以下、本発明の実施の一形態を図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1、図2は本発明の第1の実施の形態における自動原稿搬送装置を示す図であり、自動原稿搬送装置を複写機等の画像形成装置に装着した例を示している。
本実施形態の自動原稿搬送装置は、従来の装置に従動コロ19と正逆転コロ18を接離するための接離ソレノイド57を設け、原稿の長さに応じて従動コロ19を接離制御するように構成したものである。
まず、構成を説明する。図1、2において、30は画像形成装置としての複写機であり、この複写機30の上面にはスリットガラス(読取位置)9とコンタクトガラス(図示せず)が設けられている。
このスリットガラス9とコンタクトガラスの下方には画像読取手段としての露光ランプ10と第1ミラー11等が設けられており、この露光ランプ10と第1ミラー11はコンタクトガラスに載置された原稿を読取る際には、コンタクトガラスの下方で図1中、左右方向に移動し、スリットガラス9上で原稿を読取る際には、スリットガラス9の下方で停止し、露光ランプ10によって原稿面を露光した後、この反射光を公知のように第1ミラー11及び図示しないレンズを介してCCDに結像するようになっている。
また、複写機30の上部には自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)40が装着されており、このADF40の下面(スリットガラス9の上方)には原稿の読取時の白基準となる白色ガイド板8が設けられている。
また、ADF40の上部には原稿載置台としての原稿テーブル1が設けられており、この原稿テーブル1には複数の原稿からなる原稿束Pが載置されるようになっている。この原稿テーブル1に載置された原稿束Pはこの原稿束Pに当接・離隔可能な呼び出しコロ4によって給紙された後、分離コロ対5によって分離されるようになっている。この分離コロ対5は共に時計方向に回転するようになっており、原稿束Pから最上位に位置する原稿を分離するようになっている。この分離された原稿は第1搬送経路31上のプルアウトコロ対6及び搬送コロ対12によって反転されてスリットガラス9に搬送される。
本実施形態では、前述の呼び出しコロ4、分離コロ対5、プルアウトコロ対6及び搬送コロ対12が分離・搬送手段を構成しており、給紙モータ51(例えば、ステッピングモータ)によって駆動される。また、分離コロ対5の下方側のコロ5aは給紙クラッチ55に連結されており、この給紙クラッチ55はコントローラ(制御手段)50からの信号に基づいて駆動され、先行原稿が分離されたときに、コロ5aに給紙モータ51の駆動力を伝達させずに分離原稿に対して空回りするようになっている。
また、原稿テーブル1上には原稿セットセンサ3が設けられており、このセンサ3は原稿テーブル1上の原稿の有無を検知してコントローラ50に信号を出力するようになっている。また、分離コロ対5とプルアウトコロ対6の間には分離センサ26が設けられており、このセンサ26は原稿が分離されたことを検知してコントローラ50に信号を出力するようになっている。そして、コントローラ50はこの信号が入力すると前述のように給紙クラッチ55を制御してコロ5aに給紙モータ51の駆動力を伝達しないようにしている。
また、スリットガラス9の原稿搬送方向下流には搬送手段としての搬送コロ対12が設けられており、この搬送コロ対12は給紙モータ51によって駆動され、スリットガラス9で読取りが終了した原稿を搬送コロ対12へと搬送するようになっている。
また、この搬送コロ対12の原稿搬送方向下流には同じく搬送手段としての排紙コロ対14が設けられており、排紙コロ対14は搬送モータ53(例えば、ステッピングモータ)によって1方向に駆動される。
また、この排紙コロ対14の原稿の搬送方向下流には切換爪(切換手段)16が設けられており、この切換爪16は第2搬送経路17上に設けられた排紙コロ対14と原稿排紙台としての排紙トレイ15を連通する第1切換位置(実線で示す)、第2搬送経路17とスイッチバック経路20を連通する第2切換位置(破線で示す)、反転経路22とスイッチバック経路20を連通する第3切換位置(実線で示す)に切換可能になっている。また、この切換爪16は切換ソレノイド54によって切換えられるようになっており、この切換ソレノイド54は通常吸引動作によって切換爪16を破線で示すホームポジションに位置させ、コントローラ50から信号が入力すると、解除して切換爪16を実線で示す位置に切換えるようになっている。
また、反転経路22は第2搬送経路17と共に1対のスイッチバック部材としての正逆転コロ18(駆動コロ)及び従動コロ19を通って、スイッチバック経路20と連通している。反転経路22の反転コロ対23の下側のコロ23aは搬送クラッチ58に連結されており、この搬送クラッチ58はコントローラ(制御手段)50からの信号に基づいて駆動され、反転経路22及びスイッチバック経路20に長尺の先行原稿が待機しているときに、コロ23aに搬送モータ53の駆動力を伝達させずに待機中の先行原稿に対して空回りするようになっている。
また、スイッチバック経路20内の正逆転コロ18はスイッチバックモータ56(例えば、ステッピングモータ)によって正逆回転されるようになっている。また、従動コロ19は、接離ソレノイド57、レバー等の接離手段によって正逆転コロ18と当接・離隔可能に構成されており、コントローラ50からの信号で接離ソレノイド57が吸引動作を行い、正逆転コロ18から離隔するようになっている。
また、プルアウトコロ対6の原稿搬送方向下流にはレジストセンサ7が設けられており、このレジストセンサ7は原稿の前後端を検知してコントローラ50に信号を出力するようになっている。また、排紙コロ対14の原稿の搬送方向上流側には排紙センサ13が設けられており、この排紙センサ13は原稿の前後端を検知してコントローラ50に信号を出力するようになっている。
