りに回動したときには、左前車輪21が前方向に移動するように、右前車輪22を支点として、第二回動動作を実行する(図7の右図参照)。そして、このことにより、左前車輪21を前方へ運ぶことが可能となる。
なお、前側車輪支持アーム40は、車輪20を支点とせずに、回動軸202を支点として、第二回動動作を実行することもできる。そして、前側車輪支持アーム40が、車10の上方から見て反時計回りに回動軸202を支点として回動したときには、右前車輪22が前方向に、左前車輪21が後方向に、それぞれ移動することとなる。同様に、前側車輪支持アーム40が、車10の上方から見て時計回りに回動軸202を支点として回動したときには、右前車輪22が後方向に、左前車輪21が前方向に、それぞれ移動することとなる。そして、このことによっても、右前車輪22や左前車輪21を前方へ運ぶことができるし、また、このことにより、車10の走行方向を変える(例えば、直進からカーブへの変化)ことも可能となる。
なお、以下では、便宜上、前者を車輪支点第二回動動作、後者を回動軸支点第二回動動作とも呼ぶ。
第三アクチュエーター300は、前述した2つの台支持アーム18を支持するとともに、該2つの台支持アーム18、及び、該2つの台支持アーム18に支持された載置台16を、後述の回動軸304を中心にして回動させるための機構である。この第三アクチュエーター300は、図4に示すように、前記ケーシング14の長手方向中央部にて該ケーシング14内に収容されている。また、第三アクチュエーター300は、図4に示すように、駆動モーター302と、回動軸304と、駆動力伝達部306とを有している。
駆動モーター302はDCサーボモーターであり、該駆動モーター302が有する回転軸は、正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能である。回動軸304は、駆動モーター302からの駆動力によりに回動する軸であり、その軸方向は車の左右方向に沿っている。なお、当該軸方向は、車10の姿勢が基本姿勢であるときには、Y軸方向に略平行である。この回動軸304の両端部は、ケーシング14の側壁を貫通している。そして、回動軸304の、ケーシング14の側壁を貫通した部分に、前記台支持アーム18の下端部が固定支持されている。したがって、回動軸304が回動する際には、前記台支持アーム18が一体的に回動することになる。
駆動力伝達部306は、駆動モーター302の駆動力を回動軸304に伝達するためのものである。この駆動力伝達部306は、複数のギア(不図示)を有し、駆動モーター302の回転軸の回転を減速して回動軸304に伝達する。そして、駆動モーター302からの駆動力が回動軸304まで伝達されると、該回動軸304が回動する。
以上のような構造を有する第三アクチュエーター300では、駆動モーター302が回転すると、回動軸304が、該回動軸304に支持された2つの台支持アーム18と一体的に回動する。これにより、載置台16が回動軸304を中心にして回動する。なお、前述したように、駆動モーター302の回転軸は正回転方向及び逆回転方向のいずれにも回転可能であるため、台支持アーム18及び載置台16は、回動軸304を中心にして正回動方向及び逆回動方向のいずれにも回動可能である。
そして、載置台16が回動軸304を中心にして回動する結果、該載置台16の状態が水平方向に対して前後に傾斜した傾斜状態となったときに、該載置台16の状態を前記傾斜状態から非傾斜状態に復帰させることが可能になる。ここで、非傾斜状態とは、載置台16の長手方向が水平方向となる状態を意味する。
<<<車の制御構成について>>>
次に、車10の制御ユニットの構成について図6を用いて説明する。図6は、車10の制御ユニットを示すブロック図である。なお、図6では、第一アクチュエーター100、110、第二アクチュエーター200、210、及び、モーター30について、車10の前方側に位置したものをまとめて前方ユニットと表記し、後方側に位置したものをまとめて後方ユニットと表記している。また、同図では、左前車輪21、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24に対応したモーター30を、それぞれ、左前モーター31、右前モーター32、左後モーター33、右後モーター34と表記している。
車10の制御ユニットは、図6に示すように、コントローラー400を有する。このコントローラー400は、CPU402と、メモリー404と、制御回路406とを有し、車10の走行方向や車体12の姿勢等を制御する。CPU402は、車10全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー404は、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。
そして、コントローラー400は、CPU402がメモリー404に格納されているプログラムを実行することにより、制御回路406を介して、第一アクチュエーター100、110、第二アクチュエーター200、210、第三アクチュエーター300、及び、モーター30を制御する。なお、前述したように、2つの第一アクチュエーター100、110が備えられており、コントローラー400は、該2つの第一アクチュエーター100、110をそれぞれ個別に制御する。同様に、コントローラー400は、2つの第二アクチュエーター200、210をそれぞれ個別に制御する。さらに、コントローラー400は、車輪20毎に備えられた左前モーター31、右前モーター32、左後モーター33、右後モーター34を該モーター毎に制御する。
また、車10の制御ユニットは、図6に示すように、車10の姿勢を監視するための姿勢センサ500を有する。この姿勢センサ500は、前記姿勢に応じた信号をコントローラー400に向けて出力する。本実施形態の姿勢センサ500は、加速度センサ及びジャイロセンサにより構成されている。
以上のような制御ユニットにより、車10は、姿勢センサ500によって該車10の姿勢が監視されながら、動作する。そして、車10の動作中、該車10の姿勢が変化すると、前記姿勢センサ500からの出力信号が変化する。この姿勢センサ500の出力信号の変化に応じて、コントローラー400は、第三アクチュエーター300等を制御する。これにより、車10の走行中における載置台16の状態が制御され、載置台16が常に水平状態に維持されることとなる。
さらに、本実施形態では、車10の制御ユニットが、路面の状態を検知する路面状態検知センサを有する。かかる路面状態検知センサとしては、所謂内界センサ510と所謂外界センサとを挙げることができる。
