JP5559617B2 - 押込み試験機 - Google Patents

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Description

本発明は、押込み試験機に関する。
従来、材料試験機として、試料の表面に所定の荷重を負荷した圧子を押込んで形成されたくぼみに基づいて試料の硬さを評価、測定するビッカースなどの押込み硬さ試験機が知られている。
また、押込み後に形成されたくぼみを観察する代わりに、その押込み過程において、試験力(圧子に負荷される力)と、押込み深さ(圧子の変位量)とを連続して計測し、得られた押込み曲線を解析することにより、材料の機械的性質を求めるナノインデンテーション(計装化押込み試験)と称される試験方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2009−79924号公報
ナノインデンテーションでは、微小な圧子押込み深さを測定するため、試料の僅かな浮き上がりは致命的であり、正しく試験を行うには、試料を試料台に完全に密着させる必要がある。
しかしながら、例えばフィルム材のような薄い試料では、上から押さえても試験部分は露出させる必要があるためこの部分は押さえることができず、どうしても試料台との間に隙間が出来やすい。
また、ビッカース硬さ試験に対しても、試料の浮き上がりは、くぼみ観察時のピントのズレや圧子の押込みが不安定になる原因になる。
そこで、例えば、接着剤を用いて試料を試料台に固定する固定方法があるが、この方法では、接着しにくいものや接着剤によって変質するものもあり、また、試料を汚損してしまうことも問題であった。
これに対し、空気引力により試料を試料台に密着させる固定方法がある。しかしながら、この固定方法では、試料が薄くなると試料台の表面の凹凸(空気吸引孔など)に倣い試料表面に凹凸が出来てしまうことがあり、試料表面に影響がでない程度に空気吸引孔を微細に設けようとすると、製造が困難であった。
本発明の課題は、製造が容易でありながら、薄い試料に対しても、空気引力によって試料台に適切に固定させることのできる押込み試験機を提供することである。
上記課題を解決するために、
請求項1に記載の発明は、
試料台の上面に載置されたフィルム状の試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成する押込み試験機において、
前記試料台は、
上面部の一部が多孔質材料からなる試料吸着部材により構成されたチャンバーと、
前記チャンバーの内部の空気を吸引する空気吸引手段と、
前記試料吸着部材が前記空気吸引手段による空気の吸引に伴って試料に及ぼす吸引力を調整する調整手段と、を備え
前記調整手段は、
前記試料吸着部材の下面に当接し、開閉操作可能なシャッター部材を有し、
前記シャッター部材の開度により前記吸引力を調整することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の押込み試験機において、
前記調整手段は、
前記チャンバー内部から吸引される空気の流量又は圧力を測定する測定手段を備え、
前記測定手段による測定値に基づいて、前記吸引力を調整することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の押込み試験機において、
前記空気吸引手段は、前記チャンバーと連結される空気室を備え、
前記空気室は、弾性変形可能な弾性部を備え、
前記空気室は、前記弾性部が押圧され収縮した状態で前記チャンバーに取り付けられ、前記弾性部の復元力により前記空気室が拡張する際に前記チャンバーの内部の空気を吸引することを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の押込み試験機において、
前記試料吸着部材の上面には、当該試料吸着部材の上面の露出面積を変更するための被覆膜が着脱自在に載置されることを特徴とする。
本発明によれば、試料台は多孔質材料からなる試料吸着部材を備えるため、薄い試料であっても、試料台の表面に倣った凹凸などが出来ることなく、試料台に適切に固定させることができる。
また、当該試料吸着部材は加工の必要がなく設置するだけで良いため、装置全体の製造が容易である。