コントローラ50は原稿セットセンサ3及び分離センサ26に基づいて給紙モータ51及び給紙クラッチ55を駆動すると共に、レジストセンサ7、反転センサ21、24及び排紙センサ13からの検知信号に基づいて給紙モータ51、搬送モータ53、接離ソレノイド57、切換ソレノイド54、スイッチバックモータ56、等を制御するようになっている。なお、図1中、21は第2搬送経路17あるいは反転経路22上でスイッチバック原稿の前後端を検知してコントローラ50に信号を出力する反転センサである。
ここで、図3、図4を用いて大サイズ及び大サイズ以外の両面原稿を搬送する場合の各センサ、ソレノイド、駆動モータの出力タイミングを説明する。なお、簡単のため、原稿テーブル1上に2枚の原稿P1、P2が載置されているものとする。さらに、搬送される原稿の向きは原稿テーブル1上での方向(先後端)に拘らず、搬送方向側を先端、その反対側を後端として説明する。
まず、図3を参照しながら2枚の大サイズ両面原稿(長い原稿)P1、P2を搬送する場合について説明する。この長い原稿(搬送方向長さが所定値以上長い原稿)とは、次原稿P2の表面読取り動作中、反転経路22上の反転センサ24より搬送方向下流側で表裏面読取り後の先行原稿P1が待機する際、スイッチバック経路20で原稿P1の後部と原稿P2の前部が重なりながら搬送されるような長さの原稿である。
原稿セットセンサ3は、原稿テーブル1上に表面を上にしてセットされた先行原稿P1、次原稿P2を検知(オン)し、次原稿P2の給紙後に未検知(オフ)となる。
レジストセンサ7は、給紙分離されてきた原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。また、レジストセンサ7は、表面読取り後及び表裏面読取り後の原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。このレジストセンサ7が分離給紙されてきた原稿P2後端を検知するタイミングで、反転経路22に待機中の表裏面読取り後の原稿P1は排紙される。
排紙センサ13は、レジストセンサ7の下流で、給紙分離されてきた原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。また、排紙センサ13は、表面読取り後及び表裏面読取り後の原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。この排紙センサ13が表裏面読取り後の原稿P1後端を検知したタイミングで、次原稿P2は原稿テーブル1から呼び出され、分離給紙される。
切換ソレノイド54は、排紙センサ13が表面読取り後の原稿P1、P2の先端を検知したタイミング、等で吸引駆動(オン)し、切換爪16をホームポジションから点線位置へ移動する。また、切換ソレノイド54は、排紙センサ13が表面読取り後の原稿P1、P2の後端を検知し、さらに搬送モータ53が所定量駆動したタイミング(あるいは反転センサ21が原稿後端を検知するタイミング)、等で吸引解除(オフ)し、切換爪16を点線位置からホームポジションへ移動する。
接離ソレノイド57は、排紙センサ13が表面読取り後の原稿P2の先端を検知するタイミングで吸引駆動し、従動コロ19と正逆転コロ18を離間させる。また、接離ソレノイド57は、排紙センサ13が表面読取り後の原稿P2の後端を検知するタイミングで吸引解除し、従動コロ19と正逆転コロ18を当接させる。
反転センサ21、24は、表面読取り後及び表裏面読取り後のスイッチバック動作時に原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。また、反転センサ21は、第2搬送経路17を通過する原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。
搬送クラッチ58は、分離センサ26が分離給紙された原稿先端を検知するタイミングで駆動され、全ての原稿搬送が終了すると駆動停止する。また、搬送クラッチ58は、反転センサ24がスイッチバック時の表裏面読取り後の原稿P1の先端を検知するタイミングで、搬送モータ53の駆動力を反転コロ対23に伝達させないように空回りする。この後、搬送クラッチ58は、表裏面読取り後の原稿P1の待機中、レジストセンサ7が分離給紙されてきた原稿P2後端を検知するタイミングで、搬送モータ53の駆動力を反転コロ対23に伝達する。
給紙モータ51は、給紙動作開始時に駆動し、先行原稿P1を分離搬送する。駆動後、給紙モータ51は分離搬送した先行原稿P1の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミンで停止する。その後、給紙モータ51は、排紙センサ13が表裏面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで再度駆動し、次原稿P2を分離搬送する。再度駆動した給紙モータ51は、分離搬送された次原稿P2の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミングで停止する。また、給紙モータ51は、排紙センサ13が表面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで再度駆動し、次原稿P2を分離搬送することも可能である(先行分離)。この場合、次原稿P2の先端が分離センサ26に検知されるタイミングで給紙モータ51は駆動停止し、次原稿P2は分離センサ26の近傍で待機となる。引き続いて、待機する次原稿P2を搬送するために、排紙センサ13が表裏面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで給紙モータ51は再度駆動され、次原稿P2の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミングで停止する。
搬送モータ53は、分離センサ26が分離給紙された原稿先端を検知するタイミングで駆動され、全ての原稿搬送が終了すると駆動停止する。
スイッチバックモータ56は、反転センサ21(あるいは排紙センサ13)が表面及び裏面読取り後の原稿P1、P2の先端を検知するタイミング等で正転駆動する。また、スイッチバックモータ56は、反転センサ21が表面読取り後の原稿P1の後端を検知するタイミング(あるいは、排紙センサ13がその原稿後端を検知し、さらに搬送モータ53が所定量駆動するタイミング)等で一時停止してから逆転駆動する。
