以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態は、説明される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返されない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態における車両1の全体ブロック図が説明される。車両1は、エンジン10と、駆動軸16と、第1モータジェネレータ(以下、第1MGと記載する)20と、第2モータジェネレータ(以下、第2MGと記載する)30と、動力分割装置40と、減速機58と、PCU(Power Control Unit)60と、バッテリ70と、前輪80と、後輪82と、スタートスイッチ150と、制動装置120,122,124,126と、通知部168と、ECU(Electronic Control Unit)200とを含む。
この車両1は、エンジン10および第2MG30の少なくとも一方から出力される駆動力によって走行する。エンジン10が発生する動力は、動力分割装置40によって2経路に分割される。2経路のうちの一方の経路は減速機58を介して前輪80へ伝達される経路であり、他方の経路は第1MG20へ伝達される経路である。
第1MG20および第2MG30は、たとえば、三相交流回転電機である。第1MG20および第2MG30は、PCU60によって駆動される。
第1MG20は、動力分割装置40によって分割されたエンジン10の動力を用いて発電してPCU60を経由してバッテリ70を充電するジェネレータとしての機能を有する。また、第1MG20は、バッテリ70からの電力を受けてエンジン10の出力軸であるクランク軸を回転させる。これによって、第1MG20は、エンジン10を始動するスタータとしての機能を有する。
第2MG30は、バッテリ70に蓄えられた電力および第1MG20により発電された電力の少なくともいずれか一方を用いて前輪80に駆動力を与える駆動用モータとしての機能を有する。また、第2MG30は、回生制動によって発電された電力を用いてPCU60を経由してバッテリ70を充電するためのジェネレータとしての機能を有する。
エンジン10は、たとえば、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関である。エンジン10は、複数の気筒102と、複数の気筒102の各々に燃料を供給する燃料噴射装置104とを含む。燃料噴射装置104は、ECU200からの制御信号S1に基づいて、各気筒に対して適切な時期に適切な量の燃料を噴射したり、各気筒に対する燃料の噴射を停止したりする。
さらに、エンジン10には、エンジン10のクランク軸の回転速度(以下、エンジン回転速度と記載する)Neを検出するためのエンジン回転速度センサ11が設けられる。エンジン回転速度センサ11は、検出されたエンジン回転速度Neを示す信号をECU200に送信する。
動力分割装置40は、前輪80を回転させるための駆動軸16、エンジン10の出力軸および第1MG20の回転軸の三要素の各々を機械的に連結する。動力分割装置40は、上述の三要素のうちのいずれか一つを反力要素とすることによって、他の2つの要素間での動力の伝達を可能とする。第2MG30の回転軸は、駆動軸16に連結される。
動力分割装置40は、サンギヤ50と、ピニオンギヤ52と、キャリア54と、リングギヤ56とを含む遊星歯車機構である。ピニオンギヤ52は、サンギヤ50およびリングギヤ56の各々と噛み合う。キャリア54は、ピニオンギヤ52を自転可能に支持するとともに、エンジン10のクランク軸に連結される。サンギヤ50は、第1MG20の回転軸に連結される。リングギヤ56は、駆動軸16を介在して第2MG30の回転軸および減速機58に連結される。
減速機58は、動力分割装置40や第2MG30からの動力を前輪80に伝達する。また、減速機58は、前輪80が受けた路面からの反力を動力分割装置40や第2MG30に伝達する。
PCU60は、バッテリ70に蓄えられた直流電力を第1MG20および第2MG30を駆動するための交流電力に変換する。PCU60は、ECU200からの制御信号S2に基づいて制御されるコンバータおよびインバータ(いずれも図示せず)を含む。コンバータは、バッテリ70から受けた直流電力の電圧を昇圧してインバータに出力する。インバータは、コンバータが出力した直流電力を交流電力に変換して第1MG20および/または第2MG30に出力する。これにより、バッテリ70に蓄えられた電力を用いて第1MG20および/または第2MG30が駆動される。また、インバータは、第1MG20および/または第2MG30によって発電される交流電力を直流電力に変換してコンバータに出力する。コンバータは、インバータが出力した直流電力の電圧を降圧してバッテリ70へ出力する。これにより、第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いてバッテリ70が充電される。なお、コンバータは、省略してもよい。
