JP5560251B2 - 電動ウインチ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両に搭載される電動ウインチ装置に関するものである。
従来から、例えば、車両に搭載され、被牽引物である車椅子をベルトを用いて車外から車内へと引き入れるための電動ウインチ装置が知られている。この種の電動ウインチ装置は、電動モータが連結されているドラムにベルトが掛け回されており、電動モータによってドラムが正/逆回転駆動すると、ベルトがドラムに巻取られたり、送出されたりするようになっている。
そして、ベルトの先端に車椅子を連結し、ドラムを回転駆動することによってベルトを巻取ると、車外にある車椅子が車両の後部に設けられたスロープに沿って車内へと引き込まれる。また、車内から車外へと車椅子を降ろす場合は、車椅子を車内へと引き込む場合と逆の動作を行う。すなわち、ドラムを逆回転駆動させてベルトを送出すことにより、スロープに沿って車椅子を安全に降ろすことができる。
ここで、ドラムの回転は、ラチェット機構(操作部材)で規制されるようになっている。すなわち、ラチェット機構が係合している状態では、ドラムの回転が規制される一方、ラチェット機構が係合していない状態では、ドラムの回転が規制されることがなく、ベルトの巻取りや送出しを自由に行うことができる(ベルトフリー状態)ようになっている。尚、このベルトフリー状態にする操作は、車内に設けられた操作スイッチやリモコン等を用いて行われることが多い。
このように構成することで、車椅子を車内へと引き入れる際に手動でベルトを巻取ることができる。また、車椅子を車外へと降車させた後に、ベルトを収納するために巻取ることができる。さらに、電動ウインチ装置に不具合が生じた場合であっても、車椅子の乗車/降車を自由に行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−127109号公報
しかしながら、上述の従来技術にあっては、車内に車椅子を乗車させた状態であっても操作スイッチやリモコン等を用いることによりベルトフリー状態になってしまうので、車椅子の固定が不完全になる虞がある。このような場合、車両走行中の車椅子の姿勢が不安定になったり、車椅子がスロープを昇降する際の安全性が低下したり、急にベルトフリー状態になることによる車椅子へのショック入力等の事象が発生する可能性があるという課題がある。
そこで、この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、乗車時の被牽引物を確実に固定でき、車両走行中の被牽引物の姿勢を安定させることができると共に、被牽引物へのショック入力を防止することができる電動ウインチ装置を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、車両(例えば、実施形態における車両101)への被牽引物(例えば、実施形態における車椅子110)の乗車/降車を行う電動ウインチ装置(例えば、実施形態における電動ウインチ装置100)であって、前記被牽引物に連結されるベルト(例えば、実施形態におけるベルト4)と、このベルトを巻取り/送出し可能なドラム(例えば、実施形態におけるドラム21)と、該ドラムを正/逆回転駆動させて前記ベルトの巻取り/送出しを行うウインチモータ(例えば、実施形態における電動モータ9)とにより構成される駆動手段(例えば、実施形態におけるウインチ本体1)と、前記ドラムの前記ベルトが送出される方向への回転を阻止するロック部(例えば、実施形態における爪車61、及び係合爪62)と、このロック部のロック状態とロック解除状態とを切替える切替手段(例えば、実施形態におけるソレノイド65)とにより構成されるロック手段(例えば、実施形態におけるラチェット機構60)と、前記ドラムの回転、及び前記切替手段の制御を行う制御手段(例えば、実施形態における電子制御ユニット2)と、前記ウインチモータによる前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転駆動力よりも低い回転駆動力で、前記ドラムを前記ベルトの巻取り方向へと回転駆動する巻取手段とを備え、前記制御手段は、前記ウインチモータを回転駆動して前記ドラムを前記ベルトの巻取り/送出し方向へ回転駆動する巻取り/送出し操作と、前記ロック部を前記ロック解除状態とするベルトフリー操作とを行う操作部(例えば、実施形態における操作パネル3、及びリモコン40)と、前記ドラムの正/逆回転駆動時に、前記車両への前記被牽引物の乗車の有無を判断する乗車有無判断部(例えば、実施形態における乗車有無判断部31)と前記乗車有無判断部によって前記被牽引物が前記車両に乗車していると判断された場合に、前記ベルトフリー操作を禁止するロック解除禁止手段(例えば、実施形態におけるロック解除禁止手段32)とを備え、前記乗車有無判断部は、前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が前記ウインチモータによるものか、前記巻取手段によるものかを判別する判別部(例えば、実施形態における判別部35)を有し、前記判別部によって判別された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が、前記ウインチモータによる回転であると判別された場合、この判別結果に基づいて、前記乗車有無判断部は、前記ベルトに前記被牽引物が連結されており、前記被牽引物が乗車していると判断するとともに、前記判別部によって判別された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が、前記巻取手段による回転であると判別された場合、この判別結果に基づいて、前記乗車有無判断部は、前記ベルトに前記被牽引物が連結されておらず、前記被牽引物が乗車していないと判断することを特徴とする。
このように構成することで、乗車有無判断部によって、車両に被牽引物が乗車していると判断された場合、ベルトフリー操作が禁止されるので、利用者の意図しないところでベルトフリー状態となることを防止できる。このため、乗車時の被牽引物を確実に固定でき、車両走行中の被牽引物の姿勢を安定させることができると共に、被牽引物へのショック入力を防止することができる。
また、回転駆動力の大きいウインチモータによってベルトを巻取った場合、乗車有無判断部によって被牽引物の乗車有りと判断される。このため、ベルトフリー操作を禁止して被牽引物を確実に固定できる。よって、被牽引物の安全性を確実に確保することができる。
これに対し、回転駆動力の小さい巻取手段によってベルトを巻取った場合、乗車有無判断部によって被牽引物の乗車無しと判断される。このため、ベルトフリー操作を可能にすることができる。よって、ベルトフリー操作による利便性を損なうことを防止できる。
請求項に記載した発明は、前記巻取手段は、前記ウインチモータよりも低い回転駆動力で、前記ドラムを前記ベルトの巻取り方向へと回転駆動する弛み取りモータであることを特徴とする。
このように構成することで、ベルトの巻取り量によらず、一定の力でドラムを回転させることができるので、乗車有無判断部による判断の精度を高めることができる。
ここで、例えば、巻取手段としてゼンマイバネ等を用いることも考えられる。しかしながら、ゼンマイバネは、ベルトの送出量が増大するほどにベルトの巻取り方向への回転駆動力が大きくなってしまう。
また、判別部によって、ドラムの回転駆動が巻取手段によるものと判断されると、乗車有無判断部によって被牽引物の乗車無しと判断されることになる。しかしながら、巻取手段がゼンマイバネの場合には、ベルトを大きく送出している状態において、回転駆動力が大きくなる。このため、被牽引物がスロープ等の緩やかな傾斜を登る可能性がある。
つまり、乗車有無判断部によって被牽引物の乗車無しと判断されたにも拘わらず、実際は、被牽引物の乗車有り状態である可能性がある。このため、例えば、巻取手段としてゼンマイバネを用いた場合には、巻取手段自体の回転駆動の有無を検知しなければ、確実な判断を行うことができなくなる虞がある。
これに対し、巻取手段として弛み取りモータを用いると、ベルトの巻取り量によらず、一定の力でドラムを回転させることができるので、乗車有無判断部による判断の精度を高めることができる。
請求項に記載した発明は、前記制御手段は、前記ドラムの回転量を検出する回転量検出手段(例えば、実施形態における回転量検出手段33)を備え、前記判別部によって、前記ドラムが前記ウインチモータにより前記ベルトの巻取り方向へ回転していると判断され、かつ前記回転量検出手段によって検出された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転量が所定値を超えた場合に、前記ベルトフリー操作を禁止することを特徴とする。
このように構成することで、ベルトの巻取時において、回転量検出手段によって検出された回転量が所定値を超えるまでの間は、ベルトフリー操作が可能になる。このため、ベルトフリー操作による利便性を享受することができ、所定値を超えた後はベルトフリー操作を禁止することで、車両走行時や被牽引物の乗車時の安全性を高めることができる。