次に、図4を参照しながら大サイズ以外の2枚の両面原稿(短い原稿)P1、P2を搬送する場合の各センサ、ソレノイド、駆動モータの出力タイミングについて説明する。この短い原稿(搬送方向長さが所定値より短い原稿)とは、次原稿P2の表面読取り動作中、反転経路22上の反転センサ24より搬送方向下流側で表裏面読取り後の先行原稿P1が待機する際、スイッチバック経路20で原稿P1の後部と原稿P2の前部が重ならない程度の長さを有するものである。
原稿セットセンサ3は、原稿テーブル1上に表面を上にしてセットされた先行原稿P1、次原稿P2を検知(オン)し、次原稿P2の給紙後に未検知(オフ)となる。分離センサ26は、分離搬送される先行原稿P1及び次原稿P2の先端を検知し、後端通過により未検知となる。
レジストセンサ7は、原稿セットセンサ3検知後に給紙分離された原稿P1、P2の先端を検知し、先端通過後に未検知となる。また、レジストセンサ7は、表面読取り後及び表裏面読取り後の原稿先端を検知し、後端通過後に未検知となる。このレジストセンサ7が分離給紙されてきた原稿P2後端を検知するタイミングで、搬送クラッチ58はコロ23に搬送モータ53からの駆動力を伝達し、反転経路22に待機中の表裏面読取り後の原稿P1を搬送・排紙する。
排紙センサ13は、レジストセンサ7の下流で、分離給紙されてきた原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。また、排紙センサ13は、表面読取り後及び表裏面読取り後の原稿先端を検知し、後端通過後に未検知となる。この排紙センサ13が表裏面読取り後の原稿P1後端を検知したタイミングで、給紙モータ51が駆動し、次原稿P2が原稿テーブル1から呼び出されて分離給紙される。
切換ソレノイド54は、排紙センサ13が分離給紙されてきた原稿先端、表面読取り後及び表裏面読取り後の原稿先端を検知したタイミングで、吸引駆動(オン)し、切換爪16をホームポジションから点線位置へ移動する。また、切換ソレノイド54は、排紙センサ13が表面読取り後の原稿P1、P2の後端を検知し、さらに反転センサ21が原稿後端を検知したタイミング(あるいは、排紙センサ13による原稿後端検知後、搬送モータ53が所定量駆動したタイミング)で、吸引解除(オフ)し、切換爪16を点線位置からホームポジションへ移動する。
反転センサ21、24は、表面読取り後及び表裏面読取り後のスイッチバック動作時に原稿P1、P2の先端を検知し、原稿通過後に未検知となる。また、反転センサ21は、第2搬送経路17を通過する原稿P1、P2の先端を検知し、後端通過後に未検知となる。
搬送クラッチ58は、分離センサ26が分離給紙された原稿先端を検知するタイミングで駆動され、全ての原稿搬送が終了すると駆動停止する。また、搬送クラッチ58は、反転センサ24がスイッチバック時の表裏面読取り後の原稿P1の先端を検知するタイミングで、搬送モータ53の駆動力を反転コロ23に伝達させないように空回りする。この後、搬送クラッチ58は、表裏面読取り後の原稿P1の待機中、レジストセンサ7が分離給紙されてきた原稿P2後端を検知するタイミングで、搬送モータ53の駆動力を反転コロ対23に伝達する。
給紙モータ51は、給紙動作開始時に駆動し、先行原稿P1を分離搬送する。駆動後、給紙モータ51は分離搬送した先行原稿P1の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミングで停止する。その後、給紙モータ51は、排紙センサ13が表裏面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで再度駆動し、次原稿P2を分離搬送する。再度駆動した給紙モータ51は、分離搬送された次原稿P2の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミングで停止する。また、給紙モータ51は、排紙センサ13が表面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで再度駆動し、次原稿P2を分離搬送することも可能である。このように先行分離を行う場合、次原稿P2の先端が分離センサ26に検知されるタイミングで給紙モータ51は駆動停止し、次原稿P2は分離センサ26の近傍で待機となる。引き続いて、待機する次原稿P2を搬送するために、排紙センサ13が表裏面読取り後の先行原稿P1の後端を検知したタイミングで給紙モータ51は再度駆動され、次原稿P2の先端がレジストセンサ7で検知されるタイミングで停止する。
搬送モータ53は、分離センサ26が分離給紙された原稿P1の先端を検知するタイミングで駆動され、全ての原稿搬送が終了すると駆動停止する。
スイッチバックモータ56は、反転センサ21(あるいは排紙センサ13)が表面及び裏面読取り後の原稿P1の先端を検知するタイミングで正転駆動(時計方向回転)し、さらに反転センサ21が原稿後端を検知したタイミングで停止した後、逆転駆動(反時計方向回転)する。この後、反転センサ21がスイッチバックされている表面読取り後の原稿P1の後端を検知するタイミングで正転駆動し、反転センサ21が表裏面読取り後の原稿P1の後端を検知するタイミングで逆転駆動し、さらに反転センサ24がスイッチバック時の表裏面読取り後の原稿P1の先端を検知するタイミング で停止する。また、スイッチバックモータ56は、反転センサ21が表面読取り後の原稿P2の先端を検知するタイミングで正転駆動し、反転センサ21が原稿後端を検知するタイミングで一時停止した後、逆転駆動する。図示しないが、この後、反転センサ21が表面読取り後の原稿P2の先端を検知するタイミングで正転駆動し、反転センサ21が原稿後端を検知するタイミングで一時停止した後、逆転駆動する。
なお、接離ソレノイド57はオフ状態(従動コロ19と正逆転コロ18を当接した状態)を保つ。
次に、図5を参照しながら本実施形態における原稿搬送動作について説明する。
