JP5564211B2 - 被膜形成方法及び被膜形成体 - Google Patents

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Description

本発明は、既存建築物の金属屋根における被膜形成方法に関するものである。
従来、住宅、工場、倉庫等の建築物における屋根材としては、粘土瓦、セメント瓦、スレート瓦、アスファルトシングル、金属板等の各種材料が用いられている。このうち、粘土瓦等の瓦材は古くから用いられている材料であるが、一枚当りの重量が大きく、建築物への負荷が大きくなってしまうこととなり、耐震面等の点ではやや不利である。
これに対し、金属板からなる屋根材は、瓦材等よりも比較的軽量であり、近年、各種建築物において多く採用されている状況である。このような金属屋根としては、鋼板の表面に塗装を施したものが汎用的に用いられている。しかし、このような金属屋根を用いた建築物では、降雨時の雨音が大きくなりやすく、住環境等の観点からすればあまり好ましいものではない。
金属屋根における雨音を低減する手法として、例えば特開2000−64512号公報(特許文献1)には、金属屋根の裏面(屋内側)に、合成樹脂発泡体、ゴム発泡体等からなる断熱材を設ける手法が記載されている。また、特開2005−9205号公報(特許文献2)には、金属製の屋根葺材と制振性接着剤層と下地材とからなる金属屋根構造において、損失係数が特定値となる制振性接着剤を用いることによって、雨音を低減する手法が記載されている。
しかし、これら特許文献に記載の手法は、いずれも金属屋根の屋内側の構造に関するものであり、既存建築物においてこれらの手法を採用しようとすると、屋根裏構造の改変等が必要となり、工事が大掛かりとなるおそれがある。
これに対し、特開2003−238897号公報(特許文献3)には、塗膜硬さが柔らかい塗料を塗布した後、塗膜硬さが硬い塗料を積層塗布してなる防音塗装工法が記載されている。このような特許文献3の工法は、金属屋根の屋外側に適用するものであり、金属屋根の改装を兼ねて実施することも可能である。
しかしながら、上記特許文献3のように、単に塗膜硬さの柔らかい塗料と硬い塗料を積層するだけでは、雨音低減等の点において十分な性能が得られない場合がある。
特開2000−64512号公報 特開2005−9205号公報 特開2003−238897号公報
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、金属屋根が設けられた既存建築物において、簡便かつ効果的に雨音を低減することができる方法を得ることである。
このような課題を解決するため、本発明者は鋭意検討の結果、既存建築物の金属屋根の屋外側表面に対し、特定の中塗層と上塗層による被膜を形成すれば、降雨時の雨滴が金属屋根に接したときの騒音レベルを低く抑えることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は以下の方法に関するものである。
1.既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体30〜300重量部が分散してなり、前記樹脂マトリクスは、少なくとも上記ウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応物を含み、当該活性水素含有化合物が、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物から選ばれるものである、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、
当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする被膜形成方法。
2.前記無機質粉粒体の平均粒子径が0.1〜100μmであることを特徴とする上記1.記載の被膜形成方法。
3.前記無機質粉粒体には、平均粒子径0.5〜100μmの無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し50重量%以上含まれることを特徴とする上記1.または2.に記載の被膜形成方法。
4.上記1.〜3.のいずれかに記載の被膜形成方法により得られる被膜形成体。
5.既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体100〜400重量部が分散してなる、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする雨音の低減方法。
本発明によれば、金属屋根が設けられた既存建築物において、簡便かつ効果的に雨音を低減することができる。本発明方法は、金属屋根の改装を兼ねることもでき、美観性向上にも寄与するものである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の被膜形成方法は、既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対して適用するものである。
金属屋根を構成する基材としては、例えば、鋼板、ステンレス板、アルミニウム板、アルミニウム合金板、銅板等の金属板、ガルタイトやガルバリウム等の亜鉛−アルミニウムめっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、亜鉛めっき鋼板等のめっき金属板等が挙げられる。これらは各種塗料等により被覆されたものであってもよい。このような基材の厚みは、通常0.2〜2mm程度である。
