以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下においては、携帯通信装置の一例として携帯電話機を例として説明するが、本発明の適用対象は携帯電話機に限定されるものではなく、通話機能を備える種々の通信装置に用いることができる。例えば、携帯通信装置としては、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA等に対しても本発明は適用できる。また、携帯通信装置として、通信機能を備える専用の防犯装置にも用いることができる。また、本発明の通信システムを構成する後述する救出側の通信装置には、固定端末も用いることができ、例えば、固定式の電話機、複合機、PC(Personal Computer)にも用いることができる。
図1は、本発明の携帯通信装置を有する本発明の通信システムの概略構成を示す説明図である。図1に示す通信システム1は、GPS衛星2と、通信網3と、複数の基地局4と、サーバ6と、複数の携帯通信装置10、10a、10bとで構成されている。
GPS衛星2は、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の通信機能を備える通信装置(通信端末、通信機器)に、該通信装置の位置情報を送信(提供)する衛星である。なお、図1でGPS衛星2を1つのみ示したが、GPS衛星2は、通信装置の位置を特定するために必要な数(主として3つ、4つ)が配置されている。複数のGPS装置2は、通信装置の位置情報の特定に必要な情報(GPS衛星2の位置情報や時間情報)を出力する。なお通信装置は、GPS衛星2から出力される情報を取得し、解析することで、自身の位置情報を取得する。
通信網(コアネットワーク)3は、交換機や、有線の通信回線で構成されている。通信網3は、有線、無線の通信回線を用いて、基地局4を介して、携帯通信装置10、10a、10bと他の通信装置(他の携帯通信装置、固定型の通信装置、サーバ6)との間での情報通信を行う。通信網3は、通信装置間で通信を行うことができれば、種々の通信方法を用いることができる。例えば、衛星回線を利用して通信を行ってもよい。
基地局4は、無線により携帯通信装置10、10a、10bと通信信号の送受信を行う通信機器である。なお、通信信号とは、通話や、メールの送受信や、インターネット通信を行うために、送受信するデータの信号である。また、基地局4は、通信網3と接続しており、通信網3と接続している通信端末と通信(通信信号を送受信)することができる。このように、基地局4は、通信網3と接続しており、携帯通信装置10、10a、10bと無線で通信を行うことで、通信網3を利用した携帯通信装置10、10a、10bの通信を中継する。なお、基地局4は、中継局を介して携帯通信装置10、10a、10bと通信を行うようにしてもよい。
サーバ6は、呼び出し音や着信音の情報、呼び出し音及び着信音の制御条件、これらの制御プログラム、各通信装置を特定する情報(電話番号、アドレス)等種々のデータを有する。サーバ6は、通信網3及び基地局4を介して携帯通信装置10、10a、10bと通信し、種々の情報を供給する。また、サーバ6は、通信装置から情報を受信しその情報に基づいて他の通信装置に情報を通信する、情報の中継も行う。
携帯通信装置10、10a、10bは、基地局4を介して通信網3との間で無線通信を行う通信端末である。携帯通信装置10は、音声信号等の信号を通信網3に送信し、通信網3から音声信号等の信号を受信する。また、それぞれの携帯通信装置には、固有の電話番号、端末番号が割り当てられ、記憶されている。携帯通信装置10、10a、10bの構成については、後ほど説明する。
通信システム1は、以上のような構成である。通信システム1は、ユーザの操作により携帯通信装置10に発信操作が入力されると、携帯通信装置10から通信網3に対して、発信信号と通信先の電話番号の情報が送られる。通信網3は、入力された通信先の電話番号が割り当てられている携帯通信装置10を検索し、通信先の携帯通信装置10に着信を通知する。その後、通信先の携帯通信装置10で通話開始の操作が入力されたら、通信網3を介して通信を行う。つまり、通信システム1は、通信網3を介して情報の送受信を行うことで、携帯通信装置10間で通信を行う。なお、通信システム1は、通信端末間での通信は、音声通信に限定されず、データの送受信も行う。また、通信システム1を構成する携帯通信装置10は、GPS衛星2から位置情報を取得することもできる。また、図1では、サーバ6を1つのみ、携帯通信装置10は、3つのみ(10、10a、10b)を図示しているが、通信システム1は、多数の、サーバ6と、携帯通信装置10で構成することができる。また、図1では、通信システム1の通信網3で通信を行う機器として、携帯通信装置10、10a、10b、サーバ6のみを示したが、通信網3で通信可能な機器は、これには限定されない。通信システム1は、通信網3を介して、公衆通信網で通信可能な種々の通信装置間で通信を実行できる。例えば、PC(Personal Computer)等の情報通信機能を備える固定型の情報端末や、有線の電話回線を介して通信網3と接続された電話装置(固定電話)との間でも通信を実行できる。
