以下に添付図面を参照して、実施形態の自動原稿搬送装置及び画像読取装置を説明する。
図1は、実施の形態の画像読取装置100を示す。画像読取装置100は、第1の画像読取部であるスキャナ110及びこのスキャナ110に原稿Gを搬送する自動原稿搬送装置(ADF)10を有する。スキャナ110は、READ原稿ガラス110a、原稿載置台としてのプラテンガラス110b及び光学機構110cを備える。光学機構110cは、READ原稿ガラス110a上を走行する原稿Gの画像を光学的に読み取る。或いは光学機構110cは、プラテンガラス110bに沿って、図示しない駆動手段により矢印A方向(図1参照)に移動して、プラテンガラス110b上に載置される原稿Gの画像を光学的に読み取る。スキャナ110は、光学機構110cからの光信号を電気信号に光電変換するCCD(Charge Coupled Device)110dを有する。
自動原稿搬送装置10は、図示しないヒンジ部により、開閉可能に、スキャナ110に取り付けられ、開状態で、READ原稿ガラス110a及びプラテンガラス110bを露出し、閉状態(図1の状態)で、READ原稿ガラス110a及びプラテンガラス110bを覆い、原稿Gを連続してREAD原稿ガラス110aに搬送する。
自動原稿搬送装置10は、スキャナ110で画像が読取られる原稿Gを一枚ずつ給紙する給紙部、上記給紙部により給紙される原稿Gを、第1搬送路を経由して、上記スキャナ110のREAD原稿ガラス110a方向へ搬送する第1搬送部、上記給紙部により給紙される原稿Gを上記第1搬送路とは異なる第2搬送路を経由して、上記スキャナ110のREAD原稿ガラス110a方向へ搬送する第2搬送部、上記第1搬送部と上記第2搬送部とにより搬送されてくる原稿Gを、交互に1枚ずつ挟持して、上記スキャナ110のREAD原稿ガラス110aに搬送する第3搬送部、上記給紙部により給紙される原稿Gを、上記第1搬送路と上記第2搬送路とに交互に振り分けて送り込む原稿振り分け搬送部とを有する。
上記給紙部は、原稿Gを積層して載置する原稿トレイ11、原稿トレイ11から原稿Gを取り出すピックアップローラ12、原稿Gの重ね送り(ダブルフィード)を防止するために、原稿Gを一枚ずつ分離して搬送する分離ローラ13(一対のローラから成る)を有する。
上記第1搬送部は、上記第1搬送路として、後述するレジストローラ14(一対のローラから成る)から、READ原稿ガラス110aに達するOUT搬送路16と、第1中間搬送ローラとして、OUT搬送路16の途中に設けられた中間OUTローラ18(一対のローラから成る)を有する。
上記第2搬送部は、上記第2搬送路として、後述するレジストローラ14から、READ原稿ガラス110aに達するIN搬送路17と、第2中間搬送ローラとして、IN搬送路17の途中に設けられた中間INローラ28(一対のローラから成る)を有する。
上記第3搬送部は、OUT搬送路16あるいはIN搬送路17を通った原稿Gをスキャナ110のREAD原稿ガラス110aに搬送する読取前ローラ50(一対のローラから成る)を有する。OUT搬送路16の搬送路長さ(レジストローラ14からOUT搬送路16を経由して読取前ローラ50に至る距離)及びIN搬送路17の搬送路長さ(レジストローラ14からIN搬送路17を経由して読取前ローラ50に至る距離)は、最も良く使用される例えば、レターサイズの用紙長さ(216mm)を有している。従って、レターサイズ以下のサイズの原稿が搬送される場合、搬送途中において、原稿Gは、OUT搬送路16及びIN搬送路17内に収まる構成になっている。
上記原稿振り分け搬送部は、分離ローラ13の下流側に設けられ、原稿の先端を揃えるレジストローラ14と、レジストローラ14により搬送されてくる原稿GをOUT搬送路16あるいはIN搬送路17に振り分けるゲート40を有する。
また、自動原稿搬送装置10は、さらにREAD原稿ガラス110aから原稿Gを排出する読取後ローラ51(一対のローラから成る)、排紙前ローラ52(一対のローラから成る)、排紙ローラ53(一対のローラから成る)及び排紙トレイ56を有する。読取後ローラ51、排紙前ローラ52及び排紙ローラ53は、排紙部を構成する。読取後ローラ51から排紙前ローラ52に至る間には、第2の画像読取部である、コンタクトイメージセンサ(CIS)60が設けられる。このコンタクトイメージセンサ(CIS)60は、例えば排紙前ローラ52から排紙ローラ53に至る搬送路に設けても良い。
スキャナ110は、READ原稿ガラス110aで、ガラス表面上を走行する原稿Gの第1面である表面の画像を読み取る。CIS60は、走行する原稿Gの第2面である裏面の画像を読み取る。これにより、1回の原稿搬送によって原稿Gの両面の画像を読み取ることが出来る。
原稿トレイ11には、原稿Gの有無を検知するエンプティセンサ70を配置し、分離ローラ13からレジストローラ14の間には、レジストローラ14に原稿Gが到達したことを検知するレジストセンサ71を配置する。