本発明では、上記基材の上に直接中塗層を設けてもよいが、防錆塗料等による下塗層を設けることが望ましい。このような下塗層を設けることにより、金属屋根の腐食を防止することができ、長期間にわたり本発明の効果を得ることが可能となる。
防錆塗料としては、樹脂、防錆顔料等を必須成分とするものが使用できる。このうち、樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、アルキド系樹脂等が挙げられる。また、樹脂の形態としては、溶液型、分散型、あるいはこれらの混合物等が使用可能である。
防錆顔料としては、市販または公知の材料を使用することができる。具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム等のリン酸系防錆顔料、亜リン酸亜鉛、亜リン酸鉄、亜リン酸アルミニウム等の亜リン酸系防錆顔料、モリブデン酸カルシウム、モリンブデン酸アルミニウム、モリブデン酸バリウム等のモリブデン酸系防錆顔料、酸化バナジウム等のバナジウム系防錆顔料、ストロンチウムクロメート、ジンクロメート、カルシウムクロメート、カリウムクロメート、バリウムクロメート等のクロメート系防錆顔料が挙げられる。防錆顔料は、樹脂固形分100重量部に対し、通常5〜150重量部、好ましくは10〜100重量部程度の比率で混合すればよい。
下塗層は、上述のような防錆塗料を塗付、乾燥することにより形成することができる。塗装方法としては、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を適宜採用すればよい。乾燥は、常温下(0〜40℃程度)で行えばよい。下塗層の厚みは、通常5〜200μm、好ましくは10〜100μm程度である。
本発明では、上述の如く必要に応じ下塗層を設けた基材に対し、中塗層を設ける。この中塗層は、ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクスに、無機質粉粒体が分散してなる中塗材によって形成されるものである。このような材料を採用することにより、本発明では、中塗層の厚膜化、強度向上等を図ることができ、雨音低減性、付着性等においても優れた効果を発揮することが可能となる。
中塗材におけるウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクスは、ウレタンプレポリマーの反応生成物を含む高分子が連続相を形成したものである。本発明では、このような特定の樹脂マトリクスを採用することにより、雨音低減効果等を高めることが可能となる。
このうち、ウレタンプレポリマーは、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得られ、分子末端にイソシアネート基を有するものである。
ウレタンプレポリマーを構成するポリオール化合物としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。これらの重量平均分子量は通常300〜5000(好ましくは500〜3000)である。
また、ポリイソシアネート化合物としては、一般のポリウレタンの製造に用いられる脂肪族、脂環族または芳香族ポリイソシアネートが挙げられる。具体的には、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応比率は、ポリオール化合物中の水酸基に対して、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基が過剰となる比率に設定すればよく、通常はNCO/OHが1.2〜2.2程度となるように設定することが望ましい。
中塗材における樹脂マトリクスは、少なくとも上記ウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応物を含むものである。このうち、活性水素含有化合物は、上記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応可能な化合物である。このような活性水素含有化合物としては、例えば、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物等が使用できる。
具体的にアミノ基含有化合物としては、例えば、芳香族、脂肪族あるいは複素環式ポリアミン類、及びこれらのエポキシド付加変性物、アミド化変性物、マンニッヒ化変性物等が挙げられる。
水酸基含有化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等のポリオール化合物の他、水酸基含有ビニル化合物、水酸基含有エポキシ化合物等が挙げられる。ウレタンプレポリマーと水酸基含有ビニル化合物とを反応させた場合は、残余のビニル基どうしをさらに反応させることができる。ウレタンプレポリマーと水酸基含有エポキシ化合物とを反応させた場合は、さらにアミノ基含有化合物等を加えることにより、残余のエポキシ基を反応させることができる。水酸基含有化合物としては、特にアクリルポリオールが好適である。
無機質粉粒体としては、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、陶土、チャイナクレー、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪砂、珪石、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。無機質粉粒体の平均粒子径は、好ましくは0.1〜100μm(より好ましくは0.2〜50μm、さらに好ましくは0.3〜20μm)程度である。