バッテリ70は、蓄電装置であり、再充電可能な直流電源である。バッテリ70としては、たとえば、ニッケル水素やリチウムイオン等の二次電池が用いられる。バッテリ70の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ70は、上述したように第1MG20および/または第2MG30により発電された電力を用いて充電される他、外部電源(図示せず)から供給される電力を用いて充電されてもよい。なお、バッテリ70は、二次電池に限らず、直流電圧を生成できるもの、たとえば、キャパシタ、太陽電池、燃料電池等であってもよい。
バッテリ70には、バッテリ70の電池温度Tbatを検出するための電池温度センサ156と、バッテリ70の電流IBを検出するための電流センサ158と、バッテリ70の電圧VBを検出するための電圧センサ160とが設けられる。
電池温度センサ156は、電池温度Tbatを示す信号をECU200に送信する。電流センサ158は、電流IBを示す信号をECU200に送信する。電圧センサ160は、電圧VBを示す信号をECU200に送信する。
スタートスイッチ150は、たとえば、プッシュ式スイッチである。スタートスイッチ150は、キーをキーシリンダに差し込んで所定の位置まで回転させるものであってもよい。スタートスイッチ150は、ECU200に接続される。車両1の乗員がスタートスイッチ150を操作することに応じて、スタートスイッチ150は、信号STをECU200に送信する。
ECU200は、たとえば、車両1のシステムが停止状態である場合に信号STを受信した場合に、起動指示を受けたと判断して、車両1のシステムを停止状態から起動状態に移行させる。また、ECU200は、車両1のシステムが起動状態である場合に信号STを受信した場合に、停止指示を受けた判断して、車両1のシステムを起動状態から停止状態に移行させる。以下の説明において、車両1のシステムが起動状態である場合に乗員がスタートスイッチ150を操作することをIGオフ操作といい、車両1のシステムが停止状態である場合に乗員がスタートスイッチ150を操作することをIGオン操作という。また、車両1のシステムが起動状態に移行した場合には、車両1が走行するために必要な複数の機器に電力が供給されるなどして、作動可能な状態となる。一方、車両1のシステムが停止状態に移行した場合には、車両1が走行するために必要な複数の機器のうちの一部への電力の供給が停止されるなどして、作動停止状態となる。
第1レゾルバ12は、第1MG20に設けられる。第1レゾルバ12は、第1MG20の回転速度Nm1を検出する。第1レゾルバ12は、検出された回転速度Nm1を示す信号をECU200に送信する。第2レゾルバ13は、第2MG30に設けられる。第2レゾルバ13は、第2MG30の回転速度Nm2を検出する。第2レゾルバ13は、検出された回転速度Nm2を示す信号をECU200に送信する。
車輪速センサ14は、前輪80の回転速度Nwを検出する。車輪速センサ14は、検出された回転速度Nwを示す信号をECU200に送信する。ECU200は、受信した回転速度Nwに基づいて車両1の速度Vを算出する。なお、ECU200は、回転速度Nwに代えて第2MG30の回転速度Nm2に基づいて車両1の速度Vを算出するようにしてもよい。なお、図1においては、車輪速センサ14が前輪80の右側の車輪に設けられる場合を一例として説明したが、車輪速センサ14は、前輪80の右側に限定して設けられるものではなく、前輪80および後輪82のうちの少なくともいずれか一つの車輪に設けられてもよい。
通知部168は、ECU200からの制御信号S4に基づいて、車両1の乗員に情報を通知する。通知部168は、たとえば、たとえば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置であってもよいし、あるいは、警告音あるいは音声を発生させる音発生装置であってもよい。
ブレーキペダル170は、運転席に設けられ、マスターシリンダ172に接続される。マスターシリンダ172は、乗員によるブレーキペダル170の踏み込み量に応じた油圧を発生させる。マスターシリンダ172は、ブレーキペダル170の操作によって発生した油圧をブレーキアクチュエータ174に供給する。
ブレーキペダル170には、ペダルストロークセンサ176が設けられる。ペダルストロークセンサ176は、ブレーキペダル170の踏み込み量Stを検出する。ペダルストロークセンサ176は、検出したブレーキペダル170の踏み込み量Stを示す信号をECU200に送信する。
さらに、マスターシリンダ172には、マスターシリンダ172内の油圧(以下、マスターシリンダ圧と記載する)Pmを検出するマスターシリンダ圧センサ178が設けられる。マスターシリンダ圧センサ178は、マスターシリンダ圧Pmを示す信号をECU200に送信する。
ブレーキアクチュエータ174は、ポンプ、アキュムレータおよび電磁弁等の部品を含む。ブレーキアクチュエータ174は、ECU200から受信する制御信号S3に基づいて、乗員がブレーキペダル170を踏み込むことによって発生する油圧と、上述した部品を駆動させて発生する油圧とを用いて制動装置120,122,124,126に供給される油圧を調整する。
