JP5556499B2 - 二段昇圧式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構とを備え、冷媒を多段階に昇圧可能な二段昇圧式冷凍サイクルに関する。
従来、特許文献1に、低圧冷媒を中間圧冷媒となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構と、低段側圧縮機構から吐出された中間圧冷媒を高圧冷媒となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構とを備え、冷媒を多段階に昇圧可能に構成された二段昇圧式冷凍サイクルが開示されている。
さらに、この特許文献1の二段昇圧式冷凍サイクルは、空調装置に適用されており、高段側圧縮機構から吐出された高温高圧冷媒と室内送風空気とを熱交換させて室内送風空気を加熱する放熱器、放熱器から流出した高圧冷媒の一部を中間圧冷媒となるまで減圧膨張させる中間圧膨張弁等を備えている。
そして、高段側圧縮機構に、中間圧膨張弁にて減圧された中間圧冷媒と低段側圧縮機構から吐出された中間圧冷媒との混合冷媒を吸入させることによって、低段側圧縮機構から吐出された中間圧冷媒のみを吸入させる場合よりも温度の低い混合冷媒を吸入させる、いわゆるエコノマイザ式冷凍サイクルのサイクル構成を実現できるようになっている。
この種のエコノマイザ式冷凍サイクルでは、高段側圧縮機構に、温度の低い混合冷媒を吸入させることによって、高段側圧縮機構の圧縮効率を向上させることができるとともに、双方の圧縮機構における吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、双方の圧縮機構の圧縮効率を向上させることができる。
従って、エコノマイザ式冷凍サイクルでは、1つの圧縮機構で冷媒を昇圧する通常の冷凍サイクルよりも、サイクルの成績係数(COP)の向上を狙うことができる。なお、圧縮効率とは、圧縮機構を駆動させるために要する仕事量に対する圧縮機構が出力した仕事量の比で定義されるエネルギ変換効率である。
ところが、エコノマイザ式冷凍サイクルでは、例えば、空調負荷の低下(加熱能力の低下)等に伴って、サイクルを循環させる必要のある冷媒流量(以下、必要循環冷媒流量という。)が低下した際に、圧縮機構の回転数を低下させると、双方の圧縮機構の圧縮効率が大きく低下して、1つの圧縮機構で冷媒を昇圧する通常の冷凍サイクルよりもCOPが低下してしまうことがある。
そこで、特許文献1の二段昇圧式冷凍サイクルでは、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒回路と、1つの圧縮機構で冷媒を昇圧する通常の冷凍サイクルを構成する冷媒回路とを切替可能に構成し、外気温や放熱器にて加熱された室内送風空気の温度に応じて、COPが高くなる方の冷媒回路に切り替えるようにしている。
特開平4−80545号公報
しかしながら、特許文献1の二段昇圧式冷凍サイクルでは、単に、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒回路と、通常の冷凍サイクルを構成する冷媒回路とを切り替えているだけなので、必要循環冷媒流量が低下して圧縮機構の回転数を低下させる運転条件時に、COPを充分に向上させることができない。
このことを図16を用いて説明する。なお、図16は、圧縮機構を電動モータにて駆動した際の回転数に対する圧縮効率の変化を示すグラフである。従って、図16において圧縮効率の分母となる圧縮機構を駆動させるために要する仕事量は、電動モータに供給した電力となる。
図16から明らかなように、圧縮機構には、圧縮効率が最大(ピーク)となる最大効率回転数があり、回転数の低い領域では、圧縮効率が大きく低下してしまうという特性がある。なお、このような特性は、ローリングピストン型、レシプロ型、ベーン型等の固定容量型の各種圧縮機構において同様である。
また、冷媒を多段階に昇圧する二段昇圧式冷凍サイクルでは、同一の回転数における各圧縮機構の吐出流量(質量流量)が同一となるので、低段側圧縮機構と高段側圧縮機構が同じ吐出容量になっていると、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒回路から通常の冷凍サイクルを構成する冷媒回路へ切り替えたとしても、必要循環冷媒流量が変化しなければ、圧縮機構の回転数を変化させる必要も生じない。
つまり、圧縮機構の回転数を低下させた際に、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成する冷媒回路から通常の冷凍サイクルを構成する冷媒回路へ切り替えたとしても圧縮機構の回転数は変化せず、圧縮機構の圧縮効率が低い状態のままでサイクルが運転されてしまう。従って、特許文献1の二段昇圧式冷凍サイクルでは、必要循環冷媒流量が低下して圧縮機構の回転数を低下させる運転条件時に、COPを充分に向上させることができない。
本発明は、上記点に鑑み、サイクルを循環させる必要のある必要循環冷媒流量の変化によらず、サイクルの成績係数(COP)を充分に向上させることのできる二段昇圧式冷凍サイクルを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、低圧冷媒を中間圧冷媒となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧冷媒を高圧冷媒となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器(12)と、放熱器(12)から流出した冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧させる中間圧膨張弁(15a)と、放熱器(12)から流出した冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させる低圧膨張弁(15b)と、低圧膨張弁(15b)にて減圧された低圧冷媒を蒸発させて低段側圧縮機構(110)の吸入側へ流出する蒸発器(18)と、中間圧膨張弁(15a)にて減圧された中間圧冷媒を高段側圧縮機構(120)の吸入側へ導く中間圧冷媒通路(14)とを備える二段昇圧式冷凍サイクルであって、
低段側圧縮機構(110)の吸入側に接続される吸入側冷媒通路と高段側圧縮機構(120)の吸入側に接続される中間圧冷媒通路(14)との間を接続する低圧冷媒通路(22)と、中間圧冷媒通路(14)を開くとともに低圧冷媒通路(22)を閉じる第1冷媒回路、および、中間圧冷媒通路(14)を閉じるとともに低圧冷媒通路(22)を開く第2冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段(14a、22a、高段側圧縮機構(120)および低段側圧縮機構(110)の双方を回転駆動する1つの電動モータ(130)とを備え、
さらに、高段側圧縮機構(120)の吐出容量(V2)は、低段側圧縮機構(110)の吐出容量(V1)よりも小さく設定されており、冷媒回路切替手段は、中間圧冷媒通路(14)を開閉する中間圧側開閉弁(14a)および低圧冷媒通路(22)を開閉する低圧側開閉弁(22a)によって構成されていることを特徴とする。
これによれば、2つの開閉弁(14a、22a)によって容易に冷媒回路切替手段を構成することができる。そして、中間圧側開閉弁(14a)により中間圧冷媒通路(14)を開くとともに低圧側開閉弁(22a)により低圧冷媒通路(22)を閉じることで、二段昇圧式冷凍サイクルを第1冷媒回路に切り替えることができ、また、中間圧側開閉弁(14a)により中間圧冷媒通路(14)を閉じるとともに低圧側開閉弁(22a)により低圧冷媒通路(22)を開くことで、二段昇圧式冷凍サイクルを第2冷媒回路に切り替えることができる。
冷媒回路切替手段(14a、22aが、第1冷媒回路に切り替えた際には、前述のエコノマイザ式冷凍サイクルを構成することができる。
また、第2冷媒回路に切り替えた際には、低段側圧縮機構(110)に冷媒吐出能力を発揮させることなく、高段側圧縮機構(120)にて冷媒を昇圧する冷凍サイクルを構成できるので、両圧縮機構(110、120)を1つの電動モータ(130)で回転駆動する小型簡潔な圧縮機構成を採用できる。
さらに、高段側圧縮機構(120)の吐出容量(V2)が、低段側圧縮機構(110)の吐出容量(V1)よりも小さく設定されているので、第1冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替えた際に、サイクルの循環冷媒流量を変化させないように高段側圧縮機構(120)の回転数を増加させることができる。これにより、高段側圧縮機構(120)の圧縮効率を向上させることができる。
従って、必要循環冷媒流量が比較的高く、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成することによるCOP向上効果を充分に得られる場合には、第1冷媒回路に切り替え、必要循環冷媒流量が低下して、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成することによるCOP向上効果を得ることができない場合には、第2冷媒回路に切り替えることで、高段側圧縮機構(120)の圧縮効率の向上によるCOP向上効果を充分に得ることができる。
その結果、必要循環冷媒流量の変化によらず、サイクルの成績係数(COP)を充分に向上させることのできる二段昇圧式冷凍サイクルを提供することができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の二段昇圧式冷凍サイクルにおいて、冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御する冷媒回路制御手段を備え、冷媒回路制御手段は、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力が予め定めた第1基準能力以上となった際に第1冷媒回路へ切り替えるように冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御し、さらに、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力が予め定めた第2基準能力以下になった際に第2冷媒回路へ切り替えるように冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御することを特徴とする。
ここで、冷凍サイクルに要求される冷却能力は、蒸発器(18)にて熱交換対象流体を冷却する構成において、蒸発器(18)入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差に、蒸発器(18)を流通する冷媒流量を積算した値で定義される。また、冷凍サイクルに要求される加熱能力は、放熱器(12)にて熱交換対象流体を加熱する構成において、放熱器(12)入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差に、放熱器(12)を流通する冷媒流量を積算した値で定義される。
従って、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力が増加すると、サイクルを循環させる必要のある必要循環冷媒流量も増加することになる。それゆえ、本請求項のようにサイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力を用いて冷媒回路を切り替えることで、必要循環冷媒流量が比較的高くなっている際に第1冷媒回路に切り替え、必要循環冷媒流量が低下した際に第2冷媒回路に切り替えることを確実に実現できる。
なお、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力は、高段側圧縮機構(120)から吐出される吐出冷媒圧力、低段側圧縮機構(110)へ吸入される吸入冷媒圧力、吐出冷媒圧力と吸入冷媒圧力との圧力差、外気温等から求めることができる。