第1実施形態の硬さ試験機を示す模式図である。 第1実施形態の硬さ試験機の試料台を示す要部拡大図である。 第1実施形態の硬さ試験機の制御構成を示すブロック図である。 試料台のシャッター部材の開閉動作を説明するための図である。 第2実施形態の硬さ試験機を示す模式図である。 第2実施形態の硬さ試験機の試料台を示す要部拡大図である。 第2実施形態の硬さ試験機の制御構成を示すブロック図である。 図6の試料台において被覆膜を適用した状態を説明するための図である。
以下、図を参照して、本発明に係る押込み試験機について、詳細に説明する。
なお、本実施形態における押込み試験機100は、圧子3に付与する試験力と、圧子3の押込み深さとを連続してモニター可能な計装化押込み試験機である。
また、この押込み試験機100は、例えば、セロハンなどのフィルム状の極薄の試料Sに対して好適に測定を行うことのできる構成を備えたものである。
(第1実施形態)
まず、構成について説明する。
押込み試験機100は、図1〜3に示すように、試料Sが載置される試料台10と、試料台10上の試料Sに試験力を付与する試験機本体1と、等を備えて構成されている。
(試料台)
試料台10は、図1、2に示すように、上面部の一部が多孔質材料からなる試料吸着部材14により構成されたチャンバー11と、チャンバー11の内部の空気を吸引する空気吸引手段12と、空気吸引手段12の吸引力を調整する調整手段13と、を備えている。
チャンバー11は、内部が空洞となった箱体である。なお、チャンバー11の形状は特に限定されず、例えば、立方体、直方体、円柱など、如何なるものであっても適用可能である。
チャンバー11の上面部には、試料吸着部材14の設置用の開口部11aが設けられている。また、チャンバー11の側面部には、空気が通るための排気孔16が備えられている。
開口部11aは、例えば上面視略円形状に形成されており、当該開口部11aの周縁からは下方(チャンバー11の内部)に向かって突出する壁部11bが備えられている。この開口部11aには、試料吸着部材14が嵌め入れられて、壁部11bにより試料吸着部材14の側面を囲繞するようになっている。なお、壁部11bは、試料吸着部材14の厚さと略同一の長さとなっている。
また、壁部11bの下端部には、試料吸着部材14の下面に当接するように、シャッター部材15が備えられている。
なお、開口部11aの形状は、上面視略円形状であることに限定されない。即ち、開口部11aの形状は、試料Sの形状に応じた任意の形状であってよく、例えば略四角形状などとされていてもよい。
試料吸着部材14は、上記したように、開口部11aに嵌め入れられた状態に配置されており、その側面は開口部11aの壁部11bと当接している。また、試料吸着部材14の上面は、チャンバー11の上面と略面一とされ、試料吸着部材14の下面は、シャッター部材15と当接している。
この試料吸着部材14は、その上面に試料Sが載置された際に、空気吸引手段12によるチャンバー11の内部の空気の吸引に伴って試料Sに負圧(吸引力)を与え、これにより試料Sを好適に密着保持するものである。
試料吸着部材14は、開口部11aの形状に対応した形状(ここでは円柱形状)の板状部材であり、例えば、カーボン製の多孔質材料を主成分として構成されている。
ここで、カーボン製の多孔質材料とは、炭素材料が元々持っている気孔を一定の大きさにそろえ、均一な密度に調整したものである。この多孔質材料は、連続した気孔を持つため気体などの流体を透過する性質を有している。
また、この多孔質材料は、カーボン製であるため、耐熱衝撃性、寸法安定性に優れ、導電性があるため帯電しないという性質も有している。また、耐食性が高く、溶剤などに侵されないという特性もあり、これらの点から扱いやすく、試料吸着部材14を構成する材質として好適である。
この試料吸着部材14は、表面が機械研磨された平滑面となっており、試料Sが、例えば、薄くて撓みやすい形状であっても均一に密着保持することができる。
また、試料吸着部材14は、平均気孔径が、例えば1μm〜10μm程度とされている。気孔径がこの大きさであることで、吸引により多孔質材料に試料S密着しても、孔の形状が試料Sに転写することがないようになっている。
空気吸引手段12は、チャンバー11の排気孔16に接続されたコンプレッサーなどである。空気吸引手段12は、制御部20から入力される制御信号に従って、チャンバー11の内部の空気を吸引する吸引動作を行う。押込み試験機100においては、このコンプレッサーが動作すると、排気孔16を介して、チャンバー11の内部の空気が排気され、ひいては試料吸着部材14の気孔内の気体も吸引排気されるようになっている。
