JP5573263B2 - 信号処理装置および弦楽器 - Google Patents

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Description

本発明は、弦楽器の共鳴の効果を音声信号に付与する技術に関する。
ギターなどの弦楽器には、ピックアップに圧電素子を用いて、弦から伝播した振動を電気信号にして出力する構成を有しているものがある。このような電気信号を増幅して、スピーカから出力することにより、大音量でギター音を聴取することができる。一方、このような圧電素子により電気信号として出力された音は、ギターの胴などによる共鳴成分がほとんど含まれない。したがって、そのままの音では、聴取者に対して、アコースティックギターなどにより演奏される音とは異なる印象を与えていた。
この電気信号にFIR(Finite impulse response)フィルタにより畳み込み演算をすることにより、胴の共鳴音などを付加する技術が、特許文献1に開示されている。
特開2005−24997号公報
特許文献1に開示された技術により、ある機種のギターにおける胴の共鳴音を再現するように畳み込み演算を行うと、畳み込み演算を行わない場合に比べて、胴の共鳴音が付加されたようには聞こえるものの、再現しようとする機種のギターにおける胴の共鳴音とは全く違う印象を受けるものになっていた。この現象は、再現しようとする機種のギターとは異なる機種のギターから出力される電気信号に対して畳み込み演算を行うことで、より顕著に現れていた。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、弦楽器に張られた弦から伝播した振動を示す電気信号に、別の弦楽器における胴の共鳴音を付加する畳み込み演算を施した場合に、その胴の共鳴音の再現性を向上させることを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明は、弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施すフィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該フィルタによって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段とを具備し、前記フィルタは、前記弦楽器とは別の弦楽器における胴の共鳴に応じたピーク波形が特定周波数範囲内に複数現れる周波数特性をもち、かつ前記畳み込み演算後の信号において前記弦の振動における基音の成分の減衰よりも早く当該ピーク波形の成分を減衰させる伝達関数に対応するフィルタ係数が設定されていることを特徴とする信号処理装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記信号処理手段は、設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施す第2フィルタをさらに有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、前記フィルタおよび当該第2フィルタの双方によって畳み込み演算を施して出力し、前記第2フィルタは、前記信号取得手段によって取得された信号から、前記弦の振動成分以外の信号を低減させるようにフィルタ係数が設定されていることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記第2フィルタは、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されることにより、前記弦の振動成分以外の信号を低減させることを特徴とする。
また、別の好ましい態様において、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に関する第1情報、および前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、前記別の弦楽器における胴の共鳴に応じたピーク波形が特定周波数範囲内に複数現れる周波数特性をもち、かつ前記畳み込み演算後の信号において前記弦の振動における基音の成分の減衰よりも早く当該ピーク波形の成分を減衰させる伝達関数を、前記情報取得手段によって取得された第1情報および第2情報に基づいて算出し、当該算出した伝達関数に対応するフィルタ係数を前記フィルタに設定する設定手段とを更に具備することを特徴とする。