本実施の形態においては、内界センサ510が備えられており、例えば、当該内界センサ510は、路面上の凸部に車輪20が接触した際に車輪20や車輪20を支持する車輪支持アーム38のトルク等が変化することに基づいて、車輪20が凸部に接触したこと(また、いずれの車輪20が凸部に接触したか)を示す信号をコントローラー400に向けて出力する。そして、このことにより、車10は、車輪20が凸部に差し掛かった(なお、「差し掛かった」とは、必ずしも車輪20が凸部に接触したことを意味するものではなく、車輪20の前方に凸部が位置し、車10が当該凸部を越えようとする状況を意味する)ことを把握することができる。
なお、本実施の形態においては、車輪20が凸部に差し掛かったことの把握のために、路面状態検知センサとして内界センサ510が用いられるが、CCDカメラ等の前記外界センサを用いることとしてもよい。
===車の動作例について===
<<<概要>>>
本実施の形態に係る車10は、上述したとおり、車輪モードと脚モードとを実行できるようになっており、双方を状況に応じて使い分けることにより、凸部を備えた地形を有する路面を移動することができるようになっている。
すなわち、車10が、車輪モードにより走行中に、4つの車輪20のうちの少なくとも一の車輪20(差掛車輪と呼ぶ)が路面上の凸部に差し掛かると、路面状態検知センサによりこのことが検知される。そして、車10は車輪モードから脚モードへ移行する。
すなわち、車10は、前記差掛車輪を上方向かつ前方向に移動させることにより、該差掛車輪を上げて凸部に乗せる車輪乗せ動作を実行する。
車輪乗せ動作が終了すると、車10は、脚モードから車輪モードへ戻り、車輪20を回転させることにより走行を再開する。かかる際に、凸部の前後方向の距離が長くない場合には、車輪乗せ動作により凸部に乗った車輪20は、すぐに凸部から自然落下する。そして、その後、車輪モードによる走行は問題なく継続されることとなる。
<<<車輪乗せ動作について>>>
次に、本実施の形態に係る車輪乗せ動作について、図7乃至図12を用いて説明する。図7は、車輪乗せ動作を説明するための説明概念図である。図8は、安定余裕Sを説明するための説明概念図である。図9については、後述する。図10は、安定余裕判定処理の必要性を説明するための説明概念図である。図11は、歩幅判定処理の必要性を説明するための説明概念図である。図12は、歩幅判定処理における閾値を説明するための説明概念図である。
なお、ここでは、主として、左前車輪21を路面上の凸部50に乗せる車輪乗せ動作について説明する(つまり、「一の車輪20」が左前車輪21である場合について説明する)。また、以降で説明される動作は、主として、コントローラー400により実現される。特に、本実施の形態においては、メモリー404に格納されたプログラムをCPU402が処理することにより実現される。そして、このプログラムは、以下で説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
左前車輪21が路面上の凸部50に差し掛かった(本実施の形態においては、左前車輪21が路面上の凸部50に接触した)際に(図7の左図参照)、車10は、車輪モードから脚モードへ移行するが、左前車輪21を上げて凸部50に乗せる車輪乗せ動作を実行する前に、先ず、当該車輪乗せ動作の準備動作(第一準備動作に相当)を行う。
準備動作について説明すると、車輪乗せ動作においては、左前車輪21を上げる(すなわち、路面から離す)こととなるため、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24の3つの車輪20で車10を支持することとなる。そして、かかる際に、車10が倒れないように、車10の安定性を考慮する必要がある。そこで、本実施の形態においては、上げられた左前車輪21以外の3つの車輪20で車10が支持されるときの安定度(本実施の形態においては、当該安定度を、便宜上、安定余裕Sと呼ぶ)を、準備動作を実行することにより増加させる。
ここで、安定余裕Sについて、図8を用いて説明する。図8の左右の図には、法線方向が鉛直方向(Z軸方向)と一致するXY平面(すなわち、紙面)に、車10が表されている。符号R21で示された白丸(白丸は、車輪20が路面から離れ上げられた状態を表している。他の図においても同様)、符号R22、R23、R24で示された黒丸(黒丸は、車輪20が路面に接した状態を表している。他の図においても同様)は、それぞれ、車10の左前車輪21、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24をXY平面上に投影した投影点である(右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24が鉛直方向において同じ高さに位置する場合には、XY平面は路面と一致し、符号R22、R23、R24で示された黒丸は、それぞれ、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24の接地点となる)。また、符号Cで表された黒丸は、車10の重心をXY平面上に投影した投影点である。
左図と右図を比較すると、右図のケースにおいては、黒丸(重心)Cが、黒丸(右前車輪)R22、黒丸(左後車輪)R23、黒丸(右後車輪)R24により形成される三角形の外部に位置する一方で、左図のケースにおいては、黒丸(重心)Cが、当該三角形の内部に位置している。そして、右図のケースにおいては、黒丸(重心)Cが三角形の外部に位置しているため、左前車輪21を上げて3つの車輪20で車10を支持することとなった際に、車10が左斜め前方向に倒れる可能性が高い。これに対し、左図のケースにおいては、黒丸(重心)Cが三角形の内部に位置しているため、車10が倒れる可能性が低い。
上記を踏まえて、安定余裕Sは、以下のように定義される。すなわち、安定余裕Sは、黒丸(重心)Cから三角形の各辺に下ろした垂線の足F1、F2、F3と黒丸(重心)Cとの距離CF1、距離CF2、距離CF3のうちの最短距離(図8の左図及び右図においては、距離CF3となる)であり、黒丸(重心)Cが三角形の内部に位置していれば、正の値を、黒丸(重心)Cが三角形の外部に位置していれば、負の値を採る。例えば、図8の左図において、距離CF3がd1であれば、S=d1となる。一方で、図8の右図において、距離CF3がd2であれば、S=−d2となる。