次に、携帯通信装置10、10a、10bについて説明する。なお、携帯通信装置10と、携帯通信装置10aと、携帯通信装置10bとは、同様の装置構成であるので、以下、携帯通信装置10を用いて説明する。ここで、図2は、図1に示す携帯通信装置の機能の概略構成を示すブロック図である。携帯通信装置10は、無線通信機能を備えた携帯電話機である。図2に示すように携帯通信装置10は、主制御部22と、記憶部24と、通信部26と、操作部28と、音声処理部30と、表示部32と、表示制御部33と、GPS通信部34と、振動部36と、タイマ部38と、を有する。また、携帯通信装置10は、筐体10Cが第1筐体と第2筐体とで開閉可能に構成された、折り畳み式の携帯電話機である。なお、本実施形態では、携帯通信装置10の筐体10Cを折り畳み式としたが、筐体の形状は特に限定されない。筐体は種々の形態とすることができ、例えば、スライド式、サイクロイド式、リボルバー式、ストレート式等でもよい。
主制御部22は、携帯通信装置10の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、携帯通信装置10の各種の処理が、操作部28の操作や携帯通信装置10の記憶部24に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部26、表示部32等の動作を制御する。主制御部22は、記憶部24に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムのプログラム、アプリケーションのプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、主制御部22は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。なお、本実施形態では、主制御部を含む各部の制御機能を合わせたものが制御部となる。
記憶部24には、主制御部22での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、発信、着信、通話処理を行うアプリケーションのプログラムである通信管理プログラム24a、着信音の設定処理、取得処理や同期処理を行うアプリケーションのプログラムである通信音同期プログラム24bや、メールの送受信を行うアプリケーションのプログラム等が保存されている。また、データとしては、通信音同期プログラム24bの処理時に使用する条件テーブル24c、呼び出し音と着信音とを複数備える通信音データ24d、画像データ、音声データ、文字変換のための辞書データ、アドレス帳データ等が記憶されている。なお、通信音(通知音)とは、携帯通信装置から出力される音響(音声を含む音)であり、着信音、呼び出し音、記憶部に記憶されている種々の音等が含まれる。
通信部26は、上述した通信網3の基地局4によって割り当てられるチャネルを介し、基地局との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、基地局との間で電話通信及び情報通信を行う。このため、ユーザは、通信部26による通信により所望の相手との通話が可能となる。
操作部28は、例えば、通話キー、電源キー、数字キー、文字キー、発信キーなど、各種の機能が割り当てられた操作キーと、方向及び決定キーとで構成される。操作部28は、これらのキーがユーザの操作により入力されると、その操作内容に対応する信号を発生させる。そして、発生した信号は、ユーザの指示として主制御部22へ入力される。
音声処理部30は、マイク15に入力される音声信号やレシーバ16、スピーカ17から出力される音声信号の処理を実行する。なお、レシーバ16は、電話等の音声通信時の音声の出力、呼び出し音(発信時に電話をかけていること(相手を呼出していること)を通知する音声)の出力等に使用され、スピーカ17は、着信音の出力等に使用される。
表示部32は、液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成された表示パネルを備え、主制御部22から表示制御部33を介して供給される映像データに応じた映像、画像データに応じた画像を表示パネルに表示させる。
GPS通信部34は、GPS衛星2から出力されるGPS信号を受信する通信部である。また、GPS通信部34は、出力されるGPS信号を受信し解析することで携帯通信装置10の緯度経度を算出し、算出した緯度経度の情報を主制御部22に送る。具体的には、複数のGPS衛星2からGPS信号を取得し、GPS信号に含まれる時間情報と取得した時間情報との時間差や、受信した伝播電波の強度等によりそれぞれのGPS衛星2からの距離を算出する。GPS通信部34は、GPS衛星2からの距離と各GPS衛星2の位置情報を解析することで、自身の位置を算出する。
振動部(バイブレータ)36は、筐体10Cの内部に設けられた筐体10Cを振動させる振動発生機構である。振動発生機構としては、偏心モータを用いることができる。振動部36は、他の端末からの通話の着信の通知時、EメールやCメール、ショートメール等のお知らせの着信の通知時や、アラーム機能利用時に、主制御部22の制御により駆動され、筐体10Cを振動させる。
