JP2005024997A - 弦楽器および効果装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電ピックアップの出力に弦楽器の胴の共鳴を忠実に再現するような効果を付与する弦楽器および効果装置を提供すること。
【解決手段】入力されるデジタル信号は、カットオフ周波数が約3kHzのローパスフィルタ50によりフィルタされ、6.5kHzのサンプリング周波数でFIRフィルタ45により周波数特性が変更される。また、入力されるデジタル信号は、カットオフ周波数が約5kHzのハイパスフィルタ60によりフィルタされた後、レベル調整され、FIRフィルタ45の出力がレベル調整された信号と加算される。このことによりアコースティックギターなどの胴鳴りを効率よく忠実に再現することができる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弦楽器の弦振動を圧電ピックアップにより電気信号に変換するものに最適な効果を付与する弦楽器および効果装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、アコースティックギターやバイオリン等の弦楽器の弦振動を各種ピックアップにより電気信号として取り出し、この電気信号を増幅したり、各種効果を付加して楽音を形成する装置が知られている。これらの変換器のうち、ピエゾピックアップと呼ばれる圧電素子による変換器は、胴体に付けられるブリッジの振動を電気信号に変換するものであり、弦の振動により発生する音が胴により形成される空間での共鳴の影響を受けにくい。したがって、このピエゾピックアップにより変換された電気信号は、特徴のない薄っぺらで無機質な楽音となる。このことは、そのままでは、楽音としての使用は難しいが、種々の音色の楽音へ加工しやすいという利点がある。特開2003−15644に開示された発明では、入力信号に、楽器の胴鳴りや部屋の臨場感をシミュレートする残響音生成系列と、楽器の直接音生成系列を並列的に備え、両系列で生成された残響音と直接音を混合出力することによりアコースティックギター等の音をマイクで集音したような自然な音を実現するとしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−15644号公報(図2等)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した効果装置では弦楽器の弦の振動をある程度自然な音に加工することはできるが、アコースティックギター等の胴による共鳴を忠実に再現することはできないという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、圧電ピックアップの出力に弦楽器の胴の共鳴を忠実に再現するような効果を付与する弦楽器および効果装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の弦楽器は、弦楽器の弦振動を電気信号に変換する圧電ピックアップと、その圧電ピックアップにより変換された電気信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、デジタル信号に変換する変換器と、その変換器により変換されたデジタル信号が通過するFIRフィルタとを備えている。
【0007】
請求項1記載の弦楽器によれば、弦楽器の弦振動を圧電ピックアップにより電気信号に変換し、所定のサンプリング周期でサンプリングしてデジタル信号に変換して、FIRフィルタにより音色が変更あるいは付与される。
【0008】
請求項2記載の弦楽器は、請求項1記載の弦楽器において、前記FIRフィルタの係数は、弦楽器の胴のインパルス応答により得られたものである。
【0009】
請求項3記載の弦楽器は、請求項1又は2記載の弦楽器において、前記FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その記憶された複数の組の中からいずれかの組を選択するフィルタ係数選択手段を備えている。
【0010】
請求項3記載の弦楽器によれば、FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その記憶された複数組の中からいずれかの組を選択手段を備えているものであり、種々の弦楽器の胴のインパルス応答より得られる係数を複数組記憶しその中から選択する選択手段を備えるものである。
