JP5573382B2 - クッション長可変シートのオットマン装置 - Google Patents
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Description
本発明は、このような問題に鑑み、クッション長を任意に調整された位置で、オットマン本体の迫上げを行い、着座者の身長差に関わらず快適なオットマン装置を提供することを課題とする。
第1発明によれば、オットマン本体はクッション長可変機構の作用部と一体に設けられ、両機構は互いに独立して作動可能とされているため、クッション長が調整された任意の位置でオットマン本体の迫上げが行われ、着座者の身長差に応じてクッション長の調整ができ、且つ身長差に応じた位置でオットマン本体の迫上げを行うことができる。しかも、オットマン本体の長さが、着座者の身長差に応じて調整され、膝下の快適な位置でオットマン本体の迫上げが行われる。即ち、クッション長が長いときと短いときのオットマン迫上時のシートクッション表面に対する角度が同じである場合において、クッション長が長い方がオットマン本体の長さが長くされる。
第2発明によれば、着座者の身長差に応じたクッション長の調整と、身長差に応じた位置でのオットマン本体の迫上げを簡素な構成で実現できる。
第3発明によれば、クッション長を長くするため、第1揺動アームが前方へ揺動され、その結果、オットマン迫上時の第2揺動アームの第1揺動アームに対する揺動角度が大きくなると、連動機構によるスライド部材の前方(第2揺動アームのヒンジ中心から離れる側)へのスライド量が大きくされる。従って、スライド部材と連動機構を設けるのみの簡素な構成で、オットマン本体の着座者の膝下の支持長さをクッション長が長い程長くでき、着座者の身長差に応じて膝下の快適な位置でオットマン本体の迫上げを行うことができる。
上述のとおり、オットマン本体の先端の移動軌跡A1、A3は、オットマン本体の揺動中心C1、C3を中心とした円弧であるのに対し、足首の移動軌跡B1,B3は、それぞれの着座者の膝関節位置K1、K3を中心とする円弧であり、前者の円弧の中心C1、C3と後者の円弧の中心K1、K3が互いに離れているため、オットマン本体がシートクッション表面に対して同角度まで迫上げられた位置における両軌跡A1とB1の差L1、A3とB3の差L3はL1>L3となる。即ち、オットマン本体によって支えられる着座者の膝下の長さを低身長者H3に合わせて設定すると、高身長者H1には、その長さが短か過ぎてしまう。
そこで、この実施形態では、クッション長に応じてオットマン本体の長さを調整するようにしており、低身長者H3が体の大きさに合わせてクッション長を短めに設定すると、オットマン本体の長さもL3に対応させて短くされ、逆に高身長者H1が体の大きさに合わせてクッション長を長めに設定すると、オットマン本体の長さもL1に対応させて長くされるようにしている。即ち、低身長者の体格に合わせるためには、クッション長は短く、かつオットマン本体の長さは短くし、オットマン本体の先端から揺動中心C3までの距離を短くする必要がある。また、高身長者には、クッション長は長く、かつオットマン本体の長さは長くし、オットマン本体の先端から揺動中心C1までの距離を長くする必要がある。本実施形態では、この要求が満たされている。
この実施形態の場合、図3に良く示されるように、シートクッションの表層部50は、クッションパッド53、ラミパッド52及び本革製の表皮材51から成り、シートクッションの上面の他、オットマン本体の表面にも被せられている。このため、オットマン本体の動作に応じて表層部50は曲げ伸ばしされ、オットマン本体が迫上げられていない収納状態のときは、表層部50は着座者の膝関節の内側部分で曲げられ、その表層部50の曲げ部の内側にクッション長可変機構を成す第1揺動アーム11がシートクッションの左右両側に設けられている。
第2揺動アーム21には、フレーム22及びスライド部材31が固定され、スライド部材31はフレーム22に対してスライド自在とされている。そのため、スライド部材31の側部にはスリット31bが形成され、そのスリット31bにフレーム22の側部に設けられた突起22aが係合されている。
また、フレーム22及びスライド部材31はスライドガイド61にスライド自在に保持され、スライドガイド61の上面は、表層部50のクッションパッド53とその下面に設けられた弾性シート54との間に挟持されて、移動しないように固定されている。
スライドガイド61の両側は表層部50によって包まれるように覆われ、表層部50の端部50aがスライドガイド61の両側下面に形成されている溝61a内に嵌め込まれて固定されている。