また、本発明は、弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施すフィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該フィルタによって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段と、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に関する第1情報、および前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された第1情報および第2情報に基づいて、前記別の弦楽器での共鳴を経た音を再現する信号を前記信号処理手段から出力させる伝達関数を算出し、当該算出した伝達関数に対応したフィルタ係数を、前記フィルタに設定する設定手段とを具備することを特徴とする信号処理装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記第1情報を記憶する記憶手段を更に具備し、前記情報取得手段は、前記記憶手段から前記第1情報を取得することを特徴とする。
また、本発明は、弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施す第1フィルタ、および前記信号取得手段によって取得された信号から、前記弦の振動成分以外の信号を低減させるようにフィルタ係数が設定された第2フィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該第1フィルタおよび当該第2フィルタの双方によって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段と、前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得された伝達関数に対応するフィルタ係数を、前記第1フィルタに設定する設定手段とを具備することを特徴とする信号処理装置を提供する。
また、別の好ましい態様において、前記第2フィルタは、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されることにより、前記弦の振動成分以外の信号を低減させることを特徴とする。
また、本発明は、上記記載の信号処理装置と、弦と、前記弦の振動に応じた信号を出力する出力手段とを具備し、前記信号取得手段によって取得される信号は、前記出力手段から出力される信号であることを特徴とする弦楽器を特徴とする。
本発明によれば、弦楽器に張られた弦から伝播した振動を示す電気信号に、別の弦楽器における胴の共鳴音を付加する畳み込み演算を施した場合に、その胴の共鳴音の再現性を向上させることができる。
本発明の実施形態におけるギター1の外観を説明する図である。 本発明の実施形態における信号処理装置10の構成を説明するブロック図である。 本発明の実施形態における設定情報を説明する図である。 本発明の実施形態における伝達関数IRpm(t)のある時点における周波数特性を説明する図である。 本発明の実施形態における畳み込み演算が施された信号のピークf1成分の減衰と弦の基音F0成分の減衰との違いを説明する図である。 本発明の実施形態における畳み込み演算が施された信号の周波数特性を説明する図である。 アコースティックギターの1弦Eを鳴らしたときの周波数分布の時間変化を示す図である。 アコースティックギターの1弦Eを鳴らしたときの各周波数の時間変化を示す図である。 ギター1の1弦Eを鳴らしたときの畳み込み演算を施さない場合における周波数分布の時間変化を示す図である。 ギター1の1弦Eを鳴らしたときの畳み込み演算を施した場合における周波数分布の時間変化を示す図である。 本発明の変形例1における設定情報を説明する図である。
<実施形態>
[外観構成]
図1は、本発明の実施形態におけるギター1の外観を説明する図である。ギター1は、弦2、ピックアップ3、および胴4を有するアコースティックギターに信号処理装置10、操作部5およびインターフェイス6が設けられた弦楽器である。なお、ギター1は、アコースティックギターでなく、エレクトリックギターなどであってもよい。また、胴4を有しないギターであってもよい。
また、ギター1は、信号処理装置10から出力されるオーディオ信号Soutを外部装置に供給する端子を有する。スピーカ、アンプなどを有する放音部100と、この端子とをシールド線などにより接続することにより、ギター1は、オーディオ信号Soutを放音部100に供給して放音させる。
ピックアップ3は、圧電素子を有し、弦2の振動が伝播してピックアップ3の位置に到達した振動を、圧電素子により電気信号(以下、オーディオ信号Sinという)に変換して出力する出力手段である。
操作部5は、ロータリースイッチ、操作ボタンなどを有し、利用者による操作が受け付けられると、その操作内容を示す情報を出力する。操作部5には、メニュー画面などを表示する表示部が設けられていてもよい。