【0011】
請求項4記載の弦楽器は、請求項1から3のいずれかに記載の弦楽器において前記変換器は、前記圧電ピックアップにより変換された電気信号の低域成分通過する低域通過フィルタを備え、その低域通過フィルタを通過した信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、デジタル信号に変換するものであり、
前記圧電ピックアップにより変換された電気信号の高域成分が通過する高域通過フィルタを備え、前記FIRフィルタを通過した楽音信号と前記高域通過フィルタを通過した楽音信号を合成して出力する出力手段とを備えている。
【0012】
請求項4記載の弦楽器によれば、圧電ピックアップにより変換された電気信号の低域成分が通過する低域通過フィルタを備え、その低域通過フィルタを通過した信号は、FIRフィルタにより音色が加工または付与され、高域成分が通過する高域通過フィルタを通過した楽音信号と合成され出力される。
【0013】
請求項5記載の弦楽器は、低域通過フィルタを通過した後、FIRフィルタによる演算が行われ、その演算は、低域通過フィルタのカットオフ周波数に応じたサンプリング周波数に基づいて行なわれる。
【0014】
請求項6記載の効果装置は、入力される楽音信号の低域成分が通過する低域通過フィルタと、その低域通過フィルタを通過した所定のサンプリング周期のデジタル信号が通過するFIRフィルタと、前記入力される楽音信号の高域成分が通過する高域通過フィルタと前記FIRフィルタを通過した楽音信号と前記高域通過フィルタを通過した楽音信号を合成して出力する出力手段とを備えている。
【0015】
請求項7記載の効果装置は、請求項6記載の効果装置において、前記高域通過フィルタのカットオフ周波数は前記低域通過フィルタにより遮断された帯域を補うように設定される。
【0016】
請求項8記載の効果装置は、請求項6又は7に記載の効果装置において、前記FIRフィルタの係数は、弦楽器の胴のインパルス応答により得られたものである。
【0017】
請求項9記載の効果装置は、請求項6から8のいずれかに記載の効果装置において、前記FIRフィルタの係数を複数組記憶し、いずれかの組を選択するフィルタ係数選択手段を備えている。
【0018】
請求項10記載の効果装置は、低域通過フィルタを通過した後、FIRフィルタによる演算が行われ、その演算は、低域通過フィルタのカットオフ周波数に応じたサンプリング周波数に基づいて行なわれる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1に記載の弦楽器によれば、圧電ピックアップにより変換された電気信号にFIRフィルタにより音色が加工または付与されるので、アコースティックギターの胴の周波数特性のように複雑な特性であっても、忠実に胴鳴り等を再現することができるという効果がある。
【0020】
請求項2に記載の弦楽器によれば、請求項1に記載の弦楽器の奏する効果に加え、FIRフィルタの係数は、アコースティックギター等の胴のインパルス応答により得られるので、簡単にFIRフィルタの係数を得ることができるという効果がある。
【0021】
請求項3に記載の弦楽器によれば、請求項1又は2に記載の弦楽器の奏する効果に加え、FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その複数組の中からいずれかの組を選択する手段が備えられているので、演奏者は好みの音色を任意に選択することができるという効果がある。
【0022】
請求項4に記載の弦楽器によれば、請求項1から3のいずれかに記載の弦楽器の奏する効果に加え、圧電ピックアップにより変換された電気信号の低域成分にFIRフィルタをかけ、FIRフィルタを通過した信号と、前記電気信号の高域成分とを合成するように構成したので、弦楽器の胴鳴りの特徴的な周波数帯域にFIRフィルタをかけ、弦による楽音の高域成分とを合成することができるので効率よく弦楽器の胴鳴りを模擬することができるという効果がある。
【0023】
請求項5に記載の弦楽器によれば、請求項4に記載の弦楽器の奏する効果に加え、FIRフィルタの演算を低域通過フィルタのカットオフ周波数に基づくサンプリング周波数にするので、FIRフィルタの係数の数を少なくすると共に、演算回数を少なくすることができるという効果がある。
【0024】