さらに、請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の二段昇圧式冷凍サイクルにおいて、電動モータ(130)の作動を制御する回転駆動制御手段備え、回転駆動制御手段は、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力の増加に伴って、電動モータ(130)の回転数を増加させるように制御し、冷媒回路制御手段は、電動モータ(130)の回転数が予め定めた第1基準回転数以上となった際に第1冷媒回路へ切り替えるように冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御し、さらに、電動モータ(130)の回転数が予め定めた第2基準回転数以下となった際に第2冷媒回路へ切り替えるように前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御することを特徴とする。
これによれば、回転駆動制御手段が、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力の増加に伴って、電動モータ(130)の回転数を増加させるので、この回転数に応じて冷媒回路を切り替えることで、容易に、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力に応じて冷媒回路を切り替えることができる。
さらに、電動モータ(130)が低段側圧縮機構(110)および高段側圧縮機構(120)の双方を回転駆動するので、双方の圧縮機構(110、120)の回転数を個別に制御する必要がなく、冷媒回路を切り替えた際に、双方の圧縮機構(110、120)の回転数を容易に変化させることができる。さらに、双方の圧縮機構(110、120)を回転駆動するために個別の電動モータ(130)を設ける必要がないので、二段昇圧式冷凍サイクル全体としての小型化を図ることもできる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の二段昇圧式冷凍サイクルにおいて、さらに、冷媒回路切替手段(14a、22aは、中間圧冷媒通路(14)を閉じるとともに低圧冷媒通路(22)を閉じる第3冷媒回路に切替可能に構成されていることを特徴とする。
これによれば、冷媒回路切替手段(14a、22aが、第3冷媒回路に切り替えることによって、中間圧膨張弁(15a)にて減圧された中間圧冷媒を高段側圧縮機構(120)吸入側へ導くことなく、冷媒を低段側圧縮機構(110)→高段側圧縮機構(120)の順に冷媒を多段階に昇圧する冷凍サイクルを構成できる。
このように冷媒を多段階に昇圧する冷凍サイクルでは、双方の圧縮機構(110、120)における吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、双方の圧縮機構の圧縮効率(110、120)を向上させることができるので、COPを向上させることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第1冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第3冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第2冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを冷房運転モード時の冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 第1実施形態の圧縮機の軸方向断面図である。 (a)は、図5のA−A断面図であり、(b)は、図5のB−B断面図である。 吐出容量比に対するCOPの変化を示すグラフである。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第1冷媒回路に切り替えた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第3冷媒回路に切り替えた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第2冷媒回路に切り替えた際の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第1実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルに要求される加熱能力とCOPとの関係を示すグラフである。 第2実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第1冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 第3実施形態の二段昇圧式圧縮機の模式的な構成図である。 第4実施形態の二段昇圧式冷凍サイクルを暖房運転モード時の第1冷媒回路に切り替えた際の全体構成図である。 (a)は、高段側圧縮機構120の回転数Ncおよび必要トルクTrに応じた等効率線図であり、(b)は、回転数Ncの変化に対する圧縮効率の変化を示すグラフである。 圧縮機構の回転数と圧縮効率との関係を示すグラフである。
(第1実施形態)
図1〜11により、本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態では、本発明の二段昇圧式冷凍サイクル10を走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る電気自動車の車両用空調装置1に適用している。この二段昇圧式冷凍サイクル10は、車両用空調装置1において、空調対象空間である車室内へ送風される室内送風空気を冷却あるいは加熱する機能を果たす。
従って、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10は、図1〜3の全体構成図に示すように、車室内を暖房する暖房運転モード(加熱運転モード)、および、図4の全体構成図に示すように、車室内を冷房する冷房運転モード(冷却運転モード)の冷媒回路を切替可能に構成されている。なお、図1〜4では、それぞれ暖房運転モード時および冷房運転モード時における冷媒の流れを実線矢印で示している。
本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10では、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。さらに、この冷媒には圧縮機100を潤滑するための冷凍機油が混入されており、この冷凍機油は冷媒とともにサイクルを循環している。
まず、圧縮機100は、ボンネット内に配置され、二段昇圧式冷凍サイクル10において流体である冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものである。この圧縮機100は、その外殻を形成するケーシング140の内部に、低段側圧縮機構110と高段側圧縮機構120との2つの圧縮機構、および、双方の圧縮機構110、120を回転駆動する回転駆動手段としての電動モータ130を収容して構成された二段昇圧式の電動圧縮機である。
さらに、圧縮機100のケーシング140には、ケーシング140の外部から低段側圧縮機構110へ低圧冷媒を吸入させる吸入ポート144、ケーシング140の外部からケーシング140の内部へ中間圧冷媒を流入させる中間圧ポート145、および高段側圧縮機構120から吐出された高圧冷媒をケーシング140の外部へ吐出させる吐出ポート146が設けられている。なお、圧縮機100の詳細構成については後述する。
圧縮機100の吐出ポート146には、室内凝縮器12の冷媒入口側が接続されている。室内凝縮器12は、後述する車両用空調装置1の室内空調ユニット30の空調ケース31内に配置され、圧縮機100(具体的には、高段側圧縮機構120)から吐出された高圧冷媒を放熱させて、後述する室内蒸発器20を通過した室内送風空気を加熱する放熱器である。
室内凝縮器12の冷媒出口側には、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒の流れを分岐する第1三方継手13aが接続されている。第1三方継手13aは、3つの流入出口を有し、この3つの流入出口のうち1つを冷媒流入口とし、2つを冷媒流出口としたものである。このような三方継手は、各種配管を接合して構成してもよいし、金属ブロックや樹脂ブロックに複数の冷媒通路を設けて構成してもよい。
第1三方継手13aの一方の冷媒流出口には、中間圧膨張弁15aを介して、気液分離器16が接続されている。また、他方の冷媒流出口には、開閉弁17を介して、第2三方継手13bの一方の冷媒流入口が接続されている。
中間圧膨張弁15aは、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧させる可変絞り機構である。具体的には、中間圧膨張弁15aは、絞り開度を変更可能に構成された弁体と、この弁体の絞り開度を変化させるステッピングモータからなる電動アクチュエータとを有して構成されている。また、中間圧膨張弁15aは、後述する空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、中間圧膨張弁15aは、その絞り開度を全閉とすることで、第1三方継手13aの一方の冷媒流出口から気液分離器16の入口側へ至る冷媒配管における冷媒の流れを遮断することができる。これにより、中間圧膨張弁15aは、二段昇圧式冷凍サイクル10の冷媒回路を切り替えることができる。そこで、本実施形態では、中間圧膨張弁15aを、冷房運転モードの冷媒回路と暖房運転モードの冷媒回路を切り替える運転モード切替手段として用いている。
気液分離器16は、中間圧膨張弁15aにて減圧された中間圧冷媒の気液を分離するものである。気液分離器16の気相冷媒出口は、中間圧冷媒通路14を介して、圧縮機100の中間圧ポート145に接続され、液相冷媒出口は、低圧膨張弁15bを介して、第2三方継手13bの他方の冷媒流入口に接続されている。
また、中間圧冷媒通路14には、中間圧側開閉弁14aが配置されている。この中間圧側開閉弁14aは中間圧冷媒通路14を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。なお、中間圧側開閉弁14aは、中間圧冷媒通路14を開いた際に気液分離器16の気相冷媒出口から圧縮機100の中間圧ポート145へ冷媒が流れることのみを許容する逆止弁としての機能を兼ね備えている。
これにより、中間圧側開閉弁14aが中間圧冷媒通路14を開いた際に、圧縮機100側から気液分離器16へ冷媒が逆流することを防止している。もちろん、中間圧側開閉弁14aに逆止弁としての機構を持たせることなく、同様の機能を発揮する逆止弁を中間圧冷媒通路14に配置してもよいし、逆止弁を気液分離器16あるいは圧縮機100と一体的に構成してもよい。
さらに、中間圧側開閉弁14aは、中間圧冷媒通路14における冷媒の流れを遮断して冷媒回路を切り替えることができる。そこで、本実施形態では、中間圧側開閉弁14aを、暖房運転モード時におけるサイクル構成(冷媒回路)を切り替える冷媒回路切替手段として用いている。なお、冷媒回路切替手段は、運転モードを切り替える運転モード切替手段とは異なる機能を担っている。