調整手段13は、例えば、試料吸着部材14の下面に当接して設けられたシャッター部材15と、排気孔16に設けられたバルブ13a及び測定手段13bと、等を備えて構成されている。
シャッター部材15は、開口部11aに嵌め入れられた試料吸着部材14の下面の露出部Tの面積を調節するためのものであって、図4に示すように、ユーザによりその中央部Pの開閉操作が可能となっている。
具体的に、シャッター部材15は、例えば、図4に示すように、円を成すように重ね合わされ互いに連動する複数の絞り羽根15a・・・からなり、この複数の絞り羽根15a・・・を動かすことで中央部Pの面積を変更するものである。シャッター部材15の中央部Pの大きさは、試料吸着部材14の下面の露出部Tの面積と同一となるため、シャッター部材15の中央部Pの開度により、試料吸着部材14の下面の露出部Tの面積を変更することとなり、これにより、試料吸着部材14が試料Sに及ぼす吸引力が調整可能である。つまり、露出部Tの面積が大きいほど吸引力が大きくなる。
シャッター部材15は、試料Sの大きさなどを考慮して、ユーザが任意に開閉操作できるため、吸引力の微調整を行うのに好適である。
なお、シャッター部材15は、試料吸着部材14の下面の露出面積を変更できる構成であれば良く、上記の複数の絞り羽根15a・・・による構成に限定されない。
例えば、シャッター部材として、スライド可能な2枚の板体を備え、2枚の板体の間隙を変更することで試料吸着部材14の下面の露出面積を変更することとしても良い。
或いは、シャッター部材として、所定幅の格子を備えたスライド可能な2枚の板体を備え、2枚の板体の格子の重ね合わせる面積を変更することで試料吸着部材14の下面の露出面積を変更することとしても良い。
バルブ13aは、排気孔16においてユーザの操作に応じて開閉し、排気孔16を流れる空気の流量を調整する。
測定手段13bは、チャンバー11内部から排気孔16に吸引される空気の流量を測定する流量計、又は排気孔16を流れる空気の圧力を測定する圧力計などから構成される。
ユーザは、測定手段13bの測定値を確認しながら、バルブ13aの開閉量を調節する。つまり、排気孔16を流れる空気の流量又は圧力を調節することで、吸引力が所定の値となるように調節できるようになっている。
このように、調整手段13(シャッター部材15、バルブ13a及び測定手段13b)により、試料吸着部材14が空気吸引手段12による空気の吸引に伴って試料Sに及ぼす吸引力を好適に調整することができる。
このような試料台10は、後述のXYZステージ2によって支持されており、XYZステージ2によって前後左右及び上下に移動されて、圧子3に対する試料台10上の試料Sの位置が調整されるようになっている。
(試験機本体)
試験機本体1は、試料SをX、Y、Z方向に移動させるXYZステージ2と、試料Sにくぼみを形成する圧子3と、圧子3を一端に有する荷重レバー4と、荷重レバー4に所定の荷重(試験力)を負荷(付与)する荷重負荷部5と、圧子3の変位量を検出する変位計6と、試料Sの表面に形成されたくぼみ等を撮影する撮影部7と、表示部8と、操作部9と、制御部20と、などを備えて構成される。
XYZステージ2は、その上面に試料台10を支持し、制御部20から入力される制御信号に従って、X、Y、Z方向(即ち、水平方向及び垂直方向)に移動するよう構成されている。
具体的に、XYZステージ2は、位置制御手段として、制御部20からの制御信号に応じて、くぼみの形成位置が試料吸着部材14に形成された孔と重ならないように、試料台10の水平方向の位置を制御する。このため、より正確に測定を行うことができる。
圧子3は、例えば、ベルコビッチ、ビッカース、ヌープ、ブリネル等の、くぼみ形成による硬さ試験に用いられる圧子である。圧子3は、所定の荷重が負荷されて試料Sの表面に押込まれた際に、当該試料Sの表面にくぼみ(圧痕)を形成する。
荷重レバー4は、例えば、略棒状に形成されており、中央部付近を十字バネ4aを介して台座上に固定されている。
荷重レバー4の一端には、試料台10上に載置された試料Sの上方から試料Sに対して接離自在に設けられ、試料Sの表面に押し付けて試料Sの表面にくぼみを形成する圧子3が設けられている。
また、荷重レバー4の他端には、荷重負荷部5を構成するフォースコイル5aが設けられている。
荷重負荷部5は、例えば、フォースモータであり、荷重レバー4に取り付けられたフォースコイル5aと、フォースコイル5aに対向するように固定された固定磁石5bと、などを備えて構成される。