請求項6に記載の効果装置によれば、入力される楽音信号の低域成分にFIRフィルタをかけ、FIRフィルタを通過した信号と、前記楽音信号の高域成分とを合成するように構成したので、弦楽器の胴鳴りを忠実に実現できると共に、弦信号の高域成分との合成割合により種々の弦楽器を模擬することができるという効果がある。
【0025】
請求項7に記載の効果装置によれば、請求項6に記載の効果装置の奏する効果に加え、高域通過フィルタのカットオフ周波数は低域通過フィルタにより遮断された帯域を補うように設定されるので、全帯域においてバランスのとれた楽音が得られるという効果がある。
【0026】
請求項8に記載の効果装置によれば、請求項6又は7に記載の効果装置の奏する効果に加え、前記FIRフィルタの係数は、弦楽器の胴のインパルス応答により得られるので、簡単にその係数を得ることができるという効果がある。
【0027】
請求項9に記載の効果装置によれば、請求項6から8のいずれかに記載の効果装置の奏する効果に加え、FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その複数組の中からいずれかの組を選択する手段が備えられているので、演奏者は好みの音色を任意に選択することができるという効果がある。
【0028】
請求項10に記載の効果装置によれば、請求項6から9のいずれかに記載の効果装置の奏する効果に加え、FIRフィルタの演算を低域通過フィルタのカットオフ周波数に基づくサンプリング周波数にするので、FIRフィルタの係数の数を少なくすると共に、演算回数を少なくすることができるという効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例による弦楽器または効果装置の全体のブロック図である。
【0030】
弦楽器に張られた複数の弦は、共鳴胴に備えられたブリッジに固定され、そのブリッジ下部には、ピエゾピックアップ1が備えられ、弦の振動をアナログ電気信号に変換する。このアナログ電気信号は、フィルタ2によりプリエンファシスがかけられる。これは、高域成分のS/N比を向上させるために行われものである。A/D変換器3により所定のサンプリング周波数(例えば44.1kHz)で、量子化され、デジタル信号に変換され、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)4により各種の信号処理が行われ、D/A変換器5によりアナログ信号に変換される。
【0031】
変換されたアナログ信号は、フィルタ6によりディエンファシスがかけられた後、パネルに設けられたバイパススイッチ41(図3参照)の状態をCPU10が検出し、バイパススイッチ41がオフであればFETスイッチ2がオンに設定され、出力される。バイパススイッチ41がオンの場合は、FETスイッチ2は、オフに設定され、D/A変換された信号は出力されない。一方、ピエゾピックアップ1の出力は、バイパススイッチ41がオンの場合は、FETスイッチ1がオンに設定されて、出力され、バイパススイッチ41がオフの場合はFETスイッチ1がオフに設定されて、ピエゾピックアップ1の出力は直接出力されない。
【0032】
CPU10は、マイクロコンピュータであり、ROM13に記憶されるプログラムを実行し、主としてパネルに備えられているボリュームやスイッチなどの操作子を検出し、DSP4にパラメータを設定する。各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM14と、表示器11とボリュームやスイッチなどにより構成される操作子12が、CPU10に接続されている。
【0033】
図2は、DSP4が実行する機能のブロック図である。まず、A/D変換器3から入力したデジタル信号は、デジタルフィルタ21によりディエンファシスされる。これは、高域成分のS/N比を向上させるためのものである。つぎに、アコースティックモデリング部22においてアコースティックギターの胴鳴りなどの効果付与が行われるが、この処理が本願発明である。次にイコライザ23により、周波数特性がユーザの指示に応じて補正され、ノッチフィルタ24に掛けられる。このノッチフィルタ24は、ピエゾピックアップ1により入力される楽音がハウリングを起こさないよう、ハウリングを起こす周波数のレベルを下げるためのものである。次にリバーブ25により残響音が付与され、次に高域成分のS/N比の向上のためデジタルフィルタ26によりプリエンファシスを行いD/A変換器5へ出力される。