インターフェイス6は、外部装置と接続して情報のやり取りを行う。例えば、インターフェイス6は、不揮発性メモリを用いた記録媒体が差し込まれるスロット部を有し、差し込まれた記録媒体に記録されたデータを読み出して信号処理装置10に出力する。また、インターフェイス6は、他の装置と無線通信または有線通信により接続してもよい。
信号処理装置10は、ピックアップから出力されるオーディオ信号Sin、操作部5およびインターフェイス6から出力される情報を取得する。続いて、信号処理装置10の構成について図2を用いて説明する。
[信号処理装置10の構成]
図2は、本発明の実施形態における信号処理装置10の構成を説明するブロック図である。信号処理装置10は、取得部11、イコライザ部(EQ)12−1、12−2、フィルタ部13、設定部14、記憶部15および出力部16を有する。
取得部11は、ピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sinを取得し、アナログデジタル変換を施して、イコライザ部12−1およびフィルタ部13にオーディオデータSdとして出力する。
イコライザ部12−1、12−2は、パラメトリックイコライザ、グラフィックイコライザなどであり、設定内容に応じてイコライジング処理を施す機能を有する。イコライザ部12−1は、オーディオデータSdに対して、設定内容に応じたイコライジング処理を施して、オーディオデータSeとして出力する。また、イコライザ部12−2は、フィルタ部13から出力されるオーディオデータSfに対して、設定内容に応じたイコライジング処理を施して、オーディオデータSfeとして出力する。イコライザ部12−1、12−2に設定される内容は、利用者による操作部5の操作によって決定される。
フィルタ部13は、FIRフィルタA131、FIRフィルタB132を有する。フィルタ部13は、入力されるオーディオデータSdに対して、FIRフィルタA131、FIRフィルタB132により、それぞれ設定されたフィルタ係数を用いて順に畳み込み演算処理を施し、オーディオデータSfとして出力する信号処理手段である。双方のフィルタにより畳み込み演算処理が施されれば、処理の順番は逆、すなわち、FIRフィルタB132で畳み込み演算処理が施された信号にFIRフィルタA131で畳み込み演算処理を施してもよい。また、FIRフィルタを例として説明しているが、以下に示す伝達関数を実現することができるフィルタであれば、他のフィルタを用いてもよい。
FIRフィルタA131およびFIRフィルタB132は、設定部14からフィルタ係数が設定される。
設定部14は、記憶部15に記憶されている設定情報を参照して、伝達関数に関する情報を読み出して取得し、フィルタ部13のFIRフィルタA131およびFIRフィルタB132に、その伝達関数に対応するフィルタ係数を設定する。このように、設定部14は、伝達関数に関する情報を取得する情報取得手段と、フィルタ係数を設定する設定手段としての機能を有する。設定情報について、図3を用いて説明する。
図3は、本発明の実施形態における設定情報を説明する図である。設定情報には、ギターの機種に対応して伝達関数に関する情報が登録されている。伝達関数に関する情報とは、伝達関数を特定するのに必要な情報である。機種「G0」は、ギター1を示す機種であり、機種「G1」から「G5」は、別の機種を示している。なお、機種「G1」から「G5」のうち、いずれかが機種「G0」と同じもの、すなわちギター1を示す機種であってもよい。
機種「G0」に対応して登録されている伝達関数は、ギター1の弦2から発生した振動がピックアップ3からオーディオ信号Sinとして出力されるまでの伝達関数Php(t)の逆関数Php(t)-1である。この伝達関数は、例えば、ギター1のブリッジ部分をインパルスハンマで打撃し、ピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sinの内容をインパルス応答として解析することにより算出される。この算出方法は、インパルスハンマを用いる方法だけでなく、公知の算出方法であればどのような算出方法であってもよい。なお、設定情報には、逆関数ではなく伝達関数Php(t)に関する情報として登録されていてもよい。その場合には、設定部14において逆関数に変換される。
機種「G1」から機種「G5」に対応して登録されている伝達関数は、各機種のギターの弦から発生した音がそのギターの胴などの共鳴を経て、予め決められた受音点で受音されるまでの伝達関数Bhm(t)である。ここで、機種「G1」、「G2」、・・・「G5」における伝達関数は、それぞれ、Bhm(t)_1、Bhm(t)_2、・・・、Bhm(t)_5と示すが、それぞれを区別しない場合には、単にBhm(t)という。この伝達関数は、例えば、対象となる機種のギターにおけるブリッジ部分をインパルスハンマで打撃し、予め決められた受音点(ギター正面の一定距離離れた位置など)においてマイクロフォンを用いて収音した内容をインパルス応答として解析することにより算出される。この算出方法も、上記同様に、インパルスハンマを用いる方法だけでなく、公知の算出方法であればどのような算出方法であってもよい。