このように、安定余裕Sは、換言すれば、その絶対値が、法線方向が鉛直方向である平面上に一の車輪20(左前車輪21)以外の3つの車輪20を投影した3つの車輪投影点により形成される三角形の各辺に、車10の重心を前記平面上に投影した重心投影点から下ろした3つの垂線のうち、最も短い垂線の長さであり、かつ、その符号が、前記重心投影点が前記三角形の内部に位置するときには正であり、前記重心投影点が前記三角形の外部に位置するときには負である値と言える。
ここで、車輪乗せ動作の準備動作の説明に戻って、説明を続ける。前述したとおり、準備動作は、上述した安定余裕Sを増加させることを目的として実行される。すなわち、図7の中央図に示すように、2つの車輪支持アーム38のうちの一の車輪20(左前車輪21)を支持していない方の車輪支持アーム38(すなわち、後側車輪支持アーム42。他方の支持体に相当)が、当該準備動作として、安定余裕Sを増加させるように、前記第二回動動作(車輪20が前後方向に移動するように回動する回動動作)を実行して後側車輪支持アーム42により支持された車輪20の路面上の位置を変更する。
具体的には、後側車輪支持アーム42が、左後車輪23が前方向に、右後車輪24が後方向に、それぞれ移動するように、換言すれば、上方から車10を見たときに後側車輪支持アーム42が時計回りに回動するように、前述した回動軸202を支点とした第二回動動作を実行する。そして、かかる第二回動動作は、図7の左図における三角形と重心Cの位置関係と図7の中央図における当該位置関係とを比較することにより明らかなとおり、安定余裕Sを増加させるような第二回動動作となる(一方で、図7の中央図とは逆方向(すなわち、反時計回り)に後側車輪支持アーム42を、仮に回動させることとすれば、安定余裕Sは減少することとなる)。
また、本実施の形態に係る後側車輪支持アーム42は、安定余裕Sが後側車輪支持アーム42の可動範囲の中で最も高くなる回動位置まで回動する第二回動動作を実行する。本実施の形態においては、後側車輪支持アーム42が時計回りに回動すれば回動するほど安定余裕Sが大きくなるため、第二回動動作において、後側車輪支持アーム42が可動限界まで切られることとなる(図7の中央図に示された後側車輪支持アーム42の回動位置が、本実施の形態に係る後側車輪支持アーム42が可動限界まで切られたときの当該回動位置となっている)。
なお、安定余裕Sを増加させる第二回動動作は、凸部50に乗せる車輪20がどの車輪20か(「一の車輪」がどの車輪20であるか)によって、異なる。例えば、一の車輪20が右前車輪22である場合には、他方の支持体としての後側車輪支持アーム42が、前記準備動作として、左後車輪23が後方向に、右後車輪24が前方向に、それぞれ移動するように回動軸202を支点とした第二回動動作を実行する。また、一の車輪20が左後車輪23である場合には、他方の支持体としての前側車輪支持アーム40が、前記準備動作として、左前車輪21が後方向に、右前車輪22が前方向に、それぞれ移動するように回動軸202を支点とした第二回動動作を実行する。また、一の車輪20が右後車輪24である場合には、他方の支持体としての前側車輪支持アーム40が、前記準備動作として、左前車輪21が前方向に、右前車輪22が後方向に、それぞれ移動するように回動軸202を支点とした第二回動動作を実行する。図9は、これまでに説明した凸部50に乗せる車輪20毎の第二回動動作について表に纏めたものである。
準備動作が終了すると、コントローラー400が、準備動作としての前記第二回動動作の実行により変更される車輪20の路面上の位置に基づいて、安定余裕Sが閾値より大きいか否かを判定する安定度判定処理(以下、安定余裕判定処理と呼ぶ)を実施する。すなわち、第二回動動作が実行され左後車輪23が前方向に右後車輪24が後方向にそれぞれ移動したことによって安定余裕Sが変化することとなったが、コントローラー400は、変化した当該安定余裕Sが閾値より大きいか否かを判定する。
なお、本実施の形態に係る安定余裕判定処理においては、閾値を0とし、S>0を満足するか否かを判定する。すなわち、車10の重心の前記重心投影点が一の車輪20(左前車輪21)以外の3つの車輪20の前記車輪投影点により形成される前記三角形の内部に位置するか否かを判定する。そして、このことは、当該重心から鉛直方向に下ろした仮想線が、前記一の車輪20(左前車輪21)以外の3つの車輪20の各々が路面と接する接地点を結ぶ三角形(この三角形は、必ずしも法線方向が鉛直方向と一致するXY平面上にあるとは限らない)の内部と交わるか否かを判定しているとも言える。
このように、車輪乗せ動作が開始される前に、安定余裕判定処理を実施する理由は、以下の通りである。すなわち、準備動作を行えば、安定余裕Sは増加するが、安定余裕Sが閾値を越えるまで増加するとは限らない。
図10には、車10が右カーブを行っている途中で凸部50に左前車輪21が差し掛かり、その後準備動作が行われた例が示されている。かかる車10においては、後側車輪支持アーム42の回動可能範囲が、前側車輪支持アーム40の回動可能範囲よりも狭くなっており、準備動作において後側車輪支持アーム42が図10に示すように可動限界まで切られたとしても、S>0を満足しない状況が生じ得る。
以上のことから、本実施の形態に係るコントローラー400は、車輪乗せ動作が開始される直前に、安定余裕判定処理を行い、安定余裕Sが閾値よりも大きいと判定した(すなわち、S>0と判定した)ときのみ、車輪乗せ動作が開始される。
また、本実施の形態においては、コントローラー400が、当該安定余裕判定処理に加えて、以下に説明する歩幅判定処理を行う。
歩幅判定処理とは、一の車輪20(左前車輪21)を支持する一方の支持体としての前側車輪支持アーム40が、該一の車輪20(左前車輪21)が前方向に移動するように第二回動動作を実行して車輪乗せ動作を行う場合に、一の車輪20(左前車輪21)が前方向に移動する際の歩幅が閾値より大きいか否かを判定する処理である。すなわち、車輪乗せ動作においては、左前車輪21を凸部50に乗せるために、前側車輪支持アーム40が第二回動動作を行って左前車輪21を前方向へ移動させる(前方へ運ぶ)が、左前車輪21を凸部50に乗せるのに十分な歩幅(前後方向における左前車輪21の移動量)が採れない場合がある。
図11には、図10と同様、車10が右カーブを行っている途中で凸部50に左前車輪21が差し掛かり、その後準備動作が行われた例が示されている。かかる車10においては、図10とは異なり、後側車輪支持アーム42の回動可能範囲が前側車輪支持アーム40の回動可能範囲と略同等となっており、準備動作において後側車輪支持アーム42が可動限界まで切られると、S>0を満足する。しかしながら、右カーブのために可動限界ぎりぎりまで前側車輪支持アーム40を時計回りに切っていたため、図11の状態からさらに前側車輪支持アーム40を時計回りに切って、左前車輪21を凸部50に乗せる(ための歩幅を生じさせる)ことが困難となっている。