荷重負荷部5は、例えば、制御部20から入力される制御信号に従って、固定磁石5bがギャップにつくる磁界と、ギャップの中に設置されたフォースコイル5aに流れる電流と、の電磁誘導により発生する力を駆動力として用い、荷重レバー4を回動させる。これにより、荷重レバー4の圧子3側の端部は下方に傾き、圧子3は試料Sに押し込まれることになる。
変位計6は、例えば、静電容量式変位センサであり、荷重レバー4の圧子3側の端部に設けられた可動極板6aと、可動極板6aと対向するように固定された固定極板6bと、などを備えて構成される。
変位計6は、例えば、可動極板6aと固定極板6bとの間の静電容量の変化を検出することによって、圧子3が試料Sにくぼみを形成する際に移動した変位量(圧子3を試料Sに押し込んだ際の押込み深さ)を検出し、この検出した変位量に基づく変位信号を制御部20に出力する。
なお、変位計6として、静電容量式変位センサを例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、光学式変位センサやうず電流式変位センサであっても良い。
撮影部7は、例えばカメラ等を備え、制御部20から入力される制御信号に従って、例えば、試料台10上において、圧子3により試料Sの表面に形成されたくぼみ等を撮影する。
表示部8は、例えば液晶表示パネルであって、制御部20から入力される制御信号に従って、撮影部7により撮影された試料Sの表面画像や、各種試験結果等の表示処理を行う。
操作部9は、例えば、キーボードなどの操作キー群であって、ユーザにより操作されると、その操作に伴う操作信号を制御部20に出力する。なお、操作部9は、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイスやリモートコントローラなど、その他の操作装置を備えるようにしてもよい。
この操作部9は、ユーザが試料Sの硬さ試験を行う指示入力を行う際、圧子3に負荷する試験力すなわち荷重を設定する際、などに操作される。
制御部20は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)21と、RAM(Random Access Memory)22と、記憶部23と、等を備えて構成され、システムバスなどを介して、XYZステージ2と、荷重負荷部5と、変位計6と、撮影部7と、表示部8と、操作部9と、空気吸引手段12と、等と接続されている。
CPU21は、例えば、記憶部23に記憶されている硬さ試験機用の各種処理プログラムに従って、各種制御処理を行う。
RAM22は、例えば、CPU21によって実行される処理プログラムなどを展開するためのプログラム格納領域や、入力データや処理プログラムが実行される際に生じる処理結果などを格納するデータ格納領域などを備えている。
記憶部23は、例えば、硬さ試験機100で実行可能なシステムプログラムや、そのシステムプログラムで実行可能な各種処理プログラム、これら各種処理プログラムを実行する際に使用されるデータ、CPU21によって演算処理された各種処理結果のデータなどを記憶する。なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能なプログラムコードの形で記憶部23に記憶されている。
具体的には、記憶部23には、例えば、位置制御プログラム231、計測プログラム232、等が格納されている。
位置制御プログラム231は、たとえば、くぼみの形成位置が試料吸着部材14に形成された孔と重ならないように、試料台10の水平方向の位置を制御する機能を、CPU21に実行させるプログラムである。
具体的に、CPU21は、例えば、くぼみ形成前に、撮影部7を用いて試料吸着部材14の表面の孔が存在しない箇所の位置座標を特定する。そして、押込み試験に際して、試料Sの圧子が接する位置が、特定された位置座標となるようXYZステージ2により位置調整を実行する。このため、より正確に測定を行うことができるようになる。
CPU21は、かかる位置制御プログラム231を実行することにより、XYZステージ2と共に、位置制御手段として機能している。
計測プログラム232は、例えば、くぼみ形成時の圧子3の変位量と圧子3に負荷された試験力とを検出して押込み曲線を計測する機能を、CPU21に実現させるプログラムである。
具体的には、CPU21は、例えば、操作部9から、測定を行うよう指示する操作信号が入力されると、試料台10上に載置された試料Sに所定の試験力を与えるよう、荷重負荷部5を制御する。そして、CPU21は、例えば、くぼみ形成時における圧子3の試料Sへの押込み深さと、くぼみ形成時における試験力と、を連続的に計測して、試験力−押込み深さ曲線(押込み曲線)を測定する。