弾性シート54は、クッションパッド53の先端側下面全体に表層部50と一体に設けられており、その下面側に位置するオットマン本体と表層部50との相対移動を容易とするように摩擦係数が小さな素材から形成されている。また、弾性シート54はオットマンの作動を妨げないように弾力性も備えている。
スライドガイド61の上面部は、スライド部材31上のネット32の幅に合わせた幅で前側半分程度が切り欠かれている。これは着座者の脚部を支持した際に、表層部50の下に剛体として存在するスライドガイド61の大きさを小さくして、脚部への当たりを軟らかくするためである。
以上のように表層部50はスライドガイド61によってオットマン本体であるフレーム22、スライド部材31に固定されているため、オットマンの作動に応じて表層部50が追随することになる。
左右のブラケット41の内側には第1揺動アーム11が有り、その更に内側には図示を省略したが各作動機構のモータを支持するためのフレーム(図示省略)がブラケット41と一部で結合されて設けられている。一方のモータは、第1揺動アーム11を前後に揺動させるように、その出力軸が第1揺動アーム11の上部に結合されている。ここで、第1揺動アーム11及び一方のモータによって、本発明のクッション長可変機構が構成されている。
着座者の体の身長差に合わせて一方のモータを作動させることにより第1揺動アーム11をヒンジ軸42を中心に揺動させ、その上端の作用部が表層部50の曲げ部内で前後に動き、それによりクッション長が変更される。このとき、オットマン本体の第2揺動アーム21、フレーム22なども第1揺動アーム11と共に移動する。
このようにクッション長が調整された状態でオットマンを作動させるべく、他方のモータを作動させると、リンク23、24を介して第2揺動アーム21が第1揺動アーム11の作用部のヒンジ軸21aを中心に揺動され、オットマンが迫上げられる。このとき、スライドガイド61も第2揺動アーム21に追随して移動するため、表層部50の先端部も第2揺動アーム21と共に迫上げられる。
オットマンの迫上角度は、第1揺動アーム11の揺動角度、即ちクッション長の長さに応じて変化し、クッション長が長く、第1揺動アーム11の揺動角度が前側に大きくされる程、オットマンの迫上角度も大きくなるため、2つのリンク25、26の連結角度もより直線に近い角度となり、リンク25の先端によるスライド部材31の押出量も多くなる。つまり、クッション長が長い程、オットマン迫上時のスライド部材31の前方への展開長が長くなり、着座者の体の大きさ(膝下の長さ)に応じた脚部の支持がされる。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
21 第2揺動アーム
22 フレーム
31 スライド部材
32 ネット
41 ブラケット
50 表層部
54 弾性シート
61 スライドガイド
Claims (3)
- 着座者の膝内側に対応するシートクッション前端部に作用部が設けられ、該作用部により前記シートクッション前端部の位置を前後に調整することによってクッション長を変化させるクッション長可変機構と、前記シートクッション前端部から着座者の脚先方向に伸びるオットマン本体と、該オットマン本体の前記シートクッション前端部における屈曲角度を小さくすることによりオットマン迫上状態とするオットマン作動機構とを備え、前記オットマン本体は、前記クッション長可変機構の前記作用部と一体に設けられ、前記クッション長可変機構及びオットマン作動機構は互いに独立して作動可能とされ、オットマン迫上時の前記オットマン本体の長さが、クッション長が長くされる程長くされることを特徴とするクッション長可変シートのオットマン装置。
- 請求項1のクッション長可変シートのオットマン装置において、前記クッション長可変機構は、下側ヒンジで前後方向に揺動する第1揺動アームを備え、その上端が前記作用部を成し、前記オットマン本体は前記作用部をヒンジ中心として揺動されることにより迫上自在とされ、前記オットマン本体が迫上げられていない収納状態では前記第1揺動アームと並行状態となる第2揺動アームを備えることを特徴とするクッション長可変シートのオットマン装置。
- 請求項2のクッション長可変シートのオットマン装置において、前記第2揺動アーム上にスライド自在にスライド部材が設けられ、オットマン迫上状態における前記第2揺動アームの前記第1揺動アームに対する揺動角度に基づいて、前記スライド部材のスライド量を変化させ、前記揺動角度が大きい程、第2揺動アームのヒンジ中心から離れる側へのスライド量を大きくする連動機構を備えることを特徴とするクッション長可変シートのオットマン装置。
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