以上のことから、コントローラー400は、車輪乗せ動作の実行可能性を確認するために、車輪乗せ動作が開始される直前に歩幅判定処理を行う。なお、図12に示された凸部50と左前車輪21との位置関係から明らかなように、左前車輪21が前方向に移動する際に移動可能な最大歩幅(前後方向における左前車輪21の最大移動量)が、左前車輪21の半径rよりも大きい場合には、左前車輪21を凸部50に乗せることが可能となるため、本実施の形態においては、歩幅が閾値よりも大きいか否かを、当該最大歩幅が当該半径rよりも大きいか否かによって判定する。
上述したとおり、コントローラー400は、車輪乗せ動作が開始される直前に、安定余裕判定処理と歩幅判定処理を行う。そして、双方において是と判定する安定余裕歩幅クリア判定が得られたときのみ、車輪乗せ動作が開始される。なお、安定余裕歩幅クリア判定が得られなかった場合には、後述する第二準備動作が実行される。
車輪乗せ動作は、4つの車輪20のうちの少なくとも一の車輪20(左前車輪21)が路面上の凸部50に差し掛かった際に、該一の車輪20(左前車輪21)を支持する前記2つの支持体のうちの一方の支持体(前側車輪支持アーム40)が、該一の車輪20(左前車輪21)が上方向に移動するように前記第一回動動作を、該一の車輪20(左前車輪21)が前方向に移動するように前記第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪20(左前車輪21)を上げて凸部50に乗せる動作である。
具体的に説明すると、前側車輪支持アーム40は、左前車輪21が上方向に移動するように、車10の正面から見て反時計回りに、右前車輪22を支点として、前記第一回動動作を実行する(図7の中央図の車10→図7右図の一点鎖線の車10)。このことにより、右前車輪22が路面に接地している状態が維持されたまま(右前車輪22が、図7右図の一点鎖線の車10において、黒丸のままであることがこのことを表している)、左前車輪21が上方に上がることとなる(左前車輪21が、図7右図の一点鎖線の車10において、黒丸から白丸に変化していることがこのことを表している)。
さらに、前側車輪支持アーム40は、左前車輪21が前方向に移動するように、車10の上方から見て時計回りに、右前車輪22を支点として、前記第二回動動作を実行する(図7右図の一点鎖線の車10→図7右図の実線の車10)。このことにより、右前車輪22が路面上を移動せずその場で止まっている状態が維持されたまま、左前車輪21が前方に運ばれることとなる。
このようにして、図7右図に示すように、左前車輪21が凸部50に乗ることとなる。なお、第一回動動作と第二回動動作の動作順については、前者が完了してから後者が開始されてもよいし、平行実施されることとしてもよい。
<第二準備動作について>
上述したとおり、コントローラー400は、車輪乗せ動作が開始される直前に、安定余裕判定処理と歩幅判定処理を行うが、双方において是と判定する前記安定余裕歩幅クリア判定が得られなかった場合には、第二準備動作が実行される。
第二準備動作について説明すると、この第二準備動作は、安定余裕Sや歩幅を増加させて、安定余裕Sや歩幅を閾値よりも大きくする目的で、前記一の車輪(車輪乗せ動作において凸部50に乗せる車輪)を支持する一方の支持体(車輪支持アーム38)により実施される動作である。すなわち、コントローラー400が安定余裕判定処理において否と判定した際には、一方の支持体(車輪支持アーム38)が、第二準備動作として、安定余裕Sを増加させるように前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作(つまり、車輪支点第二回動動作)を実行する。また、コントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した際には、一方の支持体(車輪支持アーム38)が、第二準備動作として、歩幅を増加させるように前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作(つまり、車輪支点第二回動動作)を実行する。
具体的に、図13を用いて説明する。図13の左図には、図10で示した車10と同じ状態の車10が表されている。そして、かかる状態においては、安定余裕Sと歩幅の双方が閾値よりも小さくなっている(安定余裕Sについては、重心Cが三角形の外部に位置していることから、このことが理解できる。また、歩幅については、右カーブのために可動限界ぎりぎりまで前側車輪支持アーム40を時計回りに切っていたため、図13の左図の状態からさらに前側車輪支持アーム40を時計回りに切って、左前車輪21を凸部50に乗せる(ための歩幅を生じさせる)ことが困難となっている)。
そして、かかる状態において、前側車輪支持アーム40が、右前車輪22が前方向に移動するように、換言すれば、上方から車10を見たときに前側車輪支持アーム40が反時計回りに回動するように、左前車輪21を支点とした第二回動動作を実行する(図13の左図→図13の中央図)。そして、かかる第二回動動作は、図13の左図における三角形と重心Cの位置関係と図13の中央図における当該位置関係とを比較することにより明らかなとおり、安定余裕Sを増加させるような第二回動動作となる(一方で、図13の中央図とは逆方向(すなわち、時計回り)に前側車輪支持アーム40を、仮に回動させることとすれば、安定余裕Sは減少することとなる)。さらに、当該第二回動動作により、前側車輪支持アーム40と車体12との成す角は、直角に近づくこととなり、車10は前側車輪支持アーム40を時計回りに切れる状態となる。したがって、当該第二回動動作は、歩幅を増加させるような第二回動動作となる。
このように、図13の左図の状態においては(すなわち、コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方において否と判定した際には)、前側車輪支持アーム40が、第二準備動作として、右前車輪22が前方向に移動するように左前車輪21を支点とした第二回動動作を実行する。なお、図13においては、安定余裕Sと歩幅の双方が閾値よりも小さい例(コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方において否と判定した例)を示したが、一方のみが閾値よりも小さい場合(コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の一方のみにおいて否と判定した場合)も、同様の第二回動動作が実行される。