中塗層における無機質粉粒体としては、平均粒子径0.5〜100μm(好ましくは1〜50μm、より好ましくは2〜20μm)の無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し、50重量%以上(より好ましくは70重量%以上)含まれることが望ましい。無機質粉粒体がこのような構成であれば、厚膜化、雨音低減性等の点で有利となる。
中塗層における無機質粉粒体は、ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に対し、30〜300重量部(好ましくは50〜250重量部、より好ましくは80〜230重量部)の比率とする。無機質粉粒体の比率がこのような範囲内であれば、中塗層の厚膜化、強度向上等の点で好適であり、雨音低減性、付着強度等においても十分な効果を得ることが可能となる。無機粉粒体が少なすぎる場合は、厚膜の被膜が得られ難く、また被膜強度も不十分となるため、雨音低減性、付着性等に支障をきたすおそれがある。無機質粉粒体が多すぎる場合は、雨音低減性において十分な効果が得られ難くなる。
このような中塗層は、ウレタンプレポリマー、活性水素含有化合物、及び無機質粉粒体を含む中塗材、あるいは、ウレタンプレポリマーと水酸基含有エポキシ化合物との反応生成物、アミノ基含有化合物、及び無機質粉粒体を含む中塗材等を塗付、乾燥することにより形成することができる。
具体的に、前者の形態の中塗材では、ウレタンプレポリマー及び活性水素化合物を、塗装時に混合し、被膜形成過程において両者を反応させることにより、樹脂マトリクスを形成することができる。後者の形態の中塗材では、ウレタンプレポリマーと水酸基含有エポキシ化合物との反応生成物、及びアミノ基含有化合物を、塗装時に混合し、被膜形成過程において両者を反応させることにより、樹脂マトリクスを形成することができる。
中塗材の塗装方法としては、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を適宜採用すればよい。乾燥は、常温下で行えばよい。
中塗層の厚みは、通常50〜1000μm、好ましくは100〜500μmである。中塗層の厚みが50μmに満たない場合は、十分な雨音低減効果が得られ難くなる。1000μmよりも厚みが大きい場合は、中塗層による荷重が大きくなり、建築物に対する重量負荷軽減の点で不利となる。
本発明では、上記中塗層の上に、形成被膜の水に対する接触角(以下単に「接触角」ともいう。)が70°以下となる上塗層を設ける。本発明では、上記中塗層と、この上塗り層を積層することによって、優れた雨音低減効果を得ることができる。その作用機構は明らかではないが、上塗層の接触角が低いことにより、落下してきた雨滴が屋根に接触した際の跳ね返りが抑制され、さらに中塗材のクッション性等が相乗的に作用することにより、雨音が低減できるものと考えられる。本発明では、上塗層の接触角が低いことにより、降雨時に上塗層表面で水膜が形成され、その水膜によっても雨滴の跳ね返りが抑制されるものと考えられる。
上塗層は、接触角が70°以下となるものであるが、好ましくは60°以下、より好ましくは50°以下となるものである。接触角が70°を超える場合は、雨音低減性において十分な効果を得ることが困難となる。なお、形成被膜の水に対する接触角は、接触角計にて測定される値である。
このような上塗層は、接触角が70°以下となる被膜が形成可能な上塗材を塗付、乾燥することにより形成できる。具体的に上塗材としては、例えば水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基等の親水性基を有する樹脂、ポリアルキレンオキサイド、ポリオキサゾリン、ポリアミド等の親水性セグメントを有する樹脂等を結合材とするもの、あるいは、各種樹脂に親水性付与成分を配合したもの等が挙げられる。上塗材における樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂等、あるいはこれらの複合系等を主骨格とするものが使用できる。この中でも、特に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、及びフッ素樹脂から選ばれる1種以上が好適である。樹脂の形態は、水系、溶剤系の何れであってもよい。
親水性付与成分としては、例えば、無機酸化物ゾル、アルコキシシラン化合物等が挙げられる。このうち、無機酸化物ゾルとしては、例えば、酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル、酸化アンチモンゾル等が挙げられる。
アルコキシシラン化合物としては、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、及びこれらの変性物等が使用できる。アルコキシシラン化合物の平均縮合度は、通常1〜100、好ましくは4〜20程度である。
本発明において好適な親水性付与成分としては、炭素数が1〜2のアルコキシル基と炭素数が3〜12のアルコキシル基を含有するテトラアルコキシシラン縮合物が挙げられ、特にその化合物全体のアルコキシル基のうち、5〜50当量%が炭素数3〜12のアルコキシル基となるようにしたものが好適である。炭素数3〜12のアルコキシル基としては、例えば、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等の直鎖アルコキシル基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、t−オクチルオキシ基等の分岐アルコキシル基等が挙げられる。このうち、分岐アルコキシル基が好適である。このような化合物は、例えば、炭素数1〜2のアルコキシル基を有するテトラアルコキシシラン縮合物を、炭素数3〜12のアルコールでエステル交換反応により変性する方法等により得られる。