タイマ部38は、時刻をカウントしており、時刻の情報を、主制御部22へ向けて出力可能となっている。なお、タイマ部38は、通信部26を介して基地局4から時刻情報を取得することで、基準時刻とのズレを補正することができる。なお、通信システム1は、基地局4同士で時刻情報を同期させることで、携帯通信装置10のタイマ部38は、同期した時刻情報を取得し保持することができる。
加速度センサ39は、筐体10Cに加わる加速度を検出する検出器である。加速度センサ39は、ユーザが筐体10Cを振ったり、移動させたりする際に、筐体10Cに作用する加速度を検出する。加速度センサ39は、検出した加速度情報を主制御部22に送る。
次に、図3及び図4を用いて、携帯通信装置10の動作について説明する。ここで、図3は、発信側の携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図であり、図4は、着信側の携帯通信装置の処理動作の一例を示すフロー図である。なお、図3及び図4に示す処理は、携帯通信装置10が、基本的に記憶部24に記憶されている通信音同期プログラム24bを主制御部22で処理することで実行される。また、図3及び図4に示す処理のうち通信に関する一部の処理は、記憶部24に記憶されている通信管理プログラム24aを主制御部22で処理することで実行される。
まず、図3を用いて携帯通信装置を発信側の携帯通信装置として用いる場合を説明する。携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS12として発信操作が入力される。つまり、ユーザにより操作が入力され、特定の通信装置(本処理では携帯通信装置)に電話をかける。このように主制御部22は、ユーザにより発信操作が入力されたら処理を開始する。
主制御部22は、ステップS12で発信操作が行われたら、ステップS14として処理実行条件を満たすかを判定する。ここで、処理実行条件とは条件テーブル24cに記憶されている条件である。処理実行条件については後ほど説明する。主制御部22は、ステップS14で処理実行条件を満たさない(No)と判定したら、ステップS16として通常発信処理を実行する。ここで、通常発信処理とは、携帯通信装置10で電話をかける場合時に実行される処理である。主制御部22は、ステップS16で通常発信処理を実行したら、ステップS26に進む。
また、主制御部22は、ステップS14で処理実行条件を満たす(Yes)と判定したら、ステップS18として同期モード発信処理を実行する。ここで、同期モード発信処理とは、発信時に通常発信処理で送信する情報に加え、発信側の携帯通信装置の呼び出し音を着信側の携帯通信装置の着信音と同一の通信音とする処理(通信音の同期処理)を行う旨の情報を送信する処理である。
主制御部22は、ステップS18で発信処理を行ったらステップS20として着信側の端末(携帯通信装置)の情報を受信する。つまり、主制御部22は、ステップS18で実行した発信処理に対して着信側の携帯通信装置から送信された情報を受信する。なお、着信側の携帯通信装置から送信された情報としては、発信処理を受信したことを示す情報や、着信側の携帯通信装置の情報等がある。
主制御部22は、ステップS20で着信側の端末の情報を受信したら、ステップS22として着信音の情報があるかを判定する。つまり主制御部22は、ステップS20で受信した情報に、着信側の携帯通信装置で出力する着信音の情報が含まれているかを判定する。なお、着信音の情報は、着信側の携帯通信装置がステップS18で送られた情報を処理し、着信側の携帯通信装置側でも通信音の同期処理を実行する場合に送信される。
主制御部22は、ステップS22で着信音の情報あり(Yes)と判定したら、ステップS24として、設定された着信音を呼び出し音として出力する。つまり、主制御部22は、ステップS20で受信し、ステップS22でありと判定した着信音の情報に基づいて、着信側の携帯通信装置から送られた着信音を呼び出し音として出力する。なお、この時、着信側の携帯通信装置から着信音と共に音声の出力タイミングの情報を供給された場合、主制御部22は、タイマ部38で時間を調整しつつ、設定された出力タイミングで呼び出し音を出力する。
また、主制御部22は、ステップS22で着信音なし(No)またはステップS16の処理が終了したら、ステップS26として通常の呼び出し音を出力する。つまり、着信側の携帯通信装置の着信音に関係なく設定された呼び出し音を出力する。
主制御部22は、ステップS24またはステップS26で呼び出し音を出力したら本処理を終了する。なお、発信処理に対応して通話に関する処理は、平行して処理されており本処理を終了しても通話に関する処理は継続される。例えば、主制御部22は、呼び出し音の設定処理は終了するが、通話が開始されるまでまたは発信処理が終了するまで呼び出し音の出力は継続する。
次に、図4を用いて携帯通信装置を着信側の携帯通信装置として用いる場合を説明する。なお、図4に示すフロー図は、図3に示すフロー図の処理を行う携帯通信装置に対応する処理である。まず、携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS30として着信があるかを判定する。主制御部22は、ステップS30で着信なし(No)と判定したらステップS30に進み再び着信ありかを判定する。このように主制御部22は、着信を検出するまで、着信があるかの判定を繰り返す。
