JP5552297B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、ケミカルトナーは、一般に、表面の凹凸が少ない滑らかなトナーからなり、帯電性不良などの問題がしばしば発生していた。特に乳化凝集法においては、凝集した粒子を合一させる際の加熱により、トナー粒子の表面が滑らかになるため、帯電性に劣る結果となる。特許文献1は、小粒径でシャープな粒度分布を有する高画質なトナーを製造するため、凝集粒子の合一時の温度、pHを調整することにより、トナーの比表面積を調整し、優れた帯電性や転写性を有するトナーを得る方法を開示している。また、特許文献2では、ケミカルトナーの製造において、融着工程後、熱風処理して形状を調整して、BET比表面積と円形度を適切な範囲に調整し画像性能を改善する方法が開示されている。更に特許文献3においては、トナーの空孔面積比率に着目し、そのBET比表面積が小さく、円形度が高いトナーが画像性や耐久性に優れていることを開示している。
本発明は、帯電性と転写性のいずれにも優れた電子写真用トナーの製造方法、及び該製造方法により得られる電子写真用トナーに関する。
[1](工程1)樹脂粒子の分散液に、下記式(1)を満足する量で凝集剤を添加して、下記式(2)を満足する、前記樹脂粒子及び前記凝集剤を含有する分散液を得る工程、
0.3<B/A≦1 (1)
3≦(C/D)×100≦13 (2)
A:樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の重量[g]
B:添加する凝集剤の重量[g]
C:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の、樹脂粒子を構成する樹脂の重量[g]
D:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液の重量[g]
(工程2)工程1で得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を含有する分散液を得る工程、および
(工程3)工程2で得られた凝集粒子を合一させる工程、
を有する電子写真用トナーの製造方法、及び
[2]上記[1]記載の製造方法で得られる電子写真用トナーであって、工程3で得られた合一粒子を少なくとも乾燥させて得られたトナー粒子の体積中位粒径(D50)が3〜9μm、粒度分布(CV値)が15〜25%であり、窒素吸着法によるBET比表面積が3〜10m2/g、かつ円形度が0.94〜0.98である、電子写真用トナー、
に関する。
本発明は、ケミカルトナーの製造において、その製造条件を特定のものに調整することで、円形度が高いトナー粒子を得るとともに、表面の凹凸性が高い、BET比表面積の大きなトナー粒子を得ることができるものである。すなわち、従来はBET比表面積が小さくかつ円形度が高いトナーか、もしくはBET比表面積が大きくかつ円形度が低いトナーしか得られていなかったが、これらのトナーは帯電性やトナー飛散のいずれかの点で劣るものである。本発明は、前記構成の如く、トナーの製造方法を規定することにより、且つBET比表面積が大きく、かつ円形度が高いトナー粒子を得ることで、帯電性に優れ、トナー飛散が少なく転写性に優れる電子写真用トナーを提供することができたものである。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、
(工程1)樹脂粒子の分散液に、下記式(1)を満足する量で凝集剤を添加して、下記式(2)を満足する、前記樹脂粒子及び前記凝集剤を含有する分散液を得る工程、
0.3<B/A≦1 (1)
3≦(C/D)×100≦13 (2)
A:樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の重量[g]
B:添加する凝集剤の重量[g]
C:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の、樹脂粒子を構成する樹脂の重量[g]
D:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液の重量[g]
(工程2)工程1で得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を含有する分散液を得る工程、および
(工程3)工程2で得られた凝集粒子を合一させる工程、
を有するものである。
工程1は、樹脂粒子の分散液に、前記式(1)を満足する量で凝集剤を添加して、下記式(2)を満足する、前記樹脂粒子及び前記凝集剤を含有する分散液を得る工程である。
本発明における樹脂粒子の分散液とは、樹脂粒子が水系媒体中に分散している分散液を意味する。本発明における樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子は、トナーの低温定着性及び耐久性の観点からポリエステルを含むことが好ましい。ポリエステルの含有量は、同様の観点から、樹脂中、50重量%以上が好ましく、60重量%以上がより好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質100重量%であることがさらにより好ましい。樹脂粒子を構成する樹脂としては、ポリエステル以外に、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、ポリエステル、スチレンアクリル共重合体、エポキシ、ポリカーボネート、ポリウレタン等を使用することができる。
カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の2価のカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
このカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジオクチル酸錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
さらに、ポリエステルを含有する場合、樹脂粒子を構成する樹脂は、トナーの低温定着性及び耐オフセット性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することができ、一方のポリエステル(I)の軟化点は70℃以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(II)の軟化点のポリエステルの軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(I)とポリエステル(II)の重量比(I/II)は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒やアセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒である、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒が使用できる。本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく、水のみを用いて樹脂を微粒化させることが好ましい。
離型剤としては、例えば固形のパラフィンワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。前記離型剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら離型剤の融点は、トナーの低温定着性の観点から、60〜90℃であることが好ましく、65〜90℃がさらに好ましく、融点が60〜90℃のワックスが好ましく、具体的には、トナーの低温定着性の観点から融点が60〜90℃のパラフィンワックスがより好ましく、樹脂、特にポリエステルとの相溶性の観点からは融点が60〜90℃のエステル系ワックスが好ましく、カルナウバワックスがさらに好ましい。
離型剤の含有量は、樹脂への分散性及びトナーの低温定着性の観点から、樹脂100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜18重量部、さらに好ましくは1.5〜15重量部である。
着色剤の含有量は、樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル系、スルホン酸塩系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
前記アルカリ水溶液は1〜20重量%の濃度のものが好ましく、1〜10重量%の濃度のものがより好ましく、1.5〜7.5重量%の濃度のものがさらに好ましい。用いるアルカリについては、樹脂が塩になったときその界面活性能を高めるようなアルカリを用いることが好ましい。具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの1価のアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。
分散後、好ましくは樹脂のガラス転移点以上の温度で中和させた後、樹脂のガラス転移点以上の温度で水系媒体を添加することによって、乳化させる事により、樹脂粒子の分散液を製造することができる。
当該樹脂粒子の分散液の製造に用いる水系媒体としては、前述の樹脂粒子を構成する樹脂の分散に用いられる水系媒体と同じものを挙げることができ、好ましくは、脱イオン水又は蒸留水である。
水系媒体の量は、後の凝集処理で均一な凝集粒子を得る観点から、樹脂100重量部に対して100〜2,000重量部が好ましく、150〜1,500重量部がより好ましい。得られる樹脂粒子の分散液の安定性と取扱い性などの観点から、樹脂粒子の分散液の固形分濃度は、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%になるように水系媒体の量を選定する。なお、固形分には樹脂、顔料、非イオン性界面活性剤などの不揮発性成分が含まれる。
このようにして得られた樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は、後の凝集処理での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.6μmである。ここで「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
通常、重縮合樹脂は重合時に脱水を伴うために一般には水系媒体中では進行しにくい。しかしながら、例えば、水系媒体中にミセルを形成するような界面活性剤とともに重縮合性単量体を水系媒体中に乳化させた場合、単量体がミセル中のミクロな疎水場に置かれることによって、脱水反応が進みやすくなり、生成した水はミセル外の水系媒体中に排出されて重合を進行させることができる。このようにして、低エネルギーで、水系媒体に重縮合樹脂の樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液が得られる。
工程1においては、前記樹脂粒子の分散液に凝集剤を添加して樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液を得る。