低圧膨張弁15bは、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒のうち、中間圧膨張弁15aにて中間圧冷媒となるまで減圧されて気液分離器16にて分離された液相冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させる可変絞り機構である。さらに、その基本的構成は、中間圧膨張弁15aと同様である。従って、低圧膨張弁15bは、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、低圧膨張弁15bは、その絞り開度を全閉として気液分離器16の液相冷媒出口から第2三方継手13bの他方の冷媒流入口へ至る冷媒配管における冷媒の流れを遮断して、二段昇圧式冷凍サイクル10の冷媒回路を切り替えることができる。そこで、本実施形態では、低圧膨張弁15bを、中間圧膨張弁15aと同様に、冷房運転モードの冷媒回路と暖房運転モードの冷媒回路を切り替える運転モード切替手段として用いている。
また、第1三方継手13aの他方の冷媒流出口に接続される開閉弁17は、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁であり、開閉弁17の開閉状態によって、二段昇圧式冷凍サイクル10の冷媒回路を切り替えることができる。そこで、本実施形態では、開閉弁17を、中間圧膨張弁15aおよび低圧膨張弁15bとともに、運転モード切替手段として用いている。
第2三方継手13bの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。なお、第2三方継手13bでは、第1三方継手13aに対して、3つの流入出口のうち2つを冷媒流入口とし、1つを冷媒流出口としている。第2三方継手13bの冷媒流出口には、冷媒と車室内空気(外気)とを熱交換させる室外熱交換器18が接続されている。
この室外熱交換器18は、ボンネット内に配置されて、暖房運転モード時には、低圧膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる蒸発器として機能し、冷房運転モード時には、高圧冷媒を放熱させる放熱器として機能する熱交換器である。
室外熱交換器18の出口側には、電気式三方弁19が接続されている。この電気式三方弁19は、空調制御装置から出力される制御電圧によって、その作動が制御されるもので、上述した中間圧膨張弁15a、低圧膨張弁15bおよび開閉弁17とともに、運転モード切替手段を構成している。
より具体的には、電気式三方弁19は、暖房運転モード時には、室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続する冷媒回路に切り替え、冷房運転モード時には、室外熱交換器18の出口側と冷房用膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒回路に切り替える。
第3三方継手13cの基本的構成は、第1三方継手13aと同様である。第3三方継手13cでは、第1三方継手13aに対して、3つの流入出口のうち2つを冷媒流入口とし、1つを冷媒流出口としている。また、冷房用膨張弁15cの基本的構成は、中間圧膨張弁15aおよび低圧膨張弁15bと同様である。
冷房用膨張弁15cの出口側には、室内蒸発器20の冷媒入口側が接続されている。この室内蒸発器20は、室内空調ユニット30の空調ケース31内のうち、室内凝縮器12の室内送風空気流れ上流側に配置されて、冷房運転モード時にその内部を流通する冷媒を蒸発させて、吸熱作用を発揮させることにより室内送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。
室内蒸発器20の出口側には、第3三方継手13cの他方の冷媒流入口が接続され、第3三方継手13cの冷媒流出口には、アキュムレータ21の冷媒入口側が接続されている。アキュムレータ21は、その内部に流入した冷媒の気液を分離して余剰冷媒を蓄える低圧側気液分離器である。さらに、アキュムレータ21の気相冷媒出口には、圧縮機100の吸入ポート144が接続されている。
また、本実施形態では、前述の中間圧冷媒通路14のうち中間圧側開閉弁14aよりも圧縮機100の中間圧ポート145側と、アキュムレータ21の気相冷媒出口から圧縮機100の吸入ポート144へ至る冷媒通路とを接続する低圧冷媒通路22を設けている。換言すると、この低圧冷媒通路22は、低段側圧縮機構110の吸入側と高段側圧縮機構120の吸入側とを接続している。
さらに、この低圧冷媒通路22には、中間圧側開閉弁14aと同様の構成の低圧側開閉弁22aが配置されている。この低圧側開閉弁22aは低圧冷媒通路22を開閉する電磁弁であり、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。さらに、低圧側開閉弁22aは、中間圧側開閉弁14aと同様に、暖房運転モード時にサイクル構成(冷媒回路)を切り替える冷媒回路切替手段を構成している。
次に、室内空調ユニット30について説明する。室内空調ユニット30は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、室内空調ユニット30の外殻を形成するとともに、その内部に車室内に送風される室内送風空気の空気通路を形成する空調ケース31を有している。そして、この空気通路に送風機32、前述の室内凝縮器12、室内蒸発器20等が収容されている。
空調ケース31の室内送風空気流れ最上流側には、車室内空気(内気)と外気とを切替導入する内外気切替装置33が配置されている。この内外気切替装置33は、空調ケース31内に内気を導入させる内気導入口および外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させるものである。
内外気切替装置33の空気流れ下流側には、内外気切替装置33を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機32が配置されている。この送風機32は、遠心多翼ファン(シロッコファン)を電動モータにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機32の空気流れ下流側には、前述の室内蒸発器20および室内凝縮器12が、室内送風空気の流れに対して、室内蒸発器20→室内凝縮器12の順に配置されている。換言すると、室内蒸発器20は、室内凝縮器12に対して、室内送風空気の空気流れ上流側に配置されている。
さらに、室内蒸発器20の空気流れ下流側であって、かつ、室内凝縮器12の空気流れ上流側には、室内蒸発器20にて冷却された冷風のうち、室内凝縮器12にて再加熱される風量の割合を調整するエアミックスドア34が配置されている。また、室内凝縮器12の空気流れ下流側には、室内凝縮器12を通過して加熱された温風と室内凝縮器12を迂回して加熱されていない冷風とを混合させる混合空間35が設けられている。
また、空調ケース31の空気流れ最下流部には、混合空間35にて混合された空調風を、冷却対象空間である車室内へ吹き出す吹出口が配置されている。具体的に、この吹出口としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)が設けられている。
従って、エアミックスドア34が室内凝縮器12を通過させる風量の割合を調整することによって、混合空間35にて混合された空調風の温度が調整され、その結果、各吹出口から吹き出される空調風の温度が調整される。なお、エアミックスドア34は、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないエアミックスドア用のサーボモータによって駆動される。
さらに、フェイス吹出口、フット吹出口、およびデフロスタ吹出口の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、図示しないリンク機構を介して、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しない吹出口モードドア用のサーボモータによって駆動される。
次に、図5、6を用いて、本実施形態の圧縮機100の詳細構成について説明する。なお、図5は、圧縮機100の軸方向断面図であり、図5中の上下の各矢印は、圧縮機100を車両に搭載した状態における上下の各方向を示している。また、図6(a)は、図5のA−A断面図であり、図6(b)は、図5のB−B断面図である。
この圧縮機100は、固定容量型圧縮機構であるローリングピストン型圧縮機構からなる低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120、並びに、双方の圧縮機構110、120を回転駆動する回転駆動手段としての電動モータ130等を、圧縮機100の外殻を形成するケーシング140内に形成された収容空間150の内部に収容して構成されたものである。
まず、ケーシング140は、その軸方向が水平方向に延びる筒状部材141、筒状部材141の低段側圧縮機構110側の開口部を塞ぐ低段側蓋部材142、および筒状部材141の高段側圧縮機構120側の開口部を塞ぐ高段側蓋部材143を有している。そして、これらを溶接等の接合手段により一体に接合して密閉容器構造とすることで、内部に収容空間150を形成している。
さらに、筒状部材141の外周面には、内外を貫通する貫通穴が形成されており、この貫通穴によって、ケーシング140の外部である気液分離器16側から収容空間150内へ中間圧冷媒を流入させる中間圧ポート145が形成されている。従って、収容空間150内は中間圧冷媒雰囲気となる。また、ケーシング140のうち低段側蓋部材142の外表面には、インバータ160が取り付けられている。
インバータ160は、空調制御装置から出力される制御信号に応じた周波数の交流電流を電動モータ130に対して出力するもので、この周波数制御によって圧縮機100(具体的には、電動モータ130)の回転数が制御される。すなわち、この周波数制御によって圧縮機100の冷媒吐出能力が制御される。
さらに、このインバータ160は、インバータ160の外表面のうち一つの端面のほぼ全域が、低段側蓋部材142の外表面に密着するように取り付けられている。これにより、インバータ160と収容空間150内の冷媒との間の熱移動を可能とし、収容空間150内の中間圧冷媒によってインバータ160が冷却されるようになっている。
電動モータ130は、固定子をなすステータ132、および、回転子をなすロータ133を有している。ステータ132は、磁性材からなるステータコア132aおよびステータコア132aに巻き付けられたステータコイル132bによって構成されている。ロータ133は、回転軸方向に延びる略円筒状に形成され、ステータ132の内周側に配置されている。
さらに、ロータ133は、永久磁石を有して構成されており、その中心部に設けられた貫通穴に、電動モータ130から双方の圧縮機構110、120へ回転駆動力を伝達する回転駆動軸であるシャフト131が圧入により固定されている。従って、ステータコイル132bに電力が供給されて回転磁界が発生すると、ロータ133およびシャフト131が一体となって回転する。
シャフト131は、ロータ133よりも回転軸方向長さが長く形成されており、ロータ133よりも低段側圧縮機構110側の部位にて、低段側軸受部134によって回転可能に支持され、ロータ133よりも高段側圧縮機構120側の部位にて、高段側軸受部135によって回転可能に支持されている。
さらに、シャフト131の低段側圧縮機構110側の端部には、シャフト131の回転中心に対して偏心した低段側偏心部131aが形成されており、シャフト131の高段側圧縮機構120側の端部には、シャフト131の回転中心に対して偏心した高段側偏心部131bが形成されている。
これらの低段側偏心部131aおよび高段側偏心部131bは、それぞれ低段側圧縮機構110および低段側圧縮機構120との連結部を構成している。従って、本実施形態の圧縮機100では、双方の圧縮機構110、120が電動モータ130を水平方向両側から挟み込むように、シャフト131の両端側に配置されることになる。