OUT搬送路16には、レジストローラ14と、中間OUTローラ18の駆動タイミングを検知する第1のタイミングセンサであるペーパタイミングセンサOUT72を配置する。IN搬送路17には、レジストローラ14と、中間INローラ28の駆動タイミングを検知する第2のタイミングセンサであるペーパタイミングセンサIN73を配置する。さらにスキャナ110の上部には、自動原稿搬送装置10の開閉を検知するADF開閉検知センサ90を配置する。
読取前ローラ50からREAD原稿ガラス110aに達する間には、読取前センサ76を配置し、読取後ローラ51とCIS60との間には読取センサ77を配置する。排紙前ローラ52から排紙ローラ53に達する間には、排紙センサ78を配置する。
エンプティセンサ70は、例えば、原稿Gがあるときにオンし、原稿がないときにオフすることにより、原稿Gの有無を検知する。センサ71、72、73、76、78は、原稿Gがセンサ位置に到達したときにオンし、原稿Gがセンサ位置を通過したときにオフすることにより、原稿Gを検知する。ADF開閉検知センサ90は、ADF10が開状態のときにオフし、閉状態のときにオンすることにより、ADF10の開閉を検知する。
給紙モータ80は、オンするとピックアップローラ12及び分離ローラ13を駆動回転し、オフすると、ピックアップローラ12及び分離ローラ13の駆動回転を停止する。ピックアップソレノイド81は、オン/オフしてピックアップローラ12を揺動する。レジストモータ(レジストモータ)82は、オンすると、レジストローラ14を駆動回転し、オフするとレジストローラ14の駆動回転を停止する。
ゲートソレノイド83はゲート40を切り替え操作する。ゲートソレノイド83がオフすると、ゲート40は、矢印x方向に回動し、原稿Gを第1搬送路であるOUT搬送路16に振り分ける。ゲートソレノイド83がオンすると、ゲート40は、矢印y方向に回動し、原稿Gを第2搬送路であるIN搬送路17に振り分ける。
中間OUTモータ84は、オンすると中間OUTローラ18を駆動回転し、オフすると中間OUTローラ18の駆動回転を停止する。中間INモータ86は、オンすると中間INローラ28を駆動回転し、オフすると中間INローラ28の駆動回転を停止する。READモータ87は、オンすると読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を駆動回転し、オフすると読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52の駆動回転を停止する。排紙モータ88は、オンすると排紙ローラ53を駆動回転し、オフすると排紙ローラ53の駆動回転を停止する。
図2に、ADF10を主体にした制御系120のブロック図を示す。画像読取装置100を有する画像形成装置の全体を制御する本体制御部121は、スキャナ110のCCD110dとCIS60とに接続する。本体制御部121は、入出力インタフェース122を介してADF10のCPU130を制御する。CPU130の入力側には、エンプティセンサ70、レジストセンサ71、ペーパタイミングセンサOUT72、ペーパタイミングセンサIN73、読取前センサ76、読取センサ77、排紙センサ78及び、ADF開閉検知センサ90を接続する。
CPU130の出力側には、ピックアップソレノイド81、給紙モータ80、レジストモータ82、ゲートソレノイド83、中間OUTモータ84、中間INモータ86、READモータ87及び、排紙モータ88を接続する。CPU130は、内部にタイマ機能を有し、タイマの計時結果と上記センサの検知結果を基に、上記モータ及びソレノイドを駆動制御し、本体制御部121と共に、原稿の搬送及び原稿画像を読取る制御プロセスを実行する。
以上の構成により、ゲート40とレジストローラ14とは協働して、連続搬送されてくる原稿Gを、OUT搬送路16及びIN搬送路17に、交互に振り分けて送り込む。この際、レジストローラ14は、読取前ローラ50に先行の原稿Gが挟持されたのを見計らって、すなわち読取前センサ76がオンすると、回転して後行の原稿Gを、OUT搬送路16及びIN搬送路17のうちの先行の原稿Gが送り込まれていない搬送路に送り込む。
従って、レターサイズ以下のサイズの原稿Gを連続搬送する途中でジャムが発生すると、先行の原稿Gと後行の原稿GがOUT搬送路16及びIN搬送路17のそれぞれの搬送路内に存在する場合が生じるが、先行の原稿Gは必ず読取前ローラ50により挟持された状態になる。このため、原稿Gのジャムが発生して、OUT搬送路16及びIN搬送路17に残存する原稿Gを取り除く場合でも、どの原稿Gが先行の原稿Gであるか、あるいは後行の原稿Gであるかを容易に判別でき、ジャム処理が容易になる。