次に、押込み試験機100の作用について説明する。
押込み試験機100においては、測定を行う場合、試料台10の試料吸着部材14の上面に試料Sを載置した状態で、空気吸引手段12を動作させる。
すると、空気吸引手段12の動作に応じて、排気孔16を介してチャンバー11内部の空気が排気され、試料吸着部材14の気孔内の空気も吸引排気される。このため、試料Sには、試料吸着部材14から負圧(吸引力)が掛かって、当該試料吸着部材14に試料Sが均一に吸着保持されることとなる。
このとき、ユーザは、調整手段13(シャッター部材15、バルブ13a及び測定手段13b)により、試料Sに適した吸引力を設定することができ、また、吸引力を所定の値に保つことができるため、試料Sは常に適した一定の吸着力で固定される。
また、押込み試験に際して、くぼみの形成位置が試料吸着部材14に形成された孔と重ならないように制御されるため、より正確に測定を行うことができる。
以上のように、本実施形態の押込み試験機100によれば、試料台10は多孔質材料からなる試料吸着部材14を備えるため、薄い試料であっても、試料台10の表面に倣った凹凸などが出来ることなく、試料台10に適切に固定させることができる。
また、当該試料吸着部材14は加工の必要がなく設置するだけで良いため、装置全体の製造が容易である。
また、本実施形態の押込み試験機100によれば、空気吸引手段12の吸引力を調整する調整手段13を備えているため、試料Sごとに適した吸引力を設定することができる。
また、本実施形態の押込み試験機100によれば、調整手段13は、試料吸着部材14の下面に当接し、開閉操作可能なシャッター部材15を有し、シャッター部材15の開度により吸引力を調整するようになっているため、シャッター部材15の開度により吸引力の微調整が可能であり、試料Sをより好適に試料台に密着させることができる。
また、本実施形態の押込み試験機100によれば、調整手段13は、チャンバー11内部から吸引される空気の流量又は圧力を測定する測定手段13bを備え、測定手段13bによる測定値に基づいて、吸引力を調整するようになっているため、常に好適な吸引力を維持することができる。
なお、上記実施形態においては、調整手段13として、シャッター部材15と、バルブ13a及び測定手段13bと、を備えた構成を例示して説明しているが、調整手段13としては、これらの何れか一つを備えた構成であれば良い。例えば、シャッター部材15を設けないこととしても良いし、バルブ13a及び測定手段13bを設けないこととしても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、第1実施形態と異なる点を中心に説明する、
なお、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態の押込み試験機200では、図5〜7に示すように、試料Sが載置される試料台10Aの構成が第1実施形態と異なっている。
試料台10Aは、チャンバー11と、チャンバー11の内部の空気を吸引する空気吸引手段12Aと、調整手段13と、を備えて構成されている。
空気吸引手段12Aは、チャンバー11と連結される空気室30を備えている。
空気室30は、チャンバー11の内部の空気を吸引するのに、動力源を有さない吸引機構を備えたものであり、具体的には、空気室30は、例えば、弾性変形可能な弾性部31と、チャンバー11の排気孔16に取り付ける吸引口32と、を備えている。
空気室30は、形状保持性を有し、弾性変形可能な樹脂、軟質硝子等から適宜な中空形状に形成されており、弾性部31が押圧されることで、空気室30内の内圧を大気圧より上昇可能であると共に、弾性部31の復元力により復元することで、空気室30内の内圧を下降可能となっている。
弾性部31は、例えば、蛇腹形状を有し、通常状態では拡張しているが、押圧時には収縮し、押圧の開放時には元の形状に復元する。
弾性部31の材料としては、弾性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、熱可塑性エラストマー等の樹脂などが挙げられる。
吸引口32は、空気室30を押圧した状態でチャンバー11の排気孔16に取り付けられる。吸引口32の基端部には、チャンバー11の内部から空気室30に吸引された空気が逆流しないように逆流防止弁33が取り付けられている。