凝集剤として、有機系の凝集剤では、有機塩、ポリエチレンイミン等、無機系の凝集剤では、無機金属塩、無機アンモニウム塩、金属錯体等が用いられる。有機塩としては、例えば、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムが、無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。
荷電制御剤のトナー中の含有量は、樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
0.3<B/A≦1 (1)
3≦(C/D)×100≦13 (2)
A:樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の重量[g]
B:添加する凝集剤の重量[g]
C:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の、樹脂粒子を構成する樹脂の重量[g]
D:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液の重量[g]
凝集剤は水系媒体溶液にして添加することができる。凝集剤は、一時に添加しても良いし、連続的あるいは断続的に添加してもよい。また、分割して添加することもできる。凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
6≦(C/D)×100≦12 (4)
本発明においては、前記式(2)、(3)及び式(4)における樹脂粒子を構成する樹脂の重量は工程1における仕込み量より算出することができる。従って、C/Dの値を前記特定の範囲とするためには、工程1における仕込み量から求められる樹脂の含有量をC/Dで3〜15重量%となるようにすればよい。
工程2は、工程1で得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を含有する分散液を得る工程(以下、「凝集工程」ということがある)である。
凝集工程においては、凝集性及び凝集粒子を小粒径でシャープな粒度分布に制御する観点から、前記凝集系内の温度を(樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点+25℃)以下の温度とすることが好ましく、粗大粒子の抑制の観点から、より好ましくは(該樹脂のガラス転移点−30℃)〜(該樹脂のガラス転移点+25℃)、より好ましくは25℃〜(該樹脂のガラス転移点+25℃)、さらに好ましくは25℃〜(該樹脂のガラス転移点+15℃)、さらにより好ましくは35℃〜(該樹脂のガラス転移点+5℃)、さらに好ましくは40℃〜(該樹脂のガラス転移点−5℃)の範囲である。
凝集粒子を含有する分散液中の凝集粒子のガラス転移点は、トナーの耐熱保存性の観点から、50〜80℃であることが好ましく、より好ましくは52〜75℃であり、更に好ましくは55〜70℃である。
この凝集粒子を含有する分散液に含まれる凝集粒子は、得られるトナーの小粒径化の観点から、その体積中位粒径(D50)が1〜10μm、より好ましくは2〜9μm、さらに好ましくは2〜5μmの範囲にあることが好ましい。また粒度分布の変動係数(CV値)は30%以下であることが好ましく、より好ましくは28%以下、さらに好ましくは25%以下である。なお、粒度分布の変動係数(CV値)は、式
CV値(%)=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
で表される値である。
工程2aにおいては、工程2で得られた凝集粒子を含有する分散液に、さらに樹脂微粒子を一時に又は複数回分割して添加することができる。本発明において、凝集粒子を構成する樹脂粒子(以下、「本発明における樹脂粒子」ということがある)に対して、凝集粒子に付着させる樹脂微粒子を、以後単に「樹脂微粒子」と呼ぶ。
樹脂微粒子を複数回に分割して添加する場合、各々の樹脂微粒子の量は同量であることが好ましく、また、樹脂微粒子を分割して添加する場合には、各々の樹脂微粒の量は同量であることが好ましい。また、樹脂微粒子を複数回に分割して添加する場合、その回数については特に制限はないが、形成される凝集粒子の粒度分布及び生産性などの観点から、2〜10回が好ましく、2〜8回がより好ましい。
本発明においては、凝集粒子に添加される樹脂微粒子としては、特に制限はなく、例えば本発明における樹脂粒子と同様にして調製したものを用いることができる。
前記樹脂微粒子の添加時期は、特に制限はないが、生産性の観点から、工程1における最初の凝集剤の添加終了後、合一工程までの間であることが好ましい。
本発明においては、凝集後あるいは樹脂微粒子添加終了後、さらなる不必要な凝集を防止する観点から、合一前に、凝集停止剤を添加することが好ましい。凝集停止剤として界面活性剤を用いることが好ましいが、アニオン性界面活性剤を用いることがより好ましい。アニオン性界面活性剤のうち、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することがさらに好ましい。
前記凝集停止剤は1種で用いてもよいが、2種以上組み合わせて使用することもできる。
得られた凝集粒子は、工程3の凝集粒子を合一させる工程に供される。
工程3は、工程2で得られた凝集粒子を合一させる工程(以下、「合一工程」という)である。
前記合一工程は、工程2あるいは必要に応じ設けられた工程2aで得られた凝集粒子の分散液中の凝集粒子あるいは樹脂微粒子付着凝集粒子の分散液中の樹脂微粒子付着凝集粒子を融着させ、合一粒子を得る工程である。