請求項に記載した発明は、前記被牽引物は、前輪(例えば、実施形態における前輪111)を支持する前輪支軸部(例えば、実施形態における支軸部111a)と、後輪(例えば、実施形態における後輪112)を支持する後輪支軸部(例えば、実施形態における支軸部112a)と、を有する車椅子(例えば、実施形態における車椅子110)であり、前記制御手段は、前記回転量検出手段によって検出された前記ドラムの回転による前記ベルトの巻取り方向への回転量によって、前記ベルトの巻取長さを算出する巻取長さ算出手段(例えば、実施形態における巻取長さ算出手段34a)を備え、前記判別部によって、前記ドラムが前記ウインチモータにより前記ベルトの巻取り方向へ回転していると判断され、かつ前記巻取長さ算出手段によって算出された前記ベルトの巻取長さが、前記車椅子の前記前輪支軸部と前記後輪支軸部との間の距離の長さを超えた場合に、前記ベルトフリー操作を禁止することを特徴とする。
このように構成することで、ベルトの巻取長さが、車椅子の前輪支軸部と後輪支軸部との間の距離の長さを超えた場合、車椅子が乗車する分だけベルトを巻取ったと判断される。このため、ベルトフリー操作を禁止し、安全性を確実に確保することができる。
また、ベルトの巻取長さが、車椅子の前輪支軸部と後輪支軸部との間の距離の長さを超えない場合、車椅子が乗車する分だけベルトを巻取っていないと判断される。このため、ベルトフリー操作を可能とし、ベルトフリー操作による利便性を享受することができる。
本発明によれば、乗車有無判断部によって、車両に被牽引物が乗車していると判断された場合、ベルトフリー操作が禁止されるので、利用者の意図しないところでベルトフリー状態となることを防止できる。このため、乗車時の被牽引物を確実に固定でき、車両走行中の被牽引物の姿勢を安定させることができると共に、被牽引物へのショック入力を防止することができる。
本発明の実施形態における車両の使用状態を示す説明図である。 本発明の実施形態におけるウインチ本体の斜視図である。 本発明の実施形態におけるウインチ本体の分解斜視図である。 本発明の実施形態におけるウインチ本体の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態におけるラチェット機構、及び弛み取り機構の斜視図である。 図5のA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における操作パネルの平面図である。 本発明の実施形態におけるリモコンの平面図である。 本発明の実施形態における車椅子の乗車/降車を行う際の動作順序を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における車椅子の乗車/降車を行う際の電動モータ、電磁クラッチ、ソレノイド、及び弛み取りモータの動作タイミングを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるベルトフリー操作のフローチャートである。 本発明の実施形態におけるベルトフリー操作の際の電動モータ、電磁クラッチ、ソレノイド、及び弛み取りモータの動作タイミングを示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における電子制御ユニットによる制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における通常ベルトフリー操作時の各機能の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態におけるウインチ本体によって乗車/降車される車椅子状態を示す説明図である。 本発明の実施形態における通常ベルトフリー作動モードサブルーチンのフローチャートである。 本発明の実施形態における強制ベルトフリー操作が行われた場合の各機能の動作タイミングについて説明する。 本発明の実施形態における強制ベルトフリー作動モードサブルーチンのフローチャートである。
(電動ウインチ装置)
図1は、本発明に係る電動ウインチ装置100が搭載された車両101の使用状態を示す説明図である。尚、以下の説明において、説明を簡単にするために、車両101の進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方、車両101の左右方向を単に左右方向、地面側を単に下側、天井側を単に上側などと表現して説明する場合がある。
同図に示すように、電動ウインチ装置100は、例えば、被牽引物である車椅子110を車両101の後方の開口部101aから地面F(図15参照)に向けて架け渡されたスロープ102に沿って乗車/降車させる際に用いられるものであって、車両101の後部室103の床面103aに、左右に1つずつ設けられたウインチ本体1と、ウインチ本体1の制御を司る電子制御ユニット(ECU;Electronic Control Unit)2とを備えている。
(ウインチ本体)
ウインチ本体1は、一端がフック5を介して車椅子110に連結可能なベルト4を備えており、このベルト4が巻取られたり、送出されたりするようになっている。そして、車両101の後部に設けられた不図示のハッチバックを開け、ベルト4の一端をフック5を介して車椅子110に連結した状態で、利用者の操作に基づいてベルト4を巻取ると、車外にある車椅子110がスロープ102に沿って車両101の内部へと引き込まれるようになっている。
図2は、ウインチ本体1の斜視図、図3は、ウインチ本体1の分解斜視図、図4は、ウインチ本体1の構成を示すブロック図である。尚、車両101の後部室103に設けられた左右のウインチ本体1,1は、それぞれ同一の構成であるので、以下の説明では、右側に配置されたウインチ本体1のみ示し、左側に配置されたウインチ本体1の説明を省略する。
図2〜図4に示すように、ウインチ本体1は、車両101の床面103a側と、車幅方向中央側の側面(図2における斜め左手前側、図3における左側)とにそれぞれ開口部6a,6bを有するアルミダイキャスト製の本体ケース6を有している。そして、この本体ケース6の側面の開口部6bに、これを閉塞する駆動部ケース14が設けられている。
本体ケース6の後方両側面には、床面103a側に、それぞれこの床面103aにウインチ本体1を締結固定するためのブラケット7a,7bが取り付けられている。また、本体ケース6の右側の側面6cには、減速機付モータ8が固定されている。
減速機付モータ8は、電動モータ9と、電動モータ9の不図示の回転軸に連結されているウォーム減速機構10とで構成されている。このウォーム減速機構10が本体ケース6の右側の側面6cにボルト51によって締結固定されている。ウォーム減速機構10は、ハウジング11内に、電動モータ9の回転力が伝達されるウォーム軸と、このウォーム軸に噛合うウォームホイール(何れも不図示)と、ウォームホイールの回転を出力する出力軸12とを備えたものである。
ここで、ハウジング11内には、ウォーム軸やウォームホイールの他に、電磁クラッチ13が設けられており、この電磁クラッチ13を介してウォームホイールと出力軸12とが連結されている。電磁クラッチ13は、電子制御ユニット2からの制御信号に基づいて外部電力が通電されたり、遮断されたりするようになっている。
そして、電磁クラッチ13への通電を遮断している状態にあっては、電動モータ9の回転力が出力軸12に伝達されない。一方、電磁クラッチ13に通電が行われると、電動モータ9の回転力が出力軸12に伝達される。
出力軸12の先端は、本体ケース6の右側の側面6cを介して本体ケース6内に臨まされた状態になっている。出力軸12の先端には、シャフト15が相対回転不能に連結されている。このシャフト15は、本体ケース6の右側の側面6cに設けられている軸受16aと、駆動部ケース14に設けられている軸受16bを介して回転自在に支持されている。
シャフト15の駆動部ケース14側の先端部には、シャフト15の回転位置を検出するエンコーダ17の一方を構成するロータリ18が固定されている。
エンコーダ17としては、例えば、光学式のエンコーダが用いられる。この場合、ロータリ18の表面には、不図示のロータリスケールが形成される。ロータリスケールには、スリット等の光学パターンが形成される。また、エンコーダ17の他方を構成するセンサモジュール19は、駆動部ケース14のロータリ18に対応する位置に設けられている。
センサモジュール19には、ロータリ18のロータリスケールに対向する面に不図示の受/発光部が設けられている。この受/発光部は、ロータリスケールにレーザを照射すると共に、ロータリスケールからの反射光を受光するものである。また、センサモジュール19は、IC(Integrated Circuit;集積回路)等が配設されており、受/発光部からの出力信号に基づいてシャフト15の回転位置が検出できるようになっている。
シャフト15の軸方向中央の大部分には、筒状のワンウェイクラッチ20が外嵌固定されており、さらに、この上からドラム21が外嵌固定されている。
ドラム21は略円筒状に形成されており、軸方向両端に略円環状の一対のプレート22,22が取り付けられている。ドラム21の軸方向両端のうち、駆動部ケース14側の端部は、プレート22よりも車幅方向外側に突出しており、この突出した部位をラチェット固定部23aとし、一対のプレート22,22の間をベルト巻回部23bとして構成している。
ベルト巻回部23bの外周面には、ベルト4の他端が固定された状態で巻回されている。すなわち、ドラム21が正/逆回転することにより、ベルト4が巻取られたり、送出されたりするようになっている。ここで、一対のプレート22,22により、ベルト4の軸方向への移動が規制される。