以上が、設定情報の内容の説明である。
設定部14は、機種「G0」に対応する伝達関数Php(t)-1を、設定情報を参照して読み出して、伝達関数Php(t)-1に対応する係数をFIRフィルタA131に設定する。この例においては、FIRフィルタA131に設定されるフィルタ係数は、この伝達関数Php(t)-1に対応するものとして決められているから、予め設定された状態として、設定部14による設定を行わなくてもよい。
このようにしてFIRフィルタA131にフィルタ係数を設定することにより、入力されたオーディオデータSdに対して、FIRフィルタA131によって畳み込み演算が施されると、FIRフィルタA131から出力されるオーディオデータは、弦2の振動成分以外の信号が低減したものになる。弦2の振動成分以外の信号とは、例えば、ピックアップ3の電気的特性、弦2が張られたギター1の胴4の構造などに起因する信号成分である。そのため、理想的なフィルタ係数がFIRフィルタA131に設定されれば、FIRフィルタA131から出力されるオーディオデータは、オーディオデータSdから弦2の振動成分が抽出されたものになる。
また、設定部14は、利用者によって操作部5が操作されることにより指定された機種に対応する伝達関数Bhm(t)を、設定情報を参照して読み出して、伝達関数Bhm(t)に対応する係数をFIRフィルタB132に設定する。
このようにFIRフィルタB132にフィルタ係数を設定することにより、入力されるオーディオデータに対して、FIRフィルタB132によって畳み込み演算が施されると、FIRフィルタB132から出力されるオーディオデータSfは、対応する機種のギターの共鳴成分が付与されたものとなる。
ここで、FIRフィルタB132に入力されるオーディオデータは、上述したように、ギター1に張られた弦2の振動成分が抽出されたオーディオデータである。したがって、オーディオデータSfは、ピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sin(オーディオデータSd)の音に対してではなく、ギター1に張られた弦2の振動に対して、利用者によって指定された機種のギターの共鳴が付与されたものになる。そのため、単にピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sin(オーディオデータSd)に対して畳み込み演算を行うよりも、その機種のギターにおける胴などの共鳴音の再現性を向上させることができる。
上述のようにして、FIRフィルタA131およびFIRフィルタB132にフィルタ係数が設定されると、フィルタ部13全体としては、Php(t)-1・Bhm(t)(=IRpm(t))の伝達関数として設定される。伝達関数IRpm(t)は、例えば、図4に示すような特性を示している。
図4は、本発明の実施形態における伝達関数IRpm(t)のある時点(t=α)における周波数特性を説明する図である。図4に示すスペクトルAGは、アコースティックギターの共鳴を再現する周波数特性である。スペクトルCBは、アコースティックギターの比較対象の一例として、コントラバスの共鳴を再現する周波数特性である。以下、アコースティックギターの場合について説明する。
図4に示すように、この周波数特性には、アコースティックギターの胴の共鳴音に対応した特徴的な複数のピーク波形(この例においては、2つのピークf1、f2)を持つ。このピークf1、f2は、低音域の特定周波数範囲(例えば、50から350Hz程度)に現れる複数のピーク波形である。この例においては、ピークf1、f2のピーク値となる周波数は、それぞれ、約100Hz、200Hzである。これは、胴の形状、サウンドホールなどの影響によりヘルムホルツ共鳴を起こすことにより生じるピークである。なお、コントラバスの共鳴においても、ピークとなる周波数は異なるが、ピークf1、f2に相当するピークが周波数特性に現れる。
また、伝達関数IRpm(t)の時間変化については、畳み込み演算が施された信号、すなわちオーディオデータSfが図5に示すような特性になるようになっている。
