JP5573414B2 - 鋼材の鍛造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鍛造時に固定金型に挿入された鋼材に接触する可動金型の位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いた鋼材の鍛造方法に関する。
近年、鍛造加工においては、サーボプレスを利用する技術が開発されている。このサーボプレスでは、鍛造時にダイス(固定金型)に挿入された鋼材(被加工材)に接触するパンチ(可動金型)の位置及び移動速度を任意に制御可能なサーボモータ駆動方式や油圧サーボ駆動方式などを採用した鍛造プレス機が用いられる。
ところで、鍛造加工などの塑性加工では、加工時の歪みの増加によって変形抵抗が増加し、加工精度が悪化することになる。特に、1200℃程度に加熱した鋼材に対して鍛造を行う熱間鍛造よりも、加工温度を700〜900℃程度に下げて行う温間鍛造では、熱間鍛造よりも高い加工精度が得られるものの、この傾向がより顕著なものとなる。一方、温間鍛造では、この鍛造時の歪みの増加を抑えるために、パンチの移動速度を下げて加工を行うと、加工に要する時間が長くなるためスケールの発生が増すことになる。
なお、下記特許文献1には、鍛造途中で可動金型を一旦停止することが記載されている。具体的に、この特許文献1には、熱間鍛造、すなわち、1100℃に被加工材を加熱する鍛造が一例のみ実施例として開示されている。しかしながら、この方法では、本発明が対象とする温間(被加工材を700〜900℃に加熱する)鍛造に適用できないという問題がある。
特開2000−42675号公報
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、加工精度の向上を図りつつ、スケールの発生を抑制することを可能とした鋼材の鍛造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決することを目的とした本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)鍛造時に固定金型に挿入された鋼材に接触する可動金型の位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いた鋼材の鍛造方法であって、
前記可動金型を加圧方向の最下点まで移動させる間に、前記可動金型を鋼材に接触させた状態のまま前記可動金型の移動を停止する段階を1〜5段階設け、
前記可動金型の停止時に前記可動金型が前記鋼材に加える荷重を前記可動金型が停止する直前に鋼材に加えた最大荷重の20%以下とし、各段階での前記可動金型の停止時間を0.2〜2秒とし、前記可動金型の各移動区間の平均移動速度を10〜100mm/秒としながら、700〜900℃に加熱された鋼材に対して鍛造成形を行うことを特徴とする鋼材の鍛造方法。
(2)前記鋼材が、機械構造用炭素鋼鋼材又は機械構造用合金鋼鋼材であることを特徴とする(1)に記載の鋼材の鍛造方法。
)前記鋼材と接触する面に熱伝導率が10W/m・K以下となる断熱層が設けられた可動金型を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の鋼材の鍛造方法。
)前記断熱層がジルコニアからなることを特徴とする()に記載の鋼材の鍛造方法。
)前記加圧方向の最下点において、前記鋼材の表面温度が500〜700℃となる間に、前記可動金型が前記鋼材に加える荷重を前記可動金型が停止する直前に加えた最大荷重の60〜80%とし、その荷重を1.4〜4秒の間保持することを特徴とする(1)〜()の何れか一項に記載の鋼材の鍛造方法。
以上のように、本発明に係る鋼材の鍛造方法では、可動金型を加圧方向の最下点まで移動させる間に、可動金型を鋼材に接触させた状態のまま可動金型の移動を停止する段階を1〜5段階設け、可動金型の停止時に可動金型が鋼材に加える荷重を可動金型が停止する直前に鋼材に加えた最大荷重の20%以下とし、各段階での可動金型の停止時間を0.2〜2秒とし、可動金型の各移動区間の平均移動速度を10〜100mm/秒としながら、700〜900℃に加熱された鋼材に対して鍛造成形を行うことで、スケールの発生を抑制しながら、可動金型の移動速度を下げて加工を行うことができる。