樹脂微粒子付着凝集粒子の分散液の場合、その加熱温度は、目的とするトナーの形状制御、融着性の観点から、樹脂微粒子を構成する樹脂のガラス転移点以上かつ(該樹脂の軟化点+20℃)以下が好ましく、より好ましくは(該樹脂のガラス転移点+5℃)以上かつ(該樹脂の軟化点+15℃)以下であり、さらに好ましくは(該樹脂のガラス転移点+10℃)以上かつ(該樹脂の軟化点+10℃)以下である。
前記乾燥工程は、前記合一工程で得られた合一粒子を、必要に応じ、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程等を経た後、乾燥させてトナー粒子を得る工程である。乾燥方法としては、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。なお、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、洗浄工程においてトナー粒子表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。
トナーの高画質化の観点から、合一粒子及びトナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜8μmがさらに好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、前述の電子写真用トナーの製造方法で得られる電子写真用トナーであって、工程3で得られた合一粒子を少なくとも乾燥させて得られたトナー粒子の体積中位粒径(D50)が3〜9μm、粒度分布(CV値)が15〜25%であり、窒素吸着法によるBET比表面積が3〜10m2/g、かつ円形度が0.94〜0.98である、電子写真用トナーである。
工程1〜3を有する前記製造方法の詳細については前述の通りである。
なお、本発明の電子写真用トナーが後述の外添剤等で表面処理されたトナーである場合においては、前記トナー粒子の体積中位粒径(D50)、粒度分布(CV値)及び窒素吸着法によるBET比表面積とは、外添剤等が添加処理される前の粒子の値である。
トナー粒子の窒素吸着法によるBET比表面積は、帯電性、転写性の観点から3〜10m2/gであることが好ましく、より好ましくは3〜9m2/gであり、更に好ましくは4〜9m2/gであり、帯電性の観点から、6.0〜8.5m2/gがさらにより好ましい。また、円形度は、0.94〜0.98であることが好ましく、より好ましくは0.945〜0.975、さらに好ましくは0.95〜0.97であり、転写性の観点から0.957〜5〜0.97がさらにより好ましい。トナー粒子のBET比表面積及び円形度も後述の方法で測定することができる。なお、本発明において、トナー粒子の円形度は投影面積と等しい円の周囲長/投影像の周囲長の比で求められる値であり、粒子が球形であるほど円形度が1に近い値となる値である。
トナーが離型剤、着色剤、及び荷電制御剤を含有する場合は、その含有量は、トナー中の結着樹脂100重量部に対し、離型剤については、トナーの低温定着性の観点から好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜18重量部、さらに好ましくは1.5〜15重量部であり、着色剤については、好ましくは20重量部以下が、より好ましくは0.01〜10重量部であり、荷電制御剤については、好ましく好ましくは10重量部以下が、より好ましくは0.01〜5重量部である。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(Parkin Elmer社製、Pyris6 DSC)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で−10℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測される場合にはそのピークの温度を、また軟化点より20℃以上低い温度でピークが観測されずに段差が観測されるときは該段差部分の曲線の最大傾斜を示す接線と該段差の高温側のベースラインの延長線との交点の温度を、ガラス転移点として読み取る。なお、ガラス転移点は、樹脂の非晶質部分に特有の物性であり、一般には非晶質ポリエステルで観測されるが、結晶性ポリエステルでも非晶質部分が存在する場合には観測されることがある。
凝集粒子の分散液中の凝集粒子についてガラス転移点を測定する場合は、凝集粒子の分散液から凍結乾燥により溶媒を除去し、得られた固形物について測定を行った。
凝集粒子の分散液の凍結乾燥は、凍結乾燥機(東京理化器械社製:FDU−2100およびDRC−1000)を用いて、凝集粒子の分散液30gを−25℃にて1時間、−10℃にて10時間、25℃にて4時間真空乾燥を行い、水分量1重量%以下となるまで乾燥させた。水分量は、赤外線水分計(ケツト科学研究所社製:FD−230)を用いて、乾燥後の試料5gを、乾燥温度150℃及び測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて測定した。
(1)測定装置:レーザー散乱型粒径測定機(堀場製作所製、LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)を測定する。粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)で示す。
赤外線水分計(ケット科学研究所社製:FD−230)を用いて、樹脂粒子分散液5gを乾燥温度150℃,測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にて水分%を測定し、固形分は下記の式に従って算出した。
固形分(%)=100−M
M:水分(%)=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