図5は、本発明の実施形態における畳み込み演算が施された信号(オーディオデータSf)のピークf1成分の減衰と弦の基音F0成分の減衰との違いを説明する図である。図5に示すf1(f2)は、オーディオデータSfが示す音の成分のうち、図4に示す周波数特性のピークf1(f2)の成分の時間変化を示す。また、F0は、オーディオデータSfが示す音の成分のうち、弦2を振動させたときの各周波数成分のうち、基音の成分の時間変化を示す。図5に示すように、ピークf1(f2)成分の減衰は、基音F0成分の減衰よりも早いものになっている。すなわちピークf1(f2)の減衰時間τaは、基音F0成分の減衰時間τbより短い。この減衰時間は、各成分のピーク値からある一定割合に減衰するまでの時間を示す。ここで、基音F0について比較対象としたが、倍音成分である他の周波数成分(調和振動成分)についても同様であってもよい。ここで、全ての倍音の成分が比較対象でなくてもよく、例えば、2倍音、3倍音など、特定の倍音の成分が比較対象であってもよい。なお、ピークf1(f2)成分以外の非調和振動成分についても同様に調和振動成分より早く減衰するものとしてもよい。
上述の伝達関数IRpm(t)の時間変化は、フィルタ部13における畳み込み演算が施されて出力されるオーディオデータSfが、図5に示す特性を満たすようになっている。なお、上述した伝達関数Bhm(t)の時間変化についても、伝達関数IRpm(t)と同様であり、伝達関数Bhm(t)を用いて畳み込み演算を施しても、オーディオデータSfは図5に示す特性を満たすようになっている。そして、伝達関数Bhm(t)に伝達関数Php(t)-1が乗算された場合(IRpm(t))であっても、図5に示す特性を満たすようになっている。
図6は、本発明の実施形態における畳み込み演算が施された信号(オーディオデータSf)の周波数特性を説明する図である。図6に示すスペクトルcは、ピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sinの周波数特性を示している。スペクトルaは、スペクトルcに対して、FIRフィルタB132のみ、すなわちギター1の弦2から発生した振動がピックアップ3からオーディオ信号Sinとして出力されるまでの伝達関数の逆関数Php(t)-1については畳み込まれず、伝達関数Bhm(t)だけで畳み込み演算を施したときの周波数特性を示している。スペクトルbは、スペクトルcに対して、FIRフィルタA131およびFIRフィルタ132の双方、すなわち、伝達関数IRpm(t)で畳み込み演算を施したときの周波数特性を示している。スペクトルaとスペクトルbとは、ピークf1、f2よりも低い低周波数帯域、数kHz以上の高周波数帯域において違いが存在している。この違いは、Php(t)-1が畳み込まれているか否かの違いである。
図2に戻って説明を続ける。記憶部15は、不揮発性メモリなどの記憶手段であって、上記設定情報を記憶している。記憶部15は、インターフェイス6からギターの機種に対応して伝達関数に関する情報を取得した場合には、設定情報にその情報を登録する。このように設定情報に新たな情報を登録する必要が無ければ、インターフェイス6は存在しなくてもよい。
出力部16は、オーディオデータSeおよびオーディオデータSfeを取得し、それぞれデジタルアナログ変換処理を施し、それぞれ設定された増幅率で増幅して加算し、オーディオ信号Soutとしてギター1の端子に出力する。これにより、出力部16は、この端子に接続された放音部100にオーディオ信号Soutを供給する。
上述の増幅率は、利用者による操作部5の操作により指示された内容に応じて設定される。このとき、いずれか一方のオーディオデータについてオーディオ信号Soutに含まれないようにする場合には、出力部16は、そのオーディオデータから変換されたオーディオ信号に対しての増幅率を0に設定してもよい。また、そのオーディオデータに対して処理を行う経路上の構成は、その処理を停止するようにしてもよい。
以上が、信号処理装置10の構成についての説明である。
このように、本発明の実施形態におけるギター1は、ピックアップ3から出力されたオーディオ信号Sinに対して、フィルタ部13における畳み込み演算を施すことにより、別の機種のギターにおける胴などの共鳴音を付加したオーディオ信号Soutを出力することができる。このとき、フィルタ部13における伝達関数は、別の機種のギターにおける胴の共鳴に応じたピークf1、f2が現れる周波数特性を持ち、畳み込み演算後の信号において弦2の振動における基音の成分の減衰よりも早くピークf1、f2の成分を減衰させる伝達関数にすることにより、その機種のギターにおける胴の共鳴の再現性を向上させることができる。
また、ギター1の弦2から発生した振動がピックアップ3からオーディオ信号Sinとして出力されるまでの伝達関数の逆関数を用いてフィルタ部13の伝達関数を決めることにより、単にピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sin(オーディオデータSd)に対して畳み込み演算を行うよりも、別の機種のギターにおける胴などの共鳴音の再現性をさらに向上させることができる。
[周波数分布比較]