制動装置120は、ブレーキアクチュエータ174から油圧が供給されることによって作動する。制動装置120は、ブレーキディスク142と、ブレーキキャリパ144とを含む。
ブレーキディスク142は、後輪82と一体的に回転する。ブレーキキャリパ144は、油圧を用いてブレーキディスク142の回転を制限したり、ブレーキディスク142の回転の制限を解除したりする。
ブレーキキャリパ144は、ブレーキパッド146,147と、ホイールシリンダ148とを含む。ブレーキパッド146,147は、互いに対向する位置に設けられる。また、ブレーキパッド146,147は、ブレーキディスク142の回転軸と平行な方向でブレーキディスク142を挟み込むように設けられる。ブレーキパッド146,147のそれぞれには、制動装置120の作動時にブレーキディスク142に接触することによって回転を制限するための摩擦材が設けられる。
ホイールシリンダ148は、ブレーキアクチュエータ174から供給される油圧を用いてブレーキパッド146,147のそれぞれをブレーキディスク142に押し付ける。
本実施の形態において、制動装置120について、ディスクブレーキを一例として説明したが、特にこれに限定されるものではなく、たとえば、ドラムブレーキであってもよい。
また、図1においては、説明の便宜上、制動装置120についてのみ詳細に図示しているが、制動装置122,124,126は、制動装置120の構成と同様の構成である。そのため、その詳細な説明は繰り返されない。
ECU200は、マスターシリンダ圧Pmに基づいて車両1に要求される要求制動パワーPbrを算出する。ECU200は、バッテリ70の状態と車両1の速度とから回生制動パワーPrgを決定する。ECU200は、要求制動パワーPbrのうちの油圧制動パワーPboを算出する。ECU200は、たとえば、要求制動パワーPbrから回生制動パワーPrgを減算して油圧制動パワーPboを算出する。ECU200は、算出された油圧制動パワーPboに基づいて制御信号S3を生成して、生成した制御信号S3をブレーキアクチュエータ174に送信する。ブレーキアクチュエータ174は、ECU200から受信する制御信号S3に基づいて上述のポンプ、アキュムレータおよび電磁弁等の部品を駆動して、制動装置120,122,124,126に供給される油圧を調整することによって、油圧制動パワーPboを実現する。
なお、ECU200は、要求制動パワーPbrと回生制動パワーPrgとから油圧制動パワーPboを算出することに代えて要求制動トルクTbrと回生制動トルクTrgとから油圧制動トルクTboを算出し、算出された油圧制動トルクTboに基づいて制御信号S3を生成してもよい。また、ECU200は、マスターシリンダ圧Pmに代えてブレーキペダル170の踏み込み量St_bに基づいて要求制動パワーPbrを算出してもよい。
ECU200には、外気温センサ164およびGセンサ166が接続される。外気温センサ164は、外気温Taを検出する。外気温センサ164は、検出した外気温Taを示す信号をECU200に送信する。Gセンサ166は、車両1の加速度Gaを検出する。Gセンサ166は、検出した車両1の加速度Gaを示す信号をECU200に送信する。
ECU200は、エンジン10を制御するための制御信号S1を生成し、その生成した制御信号S1をエンジン10へ出力する。また、ECU200は、PCU60を制御するための制御信号S2を生成し、その生成した制御信号S2をPCU60へ出力する。さらに、ECU200は、ブレーキアクチュエータ174を制御するための制御信号S3を生成し、その生成した制御信号S3をブレーキアクチュエータ174へ出力する。
ECU200は、エンジン10、PCU60およびブレーキアクチュエータ174等を制御することによって車両1が最も効率よく運行できるようにハイブリッドシステム全体、すなわち、バッテリ70の充放電状態、エンジン10、第1MG20および第2MG30の動作状態を制御する。
ECU200は、運転席に設けられたアクセルペダル(図示せず)の踏込み量に対応する要求駆動力を算出する。ECU200は、算出された要求駆動力に応じて、第1MG20および第2MG30のトルクと、エンジン10の出力とを制御する。
上述したような構成を有する車両1においては、発進時や低速走行時等であってエンジン10の効率が悪い場合には、第2MG30のみによる走行が行なわれる。また、通常走行時には、たとえば動力分割装置40によりエンジン10の動力が2経路の動力に分けられる。一方の動力で前輪80が直接的に駆動される。他方の動力で第1MG20を駆動して発電が行なわれる。このとき、ECU200は、発電された電力を用いて第2MG30を駆動させる。このように第2MG30を駆動させることにより前輪80の駆動補助が行なわれる。