主制御部22は、ステップS30で着信あり(Yes)と判定したらステップS32として、発信側の端末(携帯通信装置)の認証を行う。ここで、発信側の端末の認証とは、発信処理(発呼処理)を行った携帯通信装置が発信処理に送信した情報の認証であり、携帯通信装置の電話番号や、通話の設定や、着信処理の条件等が含まれている。
主制御部22は、ステップS32で認証を行ったら、ステップ34として、処理実行条件を満たすかを判定する。ここで、処理実行条件とは条件テーブル24cに記憶されている条件である。処理実行条件については後ほど説明する。主制御部22は、ステップS34で処理実行条件を満たさない(No)と判定したら、ステップS35として通常着信処理を実行する。ここで、通常着信処理とは、携帯通信装置10で着信を検出した場合時に実行される処理である。例えば、発信側の携帯通信装置10のユーザ毎に設定している着信音を検出し検出した着信音を出力する処理や、マナーモードが設定されている場合は振動部36により筐体10Cを振動させて着信を通知する処理を行う。また、発信側の携帯通信装置が着信を拒否する設定の端末である場合は、着信を通知しない処理も行う。主制御部22は、ステップS35で通常着信処理を実行したら本処理を終了する。なお、発信処理を同様に着信処理も通話に関する処理は、平行して処理されており本処理(着信動作を決定する処理)を終了しても、着信音を出力する処理等は、継続して処理される。
また、主制御部22は、ステップS34で処理実行条件を満たす(Yes)と判定したら、ステップS36としてマナーモードであるかを判定する。ここで、マナーモードとは、上述したように着信音を出力せずに着信を通知するモードである。主制御部22は、ステップS36でマナーモードである(Yes)と判定したら、ステップS38としてマナーモードを解除し、ステップS40に進む。これにより、着信側の携帯通信装置10は、着信音を出力できる状態となる。また、主制御部22は、ステップS36でマナーモードではない(No)と判定したら、そのままステップS40に進む。
主制御部22は、ステップS36でNoと判定したらまたはステップS38の処理を終了したら、ステップS40として、発信側に着信音の情報と出力タイミングを送信する。つまり、主制御部22は、着信側の携帯通信装置で出力する設定となっている着信音の情報を発信側の携帯通信装置に送信する。さらに、主制御部22は、自機が出力する着信音(通信音)と、発信側の携帯通信装置が出力する呼び出し音(通信音)とを対応したタイミングで出力させるために出力タイミングの情報も合わせて出力する。なお、出力タイミングとしては、着信音の各音声(音響)に時間情報を対応付けた情報を用いることが好ましい。
主制御部22は、ステップS40の処理を終了したら、ステップS42として着信音を出力する。つまり主制御部22は、ステップS40で発信側の携帯通信装置に情報を送信した着信音を自機の着信音として出力する。また、主制御部22は、ステップS40で送信した出力タイミングにあわせて着信音を出力する。主制御部22は、ステップS42で着信音の出力を行ったら、本処理を終了する。
このように、通信システム1及び携帯通信装置10は、発信側の携帯通信装置で図3に示す処理を行い、着信側の携帯通信装置で図4に示す処理を行うことで、発信側の携帯通信装置の呼び出し音と着信側の携帯通信装置の着信音とを同一の通信音とする。発信側の携帯通信装置と着信側の携帯通信装置とで同一の通信音を出力することで、発信側の携帯通信装置のユーザはレシーバ16から出力される呼び出し音を聞きながら、スピーカ17から同一の音声を出力している着信側の携帯通信装置を探すことができる。つまりユーザは、通信相手で出力されている音声を確認しながら通信相手を探すことができる。これにより、発信側のユーザは、着信側のユーザが子供、目が見えない人物、耳が聞こえない人物等の自分の位置を説明できない相手の場合でも会話等で相手の位置を特定する必要がないため、着信側の携帯通信装置を保有する通信相手を的確かつ迅速に探して見つけることができる。
また、呼び出し音及び着信音として利用される通信音を同一とすることで、通信音として用いられる音声を知らない場合でも利用することができる。また、出力されている音声を思い違いしていて着信音を特定できない恐れを低減することができる。
また、上記実施形態のように、通信音の出力タイミングの情報を送受信し、出力のタイミングを合わせることで、所定のタイミングで呼び出し音と着信音を出力することができる。これにより、通信音がメロディである場合に出力タイミングがずれて相手の通信音(基本的には着信音)を特定できない恐れを低減することができる。なお、上記効果を得ることができるため、通信音の出力タイミングは同期させることが好ましいがこれには限定されない。通信システム1及び携帯通信装置10は、出力タイミングの情報を送受信せず、通信音を同一にすることでも出力されている音声を特定できるため、着信側の携帯通信装置を保有する通信相手を的確かつ迅速に探して見つけることができる。
ここで、図3のステップS14及び図4のステップS34の処理実行条件としては、種々の条件を用いることができる。例えば、端末情報(通信相手の情報)が予め設定した携帯通信装置の端末情報(電話番号、識別情報)である場合、条件を満たすとする処理条件とすることができる。このように、通信音の同期処理を行う携帯通信装置を特定の携帯通信装置とすることで、本機能を使用する必要がない場合に通信音が変更されてしまうことを抑制することができる。