低段側圧縮機構110は、低圧冷媒を中間圧冷媒となるまで圧縮して吐出するもので、その軸方向が水平方向に延びる略筒状の低段側シリンダ111、低段側シリンダ111の内周側に配置される円筒状の低段側ロータ112、低段側シリンダ111および低段側ロータ112とともに低段側の冷媒圧縮空間117を区画する低段側ベーン113等を有して構成されている。
この低段側シリンダ111のうち電動モータ130側には、その中心部に低段側軸受部134が固定された低段側軸受プレート114が配置されており、低段側シリンダ111のうち電動モータ130の反対側には、低段側冷媒吐出口115aが形成された低段側吐出プレート115が配置されている。これにより、低段側シリンダ111の内周側に低段側ロータ112が収容される空間が形成されている。
また、低段側ロータ112の中心部には、シャフト131の低段側偏心部131aが挿入される挿入穴が設けられている。そして、この挿入穴に低段側偏心部131aが回転可能に挿入されることによって、シャフト131と低段側ロータ112が連結されている。これにより、低段側ロータ112は、シャフト131の回転に伴って、その円筒外周面を低段側シリンダ111の内周面に接触させながら、円柱状空間内で偏心回転する。
さらに、図6(a)に示すように、低段側シリンダ111の内周側には、径方向に陥没する陥没穴が形成されており、この陥没穴には、低段側スプリング116および低段側ベーン113が収容されている。また、陥没穴は収容空間150と連通しており、ベーン113の背面には中間圧が付加される。よって、低段側ベーン113の先端は、低段側スプリング116の荷重と背圧によって、常時、低段側ロータ112の外周面に接触している。
従って、低段側シリンダ111と低段側ロータ112との接触部、低段側ベーン113と低段側ロータ112との接触部、低段側軸受プレート114および低段側吐出プレート115によって囲まれた空間により、低圧冷媒を圧縮するための低段側の冷媒圧縮空間117が形成される。
また、低段側シリンダ111の円筒状壁面には、低段側圧縮空間117内に低圧冷媒を吸入させる低段側冷媒吸入口111aが形成されている。この低段側冷媒吸入口111aには、図6(a)に示すように、吸入通路を構成する吸入配管118を介して、前述の吸入ポート144が接続されている。
また、低段側吐出プレート115に形成された低段側冷媒吐出口115aは、ケーシング140内の収容空間150内に開口している。さらに、低段側冷媒吐出口115aには、低段側冷媒吐出口115aからケーシング140内の収容空間150へ冷媒が流れることのみを許容する低段側リード弁115bが配置されている。
従って、低段側圧縮機構110では、シャフト131の回転に伴って、低段側の冷媒圧縮空間117が低段側冷媒吸入口111a側から低段側冷媒吐出口115a側へ体積を縮小させながら移動することによって冷媒が圧縮され、低段側リード弁115bの開弁圧を超えると、低段側冷媒吐出口115aからケーシング140内の収容空間150内へ冷媒が吐出される。
高段側圧縮機構120は、収容空間150内の中間圧冷媒を高圧冷媒となるまで圧縮して吐出するもので、その基本的構成は、低段側圧縮機構110と同様である。従って、高段側圧縮機構120も、低段側圧縮機構110と同様の構成の高段側シリンダ121、高段側ロータ122、高段側ベーン123、高段側軸受プレート124、高段側吐出プレート125、高段側スプリング126等を有して構成されている。
さらに、高段側シリンダ121の円筒状側面には、図6(b)に示すように、高段側の冷媒圧縮空間127内に中間圧冷媒を吸入させる高段側冷媒吸入口121aが開口している。高段側吐出プレート125に形成された高段側冷媒吐出口125aには、高段側冷媒吐出口125aから吐出通路側へ冷媒が流れることのみを許容する高段側逆止弁として機能する高段側リード弁125bが配置されている。
そして、高段側冷媒吐出口125aは、ケーシング140の内部で収容空間150と後述する油分離空間170とを区画する区画プレート171に形成された吐出通路128および油分離空間170を介して、前述の吐出ポート146に接続されている。
従って、高段側圧縮機構120では、シャフト131の回転に伴って、高段側の冷媒圧縮空間127が高段側冷媒吸入口121a側から高段側冷媒吐出口125a側へ体積を縮小させながら移動することによって冷媒が圧縮され、高段側リード弁125bの開弁圧を超えると、高段側冷媒吐出口125aから、油分離空間170および吐出ポート146を介して、圧縮機100の外部へ冷媒が吐出される。
油分離空間170は、吐出通路128と吐出ポート146との間に形成され、高段側圧縮機構120から吐出された冷媒から冷凍機油を分離する分離空間である。より具体的には、吐出通路128から吐出された高圧冷媒を高段側蓋部材143に衝突させて高圧冷媒の流速を低下させ、さらに、重力の作用によって気相冷媒よりも比重の高い冷凍機油を下方側に落下させて貯める、いわゆる衝突方式の油分離器を構成する空間である。
従って、吐出ポート146は、油分離空間170に溜まる冷凍機油の油面の上方側に形成されている。さらに、油分離空間170には、油分離空間170に貯められた冷凍機油を低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120の摺動部位へ導くための油導入配管172が配置されている。
さらに、本実施形態では、図5に示すように、高段側シリンダ121の内径寸法と低段側シリンダ111の内径寸法とを略同等とし、高段側シリンダ121および高段側ロータ122の軸方向寸法を、低段側シリンダ111および低段側ロータ112の軸方向寸法よりも短く形成している。つまり、本実施形態の高段側圧縮機構120の吐出容量V2は、低段側圧縮機構110の吐出容量V1よりも小さく設定されている。
ここで、二段昇圧式冷凍サイクル10が、低段側圧縮機構110へ低圧冷媒を吸入させ、中間圧ポート145から収容空間150内へ中間圧冷媒を流入させ、高段側圧縮機構120へ低段側圧縮機構110から吐出された中間圧冷媒と中間圧ポート145から流入した中間圧冷媒との混合冷媒を吸入させるサイクル(前述のエコノマイザ式冷凍サイクル)を構成している際には、低圧冷媒、中間圧冷媒、高圧冷媒の圧力比によって、サイクルの成績係数(COP)が変化することが知られている。
より具体的には、この種のエコノマイザ式冷凍サイクルでは、中間圧冷媒の圧力を、高圧冷媒と低圧冷媒の圧力の積の平方根程度になるように調整することで、COPが極大値に近づくことが知られている。
これに対して、本実施形態では、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120を共通する電動モータ130にて回転駆動する構成を採用しているので、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120の回転数が一致する。従って、低段側圧縮機構110の吐出容量V1および高段側圧縮機構120の吐出容量V2を変化させることで、上述の低圧冷媒、中間圧冷媒、高圧冷媒の圧力比を容易に変化させることができる。
さらに、本発明者らの検討によれば、図7に示すように、低段側圧縮機構110の吐出容量V1に対する高段側圧縮機構120の吐出容量V2の吐出容量比V2/V1が、0.6〜0.7程度になると、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される室内送風空気の加熱能力が予め想定された通常の能力となる通常運転時においても、あるいは、通常運転時よりも高くなる高負荷運転時においてもCOPが極大値に近づく。
そこで、本実施形態では、0.4≦V2/V1≦0.9となるように、低段側圧縮機構110の吐出容量V1および高段側圧縮機構120の吐出容量V2を設定している。より好ましくは、0.5≦V2/V1≦0.8となるように、低段側圧縮機構110の吐出容量V1および高段側圧縮機構120の吐出容量V2を設定すればよい。
なお、図7は、吐出容量比V2/V1の変化に対するCOPの変化を示すグラフである。また、圧縮機構の吐出容量とは、圧縮機構が一回転あたりに吐出する理論流量(押し除け容積)であって、幾何学的に算出される流量で表すことができる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。図示しない空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種空調制御機器(圧縮機100、運転モード切替手段15a、15b、17、19、冷媒回路切替手段14a、22a、送風機32等)の作動を制御する。
また、空調制御装置の入力側には、車室内温度を検出する内気センサ、外気温を検出する外気センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、室内蒸発器20からの吹出空気温度(蒸発器温度)を検出する蒸発器温度センサ、圧縮機100から吐出された高圧冷媒圧力を検出する吐出圧センサ、圧縮機100へ吸入される吸入冷媒圧力を検出する吸入圧センサ等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された図示しない操作パネルが接続され、この操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネルに設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置1の作動スイッチ、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ、冷房運転モードと暖房運転モードとの選択スイッチ等が設けられている。
なお、空調制御装置は、その出力側に接続された各種空調制御機器の作動を制御する制御手段が一体に構成され、これらの作動を制御するものであるが、本実施形態では、空調制御装置のうち、圧縮機100の電動モータ130(具体的には、インバータ160)の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が回転駆動制御手段を構成している。
さらに、運転モード切替手段(具体的には、中間圧膨張弁15a、低圧膨張弁15b、開閉弁17および電気式三方弁19)の作動を制御する構成が運転モード制御手段を構成し、冷媒回路切替手段(具体的には、中間圧側開閉弁14aおよび低圧側開閉弁22a)の作動を制御する構成が冷媒回路制御手段を構成している。もちろん、回転駆動制御手段、運転モード制御手段および冷媒回路制御手段を空調制御装置に対して別体の制御装置として構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態の車両用空調装置1の作動について説明する。本実施形態の車両用空調装置では、前述の如く、車室内を暖房する暖房運転モードおよび車室内を冷房する冷房運転モードに切り替えることができる。
まず、暖房運転モードについて説明する。暖房運転モードは、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)された状態で、選択スイッチによって暖房運転モードが選択されると開始される。暖房運転モードが開始されると、運転モード制御手段が運転モード切替手段を構成する中間圧膨張弁15a、低圧膨張弁15b、開閉弁17および電気式三方弁19の作動状態を切り替える。
具体的には、中間圧膨張弁15aおよび低圧膨張弁15bを絞り状態として、その絞り通路面積開度を予め定めた開度とし、開閉弁17を閉じ、電気式三方弁19を室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続するように切り替える。これにより、暖房運転モード時の二段昇圧式冷凍サイクル10では、室内凝縮器12を放熱器として機能させ、室外熱交換器18を蒸発器として機能させるサイクルに切り替えられる。