また、シャフト15とドラム21との間に設けられたワンウェイクラッチ20は、シャフト15がベルト4の巻取り方向に向かって回転する際、そのままこの回転をドラム21に伝達するように構成されている。一方、シャフト15よりも先にドラム21がベルト4の巻取り方向に向かって回転すると、ドラム21の回転がシャフト15に伝達されず、ドラム21が空回りするように構成されている。
すなわち、シャフト15に対し、ドラム21にベルト4の送出し方向に向かう所望の力が作用していない場合、シャフト15とドラム21は、互いに一体となって回転駆動しないことになる。このことから、シャフト15がベルト4の送出し方向に向かって回転する際、ベルト4に所望の張力が付与され、シャフト15に対してドラム21にベルト4の送出し方向に向かって所望の力が作用している状態となって、初めてシャフト15の回転がドラム21に伝達されることになる。
ドラム21に他端が固定されているベルト4は、本体ケース6の後方に形成されている引出し窓6dを介し、後方に引き出されている。本体ケース6の後方には、ベルト4の引き出し方向を案内するDリング24が取り付けられている。Dリング24により、ベルト4の巻取り量も規制できる。すなわち、ベルト4を巻取ると、ベルト4の一端に設けられているフック5とDリング24とが干渉し、ベルト4の巻取りが規制される。
(ラチェット機構)
図5は、ラチェット機構60、及び弛み取り機構80の斜視図である。
図3、図5に示すように、ドラム21のラチェット固定部23aには、ラチェット機構60が設けられている。ラチェット機構60は、ドラム21のベルト4の巻取り方向に向かう回転を許容する一方、ドラム21のベルト4の送出し方向に向かう回転のみ阻止するように構成されたものである。ラチェット機構60は、ラチェット固定部23aに外嵌固定されている略円環状の爪車61と、この爪車61の外周縁部に形成された爪部61aに係合可能な係合爪62とを有している。
爪車61は、ドラム21に相対回転不能に固定されている。一方、係合爪62は、爪車61の周方向に沿うような形で延在する本体部63を有しており、この本体部63の先端側に、爪車61の爪部61aに係合可能な鉤部63aが形成されている。また、本体部63の長手方向中央よりもやや基端側には支軸64が設けられており、この支軸64を中心にして本体部63が揺動自在になっている。
また、本体部63の基端には、ソレノイド65が取り付けられている。ソレノイド65は、爪車61の爪部61aと係合爪62の鉤部63aとの係合状態を解除するためのものであって、駆動部ケース14に固定されたソレノイド本体66を有している。ソレノイド本体66には、作動軸67が進退可能に設けられており、この作動軸67の先端が係合爪62の本体部63の基端に連結されている。
そして、ソレノイド65が通電されていないときには、作動軸67が伸長し、係合爪62の鉤部63aが爪車61に向かって変位した状態になっている。これにより、爪車61の爪部61aと係合爪62の鉤部63aとが係合する。
一方、ソレノイド65が通電されているときには、作動軸67が後退する。そして、係合爪62が支軸64を支点にして揺動し、係合爪62の鉤部63aが爪車61から離反する方向に向かって変位する。これにより、爪車61の爪部61aと係合爪62の鉤部63aとの係合状態が解除される。
(弛み取り機構)
図6は、図5のA−A線に沿う断面図である。
図3、図5、図6に示すように、ラチェット機構60の爪車61のプレート22側には、ドラム21に相対回転不能に固定されているスパーギヤ81が取り付けられている。スパーギヤ81の外径は、爪車61の外径よりも大きく設定されている。スパーギヤ81の外周に形成されている歯部81aには、弛み取り機構80を構成する平歯車82が噛合っている。
弛み取り機構80は駆動部ケース14に固定されており、平歯車82の他に、小型の電動モータである弛み取りモータ83と、弛み取りモータ83の回転が伝達されるウォーム減速機構86と、このウォーム減速機構86と平歯車82とを連結するトルクリミッタ87とを有している。
ウォーム減速機構86は、弛み取りモータ83の回転軸を構成しているウォーム軸84と、ウォーム軸84に噛合うウォームホイール85とを有している。このウォームホイール85がトルクリミッタ87を介して平歯車82に連結されている。すなわち、弛み取りモータ83を駆動させると、ウォーム減速機構86、及びトルクリミッタ87を介して平歯車82が回転するようになっている。
平歯車82が回転すると、この平歯車82に噛合うスパーギヤ81が回転し、これに伴ってラチェット機構60の爪車61、及びドラム21が一体に回転する。弛み取りモータ83は、ドラム21がベルト4の巻取り方向に向かって回転するように、一方向のみに回転するようになっている。
ここで、ウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値を下回る場合、ウォームホイール85の回転力が平歯車82に伝達される。一方、ウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値以上の場合、ウォームホイール85と平歯車82との連結が解除される。このため、平歯車82にウォームホイール85の回転が伝達されない。
つまり、弛み取りモータ83が駆動している状態であっても、ウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値以上の場合にあっては、ドラム21に弛み取り機構80による回転力が作用しない。
トルクリミッタ87のセットトルク(所定値)は、ベルト4が弛んだ場合に、この弛みをとる程度にドラム21を回転することができる値に設定されている。すなわち、ベルト4が緊張している状態にあっては、ウォームホイール85と平歯車82との間に所定値以上の回転トルクが作用する。このため、ウォームホイール85から平歯車82への回転の伝達が遮断される。
(制御部)
図1に戻り、ウインチ本体1の制御を司る電子制御ユニット2は、利用者が操作パネル3を操作することによって出力される操作信号に基づいて、ウインチ本体1の電動モータ9、電磁クラッチ13、ソレノイド65、及び弛み取りモータ83に駆動電流を供給する信号を出力する。この信号出力に基づいて、不図示のバッテリからそれぞれ電動モータ9、電磁クラッチ13、ソレノイド65、及び弛み取りモータ83に駆動電流が供給される。
また、電子制御ユニット2は、左右のウインチ本体1によるベルト4の巻取り/送出しタイミング、巻取り/送出し速度の制御を行う。さらに、ウインチ本体1の電動モータ9や弛み取りモータ83への過負荷を検出する不図示の検出手段を有し、電動モータ9や弛み取りモータ83への過負荷を検出した際、電動モータ9や弛み取りモータ83の駆動を停止するようになっている。
また、電子制御ユニット2は、ウインチ本体1の不具合を検出した際、ウインチ本体1の駆動を停止するようにフェールセーフ機能を作動するようになっている。このとき、電子制御ユニット2は、不具合コード(DTC;Diagnosis Trouble Code)信号を出力し、例えば、この不具合コードを不図示のインストルメントパネルの特定インジケータに表示したり、不図示のブザー等により警告を発したりするようになっている。
さらに、電子制御ユニット2は、車椅子110が乗車されているか否かを判断する乗車有無判断部31と、乗車有無判断部31によって車椅子110が乗車していると判断された場合に、ラチェット機構60の係合解除を禁止するロック解除禁止手段32と、ドラム21の回転量を検出する回転量検出手段33と、回転量検出手段33によって検出されたドラム21のベルト4の巻取り方向への回転量に基づいて、ベルト4の巻取り長さを算出する巻取長さ算出手段34aと、回転量検出手段33によって検出されたドラム21のベルト4の送出し方向への回転量に基づいて、ベルト4の送出し長さを算出する送出長さ算出手段34bと、利用者の操作によって操作信号を出力する操作パネル3とを備えている。
巻取長さ算出手段34aは、ドラム21の円周長さに、ドラム21のベルト4の巻取り方向の回転量を乗じ、これにより得られた値に、ベルト4の厚みにより円周長さの変化分を加算してベルト4の巻取り長さを算出している。
また、送出長さ算出手段34bは、ドラム21の円周長さに、ドラム21のベルト4の送出し方向の回転量を乗じ、これにより得られた値に、ベルト4の厚みにより円周長さの変化分を加算してベルト4の送出し長さを算出している。
一方、乗車有無判断部31は、ウインチ本体1の電動モータ9を駆動させることによりドラム21を回転させているか、弛み取りモータ83を駆動させることによりドラム21を回転させているかを判別する判別部35を有している。
そして、判別部35により、電動モータ9を駆動させてドラム21を回転させていると判別された場合、この判別結果に基づいて、乗車有無判断部31は、ベルト4に車椅子110が連結されており、車椅子110が乗車していると判断する。ここで、電動モータ9の駆動中に弛み取りモータ83が駆動している場合は、車椅子110が乗車していると判断するものとする。
一方、判別部35により、弛み取りモータ83のみが駆動している状態でドラム21を回転させていると判別された場合、この判別結果に基づいて、乗車有無判断部31は、ベルト4に車椅子110が連結されておらず、車椅子110が乗車していないと判断する。
