JP3161347B2 - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP3161347B2
JP3161347B2 JP33707096A JP33707096A JP3161347B2 JP 3161347 B2 JP3161347 B2 JP 3161347B2 JP 33707096 A JP33707096 A JP 33707096A JP 33707096 A JP33707096 A JP 33707096A JP 3161347 B2 JP3161347 B2 JP 3161347B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、容量制御自在な圧
縮手段を備えた冷凍装置における成績係数の向上に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ヒートポンプ式空気調和装置
等の冷凍装置において、EERの向上を図るものとし
て、気液分離器内の中間圧のガス冷媒を圧縮機にインジ
ェクションする冷凍装置が知られている。この種の冷凍
装置では、インジェクション通路を開閉することによっ
て、冷暖房の能力を段階的に変化させることができる。
例えば、暖房時に能力が不足気味の場合には、インジェ
クション通路を開通し、中間圧のガス冷媒をインジェク
ションすることにより凝縮器を流れる冷媒の循環量を増
加させ、暖房能力を増大させている。従って、上記の冷
凍装置では、インジェクション通路を開通する運転(イ
ンジェクション運転)と閉鎖する運転(非インジェクシ
ョン運転)との2段階の能力可変運転が可能である。
【0003】一方、冷媒回路にアンローダ回路を設け、
このアンローダ回路の開閉によって能力を2段階に変化
させる空気調和装置も知られている。
【0004】更に、実公平2−12543号公報に開示
されている空気調和装置では、冷媒回路にインジェクシ
ョン通路及びアンローダ回路を付設することによって、
3段階の能力可変運転を可能にしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年では、
インバータを備えた冷凍装置のように、圧縮機単体で容
量制御が可能な冷凍装置が広く用いられるようになって
いる。この種の冷凍装置では、圧縮機の容量を連続的に
変化させることにより、上記のような段階的に能力を変
化させる冷凍装置に比べて、よりきめ細かな能力制御が
可能である。そのため、圧縮機の容量制御が可能な冷凍
装置においては、中間圧ガス冷媒のインジェクション
や、アンローダ回路の付設は不要であると考えられてい
た。
【0006】ところで、最近、オゾン層破壊などの地球
環境問題に鑑み、R22等の従来の冷媒から代替冷媒へ
の移行が図られると共に、省エネルギーの必要性が一段
と高まっている。現在、代替冷媒として特に注目されて
いるものとして、R410Aと呼ばれる冷媒がある。R
410Aは疑似共沸冷媒であり、R22と比べて、温度
変化による潜熱の変化量が大きいという特性を有してい
る。なお、ここで、「潜熱」とは、一定温度における単
位質量当たりの飽和蒸気のエンタルピと飽和液のエンタ
ルピとの差を意味する。
【0007】図15を参照しながら、R410AとR2
2の温度変化による潜熱の変化量について説明する。図
15は、横軸に比エンタルピ(kJ/kg)、縦軸に温度
(℃)をとった状態特性図であり、実線はR410A、
破線はR22の飽和曲線を示している。R22の場合、
凝縮温度がT(℃)からT’(℃)に上昇した場合、潜
熱の変化量はΔIa=Ia−Ia’であり、小さな値で
ある。一方、R410Aの場合は、潜熱の変化量はΔI
b=Ib−Ib’であり、大きな値である。そのため、
R410Aを使用した場合、凝縮温度が高くなると必要
なエンタルピ差を確保することが困難となる。従って、
所定の能力を得るためには、凝縮器を流れる冷媒循環量
を増加させる必要が生じる。
【0008】しかし、圧縮機の容量制御のみによって冷
媒循環量を増加させると、必要な能力を確保することが
できても、空気調和装置の成績係数が非常に小さくな
り、省エネルギーの要求に反する。そこで、本願発明者
は、容量制御自在な圧縮機を備えた冷凍装置において、
インジェクション回路又はアンロード回路を付加するこ
とによって、省エネルギー運転を実現することができる
と考えた。
【0009】しかし、容量制御自在な圧縮機とインジェ
クション回路又はアンロード回路とを備えた空気調和装
置において、インジェクション等を行った場合、全能力
範囲にわたって成績係数が向上しているとは言い難く、
省エネルギー化が十分に図られている保証がなかった。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、広い運転能力範囲で
成績係数が高く、省エネルギーな運転を実現する冷凍装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、冷媒回路(C)にインジェクション回路(C
2)を設け、運転能力に応じて、インジェクション運転又
は非インジェクション運転のうち成績係数の大きい方の
運転を選択的に行うこととした。
【0012】また、インジェクション回路(C2)と圧縮機
(1)の吸入口(1b)とを連通するバイパス回路(C3)を設
け、インジェクション運転又はバイパス運転のうち成績
係数の大きい方の運転を選択的に行うこととした。
【0013】また、冷媒回路(C)にアンロード回路(C4)
を設け、アンロード運転又は通常運転のうち成績係数の
大きい方の運転を選択的に行うこととした。
【0014】具体的には、請求項1に記載の発明が講じ
た手段は、空調負荷に応じて容量制御される圧縮機(1)
を有する主冷媒回路(C1)と、主冷媒回路(C1)の中間圧ガ
ス冷媒を該圧縮機(1)に供給するインジェクション通路
(11)及び該インジェクション通路(11)を開閉するインジ
ェクション通路開閉手段(10)を有するインジェクション
回路(C2)とを備える冷媒回路(C)と、上記冷媒回路(C)の
運転時における成績係数に対応して変動する判別値(F)
を導出し、該判別値(F)が予め設定された該所定値(FB)
より大きいと高能力信号を出力し、該判別値(F)が所定
値以下であると低能力信号を出力する能力判定手段(21)
と、上記能力判定手段(21)から高能力信号を受けるとイ
ンジェクション通路開閉手段(11)を開状態に制御し、能
力判定手段(21)から低能力信号を受けるとインジェクシ
ョン通路開閉手段(11)を閉状態に制御する開閉制御手段
(20)とを備え、上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の容量
を制御するインバータ(9)が接続され、上記能力判定手
段(21)は、上記インバータ(9)の制御情報を受け、判別
値として上記圧縮機(1)の回転数(F)を導出する構成とし
たものである。
【0015】上記発明特定事項により、能力判定手段(2
1)は、冷媒回路(C)の成績係数に対応して変動する判別
値(F)を導出する。そして、開閉制御手段(20)は、判別
値(F,T)が所定値(FB)より大きいと、インジェクション
通路(11)を開口して中間圧ガス冷媒を圧縮機(1)に供給
する。一方、判別値(F)が所定値(FB)以下であると、イ
ンジェクション通路(11)を閉鎖する。この結果、インジ
ェクション運転と非インジェクション運転との成績係数
が等しくなる所定値を基準に、インジェクション運転又
は非インジェクション運転のうちの成績係数の良いいず
れかの運転が選択的に行われるので、広い能力範囲にわ
たり成績係数の高い運転が行われる。また、上記発明特
定事項により、具体的な構成によって、圧縮機(1)の容
量制御が行われる。簡易かつ正確に検知することができ
る圧縮機(1)の回転数(F)に基づいて能力判定を行うの
で、簡易かつ正確な能力判定が行われる。
【0016】請求項2に記載の発明が講じた手段は、空
調負荷に応じて容量制御される圧縮機(1)を有する主冷
媒回路(C1)と、主冷媒回路(C1)の中間圧ガス冷媒を該圧
縮機(1)の圧縮行程途中に供給するインジェクション通
路(11)と、インジェクション通路(11)の中間圧ガス冷媒
を該圧縮機(1)の吸入側に戻すバイパス通路(51)及び該
バイパス通路(51)を開閉するバイパス通路開閉手段(50)
を有するバイパス回路(C3)とを備える冷媒回路(C)と、
上記冷媒回路(C)の運転時における成績係数に対応して
変動する判別値(F)を導出し、該判別値(F)が予め設定さ
れた所定値(FB)より大きいと高能力信号を出力し、該判
別値(F)が該所定値(FB)以下であると低能力信号を出力
する能力判定手段(21)と、上記能力判定手段(21)から高
能力信号を受けるとバイパス通路開閉手段(50)を閉状態
に制御し、能力判定手段(21)から低能力信号を受けると
バイパス通路開閉手段(50)を開状態に制御する開閉制御
手段(20)とを備え、上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の
容量を制御するインバータ(9)が接続され、上記能力判
定手段(21)は、上記インバータ(9)の制御情報を受け、
判別値として上記圧縮機(1)の回転数(F)を導出する構成
としたものである。
【0017】上記発明特定事項により、能力判定手段(2
1)は、冷媒回路(C)の成績係数に対応して変動する判別
値(F)を導出する。そして、開閉制御手段(20)は、判別
値(F,T)が所定値(FB)より大きいと、バイパス通路(51)
を閉鎖して中間圧ガス冷媒を圧縮機(1)の圧縮行程途中
に供給する。一方、判別値(F)が所定値(FB)以下である
と、バイパス通路(51)から中間圧ガス冷媒を圧縮機(1)
の吸入側に戻す。この結果、インジェクション運転とバ