【0034】
つぎに、図3を参照して、本実施例の効果装置のパネル図について説明する。なお、このパネル図は弦楽器とは別の筐体に設けられ、床に置いて足でスイッチを操作することができるように構成されているが、スイッチを小さくするなどして弦楽器の胴に組み込むことも可能である。
【0035】
レベルツマミ31は、この効果装置の出力レベルを調整するツマミであり、リバーブツマミ32は、リバーブ25により付与される残響音のレベルを調整するものである。ボディタイプ切り替えロータリスイッチ33(以下ボディタイプツマミ33という)と、ボディツマミ34と、ストリングエンハンスツマミ35は、アコースティックモデリング部22のパラメータを設定する操作子であり、詳細は後述する。イコライザ部にはベースツマミ36,ミドルツマミ37、トレブルツマミ38が備えられ、イコライザ23によりそれぞれの帯域であるベースツマミ36は低域、ミドルツマミ37は中域、トレブルツマミ38は高域、のそれぞれのレベルが調整される。
【0036】
バイパススイッチ41は、入力している信号に効果を付与するか、付与しないでそのまま出力するかを選択するスイッチで、前述の通りこのスイッチがオンされると効果が付与されない入力信号が出力され、オフされると効果が付与された信号が出力される。
【0037】
4個のフットスイッチ40の操作により、パネルのツマミにより設定されているパラメータにより効果が付与されるか、あるいはメモリに記憶されているパッチに設定されているパラメータにより効果が付与されるか、また、複数のパッチの中のいずれのパッチを選ぶことができる。選択されたパッチの名称などが、表示器39に表示される。これらの詳細については、本発明とは関係がないのでその詳細な説明は省略する。
【0038】
図4は、アコースティックギターの胴鳴りの周波数特性およびそのインパルス応答の例を示すもので、図4(a)は、横軸が周波数Hzを縦軸はレベルをそれぞれ対数表示している。この図から分かるように100Hzから300Hz付近にピークが形成され、300Hzから3kHzまでの間は、複雑な周波数特性を示している。図4(b)は、このような、周波数特性を持つ胴のインパルス応答を表したもので、横軸に時間を、縦軸にレベルをそれぞれ表している。このインパルス応答を得る方法は、各種知られており、胴のサウンドホール付近にマイクロフォンを設置し、胴の所定の位置に小さい硬球等を一回だけ衝突させ、それによって発生する音をそのマイクロフォンで収録したものである。インパルス応答は、数十ミリ秒続くが、一般的なアコースティックギターの胴鳴りを再現するには、インパルスの発生から約10ミリ秒のインパルス応答で十分である。
【0039】
また、アコースティックギターの胴の特徴的な周波数特性は、100Hzから3kHz付近までの間に存在するので、サンプリング周波数を6.5kHzとし、インパルスの発生から10ミリ秒の間の65個のインパルス応答の振幅値をFIRフィルタの係数とする。係数の数が多ければ高域までの特性を制御することができるが、係数が多いとDSPの演算に負担がかかることになる。
【0040】
図5は、DSPで処理されるアコースティックモデリング部22のブロック図であり、上記のような条件に基づいて構成されている。
【0041】
入力されるデジタル信号は、44.1kHzのサンプリング周波数でサンプリングされたもので、まずカットオフ周波数が約3kHzのローパスフィルタ50により、約3kHz以下の周波数成分にフィルタされる。これは、FIRフィルタにおけるサンプリング周波数を6.5kHzとするため、入力信号の周波数成分をサンプリング周波数の半分以下に制限するためである(デシメーションという)。このローパスフィルタ(低域通過フィルタ)50は、IIRフィルタにより構成される。次に、補正用のフィルタ51を通過させる。このフィルタ51は、FIRフィルタ45による特性を補正したい場合に用いられ、FIRフィルタの特性に応じてフラットな特性であったり、ローカットの特性を有し、IIRフィルタにより構成される。
【0042】