すなわち、回転駆動力の大きい電動モータ9を用いてベルト4の巻取り/送出しを行っている場合は、車椅子110が乗車していると判断される。一方、電動モータ9と比較して回転駆動力の小さい弛み取りモータ83のみを用いてベルト4の巻取り/送出しを行っている場合は、車椅子110が乗車していないと判断される。
図7は、操作パネル3の平面図である。
同図に示すように、操作パネル3には、電動ウインチ装置100を起動するための主電源スイッチ39、ウインチ本体1を駆動してベルト4の巻取り/送出しを行い、車両101の後部室103内に車椅子110を乗車させたり車外に降車させたりするための駆動スイッチ36、ウインチ本体1によるベルト4の巻取り速度を切替える速度切替スイッチ37、及びラチェット機構60の係合を解除することにより、ベルト4の送出し防止機能を解除させるフリースイッチ38が設けられている。この他、操作パネル3に着脱自在にリモコン40が設けられている。
図8は、リモコン40の平面図である。
同図に示すように、リモコン40には、このリモコン40を起動し、リモコン操作を有効にするためのメインスイッチ41、ウインチ本体1を駆動してベルト4の巻取りを行い、車両101の後部室103内に車椅子110を乗車させる入スイッチ42、及びウインチ本体1を駆動してベルト4の送出しを行い、車外に車椅子110を降車させる出スイッチ43が設けられている。
(電動ウインチ装置の動作)
次に、図1、図4、図5、図7〜図10に基づいて、電動ウインチ装置100の動作について説明する。
図9は、車椅子110の乗車/降車を行う際の電動ウインチ装置100の動作順序を示すフローチャート、図10は、車椅子110の乗車/降車を行う際の電動モータ9、電磁クラッチ13、ソレノイド65、及び弛み取りモータ83の動作タイミングを示すタイムチャートである。
尚、図9中に示すA,B,C,Dの領域と、図10中に示すA,B,C,Dの領域は、互いに動作タイミングが対応している。また、図4中、実線で示す経路は、電動モータ9の伝達経路を示し、2点鎖線で示す経路は、弛み取りモータ83の伝達経路を示している。
図1、図4、図5、図7〜図9に示すように、操作パネル3の主電源スイッチ39を押下(ON)し、電動ウインチ装置100を起動すると、弛み取りモータ83が通電されて駆動する。
このとき、弛み取りモータ83のウォーム軸84は、ベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y10参照)に向かって回転する(図9におけるST101)。また、図10に示すように、電動モータ9、電磁クラッチ13、及びソレノイド65は通電されていない。このため、ラチェット機構60は係合された状態になっている。ここで、ラチェット機構60は、ドラム21のベルト4の巻取り方向に向かう回転を許容するように構成されているので、ドラム21のベルト4の送出し方向に向かう回転のみ阻止する。
弛み取りモータ83が駆動すると、この弛み取りモータ83のウォーム軸84に噛合うウォームホイール85がベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y20参照)に向かって回転する(図9におけるST102)。
さらに、ウォームホイール85にトルクリミッタ87を介して連結されている平歯車82が回転し、この平歯車82に噛合うスパーギヤ81がベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y30参照)に向かって回転する(図9におけるST103)。
そして、スパーギヤ81、及び爪車61に相対回転不能に固定されているドラム21がベルト4を巻取る方向に向かって回転する(図9におけるST104)。
ドラム21がベルト4を巻取る方向に向かって回転することにより、ベルト4に所望の張力が付与されると、ウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値以上となる。このため、トルクリミッタ87の連結状態が解除され、平歯車82が空転する。この状態で電磁クラッチ13が通電される(図9におけるST105、図10参照)。
電磁クラッチ13が通電された後、ラチェット機構60のソレノイド65が通電される。するとソレノイド65の作動軸67が後退し、係合爪62の鉤部63aが爪車61から離反する方向に向かって変位する(図9におけるST106、図10参照)。これにより、ラチェット機構60が解除される(図9におけるST107)。
ここで、通常、弛み取りモータ83、電磁クラッチ13、及びソレノイド65は、それぞれ通電されると、ベルト4の巻取り/送出し動作が完了するまで通電したままの状態になる(図10参照)。
この状態で利用者がリモコン40を操作して入スイッチ42、又は出スイッチ43を押下すると、減速機付モータ8の電動モータ9がリモコン40の操作に応じてベルト4を巻取る方向、又は送出す方向に向かって回転する(図9におけるST108、図10参照)。
電動モータ9が回転すると、ウォーム減速機構10を構成する不図示のウォームホイールがベルト4を巻取る方向、又は送出す方向に向かって回転する(図9におけるST109)。
そして、ウォームホイールの回転を出力する出力軸12と相対回転不能に連結されているシャフト15が回転し、この回転がワンウェイクラッチ20を介してドラム21に伝達される。これにより、ドラム21がベルト4を巻取る方向、又は送出す方向に向かって回転する(図9におけるST110)。この後、ドラム21が回転することによって、ベルト4が巻取られたり、送出されたりする(図9におけるST111)。これにより、ベルト4の巻取り/送出し動作が完了する。
ここで、ベルト4を送出す場合、及び巻取る場合のウインチ本体1の作用について、より詳しく説明する。
まず、ベルト4を送出す場合について詳述する。
ベルト4を送出す場合、シャフト15とドラム21は、互いにワンウェイクラッチ20を介して連結されているので、ベルト4に何ら張力がかからないと、シャフト15に対してドラム21にベルト4を送出す側に向かう力(図5における矢印Y30参照)が作用しない。よって、シャフト15は空回りし、シャフト15の回転がドラム21に伝達されない。
このような場合、弛み取り機構80におけるウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値を下回る。このため、弛み取りモータ83の回転力がウォーム減速機構86、及びトルクリミッタ87を介して平歯車82に伝達される。
すると、ドラム21がベルト4を巻取る方向に向かって回転し、ベルト4が緊張する。これにより、ベルト4に所望の張力が付与され、シャフト15の回転がワンウェイクラッチ20を介してドラム21に伝達される。そして、ドラム21がベルト4の送出し方向に向かって回転する。
また、ドラム21の回転に伴い、弛み取り機構80の平歯車82が弛み取りモータ83の回転方向と逆になる。弛み取りモータ83は、ドラム21がベルト4の巻取り方向に向かって回転するように駆動するので、弛み取り機構80のウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値以上となる。このため、トルクリミッタ87の連結状態が解除され、平歯車82が空転する。
したがって、ベルト4に所望の張力が付与されていない場合、弛み取り機構80が作用してベルト4の弛緩を防止する。
続いて、ベルト4を巻取る場合について説明する。
送出されたベルト4の一端にフック5を介して車椅子110を連結する等した後、ベルト4を巻取り、車椅子110を乗車させる。このとき、ドラム21をベルト4の巻取り方向に向かって回転させるが、シャフト15に対してドラム21にベルト4を送出し方向に向かう力が作用する。このため、シャフト15の回転がワンウェイクラッチ20を介してそのままドラム21に伝達される。
一方、弛み取り機構80の弛み取りモータ83は、通電されたままの状態になっている。この状態で、弛み取り機構80の平歯車82は、ドラム21の回転に伴ってウォームホイール85の回転方向と平歯車82の回転方向は同一となる。しかしながら、ウォームホイール85の回転速度と平歯車82の回転速度とが異なるので、両者85,82の間に作用する回転トルクが所定以上となる。このため、トルクリミッタ87によって両者85,82の連結が解除され、ドラム21は、減速機付モータ8の駆動速度に応じて回転する。
また、例えば利用者が操作パネル3に設けられている速度切替スイッチ37を操作することによって減速機付モータ8の駆動速度を切替えることが可能になっている。減速機付モータ8の駆動速度が切替わることによって、ベルト4の巻取り速度が切替わる。
後部室103に引き込まれた車椅子110の引き込み位置は、ウインチ本体1に設けられたエンコーダ17により検出される。つまり、エンコーダ17により、シャフト15の回転位置を検出することで、車椅子110の引き込み位置を検出するようになっている。
また、車椅子110の後部室103への引き込みが完了し、ウインチ本体1への通電が停止すると、ラチェット機構60により、ドラム21のベルト4の送出し方向に向かう回転が阻止されるので、車椅子110がスロープ102に沿って滑落することがない。