また、スケジュール機能とタイマ部38とを用い設定した時間である場合、条件を満たすとする処理条件とすることができる。これにより、待ち合わせ時間を基準とした範囲、例えば待ち合わせ時間の前後10分間で発着信処理を行ったら、通信音の同期処理を行うことができる。
また、GPS通信部34で取得した位置情報や基地局との通信で取得したエリア情報を用いて、所定の位置、エリアにいる場合に条件を満たすとする処理条件とすることもできる。このように、所定の位置、エリアにいる場合のみ通信音の同期処理を行うことができる。なお、位置情報、エリア情報を用いる場合、発信側の携帯通信装置と着信側の携帯通信装置との距離が一定距離以内、近隣のエリアにいる場合に条件を満たすとする処理条件とすることもできる。つまり、処理実行条件として、両者が一定の距離内、領域内にいるかを基準とすることもできる。このように、両者が近くにいる場合のみ、通信音の同期処理を行うことで、本処理による通信相手の位置の把握機能をより有効に活用できる場合に処理を実行することができる。
また、着信側の携帯通信装置の処理条件としては、加速度センサ39で検出した加速度を処理条件として設定してもよい。具体的には、加速度が移動中である場合、具体的には電車で移動している移動パターンである場合は、条件を満たさないとする処理条件とすることができる。これにより、例えば、電車での移動中に不意に着信音が出力されることを低減することができる。また、加速度パターンが徒歩パターンまたは止まっているパターンの場合に条件を満たすという処理条件としてもよい。これにより、待ち合わせ時や着信音が聞こえる範囲で相手を探す場合に使用することができる。
なお、これらの処理条件は、複数の処理条件を組み合わせて用いることが好ましい。条件を組み合わせて用いることで、必要な場合に通信音の同期処理を行うことができる。例えば、端末情報と時間と位置情報とを処理実行条件として用い、待ち合わせ場所で待ち合わせ時間に待ち合わせ相手に対してのみ、通信音の同期処理を実行することもできる。なお、処理実行条件としては、発信操作中、発信処理中、着信処理中等にユーザによって特定の操作が入力されたか否かを条件とし、所定の操作が入力された場合に処理実行条件を満たすとしてもよい。
また、上記実施形態では、発信側の携帯通信装置から着信音を同一にするための信号を出力したがこれには限定されない。発信側の携帯通信装置は、図5に示す処理を実行することでも通信音を同一にすることができる。ここで、図5は、発信側の携帯通信装置の処理動作の他の一例を示すフロー図である。なお、図5に示す処理のうち、図3に示す処理と同様の処理については、図3と同様のステップ番号を付して、その詳細な説明は省略する。
携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS12として発信操作が入力される。主制御部22は、ステップS12で発信操作が行われたら、ステップS16として通常発信処理を実行する。ここで、通常発信処理とは、携帯通信装置10で電話をかける場合時に実行される処理である。
主制御部22は、ステップS16で通常発信処理を行ったらステップS20として着信側の端末(携帯通信装置)の情報を受信する。つまり、主制御部22は、ステップS20で実行した発信処理に対して着信側の携帯通信装置から送信された情報を受信する。
主制御部22は、ステップS20で着信側の端末の情報を受信したら、ステップS22として着信音の情報があるかを判定する。主制御部22は、ステップS22で着信音の情報あり(Yes)と判定したら、ステップS24として、設定された着信音を呼び出し音として出力する。また、主制御部22は、ステップS22で着信音なし(No)と判定したら、ステップS26として通常の呼び出し音を出力する。つまり、着信側の携帯通信装置の着信音に関係なく設定された呼び出し音を出力する。主制御部22は、ステップS24またはステップS26で呼び出し音を出力したら本処理を終了する。
図5に示すように、発信側の携帯通信装置は、処理実行条件を満たすか否かを判定せず、着信側の携帯通信装置から着信音の情報が送信された、当該着信音を呼び出し音として出力するようにしてもよい。
また、着信側の携帯通信装置は、着信音の情報として着信音の音声データを送ってもよいし、着信音を特定するための識別情報を送ってもよい。発信側の携帯通信装置は、着信音の情報として着信音を特定するための識別情報を受信し、識別情報で特定した着信音が記憶部に記憶されていたら、記憶されている着信音(通信音)を呼び出し音として設定すればよい。また、着信音の情報として着信音を特定するための識別情報を受信し、識別情報で特定した着信音が記憶部に記憶されてない場合は、サーバ6から通信音をダウンロードしたり、着信側の携帯通信装置に着信音のデータの送信要求を出力して着信側の携帯通信装置から取得したりすればよい。