続いて、実際のアコースティックギターの1弦Eを鳴らしたときの周波数分布、ギター1の1弦Eを鳴らしたときの周波数分布(フィルタ部13における畳み込み処理有無)についての比較を行う。まず、アコースティックギターの場合について図7、図8を用いて説明する。
図7は、アコースティックギターの1弦Eを鳴らしたときの周波数分布の時間変化を示す図である。この周波数分布は、アコースティックギターの音をマイクにより収音した結果得られるオーディオ信号の周波数分布である。各図における各軸は、周波数軸、時間軸、これらの軸に直交する信号レベル軸である。なお、信号レベル軸については、適宜伸縮しているため、例えば、図7(b)と図7(c)とでは、同じ高さのピークでも信号レベルは異なっている。
図7(a)は、この周波数分布の全体を示す図である。図7(b)は、図7(a)に示す周波数分布のうち、基音F0とその倍音の成分を抽出した周波数分布を示す図である。図7(c)は、図7(a)に示す周波数分布のうち、基音F0とその倍音以外の成分を抽出した周波数分布を示す図である。すなわち、図7(c)は、アコースティックギターの共鳴成分の周波数分布を示している。この周波数分布には、特徴的なピークf1、f2が現れている。なお、図7(b)に示す周波数分布と図7(c)に示す周波数分布とを加算すると、図7(a)に示す周波数分布になる。
図8は、アコースティックギターの1弦Eを鳴らしたときの各周波数の時間変化を示す図である。図8(a)は、図7(a)に対応する図であり、時間軸方向の長さが異なっている。図8(b)は、図8(a)における周波数分布の時間変化を低周波数側から見た図である。図8(c)は、図8(a)における周波数分布の時間変化を高周波数側から見た図である。
図8(b)に示すように、基音F0の成分の減衰より早く、ピークf1、f2の成分は、減衰するようになっている。本発明は、このようなピークf1、f2の成分の減衰が、胴の共鳴感に大きな影響を与えていることに注目して、この減衰の程度を再現するようにしたものである。
続いて、ギター1の1弦Eを鳴らしたときの周波数分布について、フィルタ部13における畳み込み処理有無の違いを図9、図10を用いて説明する。
図9は、ギター1の1弦Eを鳴らしたときの畳み込み演算を施さない場合における周波数分布の時間変化を示す図である。この周波数分布は、ギター1のピックアップ3から出力されるオーディオ信号Sin(オーディオデータSd)の周波数分布である。図9(a)、(b)、(c)は、それぞれ図7(a)、(b)、(c)に対応している。この周波数分布には、図9(c)に示すように、図7(c)において見られたピークf1、f2が現れていない。なお、低周波数帯域においてわずかに共鳴成分が現れているが、この成分は、5、6弦が1弦の振動に共鳴して振動したものをピックアップ3において拾われたために現れている。なお、図7(c)においてもこのような成分が含まれている可能性があるが、ピークf1、f2の信号レベルに比べて非常に小さいため、はっきりとは見えない。
図10は、ギター1の1弦Eを鳴らしたときの畳み込み演算を施した場合における周波数分布の時間変化を示す図である。この周波数分布は、ギター1のフィルタ部13から出力されるオーディオデータSfの周波数分布である。図10(a)、(b)、(c)は、それぞれ図9(a)、(b)、(c)に対応している。この周波数分布には、図10(c)に示すように、図7(c)において見られたピークf1、f2が現れている。
このようにして、オーディオ信号Sinに対してフィルタ部13において畳み込み演算を施すことにより、図7(c)に示す特徴を備えた図10(c)に示すような共鳴成分が付加される。したがって、ギター1から出力されるオーディオ信号Soutは、図7に示すアコースティックギターにおける胴の共鳴を精度よく再現させることができる。
<変形例>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように、さまざまな態様で実施可能である。
[変形例1]
上述した実施形態においては、フィルタ部13は、FIRフィルタA131およびFIRフィルタB132が直列に接続された構成になっていたが、全体として一つのFIRフィルタなどにより構成されていてもよい。この場合には、設定部14は、実施形態で述べたように、伝達関数Php(t)-1と伝達関数Bhm(t)とに基づいて伝達関数IRpm(t)を算出して、その伝達関数IRpm(t)に対応するフィルタ係数をフィルタ部13に設定すればよい。
また、このような場合には、記憶部15に記憶されている設定情報の内容を、図11に示すように、実施形態における場合と異なるものとしてもよい。
図11は、本発明の変形例1における設定情報を説明する図である。変形例1における設定情報は、実施形態における場合と異なり、ギター1とは異なる機種に対応して、予め実施形態における方法で算出された伝達関数IRpm(t)が登録されている。このようにすれば、設定部14は、利用者によって指定された機種に対応する伝達関数IRpm(t)を読み出せばよいから、伝達関数Php(t)-1と伝達関数Bhm(t)とに基づいて伝達関数IRpm(t)を算出する処理を行わなくてもよい。