このような親水性付与成分は、上塗材における樹脂固形分100重量部に対し、通常0.1〜50重量部(好ましくは0.5〜20重量部)の比率で混合すればよい。
本発明における上塗層は、クリヤー被膜、着色被膜のいずれであってもよいが、着色被膜であれば、所望の色彩を付与することができ、また中塗層の保護等を図ることもできる。このような着色被膜からなる上塗層は、上述の成分に公知の顔料等を適宜混合した上塗材を用いて形成することができる。
本発明における上塗層は、上述のような上塗材を塗付、乾燥することにより形成することができる。塗装方法としては、スプレー塗り、ローラー塗り、刷毛塗り等を適宜採用すればよい。乾燥は、常温下で行えばよい。上塗層の厚みは、通常200μm以下、好ましくは10〜150μmである。
本発明では、既存建築物における金属屋根の屋外側表面に、中塗層及び上塗層、または下塗層、中塗層及び上塗層が順に積層され、かつ上塗層は、積層被膜の最表面に設けられる。本発明の効果を著しく阻害しない範囲であれば、必要に応じ、中塗層と上塗層の間等に中間的な層を設けることもできる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(中塗材の製造)
・中塗材1
ウレタン変性エポキシ樹脂(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー(ポリエーテルポリオール(重量平均分子量1000)と2,4−トリレンジイソシアネートとの反応生成物)のグリシドール付加物、不揮発分70重量%)130重量部に対し、重質炭酸カルシウムA(平均粒子径3μm)120重量部、炭化水素系溶剤24重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、変性ポリアミン(固形分100重量%)9量部を均一に混合することにより、中塗材1を製造した。
・中塗材2
可溶形アクリルポリオールA(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度34℃、固形分46重量%)104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA(平均粒子径3μm)110重量部、炭化水素系溶剤10重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA(ポリエーテルポリオール(重量平均分子量2000)と2,4−トリレンジイソシアネートとの反応生成物、不揮発分100重量%、NCO含有量3重量%)52重量部を均一に混合することにより、中塗材2を製造した。
・中塗材3
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA225重量部、炭化水素系溶剤25重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材3を製造した。
・中塗材4
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA95重量部、酸化チタンA(平均粒子径0.3μm)25重量部、炭化水素系溶剤10重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材4を製造した。
・中塗材5
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA350重量部、炭化水素系溶剤40重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材5を製造した。
・中塗材6
可溶形アクリルポリオールA104重量部に対し、重質炭酸カルシウムA15重量部、炭化水素系溶剤2重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーA52重量部を均一に混合することにより、中塗材6を製造した。
・中塗材7
ダイマー酸変性エポキシ樹脂(固形分70重量%)55重量部に対し、重質炭酸カルシウムA120重量部、炭化水素系溶剤15重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、変性ポリアミン(固形分100重量%)45量部を均一に混合することにより、中塗材7を製造した。
(上塗材の製造)
・上塗材1
非水分散形アクリルポリオールA(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度38℃、固形分50重量%)188重量部に対し、酸化チタンA(平均粒子径0.3μm)80重量部、炭化水素系溶剤23重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA(不揮発分100重量%、NCO含有量21重量%)6重量部、下記親水性付与成分3重量部を均一に混合することにより、上塗材1を製造した。
・親水性付与成分
メチルシリケート縮合物(重量平均分子量1000、平均縮合度8、不揮発分100%)100重量部に対して、イソブチルアルコール52重量部と、触媒としてジブチルスズジラウレート0.03重量部を添加し、混合後、75℃で8時間脱メタノール反応を行い、親水性付与成分を製造した。この親水性付与成分におけるメチル基とイソブチル基との当量比率は62:38であった。
・接触角測定
150mm×70mm×1mmのアルミニウム板に対し、上塗材1を乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態(温度23℃、相対湿度50%)で7日間乾燥後、屋外にて1ヶ月間放置した。以上の方法で得られた試験板について、協和界面科学株式会社製CA−A型接触角測定装置を用いて接触角を測定した。その結果、上塗材1の接触角は33°であった。