車両1の減速時には、前輪80の回転に従動する第2MG30がジェネレータとして機能して回生制動が行なわれる。回生制動によって回収した電力は、バッテリ70に蓄えられる。なお、ECU200は、蓄電装置の残容量(以下の説明においては、SOC(State of Charge)と記載する)が低下し、充電が特に必要な場合には、エンジン10の出力を増加させて第1MG20による発電量を増加させる。これにより、バッテリ70のSOCが増加させられる。また、ECU200は、低速走行時でも必要に応じてエンジン10からの駆動力を増加させる制御を行なう場合もある。たとえば、上述のようにバッテリ70の充電が必要な場合や、エアコン等の補機が駆動される場合や、エンジン10の冷却水の温度を所定温度まで上げる場合等である。
ECU200は、バッテリ70の充電量および放電量を制御する際に、電池温度Tbatおよび現在のSOCに基づいて、バッテリ70の充電時に許容される入力電力(以下の説明においては、「充電電力上限値Win」と記載する)およびバッテリ70の放電時に許容される出力電力(以下の説明においては、「放電電力上限値Wout」と記載する)を設定する。たとえば、現在のSOCが低下すると、放電電力上限値Woutは徐々に低く設定される。一方、現在のSOCが高くなると、充電電力上限値Winは徐々に低下するように設定される。
また、バッテリ70として用いられる二次電池は、低温時に内部抵抗が上昇する温度依存性を有する。また、高温時には、さらなる発熱によって温度が過上昇することを防止する必要がある。このため、電池温度Tbatの低温時および高温時には、放電電力上限値Woutおよび充電電力上限値Winの各々を低下させることが好ましい。ECU200は、電池温度Tbatおよび現在SOCに応じて、たとえば、マップ等を用いることによって、充電電力上限値Winおよび放電電力上限値Woutを設定する。
本実施の形態においては、上述した構成を有する車両1に搭載されたECU200が、第2MG30を用いた回生制動時に、回生電力量に基づいてブレーキパッド146,147の摩擦材における発熱量Jを推定し、推定された発熱量Jに基づいた摩擦材の状態が所定の状態になる場合に車両1の駆動力を制限する点に特徴を有する。
具体的には、ECU200は、推定されたブレーキパッド146,147の摩擦材の発熱量Jに基づいて摩擦材の磨耗量ABを推定し、推定された磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きくなる場合に車両1の駆動力を制限する。なお、本実施の形態に係る「駆動装置」は、車両1の構成のうちの少なくとも第2MG30と、制動装置120,122,124,126と、ECU200とを含む。
図2に、本実施の形態における車両1に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。ECU200は、回生パワー算出部202と、発熱量算出部204と、磨耗量算出部206と、磨耗量判定部208と、駆動力制御部210と、通知制御部212とを含む。
回生パワー算出部202は、ブレーキペダル170が踏み込まれた場合に車両1の速度Vと、マスターシリンダ圧Pmと、バッテリ70の状態とに基づいて回生制動パワーPrgを算出する。回生パワー算出部202は、たとえば、車両1の速度Vと、速度Vと回生制動パワーPrgとの関係を示すマップとから回生制動パワーPrgを算出する。このとき、回生パワー算出部202は、バッテリ70の充電電力上限値Winおよび要求制動パワーPbrを超えないように回生制動パワーPrgを算出する。
発熱量算出部204は、乗員がブレーキペダル170に対する踏み込みを開始してから現在までの踏込時間中のブレーキパッド146,147の摩擦材における発熱量Jを算出する。具体的には、発熱量算出部204は、J=F×Nw×Tpedal−第1冷却項C1−第2冷却項C2の式を用いて発熱量Jを算出する。
ここで、Fは、ブレーキパッド146,147の摩擦材とブレーキディスク142との間の摩擦力を示す。Fは、ホイールシリンダ148がブレーキパッド146,147の摩擦材をブレーキディスク142に押し付ける力f(以下、パッド力fと記載する)と、摩擦材の摩擦係数μとを乗算した値である。
発熱量算出部204は、たとえば、ホイールシリンダ148に供給される油圧とホイールシリンダの断面積とに基づいてパッド力fを算出してもよい。なお、ホイールシリンダ148に供給される油圧は、油圧センサを用いて検出すればよい。油圧センサは、たとえば、ブレーキアクチュエータ174内の油圧回路に設けられてもよいし、ブレーキキャリパ144側に設けられてもよい。
あるいは、発熱量算出部204は、たとえば、車両1の加速度Gaと車両1の重量とに基づいてパッド力fを算出してもよい。なお、発熱量算出部204は、回生制動を伴う場合には、車両1の加速度Gaに車両1の重量を乗じた値から、回生制動によって車両1に作用する力を差し引いて、パッド力fを算出してもよい。Tpedalは、ブレーキペダル170の踏込時間を示す。回生制動によって車両1に作用する力は、上述の回生制動パワーPrgから算出される。