一方、利用者がリモコン40の出スイッチ43を押下すると、車椅子110を降車させることができる。すなわち、リモコン40の出スイッチ43を押下すると、この信号出力に基づいて、ウインチ本体1のドラム21がベルト4を送出す方向に向かって回転する。このとき、ソレノイド65は通電された状態になっており、ラチェット機構60の係合状態が解除されている。この状態でベルト4が送出されることにより、車椅子110がスロープ102に沿って車外へと移動する。
ここで、ベルト4には、車椅子110や利用者の自重によって張力が付与されている。しかしながら、例えば、車椅子110が後部室103の床面103aを走行している場合等、車椅子110の移動速度よりもシャフト15の回転速度が速くなることがある。このような場合、シャフト15に対してドラム21にベルト4を送出す方向に向かう力が作用しない。このため、シャフト15の回転がワンウェイクラッチ20を介してドラム21に伝達されず、シャフト15が空回りする。
すると、弛み取り機構80におけるウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値を下回る。このため、弛み取りモータ83の回転力がウォーム減速機構86、及びトルクリミッタ87を介して平歯車82に伝達される。そして、ドラム21がベルト4の巻取り方向に向かって回転し、ベルト4が緊張する。これにより、再びシャフト15の回転がワンウェイクラッチ20を介してドラム21に伝達され、ベルト4が後方に向かって送出される。
(ベルトフリー操作)
次に、図4、図5、図7、図11、図12に基づいて、ベルト4の巻取りや送出しを手動で自由に行うためのベルトフリー操作を行った場合の電動ウインチ装置100の動作について説明する。
図11は、ベルトフリー操作を行った場合の電動ウインチ装置100の動作順序を示すフローチャート、図12は、ベルトフリー操作の際の電動モータ9、電磁クラッチ13、ソレノイド65、及び弛み取りモータ83の動作タイミングを示すタイムチャートである。
尚、図11中に示すA,Bの領域と、図10中に示すA,Bの領域は、互いに動作タイミングが対応している。
図1、図4、図5、図7、図11、図12に示すように、操作パネル3のフリースイッチ38を押下すると、弛み取りモータ83が通電されて駆動する。このとき、弛み取りモータ83のウォーム軸84は、ベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y10参照)に向かって回転する(図11におけるST201)。また、図12に示すように、電動モータ9、電磁クラッチ13、及びソレノイド65は通電されていない。このため、ラチェット機構60は未だ係合された状態になっている。
弛み取りモータ83が駆動すると、この弛み取りモータ83のウォーム軸84に噛合うウォームホイール85がベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y20参照)に向かって回転する(図11におけるST202)。
さらに、ウォームホイール85にトルクリミッタ87を介して連結されている平歯車82が回転し、この平歯車82に噛合うスパーギヤ81がベルト4を巻取る方向(図5における矢印Y30参照)に向かって回転する(図11におけるST203)。
そして、スパーギヤ81、及び爪車61に相対回転不能に固定されているドラム21がベルト4を巻取る方向に向かって回転する(図11におけるST204)。
ドラム21がベルト4を巻取る方向に向かって回転することにより、ベルト4に所望の張力が付与されると、ウォームホイール85と平歯車82との間に作用する回転トルクが所定値以上となる。このため、トルクリミッタ87の連結状態が解除され、平歯車82が空転する。
この状態でラチェット機構60のソレノイド65が通電される。するとソレノイド65の作動軸67が後退し、係合爪62の鉤部63aが爪車61から離反する方向に向かって変位する(図11におけるST205、図12参照)。これにより、ラチェット機構60が解除される(図11におけるST206)。
ここで、ベルトフリー操作の場合、電動モータ9、及び電磁クラッチ13には、通電されない(図12参照)。このため、電動モータ9の負荷がかからず、ベルト4の巻取りや送出しを手動で自由に行うことができるようになる(図11におけるST207)。
より具体的には、ラチェット機構60が解除されて、且つ電動モータ9、及び電磁クラッチ13が通電されていない状態(ベルトフリー状態)でベルト4を引き出すと、ドラム21が回転する。このとき、ドラム21とシャフト15は、互いにワンウェイクラッチ20を介して連結されているので(図3参照)、ドラム21の回転がシャフト15に伝達されず、ドラム21にシャフト15の負荷がかからない。
また、ドラム21が回転することにより、スパーギヤ81を介して弛み取り機構80の平歯車82も回転する。このとき、弛み取りモータ83は通電された状態であるが、弛み取りモータ83の回転が伝達されるウォーム減速機構86と、このウォーム減速機構86と平歯車82との間に所定値以上の回転トルクが作用する。このため、トルクリミッタ87により、ウォーム減速機構86と平歯車82との連結が解除される。よって、平歯車82に弛み取りモータ83やウォーム減速機構86の負荷がかからず、容易にドラム21を回転させてベルト4を引き出すことができる。
一方、ベルト4を巻取る方向に押し込もうとしてベルト4が弛むと、弛み取りモータ83の回転が伝達されるウォーム減速機構86と、このウォーム減速機構86と平歯車82との間に回転トルクが所定値以下になる。このため、トルクリミッタ87が作用せず、ウォーム減速機構86と平歯車82とが連結される。よって、弛み取りモータ83の回転駆動によって、ドラム21がベルト4の巻取り方向に向かって回転し、ベルト4の弛みが解消される。
ここで、図1に示す電子制御ユニット2は、ベルトフリー操作を行うにあたって、所定の条件を満たしているか否か判断し、所定の条件を満たしていると判断した場合、ベルトフリー操作へ移行し、所定の条件を満たしていないと判断した場合、ロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作を禁止するように制御を行う。
(ベルトフリー操作の制御)
以下、図13〜図17に基づいて、制御方法について詳述する。
図13は、電子制御ユニット2による制御方法を示すフローチャートである。
同図に示すように、操作パネル3のフリースイッチ38を押下すると、電動ウインチ装置100の主電源スイッチ39がOFFか否か、又はウインチ本体1によってベルト4の巻取り/送出し動作が作動中か否かの判断を行う(ST301)。
ST301における判断が「Yes」である場合、つまり、電動ウインチ装置100の主電源スイッチ39がOFF、又はウインチ本体1によってベルト4の巻取り/送出し動作が作動中である場合、状態は変わらず、ベルトフリー操作を行うことができない(ST302)。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST301における判断が「NO」である場合、つまり、電動ウインチ装置100の主電源スイッチ39がON、又はウインチ本体1によるベルト4の巻取り/送出し動作が停止している場合、通常ベルトフリー操作が行われたか否かの判断を行う(ST303)。
ここで、通常ベルトフリー操作とは、所定の条件を満たした場合にのみ可能な操作である。この点、後述する強制ベルトフリー操作のように、所定の条件を満たしていないにも拘らず、ベルトフリー操作を行うことができる点と異なる。
図14に基づいて、通常ベルトフリー操作が行われた場合の各機能の動作タイミングについて説明する。図14は、通常ベルトフリー操作時の各機能の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。
同図に示すように、例えば、操作パネル3のフリースイッチ38を1秒間押下し続けると不図示のブザーが吹鳴すると共に、不図示のインストルメントパネルのフリー操作を表示するインジケータ(フリー表示IND)が点灯する。この後、ブザーは再び停止するが、フリー表示INDは点灯したままの状態になる。そして、ブザーが吹鳴し始めてから5秒以内に操作パネル3のフリースイッチ38を解放すると、ベルトフリー操作が行われたと判断する。
このような方法で通常ベルトフリー操作が行われたか否かの判断を行うことにより、例えば、利用者の意思に係わらず、何らかの外力によりフリースイッチ38が押下された場合であっても、所定秒間フリースイッチ38が押下された場合のみ通常ベルトフリー操作が行われたと判断することができ、ベルトフリー操作の誤動作を防止できる。
図13に戻り、ST303における判断が「NO」である場合、つまり、通常ベルトフリー操作が行われていないと判断された場合、ST302に進み、状態は変わらず、ベルトフリー操作を行うことができない。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST303における判断が「YES」である場合、つまり、通常ベルトフリー操作が行われたと判断された場合、通常ベルトフリー許可フラグが立った状態(フラグセット状態)であるか否かの判断を行う(ST304)。
ここで、通常ベルトフリー許可フラグのフラグセット条件としては、例えば、以下の2つの条件が挙げられる。