中間INローラ28及び中間OUTローラ18は、OUT搬送路16及びIN搬送路17のいずれか一方の搬送路にある先行の原稿Gの後端と、他方の搬送路にある後行の原稿Gの先端との距離をほぼ0mmに近づける状態で原稿Gをスキャナ110に効率良く連続搬送する。従って、本体制御部121の制御プロセスにより動作するスキャナは、原稿Gの画像を高速に読取ることができる。
次に、図3から図8に示すフローチャートを用いて、原稿Gを連続搬送して画像を読取る制御プロセスを詳細に説明する。まず、1枚目の原稿G1を搬送する制御プロセスを説明する。本体装置の図示しない電源がオンすると、図3のACT200で、CPU130は、ADF開閉センサ90がオンになるのを待つ。ADF開閉センサ90が、ADF10の閉状態を検知してオンになると、CPU130は、ADF開閉センサ90がオンであることを基に、ADF10が閉じていることを確認する。
次に図3のACT201で、CPU130は、搬送路中の全センサ71、72、73、76、77、78がオフであるかを確認する。CPU130は、搬送路中の全センサ71、72、73、76、77、78がオフであることを確認して、ADF10の全搬送路中に原稿Gが存在しないことを判断する。
次に図3のACT202で、CPU130は、エンプティセンサ70がオンになるのを待つ。原稿G1がユーザーにより、原稿トレイ11に載置されると、エンプティセンサ70が原稿G1を検知してオンになる。CPU130は、エンプティセンサ70がオンであることを基に、本体制御部121に、原稿オン信号を送信する。その後、ACT203で、CPU130は、本体制御部121からの給紙要求信号を受信するのを待つ。
なお、ACT201で、CPU130は、全センサのうちのいずれかのセンサがオンでることを確認すると、CPU130は、搬送路中に原稿G1が存在すると判断して、図示しない表示手段等を用いて、原稿詰まり(ジャム)が発生していることを報知する。
図3のACT203で、CPU130が本体制御部121からの給紙要求信号を受信すると、図4のACT206で、CPU130は、ピックアップソレノイド81をオンし、給紙モータ80をオンする。ピックアップソレノイド81がオンすることにより、ピックアップローラ12が下降してトレイ11上の原稿G1に当接する。給紙モータがオンすることにより、ピックアップローラ12が回転して、原稿G1のトレイからの給紙を開始する。また給紙モータ80がオンすることにより、分離ローラ13を回転して、トレイ11からの給紙された原稿G1を搬送する。これにより原稿G1の給紙動作を開始する。
次に図4のACT207で、CPU130は、レジストセンサ71がオンになるのを待つ。レジストセンサ71が原稿G1を検知してオンになると、ACT208で、CPU130は、レジストセンサ71がオンしてから一定時間後に給紙モータ80をオフし、ゲートソレノイド83をオフする。
原稿G1は、ピックアップローラ12及び分離ローラ13の回転により、一定時間搬送された後、レジストローラ14に当たり、図9に示されるように、先端位置を整位されて停止する。ゲートソレノイド83は、オフになることにより、ゲート40を、原稿GがOUT搬送路16に振り分けられる方向に設定する。
なお、図4のACT210で一定時間を経過してもレジストセンサ71がオンしない場合は、CPU130は、原稿Gが紙詰まりを生じたと判断して、図示しない表示手段等を用いて、ジャム発生を報知する。
次に図4のACT211で、CPU130は、一定時間経過するのを待つ。一定時間が経過すると、ACT212で、CPU130は、原稿G1が奇数枚目であるか否かを判断する。この場合、原稿G1は最初の1枚目であるので、CPU130は、奇数枚目であると判断する。原稿G1が奇数枚目であると判断すると、ACT265で、CPU130は、先行の原稿Gにより、読取前センサ76がオンしているか否かを確認し、読取前センサ76がオンしている場合、ACT214に進む。
但し、原稿G1が最初の1枚目である場合(先行の原稿Gが存在しない)には、図4のACT265をスル―して、ACT214に進む。ACT214で、CPU130は、レジストモータ82と中間OUTモータ84をオンして、レジストローラ14と中間OUTローラ18を等速で回転する。図10に示すように原稿G1は、ゲート40に振り分けられてOUT搬送路16に進む。
図5のACT215及びACT217で、CPU130は、ペーパタイミングセンサOUT72がオンするのを一定時間の間待つ。ペーパタイミングセンサOUT72がオンすると、ACT216で、CPU130は、レジストモータ82と中間OUTモータ84を、ペーパタイミングセンサOUT72がオンしてから一定時間後に、オフして、回転を停止する。図11に示すように、原稿G1は、読取前ローラ50の手前で停止する。
なお図5のACT215及びACT217で、ペーパタイミングセンサOUT72が、一定時間経過してもオンしない場合には、CPU130は、原稿Gのジャムが生じたと判断して、図示しない表示手段等を用いて、ジャム発生を報知する。