このようにして約3kHz以下の帯域に制限されたデジタル信号の振幅値は、順次リングバッファ52に記憶される。このリングバッファは、10ミリ秒の時間に対応するサンプル数である441個の振幅値を記憶する領域を有し、リングバッファ52のアドレスを0から440までとすると、最初の振幅値はアドレス0に記憶され、次の振幅値はアドレス1というように順次記憶され、441個目の振幅値がアドレス440に記憶され、次の振幅値は再びアドレス0に上書きされる。このリングバッファ52への記憶は、サンプリング周期で行われ、つぎにFIRフィルタ45によりフィルタ演算が行われる。
【0043】
FIRフィルタ45は、このリングバッファ52と乗算器53と加算器54により構成される。まず、リングバッファ52に記憶される441個の振幅値のうちの65個の振幅値とFIRフィルタ45の65個の係数がそれぞれ乗算器53により乗算される。詳細には、最新のリングバッファ52に記憶された振幅値のアドレスをpとすると、FIRフィルタの第一番目の係数は、このアドレスpに記憶された振幅値と乗算され、FIRフィルタのn番目の係数は、値(n−1)×440÷64を四捨五入し、pからこの値を引いた値(この値が負の場合は441を加える)のアドレスに記憶された振幅値と乗算する。こうして得られた65個の積が加算器54により順次加算され、FIRフィルタ45により周波数特性が変更された振幅値が得られる。
【0044】
このようにして得られた振幅値は、パネルに設けられたボディツマミ34により設定される係数が乗算器55により乗算され、加算器58へ出力される。また、最新の振幅値は、乗算器66により、ボディタイプツマミ33により設定される係数が乗算され、次に乗算器56によりボディツマミ34により設定される係数が乗算される。ボディツマミ34は、右に回すほど胴の共鳴による効果が強調されるよう設定されており、ボディツマミ34を右に回すと、乗算器55の係数が増加し、乗算器56の係数が減少するよう設定されている。このことにより、FIRフィルタ45により3kHz以下の周波数特性が変更され、元の信号との混合比を変えることにより、胴鳴りの強度を調整することができる。乗算器55の出力と乗算器56の出力は、加算器58で加算され、同じくボディタイプツマミ33により設定される係数が乗算器64により乗算され、加算器59へ出力される。
【0045】
また、入力されたデジタル信号は、カットオフ周波数を約5kHzとするハイパスフィルタ(高域通過フィルタ)60を通過し、乗算器61によりボディタイプツマミ33により設定される係数が乗算され、加算器59に出力される。このことにより、ローパスフィルタ50を通過した帯域が、FIRフィルタ45により胴鳴りが付加され、これに、ローパスフィルタ50により遮断された帯域が、ハイパスフィルタ60を通過して加えられる。
【0046】
なお、FIRフィルタ45の係数は、アコースティックギターの種類、メーカ等により種々の特性のものが知られており、これらの複数の特性の係数組を記憶し、図3に示すボディタイプツマミ33により選択された係数に設定することができる。
【0047】
また、ハイパスフィルタ62は、ハイパスフィルタ60よりカットオフ周波数が高く設定されたものであり、ストリングエンハンスツマミ35により設定された係数が乗算器63により乗算されて加算器59に出力される。これは、ギターなどの弦の高域をより強調する場合に用いられる。加算器59の出力はローカットフィルタ65により不要な低域成分が除去されて出力される。
【0048】
上記実施例では、効果装置として、アコースティックモデリング以外の処理も行われるので、44.1kHzでサンプリングが行われ、FIRフィルタ45は、ダウンサンプリングされて演算が行われたが、アコースティックモデリングを、6.5kHzのサンプリング周波数で標本化して実施する第二実施例を次に示す。
【0049】
図6は、本発明の第二実施例のブロック図であり、これまでの説明と同じ構成には、同じ番号を付している。ピエゾピックアップ1により変換されたアナログ電気信号は、周波数帯域が約3kHz以下のアナログローパスフィルタ70を通過した後、A/D変換器3によりサンプリング周波数6.5kHzで量子化される。量子化された振幅値は、DSP71により制御されて65個の振幅値を記憶するリングバッファに順次記憶され、FIRフィルタにより65個の振幅値と65個の係数とが乗算器により乗算され、加算器により加算される。加算された振幅値は、D/A変換器5によりアナログ信号に変換され、ローパスフィルタ72により平滑化され、ボディタイプツマミ33により設定された係数でアンプ73により増幅または減衰される。
【0050】