さらに、本実施形態の暖房運転モードでは、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される室内送風空気の加熱能力に応じて、冷媒回路制御手段が冷媒回路切替手段を構成する中間圧側開閉弁14aおよび低圧側開閉弁22aの作動状態を切り替える。これにより、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10は、以下に説明する第1〜第3冷媒回路の3種類の冷媒回路に切り替えられる。
(a)暖房運転モードの第1冷媒回路
第1冷媒回路は、暖房運転モード時に二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が、予め想定された通常の能力となる通常運転時、あるいは、通常運転時よりも高くなる高負荷運転時に切り替えられるサイクルである。さらに、第1冷媒回路は、暖房運転モードでの運転が開始された際の初期状態のサイクル構成でもある。なお、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10の通常運転時の出力は2.0〜2.5kW程度である。
具体的には、暖房運転モードでの運転が開始された際、あるいは、暖房運転モードが第2、第3冷媒回路から第1冷媒回路に切り替える際には、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを開くとともに、低圧側開閉弁22aを閉じる。これにより、図1に示すように、中間圧冷媒通路14に気液分離器16から流出した中間圧気相冷媒が流通可能となり、低圧冷媒通路22が遮断される。
この冷媒回路構成(サイクル構成)で、空調制御装置が上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込む。そして、検出信号および操作信号の値に基づいて車室内へ吹き出す空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算出する。さらに、算出された目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
例えば、送風機32の目標送風量、すなわち送風機32の電動モータに出力する制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
また、圧縮機100の冷媒吐出能力、すなわち圧縮機100の電動モータ130に接続されたインバータ160に出力する制御信号については、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力の増加に伴って、電動モータ130の回転数を増加させるように制御する。
より具体的には、目標吹出温度TAO、圧縮機100から吐出された高圧冷媒圧力、圧縮機100へ吸入される吸入冷媒圧力、外気温に基づいて、予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOの上昇、吐出冷媒圧力の上昇、吸入冷媒圧力の低下、外気温の低下に伴って、電動モータ130の回転数を増加させるようにインバータ160へ出力する制御信号を決定する。
また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO、室内蒸発器20からの吹出空気温度の検出値および圧縮機100から吐出される冷媒温度の検出値を用いて、車室内へ吹き出される空気の温度が車室内温度設定スイッチによって設定された乗員の所望の温度となるように決定される。なお、暖房運転モードでは、送風機32から送風された室内送風空気の全風量が室内凝縮器12を通過するように、エアミックスドア34の開度を制御してもよい。
そして、上記の如く決定された制御電圧および制御信号を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
従って、二段昇圧式冷凍サイクル10では、図8のモリエル線図に示すように、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒(図8のa28点)が室内凝縮器12へ流入して放熱する(図8のa8点→b8点)。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20を通過した室内送風空気が加熱される。
室内凝縮器12から流出した冷媒は、開閉弁17が閉じられているので、中間圧膨張弁15aへ流入して、中間圧冷媒となるまで減圧膨張される(図8のb8点→c8点)。中間圧膨張弁15aにて減圧膨張された中間圧冷媒は、気液分離器16にて気液分離される(図8のc8点→d8点およびc8点→e8点)。
そして、気液分離器16にて分離された気相冷媒は、圧縮機100の中間圧ポート145から圧縮機100の内部へ流入し、圧縮機100の内部で低段側圧縮機構110吐出冷媒(図8のa08点)と合流して(図8のa18点)、高段側圧縮機構120へ吸入されていく。一方、気液分離器16にて分離された液相冷媒は低圧膨張弁15bへ流入して、低圧冷媒となるまで減圧膨張される(図8のe8点→f8点)。
低圧膨張弁15bにて減圧膨張された低圧冷媒は、第2三方継手13bを介して、室外熱交換器18へ流入する。室外熱交換器18へ流入した低圧冷媒は、外気から吸熱して蒸発する(図8のf8点→h8点)。
室外熱交換器18から流出した冷媒は、電気式三方弁19が室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続する冷媒流路に切り替えられているので、第3三方継手13cを介して、アキュムレータ21へ流入する。そして、アキュムレータ21から流出した冷媒(図8のh8点)は、圧縮機100の吸入ポート144から吸入されて再び圧縮される。
なお、アキュムレータ21へ流入した冷媒は、サイクルに要求される加熱能力の変動あった際等に気液分離され、サイクルの作動が安定するとアキュムレータ21へ流入する冷媒の状態とアキュムレータ21から流出する冷媒の状態は略同一となる。つまり、図8では、サイクルの作動が安定した状態を図示している。
以上の如く、第1冷媒回路に切り替えた際には、室内凝縮器12にて圧縮機100の高段側圧縮機構120から吐出された冷媒の有する熱量を室内送風空気に放熱させて、加熱された室内送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。
さらに、第1冷媒回路では、低圧膨張弁15bにて減圧された低圧冷媒を低段側圧縮機構110へ吸入させ、中間圧膨張弁15aにて減圧された中間圧冷媒と低段側圧縮機構110から吐出された中間圧冷媒との混合冷媒を高段側圧縮機構120へ吸入させる、前述のエコノマイザ式冷凍サイクルを構成することができる。
従って、高段側圧縮機構120に、温度の低い混合冷媒を吸入させることによって、高段側圧縮機構120の圧縮効率を向上させることができるとともに、双方の圧縮機構110、120における吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、双方の圧縮機構110、120の圧縮効率を向上させることができる。その結果、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを向上させることができる。
(b)暖房運転モードの第3冷媒回路
ここで、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される室内送風空気の加熱能力は、室内凝縮器12入口側冷媒のエンタルピと出口側冷媒のエンタルピとのエンタルピ差に、室内凝縮器12を流通する冷媒流量を積算した値で表される。
従って、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が通常運転時よりも低下した低負荷運転時には、サイクルを循環させる必要のある必要循環冷媒流量を低下させればよい。つまり、二段昇圧式冷凍サイクル10が低負荷運転時となった際には、必要循環冷媒流量に応じて圧縮機構の回転数を低下させればよい。
ところが、前述の如く、圧縮機構の回転数を低下させると、双方の圧縮機構110、120の圧縮効率も低下してしまう。その結果、二段昇圧式冷凍サイクル10を第1冷媒回路に切り替えて、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成しても、要求される室内送風空気の加熱能力が低下すると、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを向上させることができなくなってしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10では、暖房運転モード時に第1冷媒回路となっている状態で、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が第3基準能力以下となった際に、低負荷運転時になったものとして第3冷媒回路に切り替えるようにしている。なお、この「第3」という用語は、特許請求の範囲に記載された用語と整合を図るために「第2」という用語に先立って使用している。また、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10の低負荷運転時の出力は1.5〜2.0kW程度である。
また、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力は、圧縮機100から吐出された高圧冷媒圧力、圧縮機100へ吸入される吸入冷媒圧力、外気温等から求めることができる。さらに、前述の如く、本実施形態では、圧縮機100の電動モータ130の回転数をこれらのパラメータに基づいて決定している。
そこで、本実施形態では、双方の圧縮機構110、120の回転数が予め定めた第3基準回転数以下となった際に、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が第3基準能力以下となったものとして、第3冷媒回路に切り替えるようにしている。この第3基準回転数は、通常運転時に想定される回転数よりも低い値に設定されている。
また、具体的に、二段昇圧式冷凍サイクル10を第3冷媒回路に切り替える際には、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを閉じ、低圧側開閉弁22aを閉じる。これにより、図2に示すように、中間圧冷媒通路14および低圧冷媒通路22の双方が遮断される。
この冷媒回路構成(サイクル構成)で、空調制御装置が、第1冷媒回路に切り替えられているときと同様に、空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込み、目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
さらに、第3冷媒回路に切り替えられている際には、圧縮機100の電動モータ130に接続されたインバータ160に出力する制御信号については、第1冷媒回路に切り替えられている際に決定される制御信号よりも、電動モータ130の回転数が増加するように決定される。
ここで、第3冷媒回路における回転数の増加量分について説明する。二段昇圧式冷凍サイクル10が第3冷媒回路に切り替えられると、中間圧冷媒通路14が遮断されるので、高段側圧縮機構120は、低段側圧縮機構110が吐出した中間圧冷媒を吸入することになる。さらに、低段側圧縮機構110が吐出した中間圧冷媒は、第1冷媒回路に切り替えられている際に高段側圧縮機構120が吸入する混合冷媒よりも密度が低くなる。
そのため、第1冷媒回路から第3冷媒回路へ切り替えた際に、圧縮機100の電動モータ130の回転数を増加させないと、圧縮機100に必要循環冷媒流量を吐出させることができなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、第1冷媒回路から第3冷媒回路に切り替えた際に、圧縮機100が必要循環冷媒流量を吐出することができるように回転数を増加させている。その他の各種空調制御機器の作動状態の決定、および、その他の制御態様については、第1冷媒回路に切り替えられている際と同様である。