イパス運転との成績係数が等しくなる所定値を基準に、
インジェクション運転又はバイパス運転のうちの成績係
数の良いいずれかの運転が選択的に行われるので、広い
能力範囲にわたり成績係数の高い運転が行われる。従っ
て、著しい省エネルギー運転が可能となる。また、上記
発明特定事項により、具体的な構成によって、圧縮機
(1)の容量制御が行われる。簡易かつ正確に検知するこ
とができる圧縮機(1)の回転数(F)に基づいて能力判定を
行うので、簡易かつ正確な能力判定が行われる。
【0018】請求項3に記載の発明が講じた手段は、請
求項2に記載の冷凍装置において、インジェクション通
路(11)には、該インジェクション通路(11)を開閉するイ
ンジェクション通路開閉手段(10)が設けられ、開閉制御
手段(20)は、能力判定手段(21)から高能力信号を受ける
と、バイパス通路開閉手段(50)を閉状態に制御すると共
に上記インジェクション通路開閉手段(10)を開状態に制
御する一方、能力判定手段(21)から低能力信号を受ける
と、上記バイパス通路開閉手段(50)を開状態に制御する
と共に上記インジェクション通路開閉手段(10)を閉状態
に制御する構成としたものである。
【0019】上記発明特定事項により、バイパス運転時
にインジェクション通路(11)が閉鎖されるので、中間圧
ガス冷媒が確実に圧縮機(1)の吸入側に戻ることにな
る。
【0020】請求項4に記載の発明が講じた手段は、空
調負荷に応じて容量制御される圧縮機(1)を有する主冷
媒回路(C1)と、該圧縮機(1)が吸入する冷媒の一部を該
圧縮機(1)に戻すアンロード通路(61)及び該アンロード
通路(61)を開閉するアンロード通路開閉手段(60)を有す
るアンロード回路(C4)とを備える冷媒回路(C)と、上記
冷媒回路(C)の運転時における成績係数に対応して変動
する判別値(F)を導出し、該判別値(F)が予め設定された
所定値(FB)よりも大きいと高能力信号を出力し、該判別
値(F)が該所定値(FB)以下であると低能力信号を出力す
る能力判定手段(21)と、上記能力判定手段(21)から高能
力信号を受けるとアンロード通路開閉手段(60)を閉状態
に制御し、低能力信号を受けるとアンロード通路開閉手
段(60)を開状態に制御する開閉制御手段(20)とを備え、
上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の容量を制御するイン
バータ(9)が接続され、上記能力判定手段(21)は、上記
インバータ(9)の制御情報を受け、判別値として上記圧
縮機(1)の回転数(F)を導出する構成としたものである。
【0021】上記発明特定事項により、能力判定手段(2
1)は、冷媒回路(C)の成績係数に対応して変動する判別
値(F)を導出する。そして、開閉制御手段(20)は、判別
値(F)が所定値(FB)より大きいと、アンロード通路(61)
を閉鎖する。一方、判別値(F)が所定値(FB)以下である
と、アンロード通路(61)を開放する。この結果、通常運
転とアンロード運転との成績係数が等しくなる所定値を
基準に、通常運転又はアンロード運転のうちの成績係数
の良いいずれかの運転が選択的に行われるので、広い能
力範囲にわたり成績係数の高い運転を行うことができ
る。従って、著しい省エネルギー運転が可能となる。ま
た、上記発明特定事項により、具体的な構成によって、
圧縮機(1)の容量制御が行われる。簡易かつ正確に検知
することができる圧縮機(1)の回転数(F)に基づいて能力
判定を行うので、簡易かつ正確な能力判定が行われる。
【0022】請求項5に記載の発明が講じた手段は、請
求項1、2又は4のいずれか一つに記載の冷凍装置にお
いて、冷媒には、R410Aが用いられている構成とし
たものである。
【0023】上記発明特定事項により、より広い能力範
囲にわたり成績係数の高い運転を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0025】−空気調和装置(31)の構成− 図1に示すように、実施形態1に係る冷凍装置は、ヒー
トポンプ式空気調和装置(31)であって、主冷媒回路(C1)
とインジェクション回路(C2)とからなる冷媒回路(C)を
備えて構成されている。
【0026】主冷媒回路(C1)は、圧縮機(1)、四路切換
弁(2)、室外熱交換器(3)、第1電動膨張弁(4)、気液分
離器(6)、第2電動膨張弁(5)、及び室内熱交換器(7)が
冷媒配管(8)によって接続されて構成されている。
【0027】インジェクション回路(C2)は、気液分離器
(6)と圧縮機(1)とを連通する冷媒配管で構成されるイン
ジェクション通路(11)と、インジェクション通路(11)に
設けられ、気液分離器(6)と圧縮機(1)との連通を開閉す
る電磁弁(10)とを備えて構成されている。電磁弁(10)
は、本発明でいうところのインジェクション通路開閉手
段を構成している。
【0028】冷媒回路(C)には、冷媒としてR410A
が充填されている。
【0029】圧縮機(1)はロータリー式圧縮機(1)であ
り、インジェクション通路(11)に接続されたインジェク
ションポート(1c)と、主冷媒回路(C1)に接続された低圧
冷媒の吸入口(1b)及び吐出口(1a)とを備えている。圧縮
機(1)は、電気配線で構成される配線(40)を介してイン
バータ(9)に接続されている。圧縮機(1)及びインバータ
(9)は、容量制御自在な圧縮手段(15)を構成している。
【0030】インバータ(9)には、配線(43)を介して、
回転数制御手段(25)が接続されている。回転数制御手段
(25)は、室内に設置された温度センサである室温センサ
(23)と配線(45)を介して接続されている。この回転数制
御手段(25)は、室温センサ(23)から室温の情報を受け取
り、あらかじめ定められた設定温度と室温との差に基づ
き、フィードバック制御等を行ってインバータ(9)を制
御する制御器である。つまり、回転数制御手段(25)は、
インバータ(9)の制御を介して圧縮機(1)の回転数(F)を
制御するように構成されている。従って、圧縮機(1)の
回転数(F)が変わることによって圧縮機(1)の容量は変化
するので、回転数制御手段(25)は、空調負荷に応じて圧
縮機(1)の容量を変化させ、空気調和装置(31)の運転能
力を変化させることになる。
【0031】また、インバータ(9)には、電気配線で構
成される配線(41)を介して、能力判定手段たる回転数判
定手段(21)が接続されている。開閉弁制御手段(20)は、
回転数判定手段(21)に接続されると共に、配線(42)を介
して電磁弁(10)と接続されている。回転数判定手段(21)
は、圧縮機(1)の回転数(F)を判別値とし、この回転数
(F)とあらかじめ設定された基準回転数(FB)との大小関
係を判定し、その判定結果を開閉弁制御手段(20)に伝達
する。回転数判定手段(21)は、基準回転数(FB)を記憶し
ておくメモリー(図示せず)を備えると共に、空気調和
装置(31)の運転中、インバータ(9)から配線(41)を通じ
て、圧縮機(1)の回転数及び関連情報を受け取るように
構成されている。開閉弁制御手段(20)は、圧縮機(1)の
回転数(F)が基準回転数(FB)以下のときは電磁弁(10)に
閉信号を伝送して電磁弁(10)を閉状態に制御する一方、
圧縮機(1)の回転数(F)が基準回転数(FB)よりも大きいと
きは電磁弁(10)に開信号を伝送して電磁弁(10)を開状態
に制御するように構成されている。なお、この回転数判
定手段(21)及び開閉弁制御手段(20)は、マイクロコンピ
ュータにより一体的に構成されている。
【0032】また、図示しないが、四路切換弁(2)、第
1電動膨張弁(4)及び第2電動膨張弁(5)も、配線を通じ
て各制御機器にそれぞれ接続されている。
【0033】−空気調和装置(31)の動作− 空気調和装置(31)では、四路切換弁(2)を切り換えるこ
とによって、冷房運転と暖房運転とが切り換えられる。
以下、冷房運転について説明する。
【0034】冷房運転では、圧縮機(1)の回転数(F)に応
じて、インジェクション運転又は非インジェクション運
転のいずれか一方の運転が行われる。つまり、圧縮機
(1)の回転数(F)に応じてインジェクション通路(11)の電
磁弁(10)が切り換えられる。具体的には、圧縮機(1)の
回転数(F)が所定の基準回転数(FB)以下の場合には非イ
ンジェクション運転が行われ、基準回転数(FB)より大き
い場合にはインジェクション運転が行われる。
【0035】まず、上記自動運転の基本となる非インジ
ェクション運転及びインジェクション運転をそれぞれ説
明する。
【0036】−非インジェクション運転− 非インジェクション運転は、電磁弁(10)を閉状態に制御
し、インジェクション通路(11)を閉鎖することによって
行われる運転である。
【0037】非インジェクション運転においては、冷房
時、四路切換弁(2)は図1の実線側に設定される。第1
電動膨張弁(4)の開度は、高圧冷媒を所定の低圧にまで
減圧するように制御され、第2電動膨張弁(5)は、開放
するように制御される。
【0038】圧縮機(1)の吐出口(1a)から吐出された高
圧冷媒は、四路切換弁(2)を経た後、室外熱交換器(3)に
流入する。そして、高圧冷媒は室外熱交換器(3)で凝縮
する。凝縮した高圧の液冷媒は、室外熱交換器(3)から
流出した後、第1電動膨張弁(4)において、高圧から所
定の低圧に減圧され、低圧の二相冷媒になる。そして、
低圧の二相冷媒は気液分離器(6)に流入する。この低圧
の二相冷媒は、インジェクション通路(11)を通過するこ
となく、第2電動膨張弁(5)を通過する。そして、低圧
の二相冷媒は、室内熱交換器(7)で蒸発し、室内空気を
冷却する。室内熱交換器(7)から流出した低圧の冷媒は