第1冷却項C1は、ブレーキパッド146,147の摩擦材が走行風を受けることに起因して放熱する場合の放熱量(以下、第1放熱量と記載する)を示す。発熱量算出部204は、車両1の速度Vに基づいて第1冷却項C1を算出する。発熱量算出部204は、たとえば、車両1の速度Vと、速度Vと第1放熱量との関係を示す所定のマップとを用いて算出される第1放熱量を第1冷却項C1として算出する。なお、発熱量算出部204は、マップに代えて、速度Vと第1放熱量との関係を示す表あるいは数式等を用いて第1冷却項C1を算出してもよい。
第2冷却項C2は、外気温Taとブレーキパッド146,147の摩擦材温度Tpdとの温度差ΔTに起因した放熱量(以下、第2放熱量と記載する)を示す。発熱量算出部204は、外気温Taと摩擦材温度Tpdとに基づいて第2冷却項C2を算出する。発熱量算出部204は、たとえば、外気温Taと摩擦材温度Tpdとの温度差ΔTと、温度差ΔTと第2放熱量との関係を示す所定のマップとを用いて算出される第2放熱量を第2冷却項C2として算出する。なお、発熱量算出部204は、マップに代えて、温度差ΔTと第2放熱量との関係を示す表、数式等を用いて第2冷却項C2を算出してもよい。
発熱量算出部204は、摩擦材温度Tpdの初期値と、前回の計算サイクルにおいて算出された発熱量Jに係数Aを乗算することによって算出される温度上昇量ΔTpdとの和を摩擦材温度Tpdとして算出する。なお、係数Aは、摩擦材の比熱等に基づいて設定される所定値である。
また、発熱量算出部204は、IGオフ操作後所定時間が経過している場合や、前回のブレーキペダル170の踏込を解除した時点から所定時間が経過している場合は、外気温Taを摩擦材温度Tpdの初期値として決定する。
また、発熱量算出部204は、IGオフ操作後所定時間が経過していない場合は、IGオフ操作時の摩擦材温度Tpdと、IGオフ操作後の経過時間に基づく温度低下量とから摩擦材温度Tpdの初期値を決定する。
あるいは、発熱量算出部204は、前回のブレーキペダル170の踏込を解除した時点から所定時間が経過していない場合には、前回のブレーキペダル170の踏込の解除時の摩擦材温度Tpdと、踏込の解除後の経過時間とに基づく温度低下量とから摩擦材温度Tpdの初期値を決定する。
磨耗量算出部206は、発熱量算出部204において算出された発熱量Jに対応するブレーキパッド146,147の摩擦材の磨耗量ABを算出する。すなわち、磨耗量算出部206は、発熱量Jに基づいて乗員がブレーキペダル170に対する踏み込みを開始してから現在までの磨耗量ABを算出する。
磨耗量算出部206は、たとえば、発熱量Jと、図3に示すような発熱量Jと磨耗量ABとの関係を示すマップとから磨耗量ABを算出してもよい。図3に示すマップの縦軸は、磨耗量ABを示し、図3に示すマップの横軸は、発熱量Jを示す。
磨耗量算出部206は、たとえば、発熱量算出部204において算出された発熱量JがJ(1)である場合には、図3に示すマップから磨耗量AB(1)を算出する。なお、図3に示すマップは、一例であり、発熱量Jと磨耗量ABとの関係は、図3に示す関係に限定されるものではない。
また、磨耗量算出部206は、図3に示すような所定のマップに代えて所定の関数から磨耗量ABを算出するようにしてもよい。たとえば、磨耗量算出部206は、前輪80の回転速度Nwと、ホイールシリンダ148がブレーキパッド146,147の摩擦材をブレーキディスク142に押し付ける力fと、摩擦材温度Tpdと、所定の関数F(Nw,f,Tpd)とから磨耗量ABを算出してもよい。所定の関数F(Nw,f,Tpd)は、実験等によって適合すればよい。
本実施の形態においては、磨耗量算出部206は、ブレーキパッド146,147の摩擦材が均一に磨耗することを仮定した場合の磨耗量ABを算出するとして説明したが、たとえば、ブレーキパッド146,147の摩擦材が不均一に磨耗することを仮定した場合に磨耗量が最大となる部分における磨耗量を磨耗量ABとして算出するようにしてもよい。
磨耗量判定部208は、磨耗量算出部206において算出された磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きいか否かを判定する。しきい値AB(0)は、たとえば、特に限定される値ではないが、たとえば、制動性能を十分に発揮できない状態となる磨耗量である。なお、磨耗量判定部208は、たとえば、磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きい場合に、磨耗判定フラグをオンするようにしてもよい。
駆動力制御部210は、磨耗量判定部208によって磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きいと判定された場合に駆動力制限制御を実行する。駆動力制御部210は、車両要求パワーに対して通常設定されている上限値よりも低い値を上限値として設定し、設定された上限値を超えないように車両要求パワーを設定する動作を駆動力制限制御として実行してもよい。
あるいは、駆動力制御部210は、車両1の速度V、エンジン10の出力、および、第2MG30の出力のうちの少なくともいずれか一つに対して通常設定されている上限値よりも低い値を上限値として設定し、設定された上限値を超えないようにする車両1の制御を駆動力制限制御として実行してもよい。