図5のACT218で、CPU130は、本体制御部121から搬送要求信号を受信するのを待つ。本体制御部121から搬送要求信号を受信すると、ACT220で、CPU130は、先行する原稿Gの先端が、読取前センサ76をオンした後、所定時間を経過するのを待つ。但し、原稿G1が最初の1枚目である場合(先行の原稿Gが存在しない)には、ACT220をスル―して、ACT221に進む。
図5のACT221で、CPU130は、中間OUTモータ84とREADモータ87とをオンして、本体制御部121の指示に従った速度で、中間OUTローラ18、読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を回転する。
図6のACT230で、CPU130は、一定時間経過するのを待つ。この間、中間OUTモータ84とREADモータ87とを一定時間オンし続けて、本体制御部121の指示に従った速度で、中間OUTローラ18、読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を一定時間回転し続ける。中間OUTローラ18、読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を一定時間回転し続けることにより、原稿Gは一定距離搬送される。CPU130は、中間OUTモータ84とREADモータ87とを一定時間オンした後、図6のACT231で、本体制御部121に、読取開始信号を送信する。本体制御部121は、読取開始信号を受信して、原稿G1の表面の画像読み取りを開始する。
図12に示すように、原稿G1は、READ原稿ガラス110a上を走行する。スキャナ110は、原稿G1の表面の画像読取を行う。原稿G1は、READ原稿ガラス110a上を走行した後、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を経て排紙ローラ53方向に搬送される。
図6のACT232で、CPU130は、排紙センサ78がオンするのを待つ。その後、原稿G1の先端が排紙センサ78に到達すると、排紙センサ78が原稿G1を検知してオンする。排紙センサ78がオンすると、ACT233で、CPU130は、排紙モータ88をオンして、排紙ローラ53を回転する。
両面読取である場合、図6のACT237で、本体制御部121は、CIS60により、原稿G1の裏面の画像読み取りを開始する。排紙センサ78がオンした後、本体制御部121は、ACT238で、一定時間の経過を待つ。一定時間経過後、ACT241で、本体制御部121は、スキャナ110による原稿G1の表面の画像読取を終了する。
原稿G1の後端が読取後ローラ51を抜けて、読取センサ77がオフすると、図6のACT242で、CPU130は、READモータ87と中間OUTモータ84をオフする。また読取センサ77がオフしてから所定時間経過を待って、本体制御部121は、CIS60による原稿G1の裏面の画像読み取りを終了する。
その後、図8のACT260で、CPU130は、原稿G1が最終原稿であるか(例えば原稿G1が給紙された後、エンプティセンサ70がオフするか)を判断し、原稿G1が最終原稿である場合は、CPU130は、最終原稿の排紙動作を実行する。すなわち、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフして、原稿の画像読み取り搬送制御プロセスを終了する動作を行う。
具体的には、図8のACT261で、CPU130は、排紙センサ78がオフするのを待つ。排紙センサ78がオフした後、ACT262で、CPU130は、排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G1を一定距離搬送する。排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G1が一定距離搬送されると、ACT263で、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフする。これにより、原稿G1を搬送して画像を読取る制御プロセスが完了する。
また、図8のACT260で、CPU130は、原稿G1が最終原稿ではないと判断すると、上記排紙動作は実施せずに、OUT搬送路16とIN搬送路17とによる原稿の搬送を、以下の通り繰り返す。
すなわちCPU130は、まず、上記1枚目の原稿G1により、図4のACT207でレジストセンサ71がオンすると、CPU130は、割り込み処理として、1枚目の原稿G1の制御プロセスとは別に、2枚目の原稿G2の給紙を並行してスタートする。但し2枚目の原稿G2は、1枚目の原稿G1の後端がレジストセンサ71を抜ける迄、給紙プロセスを待機する。図4のACT300及びACT301で、CPU130は、先行する上記1枚目の原稿G1の後端がレジストセンサ71を通過することにより、レジストセンサ71がオフするのを待つ。