なお、本実施の形態においては、コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理のいずれかの処理において否と判定し、前記一方の支持体(前側車輪支持アーム40)が、第二準備動作として、一の車輪(左前車輪21)を支点とした第二回動動作を実行している間、コントローラー400は、前記いずれかの処理を実行し、該いずれかの処理において是と判定した際に、前記一方の支持体(前側車輪支持アーム40)は、一の車輪(左前車輪21)を支点とした前記第二回動動作の実行を停止する。
つまり、コントローラー400が安定余裕判定処理において否と判定した結果第二準備動作が実行された際に、その実行の間(実行中)、コントローラー400は安定余裕判定処理を継続して実行する。そして、コントローラー400が、安定余裕判定処理において是と判定した際に、第二準備動作を停止する。すなわち、コントローラー400は、第二準備動作において、常時、安定余裕Sをモニターし、安定余裕Sが閾値を越えたところで第二準備動作を終了する。
同様に、コントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した結果第二準備動作が実行された際に、その実行の間(実行中)、コントローラー400は歩幅判定処理を継続して実行する。そして、コントローラー400が、歩幅判定処理において是と判定した際に、第二準備動作を停止する。すなわち、コントローラー400は、第二準備動作において、常時、歩幅をモニターし、歩幅が閾値を越えたところで第二準備動作を終了する。
また、当然のことながら、コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方において否と判定した結果第二準備動作が実行された際には、その実行の間(実行中)、コントローラー400は安定余裕判定処理及び歩幅判定処理を継続して実行する。そして、コントローラー400が、安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方において是と判定した際に、第二準備動作を停止する。すなわち、コントローラー400は、第二準備動作において、常時、安定余裕S及び歩幅をモニターし、安定余裕S及び歩幅が閾値を越えたところで第二準備動作を終了する。
第二準備動作が終了し、安定余裕S及び歩幅が閾値を越えると、前述した車輪乗せ動作が開始される。そして、車輪乗せ動作が終了すると、図13の右図に示すように、左前車輪21が凸部50に乗ることとなる。なお、第二準備動作としての前記第二回動動作を実行しても、安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方が閾値を越えた状態とならない場合には、車輪20を逆回転させてバックする車輪モードによる走行が行われる。
なお、上記においては、前記一の車輪20が左前車輪21である場合について説明したが、前記一の車輪20が右前車輪22である場合にも、前側車輪支持アーム40は、同様の第二準備動作を実行する。すなわち、前側車輪支持アーム40が、第二準備動作として、左前車輪21が前方向に移動するように右前車輪22を支点とした第二回動動作を実行することとなる。
一方で、前記一の車輪20が後側の車輪20である場合には、上記とは異なった第二準備動作が実行される。前記一の車輪20が左後車輪23である場合を例に挙げて、具体的に、図14を用いて説明する。図14の左図には、車輪乗せ動作が開始される直前に安定余裕判定処理及び歩幅判定処理が行われ、安定余裕Sが閾値よりも大きいと判定された一方で、歩幅が閾値よりも小さいと判定されたときの車10の状態が表されている(安定余裕Sについては、重心Cが三角形の内部に位置していることから、このことが理解できる。また、歩幅については、右カーブのために可動限界ぎりぎりまで後側車輪支持アーム42を時計回りに切っていたため、図14の左図の状態からさらに後側車輪支持アーム42を時計回りに切って、左後車輪23を凸部50に乗せる(ための歩幅を生じさせる)ことが困難となっている)。
そして、かかる状態においては、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、歩幅を増加させるように左後車輪23を支点とした第二回動動作を実行する。すなわち、後側車輪支持アーム42が、右後車輪24が前方向に移動するように、換言すれば、上方から車10を見たときに後側車輪支持アーム42が反時計回りに回動するように、左後車輪23を支点とした第二回動動作を実行する(図14の左図→図14の中央図)。そして、当該第二回動動作により、後側車輪支持アーム42と車体12との成す角は、直角に近づくこととなり、車10は後側車輪支持アーム42を時計回りに切れる状態となる。したがって、当該第二回動動作は、歩幅を増加させるような第二回動動作となる。
なお、前述したとおり、前記一の車輪20が前側の車輪20である場合には、前側車輪支持アーム40が、第二準備動作として、歩幅を増加させるように前記一の車輪を支点とした第二回動動作を実行した際には、同様に安定余裕Sも増加させることができた。すなわち、歩幅を増加させるための前側車輪支持アーム40の回動方向と安定余裕Sを増加させるための前側車輪支持アーム40の回動方向は一致していた。
しかしながら、当該ケース(すなわち、前記一の車輪20が後側の車輪20である場合)においては、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、歩幅を増加させるように前記一の車輪を支点とした第二回動動作を実行した際には、安定余裕Sは減少する(図14の左図における三角形と重心Cの位置関係と図14の中央図における当該位置関係とを比較参照)。すなわち、歩幅を増加させるための後側車輪支持アーム42の回動方向と安定余裕Sを増加させるための後側車輪支持アーム42の回動方向は逆となる。
そのため、本実施の形態においては、コントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した結果第二準備動作が実行された際に、その実行の間(実行中)、コントローラー400は歩幅判定処理を継続して実行するが、これに加えて安定余裕判定処理も継続して実行する。そして、コントローラー400が、歩幅判定処理において是と判定した際に、安定余裕判定処理においても是であることを条件に、第二準備動作を停止する。