四路切換弁(2)を経た後、吸入口(1b)から圧縮機(1)に吸
入される。以上のようにして、冷媒は冷媒回路(C)を循
環し、室内の冷房が行われる。
【0039】−インジェクション運転− インジェクション運転は、電磁弁(10)を開状態に制御
し、インジェクション通路(11)を開通することによって
行われる運転である。
【0040】インジェクション運転時においても、冷房
時は、四路切換弁(2)は図1の実線側に設定される。上
述した通り電磁弁(10)は開状態に制御され、気液分離器
(6)と圧縮機(1)とはインジェクション通路(11)を通じて
連通する。第1電動膨張弁(4)の開度は、高圧冷媒を所
定の中間圧に減圧するように制御され、第2電動膨張弁
(5)の開度は、中間圧冷媒を所定の低圧にするように制
御される。
【0041】圧縮機(1)の吐出口(1a)から吐出された高
圧冷媒は、四路切換弁(2)を経た後、室外熱交換器(3)で
凝縮する。凝縮した高圧の液冷媒は、室外熱交換器(3)
から流出した後、第1電動膨張弁(4)によって高圧から
所定の中間圧に減圧され、中間圧の二相冷媒になる。中
間圧の二相冷媒は気液分離器(6)に流入し、気液分離器
(6)内で中間圧のガス冷媒と液冷媒とに分離される。
【0042】気液分離器(6)内の中間圧の液冷媒は、第
2電動膨張弁(5)を通過する際、更に中間圧から低圧に
減圧され、低圧の二相冷媒になる。そして、低圧の二相
冷媒は室内熱交換器(7)に流入する。低圧の二相冷媒
は、室内熱交換器(7)で蒸発し、室内の空気を冷却す
る。室内熱交換器(7)から流出した低圧の冷媒は、四路
切換弁(2)を通過し、圧縮機(1)に吸入される。
【0043】一方、気液分離器(6)内の中間圧のガス冷
媒は、インジェクション通路(11)を通じて、インジェク
ションポート(1c)から圧縮機(1)に吸入される。
【0044】以上のようにして、冷媒は冷媒回路(C)を
循環し、室内の冷房が行われる。インジェクション運転
では、中間圧のガス冷媒を圧縮機(1)にインジェクショ
ンすることによって、室内熱交換器(7)内の冷媒の圧力
損失の低減を図ると共に、熱源側熱交換器である室外熱
交換器(3)における冷媒循環量を増加させ、熱源側の吸
熱量を増大している。その結果、蒸発能力を一定とした
場合に、圧縮機入力が減少する。
【0045】−非インジェクション運転及びインジェク
ション運転の特性− ところで、上記の非インジェクション運転及びインジェ
クション運転のいずれにおいても、インバータ(9)及び
回転数制御手段(25)によって圧縮機(1)の回転数(F)を制
御することにより、圧縮機(1)の容量を変化させ、空気
調和装置(31)の運転能力を変化させている。そして、室
内及び室外の空気条件を一定とした場合、後述する図2
に示す特性曲線から明らかなように、圧縮機(1)への電
気入力、すなわち圧縮機入力に対し、冷房能力は一義的
に定まる。そのため、運転能力に対する成績係数(CO
P)の関係は、図3に示すような傾向を示す。つまり、
非インジェクション運転の特性曲線(101)及びインジェ
クション運転の特性曲線(102)のいずれも、成績係数の
ピークを有する凸状の曲線となり、両特性曲線(101),(1
02)は特定能力(QB)において交わる。そして、この特定
能力(QB)を境に、非インジェクション運転時の成績係数
がインジェクション運転時の成績係数以上の低能力範囲
(110)と、インジェクション運転時の成績係数が非イン
ジェクション運転時の成績係数よりも大きい高能力範囲
(111)との2つの能力範囲が存在する。
【0046】本発明の冷凍装置は、運転能力が低能力範
囲(110)にあると判定したときにインジェクション通路
(11)を閉鎖して非インジェクション運転を行い、高能力
範囲(111)にあると判定したときにインジェクション通
路(11)を開通してインジェクション冷房運転を行うよう
に構成されている。
【0047】−能力判定− 回転数判定手段(21)は、下記の基準回転数(FB)を基に能
力判定を行う。
【0048】まず、基準回転数(FB)の設定について説明
する。
【0049】図2は、実験結果に基づいて、非インジェ
クション運転及びインジェクション運転のそれぞれにつ
いて、冷房能力に対する圧縮機入力の関係を示した図で
ある。図2から明らかなように、インジェクション運転
の特性曲線(104)は、特定能力(QB)において非インジェ
クション運転の特性曲線(103)と交わり、かつ、非イン
ジェクション運転の特性曲線(103)に比べて傾斜の緩や
かな曲線となっている。成績係数は(冷房能力)/(圧
縮機入力)で求められるため、この能力(QB)が基準能力
となる。そして、この基準能力(QB)以下の能力範囲は低
能力範囲(110)となり、基準能力(QB)よりも大きい能力
範囲は高能力範囲(111)となる。
【0050】ところで、圧縮機入力は圧縮機(1)の回転
数(F)と相関関係があるので、基準能力(QB)における圧
縮機(1)の回転数(F)を基準回転数(FB)とすることによ
り、基準回転数(FB)以下の回転数での運転状態を低能力
範囲(110)の運転とみなし、基準回転数(FB)よりも高い
回転数での運転状態を高能力範囲(111)の運転とみなす
ことができる。従って、基準回転数(FB)を基準にして、
運転能力が低能力範囲(110)又は高能力範囲(111)にある
ことを判断することができる。本実施形態1の空気調和
装置(31)では、基準能力(QB)である3100Wにおける
圧縮機(1)の周波数は55Hzであるので、基準回転数
(FB)は3300rpmである。
【0051】このように、空気調和装置(31)では、基準
回転数(FB)は実験結果の解析に基づいて設定されてい
る。なお、基準回転数(FB)の設定は、実験結果に基づく
ものには限られない。例えば、計算シミュレーションに
より設定することも勿論可能である。
【0052】−切り換え運転− 次に、空気調和装置(31)の起動時から安定時までの動作
を例にして、インジェクション運転と非インジェクショ
ン運転の切り換え動作を説明する。以下に説明する動作
例では、室内の初期温度は30℃とする。
【0053】まず、操作者が室内の設定温度として、例
えば26℃を設定し、空気調和装置(31)を起動する。こ
の際、室温と設定温度との差は4℃であり、比較的大き
い差であるので、回転数制御手段(25)から制御信号を受
けたインバータ(9)は、圧縮機(1)へ高周波数、すなわち
高回転数の信号を伝送する。その結果、圧縮機(1)は高
周波数、例えば80Hzで運転が行われ、回転数は48
00rpmとなる。また、同時に、インバータ(9)から
回転数判定手段(21)へも、圧縮機(1)が4800rpm
で運転しているという圧縮機(1)の回転数情報が伝送さ
れる。
【0054】回転数判定手段(21)は、所定時間毎に、圧
縮機(1)の実際の回転数(F)とあらかじめ設定された基準
回転数(FB)との大小関係を判定し、運転能力が低能力範
囲(110)にあるか高能力範囲(111)にあるかを判定する。
この場合、実際の回転数(F)=4800rpmは基準回
転数(FB)=3300rpmよりも大きいので、空気調和
装置(31)の運転能力は高能力範囲(111)にあると判定さ
れる。そして、この判定結果を受けた開閉弁制御手段(2
0)は、電磁弁(10)に開信号を伝送する。その結果、電磁
弁(10)は開状態に制御される。そして、上記のインジェ
クション運転が行われる。
【0055】その後、インジェクション運転が継続して
行われた後、室温と設定温度との差は徐々に小さくな
る。その結果、回転数制御手段(25)の制御により、圧縮
機(1)の回転数(F)は徐々に減少していく。なお、回転数
判定手段(21)は、インバータ(9)から圧縮機(1)の回転数
情報を常に受け取っており、所定時間毎に基準回転数(F
B)との比較を継続して行っている。
【0056】そして、室温と設定温度との差がある値、
例えば2℃になったとき、圧縮機(1)の回転数(F)は基準
回転数(FB)以下になる。このとき、回転数判定手段(21)
は、空気調和装置(31)の運転能力は低能力範囲(110)に
あると判定する。そして、回転数判定手段(21)から上記
判定結果を受けた開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(10)に
閉信号を伝送し、電磁弁(10)を閉状態に制御する。その
結果、空気調和装置(31)の運転は、インジェクション運
転から非インジェクション運転に切り換えられ、非イン
ジェクション運転が行われる。
【0057】その後も、回転数判定手段(21)は、圧縮機
(1)の回転数(F)を検知し、所定時間毎に、実際の回転数
(F)が基準回転数(FB)よりも大きいか小さいかを判定す
る。そして、回転数判定手段(21)から判定結果を受けた
開閉弁制御手段(20)は、圧縮機(1)の回転数(F)に応じ
て、空気調和装置(31)の運転能力が低能力範囲(110)に
あるときは電磁弁(10)を閉状態に制御する一方、高能力
範囲(111)にあるときは電磁弁(10)を開状態に制御す
る。
【0058】以上のようにして、空調負荷に応じてイン
ジェクション運転と非インジェクション運転とが選択さ
れる自動運転が行われる。
【0059】−暖房運転− 暖房運転は、四路切換弁(2)を図1の破線側に切り換
え、冷媒の循環経路を冷房時と逆方向にすることにより
行われるが、その基本的な運転動作は冷房運転と同様で
ある。上記の冷房能力を暖房能力に置き換えることによ
り、冷房運転の例と全く同様にして空気調和装置(31)の
能力判定を行うことができる。つまり、冷房運転におい
ても、運転能力に応じてインジェクション運転と非イン
ジェクション運転とが選択的に行われる自動運転が可能
である。
【0060】−空気調和装置(31)の効果− このように、低能力範囲(110)においては非インジェク