原稿テーブル1に複数の片面原稿からなる原稿束Pを表面(画像面)を上向きにして載置すると、原稿セットセンサ3が原稿が載置されたことを検知してコントローラ50に信号を出力する(ステップs101の有)。そして、複写機30の図示しない操作パネルに設けられた複写スタートスイッチを押下すると、コントローラ50は給紙モータ51を駆動して分離・搬送手段を作動させる(ステップs102)。
すなわち、原稿束Pに当接した呼び出しコロ4で原稿束Pの最上位からピックアップされて給紙された後、分離コロ対5によって分離され、次いで、プルアウトコロ対6及び搬送コロ対12によって挟持搬送される。このとき、原稿P1の前端部が分離センサ26に検知されると、給紙クラッチ55によってコロ5aが空回りして、後続する原稿が分離されることが防止される。
次いで、原稿P1の前端がレジストセンサ7によって検知されると、給紙モータ51の駆動を一旦停止する。そして、複写機30から同期タイミング信号が入力すると、コントローラ50は予めその操作パネルのキー操作等で設定された動作モード(片面/両面モード)で(ステップs103の片面)、その同期タイミング信号に従い、給紙モータ51を再駆動して搬送コロ対12によって原稿P1を搬送する。このとき、複写機30により露光ランプ10が駆動されるので、原稿P1の表面(片面)が読取られる(ステップs104)。
次いで、コントローラ50は排紙コロ対14を駆動すると共に、切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線で示す位置に切換える。このため、露光が終了した原稿P1は搬送コロ対12及び排紙コロ対14によって搬送され、排紙トレイ15上に裏面を上向きにして排紙される(ステップs105)。この後、原稿テーブル1に残っている原稿P2が給紙され、前述のように表面が読取られて搬送動作が終了する(ステップs106の有、s102〜s105)。
以上のステップs101〜s106が、片面モードでの原稿搬送動作である。
また、ステップs103で両面モードの場合は、片面モードと同様に最上位の原稿P1を第1搬送経路31に沿って読取位置に反転・搬送してその表面を読取った後(ステップs107)、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を正転(時計方向回転)させ、表面読取り後の原稿P1を第2搬送経路17を通してスイッチバック経路20へ搬送した後、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を逆転(反時計方向回転)させ、反転経路22を通して原稿P1を読取位置へ再度反転・搬送してその裏面を読取る(ステップs108、s109)。
表裏面読取り後の原稿P1は再度第2搬送経路17を通ってスイッチバック経路20へ搬送され、このとき原稿P1の後端検知後に排紙センサ13はオフ状態となる(ステップs110のYES)。排紙センサ13オフのタイミングで、給紙モータ51を駆動して後続の原稿P2(次原稿)を給紙するとともに(ステップs111の有、s112)、先行の原稿P1をスイッチバック経路20で待機させる。
ここで原稿P1、P2が予め設定された大サイズかそれ以外のサイズかを、搬送方向の原稿の長さによって判断する(ステップs113)。この判断ステップs113を設けたのは、原稿の長さに応じ、スイッチバック経路20での原稿待機時に従動コロ19が正逆転コロ18と当接あるいは離隔するように制御し、大サイズの原稿(例えば、A3縦サイズ以上)とそれ以外の原稿に分けて効率的な搬送動作を行うためである。
なお、原稿の長さは、コントローラ50において、レジストセンサ7あるいは排紙センサ13による原稿前後端の検知情報に基づき、給紙モータ51や搬送モータ53を構成するステッピングモータの駆動ステップ数(パルス数)をカウントし、これに1ステップ当りの搬送量(原稿送り量)を乗じることにより、原稿ごとあるいは原稿束Pごとに容易に算出することができる。
原稿サイズが大の場合は(ステップs113の大)、先行の原稿P1がスイッチバック経路20で待機した状態で、後続の原稿P2を第1搬送経路31に沿って読取位置に反転・搬送し、その表面の読取りを開始する(ステップs114)。表面読取り時に原稿P2は第2搬送路17に沿って切換爪16に案内され、スイッチバック経路20へ搬送されるが、その原稿P2の先端が排紙センサ13によって検知されると、従動コロ19が正逆転コロ18から離隔される(ステップs115)。この離隔動作は、前記接離手段を構成する接離ソレノイド57が排紙センサ13の先端検知タイミングで励磁されることにより行われ、この離隔動作によって、前述のようにスイッチバック経路20で原稿P1の後部と原稿P2の前部が重なりながらそれぞれ反対方向に搬送される。
さらに、原稿P2の表面読取り時に原稿P2の後端がレジストセンサ7に検知されるタイミングで(ステップs116のYES)、搬送クラッチ58を駆動し、反転コロ対23を介して反転経路22に待機中の先行原稿P1を第1搬送経路31を通じて反転・搬送する(ステップs117)。次いで、原稿P2の表面読取り時に原稿P2の後端が排紙センサ13によって検知されるタイミングで(ステップs118のYES)、前記接離手段を構成する接離ソレノイド57が解除されることにより、従動コロ19が正逆転コロ18に再度当接する(ステップs119)。
この当接動作により、表裏面読取り後の原稿P1の後端側と表面読取り後の原稿P2の後端側とが正逆転コロ18と従動コロ19に加圧された状態で重なり合いながら、原稿P1、P2はそれぞれ反対方向へ搬送され、原稿P1は第2搬送経路17を通って排紙トレイ15に排出される(ステップs120)。
一方、表面読取り後の原稿P2は、正逆転コロ18と従動コロ19に加圧された状態でスイッチバック経路20へ搬送され、その後端が排紙センサ13で検知され反転センサ21近傍に達すると、スイッチバックモータ56の駆動で正逆転コロ18が逆転され、原稿P2は反転経路22を通って読取位置へ反転・搬送され(ステップs108)、その裏面を読取られる(ステップs109)。