図4のACT300でレジストセンサ71がオフすると、CPU130は、ACT206で、ピックアップソレノイド81及び給紙モータ80をオンする。ピックアップソレノイド81がオンすることにより、ピックアップローラ12が下降してトレイ11上の原稿G2に当接する。給紙モータがオンすることにより、ピックアップローラ12が回転して、図12に示すように、2枚目の原稿G2のトレイからの給紙を開始する。また給紙モータ80がオンすることにより、分離ローラ13を回転して、トレイ11からの給紙された原稿G2を搬送する。
そして原稿G2の先端が、レジストセンサ71の位置に到達すると、図4のACT207で、レジストセンサ71が原稿G2を検知してオンする。レジストセンサ71がオンすると、ACT208で、CPU130は、レジストセンサ71がオンしてから一定時間経過後にピックアップソレノイド81及び給紙モータ80をオフする。原稿G2はレジストローラ14に当接して停止し、その先端が整位される。またACT208で、CPU130は、給紙モータ80のオフとともに、ゲートソレノイド83をオフする。
次に図4のACT211で、CPU130は、ゲートソレノイド83をオフしてから、一定時間経過するのを待つ。一定時間経過後、ACT212で、CPU130は、原稿Gが奇数毎目の原稿でるか、偶数枚目の原稿であるかを判断する。この場合そ偶数枚目(2枚目)の原稿G2であるので、図7のACT250で、CPU130は、ゲートソレノイド83をオンする。ゲートソレノイド83がオンすると、ゲート40がIN搬送路17に原稿G2を振り分ける方向に切り替わる。
次に図7のACT264で、CPU130は、先行する上記1枚目の原稿G1が読取前ローラに挟持され、原稿G1の先端が読取前センサ76の位置に到達して、読取前センサ76がオンしているか否かを確認し、読取前センサ76がオンしている場合、ACT251に進む。読取前センサ76がオンするとACT251で、CPU130は、レジストモータ82と中間INモータ86をオンして、レジストローラ14と中間INローラ28を等速で回転する。レジストモータ82と中間INモータ86がオンすると、図13に示すように、2枚目の原稿G2は、ゲート40に振り分けられてIN搬送路17に進む。
すなわち、原稿G2は、先行する原稿G1が、読取前ローラ間に挟み込まれるまで待機する。その後、原稿G2は、先行する原稿G1が、読取前ローラ間に挟み込まれるのを見計らってレジストローラ14と中間INローラ28とでIN搬送路17に搬送される。
次に図7のACT252及びACT254で、CPU130は、ペーパタイミングセンサIN73がオンするのを待つ。2枚目の原稿G2の先端がペーパタイミングセンサIN73の位置に到達すると、ペーパタイミングセンサIN73がオンする。ペーパタイミングセンサIN73がオンすると、ACT253で、CPU130は、ペーパタイミングセンサIN73がオンしてから一定時間後に、レジストモータ82と中間INモータ86をオフする。2枚目の原稿G2は、IN搬送路17内において、読取前ローラ50の手前で停止する。
その後図7のACT256で、CPU130は、本体制御部121から2枚目の原稿G2の搬送要求信号を受信するのを待つ。なお上記ACT254で、一定時間を経過してもペーパタイミングセンサIN73がオンしない場合は、上述したように、CPU130は、原稿G1が紙詰まりを生じたと判断して、図示しない表示手段等により、ジャム発生を報知する。
次に図7のACT257で、CPU130は、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)により読取前センサ76がオンしてから、所定時間経過するのを待つ。所定時間を経過したらACT258で、CPU130は、中間INモータ86とREADモータ87とをオンして、本体制御部121の指示に従った速度で、中間INローラ28、読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を回転する。
これにより、CPU130は、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)の後端が読取前ローラ50を通過するタイミングと、2枚目の原稿G2の先端が読取前ローラ50により搬送を開始するタイミングを一致させる。図14に示すように、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)の後端α1と2枚目の原稿G2の先端β1との距離が0mmに近い状態で、2枚目の原稿G2は、READ原稿ガラス110aに搬送される。
先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)の後端α1と2枚目の原稿G2の先端β1との距離を0mmに近い状態とするために、ペーパタイミングセンサOUT72から読取前ローラ50までの距離と、ペーパタイミングセンサIN73から読取前ローラ50までの距離を等距離に設定されている。