条件(1) ウインチ本体1の電動モータ9によるベルト4の送出し動作の作動中におけるドラム21の回転量が所定値以上であるとき、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
条件(2) 弛み取りモータ83による巻取り動作の作動中におけるドラム21の回転量が所定値以上であるとき、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
より具体的に、図1、図15に基づいて説明する。
図15は、ウインチ本体1によって乗車/降車される車椅子110の状態を示す説明図である。
まず、条件(1)について説明する。図1、図15に示すように、ドラム21の回転量は、回転量検出手段33によってドラム21の回転数をカウントすることによって検出される。カウント数は、電源スリープ/ウェイクアップ時、又はベルトフリー操作が許容される通常ベルトフリー許可フラグセット条件が成立したとき、又はベルトフリー操作が禁止される通常ベルトフリー許可フラグクリア条件が成立したときにクリアされる。
ここで、ドラム21の回転は、電動モータ9の駆動力に基づいて回転しているか、又は弛み取りモータ83の駆動力に基づいて回転しているかが判別部35によって判断される。この判別部35の判断に基づいて、乗車有無判断部31がベルト4に車椅子110が連結され乗車しているか否かを判断する。
乗車有無判断部31によってベルト4に車椅子110が連結されて乗車していると判断されると、回転量検出手段33によって検出された回転量に基づいて、送出長さ算出手段34bがベルト4の送出し長さを算出する。このベルト4の送出し長さが所定値以上であるとき、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
すなわち、図15において、ポイントXを、車椅子110の乗車時の固定位置における前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントYを、車椅子110の後輪112が地面Fに着地した位置における前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントXとポイントYとの間の距離をL1としたとき、電動モータ9によるドラム21のベルト4の送出し方向への回転量が距離L1に達した時点で、車椅子110の降車作業で後輪112が着地したと判断し、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。これは、車椅子110の後輪112が着地すれば、ベルトフリー操作を行っても安全だからである。
次に、条件(2)について説明する。
弛み取りモータ83による巻取り動作の作動中におけるドラム21の回転量が所定値以上であるとき、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
図1、図15に示すように、ドラム21の回転量は、電子制御ユニット2の回転量検出手段33によって検出される。このとき、ドラム21の回転は、電動モータ9の駆動力に基づいて回転しているか、又は弛み取りモータ83の駆動力に基づいて回転しているかが判別部35によって判断される。判別部35によって弛み取りモータ83の駆動力に基づいてドラム21が回転していると判断されると、乗車有無判断部31によって車椅子110が乗車されていないと判断される。そして、車椅子110が乗車していないという条件のもと、回転量検出手段33によって検出された回転量に基づいて、巻取長さ算出手段34aがベルト4の巻取り長さを算出する。このベルト4の巻取り長さが所定値以上であるとき、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
すなわち、図15において、ポイントZを、車椅子110がスロープ102を完全に降りきって完全に降車しているときの前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントXとポイントZとの間の距離をL2としたとき、車椅子110が完全に降車した後、弛み取りモータ83によって距離L3分だけベルト4を巻取ると、車椅子110が連結されていないベルト4が弛み取りモータ83によって収納されるだけドラム21に巻取られたことになる。このため、通常ベルトフリー許可フラグを立てる。
一方、フラグクリア条件としては、例えば、以下の条件が挙げられる。
ウインチ本体1の電動モータ9によるベルト4の巻取り動作の作動中におけるドラム21の回転量が所定値以上であるとき、又は電源がリセットされたとき、許可フラグクリアとなる。すなわち、スロープ102に沿って車椅子110を乗車させる際、この車椅子110がスロープ102上を登りきる分だけベルト4が送出されたら許可フラグクリアとなる。
ここで、ドラム21の回転は、電動モータ9の駆動力に基づいて回転しているか、又は弛み取りモータ83の駆動力に基づいて回転しているかが判別部35によって判断される。この判別部35の判断に基づいて、乗車有無判断部31がベルト4に車椅子110が連結されているか否かを判断する。
乗車有無判断部31によってベルト4に車椅子110が連結されていると判断されると、回転量検出手段33によって検出された回転量に基づいて、巻取長さ算出手段34aがベルト4の巻取り長さを算出する。このベルト4の巻取り長さが所定値以上であるとき、許可フラグクリアとなる。
すなわち、ポイントYとポイントZとの間の距離、つまり、車椅子110の前輪111の支軸部111aと、後輪112の支軸部112aとの間の距離をL3としたとき、車椅子110が完全に降車している状態から電動モータ9によってドラム21のベルト4の巻取り方向への回転量が距離L3に達した時点で、車椅子110がスロープ102上にあると判断し、電子制御ユニット2のロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作が禁止される。このため、車椅子110がスロープ102上から滑落することがなくなる。このとき、例えば、子供用の小さい車椅子110を想定すると、どのようなタイプの車椅子110でもスロープ102上から滑落することがなく、安全性を高めることができる。
一方、ST304における判断が「YES」の場合、つまり、通常ベルトフリー許可フラグが立った状態の場合、通常ベルトフリー作動条件が成立しているか否かの判断を行う(ST305)。
ここで、通常ベルトフリー作動条件が成立するのは、電動ウインチ装置100の主電源スイッチ39がONされ、ウインチ本体1の電動モータ9が停止しており、通常ベルトフリー許可フラグセット状態で、且つリモコン40を操作することによる出力信号を電子制御ユニット2が受信していないとき、操作パネル3のフリースイッチ38を押下してベルトフリー操作を行う場合である。
ST305における判断が「NO」の場合、つまり、通常ベルトフリー作動条件が成立していないと判断された場合、状態は変わらず、通常ベルトフリー操作を行うことができない(ST306)。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST305における判断が「YES」の場合、つまり、通常ベルトフリー作動条件が成立していると判断された場合、通常ベルトフリー作動モードに切替わる(ST307)。
図16は、通常ベルトフリー作動モードサブルーチンのフローチャートである。
同図に示すように、通常ベルトフリー作動モードでは、まずリモコン40のメインスイッチ41が押下(ON)され、リモコン操作が有効になったか否かの判断を行う(ST317)。
ST317における判断が「YES」の場合、つまり、リモコン操作が有効になった場合、通常ベルトフリー操作を停止する(ST327)。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
通常ベルトフリー操作が停止された状態では、電動モータ9が停止しており、且つ電磁クラッチ13への通電が遮断されていると共に弛み取りモータ83が停止している。さらに、ソレノイド65が通電されておらず、ラチェット機構60が係合されている。このため、利用者がベルトフリー操作を行うことができない。
一方、ST317における判断が「NO」の場合、つまり、リモコン操作が有効になっていない場合、通常ベルトフリー停止条件が成立しているか否かの判断を行う(ST337)。
ここで、通常ベルトフリー停止条件が成立するのは、リモコン操作が有効になったか、又は車両101の不図示のテールゲートが閉じているか、又は車両101のトランスミッションのシフトポジションがPレンジ以外であるか、又は通常ベルトフリー作動タイマがタイムアップか、又は通常ベルトフリー作動禁止のフェールセーフ(F/S)制御が開始されたかの何れかであって、且つベルトフリー操作が行われている場合である。
尚、通常ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立するのは、通常ベルトフリー作動モードが開始されてから3分経過、又は通常ベルトフリー作動モードが開始され、電子制御ユニット2によってドラム21の回転が検出されなくなってから30秒経過した場合である。
また、フェールセーフ制御が開始されるのは、ラチェット機構60等に不具合が生じた場合である。