ション運転が行われ、高能力範囲(111)においてはイン
ジェクション運転が行われる。従って、低能力範囲(11
0)から高能力範囲(111)にわたる広い能力範囲におい
て、成績係数は高くなる。そのため、広い能力範囲にお
ける平均的な成績係数は向上する。従って、空気調和装
置(31)は、従来に比べて著しく省エネルギーな運転を実
現することができる。
【0061】また、逆に言えば、能力負荷を一定とした
場合、圧縮機(1)の最大容量を小さくすることができ
る。つまり、圧縮機(1)を小型化、軽量化することがで
きる。従って、室外機を小型化、軽量化することがで
き、空気調和装置(31)全体のコンパクト化を実現するこ
とができる。
【0062】また、本実施形態1では、冷媒としてR4
10Aを用いているので、オゾン層破壊等の環境問題を
引き起こさない空気調和装置(31)を実現することができ
る。また、R410Aは温度変化に対する潜熱の変化量
が大きいため、凝縮温度が高い場合に凝縮器での冷媒循
環量が不足気味になるが、本空気調和装置(31)ではイン
ジェクション運転が可能なので、凝縮器における冷媒循
環量を増加することができる。また、この種の冷媒を使
用する場合には、空気調和装置(31)は、一般的に高能力
範囲(111)における運転状態を基準に設計されるため、
低能力範囲(110)での成績係数は低くなる。しかし、本
空気調和装置(31)では、運転能力に応じてインジェクシ
ョン運転又は非インジェクション運転が選択的に行われ
るので、低能力範囲(110)においても成績係数は高い。
従って、本発明は、冷媒としてR410Aを用いる冷凍
装置に適用する際に、特に優れた効果を発揮する。
【0063】また、圧縮機(1)の回転数(F)という正確に
検知することができる物理量に基づいて能力判定を行っ
ているので、容易で信頼性の高い能力判定を行うことが
できる。
【0064】<参考例1> 参考例1の空気調和装置(32)は、実施形態1の空気調和
装置(31)において、能力判定手段を回転数判定手段(21)
から温度差判定手段(22)に置き換えたものである。従っ
て、本空気調和装置(32)の構成は、温度差判定手段(22)
以外の部分については実施形態1の空気調和装置(31)と
ほぼ同様である。実施形態1の空気調和装置(31)と同様
の部分については、同じ符号を付し、その説明を省略す
る。
【0065】−空気調和装置(32)の構成− 空気調和装置(32)では、温度差判定手段(22)と一体化さ
れて構成された開閉弁制御手段(20)が配線(42)を介して
電磁弁(10)と接続されている。また、温度差判定手段(2
2)は、室温センサ(23)と配線(44)を介して接続されてい
る。この温度差判定手段(22)及び開閉弁制御手段(20)
は、実施形態1の回転数判定手段(21)と同様に、マイク
ロコンピュータで構成されている。温度差判定手段(22)
のメモリー(図示せず)には、あらかじめ定められた基
準温度差(TB)が記憶されている。
【0066】−空気調和装置(32)の動作− 空気調和装置(32)の動作は、実施形態1の空気調和装置
(31)の動作と基本的に同じであるが、運転能力の判定方
法が異なる。言い換えると、インジェクション回路(C2)
のON/OFF動作、つまり、電磁弁(10)の開閉の切り
換え動作が異なる。
【0067】空気調和装置(32)では、電磁弁(10)は、室
温と設定温度との温度差(T)が基準温度差(TB)よりも大
きいときに開状態に制御され、基準温度差(TB)以下のと
きに閉状態に制御される。
【0068】−基準温度差(TB)の設定− 本参考例1では、基準温度差(TB)の設定は、以下のよう
にして行われている。
【0069】一般に、空調負荷は、室温と設定温度との
温度差(T)と相関関係を有する。従って、あらかじめ実
験等により基準能力を求めておけば、上記相関関係から
基準温度差(TB)を計算することができる。例えば、室温
と設定温度との温度差(T)と冷房負荷との間に図5のよ
うな相関関係がある場合には、特性曲線(105)における
基準能力(QB)に対する温度差(TB)を基準温度差とみなす
ことができる。つまり、本参考例1では、基準能力(QB)
=3100Wに対応する温度差2℃が基準温度差(TB)と
なる。
【0070】−切り換え動作− 次に、実施形態1の説明と同様に、起動時から安定時ま
での動作を例にして、空気調和装置(32)の切り換え動作
を説明する。本動作例においても、室内の初期温度は3
0℃とする。
【0071】まず、操作者が室内の設定温度として、例
えば26℃を設定し、空気調和装置(32)を起動する。こ
こで、温度差判定手段(22)は、室温センサ(23)から室温
情報を受け取り、室温が30℃であることを認識する。
そして、設定温度26℃と室温30℃との温度差(T)が
4℃であることを計算し、この温度差(T)と基準温度差
(TB)との大小関係を判定する。ここでは、温度差(T)=
4℃は基準温度差(TB)=2℃よりも大きいので、運転能
力は高能力範囲(111)にあると判定する。その結果、開
閉弁制御手段(20)は温度差判定手段(22)の上記判定結果
を受け、電磁弁(10)を開状態に制御し、インジェクショ
ン運転が行われる。なお、圧縮機(1)の容量制御は、実
施形態1と同様に、回転数制御手段(25)及びインバータ
(9)によって行われる。
【0072】その後、インジェクション運転が継続して
行われた後、室温と設定温度との温度差(T)は徐々に小
さくなる。このとき、温度差判定手段(22)は、室温セン
サ(23)から室温情報を受け取り、所定時間毎に室温と設
定温度との温度差(T)と基準温度差(TB)との比較を継続
して行っている。
【0073】そして、上記温度差(T)が基準温度差(TB)
以下になったとき、温度差判定手段(22)は、空気調和装
置(32)の運転能力は低能力範囲(110)にあると判定す
る。そして、この判定結果を受けた開閉弁制御手段(20)
は、電磁弁(10)に閉信号を伝送し、電磁弁(10)を閉状態
に制御する。その結果、空気調和装置(32)の運転は、イ
ンジェクション運転から非インジェクション運転に切り
換えられ、非インジェクション運転が行われる。
【0074】その後も、温度差判定手段(22)は、室温を
認識し、所定時間毎に室温と設定温度との温度差(T)が
基準温度差(TB)よりも大きいか小さいかを判定する。そ
して、上記温度差の大小に応じて、空気調和装置(32)の
運転能力が低能力範囲(110)にあるときは電磁弁(10)を
閉状態に制御する一方、高能力範囲(111)にあるときは
電磁弁(10)を開状態に制御する。
【0075】以上のようにして、運転能力に応じてイン
ジェクション運転と非インジェクション運転とが選択さ
れる自動運転が行われる。
【0076】−空気調和装置(32)の効果− 従って、参考例1の空気調和装置(32)も、実施形態1の
空気調和装置(31)と同様の効果を発揮する。
【0077】また、室温と設定温度との温度差(T)とい
う容易かつ正確に検知することができる物理量に基づい
て能力判定を行っているので、簡易で信頼性の高い能力
判定を行うことができる。
【0078】−変形例− 本参考例1では、基準温度差(TB)を空調負荷と温度差
(T)との相関関係に基づいて設定したが、実験結果やシ
ミュレーションからインジェクション運転及び非インジ
ェクション運転の成績係数と温度差(T)との関係を直接
求め、両運転の成績係数が等しくなる温度差を基準温度
差(TB)として設定することも勿論可能である。
【0079】
【発明の実施の形態2】−空気調和装置(33)の構成− 図6に示すように、実施形態2の空気調和装置(33)は、
インジェクション回路(C2)に加え、インジェクション回
路(C2)と圧縮機(1)の吸入側配管(8a)とを連通するバイ
パス回路(C3)が設けられたものである。
【0080】具体的には、空気調和装置(33)は、実施形
態1の空気調和装置(31)において、インジェクション回
路(C2)の電磁弁(10)をなくし、インジェクション通路(1
1)のみからインジェクション回路(C2)を構成している。
また、インジェクション通路(11)と圧縮機(1)の吸入側
配管(8a)とをバイパス通路(51)によって連通している。
バイパス通路(51)には、開閉弁制御手段(20)と配線(42)
を介して接続されたバイパス通路開閉手段たる電磁弁(5
0)が設けられている。バイパス通路(51)及び電磁弁(50)
は、バイパス回路(C3)を構成している。
【0081】−空気調和装置(33)の動作− 空気調和装置(33)では、運転能力に応じて、下記のイン
ジェクション運転又はバイパス運転のいずれかの運転が
選択的に行われる。以下、冷房運転を例に、インジェク
ション運転及びバイパス運転を説明する。
【0082】−インジェクション運転− インジェクション運転は、電磁弁(50)を閉状態に制御す
ることにより行われる運転である。従って、インジェク
ション通路(11)と吸入側配管(8a)との連通は断たれてい
るので、冷媒の循環動作は、実施形態1のインジェクシ
ョン運転と同様である。また、四路切換弁(2)、第1電
動膨張弁(4)及び第2電動膨張弁(5)の制御も、実施形態
1のインジェクション運転と同様である。
【0083】−バイパス運転− バイパス運転は、気液分離器(6)内のガス冷媒を圧縮機
(1)の吸入口(1b)から吸入させ、室内熱交換器(7)での冷
媒の圧力損失を低減させる運転である。
【0084】四路切換弁(2)、第1電動膨張弁(4)及び第
2電動膨張弁(5)は、上記インジェクション運転と同様
にして制御される。
【0085】バイパス運転では、気液分離器(6)内の中
間圧のガス冷媒は、インジェクション通路(11)を通過
し、バイパス通路(51)に流入する。この際、インジェク
ション通路(11)と吸入側配管(8a)との圧力差により、ガ