図15に示すように、2枚目の原稿G2は、ペーパタイミングセンサIN73をオンした後、一定距離γ1進んだ位置で待機する。先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)の後端が、ペーパタイミングセンサOUT72を抜けて一定距離γ1進んだら、READモータ87と中間INモータ86をオンして、2枚目の原稿G2をREAD原稿ガラス110a方向に搬送する。これにより1枚目の原稿G1の後端と2枚目の原稿G2の先端との距離を0mmに近づけることが可能となる。
或いはペーパタイミングセンサOUT72の検知結果と、ペーパタイミングセンサIN73の検知結果から、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)と2枚目の原稿G2の搬送タイミングを予め調整して、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)と2枚目の原稿G2の距離を0mmに近い状態としても良い。
図7のACT258で、先行する原稿G1(1枚目の原稿G1)に続いて、READ原稿ガラス110aに2枚目の原稿G2が搬送されると、図6のACT230で、本体制御部121は、一定時間経過するのを待つ。一定時間経過することにより、原稿G2が一定距離を搬送されると、ACT231で、本体制御部121はスキャナ110による原稿G2の表面の画像読取を開始する。
その後、図6のACT232で、CPU130は、排紙センサ78がオンするのを待つ。原稿G2の先端が排紙センサ78の位置に到達して、排紙センサ78がオンすると、ACT233で、CPU130は、排紙モータ88をオンして、排紙ローラ53を回転する。両面読取である場合、ACT237で、本体制御部121は、CIS60により、原稿G2の裏面の画像読み取りを開始する。排紙センサ78をオンした後、本体制御部121は、ACT238で、一定時間の経過を待つ。一定時間経過後、ACT241で、本体制御部121は、スキャナ110による原稿G1の表面の画像読取を終了する。
原稿G2の後端がローラ51を抜けて、読取センサ77がオフすると、図6のACT242で、CPU130は、READモータ87と中間OUTモータ84をオフする。また読取センサ77がオフしてから所定時間経過を待って、本体制御部121は、CIS60による原稿G2の裏面の画像読み取りを終了する。
その後、図8のACT260で、CPU130は、原稿G2が最終原稿であるかを判断し、原稿G2が最終原稿である場合(例えば原稿G2が給紙された後エンプティセンサ70がオフした場合)、CPU130は、最終原稿の排紙動作を実行する。すなわち、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフして、原稿の画像読み取り搬送制御プロセスを終了する動作を行う。
すなわち図8のACT261で、CPU130は、排紙センサ78がオフするのを待つ。CPU130は、排紙センサ78がオフした後、排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G2を一定距離搬送する。排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G2が一定距離搬送されると、ACT263で、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフする。これにより、原稿Gを2枚する搬送する制御プロセスが完了する。
次に3枚目の原稿G3を搬送して画像を読取る制御プロセスについて説明する。図8のACT260で、CPU130は、原稿G2が最終原稿でないと判断すると、上記終了動作は実施せずに、以下の3枚目の原稿G3についての制御プロセスを行う。
まず、上記2枚目の原稿G2により、図4のACT207でレジストセンサ71がオンすると、CPU130は、割り込み処理として、2枚目の原稿G2の制御プロセスとは別に、3枚目の原稿G2の給紙を並行してスタートする。但し3枚目の原稿G3は、2枚目の原稿G2の後端がレジストセンサ71を抜ける迄、給紙プロセスを待機する。
図4のACT300及びACT301で、CPU130は、先行する上記2枚目の原稿G2の後端がレジストセンサ71を通過することにより、レジストセンサ71がオフするのを待つ。ACT300でレジストセンサ71がオフすると、CPU130は、図4のACT206で、ピックアップソレノイド81及び給紙モータ80をオンする。ピックアップソレノイド81がオンすることにより、ピックアップローラ12が下降してトレイ11上の原稿G3に当接する。給紙モータ80がオンすることにより、図16に示すように、ピックアップローラ12が回転して、3枚目の原稿G3のトレイからの給紙を開始する。また給紙モータ80がオンすることにより、分離ローラ13を回転して、トレイ11からの給紙された原稿G3を搬送する。