第二準備動作が終了し、安定余裕S及び歩幅が閾値を越えると、前述した車輪乗せ動作が開始される。そして、車輪乗せ動作が終了すると、図14の右図に示すように、左後車輪23が凸部50に乗ることとなる。なお、第二準備動作としての前記第二回動動作を実行しても、安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方が閾値を越えた状態とならない場合(例えば、第二準備動作の実行中に、歩幅が閾値よりも大きくなる前に、安定余裕Sが閾値以下となってしまった場合)には、車輪20を逆回転させてバックする車輪モードによる走行が行われる。
次に、図15に着目すると、図15の左図には、車輪乗せ動作が開始される直前に安定余裕判定処理及び歩幅判定処理が行われ、歩幅が閾値よりも大きいと判定された一方で、安定余裕Sが閾値よりも小さいと判定されたときの車10の状態が表されている(安定余裕Sについては、重心Cが三角形の外部に位置していることから、このことが理解できる)。
そして、かかる状態においては、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、安定余裕Sを増加させるように左後車輪23を支点とした第二回動動作を実行する。すなわち、後側車輪支持アーム42が、右後車輪24が後方向に移動するように、換言すれば、上方から車10を見たときに後側車輪支持アーム42が時計回りに回動するように、左後車輪23を支点とした第二回動動作を実行する(図15の左図→図15の中央図)。そして、かかる第二回動動作は、図15の左図における三角形と重心Cの位置関係と図15の中央図における当該位置関係とを比較することにより明らかなとおり、安定余裕Sを増加させるような第二回動動作となる(一方で、当該第二回動動作は、図15の左図と中央図とを比較することにより明らかなとおり、歩幅を減少させるような第二回動動作となっている)。
そして、第二準備動作の実行中、コントローラー400は安定余裕判定処理を継続して実行すると共に、これに加えて歩幅判定処理も継続して実行する。そして、コントローラー400が、安定余裕判定処理において是と判定した際に、歩幅判定処理においても是であることを条件に、第二準備動作を停止する。
第二準備動作が終了し、安定余裕S及び歩幅が閾値を越えると、前述した車輪乗せ動作が開始される。そして、車輪乗せ動作が終了すると、図15の右図に示すように、左後車輪23が凸部50に乗ることとなる。なお、第二準備動作としての前記第二回動動作を実行しても、安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方が閾値を越えた状態とならない場合(例えば、第二準備動作の実行中に、安定余裕Sが閾値よりも大きくなる前に、歩幅が閾値以下となってしまった場合)には、車輪20を逆回転させてバックする車輪モードによる走行が行われる。
なお、上記においては、左後車輪23の車輪乗せ動作が開始される直前に、安定余裕判定処理と歩幅判定処理を行われ、安定余裕判定処理においてのみ否となった場合と歩幅判定処理においてのみ否となった場合に、第二準備動作が実行されることを述べたが、双方が否となった場合には、第二準備動作は実行されず、車輪20を逆回転させてバックする車輪モードによる走行が行われる。
また、上記においては、前記一の車輪20が後側の車輪20である例として前記一の車輪20が左後車輪23である場合について説明したが、前記一の車輪20が右後車輪24である場合にも、後側車輪支持アーム42は、同様の第二準備動作を実行する。すなわち、歩幅判定処理においてのみ否となった場合には、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、左後車輪23が前方向に移動するように右後車輪24を支点とした第二回動動作を実行し、安定余裕判定処理においてのみ否となった場合には、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、左後車輪23が後方向に移動するように右後車輪24を支点とした第二回動動作を実行する。図16は、これまでに説明した第二準備動作について表に纏めたものである。
===本実施の形態に係る車10の有効性について===
上述したとおり、本実施の形態に係る車10は、4つの車輪20である左前車輪21、右前車輪22、左後車輪23、右後車輪24と、2つの車輪支持アーム38である前側車輪支持アーム40及び後側車輪支持アーム42であって、該前側車輪支持アーム40は長手方向両端部にて左前車輪21及び右前車輪22を回転可能に支持し、該後側車輪支持アーム42は長手方向両端部にて左後車輪23及び右後車輪24を回転可能に支持する前側車輪支持アーム40及び後側車輪支持アーム42と、を有することとした。そして、2つの車輪支持アーム38の各々は、車輪20が上下方向に移動するように回動する第一回動動作と、車輪20が前後方向に移動するように回動する第二回動動作と、を実行可能であり、4つの車輪20のうちの少なくとも一の車輪20が路面上の凸部50に差し掛かった際に、該一の車輪20を支持する前記2つの車輪支持アーム38のうちの一方の車輪支持アーム38が、該一の車輪20が上方向に移動するように第一回動動作を、該一の車輪20が前方向に移動するように第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪20を上げて凸部50に乗せる車輪乗せ動作を行うこととした。
そして、前記一の車輪20を支持する前記一方の車輪支持アーム38は、車輪乗せ動作の準備動作として、前記一の車輪20を支点とした第二回動動作を実行することとした。そのため、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能な車10を実現することが可能となる。
すなわち、前述したとおり、上述した車輪乗せ動作を適切に行うために、考慮すべき点がある。
例えば、上述した車輪乗せ動作においては、前記一の車輪20を上げることとなるため、この車輪20以外の3つの車輪20で車10が支持されることとなる。そのため、車10が倒れないように、車10の安定性を考慮する必要がある。
また、車輪乗せ動作においては、前記一の車輪20を凸部50に乗せるために、前記一方の車輪支持アーム38が第二回動動作を実行して一の車輪20を前方向に移動させるが、一の車輪20を凸部50に乗せるのに十分な歩幅が採れることを考慮する必要がある。
一方で、車輪モードと脚モードの双方を実行できる車10を簡易(シンプル)に実現したいという要請がある。