・上塗材2
非水分散形アクリルポリオールB(水酸基価50KOHmg/g、ガラス転移温度32℃、固形分50重量%)188重量部に対し、酸化チタンA80重量部、炭化水素系溶剤30重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA6重量部、親水性付与成分1重量部を均一に混合することにより、上塗材2を製造した。
上塗材2について、上記上塗材1と同様の方法で接触角を測定したところ、上塗材2の接触角は54°であった。
・上塗材3
非水分散形アクリルポリオールA188重量部に対し、酸化チタンA80重量部、炭化水素系溶剤26重量部、シリコーン系消泡剤1重量部、イソシアヌレート構造含有ポリイソシアネートA6重量部を均一に混合することにより、上塗材3を製造した。
上塗材3について、上記上塗材1と同様の方法で接触角を測定したところ、上塗材3の接触角は82°であった。
(試験例1)
・騒音レベル試験
300mm×300mm×1mmのアルミニウム板に対し、防錆下塗材を乾燥膜厚が30μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で18時間乾燥後、中塗材1を乾燥膜厚が200μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で24時間乾燥した。次いで、上塗材1を乾燥膜厚が40μmとなるようにスプレー塗装し、標準状態で7日間乾燥後、屋外にて1ヶ月間放置した。
以上の方法で得られた試験板を水平に設置し、その上方3mからシャワーノズルを用いて水を連続的に1分間散水した。このとき、試験板の裏面から10cm離れたところに設置した騒音計により騒音レベルを測定した。騒音レベルは、以下の評価基準に従って評価した。
A:80dB未満
B:80dB以上85dB未満
C:85dB以上90dB未満
D:90dB以上
・密着性試験
上記「騒音レベル試験」と同様の手順にて試験板を作製した(但しアルミニウム板は150mm×70mm×1mmのものを用いた)。
以上の方法で得られた試験板を50℃の温水に72時間浸漬した後、JIS K 5600−5−6に準じた碁盤目テープ法にて密着性を評価した。評価基準は以下の通りである。
A:欠損部面積が5%未満
B:欠損部面積が5%以上15%未満
C:欠損部面積が15%以上
試験結果を表1に示す。試験例1ではいずれの試験においても優れた結果が得られた。
Figure 0005564211
(試験例2〜5)
中塗材、上塗材として表1に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表1に示す。試験例2〜5ではいずれの試験においても優れた結果が得られた。
(試験例6〜8)
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例6〜8では、試験例1〜5に比べ十分な結果を得ることができなかった。
(試験例9)
防錆下塗材を塗装した後、その上に直接上塗材1を塗装した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例9では十分な結果を得ることができなかった。
(試験例10)
防錆下塗材を塗装した後、その上に直接上塗材2を塗装した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例10では十分な結果を得ることができなかった。
(試験例11)
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用した以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例11では十分な結果を得ることができなかった。
(試験例12)
中塗材、上塗材として表2に示すものを使用するとともに、中塗材については乾燥膜厚が30μmとなるように塗装を行った。これ以外は、試験例1と同様の方法で試験板を作製し、各試験を行った。結果を表2に示す。試験例12では十分な結果を得ることができなかった。
Figure 0005564211




Claims (4)

  1. 既存建築物における金属屋根の屋外側表面に対し、
    ウレタンプレポリマーに由来する樹脂マトリクス100重量部に、無機質粉粒体30〜300重量部が分散してなり、前記樹脂マトリクスは、少なくとも上記ウレタンプレポリマーと活性水素含有化合物との反応物を含み、当該活性水素含有化合物が、アミノ基含有化合物、水酸基含有化合物から選ばれるものである、厚み50〜1000μmの中塗層を形成し、
    当該中塗層の上には、形成被膜の水に対する接触角が70°以下となる上塗層を形成することを特徴とする被膜形成方法。
  2. 前記無機質粉粒体の平均粒子径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項記載の被膜形成方法。
  3. 前記無機質粉粒体には、平均粒子径0.5〜100μmの無機質粉粒体が、無機質粉粒体の総量に対し50重量%以上含まれることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の被膜形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の被膜形成方法により得られる被膜形成体。
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