そして図4のACT207で、CPU130は、レジストセンサ71が原稿G3を検知してオンするのを待つ。原稿G3の先端が、レジストセンサ71の位置に到達すると、レジストセンサ71が原稿G3を検知してオンする。
レジストセンサ71がオンすると、図4のACT208で、CPU130は、レジストセンサ71がオンしてから一定時間経過後、ピックアップソレノイド81及び給紙モータ80をオフする。原稿G3はレジストローラ14に当接して停止し、その先端が整位される。
またゲートソレノイド83がオフすると、ゲート40がOUT搬送路16に振り分ける方向に切り替わる。その後、図4のACT211で、CPU130は、一定時間経過するのを待つ。一定時間経過後、ACT212で、CPU130は、原稿Gが奇数毎目の原稿でるか、偶数枚目の原稿であるかを判断する。
この場合3枚目の原稿G3であるので、CPU130は、ACT265で、先行する上記2枚目の原稿G2が読取前ローラ50に挟み込まれ、原稿G2の先端が読取前センサ76の位置に到達して、読取前センサ76がオンしているか否かを確認する。読取前センサ76がオンしている場合、ACT214に進む。
図4のACT214で、CPU130は、レジストモータ82と中間OUTモータ84をオンして
、レジストローラ14と中間OUTローラ18を等速で回転する。レジストモータ82と中間OUTモータ84がオンすると、3枚目の原稿G3は、ゲート40に振り分けられてOUT搬送路16に進む。すなわち、原稿G3は、先行する原稿G2が、読取前ローラ間に入り込むまで待機した後、原稿G3は、先行する原稿G2が、読取前ローラ間に挟み込まれるのを見計らってレジストローラ14と中間OUTローラ18でOUT搬送路16に搬送される。
図5のACT215で、CPU130は、ペーパタイミングセンサOUT72がオンするのを待つ。原稿G3がペーパタイミングセンサOUT72の位置に到達して、ペーパタイミングセンサOUT72がオンすると、ACT216で、CPU130は、レジストモータ82と中間OUTモータ84を一定時間オンし続けた後、レジストモータ82と中間OUTモータ84をオフする。
図17に示すように、1枚目の原稿G1は、排紙トレイ56に載置され、2枚目の原稿G2は、READ原稿ガラス110a上を走行して排紙センサ78をオンし、3枚目の原稿G3は、OUT搬送路16内において、読取前ローラ50の手前で停止する。その後、ACT218で、CPU130は、本体制御部121から3枚目の原稿G3の搬送要求信号を受信するのを待つ。
なお図5のACT217で、一定時間を経過してもペーパタイミングセンサOUT72がオンしない場合は、上述したように、CPU130は、原稿Gが紙詰まりを生じたと判断し、図示しない表示手段等により、ジャム発生を報知する。
図5のACT220で、CPU130は、先行する原稿G2(2枚目の原稿G2)により読取前センサ76がオンしてから、所定時間経過するのを待つ。所定時間を経過したらACT221で、CPU130は、中間OUTモータ84とREADモータ87とをオンして、本体制御部121の指示に従った速度で、中間OUTローラ18、読取前ローラ50、読取後ローラ51及び排紙前ローラ52を回転する。
これにより、CPU130は、先行する原稿G2(2枚目の原稿G2)の後端が読取前ローラ50を通過するタイミングと、3枚目の原稿G3の先端が読取前ローラ50により搬送を開始するタイミングを一致させる。図14の原稿G1とG2のように、先行する原稿G2の後端α1と3枚目の原稿G3の先端β1との距離が0mmに近い状態で、3枚目の原稿G3は、READ原稿ガラス110aに搬送される。
先行する原稿G2(2枚目の原稿G2)の後端α1と3枚目の原稿G3の先端β1との距離を0mmに近い状態とするために、ペーパタイミングセンサOUT72から読取前ローラ50までの距離と、ペーパタイミングセンサIN73から読取前ローラ50までの距離とは、上述したように、等距離に設定されている。
図15のG1とG2のように、3枚目の原稿G3は、ペーパタイミングセンサOUT72をオンした後、一定距離γ1進んだ位置で待機する。先行する原稿G2の後端が、ペーパタイミングセンサIN73を抜けて一定距離γ1進んだら、READモータ87と中間OUTモータ84をオンして、3枚目の原稿G3をREAD原稿ガラス110a方向に搬送する。これにより2枚目の原稿G2の後端と3枚目の原稿G3の先端との距離を0mmに近づけることが可能となる。
或いはペーパタイミングセンサIN73の検知結果と、ペーパタイミングセンサOUT72の検知結果から、先行する原稿G2(2枚目の原稿G2)と3枚目の原稿G3の搬送タイミングを予め調整して、先行する原稿G2と3枚目の原稿G3の距離を0mmに近い状態としても良い。