ST337における判断が「YES」の場合、つまり、通常ベルトフリー停止条件が成立している場合、ST327に進み、ベルトフリー操作を停止する。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST337における判断が「NO」の場合、つまり、通常ベルトフリー停止条件が成立していない場合、再び通常ベルトフリー作動タイマがタイムアップか否かの判断を行う(ST347)。
ST347における判断が「YES」の場合、つまり、通常ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立している場合、ST327に進み、通常ベルトフリー操作を停止する。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST347における判断が「NO」の場合、つまり、通常ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立していない場合、再びST317に戻り、リモコン操作が有効になったか否かの判断を行う。
図13に戻り、ST304における判断が「NO」の場合、つまり、通常ベルトフリー許可フラグセット状態にならない場合、強制ベルトフリー操作が行われたか否かの判断を行う(ST308)。
ここで、強制ベルトフリー操作とは、通常ベルトフリー操作のように所定の条件を満たした場合にベルトフリー操作を行うことができる場合と異なり、強制的にベルトフリー操作を行うことができるようにするための操作である。
図17に基づいて、強制ベルトフリー操作が行われた場合の各機能の動作タイミングについて説明する。図17は、強制ベルトフリー操作時の各機能の動作タイミングの一例を示すタイムチャートである。
同図に示すように、例えば、操作パネル3のフリースイッチ38を1秒間押下し続けると不図示のブザーが断続的に吹鳴すると共に、不図示のインストルメントパネルのフリー操作を表示するインジケータ(フリー表示IND)が点滅する。
そして、ブザーが吹鳴し始めてから5秒以内に操作パネル3のフリースイッチ38を解放すると、ブザーが停止する一方、インジケータが点滅を続ける。さらに、10秒以内に再びフリースイッチ38を1秒間押下する。このとき、10秒間押下し続けると不図示のブザーが吹鳴すると共に、不図示のインストルメントパネルのフリー操作を表示するインジケータ(フリー表示IND)が点灯する。この後、5秒以内にフリースイッチ38を解放すると、ブザーが再び断続的に吹鳴し始める。これにより、強制ベルトフリー操作が行われたと判断する。
ここで、フリースイッチ38を押下して最初にブザーが断続的に吹鳴し始めてから強制ベルトフリー操作が行われたと判断するまでの間は、強制ベルトフリー待機時間となる。
このような方法で強制ベルトフリー操作が行われたか否かの判断を行うことにより、ベルトフリー操作を行うことができない条件のとき、例えば、ベルト4に車椅子110を連結した状態のときにベルトフリー操作を行う必要が生じた場合、煩雑な操作を行うことにより、強制的にベルトフリー操作を行うことが可能になる。また、操作が煩雑な分、強制ベルトフリー操作の誤動作を防止できる。
図13に戻り、ST308における判断が「NO」である場合、つまり、強制ベルトフリー操作が行われていないと判断された場合、ST302に進み、状態は変わらず、ベルトフリー操作を行うことができない。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST308における判断が「YES」である場合、つまり、強制ベルトフリー操作が行われたと判断された場合、強制ベルトフリー作動条件が成立しているか否かの判断を行う(ST309)。
ここで、強制ベルトフリー作動条件が成立するのは、電動ウインチ装置100の主電源スイッチ39がONされ、ウインチ本体1の電動モータ9が停止しており、且つリモコン40を操作することによる出力信号を電子制御ユニット2が受信していないとき、操作パネル3のフリースイッチ38を押下してベルトフリー操作を行う場合である。
ST308における判断が「NO」の場合、つまり、強制ベルトフリー作動条件が成立していないと判断された場合、ST302に進み、状態は変わらず、強制ベルトフリー操作を行うことができない。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST309における判断が「YES」の場合、つまり、強制ベルトフリー作動条件が成立していると判断された場合、強制ベルトフリー作動モードに切替わる(ST310)。
図18は、強制ベルトフリー作動モードサブルーチンのフローチャートである。
同図に示すように、強制ベルトフリー作動モードでは、まずリモコン40のメインスイッチ41が押下(ON)され、リモコン操作が有効になったか否かの判断を行う(ST320)。
ST320における判断が「YES」の場合、つまり、リモコン操作が有効になった場合、強制ベルトフリー操作を停止する(ST330)。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
強制ベルトフリー操作が停止された状態では、電動モータ9が停止しており、且つ電磁クラッチ13への通電が遮断されていると共に弛み取りモータ83が停止している。さらに、ソレノイド65が通電されておらず、ラチェット機構60が係合されている。このため、利用者がベルトフリー操作を行うことができない。
一方、ST320における判断が「NO」の場合、つまり、リモコン操作が有効になっていない場合、強制ベルトフリー停止条件が成立しているか否かの判断を行う(ST340)。
ここで、強制ベルトフリー停止条件が成立するのは、リモコン操作が有効になったか、又は車両101の不図示のテールゲートが閉じているか、又は車両101のトランスミッションのシフトポジションがPレンジ以外であるか、又は強制ベルトフリー作動タイマがタイムアップか、又は強制ベルトフリー作動禁止のフェールセーフ(F/S)制御が開始されたかの何れかであって、且つベルトフリー操作が行われている場合である。
尚、強制ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立するのは、強制ベルトフリー作動モードが開始されてから3分経過、又は強制ベルトフリー作動モードが開始され、電子制御ユニット2によってドラム21の回転が検出されなくなってから30秒経過した場合である。
また、フェールセーフ制御が開始されるのは、ラチェット機構60等に不具合が生じた場合である。
ST340における判断が「YES」の場合、つまり、通常ベルトフリー停止条件が成立している場合、ST330に進み、ベルトフリー操作を停止する。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
一方、ST340における判断が「NO」の場合、つまり、強制ベルトフリー停止条件が成立していない場合、再び強制ベルトフリー作動タイマがタイムアップか否かの判断を行う(ST350)。
ST350における判断が「NO」の場合、つまり、強制ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立していない場合、再びST320に戻り、リモコン操作が有効になったか否かの判断を行う。
一方、ST350における判断が「YES」の場合、つまり、強制ベルトフリー作動タイマのタイムアップの条件が成立している場合、ST330に進み、強制ベルトフリー操作を停止する。そして、電子制御ユニット2によるベルトフリー操作の制御方法を終了する。
(効果)
したがって、上述の実施形態によれば、電子制御ユニット2の乗車有無判断部31によって、車両101に車椅子110が乗車していると判断された場合、ロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作が禁止されるので、利用者の意図しないところでベルトフリー状態となることを防止できる。このため、乗車時の車椅子110を確実に固定でき、車両走行中の車椅子110の姿勢を安定させることができると共に、車椅子110へのショック入力を防止することができる。
また、乗車有無判断部31の判別部35によって、ドラム21の回転が電動モータ9によるものか、弛み取りモータ83によるものかを判別し、この判別結果に基づいて車椅子110が乗車しているか否かを判断している。この乗車有無判断部31により、車椅子110が乗車していると判断された場合、ロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作が禁止されるので、確実に車椅子110を固定することができ、車椅子110の安全性を確実に確保することができる。
これに対し、乗車有無判断部31により、車椅子110が乗車していないと判断された場合にベルトフリー操作を可能にしているので、ベルトフリー操作により利便性を損なうことを防止できる。
さらに、弛み取り機構80によるドラム21のベルト4を巻取る方向に向かって回転させる駆動力として弛み取りモータ83を採用しているので、ベルト4の巻取り量によらず、一定の力でドラム21を回転させることができる。このため、乗車有無判断部31による判断の精度を高めることができる。