次いで、表裏面読取り後の原稿P2は、第2搬送経路17を通り切換爪16の案内でスイッチバック経路20へ搬送され、その原稿P2の後端が排紙センサ13を通過すると排紙センサ13はオフ状態になる(ステップs110のYES)。本実施形態では次原稿は検知されないので(ステップs111の無)、排紙センサ13による原稿P2の後端検知後、その後端が反転センサ21近傍に達すると、スイッチバックモータ56の駆動で正逆転コロ18が逆転され、原稿P2は反転経路22を通って読取位置へ反転・搬送され(ステップs125)、そのまま第2搬送経路17に沿って搬送され、切換爪16の案内で排紙トレイ15に排出される(ステップs126)。
以上のステップs107〜s120、s125、s126が、両面モードでの大サイズの原稿(長い原稿)の搬送動作である。
また、ステップs113でその他サイズの両面原稿(短い原稿)の場合は、先行の原稿P1がスイッチバック経路20で待機した状態で、後続の原稿P2を第1搬送経路31に沿って読取位置に反転・搬送し、その表面を読取る(ステップs121)。この原稿P2の表面読取り時にその後端がレジストセンサ7に検知されるタイミングで(ステップs122のYES)、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を逆転させ、待機していた先行原稿P1を、反転経路22、第2搬送経路17を通して反転・搬送し(ステップs123)、排紙トレイ15に排出する(ステップs124)。
一方、原稿P2の表面読取り時にその先端が排紙センサ13によって検知されるタイミングで、コントローラ50はスイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を正転させ、切換爪16を点線位置に切り換えて原稿P2をスイッチバック経路20に導いた後、さらに正逆転コロ18を逆転させ、切換爪16をホームポジションに切り換えて原稿P2を反転経路22に導いて反転させる(ステップs108)。表裏反転された原稿P2は再度読取位置へと搬送されて、その裏面が読取られ(ステップs109)、前述と同様に排紙トレイ15に排出される(ステップs110のYES、ステップs111の無、s125、s126)。
以上のステップs107〜s113、s121〜s126が、両面モードでのその他サイズの原稿(短い原稿)の搬送動作である。
次に、図6〜図11を参照しながら、大サイズの両面原稿を搬送する場合の動作について詳細に説明する。本実施形態では、先行原稿P1の2回目の読取位置通過後(表裏面読取り後)に次原稿P2の表面が読取位置を通過するように制御する。
すなわち、長い両面原稿の搬送時には、表面上向きに載置された原稿束Pの最上位原稿P1が片面原稿の場合と同様に給紙され、第1搬送経路31から読取位置へと搬送されて表面を読取られる。このとき、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁し、1回目の露光(表面の読取り)が終了した原稿P1は、排紙コロ対14によって挟持されて破線位置にある切換爪16に案内されて第2搬送経路17に沿って搬送される。また、前記接離手段によって従動コロ19は正逆転コロ18に当接している。この第2搬送経路17に沿って搬送された原稿P1はスイッチバックモータ56によって正転駆動される正逆転コロ18及びそれに当接する従動コロ19によって挟持され加圧された状態で、スイッチバック経路20に搬送される。そして、反転センサ21が原稿P1の後端を検知すると、図6(a)に示すように、コントローラ50は正逆転コロ18の駆動を一時停止すると共に、切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置へ移動させる。
次いで、コントローラ50はスイッチバックモータ56を逆転駆動して正逆転コロ18を逆転し、原稿P1を反転経路22へ搬送する。原稿P1は反転経路22上の反転コロ対23と第1搬送経路31上のプルアウトコロ対6を介して、表面読取り時と同様にスリットガラス9上の読取位置へ再度搬送され、裏面の読取りが行われる。なお、原稿P1が反転経路22に沿って搬送される際、反転センサ21がその後端を検知すると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に戻すと共に、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を正転する。このような制御により、表裏面読取り後の原稿P1は再度、第2搬送経路17を通りスイッチバック経路20へ搬送される。そして、表裏面読取り後の原稿P1の後端を反転センサ21が検知すると、コントローラ50は正逆転コロ18の正転駆動を停止するので、裏面読取り後の原稿P1は正逆転コロ18及び従動コロ19に後端を挟持された状態でスイッチバック経路20にて待機する。
一方、裏面読取り中の原稿P1の後端を排紙センサ13が検知すると、コントローラ50は給紙モータ51を駆動して呼び出しコロ4、分離コロ対5等を回転し、原稿テーブル1にセットされている後続の原稿P2の給紙動作を行う。さらに、原稿P2はプルアウトコロ対6によって読取位置まで搬送され、図6(b)に示すようにその表面を読取られる。この原稿P2の先端がレジストセンサ7によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動すると共に、スイッチバックモータ56を逆転駆動して正逆転コロ18を逆転する。
このスイッチバックモータ56の逆転制御により、スイッチバック経路20に待機していた原稿P1は反転経路22へ搬送される。この原稿P1の先端が反転センサ24によって検知されると、コントローラ50は搬送クラッチ58を解除して反転コロ対23への駆動力伝達を停止すると共に、前記接離手段を駆動して従動コロ19を正逆転コロ18から離隔する。従って、図7(a)に示すように従動コロ19は破線位置に移動し、原稿P1は反転経路22で待機状態になる。