図5のACT221で、先行する原稿G2(2枚目の原稿G2)に続いて、READ原稿ガラス110aに3枚目の原稿G3が搬送されると、図6のACT230で、本体制御部121は、一定時間経過するのを待つ。一定時間経過することにより、原稿G3が一定距離を搬送されると、ACT231で、本体制御部121はスキャナ110による原稿G3の表面の画像読取を開始する。
その後、図6のACT232で、CPU130は、排紙センサ78がオンするのを待つ。原稿G3の先端が排紙センサ78の位置に到達して、排紙センサ78がオンすると、ACT233で、CPU130は、排紙モータ88をオンして、排紙ローラ53を回転する。両面読取である場合、ACT237で、本体制御部121は、CIS60により、原稿G3の裏面の画像読み取りを開始する。
排紙センサ78をオンした後、本体制御部121は、図6のACT238で、一定時間の経過を待つ。一定時間経過後、ACT241で、本体制御部121は、スキャナ110による原稿G3の表面の画像読取を終了する。原稿G3の後端がローラ51を抜けて、読取センサ77がオフすると、ACT242で、CPU130は、READモータ87と中間OUTモータ84をオフする。また読取センサ77がオフしてから所定時間経過を待って、本体制御部121は、CIS60による原稿G3の裏面の画像読み取りを終了する。
その後、図8のACT260で、CPU130は、原稿G3が最終原稿であるかを判断する。原稿G3が最終原稿である場合(原稿G3が給紙された後エンプティセンサ70がオフした場合)、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフして、原稿の画像読み取り搬送制御プロセスを終了する動作を行う。
すなわち図8のACT261で、CPU130は、排紙センサ78がオフするのを待つ。CPU130は、排紙センサ78がオフした後、排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G3を一定距離搬送する。排紙モータ88を一定時間オンし続けて、原稿G3が一定距離搬送されると、ACT263で、CPU130は、全てのモータとソレノイドをオフする。これにより、原稿Gを3枚搬送する制御プロセスが完了する。
また図8のACT260で、CPU130は、原稿G3が最終原稿でないと判断すると、上記排紙動作は実施せずに、偶数枚目の原稿Gについては、上述の原稿G2の画像読み取り制御プロセスを実行し、奇数枚目の原稿Gについては、上述の原稿G3の画像読み取り制御プロセスを実行する。
この実施の形態によれば、原稿Gを連続して読み取る場合に、OUT搬送路16とIN搬送路17の2つの搬送路を使用する。一方の搬送路を使用して先行する原稿Gを搬送する間に、後行の原稿Gは、他方の搬送路内に搬送し、他方の搬送路内で待機する。ここで、上記後行の原稿Gの他方の搬送路への搬送は、上記先行する原稿Gが、スキャナ110のREAD原稿ガラス110aより前に設けられた読取前ローラ50の間に挟み込まれるのを見計らって行われる。
従って上記後行の原稿Gが上記他の搬送路内で待機しているときは、上記先行する原稿Gは必ず読取前ローラ50に挟み込まれた状態にある。よって、原稿Gを連続搬送している途中でジャムが発生して、仮に先行する原稿Gと後行の原稿GがOUT搬送路16とIN搬送路17内に残っても、ユーザは搬送路内に残る2枚の原稿Gうち、どちらが先行する原稿G(読取前ローラ50に挟み込まれた状態にある)で、どちらが後行する原稿G(読取前ローラ50に挟み込まれていない状態にある)を判断することが可能であり、正しい順番で搬送路内に残る2枚をトレイ11に戻すことができる。
しかも、先行する原稿Gがスキャナ110を抜けるのと、後行の原稿Gをスキャナ110に搬送するタイミングとを一致させて、先行する原稿G1と、後行の原稿Gとの距離を0mmに近づけた状態で、原稿Gを連続搬送する。従って原稿Gの搬送速度を高速化しなくても、ADF10による原稿の搬送性を高めることが出来、スキャナ110による画像読取速度、ひいてはスキャナ110を用いる画像形成装置の生産性を向上出来る。しかも搬送速度を高速化した場合に生じる原稿Gの損傷を防止し、あるいは騒音を低く抑えることができる。
尚この発明は上記実施の形態に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々変更可能であり、例えば複数の搬送路の形状や構造は限定されない。又先行する原稿と後行の原稿の間の距離も限定されないが、0mmに近づける程、原稿の搬送性をより高めることができる。更に、原稿を読み取る画像読取部の構造も任意であり、実施の形態において、装置を更に小型化するために、原稿の表面を読み取るスキャナに変えて、より小型のCISを用いても良い。
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。