従って、第3冷媒回路に切り替えられた際の二段昇圧式冷凍サイクル10では、図9のモリエル線図に示すように、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒(図9のa29点)が室内凝縮器12へ流入して放熱する(図9のa29点→b9点)。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20を通過した室内送風空気が加熱される。
さらに、室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1冷媒回路に切り替えられている際と同様に、中間圧膨張弁15aにて中間圧冷媒となるまで減圧膨張され、気液分離器16へ流入する。なお、第3冷媒回路に切り替えられている際にサイクルの作動が安定すると、気液分離器16へ流入する冷媒の状態と気液分離器16から流出する冷媒の状態は略同一となる。つまり、図9では、サイクルの作動が安定した状態を図示している。
気液分離器16へ流入した冷媒は、中間圧側開閉弁14aが閉じているので、圧縮機100の中間圧ポート145側へ流出することはなく、低圧膨張弁15bへ流入して低圧冷媒となるまで減圧膨張される(図9のc9点→f9点)。低圧膨張弁15bにて減圧された冷媒は、第1冷媒回路に切り替えられている際と同様に、室外熱交換器18へ流入し、外気から吸熱して蒸発する(図9のf9点→h9点)。
さらに、室外熱交換器18から流出した冷媒は、アキュムレータ21を介して、圧縮機100の吸入ポート144から吸入される。圧縮機100の吸入ポート144から吸入された冷媒は、低段側圧縮機構110にて昇圧され、中間圧ポート145から流入した冷媒と合流することなく、高段側圧縮機構120へ吸入される(図9のh9点→a09点)。
以上の如く、第3冷媒回路に切り替えた際には、室内凝縮器12にて圧縮機100の高段側圧縮機構120から吐出された冷媒の有する熱量を室内送風空気に放熱させて、加熱された室内送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。
さらに、第3冷媒回路では、要求される室内送風空気の加熱能力の低下に伴って、双方の圧縮機構110、120の回転数を低下させる際にも第1冷媒回路に対して、双方の圧縮機構110、120の回転数を増加させて、圧縮効率の低下を抑制できる。また、双方の圧縮機構110、120における吸入冷媒圧力と吐出冷媒圧力との圧力差を縮小させて、双方の圧縮機構110、120の圧縮効率を向上させることができる。その結果、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを向上させることができる。
また、第3冷媒回路に切り替えられている状態で、双方の圧縮機構110、120の回転数が予め定めた第1基準回転数以上となった際には、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が通常運転時に想定される通常の能力の下限値に相当する第1基準能力以上になったものとして、第1冷媒回路に切り替えて、上記(a)にて説明した制御を行う。なお、第1基準回転数は、第3基準回転数よりも高い値に設定される。
(c)暖房運転モードの第2冷媒回路
第2冷媒回路は、暖房運転モード時に第3冷媒回路となっている状態で、さらに、要求される室内送風空気の加熱能力が低下して極低負荷運転時となり、圧縮機構の回転数をさらに低下させる必要が生じた際に、双方の圧縮機構110、120の圧縮効率が低下して二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを向上させることができなくなってしまうことを抑制するために切り替えられる冷媒回路である。
本実施形態では、暖房運転モード時に第3冷媒回路となっている状態で、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が第2基準能力以下となった際に極低負荷運転時になったものとして、第2冷媒回路に切り替えるようにしている。なお、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10の極低負荷運転時の出力は1.0〜1.5kW程度である。
より具体的には、第1冷媒回路から第3冷媒回路への切り替えと同様に、双方の圧縮機構110、120の回転数が予め定めた第2基準回転数以下となった際に、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が第2基準能力以下となったものとして、第2冷媒回路に切り替えるようにしている。なお、第2基準回転数は、通常運転時に想定される回転数よりも低く、さらに、第3基準回転数よりも低い値に設定されている。
また、二段昇圧式冷凍サイクル10を第2冷媒回路に切り替える際には、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを閉じ、低圧側開閉弁22aを開く。これにより、図3に示すように、低圧冷媒通路22を介して、低段側圧縮機構110の吸入側と吐出側とが連通するサイクルが構成され、低段側圧縮機構110が冷媒吐出能力を発揮することなく、高段側圧縮機構120にて冷媒を昇圧するサイクルが構成される。
この冷媒回路構成(サイクル構成)で、空調制御装置が、第1、第3冷媒回路に切り替えられているときと同様に、空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込み、目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
さらに、第2冷媒回路に切り替えられている際には、低段側圧縮機構110が冷媒吐出能力を発揮することなく、低段側圧縮機構110よりも吐出容量の小さい高段側圧縮機構120にて冷媒を昇圧するので、圧縮機100の電動モータ130に接続されたインバータ160に出力する制御信号については、第3冷媒回路に切り替えられている際に決定される制御信号よりも、電動モータ130の回転数が増加するように決定される。
具体的には、電動モータ130の回転数は、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える際あるいは切り替える直前の回転数を、低段側圧縮機構110の吐出容量V1に対する高段側圧縮機構120の吐出容量V2の吐出容量比V2/V1で除算した値として決定することができる。その他の各種空調制御機器の作動状態の決定、および、その他の制御態様については、第1、第3冷媒回路に切り替えられている際と同様である。
従って、第2冷媒回路に切り替えられた際の二段昇圧式冷凍サイクル10では、図10のモリエル線図に示すように、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒(図10のa210点)が室内凝縮器12へ流入して放熱する(図10のa210点→b10点)。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20を通過した室内送風空気が加熱される。
さらに、室内凝縮器12から流出した冷媒は、第1、第3冷媒回路に切り替えられている際と同様に、中間圧膨張弁15aにて中間圧冷媒となるまで減圧膨張され、気液分離器16へ流入する。なお、第2冷媒回路に切り替えられている際にサイクルの作動が安定すると、気液分離器16へ流入する冷媒の状態と気液分離器16から流出する冷媒の状態は略同一となる。つまり、図10では、サイクルの作動が安定した状態を図示している。
気液分離器16へ流入した冷媒は、中間圧側開閉弁14aが閉じているので、圧縮機100の中間圧ポート145側へ流出することはなく、低圧膨張弁15bへ流入して低圧冷媒となるまで減圧膨張される(図10のc10点→f10点)。低圧膨張弁15bにて減圧された冷媒は、第1冷媒回路に切り替えられている際と同様に、室外熱交換器18へ流入し、外気から吸熱して蒸発する(図10のf10点→a010点)。
室外熱交換器18から流出した冷媒は、低圧側開閉弁22aが開いているので、アキュムレータ21を介して、圧縮機100の吸入ポート144および中間圧ポート145から吸入される。
この際、低段側圧縮機構110については、その吸入側と吐出側とが低圧冷媒通路22を介して連通することになるので、いわゆる空打ち状態となり、冷媒吐出能力を発揮しない。従って、アキュムレータ21にて分離された気相冷媒は、実質的に、中間圧ポート145から高段側圧縮機構120へ吸入され、再び圧縮される。
以上の如く、第2冷媒回路に切り替えた際には、室内凝縮器12にて圧縮機100の高段側圧縮機構120から吐出された冷媒の有する熱量を室内送風空気に放熱させて、加熱された室内送風空気を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の暖房を実現することができる。
さらに、第2冷媒回路では、要求される室内送風空気の加熱能力の低下に伴って、双方の圧縮機構110、120の回転数を低下させる必要がある際にも、低段側圧縮機構110の冷媒吐出能力を発揮させず、高段側圧縮機構120によって冷媒を昇圧する単段圧縮式のサイクル構成に切り替えるので、高段側圧縮機構120の回転数を増加させることができる。
より詳細には、高段側圧縮機構120の吐出容量V2が、低段側圧縮機構110の吐出容量V1よりも小さく設定されているので、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替えた際に、圧縮機100に必要循環冷媒流量を吐出させるために高段側圧縮機構120の回転数を増加させることができる。これにより、前述の図16の圧縮機構の回転数と圧縮効率との関係を示すグラフから明らかなように、高段側圧縮機構120の圧縮効率を向上させることができる。
また、第2冷媒回路に切り替えられている状態で、高段側圧縮機構120の回転数が予め定めた第4基準回転数以上となった際には、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が上昇したものとして、第3冷媒回路に切り替えて、上記(b)にて説明した制御を行う。なお、第4基準回転数は、第2基準回転数よりも高い値に設定されている。
次に、冷房運転モードについて説明する。冷房運転モードは、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)された状態で、選択スイッチによって冷房運転モードが選択されると開始する。冷房運転モードが開始されると、運転モード制御手段が運転モード切替手段を構成する中間圧膨張弁15a、低圧膨張弁15b、開閉弁17および電気式三方弁19の作動状態を切り替える。
具体的には、中間圧膨張弁15a、低圧膨張弁15bを全閉状態とし、開閉弁17を開き、電気式三方弁19を室外熱交換器18の出口側と冷房用膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒回路に切り替え、冷房用膨張弁15cを冷媒を減圧膨張させる絞り状態として、その絞り通路面積開度を予め定めた開度とする。さらに、冷媒回路制御手段が冷媒回路切替手段を構成する中間圧側開閉弁14aおよび低圧側開閉弁22aを閉じる。
これにより、図4の実線矢印に示すように冷媒が流れる。この状態で、空調制御装置が、暖房運転モードと同様に、所定の制御周期毎に、検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを車両用空調装置の作動停止が要求されるまで繰り返す。
この際、二段昇圧式冷凍サイクル10では、圧縮機100の吐出ポート146から吐出された高圧冷媒が室内凝縮器12へ流入して放熱する。これにより、送風機32から送風されて室内蒸発器20にて冷却された冷風のうち、室内凝縮器12を通過する冷風が加熱される。