一方、表面読取り中の原稿P2の先端が排紙センサ13によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に戻すと共に、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を正転する。このような制御により、表面読取り中の原稿P2は第2搬送経路17を通って正逆転コロ18と従動コロ19の隙間に進入し、スイッチバック経路20へと搬送される。従って、図7(b)に示すように、反転経路22で待機している原稿P1の下方に原稿P2が位置し、原稿P2は原稿P1と一部重なった状態で搬送される。
図7(b)に示す状態を経て、表面読取り中の原稿P2の後端がレジストセンサ7によって検知されると、コントローラ50は搬送クラッチ58によって搬送モータ53の駆動力を反転コロ対23に伝達し、反転経路22に待機中の原稿P1はプルアウトコロ対6へと搬送される(図8(a))。一方、前述のようにスイッチバック経路20へ進入した表面読取り後の原稿P2の後端が排紙センサ13によって検知されると、コントローラ50は前記接離手段を駆動して従動コロ19を実線位置に移動し、正逆転コロ18に当接させる。この当接動作によって、従動コロ19は前述のように正転している正逆転コロ18に連れ回りし、先行原稿P1と後続の原稿P2が重なった状態で加圧される。このとき、先行原稿P1は従動コロ19に圧接すると共に反転コロ対23によって挟持搬送され、後続の原稿P2は反転コロ対23と逆方向に回転する正逆転コロ18に圧接するが、正逆転コロ18の摩擦係数が従動コロ19より高く設定されているので、表面読取り後の原稿P2はスイッバック経路20への進入を続け、表裏面読取り後の原稿P1はプルアウトコロ対6を介して読取位置へと搬送される(図8(b))。
さらに、コントローラ50は排紙センサ13の検知情報(表面読取り後の原稿P2の後端検知)及び検知後のスイッチバックモータ56の原稿送り量から、原稿P2の後端が反転センサ21の近傍で停止するタイミングで正逆転コロ18の駆動を停止すると共に、切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動する(図9(a))。この後、前述のように読取位置へと搬送された原稿P1の後端が反転センサ24によって検知されると、コントローラ50はスイッチバックモータ56を逆転駆動して正逆転コロ18を逆転する(図9(b))。このような制御によって、先行原稿P1は読取位置を通過して切換爪16により排紙トレイ15へと搬送され、表面読取り後の次原稿P2は切換爪16により反転経路22へ搬送される。
この表面読取り後の原稿P2の先端が反転センサ24によって検知されると、コントローラ50はスイッチバックモータ56及び搬送モータ53を駆動停止して正逆転コロ18及び反転コロ対23を停止する(図10(a))。このような制御によって、先行原稿P1は前述のように排紙トレイ15へと搬送され、裏面を上向きにして排紙トレイ15に排出される一方、後続の原稿P2は反転経路22で待機状態となる。
また、排紙トレイ15へ搬送中の原稿P1の後端がレジストセンサ7によって検知されると、コントローラ7は原稿P2の裏面読取り動作を開始する。この裏面読取り中の原稿P2の先端が排紙センサ13によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に戻すと共に、スイッチバックモータ56を正転駆動して正逆転コロ18を正転する(図10(b))。この正転制御によって、表裏面読取り後の原稿P2は第2搬送経路17を通って正逆転コロ18と従動コロ19に加圧されながらスイッチバック経路20へと搬送される。
コントローラ50は、反転センサ21が表裏面読取り後の原稿P2の後端を検知するタイミング(あるいは、排紙センサ13による後端検知後のスイッチバックモータ56の原稿送り量から、原稿P2の後端が反転センサ21の近傍で停止するタイミング)で、正逆転コロ18の駆動を一時停止すると共に、切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動する(図11(b))。この後、コントローラ50はスイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を逆転する。このような制御によって、前述の原稿P1と同様に原稿P2は反転経路22を通って読取位置へと搬送され、読取位置を通過して切換爪16に案内されて、裏面上向きで原稿P1と頁順が整った状態で排紙トレイ15に排出される。
次に、図12〜図14を参照しながら、短い両面原稿(例えば、A4横サイズ)を搬送する場合の動作を詳細に説明する。本実施形態では、先行原稿P1の3回目の読取位置通過に先立ち、次原稿P2の表面が読取位置を通過するように制御する。
すなわち、短い両面原稿の搬送時には、表面上向きに載置された原稿束Pの最上位原稿P1が片面原稿の場合と同様に給紙され、読取位置へと搬送されて表面を読取られる。このとき、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁し、1回目の露光(表面の読取り)が終了した原稿P1は、排紙コロ対14によって挟持されて第1切換位置(破線位置)にある切換爪16に案内されて第2搬送経路17に沿って搬送される。また、前記接離手段によって従動コロ19は正逆転コロ18に当接している。この第2搬送経路17に沿って搬送された表面読取り後の原稿P1はスイッチバックモータ56によって正転駆動される正逆転コロ18及びそれに当接する従動コロ19によって挟持されて、スイッチバック経路20に搬送される。そして、反転センサ21が表面読取り後の原稿P1の後端を検知すると、図12(a)に示すように、コントローラ50は正逆転コロ18の正転(スイッチバックモータ56の正転駆動)を一時停止すると共に、切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置へ移動させる。この正逆転コロ18の一時停止によって、表面読取り後の原稿P1はスイッチバック経路20上で正逆転コロ18及び従動コロ19に後端を挟持されて停止する。