これにより、金型の変形を抑制することが可能であり、また、停止時に金型と鋼材との間に潤滑剤が入り込むことによって、加工精度を大幅に向上させることが可能である。本発明では、このような鍛造加工を、鍛造時に固定金型に挿入された鋼材に接触する可動金型の位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いて、高精度に行うことが可能である。
(a)は、本発明を適用した場合の加工時間とパンチの変位との関係を示すグラフ、(b)は、その加工時間と鋼材の圧縮率[%]との関係を示すグラフ、(c)は、その加工時間と鋼材に加える荷重との関係を示すグラフである。
以下、本発明を適用した被加工材の鍛造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本発明を適用した被加工材の鍛造方法は、鍛造時にダイス(固定金型)に挿入された鋼材(被加工材)に接触するパンチ(可動金型)の位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いて、パンチを加圧方向の最下点まで移動させる間に、パンチを鋼材に接触させた状態のままパンチの移動を停止する段階を1〜5段階設け、可動金型の停止時に可動金型が被加工材に加える荷重を可動金型が停止する直前に被加工材に加えた最大荷重の20%以下とし、各段階での可動金型の停止時間を0.2〜2秒とし、可動金型の各移動区間の平均移動速度を10〜100mm/秒としながら、700〜900℃に加熱された被加工材に対して鍛造成形を行うことを特徴とするものである。
なお、金型とは、一般にダイス(固定金型)とパンチ(可動金型)とから構成されるものの、以下の説明では、これらをまとめて金型と称する場合があり、若しくはダイスのみでも金型と表現する場合がある。
本発明では、例えばサーボモータ駆動方式や油圧サーボ駆動方式などを採用した鍛造プレス機を用いることができ、このような鍛造時にダイスに挿入された鋼材に接触するパンチの位置及び移動速度を任意に制御可能な鍛造プレス機を用いることによって、本発明を実現することが可能である。
すなわち、本発明では、パンチを鋼材に接触させた状態のままパンチの移動を停止する段階を設けることで、鋼材表面空気との接触が阻止される。これにより、鋼材表面への酸素の供給が阻止されるため、スケールの発生を抑制することができる。また、パンチの移動を停止する段階を設けることによって、金型の変形を抑制することができる。また、パンチの停止時に、鋼材を押さえ付けていた荷重が緩和されることによって、金型と鋼材との間に潤滑剤が入り込む。これにより、金型と鋼材との間の潤滑性が良くなるため、鋼材に対する加工精度を向上させることが可能である。
ここで、本発明を適用した場合の加工時間とパンチの変位との関係を示すグラフを図1(a)、その加工時間と鋼材の圧縮率[%]との関係を示すグラフを図1(b)、の加工時間と鋼材に加える荷重との関係を示すグラフを図1(c)に示す。
図1(a)〜(c)に示す各グラフは、パンチを加圧方向の最下点まで移動させる間に、パンチを鋼材に接触させた状態のままパンチの移動を停止する段階を3段階設けた場合を例示している。
本発明では、パンチの移動を停止する段階を1〜5段階とする。パンチの停止する段階を5段階以下としたのは、それよりも多くパンチを停止する段階を設けると、鋼材の温度低下が大きくなり、鍛造時の荷重が増加することによって、金型の寿命低下を招くからである。
本発明では、パンチの停止時にパンチが鋼材に加える荷重を、各段階でパンチが停止する直前に鋼材に加えた最大荷重の20%以下とする。すなわち、停止時にパンチが鋼材に加える荷重は、パンチを鋼材に接触させた状態を保持し、歪みによるスプリングバックを押さえ込むのに十分な荷重であればよい。
本発明では、各段階でのパンチの停止時間を0.2〜2秒とする。このパンチの停止時間が0.2秒未満であると、上述した金型と鋼材との間に潤滑剤が入り込むのに十分な時間が得られなくなり、パンチの移動を停止させる効果を十分に発揮させることができなくなる。一方、このパンチの停止時間が2秒を越えると、加工温度の低下によって、鋼材の変形抵抗が上がるため加工性が悪くなる。
本発明では、パンチの各移動区間の平均移動速度を10〜100mm/秒としながら、700〜900℃に加熱された鋼材に対して鍛造成形を行う。