ス冷媒はインジェクションポート(1c)に流入することな
く、専らバイパス通路(51)を流れる。そして、バイパス
通路(51)を流通したガス冷媒は、吸入側配管(8a)に流入
し、吸入側配管(8a)において室内熱交換器(7)で蒸発し
た低圧ガス冷媒と合流する。合流したガス冷媒は、吸入
側配管(8a)から吸入口(1b)を経て圧縮機(1)に吸入され
る。
【0086】−能力判定− 実施形態2の空気調和装置(33)では、回転数判定手段(2
1)は、下記の基準回転数(FB2)を基に能力判定を行う。
基準回転数(FB2)の設定について説明する。
【0087】図7は、実験結果に基づいて、インジェク
ション運転及びバイパス運転のそれぞれについて、冷房
能力に対する圧縮機入力の関係を示した図である。な
お、参考のために、図7には、実施形態1の非インジェ
クション運転の特性曲線(103)も図示している。図7か
ら明らかなように、バイパス運転の特性曲線(106)は、
特定能力(QB2)においてインジェクション運転の特性曲
線(104)と交差している。従って、能力(QB2)を基準能力
として、基準能力(QB2)以下の能力範囲は低能力範囲(11
0b)となり、基準能力(QB2)よりも大きい能力範囲は高能
力範囲(111b)となる。
【0088】そこで、基準能力(QB2)における圧縮機(1)
の回転数を基準回転数(FB2)とすることにより、基準回
転数(FB2)以下の回転数での運転状態を低能力範囲(110
b)の運転とみなし、基準回転数(FB2)よりも高い回転数
での運転状態を高能力範囲(111b)の運転とみなす。ここ
では、基準能力(QB2)=3400Wにおける圧縮機(1)の
周波数は60Hzであるので、基準回転数(FB2)は36
00rpmである。
【0089】−切り換え動作− 空気調和装置(33)の運転の切り換えは、実施形態1の空
気調和装置(31)の場合と同様にして行われる。
【0090】つまり、回転数判断手段(21)は、所定時間
毎に、圧縮機(1)の実際の回転数(F)と基準回転数(FB2)
との大小関係を判定する。そして、実際の回転数(F)が
基準回転数(FB2)よりも大きいと判定した場合は、この
判定結果を受け取った開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(5
0)に閉信号を伝送し、電磁弁(50)は閉状態に制御され
る。その結果、インジェクション運転が行われる。一
方、実際の回転数(F)が基準回転数(FB2)以下であると判
定した場合は、この判定結果を受け取った開閉弁制御手
段(20)は、電磁弁(50)に開信号を伝送し、電磁弁(50)は
開状態に制御される。その結果、バイパス運転が行われ
る。
【0091】以上のようにして、運転能力が低能力範囲
(110b)にあると判定した場合はバイパス運転を行い、高
能力範囲(111b)にあると判定した場合はインジェクショ
ン運転を行う。
【0092】なお、暖房運転についても、四路切換弁
(2)を図6の破線側に切り換えることによって、同様に
行うことができる。
【0093】−空気調和装置(33)の効果− 空気調和装置(33)では、インジェクション運転を行わな
いとき、つまりバイパス運転時に、気液分離器(6)内の
ガス冷媒を圧縮機(1)の吸入側配管(8a)にバイパスさせ
ている。そのため、蒸発器(冷房運転時における室内熱
交換器(7))における冷媒の圧力損失が低減し、圧縮機
(1)の負荷が減少する。その結果、圧縮機(1)入力が低減
するので、成績係数は向上する。
【0094】従って、実施形態2の空気調和装置(33)
は、実施形態1の空気調和装置(31)よりも省エネルギー
な運転を行うことができ、実施形態1の空気調和装置(3
1)の効果を一層顕著に発揮することができる。
【0095】<参考例2> 図8に示すように、参考例2の空気調和装置(34)は、参
考例1の空気調和装置(33)の回転数判定手段(21)を温度
差判定手段(22)に置き換えたものである。
【0096】温度差判定手段(22)の構成は、参考例1の
温度差判定手段(22)と同様である。
【0097】空気調和装置(34)の能力判定は、基準温度
差(TB2)を基に行われる。基準温度差(TB2)は、参考例1
と同様にして、室温と設定温度との温度差(T)と冷房負
荷との相関関係から設定する。つまり、基準能力(QB2)
に対する上記温度差(T)を基準温度差(TB2)とみなす。
【0098】空気調和装置(34)では、室温と設定温度と
の温度差(T)が基準温度差(TB2)よりも大きいときは、運
転能力が高能力範囲(111b)にあると判定してインジェク
ション運転を行う。一方、室温と設定温度との温度差
(T)が基準温度差(TB2)以下のときは、運転能力が低能力
範囲(110b)にあると判定してバイパス運転を行う。
【0099】従って、空気調和装置(34)も、実施形態2
の空気調和装置(33)と同様の効果を発揮する。また、容
易かつ正確に検知することができる物理量である温度に
基づいて能力判定を行っているので、簡易で信頼性の高
い能力判定を行うことができる。
【0100】
【発明の実施の形態3】図9に示すように、実施形態3
の空気調和装置(35)は、実施形態2の空気調和装置(33)
において、インジェクション通路(11)に電磁弁(10)を設
け、電磁弁(10)及び(50)の開閉制御により、自動運転を
行うようにしたものである。
【0101】具体的には、電磁弁(10)は、インジェクシ
ョン通路(11)とバイパス通路(51)との接続部と、圧縮機
(1)のインジェクションポート(1c)との間に設けられて
いる。電磁弁(10)は、配線(46)を介して、開閉弁制御手
段(20)に接続されている。
【0102】空気調和装置(35)の冷媒循環動作及び能力
判定方法は、実施形態2の空気調和装置(33)と同様であ
る。空気調和装置(35)と空気調和装置(33)とは、開閉弁
制御手段(20)の動作が異なる。
【0103】空気調和装置(35)では、回転数判定手段(2
1)が圧縮機(1)の回転数(F)が基準回転数(FB2)よりも大
きいと判定したときは、開閉弁制御手段(20)は、電磁弁
(10)に開信号を伝送して電磁弁(10)を開状態に制御する
と共に、電磁弁(50)に閉信号を伝送して電磁弁(50)を閉
状態に制御する。その結果、インジェクション運転が行
われる。
【0104】一方、回転数判定手段(21)が圧縮機(1)の
回転数(F)が基準回転数(FB2)以下であると判定したとき
は、開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(10)に閉信号を伝送
して電磁弁(10)を閉状態に制御すると共に、電磁弁(50)
に開信号を伝送して電磁弁(50)を開状態に制御する。そ
の結果、バイパス運転が行われる。
【0105】従って、実施形態3の空気調和装置(35)で
は、バイパス運転時には、気液分離器(6)と圧縮機(1)の
インジェクションポート(1c)との連通が完全に遮断され
る。そのため、気液分離器(6)内のガス冷媒は、すべて
バイパス通路(51)を通過して圧縮機(1)の吸入口(1b)に
吸入される。
【0106】従って、実施形態3の空気調和装置(35)で
は、実施形態2の空気調和装置(33)が奏する効果に加
え、中間圧のガス冷媒が圧縮機(1)の吸入口(1b)に確実
に戻るという効果が得られる。その結果、気液分離器
(6)内の微小な圧力変動等による影響を受けにくいの
で、圧縮機(1)の動作の安定性が高まり、更に省エネル
ギーな運転を実現することができる。
【0107】<参考例3> 図10に示すように、参考例3の空気調和装置(36)は、
参考例2の空気調和装置(34)において、インジェクショ
ン通路(11)に電磁弁(10)を設け、電磁弁(10)及び(50)の
開閉制御により、運転の切り換えを行うようにしたもの
である。
【0108】具体的には、電磁弁(10)は、インジェクシ
ョン通路(11)とバイパス通路(51)との接続部と、圧縮機
(1)のインジェクションポート(1c)との間に設けられて
いる。電磁弁(10)は、配線(46)を介して、開閉弁制御手
段(20)に接続されている。
【0109】空気調和装置(35)の冷媒循環動作及び能力
判定方法は、参考例2の空気調和装置(34)と同様であ
る。
【0110】空気調和装置(36)では、温度差判定手段(2
2)が室温と設定温度との温度差(T)が基準温度差(TB2)よ
りも大きいと判定したときは、開閉弁制御手段(20)は、
電磁弁(10)に開信号を伝送して電磁弁(10)を開状態に制
御すると共に、電磁弁(50)に閉信号を伝送して電磁弁(5
0)を閉状態に制御する。その結果、インジェクション運
転が行われる。
【0111】一方、温度差判定手段(22)が室温と設定温
度との温度差(T)が基準温度差(TB2)以下であると判定し
たときは、開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(10)に閉信号
を伝送して電磁弁(10)を閉状態に制御すると共に、電磁
弁(50)に開信号を伝送して電磁弁(50)を開状態に制御す
る。その結果、バイパス運転が行われる。
【0112】従って、参考例3の空気調和装置(36)で
は、実施形態3の空気調和装置(35)と同様に、バイパス
運転時には、気液分離器(6)と圧縮機(1)のインジェクシ
ョンポート(1c)との連通が完全に遮断される。
【0113】従って、参考例2の空気調和装置(34)が奏
する効果に加え、圧縮機(1)の動作の安定性が高まると
いう効果が得られ、更に省エネルギー化を実現すること
ができる。
【0114】
【発明の実施の形態4】実施形態4の空気調和装置(37)
は、低周波数域での運転における成績係数を向上させる
ことにより、広い能力範囲にわたって成績係数の高い運
転を実現した空気調和装置である。
【0115】−空気調和装置(37)の構成−図11に示す