次いで、コントローラ50はスイッチバックモータ56を逆転駆動して正逆転コロ18を逆転し、表面読取り後の原稿P1を反転経路22へ搬送する。原稿P1は反転コロ対23とプルアウトコロ対6を介して、表面読取り時と同様にスリットガラス9上の読取位置へ再度搬送され、裏面の読取りが行われる。表裏面読取り後の原稿P1の先端を排紙センサ13が検知すると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に移動すると共に、スイッチバックモータ56を正転駆動して正逆転コロ18を正転する。この正転駆動制御により、表裏面読取り後の原稿P1は再度、第2搬送経路17を通りスイッチバック経路20へ搬送される。
一方、裏面読取り中の原稿P1の後端を排紙センサ13が検知すると、コントローラ50は給紙モータ51を駆動して呼び出しコロ4、分離コロ対5等を回転し、原稿テーブル1に載置されている後続の原稿P2の給紙動作を行う。さらに、原稿P2はプルアウトコロ対6によって読取位置まで搬送され、図12(b)に示すようにその表面を読取られる。
また、スイッチバックモータ56の正転駆動により、表裏面読取り後にスイッチバック経路20へ搬送された原稿P1は、前述と同様にスイッチバック動作によって反転経路22へ搬送される。この原稿P1の先端が反転センサ24によって検知されると、コントローラ50は搬送モータ53を駆動停止して反転コロ対23を停止し、図13(a)に示すように原稿P1は反転経路22で待機状態になる。
この後、分離搬送されてきた原稿P2の後端がレジストセンサ7によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動すると共に、スイッチバックモータ56を逆転駆動して正逆転コロ18を逆転する。このスイッチバック制御により、スイッチバック経路20に待機していた原稿P1は反転経路22へ搬送される。
一方、表面読取り後の原稿P2の先端が排紙センサ13によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に戻し、スイッチバックモータ56を正転駆動して正逆転コロ18を正転する。この正転駆動制御により、表面読取り後の原稿P2は第2搬送経路17を通ってスイッチバック経路20へと搬送され、前述のように反転経路22で待機していた原稿P1は読取位置へと搬送される。
この原稿P2が第2搬送経路17を通ってスイッチバック経路20へと搬送される途中で、その後端が反転センサ21によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動し、正逆転コロ18を逆転する(図13(b))。このような制御により、表裏面読取り後の原稿P1は読取位置を通過して排紙トレイ15に排出され、原稿P2は反転経路22を通って再度、読取位置へ搬送され、その裏面が読取られる(図14(a))。
裏面読取り中の原稿P2の先端が排紙センサ13によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を励磁して切換爪16を破線位置に戻し、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を正転する。このような制御により、表裏面読取り後の原稿P2はスイッチバック経路20へと搬送される。
さらに、表裏面読取り後の原稿P2の後端が反転センサ21によって検知されると、コントローラ50は切換ソレノイド54を解除して切換爪16を実線位置に移動すると共に、スイッチバックモータ56を駆動して正逆転コロ18を逆転する。こうして、原稿P2は、裏面上向きで原稿P1と頁順が整った状態で排紙トレイ15に排出される(図14(b))。
本実施形態によれば、両面原稿の搬送方向長さが所定値より短い場合は、先行原稿の3回目の読取位置通過に先立ち、次原稿が1回目の読取位置通過を行うように搬送し、両面原稿の搬送方向長さが所定値以上長い場合には、先行原稿の3回目の読取位置通過後、次原稿が1回目の読取位置通過を行うように搬送するので、特に長尺原稿の画像品質を保持し、両面原稿の表裏面を連続して効率的に読取ると共に、構成が簡素(低コスト)で小型及び軽量化を図ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、先行原稿P1の表面読取り終了後、その裏面読取り時に、排紙センサ13が原稿P1の後端を検知するタイミングで、次原稿P2を給紙し、排紙時の頁順を整えるために再度スイッチバック経路20から反転経路22へ表裏面読取り後の原稿P1を搬送する途中で、次原稿P2の表面読取りを終了させ、原稿P2の裏面読取り前に表面読取り後の原稿P2の後端をレジストセンサ7が検知するタイミングで、反転経路22上に待機させた表裏面読取り後の原稿P1を排紙するので、排紙時の頁順を整えるための反転動作を原稿P2の裏面読取り動作中に終了させることができる。従って、先行原稿P1と次原稿P2を入れ替える時間を削減し、両面原稿P1、P2の表裏面を連続して効率よく読取り、読取り後の原稿を頁順に排紙することが可能である。
また、本実施形態によれば、スイッチバック経路20上の従動コロ19は正逆転コロ18に対して離接可能に構成されているので、原稿が長い場合は、従動コロ19を離隔することにより、反転経路22上で待機中の先行原稿P1の後部と表面読取り時にスイッチバック経路20に進入した次原稿P2の前部とがスイッチバック経路20内で重なりながら搬送される。すなわち、正逆転コロ18と従動コロ19に原稿P1がニップされた状態で、従動コロ19を離間させて次原稿P2をスイッチバック経路20内に搬送し、原稿P1、P2の一部が重なった状態で従動コロ19を正逆転コロ18に当接する。なお、原稿P1、P2が重なった状態で従動コロ19を当接させても、正逆転コロ18の摩擦係数が従動コロ19よりも高いので、正逆転コロ18に接する次原稿P2は容易にスイッチバック経路20に進入できる。
しかも、前述のように先行原稿P1の裏面読取り時に排紙センサ13の後端検知タイミングで次原稿P2を給紙するので、長尺原稿であっても先行原稿P1の後端と次原稿P2の先端との間隔に余裕を持たせることができ、搬送ジャムを抑制できる。すなわち、原稿の長さに応じ、1対のスイッチバック部材で前述の搬送制御を行うことができる。従って、小型化しても長尺原稿に対応可能で、先行原稿P1と次原稿P2を入れ替える時間を削減し、両面原稿P1、P2の表裏面を連続して効率よく読取り、読取り後の原稿を頁順に排紙することが可能である。また、次原稿P2の呼出し動作による衝撃が先行原稿P1の読取り中に生じることはなく、読取り画像品質を保持することができる。