室内凝縮器12から流出した高圧冷媒は、第1、2電気式膨張弁15a、15bが全閉状態になっているとともに開閉弁17が開いているので、第1三方継手13a→開閉弁17→第2三方継手13bの順に流れて、室外熱交換器18へ流入する。室外熱交換器18へ流入した冷媒は外気と熱交換してさらに冷却されて、そのエンタルピを低下させる。
室外熱交換器18から流出した冷媒は、電気式三方弁19が、室外熱交換器18の出口側と冷房用膨張弁15cの入口側とを接続する冷媒回路に切り替えられているとともに冷房用膨張弁15cが絞り状態となっているので、冷房用膨張弁15cにて低圧冷媒となるまで減圧膨張される。
冷房用膨張弁15cにて減圧膨張された低圧冷媒は、室内蒸発器20へ流入して送風機32から送風された室内送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、室内送風空気が冷却される。室内蒸発器20から流出した冷媒は、第3三方継手13cを介してアキュムレータ21へ流入して気液分離される。そして、分離された気相冷媒が圧縮機100の吸入ポート144から吸入されて再び圧縮される。
以上の如く、本実施形態の車両用空調装置1では、冷房運転モード時に、室内蒸発器20にて室内送風空気を冷却するとともに、エアミックスドア34の開度を調整することによって、室内蒸発器20にて冷却された冷風を室内凝縮器12にて再加熱して、乗員の所望の温度となった空調風を車室内へ吹き出すことができる。これにより、車室内の冷房を実現することができる。
さらに、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10は、以上の如く作動するので、以下のような優れた効果を得ることができる。
本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10によれば、暖房運転モード時に第1冷媒回路に切り替えることによって、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成することができ、第3冷媒回路に切り替えることによって、双方の圧縮機構110、120にて直列的に冷媒を多段階に昇圧する冷凍サイクルを構成することができ、第2冷媒回路に切り替えることによって、高段側圧縮機構120にて冷媒を昇圧する単段圧縮式の通常の冷凍サイクルを構成することができる。
そして、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力の低下、すなわち、圧縮機構の回転数の低下に伴って、第1冷媒回路→第3冷媒回路→第2冷媒回路の順にサイクル構成を切り替え、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力の上昇、すなわち、圧縮機構の回転数の上昇に伴って、第2冷媒回路→第3冷媒回路→第1冷媒回路の順にサイクル構成を切り替えている。
従って、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力が変化して、必要循環冷媒流量が変化しても、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを充分に向上させることができる。つまり、必要循環冷媒流量が比較的高い通常運転時あるいは高負荷運転時には、エコノマイザ式冷凍サイクルを構成することによってCOPを充分に向上させることができる。
また、必要循環冷媒流量が通常運転時よりも低下する低負荷運転時には、冷媒を低段側圧縮機構110→高段側圧縮機構120の順に多段階に昇圧するサイクルを構成し、双方の圧縮機構の回転数を増加させることによって、双方の圧縮機構110、120の圧縮効率を向上させることによって、COPを向上させることができる。
さらに、必要循環冷媒流量が低負荷運転時よりもさらに低下する極低負荷運転時には、高段側圧縮機構120にて冷媒を昇圧する単段昇圧式の冷凍サイクルを構成し、高段側圧縮機構120の回転数を増加させることによって、高段側圧縮機構120の圧縮効率を向上させることによって、COPを向上させることができる。
その結果、図11に示すように、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力によらず、すなわち必要循環冷媒流量によらずCOPを向上させることができる。
また、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10では、回転駆動制御手段が、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力の増加に伴って、電動モータ130の回転数を増加させるように制御しているので、電動モータ130(すなわち、圧縮機構110、120)の回転数に応じて冷媒回路を切り替えることで、極めて容易に、サイクルに要求される加熱能力に応じて冷媒回路を切り替えることができる。
また、本実施形他の圧縮機100では、電動モータ130が双方の圧縮機構110、120の双方を回転駆動するので、双方の圧縮機構110、120の回転数を個別に制御する必要がなく、冷媒回路を切り替えた際に、双方の圧縮機構110、120の回転数を容易に変化させることができる。
さらに、双方の圧縮機構110、120が電動モータ130を水平方向両側から挟み込むように、シャフト131の両端側に配置されていることにより、圧縮機100全体としての小型化を図ることもできる。延いては、二段昇圧式冷凍サイクル10全体としての小型化を図ることもできる。
また、本実施形態の車両用空調装置1が適用される電気自動車では、内燃機関(エンジン)を搭載する車両のようにエンジンの廃熱を車室内の暖房のために利用できない。このような車両に適用される車両用空調装置において、冷凍サイクルを用いて室内送風空気を加熱する構成では、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10のように、要求される加熱能力によらず高いCOPを発揮できることは極めて有効である。
また、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10を、内燃機関(エンジン)EGおよび走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る、いわゆるハイブリッド車両に適用してもよい。ハイブリッド車両では、走行中に燃費向上を目的としてエンジンを停止させることがあるため、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10を適用することは有効である。もちろん、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10を通常の車両に適用してもよい。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して冷媒回路切替手段の構成を変更した例を説明する。具体的には、本実施形態では、図12の全体構成図に示すように、冷媒回路切替手段として、中間圧冷媒通路14と低圧冷媒通路22との接続部に配置された電気式の三方弁22bを採用している。
なお、図12では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。また、図12では、暖房運転モード時に第1冷媒回路へ切り替えた際の冷媒の流れを実線矢印で示している。
この三方弁22bは、空調制御装置から出力される制御信号によってその作動が制御されるロータリー弁で構成されており、中間圧冷媒通路14を開くとともに低圧冷媒通路22を閉じる冷媒回路(第1冷媒回路)、中間圧冷媒通路14を閉じるとともに低圧冷媒通路22を開く冷媒回路(第2冷媒回路)、さらに、中間圧冷媒通路14および低圧冷媒通路の双方を閉じる冷媒回路(第3冷媒回路)に切り替えることができる。
その他の構成および作動については、第1実施形態と全く同様である。従って、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10においても、第1実施形態と同様に、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力によらす、すなわち必要循環冷媒流量によらずCOPを向上させることができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して圧縮機100の構成を変更している。具体的には、本実施形態では、図13の模式的な構成図に示すように、圧縮機100の低段側圧縮機構110と電動モータ130との間に動力断続手段としての電磁クラッチ130aを設けている。なお、図13は、図示の明確化のため、図1〜4、12における圧縮機100のみを拡大して示している。
さらに、本実施形態では、第1、第3冷媒回路に切り替えられている際には、空調制御装置から電磁クラッチ130aへ低段側圧縮機構110と電動モータ130とを接続して動力伝達を行うように制御信号が出力され、第2冷媒回路に切り替えられている際には、空調制御装置から電磁クラッチ130aへ低段側圧縮機構110と電動モータ130との動力伝達を遮断するように制御信号が出力される。
その他の構成および作動については、第1実施形態と同様である。従って、本実施形態の二段昇圧式冷凍サイクル10においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2冷媒回路に切り替えられている際に、冷媒吐出能力を発揮しない低段側圧縮機構110に電動モータ130から回転駆動力が伝達されないので、低段側圧縮機構110の摺動損失を抑制して、より一層、COPを向上させることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態に対して、図14の全体構成図に示すように、二段昇圧式冷凍サイクル10の構成を変更している。なお、図14では、暖房運転モード時に第1冷媒回路へ切り替えた際の冷媒の流れを実線矢印で示している。
具体的には三方継手13の冷媒流出口を図14に示すように低圧膨張弁15bを介して室外熱交換器18の入口側に接続している。このように低圧膨張弁15bの接続位置を変更することに伴って、気液分離器16の液相冷媒出口を廃止している。
そして、暖房運転モード時には、運転モード制御手段が運転モード切替手段を構成する中間圧膨張弁15aおよび低圧膨張弁15bを絞り状態として、その絞り通路面積開度を予め定めた開度とし、電気式三方弁19を室外熱交換器18の出口側と第3三方継手13cの一方の冷媒流入口とを接続するように切り替える。
さらに、第1冷媒回路に切り替える際には、第1実施形態と同様に、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを開くとともに、低圧側開閉弁22aを閉じる。これにより第1実施形態に対して、低圧膨張弁15bが、室内凝縮器12から流出した高圧冷媒のうち、第1三方継手13aにて分岐された高圧冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させるサイクルが構成される。
また、第3冷媒回路に切り替える際には、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを閉じ、低圧側開閉弁22aを閉じる。これにより、第1実施形態と同様の第3冷媒回路が構成される。さらに、第2冷媒回路に切り替える際には、冷媒回路制御手段が中間圧側開閉弁14aを閉じ、低圧側開閉弁22aを開く。これにより、第1実施形態と同様の第2冷媒回路が構成される。