駆動力制御部210は、各種上限値を超えないように車両1を制御する場合には、たとえば、車両要求パワーや車両要求パワーに基づいて決定される指令値(スロットル開度の指令値あるいは第2MGに対するトルク指令値等)を制限してもよいし、あるいは、変速機が搭載されている場合には、変速比を増減することによって車速等を制限してもよい。また、駆動力制御部210は、駆動力制限制御が実行された場合には、たとえば、IGオフ操作が行われるまで駆動力制限制御を継続してもよい。
また、駆動力制御部210は、磨耗量判定部208によって磨耗量ABがしきい値AB(0)以下であると判定された場合には通常駆動力制御を実行する。通常駆動力制御は、駆動力制限制御の実行に起因した各種上限値の設定が行なわれない場合の駆動力の制御である。
なお、駆動力制御部210は、たとえば、磨耗判定フラグがオンである場合に、駆動力制限制御を実行し、磨耗判定フラグがオフである場合に通常駆動力制御を実行してもよい。
通知制御部212は、磨耗量判定部208によって磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きいと判定された場合に、車両1の乗員に対してブレーキパッド146,147の摩擦材の磨耗量が大きい状態である旨あるいは制動性能が十分に発揮できない状態である可能性がある旨を通知するように通知部168を制御する。
本実施の形態において、回生パワー算出部202と、発熱量算出部204と、磨耗量算出部206と、磨耗量判定部208と、駆動力制御部210と、通知制御部212とは、いずれもECU200のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図4を参照して、本実施の形態における車両1に搭載されたECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、ECU200は、回生制動パワーPrgを算出する。S102にて、ECU200は、ブレーキパッド146,147の摩擦材における発熱量Jを算出する。なお、回生制動パワーPrgおよび発熱量Jの算出方法については、上述したとおりであるため、その詳細な説明は繰り返されない。
S104にて、ECU200は、ブレーキパッド146,147の摩擦材の磨耗量ABを算出する。ECU200は、算出された発熱量Jと、上述した図3に示したマップとから磨耗量ABを算出する。
S106にて、ECU200は、磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きいか否かを判定する。磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きい場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S106にてNO)、処理はS112に移される。
S108にて、ECU200は、駆動力制限制御を実行する。S110にて、ECU200は、車両1の乗員に対してブレーキパッド146,147の摩擦材の磨耗量が大きい状態である旨あるいは制動性能が十分に発揮できない状態である可能性がある旨を通知する。S112にて、ECU200は、通常駆動力制御を実行する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における車両1に搭載されるECU200の動作について説明する。
たとえば、車両1が走行状態である場合を想定する。乗員がブレーキペダル170を踏み込む場合、ブレーキペダル170の踏み込み量に応じた要求制動パワーPbrが算出される。算出された要求制動パワーPbrと、バッテリ70のSOCと、充電電力上限値Winとに基づいて、回生制動パワーPrgが算出される(S100)。要求制動パワーPbrから算出された回生制動パワーPrgを除いた部分を油圧制動パワーPboの分担量として発熱量Jが算出される(S102)。
算出された発熱量Jと、図3に示すマップとから磨耗量ABが算出される(S104)。算出された磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きい場合には(S106にてYES)、駆動力制限制御が実行される(S108)。
駆動力制限制御の実行によって、車両1の速度Vやエンジン10の出力や第2MG30の出力等が制限される。その結果、磨耗量ABが増大したことによる制動性能が十分に発揮できない状態である場合に、車両1の速度Vの上昇が抑制されるため、車両1の状態はより安全に車両1を停止させることができる状態となる。また、駆動力制限制御の実行とともに通知部168を用いた通知が行われる(S110)。
なお、算出された磨耗量ABがしきい値AB(0)以下である場合には(S106にてNO)、通常駆動力制御が実行される(S112)。