したがって、上記を考慮して車輪乗せ動作を適切なものとするために特別な機構を車10に設けるのは、当該要請に反することとなる。例えば、車10の重心の位置を変えるための重しと当該重しを移動(例えば、スライド)させて当該重心の位置を変化させる機構を車10に搭載し、車輪乗せ動作の前に、適切な安定性を得るため当該機構により重心を移動させることが考えられる。しかしながら、このような機構を車10に設けると、車10の構成が複雑になる。また、歩幅を状況に応じて大きくすることができるような特別な機構を設けるのも、同様に車10の構成が複雑化する。
これに対し、本実施の形態においては、既存の車輪支持アーム38の回動機構を用いて、車10の安定性や歩幅等の前記考慮点を向上させ、車輪乗せ動作を適切に行うことができる。したがって、特別な機構を車10に設ける必要がなく、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能な車10を実現することが可能となる。
また、上記実施の形態においては、前記一の車輪20を支持する一方の車輪支持アーム38が前側車輪支持アーム40であり、他方の車輪支持アーム38が後側車輪支持アーム42である場合に、コントローラー400が安定余裕判定処理において否と判定した際とコントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した際には、一方の車輪支持アーム38(前側車輪支持アーム40)は、第二準備動作として、前記一の車輪20ではない方の車輪20が前方向に移動するように、前記一の車輪20を支点とした第二回動動作を実行することとした。
そのため、既存の前側車輪支持アーム40の回動機構を用いて、前側の車輪20の車輪乗せ動作に対応した(特化した)第二準備動作が適切に実行され、したがって、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能となる。
また、上記実施の形態においては、前記一の車輪20を支持する一方の車輪支持アーム38が後側車輪支持アーム42であり、他方の車輪支持アーム38が前側車輪支持アーム40である場合に、コントローラー400が安定余裕判定処理において否と判定した際には、一方の車輪支持アーム38(後側車輪支持アーム42)は、第二準備動作として、前記一の車輪20ではない方の車輪20が後方向に移動するように、前記一の車輪20を支点とした第二回動動作を実行し、コントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した際には、一方の車輪支持アーム38(後側車輪支持アーム42)は、第二準備動作として、前記一の車輪20ではない方の車輪20が前方向に移動するように、前記一の車輪20を支点とした第二回動動作を実行することとした。
そのため、既存の後側車輪支持アーム42の回動機構を用いて、後側の車輪20の車輪乗せ動作に対応した(特化した)第二準備動作が適切に実行され、したがって、車輪乗せ動作を適切に行うことが可能となる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
上記実施の形態においては、前記一の車輪20を支持する前記一方の車輪支持アーム38が、車輪乗せ動作の第二準備動作として、前記一の車輪20を支点とした第二回動動作を実行することに加え、2つの車輪支持アーム38のうちの他方の車輪支持アーム38が、車輪乗せ動作の第一準備動作として、上げられた一の車輪20以外の3つの車輪20で車10が支持されるときの前記車10の安定度を増加させるように、第二回動動作を実行して他方の車輪支持アーム38により支持された車輪20の路面上の位置を変更することとした。すなわち、上記実施の形態においては、第二準備動作だけでなく第一準備動作も行われることとしたが、これに限定されるものではなく、第一準備動作は行われずに第二準備動作だけが行われることとしてもよい。ただし、既存の車輪支持アーム38の回動機構を用いて双方の準備動作が行われることにより、構成が簡易であり、かつ、車輪乗せ動作をより適切に行うことが可能な車10を実現することが可能となる点で、上記実施の形態の方が望ましい。
また、上記実施の形態においては、第一準備動作を行ってから第二準備動作を行ったが、第二準備動作を行ってから第一準備動作を行うこととしてもよい。
また、上記実施の形態においては、第一準備動作としての第二回動動作の実行により変更される車輪20の路面上の位置に基づいて、安定余裕Sが閾値より大きいか否かを判定する安定余裕判定処理と、前記一方の車輪支持アーム38が、前記一の車輪20が前方向に移動するように第二回動動作を実行して車輪乗せ動作を行う場合に、該一の車輪20が前方向に移動する際の歩幅が、閾値より大きいか否かを判定する歩幅判定処理と、を実施するコントローラー400を備え、前記一方の車輪支持アーム38は、コントローラー400が安定余裕判定処理及び歩幅判定処理の双方において是と判定する安定余裕歩幅クリア判定が得られなかった場合に、第二準備動作を実行し、コントローラー400が安定余裕判定処理において否と判定した際には、前記一方の車輪支持アーム38は、第二準備動作として、安定余裕Sを増加させるように第二回動動作を実行し、コントローラー400が歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の車輪支持アーム38は、第二準備動作として、歩幅を増加させるように第二回動動作を実行することとした。すなわち、第二準備動作は、車輪乗せ動作の準備動作として常に行われるのではなく、第一準備動作の実行後一定の条件を満たしたときのみ、つまり、安定余裕歩幅クリア判定が得られなかった場合にのみ、行われることとした。しかしながら、これに限定されるものではなく、以下に説明するように、第二準備動作は、車輪乗せ動作の準備動作として常に行われることとしてもよい。
前述したとおり(図15の例等で説明したとおり)、後側車輪支持アーム42が、第二準備動作として、安定余裕Sを増加させるように一の車輪20(例えば、右後車輪24)を支点とした第二回動動作を実行する際には、当該一の車輪20ではない方の車輪20(例えば、左後車輪23)が後方向に移動することとなる。
したがって、左後車輪23を凸部50に乗せる車輪乗せ動作(便宜上、先の車輪乗せ動作とする)が行われた後、すぐに右後車輪24を凸部50に乗せる車輪乗せ動作(便宜上、後の車輪乗せ動作とする)が行われる状況(一例を挙げると、左前車輪21及び右前車輪22が階段上の段差を上がった後に、左後車輪23及び右後車輪24が当該段差をこれから上ろうとしている状況)においては、右後車輪24の(後の)車輪乗せ動作の(安定余裕Sを増加させるための)第二準備動作が実行される際に、左後車輪23についての(先の)車輪乗せ動作により一旦凸部50に乗った左後車輪23が、後方向へ移動することにより、凸部50から戻り落ちてしまう事象が起こり得る。