また、上記実施形態では、発信側の携帯通信装置が、着信側の携帯通信装置の着信音を呼び出し音として出力することで、通信音を同一の音声としたが(通信音を同期させたが)、これに限定されない。通信システム1及び携帯通信装置10は、着信側の携帯通信装置が、発信側の携帯通信装置の呼び出し音を着信音として設定してもよい。以下、図6及び図7を用いて説明する。図6は、発信側の携帯通信装置の処理動作の他の一例を示すフロー図であり、図7は、着信側の携帯通信装置の処理動作の他の一例を示すフロー図である。なお、図6に示す処理のうち、図3に示す処理と同様の処理については、図3と同様のステップ番号を付して、その詳細な説明は省略する。図7に示す処理のうち、図4に示す処理と同様の処理については、図4と同様のステップ番号を付して、その詳細な説明は省略する。
まず、図6を用いて携帯通信装置を発信側の携帯通信装置として用いる場合を説明する。携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS12として発信操作が入力される。主制御部22は、ステップS12で発信操作が行われたら、ステップS14として処理実行条件を満たすかを判定する。主制御部22は、ステップS14で処理実行条件を満たさない(No)と判定したら、ステップS16として通常発信処理を実行する。主制御部22は、ステップS16で通常発信処理を実行したら、ステップS26に進む。
また、主制御部22は、ステップS14で処理実行条件を満たすと判定したら、ステップS18として同期モード発信処理を実行する。なお、ステップS18の同期モード発信処理では、呼び出し音の情報及び必要に応じて出力タイミングの情報を送信する。主制御部22は、ステップS18で発信処理を行ったらステップS20として着信側の端末(携帯通信装置)の情報を受信する。
主制御部22は、ステップS20で着信側の端末の情報を受信したら、ステップS62
として、着信側は同期処理を実行しているかを判定する。つまり主制御部22は、ステップS62で受信した情報に、着信側の携帯通信装置がステップS18で送った呼び出し音の情報等を用い通信音を同期する処理を実行することを示す情報が含まれているかを判定する。
主制御部22は、ステップS62で同期処理を実行している(Yes)と判定したら、ステップS64として、同期モードの呼び出し音を出力する。つまり、主制御部22は、ステップS18で着信側の携帯通信装置に送信した呼び出し音を呼び出し音として出力する。この時、ステップS18で出力タイミングの情報を送信した場合、主制御部22は、タイマ部38で時間を調整しつつ、設定された出力タイミングで呼び出し音を出力する。
また、主制御部22は、ステップS62で同期処理を実行していない(No)またはステップS16の処理が終了したら、ステップS26として通常の呼び出し音を出力する。つまり、着信側の携帯通信装置の着信音に関係なく設定された呼び出し音を出力する。
主制御部22は、ステップS64またはステップS26で呼び出し音を出力したら本処理を終了する。なお、この場合も発信処理に対応して通話に関する処理は、平行して処理されており本処理を終了しても通話に関する処理は継続される。例えば、主制御部22は、呼び出し音の設定処理は終了するが、通話が開始されるまでまたは発信処理が終了するまで呼び出し音の出力は継続する。
次に、図7を用いて携帯通信装置を着信側の携帯通信装置として用いる場合を説明する。なお、図7に示すフロー図は、図6に示すフロー図の処理を行う携帯通信装置に対応する処理である。まず、携帯通信装置10の主制御部22は、ステップS30として着信があるかを判定する。主制御部22は、ステップS30で着信なし(No)と判定したらステップS30に進み再び着信があるかを判定する。
主制御部22は、ステップS30で着信あり(Yes)と判定したらステップS32として、発信側の端末(携帯通信装置)の認証を行う。ここで、発信側の端末の認証とは、発信処理(発呼処理)を行った携帯通信装置が発信処理に送信した情報の認証であり、携帯通信装置の電話番号や、通話の設定や、着信処理の条件等が含まれている。
主制御部22は、ステップS32で認証を行ったら、ステップS34として、処理実行条件を満たすかを判定する。ここで、処理実行条件とは条件テーブル24cに記憶されている条件である。なお、本実施形態では、ステップS32で発信側の携帯通信装置から呼び出し音に関する情報があるのかも処理実行条件の基準となる。主制御部22は、ステップS32で発信側の携帯通信装置から呼び出し音に関する情報を受信しかつその他各種条件を満足している場合処理実行条件を満たしていると判断する。
主制御部22は、ステップS34で処理実行条件を満たさない(No)と判定したら、ステップS35として通常着信処理を実行する。主制御部22は、ステップS35で通常着信処理を実行したら本処理を終了する。
また、主制御部22は、ステップS34で処理実行条件を満たす(Yes)と判定したら、ステップS36としてマナーモードであるかを判定する。なお、主制御部22は、ステップS34で処理実行条件を満たすと判定したら、発信側の携帯通信装置に通信音の同期処理を実行することを示す情報を送る。なお、この情報の出力タイミングは、ステップS34の判定後、ステップS42の処理前であればいつでもよい。主制御部22は、ステップS36でマナーモードである(Yes)と判定したら、ステップS38としてマナーモードを解除し、ステップS70に進む。これにより、着信側の携帯通信装置10は、着信音を出力できる状態となる。また、主制御部22は、ステップS36でマナーモードではない(No)と判定したら、そのままステップS70に進む。