以上のようにして、本実施の形態に係る駆動装置によると、回生制動パワーPrgを考慮してブレーキパッド146,147の摩擦材の発熱量Jに基づいて磨耗量ABを算出することにより、磨耗量を精度高く推定することができる。さらに、磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きい場合に駆動力制限制御を実行することによって、磨耗量ABが増大することにより制動性能が十分に発揮できない状態である場合に、車両1の状態をより安全に車両1を停止できる状態にすることができる。したがって、制動装置の摩擦材の状態を精度高く推定し、推定された摩擦材の状態に基づいて駆動力を適切に制御するための駆動装置および駆動制御方法を提供することができる。
本実施の形態においては、ECU200は、乗員がブレーキペダル170に対する踏み込みを開始してから現在までの発熱量Jに対応する磨耗量ABがしきい値AB(0)よりも大きい場合に駆動力を制限するとして説明したが、特にこれに限定されるものではない。
ECU200は、たとえば、以下のような動作を行なってもよい。すなわち、ECU200は、工場出荷の時点あるいは前回ブレーキパッド146,147が交換された時点からブレーキペダル170が踏み込まれる毎に算出される磨耗量ABを積算しておく。ECU200は、今回の乗員がブレーキペダル170に対して踏込を開始してから現在までの発熱量Jに対応する磨耗量ABが算出された場合に、前回までの磨耗量ABの積算値に今回の磨耗量ABを加算して磨耗量ABの総量を算出する。ECU200は、算出された磨耗量ABの総量がしきい値よりも大きい場合に駆動力制限制御を実行する。
このようにすると、現在のブレーキパッドの摩擦材の厚さを精度高く推定することができる。そのため、現在のブレーキパッドの摩擦材の厚さが制動性能を十分に発揮できない厚さ以下になるまで磨耗している場合に駆動力を制限することができる。また、駆動力制限制御の実行とともに、ブレーキパッド146,147を交換すべき旨の通知を通知部168を用いて行なうことによってブレーキパッド146,147の交換を車両1の乗員に促すことができる。
なお、図1では、前輪80を駆動輪とする車両1を一例として示したが、特にこのような駆動方式に限定されるものではない。たとえば、車両1は、後輪82を駆動輪とするものであってもよいし、前輪80および後輪82を駆動輪とするものであってもよい。
あるいは、車両1は、図1の第2MG30が省略された車両であってもよい。または、車両1は、図1の第2MG30が前輪の駆動軸16に代えて、後輪を駆動するための駆動軸に連結される車両であってもよい。また、駆動軸16と減速機58との間あるいは駆動軸16と第2MG30との間に変速機構が設けられてもよい。
あるいは、車両1は、第2MG30を省略し、第1MG20の回転軸をエンジン10の出力軸に直結させ、動力分割装置40に代えて、クラッチを有する変速機を含む構成とされてもよい。
<第2の実施の形態>
以下、第2の実施の形態に係る駆動装置について説明する。本実施の形態に係る駆動装置を搭載する車両1は、上述の第1の実施の形態に係る駆動装置を搭載する車両1の構成と比較して、ECU200の動作が異なる。それ以外の構成については、上述の第1の実施の形態における車両1の構成と同じ構成である。それらについては同じ参照符号が付してある。それらの機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返さない。
本実施の形態においては、ECU200が、ブレーキパッド146,147の摩擦材の発熱量Jに基づいて摩擦材温度Tpdを推定し、推定された摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きくなる場合に車両1の駆動力を制限する点に特徴を有する。
図5に、本実施の形態における車両1に搭載されたECU200の機能ブロック図を示す。ECU200は、回生パワー算出部202と、発熱量算出部204と、温度算出部306と、温度判定部308と、駆動力制御部210とを含む。なお、図5に示したECU200の構成のうち、図2に示したECU200の構成と同じ構成については同一の符号が付してある。そのため、それらの詳細な説明については繰り返されない。また、本実施の形態において、ECU200は、図2に示した通知制御部212を含まない構成としたが、通知制御部212を含む構成としてもよい。
温度算出部306は、発熱量算出部204において算出された発熱量Jに基づいてブレーキパッド146,147の摩擦材温度Tpdを算出する。温度算出部306は、ブレーキペダル170の踏み込みを開始した時点の摩擦材温度Tpdの初期値と、発熱量Jに係数Aを乗算することによって算出される温度上昇量ΔTpdとの和を摩擦材温度Tpdとして算出する。なお、係数Aは、摩擦材の比熱等に基づいて設定される所定値である。
また、温度算出部306は、IGオフ操作後所定時間が経過している場合や、前回のブレーキペダル170の踏込を解除した時点から所定時間が経過している場合は、外気温Taを摩擦材温度Tpdの初期値として決定する。
また、温度算出部306は、IGオフ操作後所定時間が経過していない場合は、IGオフ操作時の摩擦材温度Tpdと、IGオフ操作後の経過時間に基づく温度低下量とから摩擦材温度Tpdの初期値を決定する。