・測定機:コールターマルチサイザー III(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト: マルチサイザーIIIバージョン3.51(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
測定条件:凝集粒子分散液、樹脂微粒子付着凝集粒子分散液又は合一粒子分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
・粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)で示す。
・測定機:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%濃度となるように前記電解液に溶解させて分散液を得る。
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製する。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
・粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)(%)で示す。
Micromeritics FlowSorbIII(島津製作所社製)を用いて、下記条件でBET比表面積を測定した。
・トナー粒子サンプル量:約0.1g
・脱気条件:40℃、10分間
・吸着ガス:窒素ガス
・分散液の調製:ポリオキシエチレンラウリルエーテル水溶液(花王社製、エマルゲン109P HLB13.6、5重量%水溶液)5mlにトナー粒子50mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させたのち、蒸留水20mlを添加し、さらに超音波分散機にて1分間分散させトナー粒子の分散液を得た。
・測定装置:フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製FIPA−3000)
・測定モード:HPF測定モード
・測定装置:日立社製 電界放射型走査電子顕微鏡 S−4000
あらかじめ真空蒸着装置を用い、試料表面を白金パラジウムで真空蒸着し、加速電圧2kV、倍率20,000倍にて観察を行った。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8,320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1,592g及び酸化ジブチル錫(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)下230℃で5時間反応させ、さらに減圧(8.3kPa)下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1,672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、さらに減圧下で反応させて、ポリエステルAを得た。ポリエステルAの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/gであった。
ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4,176g、ポリオキシエチレン(2.0)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3,881g、テレフタル酸2,253g、ドデセニルコハク酸無水物322g、トリメリット酸無水物945g及び酸化ジブチル錫15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステルBを得た。ポリエステルBの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は21.0mgKOH/gであった。
2リットル容のステンレス釜で、ポリエステルA 390.0g、ポリエステルB 210.0g、銅フタロシアニン顔料(ECB−301:大日精化工業社製)45g、及び、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−15」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液)20.0g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させた。カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6g/分で滴下した。また、系の温度は95℃に保持した。25℃まで冷却後、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、水溶性のオキサゾリン基を含有する重合体「WS−700」 gを添加し、その後95℃に温度を上げ95℃を1時間保持した。
冷却後、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂粒子分散液Aを得た。得られた樹脂粒子分散液A中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は180nm、CV値は28%、固形分濃度は31重量%であり、樹脂含有量は28重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。なお、前記樹脂粒子分散液中の樹脂含有量は、前記固形分濃度から各固形成分の仕込み量比率から求めた。以下、同様である。