ように、空気調和装置(37)は、主冷媒回路(C1)とアンロ
ード回路(C4)とからなる冷媒回路(C)を備えて構成され
ている。
【0116】主冷媒回路(C1)は、圧縮機(1)、四路切換
弁(2)、室外熱交換器(3)、電動膨張弁(4a)、及び室内熱
交換器(7)が冷媒配管(8)により接続されて構成されてい
る。
【0117】アンロード回路(C4)は、圧縮機(1)の吸入
側配管(8b)と圧縮機(1)の中間圧ポート(1d)とを連通す
る冷媒配管で構成されるアンロード通路(61)と、アンロ
ード通路(61)に設けられたアンロード通路開閉手段たる
電磁弁(60)とを備えて構成されている。
【0118】冷媒回路(C)には、冷媒としてR410A
が充填されている。
【0119】圧縮機(1)はロータリー式圧縮機(1)であ
り、アンロード通路(61)に接続された中間圧ポート(1d)
と、主冷媒回路(C1)に接続された低圧冷媒の吸入口(1b)
及び吐出口(1a)とを備えている。中間圧ポート(1d)は、
圧縮機(1)の圧縮途中の中間圧冷媒を吸入圧状態に戻す
ポートである。圧縮機(1)は、電気配線で構成される配
線(40)を介してインバータ(9)に接続されている。圧縮
機(1)及びインバータ(9)は、容量制御自在な圧縮手段(1
5)を構成している。
【0120】インバータ(9)、回転数制御手段(25)、室
温センサ(23)、開閉弁制御手段(20)、及び回転数判定手
段(21)は、それらを接続する配線を含め、実施形態1と
同様の構成である。従って、それらの構成部分には実施
形態1と同一の符号を付し、その説明は省略する。ただ
し、実施形態4の空気調和装置(37)では、開閉弁制御手
段(20)は、アンロード回路(C4)の電磁弁(60)に接続され
ている。なお、四路切換弁(2)及び電動膨張弁(4a)は、
配線(図示せず)を通じて各制御機器にそれぞれ接続さ
れている。
【0121】−空気調和装置(37)の動作− 空気調和装置(37)においても、四路切換弁(2)を切り換
えることによって、冷房運転と暖房運転とを任意に選択
して行うことができる。以下、冷房運転について説明す
る。
【0122】冷房運転では、圧縮機(1)の回転数(F)に応
じて、下記の通常運転又はアンロード運転のいずれか一
方の運転が行われる。つまり、空気調和装置(37)では、
圧縮機(1)の回転数(F)に応じてアンロード回路(C4)の電
磁弁(60)が切り換えられる自動運転が行われる。具体的
には、圧縮機(1)の回転数(F)が所定の基準回転数(FB3)
以下の場合にはアンロード運転が行われ、基準回転数(F
B3)より大きい場合には通常運転が行われる。
【0123】まず、上記自動運転の基本となる通常運転
及びアンロード運転をそれぞれ説明する。
【0124】−通常運転− 通常運転は、電磁弁(60)を閉状態に制御し、アンロード
通路(61)を閉鎖することによって行われる運転である。
【0125】四路切換弁(2)は図11の実線側に設定さ
れる。
【0126】圧縮機(1)の吐出口(1a)から吐出された高
圧冷媒は、四路切換弁(2)を経た後、室外熱交換器(3)に
流入する。そして、高圧冷媒は室外熱交換器(3)で凝縮
する。凝縮した高圧の液冷媒は、室外熱交換器(3)から
流出した後、電動膨張弁(4a)で減圧膨張され、低圧の二
相冷媒になる。そして、低圧の二相冷媒は室内熱交換器
(7)で蒸発し、室内空気を冷却する。室内熱交換器(7)か
ら流出した低圧のガス冷媒は四路切換弁(2)を経た後、
吸入側配管(8a)を通じて吸入口(1b)から圧縮機(1)に吸
入される。以上のようにして、冷媒は冷媒回路(C)を循
環し、室内の冷房が行われる。
【0127】−アンロード運転− アンロード運転は、電磁弁(60)を開状態に制御すること
によって行われる運転である。
【0128】アンロード運転時においても、四路切換弁
(2)は図11の実線側に設定される。上述した通り電磁
弁(60)は開状態に制御され、圧縮機(1)の中間圧ポート
(1d)と吸入側配管(8b)とはアンロード通路(61)を通じて
連通する。
【0129】主冷媒回路(C1)の冷媒の循環動作は、通常
運転と同様である。アンロード運転では、中間圧ポート
(1d)から吐出された中間圧冷媒は、アンロード通路(61)
を通過し、吸入口(1b)から圧縮機(1)に戻される。一
方、吐出口(1a)から吐出された残りの高圧冷媒は、四路
切換弁(2)を経て、通常運転と同様の循環動作を行う。
このように、アンロード運転では運転能力の抑制が図ら
れている。
【0130】−通常運転及びアンロード運転の特性− ところで、上記の通常運転及びアンロード運転のいずれ
においても、インバータ(9)及び回転数制御手段(25)に
よって圧縮機(1)の回転数(F)を制御することにより、圧
縮機(1)の容量を変化させ、空気調和装置(37)の運転能
力を制御することができる。そして、室内及び室外の空
気条件を一定とした場合、図12に示す特性曲線から明
らかなように、圧縮機(1)への電気入力、すなわち圧縮
機入力に対し、冷房能力は一義的に定まる。そのため、
空気調和装置(37)における運転能力に対する成績係数
(COP)の関係は、図13に示すような傾向を示す。
つまり、アンロード運転の特性曲線(201)及び通常運転
の特性曲線(202)のいずれも、成績係数のピークを有す
る凸状の曲線となり、両特性曲線(201),(202)は能力(QB
3)において交わる。そして、能力(QB3)を境に、アンロ
ード運転時の成績係数が通常運転時の成績係数以上の低
能力範囲(210)と、通常運転時の成績係数がアンロード
運転時の成績係数よりも大きい高能力範囲(211)との2
つの能力範囲が存在する。
【0131】これは、次のような理由による。一般的
に、アンロード運転を行うことにより、圧縮機(1)の容
量は見かけ上小さくなる。従って、低負荷時において、
アンロード運転を行うことは、容量の小さな圧縮機を通
常周波数で運転することに相当する一方、通常運転を行
うことは、容量の大きな圧縮機を低周波数で運転するこ
とに相当する。上述した通り、インバータ制御を行う圧
縮機(1)は、低周波数域での運転時に効率が低下する。
従って、低負荷時では、アンロード運転の方が通常運転
に比べてCOPが高くなる。
【0132】空気調和装置(37)では、運転能力が低能力
範囲(210)にあると判定したときにアンロード通路(61)
を開通してアンロード運転を行い、高能力範囲(211)に
あると判定したときにアンロード通路(61)を閉鎖して通
常運転を行うように構成されている。
【0133】−能力判定− 回転数判定手段(21)は、基準回転数(FB3)を基に能力判
定を行う。まず、基準回転数(FB3)の設定について説明
する。
【0134】図12は、実験結果に基づき、アンロード
運転及び通常運転のそれぞれについて、冷房能力に対す
る圧縮機入力の関係を示した図である。図12から明ら
かなように、通常運転の特性曲線(204)は、特定能力(QB
3)においてアンロード運転の特性曲線(203)と交わり、
かつ、アンロード運転の特性曲線(203)に比べて傾斜の
緩やかな曲線となっている。成績係数は(冷房能力)/
(圧縮機入力)で求められるため、この特定能力(QB3)
が基準能力となる。そして、この基準能力(QB3)以下の
能力範囲は低能力範囲(210)となり、基準能力(QB3)より
も大きい能力範囲は高能力範囲(211)となる。
【0135】ところで、圧縮機入力は圧縮機(1)の回転
数(F)と相関関係があるので、基準能力(QB3)における圧
縮機(1)の回転数(F)を基準回転数(FB3)とすることによ
り、基準回転数(FB3)以下の回転数での運転状態を低能
力範囲(210)の運転とみなし、基準回転数(FB3)よりも高
い回転数での運転状態を高能力範囲(211)の運転とみな
すことができる。従って、基準回転数(FB3)を基準にし
て、運転能力が低能力範囲(210)又は高能力範囲(211)に
あることを判断することができる。
【0136】このように、空気調和装置(37)では、基準
回転数(FB3)の設定を実験結果の解析に基づいて行って
いるが、基準回転数(FB3)の設定は、計算シミュレーシ
ョンにより行うことも勿論可能である。
【0137】−切り換え動作− 次に、空気調和装置(37)の起動時から安定時までの動作
を例にして、通常運転とアンロード運転の切り換え動作
を説明する。以下に説明する動作例では、室内の初期温
度は30℃とする。
【0138】まず、操作者が室内の設定温度として、例
えば26℃を設定し、空気調和装置(37)を起動する。こ
の際、室温と設定温度との差は4℃であり、比較的大き
い差であるので、回転数制御手段(25)から制御信号を受
けたインバータ(9)は、圧縮機(1)へ高周波数、すなわち
高回転数の信号を伝送する。その結果、圧縮機(1)は高
周波数で運転が行われ、回転数(F)は大きい値となる。
また、同時に、インバータ(9)から回転数判定手段(21)
へも、圧縮機(1)が高回転数で運転しているという圧縮
機(1)の回転数情報が伝送される。
【0139】回転数判定手段(21)は、所定時間毎に、圧
縮機(1)の実際の回転数(F)とあらかじめ設定された基準
回転数(FB3)との大小関係を判定し、運転能力が低能力
範囲(210)にあるか高能力範囲(211)にあるかを判定す
る。この場合、実際の回転数(F)は基準回転数(FB)より
も大きく、空気調和装置(31)の運転能力は高能力範囲(1
11)にあると判定される。そして、この判定結果を受け
た開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(60)に閉信号を伝送す
る。その結果、電磁弁(60)は閉状態に制御される。そし
て、上記の通常運転が行われる。
【0140】その後、通常運転が継続して行われた後、