その他の構成および作動については、第1実施形態と同様である。本実施形態のように、第1冷媒回路に切り替えた際に低圧膨張弁15bが高圧冷媒を直接低圧冷媒となるまで減圧させる構成であっても、第1実施形態と同様に、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力によらず、すなわち必要循環冷媒流量によらずCOPを向上させることができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、本発明の二段昇圧式冷凍サイクル10を車両用空調装置1に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、据置型空調装置、冷温保存庫等に適用してもよい。
また、上述の各実施形態では、室内凝縮器12にて熱交換対象流体である室内送風空気を加熱するヒートポンプサイクルとして二段昇圧式冷凍サイクル10を用いているが、逆に、室内凝縮器12にて高圧冷媒の有する熱量を大気に放熱させて、室外熱交換器18を熱交換対象流体を冷却する利用側熱交換器として機能させてもよい。そして、庫内温度を極低温まで冷却する冷凍装置等、空調対象空間を冷却する空調装置に適用してもよい。
この場合は、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される熱交換対象流体の冷却能力の低下に伴って、第1冷媒回路→第3冷媒回路→第2冷媒回路の順に切り替えるようにすればよい。なお、冷凍装置のように高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差が大きくなり、圧縮機構の消費動力が大きくなりやすい装置では、要求される冷却能力によらず高いCOPを発揮できることは極めて有効である。
(2)上述の各実施形態では、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120として、ローリングピストン型圧縮機構を採用した例を説明したが、もちろん、他の形式の圧縮機構を採用してもよい。例えば、ベーン型圧縮機構、レシプロ型圧縮機構、スクロール型圧縮機構を採用してもよい。さらに、低段側圧縮機構110および高段側圧縮機構120として異なる型式の圧縮機構を採用してもよい。
なお、上述の第1、第2、第4実施形態のように、低段側圧縮機構110と電動モータ130との間の動力伝達を遮断する電磁クラッチ130aを採用しない構成では、第3冷媒回路に切り替えた際に、低段側圧縮機構110の冷媒吐出能力を確実に発揮させないために、低段側圧縮機構110としてスクロール型圧縮機構を採用しないことが望ましい。
また、低段側圧縮機構110としてレシプロ型圧縮機構を採用する場合は、第3実施形態にて採用した電磁クラッチ130aを廃止して、ピストンの動きを固定する固定手段を採用してもよい。
(3)上述の第4実施形態では、中間圧膨張弁15aにて減圧された中間圧冷媒の気液分離する気液分離器16を採用した例を説明したが、気液分離器16を廃止して、中間圧膨張弁15aにて減圧された中間圧冷媒と第1三方継手13aの他方の冷媒流出口から流出した高圧冷媒とを熱交換させる中間圧熱交換器を採用してもよい。
(4)上述の各実施形態では、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される熱交換対象流体の加熱能力あるいは冷却能力の低下に伴って、第1冷媒回路→第3冷媒回路→第2冷媒回路の順に冷媒回路を切り替える例を説明したが、第3冷媒回路への切り替えを廃止してもよい。
例えば、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力あるいは冷却能力が予め定めた第2基準能力以下になった際に、第3冷媒回路に切り替えることなく、第1冷媒回路から直接第2冷媒回路へ切り替え、二段昇圧式冷凍サイクル10に要求される加熱能力あるいは冷却能力が予め定めた第1基準能力以上になった際に、第3冷媒回路に切り替えることなく、第2冷媒回路から直接第1冷媒回路へ切り替えるようにしてもよい。
(5)上述の各実施形態では、第3冷媒回路から第2冷媒回路に切り替える際に、高段側圧縮機構120の回転数を吐出容量比V2/V1に基づいて増加させているが、高圧側圧縮機構120として、この回転数の増加によって以下に説明するように作動するものが採用されていることが望ましい。
ここで、図15を用いて、圧縮機構の回転数Nc、必要トルクTrおよび圧縮効率の関係について説明する。図15(a)は、圧縮機構の回転数Ncおよび必要トルクTrに応じた圧縮効率の変化を示す等効率線図であり、図15(b)は、回転数Ncに対する圧縮効率の変化を示すグラフであり、図15(a)のC−C断面およびD−D断面における圧縮効率の変化が記載されている。
また、図15の太破線で示す等高線は、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを充分に向上させるために必要な高段側圧縮機構120の必要圧縮効率線を示している。換言すると、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを充分に向上させるためには、図15(a)中の必要圧縮効率線よりも左側の網掛けハッチングで示す領域で圧縮機構を作動させる必要がある。
従って、本実施形態の高段側圧縮機構120では、第2冷媒回路に切り替えて回転数を増加させた際に必要圧縮効率線よりも右側の領域で作動するものが採用されていることが望ましい。これにより、第2冷媒回路に切り替えた際に、二段昇圧式冷凍サイクル10のCOPを確実に充分に向上させることができる。
また、これを実現するために、第2冷媒回路に切り替える際の高段側圧縮機構120の回転数の増加分を以下のように決定してもよい。すなわち、図15(a)の等効率線図の関係を予め空調制御装置に記憶させておき、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える直前に読み込んだ空調制御用のセンサ群の検出信号を用いて、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える直前の必要トルクTrを算出する。なお、必要トルクTrは、下記数式F1から求めることができる。
Tr=(L×60)/(2π×Nc)…(F1)
なお、Lは高段側圧縮機構120の必要駆動動力(本実施形態では、電動モータ130に供給される必要電力)である。
さらに、高段側圧縮機構120の必要駆動動力Lは、下記数式F2に示すように、高段側圧縮機構120の吐出冷媒圧力Pd、吸入冷媒圧力Ps、回転数Ncの関数で表すことができる。
L=f(Pd、Ps、Nc)…(F2)
なお、この式F2で表される関係は、予め空調制御装置に記憶されている。
さらに、本実施形態では、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える直前の必要トルクTrおよび第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える第2基準回転数から、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える直前の高段側圧縮機構120の圧縮効率を決定する。例えば、図10(a)では、第3冷媒回路から第2冷媒回路へ切り替える直前の高段側圧縮機構120の圧縮効率はE点で表される。
そして、高段側圧縮機構120の圧縮効率がE点から必要圧縮効率線よりも右側の領域に存在するF点へ移行できる高段側圧縮機構120の回転数を決定し、このE点からF点との回転数差を、第2冷媒回路に切り替える際の高段側圧縮機構120の回転数の増加分としてもよい。
12 放熱器
14 中間圧冷媒通路
14a 中間圧側開閉弁
15a 中間圧膨張弁
15b 低圧膨張弁
18 蒸発器
22 低圧冷媒通路
22a 低圧側開閉弁
110 低段側圧縮機構
120 高段側圧縮機構
130 電動モータ

Claims (4)

  1. 低圧冷媒を中間圧冷媒となるまで圧縮して吐出する低段側圧縮機構(110)と、
    前記低段側圧縮機構(110)から吐出された中間圧冷媒を高圧冷媒となるまで圧縮して吐出する高段側圧縮機構(120)と、
    前記高段側圧縮機構(120)から吐出された高圧冷媒を放熱させる放熱器(12)と、
    前記放熱器(12)から流出した冷媒を中間圧冷媒となるまで減圧させる中間圧膨張弁(15a)と、
    前記放熱器(12)から流出した冷媒を低圧冷媒となるまで減圧させる低圧膨張弁(15b)と、
    前記低圧膨張弁(15b)にて減圧された低圧冷媒を蒸発させて前記低段側圧縮機構(110)の吸入側へ流出する蒸発器(18)と、
    前記中間圧膨張弁(15a)にて減圧された中間圧冷媒を前記高段側圧縮機構(120)の吸入側へ導く中間圧冷媒通路(14)とを備える二段昇圧式冷凍サイクルであって、
    前記低段側圧縮機構(110)の吸入側に接続される吸入側冷媒通路と前記高段側圧縮機構(120)の吸入側に接続される前記中間圧冷媒通路(14)との間を接続する低圧冷媒通路(22)と、
    前記中間圧冷媒通路(14)を開くとともに前記低圧冷媒通路(22)を閉じる第1冷媒回路、および、前記中間圧冷媒通路(14)を閉じるとともに前記低圧冷媒通路(22)を開く第2冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段(14a、22a
    前記高段側圧縮機構(120)および前記低段側圧縮機構(110)の双方を回転駆動する1つの電動モータ(130)とを備え、
    さらに、前記高段側圧縮機構(120)の吐出容量(V2)は、前記低段側圧縮機構(110)の吐出容量(V1)よりも小さく設定されており、
    前記冷媒回路切替手段は、前記中間圧冷媒通路(14)を開閉する中間圧側開閉弁(14a)および前記低圧冷媒通路(22)を開閉する低圧側開閉弁(22a)によって構成されていることを特徴とする二段昇圧式冷凍サイクル。
  2. 前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御する冷媒回路制御手段を備え、
    前記冷媒回路制御手段は、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力が予め定めた第1基準能力以上となった際に前記第1冷媒回路へ切り替えるように前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御し、さらに、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力が予め定めた第2基準能力以下になった際に前記第2冷媒回路へ切り替えるように前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御することを特徴とする請求項1に記載の二段昇圧式冷凍サイクル。
  3. 前記電動モータ(130)の作動を制御する回転駆動制御手段備え、
    前記回転駆動制御手段は、サイクルに要求される冷却能力あるいは加熱能力の増加に伴って、前記電動モータ(130)の回転数を増加させるように制御し、
    前記冷媒回路制御手段は、前記電動モータ(130)の回転数が予め定めた第1基準回転数以上となった際に前記第1冷媒回路へ切り替えるように前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御し、さらに、前記電動モータ(130)の回転数が予め定めた第2基準回転数以下となった際に前記第2冷媒回路へ切り替えるように前記冷媒回路切替手段(14a、22aの作動を制御することを特徴とする請求項2に記載の二段昇圧式冷凍サイクル。
  4. さらに、前記冷媒回路切替手段(14a、22aは、前記中間圧冷媒通路(14)を閉じるとともに前記低圧冷媒通路(22)を閉じる第3冷媒回路に切替可能に構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の二段昇圧式冷凍サイクル。
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