また、本実施形態によれば、排紙経路(第2搬送経路17)及び反転経路22はそれぞれ一つであるため、搬送経路全体が短くて済む。なお、搬送経路全体を短くできるので、ジャム処理用の開閉部も従来より少なくなり、使い勝手がよい。従って、装置の構成が簡素で小型及び軽量化に適し、コスト低減に役立つ。
また、本実施形態によれば、排紙トレイ15をスイッチバック経路20の下方に配置し、そのスイッチバック経路20内で正逆転コロ18と従動コロ19の搬送方向上流から排紙トレイ15に読取り後の原稿を排出するようにしたので、搬送経路を簡素化して読取り後の原稿を速やかに排出し、待機動作とスイッチバック動作を容易に行うことができる。
[第2の実施形態]
図15は、本発明の第2の実施の形態における自動原稿搬送装置の原稿搬送動作を示す。本実施形態の装置構成は第1の実施形態と概ね同様であるため、図1、図2を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を省略する。
本実施形態では、長い原稿(搬送方向長さが所定値以上の両面原稿)を搬送する場合、排紙センサ13が3回目の読取位置通過後(表裏面読取り及び反転後)の原稿P1の後端を検知するタイミングで原稿P2を給紙する。この場合、原稿P2の表面読取り終了に先立って原稿P1は排紙されるので、接離ソレノイド57を駆動して従動コロ19を接離制御する必要はなくなる。本実施形態では、第1の実施形態から接離ソレノイド57を除いた構成(従来の装置構成)とし、また、従動コロ19の接離制御(図5のステップs115s〜119等)を省略する。
ここで、図15を参照しながら本実施形態における原稿搬送動作について説明する。なお、本実施形態でも2枚の原稿P1、P2を搬送するものとし、片面モード時の動作及び両面モード時の先行原稿P1の表裏面読取りは、第1の実施形態(ステップs101〜s109)と同様である。
表裏面読取り後の原稿P1は再度第2搬送経路17を通ってスイッチバック経路20へ搬送され、このとき原稿P1の後端検知後に排紙センサ13はオフ状態となる(ステップs110のYES)。ここで、次原稿の有無を判断し(ステップs111)、次原稿がない場合は表裏面読取り後の原稿を再度、反転経路22を通して反転させ(ステップs125)、頁順を揃えてから排紙する(ステップs126)。また、次原稿P2がある場合には、その原稿P2が予め設定された大サイズかそれ以外のサイズかを、搬送方向の原稿の長さによって判断する(ステップs201)。
その結果、原稿サイズが大の場合は(ステップs201の大)、表裏面読取り後の先行原稿P1を再度、反転経路22を通して反転・排紙した後(ステップs207、s208)、次原稿P2を給紙して(ステップs102)、前述と同様に表裏面を読取って排紙する(ステップs103、s107〜s111、s125、s126)。なお、原稿サイズが大(長い原稿)の場合の動作タイミングは図16に示すとおりである。
一方、原稿サイズがその他の場合は(ステップs201のその他)、先行原稿P1による排紙センサ13オフのタイミングで、給紙モータ51を駆動して次原稿P2を給紙するとともに先行原稿P1をスイッチバック経路20で待機させる(ステップs202)。この状態で、原稿P2を第1搬送経路31に沿って読取位置に反転・搬送し、その表面の読取りを開始する(ステップs203)。表面読取り時に原稿P2の後端をレジストセンサ7が検知するタイミングで(ステップs204のYES)、スイッチバックモータ56を逆転駆動してスイッチバック動作を実行し、待機中の原稿P1を反転経路22、第2搬送経路17を通して反転・搬送し、排紙トレイ15に排出する(ステップs205、s206)。
また、原稿P2の表面読取り時にその先端が排紙センサ13によって検知されるタイミングで、コントローラ50はスイッチバックモータ56を正転駆動して正逆転コロ18を正転させ、切換爪16を点線位置に切り換えて原稿P2をスイッチバック経路20に導いた後、スイッチバックモータ56を逆転駆動してスイッチバック動作を実行し、切換爪16をホームポジションに切り換えて原稿P2を反転経路22に導いて反転させてから再度、読取位置へ搬送して、その裏面の読取りを開始する(ステップs108、s109)。本実施形態では、2枚の原稿P1、P2をセットしたので、表裏面読取り後の原稿P2は頁順を揃えるために再度、反転された後、前述と同様に排紙トレイ15に排出される(ステップs110、s111、s125、s126)。
本実施形態は第1の実施形態に比べ、接離ソレノイドを必要としないことから部品点数が削減され、また、接離制御を行わないことから搬送制御がより簡単になる。さらに、本実施形態では先行原稿P1の読取り中に次原稿P2が分離給紙されることはないので、第1の実施形態と同様に原稿呼出し動作による衝撃が読取り中に生じることはなく、読取り画像品質を保持することができる。
また、他の実施形態として、表面読取り後の先行原稿P1を反転経路22で反転させる時(第1面読取りから第2面読取りへの反転時)に次原稿P2を分離し、原稿P1の第2面読取り中はその分離した原稿P2を、反転経路22と第1搬送経路31の合流点(図1ではプルアウトコロ対6)より搬送方向上流で待機させてもよい。例えば、分離され原稿P2の先端を分離センサ26が検知し、さらに給紙モータ51が所定量駆動してから給紙モータ51を停止する。この後、レジストセンサ7が表裏面読取り後の原稿P1の後端を検知するタイミングで、待機中の原稿P2を読取位置へ搬送して表面を読取らせ、前述のように従動コロ19を接離制御する。この場合は、表面読取り後の原稿P1の反転時にその原稿P1と原稿P2の間隔を詰めることができる。また、原稿P1の読取り中に原稿P2が分離給紙されることはないので、本実施形態と同様に原稿呼出し動作による衝撃が読取り中に生じることはなく、読取り画像品質を保持することができる。