室温と設定温度との差は徐々に小さくなる。その結果、
回転数制御手段(25)の制御により、圧縮機(1)の回転数
(F)は徐々に減少していく。なお、回転数判定手段(21)
は、インバータ(9)から圧縮機(1)の回転数情報を常に受
け取っており、所定時間毎に基準回転数(FB3)との比較
を継続して行っている。
【0141】そして、室温と設定温度との差がある値、
例えば1℃になったとき、圧縮機(1)の回転数(F)は基準
回転数(FB3)以下になる。この際、回転数判定手段(21)
は、空気調和装置(37)の運転能力は低能力範囲(210)に
あると判定する。そして、回転数判定手段(21)から上記
判定結果を受けた開閉弁制御手段(20)は、電磁弁(60)に
開信号を伝送し、電磁弁(60)を開状態に制御する。その
結果、空気調和装置(37)の運転は、通常運転からアンロ
ード運転に切り換えられ、アンロード運転が行われる。
【0142】その後も、回転数判定手段(21)は、圧縮機
(1)の回転数(F)を検知し、所定時間毎に、実際の回転数
(F)が基準回転数(FB3)よりも大きいか小さいかを判定す
る。そして、回転数判定手段(21)から判定結果を受けた
開閉弁制御手段(20)は、圧縮機(1)の回転数(F)に応じ
て、空気調和装置(37)の運転能力が低能力範囲(210)に
あるときは電磁弁(60)を開状態に制御する一方、高能力
範囲(211)にあるときは電磁弁(60)を閉状態に制御す
る。
【0143】以上のようにして、空調負荷に応じて通常
運転とアンロード運転とが選択される運転切り換えが行
われる。
【0144】−暖房運転− 暖房運転は、四路切換弁(2)を図11の破線側に切り換
え、冷媒の循環経路を冷房時と逆方向にすることにより
行われるが、その基本的な運転動作は冷房運転と同様で
ある。上記の冷房能力を暖房能力に置き換えることによ
り、冷房運転の例と全く同様にして空気調和装置(37)の
能力判定を行うことができる。つまり、冷房運転におい
ても、運転能力に応じて通常運転とアンロード運転とが
選択的に行われる自動運転が可能である。
【0145】−空気調和装置(37)の効果− このように、空気調和装置(37)では、低能力範囲(210)
においてはアンロード運転が行われ、高能力範囲(211)
においては通常運転が行われる。従って、低能力範囲(2
10)から高能力範囲(211)にわたる広い能力範囲におい
て、成績係数は高くなる。そのため、広い能力範囲にお
ける平均的な成績係数は向上する。従って、空気調和装
置(37)は、従来に比べて著しく省エネルギーな運転を実
現することができる。
【0146】しかも、運転能力の判定は、圧縮機(1)の
回転数(F)という正確に検知することができる物理量に
基づいて行われているので、容易で信頼性の高い能力判
定が行われる。
【0147】<参考例4> 図14に示すように、参考例4の空気調和装置(38)は、
実施形態4の空気調和装置(37)において、能力判定手段
を回転数判定手段(21)から温度差判定手段(22)に置き換
えたものである。従って、本空気調和装置(38)の構成
は、温度差判定手段(22)以外の部分については実施形態
4の空気調和装置(37)とほぼ同様である。実施形態4の
空気調和装置(37)と同様の部分については、同じ符号を
付し、その説明を省略する。
【0148】−空気調和装置(38)の構成− 空気調和装置(38)では、温度差判定手段(22)と一体化さ
れて構成された開閉弁制御手段(20)が配線(42)を介して
電磁弁(60)と接続されている。また、温度差判定手段(2
2)は、室温センサ(23)と配線(44)を介して接続されてい
る。この温度差判定手段(22)及び開閉弁制御手段(20)
は、実施形態4の回転数判定手段(21)と同様に、マイク
ロコンピュータで構成されている。温度差判定手段(22)
のメモリー(図示せず)には、あらかじめ定められた基
準温度差(TB)が記憶されている。
【0149】−空気調和装置(38)の動作− 空気調和装置(38)の動作は、実施形態4の空気調和装置
(37)の動作と基本的に同じであるが、運転能力の判定方
法が異なる。言い換えると、アンロード回路(C4)のON
/OFF動作、つまり、電磁弁(60)の開閉の切り換え動
作が異なる。
【0150】空気調和装置(38)では、電磁弁(60)は、室
温と設定温度との温度差(T)が基準温度差(TB3)よりも大
きいときに閉状態に制御され、基準温度差(TB3)以下の
ときに開状態に制御される。
【0151】基準温度差(TB3)は、参考例1と同様の手
法により定められている。つまり、基準温度差(TB3)
は、空調負荷と、室温と設定温度との温度差(T)との相
関関係に基づいて、あらかじめ実験等により定められた
基準能力(QB3)に対応する温度差(TB3)として設定されて
いる。
【0152】−切り換え動作− 次に、実施形態4の説明と同様に、起動時から安定時ま
での動作を例にして、空気調和装置(38)の切り換え動作
を説明する。本動作例においても、室内の初期温度は3
0℃とする。
【0153】まず、操作者が室内の設定温度として、例
えば26℃を設定し、空気調和装置(38)を起動する。こ
こで、温度差判定手段(22)は、室温センサ(23)から室温
情報を受け取り、室温が30℃であることを認識する。
そして、設定温度26℃と室温30℃との温度差(T)が
4℃であることを計算し、この温度差(T)と基準温度差
(TB)との大小関係を判定する。ここでは、温度差(T)=
4℃は基準温度差(TB3)=1℃よりも大きいので、運転
能力は高能力範囲(211)にあると判定する。その結果、
開閉弁制御手段(20)は温度差判定手段(22)の判定結果を
受け、電磁弁(60)を閉状態に制御し、通常運転が行われ
る。なお、圧縮機(1)の容量制御は、実施形態4と同様
に、回転数制御手段(25)及びインバータ(9)によって行
われる。
【0154】その後、通常運転が継続して行われた後、
室温と設定温度との温度差(T)は徐々に小さくなる。こ
のとき、温度差判定手段(22)は、室温センサ(23)から室
温情報を受け取り、所定時間毎に室温と設定温度との温
度差(T)と基準温度差(TB3)との比較を継続して行ってい
る。
【0155】そして、上記温度差(T)が基準温度差(TB3)
以下になったとき、温度差判定手段(22)は、空気調和装
置(38)の運転能力は低能力範囲(210)にあると判定す
る。そして、判定結果を受けた開閉弁制御手段(20)は電
磁弁(60)に開信号を伝送し、電磁弁(60)を開状態に制御
する。その結果、空気調和装置(38)の運転は、通常運転
からアンロード運転に切り換えられ、アンロード運転が
行われる。
【0156】その後も、温度差判定手段(22)は、室温を
認識し、所定時間毎に室温と設定温度との温度差(T)が
基準温度差(TB3)よりも大きいか小さいかを判定する。
そして、上記温度差(T)の大小に応じて、空気調和装置
(38)の運転能力が低能力範囲(210)にあるときは電磁弁
(60)を開状態に制御する一方、高能力範囲(211)にある
ときは電磁弁(60)を閉状態に制御する。
【0157】以上のようにして、運転能力に応じて通常
運転とアンロード運転とが選択される自動運転が行われ
る。
【0158】−空気調和装置(38)の効果− 従って、参考例4の空気調和装置(38)も、実施形態4の
空気調和装置(37)と同様の効果を発揮する。
【0159】また、室温と設定温度との温度差(T)とい
う容易かつ正確に検知することができる物理量に基づい
て能力判定を行っているので、簡易で信頼性の高い能力
判定を行うことができる。
【0160】−他の実施形態− 上記の実施形態及び参考例では、能力判定手段として回
転数判定手段(21)又は温度差判定手段(22)を用いたが、
本発明の能力判定手段はこれらに限定されず、運転能力
が低能力範囲(110),(110a),(210)又は高能力範囲(111),
(111a),(211)にあることを判定することができる手段で
あればどのような手段でもよい。
【0161】また、本発明は、R410Aを用いる場合
に特に優れた効果を奏するが、従来の冷媒、例えばR2
2等でも効果を発揮することは勿論である。従って、R
22等を使用することも可能である。
【0162】上記の実施形態では、高能力範囲(111),(1
11a),(211)の運転から低能力範囲(110),(110a),(210)の
運転への切り換えの際の基準能力と、低能力範囲(110),
(110a),(210)の運転から高能力範囲(111),(111a),(211)
の運転への切り換えの際の基準能力とは、共に同一の能
力(QB),(QB2),(QB3)であり、両者は等しかった。しか
し、基準能力(QB),(QB2),(QB3)付近で運転を行う際の頻
繁な切り換え動作を回避するために、デイファレンシャ
ルを設けてもよい。つまり、高能力範囲(111),(111a),
(211)の運転から低能力範囲(110),(110a),(210)の運転
への切り換えの際の基準能力をQB−ΔQとし、低能力
範囲(110),(110a),(210)の運転から高能力範囲(111),(1
11a),(211)の運転への切り換えの際の基準能力をQB+
ΔQとしてもよい。所定能力値ΔQは、空気調和装置(3
1)〜(38)の特性に応じて適宜設定する。
【0163】なお、本発明の冷凍装置は、ヒートポンプ
式空気調和装置に限定されるものではない。従って、冷
房専用機や、狭義の冷凍装置、又は冷蔵装置等に適用す
ることも勿論可能である。
【0164】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、以下の
ような効果が発揮される。
【0165】請求項1に記載の発明によれば、低能力範
囲においては非インジェクション運転を行い、高能力範
囲においてはインジェクション運転を行うことができ