あるいは、温度算出部306は、前回のブレーキペダル170の踏込を解除した時点から所定時間が経過していない場合には、前回のブレーキペダル170の踏込の解除時の摩擦材温度Tpdと、踏込の解除後の経過時間とに基づく温度低下量とから摩擦材温度Tpdの初期値を決定する。
温度判定部308は、温度算出部306によって算出された摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きいか否かを判定する。しきい値Tpd(0)は、特に限定されるものではないが、たとえば、制動性能が十分に発揮できない状態となる摩擦材の温度である。なお、温度判定部308は、たとえば、摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きい場合に、温度判定フラグをオンするようにしてもよい。駆動力制御部210は、温度判定フラグがオンである場合に、駆動力制限制御を実行し、温度判定フラグがオフである場合に、通常駆動力制御を実行してもよい。
本実施の形態において、回生パワー算出部202と、発熱量算出部204と、温度算出部306と、温度判定部308と、駆動力制御部210とは、いずれもECU200のCPUがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現される、ソフトウェアとして機能するものとして説明するが、ハードウェアにより実現されるようにしてもよい。なお、このようなプログラムは記憶媒体に記録されて車両に搭載される。
図6を参照して、本実施の形態における車両1に搭載されたECU200で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
なお、図6に示したフローチャートの中で、前述の図4に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらについての処理も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰り返されない。
S204にて、ECU200は、ブレーキパッド146,147の摩擦材温度Tpdを算出する。S206にて、ECU200は、摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きいか否かを判定する。摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きい場合(S206にてYES)、処理はS108に移される。もしそうでない場合(S206にてNO)、処理はS112に移される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における車両1に搭載されるECU200の動作について説明する。
たとえば、車両1が走行状態である場合を想定する。乗員がブレーキペダル170を踏み込む場合、ブレーキペダル170の踏み込み量に応じた要求制動パワーPbrが算出される。算出された要求制動パワーPbrと、バッテリ70のSOCと、充電電力上限値Winとに基づいて、回生制動パワーPrgが算出される(S100)。要求制動パワーPbrから算出された回生制動パワーPrgを除いた部分を油圧制動パワーPboの分担量として発熱量Jが算出される(S102)。
算出された発熱量Jに基づいて摩擦材温度Tpdが算出される(S204)。算出された摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きい場合には(S206にてYES)、駆動力制限制御が実行される(S108)。
駆動力制限制御の実行によって、車両1の速度Vやエンジン10の出力や第2MG30の出力等が制限される。その結果、摩擦材温度Tpdが増大したことによる制動性能が十分に発揮できない状態である場合に、車両1の速度Vの上昇が抑制されるため、車両1の状態はより安全に車両1を停止させることができる状態となる。
なお、算出された摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)以下である場合には(S206にてNO)、通常駆動力制御が実行される(S112)。
以上のようにして、本実施の形態に係る駆動装置によると、回生制動パワーPrgを考慮してブレーキパッド146,147の摩擦材の発熱量Jに基づいて摩擦材温度Tpdを算出することにより、摩擦材温度Tpdを精度高く推定することができる。さらに、摩擦材温度Tpdがしきい値Tpd(0)よりも大きい場合に駆動力制限制御を実行することによって、摩擦材温度Tpdが増大することにより制動性能が十分に発揮できない状態である場合に、車両1の状態をより安全に車両1を停止できる状態にすることができる。したがって、制動装置の摩擦材の状態を精度高く推定し、推定された摩擦材の状態に基づいて駆動力を適切に制御するための駆動装置および駆動制御方法を提供することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。