パンチの各移動区間の平均移動速度が10mm/秒未満になると、鋼材の温度低下が大きくなり、鍛造時の荷重が急増することになる。一方、パンチの各移動区間の平均移動速度が100mm/秒を超えると、鋼材からの抜熱よりも鋼材への蓄熱のほうが多くなり、鍛造後の製品精度が悪化することになる。また、高速で移動するパンチを急停止することは、一般的な鍛造プレス機において制御が難しく、この場合、鍛造プレス機の性能限界により鍛造精度を確保することが困難となる。
また、加熱温度が700℃より低いと、本発明のようなパンチを途中で停止することによるスケールの抑制効果や、製品精度の向上効果が小さくなる。一方、加熱温度が900℃を超えると、パンチを途中で停止しても、スケールの発生を抑制する効果が小さくなる。
また、本発明では、鋼材と接触する面に熱伝導率が10W/m・K以下となる断熱層が設けられたパンチを用いることで、鋼材の加工温度の低下を抑制することが可能である。断熱層としては、パンチの鋼材と接触する面にジルコニア等からなる被膜を形成したり、パネルを取り付けたりすることで設けることができる。
また、本発明では、加圧方向の最下点において、鋼材の表面温度が500〜700℃となる間に、パンチが鋼材に加える荷重をパンチが停止する直前に加えた最大荷重の60〜80%とし、その荷重を1.4〜4秒の間保持することが好ましい。
鋼材の表面温度が500℃未満になると、そのような低い温度で荷重の保持を行っても、発生する熱歪みが小さくなり、鍛造精度の向上効果が小さくなる。一方、鋼材の表面温度が700℃を超えると、鋼材の変態域近傍となるため、そのような高い温度で荷重の保持を行っても、鍛造精度の向上効果が小さくなる。
パンチの鋼材に加える荷重がパンチの停止直前に加えた最大荷重の60%未満になると、鋼材とパンチとの隙間が大きくなり、鋼材の表面に発生するスケールの量が多くなる。一方、パンチの鋼材に加える荷重がパンチの停止直前に加えた最大荷重の80%を超えても、スケールの発生を抑制する効果は変わらないため不経済となる。
パンチと鋼材との接触時間が1.4秒未満であると、鋼材からパンチへの抜熱が小さくなり、鍛造精度を確保することが困難となる。一方、パンチと鋼材との接触時間が4秒を超えると、パンチの温度が上がってパンチが軟化することにより、金型の寿命低下を招くことになる。
以上のように、本発明では、上述した鍛造時にダイスに挿入された鋼材に接触するパンチの位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いて、スケールの発生を抑制しながら、鋼材に対する鍛造加工を高精度且つ安定的に行うことが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
具体的に、本発明では、上述したパンチの停止時間や、パンチの停止時にパンチが鋼材に加える荷重を、各段階で変更して実施することも可能である。
また、本発明による鍛造加工は、温間鍛造に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(第1の実施例)
第1の実施例では、JIS機械構造用炭素鋼S55C及び機械構造用合金鋼SCr420の各鋼材を用いて、外径40mm、高さ60mmの円柱に加工したものを試験片として用意した。そして、表1,2中に示すNo.1〜19の各試験片に対して鍛造試験を行い、その試験後の各試験片に対する評価を行った。
Figure 0005573414
Figure 0005573414
具体的に、No.1〜19の各試験片に対して、表1,2中に示す加熱温度及び各種のパンチ停止条件を変えながら、それぞれ10個ずつ鍛造試験を行った。この鍛造試験には、負荷能力200tonfのACサーボ鍛造プレス機を用いた。金型(パンチ及びダイス)には、JIS合金工具鋼SKD61の焼入れ焼戻し材からなるものを用い、更に、No.2,3,7,8,10,15,16の試験片に対しては、鋼材との接触面にジルコニア皮膜を形成した金型を用いた。なお、SKD61の熱伝達係数は、27W/m・Kであり、ジルコニアの熱伝達係数は、3W/m・Kである。