ここで、例えば、弛み取り機構80によるドラム21のベルト4を巻取る方向に向かって回転させる駆動力として、弛み取りモータ83に代わってゼンマイバネ等を用いることも考えられる。しかしながら、ゼンマイバネは、ベルト4の送出量が増大するほどにベルトの巻取り方向への回転駆動力が大きくなってしまう。
また、例えば、ゼンマイバネを用いると、ベルト4を大きく送出している状態において、回転駆動力が大きくなる。このため、車椅子110がスロープ102等の緩やかな傾斜を登る可能性がある。つまり、乗車有無判断部31によって車椅子110の乗車無しと判断されたにも拘わらず、実際は、車椅子110の乗車有り状態である可能性がある。
このため、ゼンマイバネを用いると、車椅子110の乗車有無判断を正確に行うことが難しくなる。これに対し、弛み取りモータ83を用いると、ベルト4の巻取り量によらず、一定の力でドラム21を回転させることができるので、乗車有無判断部31による判断の精度を高めることができる。
さらに、電子制御ユニット2は、ドラム21の回転量を検出する回転量検出手段33を備えており、ウインチ本体1の電動モータ9によるベルト4の巻取り動作の作動中におけるドラム21の回転量が、車椅子110の前輪111の支軸部111aと、後輪112の支軸部112aとの間の距離L3(図15参照)に達した時点で、車椅子110がスロープ102上にあると判断し、ロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作が禁止される。
このため、車椅子110がスロープ102上から滑落することがなくなる。このとき、例えば、子供用の小さい車椅子110を想定すると、どのようなタイプの車椅子110でもスロープ102上から滑落することがなく、安全性を高めることができる。
また、ベルト4の巻取長さが、距離L3を超えない場合、車椅子110が乗車する分だけベルト4を巻取っていないと判断される。このため、ベルトフリー操作を可能とし、ベルトフリー操作による利便性を享受することができる。
そして、図15において、ポイントXを、車椅子110の乗車時の固定位置における前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントYを、車椅子110の後輪112が地面Fに着地した位置における前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントXとポイントYとの間の距離をL1としたとき、電動モータ9によるドラム21のベルト4の送出し方向への回転量が距離L1に達した時点で、車椅子110の降車作業で後輪112が着地したと判断し、通常ベルトフリー許可フラグを立てている。
このように、ベルト4の送出時において、回転量検出手段33によって検出された回転量が所定値を超えるまでの間は、電子制御ユニット2のロック解除禁止手段32によってベルトフリー操作が禁止されることで、車両走行時や車椅子110の降車時の安全性を向上することができる。これに対し、距離L1に達した時点で車椅子110の降車作業で後輪112が着地したと判断することによりベルトフリー操作を可能とし、ベルトフリー操作による利便性を享受することができる。
また、図15において、ポイントZを、車椅子110がスロープ102を完全に降りきって完全に降車しているときの前輪111の支軸部111aに設定し、ポイントXとポイントZとの間の距離をL2としたとき、車椅子110が完全に降車した後、弛み取りモータ83によって距離L3分だけベルト4を巻取ると、通常ベルトフリー許可フラグを立てている。このため、ベルトフリー操作の誤作動を確実に防止でき、ベルトフリー操作の安全性を確実に確保できる。
尚、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、上述の実施形態では、電動ウインチ装置100は、被牽引物である車椅子110を車両101の後部に設けられたスロープ102に沿って乗車/降車させる際に用いられるものであって、車両101の後部室103の床面103aに、ウインチ本体1を左右に1つずつ設けた場合について説明した。
しかしながら、これに限られるものではなく、ウインチ本体1を左右に1つずつ設ける必要はなく、車椅子110を乗車/降車することができれば1つでもよい。また、被牽引物は車椅子110に限られるものではなく、さまざまな物体を電動ウインチ装置100で牽引することが可能である。車椅子110以外を牽引する場合も乗車有無判断部31によって電動モータ9によってベルト4が巻取り/送出しされているか、又は緩み取りモータ83によってベルト4が巻取り/送出しされているかを判断し、この判断結果、及び回転量検出手段33による検出結果に基づいて、ベルトフリー操作を行うように構成すればよい。
1…ウインチ本体(駆動手段) 2…電子制御ユニット 3…操作パネル(操作部) 4…ベルト 9…電動モータ(ウインチモータ) 21…ドラム 31…乗車有無判断部 32…ロック解除禁止手段 33…回転量検出手段 34a…巻取長さ算出手段 34b…送出長さ算出手段 35…判別部 40…リモコン(操作部) 60…ラチェット機構(ロック手段) 61…爪車(ロック部) 62…係合爪(ロック部) 65…ソレノイド(切替手段) 83…緩み取りモータ 101… 車両 101a…開口部 102…スロープ 110…車椅子(被牽引物) 111…前輪 111a…支軸部(前輪支軸部) 112…後輪 112a…支軸部(後輪支軸部) F…地面 L1…距離

Claims (4)

  1. 車両への被牽引物の乗車/降車を行う電動ウインチ装置であって、
    前記被牽引物に連結されるベルトと、このベルトを巻取り/送出し可能なドラムと、該ドラムを正/逆回転駆動させて前記ベルトの巻取り/送出しを行うウインチモータとにより構成される駆動手段と、
    前記ドラムの前記ベルトが送出される方向への回転を阻止するロック部と、このロック部のロック状態とロック解除状態とを切替える切替手段とにより構成されるロック手段と、
    前記ドラムの回転、及び前記切替手段の制御を行う制御手段と
    前記ウインチモータによる前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転駆動力よりも低い回転駆動力で、前記ドラムを前記ベルトの巻取り方向へと回転駆動する巻取手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ウインチモータを回転駆動して前記ドラムを前記ベルトの巻取り/送出し方向へ回転駆動する巻取り/送出し操作と、前記ロック部を前記ロック解除状態とするベルトフリー操作とを行う操作部と、
    前記ドラムの正/逆回転駆動時に、前記車両への前記被牽引物の乗車の有無を判断する乗車有無判断部と
    前記乗車有無判断部によって前記被牽引物が前記車両に乗車していると判断された場合に、前記ベルトフリー操作を禁止するロック解除禁止手段とを備え、
    前記乗車有無判断部は、前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が前記ウインチモータによるものか、前記巻取手段によるものかを判別する判別部を有し、
    前記判別部によって判別された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が、前記ウインチモータによる回転であると判別された場合、この判別結果に基づいて、前記乗車有無判断部は、前記ベルトに前記被牽引物が連結されており、前記被牽引物が乗車していると判断するとともに、
    前記判別部によって判別された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転が、前記巻取手段による回転であると判別された場合、この判別結果に基づいて、前記乗車有無判断部は、前記ベルトに前記被牽引物が連結されておらず、前記被牽引物が乗車していないと判断することを特徴とする電動ウインチ装置。
  2. 前記巻取手段は、前記ウインチモータよりも低い回転駆動力で、前記ドラムを前記ベルトの巻取り方向へと回転駆動する弛み取りモータであることを特徴とする請求項に記載の電動ウインチ装置。
  3. 前記制御手段は、前記ドラムの回転量を検出する回転量検出手段を備え、
    前記判別部によって、前記ドラムが前記ウインチモータにより前記ベルトの巻取り方向へ回転していると判断され、かつ前記回転量検出手段によって検出された前記ドラムの前記ベルトの巻取り方向への回転量が所定値を超えた場合に、前記ベルトフリー操作を禁止することを特徴とする請求項1又は請求項に記載の電動ウインチ装置。
  4. 前記被牽引物は、前輪を支持する前輪支軸部と、後輪を支持する後輪支軸部と、を有する車椅子であり、
    前記制御手段は、前記回転量検出手段によって検出された前記ドラムの回転による前記ベルトの巻取り方向への回転量によって、前記ベルトの巻取長さを算出する巻取長さ算出手段を備え、
    前記判別部によって、前記ドラムが前記ウインチモータにより前記ベルトの巻取り方向へ回転していると判断され、かつ前記巻取長さ算出手段によって算出された前記ベルトの巻取長さが、前記車椅子の前記前輪支軸部と前記後輪支軸部との間の距離の長さを超えた場合に、前記ベルトフリー操作を禁止することを特徴とする請求項に記載の電動ウインチ装置。
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