る。従って、低能力範囲から高能力範囲にわたる広い能
力範囲において、成績係数の高い運転が可能になる。そ
のため、広い能力範囲における平均的な成績係数は向上
する。その結果、従来に比べて著しく省エネルギーな運
転を実現することができる。
【0166】また、負荷能力を一定とした場合、圧縮手
段の最大容量を小さくすることができ、圧縮手段の小型
化、軽量化を実現することができる。従って、冷凍ユニ
ットを小型化、軽量化することができ、冷凍装置全体の
コンパクト化を達成することができる。
【0167】具体的な構成によって、圧縮機の容量制御
が可能となる。簡易かつ正確に検知することができる圧
縮機の回転数に基づいて能力判定を行うことができる。
従って、簡易かつ正確に能力判定を行うことができる。
【0168】請求項2に記載の発明によれば、低能力範
囲においてはバイパス運転を行い、高能力範囲において
はインジェクション運転を行うことができる。従って、
低能力範囲から高能力範囲にわたる広い能力範囲におい
て、成績係数の高い運転が可能になる。そのため、広い
能力範囲における平均的な成績係数は向上し、従来に比
べて著しく省エネルギーな運転を実現することができ
る。
【0169】また、負荷能力を一定とした場合、圧縮手
段を小型化、軽量化することができる。従って、冷凍ユ
ニットを小型化、軽量化することができ、冷凍装置全体
のコンパクト化を達成することができる。
【0170】具体的な構成によって、圧縮機の容量制御
が可能となる。簡易かつ正確に検知することができる圧
縮機の回転数に基づいて能力判定を行うことができる。
従って、簡易かつ正確に能力判定を行うことができる。
【0171】請求項3に記載の発明によれば、バイパス
運転時にインジェクション通路が完全に閉鎖されるの
で、中間圧冷媒を圧縮機(1)の吸入側に確実に戻すこと
ができる。
【0172】請求項4に記載の発明によれば、低能力範
囲においてはアンロード運転を行い、高能力範囲におい
ては通常運転を行うことができる。従って、低能力範囲
から高能力範囲にわたる広い能力範囲において、成績係
数の高い運転が可能になる。そのため、広い能力範囲に
おける平均的な成績係数は向上し、従来に比べて著しく
省エネルギーな運転を実現することができる。
【0173】具体的な構成によって、圧縮機の容量制御
が可能となる。簡易かつ正確に検知することができる圧
縮機の回転数に基づいて能力判定を行うことができる。
従って、簡易かつ正確に能力判定を行うことができる。
【0174】請求項5に記載の発明によれば、運転能力
に応じて運転モードを切り換える自動運転の効果が、よ
り顕著に発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の空気調和装置の構成図である。
【図2】冷房能力と圧縮機入力との関係図である。
【図3】冷房能力とCOPとの関係図である。
【図4】参考例1の空気調和装置の構成図である。
【図5】室温と設定温度との温度差と冷房能力との関係
図である。
【図6】実施形態2の空気調和装置の構成図である。
【図7】冷房能力と圧縮機入力との関係図である。
【図8】参考例2の空気調和装置の構成図である。
【図9】実施形態3の空気調和装置の構成図である。
【図10】参考例3の空気調和装置の構成図である。
【図11】実施形態4の空気調和装置の構成図である。
【図12】冷房能力と圧縮機入力との関係図である。
【図13】冷房能力とCOPとの関係図である。
【図14】参考例4の空気調和装置の構成図である。
【図15】R22とR410Aとを温度変化に対する潜
熱の変化量に関して比較した図である。
【符号の説明】
(1) 圧縮機 (6) 気液分離器 (9) インバータ (10) 電磁弁 (11) インジェクション通路 (20) 開閉弁制御手段 (21) 回転数判定手段 (22) 温度差判定手段 (25) 回転数制御手段 (23) 室温センサ (110) 低能力範囲 (111) 高能力範囲
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−11886(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 F25B 13/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調負荷に応じて容量制御される圧縮機
    (1)を有する主冷媒回路(C1)と、主冷媒回路(C1)の中間
    圧ガス冷媒を該圧縮機(1)に供給するインジェクション
    通路(11)及び該インジェクション通路(11)を開閉するイ
    ンジェクション通路開閉手段(10)を有するインジェクシ
    ョン回路(C2)とを備える冷媒回路(C)と、 上記冷媒回路(C)の運転時における成績係数に対応して
    変動する判別値(F)を導出し、該判別値(F)が予め設定さ
    れた所定値(FB)より大きいと高能力信号を出力し、該判
    別値(F)が所定値以下であると低能力信号を出力する能
    力判定手段(21)と、 上記能力判定手段(21)から高能力信号を受けるとインジ
    ェクション通路開閉手段(11)を開状態に制御し、能力判
    定手段(21)から低能力信号を受けるとインジェクション
    通路開閉手段(11)を閉状態に制御する開閉制御手段(20)
    とを備え、上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の容量を制御するイン
    バータ(9)が接続され、 上記能力判定手段(21)は、上記インバータ(9)の制御情
    報を受け、判別値として上記圧縮機(1)の回転数(F)を導
    出する ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 空調負荷に応じて容量制御される圧縮機
    (1)を有する主冷媒回路(C1)と、主冷媒回路(C1)の中間
    圧ガス冷媒を該圧縮機(1)の圧縮行程途中に供給するイ
    ンジェクション通路(11)と、インジェクション通路(11)
    の中間圧ガス冷媒を該圧縮機(1)の吸入側に戻すバイパ
    ス通路(51)及び該バイパス通路(51)を開閉するバイパス
    通路開閉手段(50)を有するバイパス回路(C3)とを備える
    冷媒回路(C)と、 上記冷媒回路(C)の運転時における成績係数に対応して
    変動する判別値(F)を導出し、該判別値(F)が予め設定さ
    れた所定値(FB)より大きいと高能力信号を出力し、該判
    別値(F)が所定値(FB)以下であると低能力信号を出力す
    る能力判定手段(21)と、 上記能力判定手段(21)から高能力信号を受けるとバイパ
    ス通路開閉手段(50)を閉状態に制御し、能力判定手段(2
    1)から低能力信号を受けるとバイパス通路開閉手段(50)
    を開状態に制御する開閉制御手段(20)とを備え、上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の容量を制御するイン
    バータ(9)が接続され、 上記能力判定手段(21)は、上記インバータ(9)の制御情
    報を受け、判別値として上記圧縮機(1)の回転数(F)を導
    出する ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の冷凍装置において、 インジェクション通路(11)には、該インジェクション通
    路(11)を開閉するインジェクション通路開閉手段(10)が
    設けられ、 開閉制御手段(20)は、能力判定手段(21)から高能力信号
    を受けると、バイパス通路開閉手段(50)を閉状態に制御
    すると共に上記インジェクション通路開閉手段(10)を開
    状態に制御する一方、能力判定手段(21)から低能力信号
    を受けると、上記バイパス通路開閉手段(50)を開状態に
    制御すると共に上記インジェクション通路開閉手段(10)
    を閉状態に制御することを特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 空調負荷に応じて容量制御される圧縮機
    (1)を有する主冷媒回路(C1)と、該圧縮機(1)が吸入する
    冷媒の一部を該圧縮機(1)に戻すアンロード通路(61)及
    び該アンロード通路(61)を開閉するアンロード通路開閉
    手段(60)を有するアンロード回路(C4)とを備える冷媒回
    路(C)と、 上記冷媒回路(C)の運転時における成績係数に対応して
    変動する判別値(F)を導出し、該判別値(F)が予め設定さ
    れた所定値(FB)よりも大きいと高能力信号を出力し、該
    判別値(F)が所定値(FB)以下であると低能力信号を出力
    する能力判定手段(21)と、 上記能力判定手段(21)から高能力信号を受けるとアンロ
    ード通路開閉手段(60)を閉状態に制御し、低能力信号を
    受けるとアンロード通路開閉手段(60)を開状態に制御す
    る開閉制御手段(20)とを備え、上記圧縮機(1)には、該圧縮機(1)の容量を制御するイン
    バータ(9)が接続され、 上記能力判定手段(21)は、上記インバータ(9)の制御情
    報を受け、判別値として上記圧縮機(1)の回転数(F)を導
    出する ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は4のいずれか一つに記
    載の冷凍装置において、 冷媒には、R410Aが用いられていることを特徴とす
    る冷凍装置。
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