そして、平らな面に同心円状の溝が付いた一対の金型によって、各試験片を上下方向から圧縮しながら、最終圧縮率が75%となるように鍛造加工を行った。なお、圧縮率[%]は、{1−(各回の圧縮後の試験片の中央高さ/圧縮前の試験片の中央高さ)}×100で表される値である。また、何れの試験片も、最終回のパンチ停止以降は最終圧縮率が75%となるまでのパンチの平均速度を60mm/秒としている。また、最終圧縮率が75%となる位置をパンチの最下点とし、パンチが最下点まで移動したところで、パンチの停止を行わずに除荷している。
試験後は、No.1〜19の各試験片における中央高さを測定し、それぞれ10個の試験片中における最大高さと最小高さとの差Hbを求めた。なお、このHbの値が小さいほど鍛造精度が高いことを意味する。
また、試験後に、No.1〜19の各試験片のスケールによる重量損失を求めた。このスケールによる重量損失は、試験後に各試験片の重量を0.01gまでの精度で測定する。その後、各試験片を塩酸水溶液に浸漬し、スケールを除去した後、再び各試験片の重量を0.01gまでの精度で測定する。そして、前者の重量から後者の重量を引き算した値をスケールによる重量損失とした。なお、このスケールによる重量損失は、鍛造試験中に鋼材に付着したスケールの量を意味する。
さらに、試験後に、No.1〜19の各試験片について、それぞれ10個ずつ目視観察を行い、その割れの有無を確認した。この割れの有無は、各試験片の側面の全周に亘って目視観察を行い、長さ1mm以上の割れが発見された試験片の個数を求めた。なお、10個の試験片の全てに長さ1mm以上の割れが発見されなかった場合は、「なし」と評価した。
なお、表1,2の見方については、例えばNo.6では、先ず、被加工材にS55Cの鋼材を用いた試験片を890度まで加熱した後、SKD61からなる金型に試験片を入れてACサーボ鍛造プレス機によりパンチの平均速度を95mm/秒としながら、試験片の圧縮を行っている。そして、圧縮率が20%となったところで、1回目のパンチの停止を1.2秒間行っている。このとき、パンチの停止直前の最大荷重Gmaxは、23tonfであり、停止時のパンチ荷重Gは、4tonfであることから、この停止時のパンチ荷重Gは、パンチの停止直前の最大荷重Gmaxの17%となっている。次に、パンチの移動を再開し、パンチの平均速度を60mm/秒としながら、試験片の圧縮を行っている。そして、圧縮率が40%となったところで、2回目のパンチの停止を0.8秒間行っている。このとき、パンチの停止直前の最大荷重Gmaxは、38tonfであり、停止時のパンチ荷重Gは、4tonfであることから、この停止時のパンチ荷重Gは、パンチの停止直前の最大荷重Gmaxの11%となっている。次に、パンチの移動を再開し、パンチの平均速度を60mm/秒としながら、圧縮率が75%となるまで試験片の圧縮を行っている。そして、パンチが最下点まで移動したところで除荷している。このとき、パンチの最下点での最大荷重は、116tonfである。
No.1〜19の評価結果については、表1に示すNo.1〜10では、何れもHbの値が小さく、高い鍛造精度を示していることがわかる。また、何れもスケールによる重量損失が小さく、スケールの発生が抑制されていることがわかる。さらに、No.1〜10では、何れも割れが確認されなかった。なお、No.1,9では、730,710℃と他よりも加熱温度が低いため、パンチの最下点での最大荷重が192tonfと大きくなっている。
一方、表2に示すNo.11では、加熱温度が650℃と低いため、パンチの最下点での最大荷重が246tonfにも達している。このパンチの最下点での最大荷重が高いことは、金型への負荷が大きいことを示しており、金型の寿命低下を招くことになる。また、10個中5個の試験片に割れが確認された。
一方、表2に示すNo.12では、加熱温度が1000℃と高いため、スケールによる重量損失が大きい値を示している。また、Hbの値も大きく、鍛造精度が悪化していることがわかる。
一方、表2に示すNo.13は、パンチの移動を停止しなかった場合である。この場合、Hbの値が非常に大きく、鍛造精度が低いことがわかる。
一方、表2に示すNo.14は、パンチの停止を7回行った場合である。この場合、Hbの値及びスケールによる重量損失が小さいものの、加熱温度が870℃と高いにも関わらず、パンチの最下点での最大荷重が162tonfと高い値を示していることがわかる。したがって、パンチの停止を7回も行う必要はなく、むしろパンチの停止回数が増加することによって、パンチの最下点での最大荷重が高くなり、金型の寿命低下を招くことになる。