そして、当該事象が起こり得ることを考慮して、左後車輪23を凸部50に乗せる(先の)車輪乗せ動作の第二準備動作(後側車輪支持アーム42による左後車輪23を支点とした第二回動動作)を、該(先の)車輪乗せ動作の第一準備動作後の判定処理の結果にかかわらず(すなわち、当該判定処理において、安定余裕歩幅クリア判定が得られた場合であっても)、または、当該判定処理を行うことなく、実行する場合が考えられる。
例えば、当該(先の)車輪乗せ動作の第一準備動作後の判定処理において、安定余裕歩幅クリア判定が得られた場合であっても、第二準備動作を省略するのではなく、第二準備動作を実施する。そして、当該第二準備動作は、安定余裕S及び歩幅が閾値より大きいこと(すなわち、安定余裕歩幅クリア判定)を維持しつつ(安定余裕Sや歩幅が減っても閾値より大きければよい)、引き続いてすぐ行われる(後の)車輪乗せ動作(すなわち、右後車輪24の車輪乗せ動作)の第二準備動作が行われたとしても左後車輪23が戻り落ちないような位置まで、後側車輪支持アーム42を所定角度回動させる。
このように、かかる例は、第二準備動作が車輪乗せ動作の準備動作として常に行われる例であり、路面の性質により前述した状況が頻繁に発生することが想定される場合には、有効なものとなる。しかしながら、当該例は、第一準備動作後の判定処理において、安定余裕歩幅クリア判定が得られた場合であっても、第二準備動作を行うこととなるため、車10の移動の速さという点では、上記実施の形態で説明した例の方がより望ましい。
また、上記実施の形態に係るコントローラー400は、前記準備動作としての前記第二回動動作の実行により変更される車輪20の路面上の位置に基づいて、安定余裕Sが閾値より大きいか否かを、前記車10の重心から鉛直方向に下ろした仮想線が、前記一の車輪20以外の3つの車輪20の各々が前記路面と接する接地点を結ぶ三角形の内部と交わるか否かによって判定することとした。また、歩幅が閾値よりも大きいか否かを、前記一の車輪20が前方向に移動する際に移動可能な最大歩幅が、前記一の車輪20の半径rよりも大きいか否かによって判定することとした。
しかしながら、安定余裕Sや歩幅が閾値より大きいか否かを判定する方法は、これに限定されるものではなく、他の方法でも構わない。
ただし、簡便な方法で、安定余裕Sや歩幅が閾値より大きいか否かを判定することができる点で上記実施の形態の方が望ましい。
10 車
12 車体
14 ケーシング
16 載置台
18 台支持アーム
20 車輪
21 左前車輪
22 右前車輪
23 左後車輪
24 右後車輪
30 モーター
31 左前モーター
32 右前モーター
33 左後モーター
34 右後モーター
38 車輪支持アーム
40 前側車輪支持アーム
42 後側車輪支持アーム
50 凸部
100 第一アクチュエーター
102 アーム支持部
104 駆動モーター
106 駆動力伝達部
110 第一アクチュエーター
200 第二アクチュエーター
201 駆動モーター
202 回動軸
203 駆動力伝達部
203a 駆動プーリー
203b ベルト
203c 従動プーリー
203d 軸
204 連結部
205 アクチュエーター保持部
205a 上端部
205b 下端部
206 軸着部
207 下軸
207a 軸部
207b 固定部
210 第二アクチュエーター
300 第三アクチュエーター
302 駆動モーター
304 回動軸
306 駆動力伝達部
400 コントローラー
402 CPU
404 メモリー
406 制御回路
500 姿勢センサ
510 内界センサ

Claims (1)

  1. 4つの車輪である左前車輪、右前車輪、左後車輪、右後車輪と、
    2つの支持体である前側支持体及び後側支持体であって、該前側支持体は長手方向両端部にて前記左前車輪及び前記右前車輪を回転可能に支持し、該後側支持体は長手方向両端部にて前記左後車輪及び前記右後車輪を回転可能に支持する前側支持体及び後側支持体と、を有し、
    前記2つの支持体の各々は、車輪が上下方向に移動するように回動する第一回動動作と、車輪が前後方向に移動するように回動する第二回動動作と、を実行可能であり、
    前記4つの車輪のうちの少なくとも一の車輪が路面上の凸部に差し掛かった際に、該一の車輪を支持する前記2つの支持体のうちの一方の支持体が、該一の車輪が上方向に移動するように前記第一回動動作を、該一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を、それぞれ実行することにより、該一の車輪を上げて前記凸部に乗せる車輪乗せ動作を行う車であって、
    前記一の車輪を支持する前記一方の支持体は、前記車輪乗せ動作の準備動作として、前記一の車輪を支点とした前記第二回動動作を実行し、
    前記準備動作は、第二準備動作であり、
    前記2つの支持体のうちの他方の支持体は、前記車輪乗せ動作の第一準備動作として、上げられた前記一の車輪以外の3つの車輪で前記車が支持されるときの前記車の安定度を増加させるように、前記第二回動動作を実行して前記他方の支持体により支持された車輪の前記路面上の位置を変更し、
    前記第一準備動作としての前記第二回動動作の実行により変更される前記車輪の前記路面上の位置に基づいて、前記安定度が閾値より大きいか否かを判定する安定度判定処理と、
    前記一方の支持体が、前記一の車輪が前方向に移動するように前記第二回動動作を実行して前記車輪乗せ動作を行う場合に、該一の車輪が前方向に移動する際の歩幅が、閾値より大きいか否かを判定する歩幅判定処理と、
    を実施するコントローラーを備え、
    前記一方の支持体は、前記コントローラーが前記安定度判定処理及び前記歩幅判定処理の双方において是と判定する安定度歩幅クリア判定が得られなかった場合に、前記第二準備動作を実行し、
    前記コントローラーが前記安定度判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記安定度を増加させるように前記第二回動動作を実行し、
    前記コントローラーが前記歩幅判定処理において否と判定した際には、前記一方の支持体は、前記第二準備動作として、前記歩幅を増加させるように前記第二回動動作を実行することを特徴とする車。
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