なお、吸引口32は、その外径が排気孔16の内径に合致するようになっている。
また、このとき、試料吸着部材14の上面には、図8に示すように、当該試料吸着部材14の上面の露出面積を変更するための被覆膜Kを載置可能である。
つまり、空気室30を用いてチャンバー11の内部の空気を吸引する場合、空気の吸引量が有限であるため、試料吸着部材14を試料Sにて完全に覆うのが好ましく、このため、試料Sの大きさに応じて、被覆膜Kを試料吸着部材14の上面に設置する。
そして、空気室30においては、以下のようにチャンバー11の内部の空気を吸引する。
まず、空気室30は、弾性部31が押圧されて収縮した状態で、吸引口32がチャンバー11の排気孔16に差し込まれ固定される。なお、このとき、吸引口32と排気孔16との間に隙間はほぼできないため、この連結部から空気が漏れることはない。
そして、弾性部31の復元力により空気室30が拡張する際に、逆流防止弁33を介してチャンバー11の内部の空気が空気室30の方に吸引される。
なお、本実施形態においても、調整手段13としてのシャッター部材15によって、試料吸着部材14の下面の露出部Tの面積を変更することで、吸引力を調整することができる。
以上のように、本実施形態の押込み試験機200によれば、空気吸引手段12Aは、チャンバー11と連結される空気室30を備え、空気室30は、弾性変形可能な弾性部31を備え、空気室30は、弾性部31が押圧され収縮した状態でチャンバー11に取り付けられ、弾性部31の復元力により空気室30が拡張する際にチャンバー11の内部の空気を吸引する構成である。
このため、チャンバー11の内部の空気を吸引するための(空気室30内の内圧を昇降するための)特別な構造が不要であり、簡単な構成で空気吸引手段12Aを形成することができる。また、動力源を使用しないため、振動が発生することがなく、硬さ試験をより精度よく行うことができる。
また、本実施形態の押込み試験機200によれば、試料吸着部材14の上面には、当該試料吸着部材14の上面の露出面積を変更するための被覆膜Kを載置可能である。
このため、試料Sの大きさに合わせて試料吸着部材14の上面の露出面積を変更でき、好適に空気吸引を行うことができる。
(第1実施形態)
100 硬さ試験機
10 試料台
11 チャンバー
11a 開口部
11b 壁部
12 空気吸引手段
13 調整手段
13a バルブ
13b 測定手段
14 試料吸着部材
15 シャッター部材
15a・・・ 絞り羽根
16 排気孔
1 試験機本体
2 XYZステージ(位置制御手段)
3 圧子
20 制御部
231 位置制御プログラム(位置制御手段)
S 試料
T 露出部
(第2実施形態)
200 硬さ試験機
10A 試料台
12A 空気吸引手段
30 空気室
31 弾性部
32 吸引口
33 逆流防止弁
K 被覆膜

Claims (4)

  1. 試料台の上面に載置されたフィルム状の試料に対して、所定の荷重を負荷した圧子を押込んでくぼみを形成する押込み試験機において、
    前記試料台は、
    上面部の一部が多孔質材料からなる試料吸着部材により構成されたチャンバーと、
    前記チャンバーの内部の空気を吸引する空気吸引手段と、
    前記試料吸着部材が前記空気吸引手段による空気の吸引に伴って試料に及ぼす吸引力を調整する調整手段と、を備え
    前記調整手段は、
    前記試料吸着部材の下面に当接し、開閉操作可能なシャッター部材を有し、
    前記シャッター部材の開度により前記吸引力を調整することを特徴とする押込み試験機。
  2. 前記調整手段は、
    前記チャンバー内部から吸引される空気の流量又は圧力を測定する測定手段を備え、
    前記測定手段による測定値に基づいて、前記吸引力を調整することを特徴とする請求項に記載の押込み試験機。
  3. 前記空気吸引手段は、前記チャンバーと連結される空気室を備え、
    前記空気室は、弾性変形可能な弾性部を備え、
    前記空気室は、前記弾性部が押圧され収縮した状態で前記チャンバーに取り付けられ、前記弾性部の復元力により前記空気室が拡張する際に前記チャンバーの内部の空気を吸引することを特徴とする請求項に記載の押込み試験機。
  4. 前記試料吸着部材の上面には、当該試料吸着部材の上面の露出面積を変更するための被覆膜が着脱自在に載置されることを特徴とする請求項に記載の押込み試験機。
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