一方、表2に示すNo.15は、パンチの平均速度が遅い場合であり、No.16は、パンチの平均速度が速い場合である。この場合、何れもスケールによる重量損失が大きい値を示している。また、Hbの値も大きく、鍛造精度が悪化していることがわかる。
一方、表2に示すNo.17は、パンチの停止直前の最大荷重Gmaxに対する停止時のパンチ荷重Gの割合が高い場合である。この場合、Hbの値及びスケールによる重量損失が小さいものの、停止時のパンチ荷重Gが大きくなると、パンチへの熱伝導が大きくなり、パンチの温度が高くなる。その結果、パンチが軟化して摩耗することにより、パンチの寿命低下を招くことになる。
一方、表2に示すNo.18は、パンチの停止時間が短い場合であり、No.19は、パンチの停止時間が長い場合である。この場合、何れもスケールによる重量損失が大きい値を示している。また、Hbの値も大きく、鍛造精度が悪化していることがわかる。特に、No.19では、試験片の温度低下により10個中1個の試験片に割れが確認された。
(第2の実施例)
第2の実施例では、表3中に示すNo.20〜26の各試験片に対して、加熱温度、各種のパンチ停止条件及び最下点でのパンチの停止条件を変えながら、それぞれ10個ずつ鍛造試験を行い、その試験後の各試験片に対する評価を行った。
Figure 0005573414
すなわち、第2の実施例では、パンチが最下点まで移動したところで、パンチ荷重を保持した場合であり、それ以外は、第1の実施例と同様にして鍛造試験を行った。
なお、最下点でのパンチの停止条件については、例えばNO.20では、パンチが最下点まで移動したところで、パンチの停止を2秒間行っている。このとき、パンチの最下点での停止直前の最大荷重G’maxは、124tonfであり、最下点でのパンチ荷重G’は、75tonfであることから、この最下点でのパンチ荷重G’は、パンチの最下点での停止直前の最大荷重G’maxの60%となっている。また、試験片の保持開始温度は、624℃である。
No.20〜26の評価結果については、表3に示すように、何れもHbの値が小さく、高い鍛造精度を示していることがわかる。したがって、最下点でパンチ荷重を保持することで、鍛造精度が更に向上し、スケールの発生も更に抑制することが可能である。

Claims (5)

  1. 鍛造時に固定金型に挿入された鋼材に接触する可動金型の位置及び移動速度を任意に制御可能な駆動方式による鍛造プレス機を用いた鋼材の鍛造方法であって、
    前記可動金型を加圧方向の最下点まで移動させる間に、前記可動金型を鋼材に接触させた状態のまま前記可動金型の移動を停止する段階を1〜5段階設け、
    前記可動金型の停止時に前記可動金型が前記鋼材に加える荷重を前記可動金型が停止する直前に鋼材に加えた最大荷重の20%以下とし、各段階での前記可動金型の停止時間を0.2〜2秒とし、前記可動金型の各移動区間の平均移動速度を10〜100mm/秒としながら、700〜900℃に加熱された鋼材に対して鍛造成形を行うことを特徴とする鋼材の鍛造方法。
  2. 前記鋼材が、機械構造用炭素鋼鋼材又は機械構造用合金鋼鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の鋼材の鍛造方法。
  3. 前記鋼材と接触する面に熱伝導率が10W/m・K以下となる断熱層が設けられた可動金型を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼材の鍛造方法。
  4. 前記断熱層がジルコニアからなることを特徴とする請求項に記載の鋼材の鍛造方法。
  5. 前記加圧方向の最下点において、前記鋼材の表面温度が500〜700℃となる間に、前記可動金型が前記鋼材に加える荷重を前記可動金型が停止する直前に加えた最大荷重の60〜80%とし、その荷重を1.4〜4秒の間保持することを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の鋼材の鍛造方法。
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