一方、ピエゾピックアップ1により変換されたアナログ信号は、カットオフ周波数が約5kHzのハイパスフィルタ74に通され、ボディタイプツマミ33により設定された係数でアンプ75により増幅または減衰される。アンプ73とアンプ75の出力は合成されて出力される。
【0051】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0052】
例えば、上記第一の実施例では、FIRフィルタの演算を、元の信号のサンプリング周波数である44.1kHzの周期で、サンプリング周波数が6.5kHzである振幅値について行ったが、6.5kHzの長い周期でFIR演算を行い、元の信号のサンプリング周波数に戻す際に、簡易な補間方法を用いてもよい。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である弦楽器および効果装置の電気ブロック図である。
【図2】DSPの機能ブロック図である。
【図3】効果装置のパネル図である。
【図4】アコースティックギターの胴の周波数特性とインパルス応答の一例を示す図である。
【図5】アコースティックモデリング部の詳細図である。
【図6】第二実施例を表す図である。
【符号の説明】
1 ピエゾピックアップ
4 DSP
10 CPU
22 アコースティックモデリング部
33 ボディタイプツマミ(フィルタ係数選択手段)
45 FIRフィルタ
50 ローパスフィルタ
60 ハイパスフィルタ

Claims (10)

  1. 弦楽器の弦振動を電気信号に変換する圧電ピックアップと、
    その圧電ピックアップにより変換された電気信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、デジタル信号に変換する変換器と、
    その変換器により変換されたデジタル信号が通過するFIRフィルタとを備えたことを特徴とする弦楽器。
  2. 前記FIRフィルタの係数は、弦楽器の胴のインパルス応答により得られたものである請求項1に記載の弦楽器。
  3. 前記FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その記憶された複数組の中からいずれかの組を選択するフィルタ係数選択手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の弦楽器。
  4. 前記変換器は、前記圧電ピックアップにより変換された電気信号の低域成分が通過する低域通過フィルタと、
    前記圧電ピックアップにより変換された電気信号の高域成分が通過する高域通過フィルタとを備え、
    前記低域通過フィルタを通過した後、前記FIRフィルタを通過した楽音信号と、前記高域通過フィルタを通過した楽音信号とを合成して出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の弦楽器。
  5. 前記FIRフィルタは、前記低域通過フィルタのカットオフ周波数に応じたサンプリング周波数において演算されるものである請求項4に記載の弦楽器。
  6. 入力される楽音信号の低域成分が通過する低域通過フィルタと、
    その低域通過フィルタを通過した所定のサンプリング周期のデジタル信号通過するFIRフィルタと、
    前記入力される楽音信号の高域成分通過する高域通過フィルタと
    前記FIRフィルタを通過した楽音信号と前記高域通過フィルタを通過した楽音信号とを合成して出力する出力手段とを備えたことを特徴とする効果装置。
  7. 前記高域通過フィルタのカットオフ周波数は、前記低域通過フィルタにより遮断された帯域を補うように設定されていることを特徴とする請求項6に記載の効果装置。
  8. 前記FIRフィルタの係数は、弦楽器の胴のインパルス応答により得られたものである請求項6又は7に記載の効果装置。
  9. 前記FIRフィルタの係数を複数組記憶し、その記憶された複数組の中からいずれかの組を選択するフィルタ係数選択手段を備えたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の効果装置。
  10. 前記FIRフィルタは、前記低域通過フィルタのカットオフ周波数に応じたサンプリング周波数において演算されるものである請求項6から9のいずれかに記載の効果装置。
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