主制御部22は、ステップS36でNoと判定したらまたはステップS38の処理を終了したら、ステップS70として、発信側から送られた呼び出し音を着信音に設定する。
主制御部22は、ステップS70の処理を終了したら、ステップS42として着信音を出力する。つまり主制御部22は、ステップS32で発信側の携帯通信装置から送信された呼び出し音を自機の着信音として出力する。また、主制御部22は、ステップS32で受信した出力タイミングにあわせて着信音を出力する。主制御部22は、ステップS42で着信音の出力を行ったら、本処理を終了する。
図6及び図7に示すように、発信側の携帯通信装置の呼び出し音を通信音として両者の携帯通信装置から出力させることでも上記と同様の効果を得ることができ、通信相手または相手側の携帯通信装置の位置を容易に把握することができる。なお、上述した各種好適な態様は本実施形態の場合も同様に用いることができる。
また、上記実施形態では、いずれも携帯通信装置同士の処理により通信音の同期処理を行ったがこれには限定されない。通信システム1は、サーバ6により、携帯通信装置同士の通信を処理することで通信音の同期処理を行うこともできる。図8は、図1に示すサーバの機能の概略構成を示すブロック図である。なお、通信システム1は、上述したようにサーバを介さずに通信音の同期処理を行うことも、以下に説明するようにサーバを介して通信音の同期処理を行うこともできる。
図8に示すサーバ6は、主制御部52と、記憶部54と、通信部56とを有する。主制御部52は、サーバ6の全体的な動作を統括的に制御する処理部、例えばCPU(Central Processing Unit)である。すなわち、サーバ6の各種の処理が、記憶部54に保存されるソフトウェアに応じて適切な手順で実行されるように、通信部56の動作を制御する。主制御部52は、記憶部54に保存されているプログラム(例えば、オペレーティングシステムのプログラム、アプリケーションのプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、主制御部52は、複数のプログラム(アプリケーション、ソフトウェア)を並列で実行することができる。なお、本実施形態では、主制御部を含む各部の制御機能を合わせたものが制御部となる。
記憶部54には、主制御部52での処理に利用されるアプリケーションのプログラムやデータが保存されている。具体的には、アプリケーションのプログラムとして、発信、着信、通話処理を行うアプリケーションのプログラムである通信管理プログラム54a、着信音の設定処理、取得処理や同期処理を行うアプリケーションのプログラムである通信音同期プログラム54b等が保存されている。また、データとしては、通信音同期プログラム54bの処理時に使用する条件テーブル54c、呼び出し音と着信音とを複数備える通信音データ54d等が記憶されている。
通信部56は、上述した通信網3を介し、基地局4との間でCDMA方式などによる無線信号回線を確立し、携帯通信装置10との間で電話通信及び情報通信を行う。サーバ6は、以上のような構成である。なお、サーバ6は、種々の機能の一部として、通信音の同期制御や、通信管理の制御を行うようにしても、本制御のみを特化して行うようにしてもよい。
次に、図9を用いてサーバ6の処理動作について説明する。図9は、サーバの処理動作の一例を示すフロー図である。なお、サーバ6の処理動作も上述の携帯通信装置と同様に記憶部54に記憶されている各種プログラムデータを主制御部52で処理することで実行される。
まず、サーバ6の主制御部52は、ステップS102として発信を検出する。つまり、任意の携帯通信装置から送信された発信処理を検出する。主制御部52は、ステップS102で発信を検出したら、ステップS104として通信を行う端末の情報を取得する。具体的には、主制御部52は、ステップS102で検出した発信処理の情報から、発信側の携帯通信装置と着信側の携帯通信装置とを特定し、それぞれの端末の情報を取得する。なお、端末の情報は、各携帯通信装置と通信を行うことで情報を取得しても、記憶部54に記憶されている条件テーブル54cから情報を取得してもよい。
主制御部52は、ステップS104で端末の情報を取得したら、ステップS106として、処理実行条件を満たすかを判定する。ここで、処理実行条件とは条件テーブル54cに記憶されている条件である。処理実行条件は、上述した携帯通信装置の処理実行条件と同様の条件である。なお、ステップS106では、発信側の条件と着信側の条件の両方が条件となる。主制御部52は、ステップS106で処理実行条件を満たさない(No)と判定したら、ステップS108として通常発着信処理を実行する。ここで、通常発着信処理とは、携帯通信装置10で発信処置と着信処理を行ったときに通常実行される処理である。主制御部52は、ステップS108で通常発着信処理を実行したら、本処理を終了する。
また、主制御部52は、ステップS106で処理実行条件を満たす(Yes)と判定したら、ステップS110として呼び出し音と着信音に同一の通信音を設定し、ステップS112として、着信側がマナーモードであるかを判定する。つまり、着信側の携帯通信装置がマナーモードであるかを判定する。主制御部52は、ステップS112でマナーモードである(Yes)と判定したら、ステップS114としてマナーモードを強制解除し、ステップS116に進む。これにより、着信側の携帯通信装置10は、着信音を出力できる状態となる。また、主制御部52は、ステップS112でマナーモードではない(No)と判定したら、そのままステップS116に進む。