[変形例2]
上述した実施形態においては、伝達関数Bhm(t)、IRpm(t)には、ピークf1、f2が存在し、また、畳み込み演算後の信号において弦2の振動における各周波数成分の減衰よりも早く当該ピークf1、f2の成分を減衰させるものとして決められていたが、必ずしもそのような条件を満たさなくてもよい。
このような場合であっても、FIRフィルタA131において設定された伝達関数Php(1)-1の存在により、ギター1の弦2の振動成分が抽出された信号に対して、FIRフィルタB132において畳み込み演算を施すことができるから、付与される共鳴などの音響効果が胴の共鳴でなくても、その音響効果の再現性をより向上させることができる。これによれば、ピークf1、f2を持つ周波数特性を持たないような共鳴をもつ弦楽器についても、その音響効果を再現することができる。
[変形例3]
上述した実施形態においては、信号処理装置10は、ギター1の一部の構成であったが、ギター1の一部の構成でなくてもよい。この場合には、信号処理装置10は、オーディオ信号Sinを取得するための入力端子、操作部5およびインターフェイス6に相当する構成を有するようにしてもよい。また、記憶部15に記憶される設定情報には、伝達関数Php(t)-1についても複数の機種のギターに対応して登録されるようにしてもよい。
このような構成において、利用者は、信号処理装置10にオーディオ信号Sinを供給するギターの機種を、操作部5を操作して指定する。これにより、設定部14は、指定された機種の伝達関数Php(t)-1に対応するフィルタ係数をFIRフィルタA131に設定する。そして、実施形態において示したように、利用者は、再現したい共鳴を持つギターの機種を指定すると、設定部14は、指定された機種の伝達関数Bhm(t)に対応するフィルタ係数をFIRフィルタB132に設定する。
これにより、利用者は、信号処理装置10を用いることで、様々なギターにより演奏をすることができ、そのギターとは異なる機種のギターの共鳴を再現した音を出力させることができる。
[変形例4]
上述した実施形態においては、ギター1は、弦楽器の一例として説明したものであり、ギターなどの撥弦楽器以外であってもよい。例えば、バイオリンなどの擦弦楽器、ピアノなどの打弦楽器など、発音源として弦を用いたものであればよい。そして、その弦楽器には、ピックアップ3のように、弦から伝播した振動を電気信号に変換して出力する出力手段が設けられていればよい。
また、共鳴音を再現したい弦楽器についても、ギター以外の様々な弦楽器が適用可能である。適用したい弦楽器については、実施形態において述べた算出方法により伝達関数Bhm(t)を予め算出しておけばよい。
このようにすれば、信号処理装置10は、利用者によってバイオリンが弾かれることによって出力されたオーディオ信号Sinを取得して、チェロの胴の共鳴を再現する伝達関数を用いてフィルタ部13により畳み込み演算を施すことで、バイオリンを弾きながらもチェロのような共鳴音をもった音のオーディオ信号Soutを出力することができる。また、このバイオリンが、エレクトリックバイオリンなどの実質的に胴を持たない弦楽器であっても、実際の共鳴する胴を持つ弦楽器における胴の共鳴を再現することができる。このとき、伝達関数Php(t)-1が含まれる伝達関数に対応するフィルタ係数により畳み込み演算を行うことで、より共鳴音の再現性を向上させることができるのである。
1…ギター、2…弦、3…ピックアップ、4…胴、5…操作部、6…インターフェイス、10…信号処理装置、11…取得部、12…イコライザ部、13…フィルタ部、131…FIRフィルタA、132…FIRフィルタB、14…設定部、15…記憶部、16…出力部、100…放音部

Claims (9)

  1. 弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、
    設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施すフィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該フィルタによって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段と
    を具備し、
    前記フィルタは、前記弦楽器とは別の弦楽器における胴の共鳴に応じたピーク波形が特定周波数範囲内に複数現れる周波数特性をもち、かつ前記畳み込み演算後の信号において前記弦の振動における基音の成分の減衰よりも早く当該ピーク波形の成分を減衰させる伝達関数に対応するフィルタ係数が設定されている