主制御部52は、ステップS112でNoと判定したらまたはステップS114の処理を終了したら、ステップS116として、設定した通信音と出力タイミングを送信する。つまり、発信側に呼び出し音の情報と出力タイミングを送信し、着信側に着信音の情報と出力タイミングを送信し、処理を終了する。
このように、サーバ6で携帯通信装置同士の通信を処理することで通信音の同期処理を行うことでも、両方の携帯通信装置に同一の通信音を出力することができる。また、サーバ6で通信音を管理することで、携帯通信装置での制御の付加を少なくすることができる。また、携帯通信装置に通信音のデータがない場合も、サーバ6から通信音のデータを供給できるため処理を円滑に実行することができる。なお、サーバ6は、携帯通信装置に記憶されている通信音のデータを用いる場合は、通信音の識別データのみを送ればよい。
また、上記実施形態の携帯通信装置10は、ユーザが操作することなく、着信音を出力させることができるため、同期処理時にマナーモードである場合は、強制的にマナーモードを解除したがこれに限定されない。携帯通信装置10は、マナーモードである場合、マナーモードで着信音が出力できない状態であることを画像表示や振動で通知するようにしてもよい。
また、マナーモードを解除する処理は、一定の条件化では実行しないようにすることが好ましい。具体的には、GPS通信部、加速度センサ等で取得した各種情報(端末の状態)が所定の条件を満たさない場合は、マナーモードは解除しないようにすることが好ましい。このように、端末の状態を所定の条件を満たさない場合は音量を大きくしないことで、移動中や不適切な位置で着信音が出力されることを抑制することができる。
また、上記実施形態の携帯通信装置10は、マイク等の収音機構(音量検出部)により周囲音(周囲の騒音等収音される音)の音量を検出し検出した音量に基づいて、着信音の音量を制御するようにしてもよい。具体的には、騒音の音量が一定の閾値以上である場合、着信音の音量を大きくするようにしてもよい。これにより周囲がうるさい場合も、着信側の携帯通信装置を探している相手が着信側の携帯通信装置の位置(またはその携帯通信装置を持っている人物の位置)を容易に把握することができる。ここで、本処理は、着信音出力中は継続して処理を実行しても、着信音の出力開始時のみ実行してもよい。また、この着信音の音量を大きくする処理は、一定の条件化では実行しないようにすることが好ましい。具体的には、GPS通信部、加速度センサ等で取得した各種情報やタイマ部から出力される現在時刻の情報(端末の状態)が所定の条件を満たさない場合は、音量を大きくしないようにすることが好ましい。このように、端末の状態を所定の条件を満たさない場合は音量を大きくしないことで、満員電車内等で着信音が大きな音で出力されることを抑制することができる。
なお、本実施形態の携帯通信装置は、発信側の携帯通信装置としての機能と着信側の携帯通信装置としての機能の両方を備えるものとして説明したがこれには限定されず、発信側の携帯通信装置としての機能と着信側の携帯通信装置としての機能の一方のみを備えていてもよい。
また同一の通信音としては、種々の着信音、呼び出し音を用いることができる。ここで、通信音としては、他の着信時、発信時に使用する通信音を用いてもよいが、通信音の同期処理に用いる専用の通信音を用いてもよい。つまり、通信音の同期処理時は、専用の通信音を着信音、呼び出し音として使用してもよい。
また、上記実施形態の各種効果を得ることができ、通信相手から出力されている音声を特定できるため、同一の音声を出力することが好ましいがこれにも限定されない。発信側の携帯通信装置の呼び出し音としては、着信音に関連する情報、具体的には、着信音を説明する情報(たとえば着信音が楽曲の場合、曲名や歌手名など)を出力するようにしてもよい。同一の音声に代えて、着信音に関連する情報を出力することでも、着信側の携帯通信装置で出力されている着信音を特定することができる。
また、上記実施形態では、電話をかけた場合の処理として、つまり発信処理時の呼び出し音、着信処理時の着信音として同一の通信音を出力する場合として説明したがこれにも限定されない。携帯通信装置は、通話処理中に所定の操作が入力されたら通信音の同期処理を行うようにしてもよい。これにより、待ち合わせ場所で相手を探していても中々見つからない時等に、本処理で同期した通信音を出力させることができ、相手を見つけやすくすることができる。更に本実施形態では一方の音声をレシーバ16から出力し、他方の音声をスピーカ17から出力させたが、両方の携帯通信装置ともスピーカ17から音声を出力させるようにしてもよい。つまり、着信音を出力する報知部と呼び出し音を出力する音声出力部としては、スピーカ17とレシーバ16の組み合わせに限定されず、同じ音声出力手段を用いてもよい。なお、この場合は、自機が出力している音声と、相手側の携帯通信装置から出力される音声と、が混同してしまい区別がつきにくい場合があるがそれぞれの使用者が他方の使用者を探すことができる。