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記信号処理手段は、設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施す第2フィルタをさらに有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、前記フィルタおよび当該第2フィルタの双方によって畳み込み演算を施して出力し、
    前記第2フィルタは、前記信号取得手段によって取得された信号から、前記弦の振動成分以外の信号を低減させるようにフィルタ係数が設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記第2フィルタは、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されることにより、前記弦の振動成分以外の信号を低減させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に関する第1情報、および前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、
    前記別の弦楽器における胴の共鳴に応じたピーク波形が特定周波数範囲内に複数現れる周波数特性をもち、かつ前記畳み込み演算後の信号において前記弦の振動における基音の成分の減衰よりも早く当該ピーク波形の成分を減衰させる伝達関数を、前記情報取得手段によって取得された第1情報および第2情報に基づいて算出し、当該算出した伝達関数に対応するフィルタ係数を前記フィルタに設定する設定手段と
    を更に具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。
  5. 弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、
    設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施すフィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該フィルタによって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段と、
    前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に関する第1情報、および前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得された第1情報および第2情報に基づいて、前記別の弦楽器での共鳴を経た音を再現する信号を前記信号処理手段から出力させる伝達関数を算出し、当該算出した伝達関数に対応したフィルタ係数を、前記フィルタに設定する設定手段と
    を具備することを特徴とする信号処理装置。
  6. 前記第1情報を記憶する記憶手段を更に具備し、
    前記情報取得手段は、前記記憶手段から前記第1情報を取得する
    ことを特徴とする請求項5に記載の信号処理装置。
  7. 弦楽器に張られた弦から伝播した振動に応じた信号を出力する出力手段から、当該信号を取得する信号取得手段と、
    設定されたフィルタ係数を用いて畳み込み演算を施す第1フィルタ、および前記信号取得手段によって取得された信号から、前記弦の振動成分以外の信号を低減させるようにフィルタ係数が設定された第2フィルタを有し、前記信号取得手段によって取得された信号に対して、当該第1フィルタおよび当該第2フィルタの双方によって畳み込み演算を施して出力する信号処理手段と、
    前記弦楽器とは別の弦楽器の弦から発生した音が当該別の弦楽器での共鳴を経て受音されるまでの伝達関数に関する第2情報を取得する情報取得手段と、
    前記情報取得手段によって取得された伝達関数に対応するフィルタ係数を、前記第1フィルタに設定する設定手段と
    を具備することを特徴とする信号処理装置。
  8. 前記第2フィルタは、前記弦から発生した振動が前記出力手段から信号として出力されるまでの伝達関数の逆関数に対応するフィルタ係数が設定されることにより、前記弦の振動成分以外の信号を低減させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の信号処理装置と、
    弦と、
    前記弦の振動に応じた信号を出力する出力手段と
    を具備し、
    前記信号取得手段によって取得される信号は、前記出力手段から出力される信号である
    ことを特徴とする弦楽器。
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