2リットル容のステンレス釜で、ポリエステルA 390.0g、ポリエステルB 210.0g、及び、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−15」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液)20.0g、非イオン性界面活性剤「エマルゲン 430(花王社製)」ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル(HLB:16.2)6.0g、及び5重量%水酸化カリウム水溶液278.5gをカイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、95℃で分散させた。カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下で2時間保持した。続いて、カイ型の攪拌機で200r/minの攪拌下、脱イオン水を6g/分で滴下した。また、系の温度は95℃に保持した。冷却後、200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂粒子分散液Bを得た。得られた樹脂粒子分散液B中の樹脂粒子の体積中位粒径(D50)は141nm、CV値は24%、固形分濃度は31重量%であり、製造例3と同様にして求めた樹脂含有量は30重量%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。
1リットル容のビーカーで、脱イオン水480gにアルケニル(ヘキサデセニル基、オクタデセニル基の混合物)コハク酸ジカリウム水溶液「ラテムルASK(花王社製)、有効濃度28重量%」4.29gを溶解させた後、カルナウバロウワックス(加藤洋行社製、融点85℃、酸価5mgKOH/g)120gを分散させた。この分散液を90〜95℃に温度を保持しながら、「Ultrasonic Homogenizer 600W」(日本精機社製)で30分間分散処理を行った後に室温まで冷却した。離型剤分散液中の離型剤粒子の体積中位粒径(D50)は0.494nm、粒度分布の変動係数(CV値)は34%であった。ここにイオン交換水を加え、離型剤固形分20重量%に調整し、離型剤分散液aを得た。
[工程1]
樹脂粒子分散液A 250gと脱イオン水58gと離型剤分散液a 41gを脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、室温下(25℃)で混合した。次に、カイ型の攪拌機で攪拌下、この混合物に硫酸アンモニウム27.2gを347gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温下で30分かけて滴下し、樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液を得た。
[工程2]
次いで、得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液を50℃まで昇温し、50℃で保持し体積中位粒径が4.0μmの凝集粒子を得た。
[工程2a]
続いて、樹脂微粒子分散液として樹脂粒子分散液B 23gと脱イオン水7.5gとの混合液を60分かけて滴下した。この操作を合計3回繰り返した。次に、樹脂微粒子分散液として樹脂粒子分散液A 28gと脱イオン水9.0gとの混合液と、硫酸アンモニウム1.5gを15gの脱イオン水に溶解させた水溶液を同時に60分かけて滴下した。この操作を合計2回繰り返し、体積中位粒径が5.0μmの樹脂微粒子付着凝集粒子分散液を得た。
工程2aで得られた樹脂微粒子付着凝集粒子分散液に、ドデシルエーテル硫酸ナトリウム(エマールE27C、固形分:28重量%)11.6gを脱イオン水450gで希釈した水溶液を添加した後、80℃まで2時間かけて昇温し2時間保持した後、体積中位粒径が5.0μmの合一粒子を得た。その後、室温(25℃)まで冷却した。この間に、樹脂微子付着凝集粒子が合一粒子へ変化した。得られた合一粒子を、固液分離のためのろ過工程、乾燥工程、洗浄工程を経てトナー粒子とした。得られたトナー粒子についての電子顕微鏡写真を図1に示す。外添処理として、このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製;RY50、個数平均粒径;0.04μm)2.5部、疎水性シリカ(キャボット社製;キャボシールTS720、個数平均粒径;0.012μm)1.0部、及び有機微粒子(日本ペイント社製;ファインスフェアP2000、個数平均粒径;0.5μm)0.8部をヘンシェルミキサーで外添し、150メッシュの篩いを通過した微粒子をシアントナーとした。
実施例1の工程3において、80℃まで2時間で昇温したところを、77℃まで2時間で昇温した以外は実施例1と同様にして、シアントナーを得た。
実施例1の工程1において、添加する硫酸アンモニウムを脱イオン水へ溶解させた水溶液を、硫酸アンモニウム23.6gを脱イオン水265gに溶解させた水溶液へと変更した以外は実施例1と同様にしてシアントナーを得た。
実施例1の工程1において、添加する硫酸アンモニウムを脱イオン水へ溶解させた水溶液を、硫酸アンモニウム18.2gを脱イオン水162gに溶解させた水溶液へと変更した以外は実施例1と同様にしてシアントナーを得た。得られたトナー粒子についての電子顕微鏡写真を図2に示す。
樹脂粒子分散液A 250gと離型剤分散液a 41gを脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した2リットル容4つ口フラスコに入れ、室温下(25℃)で混合した。次に、カイ型の攪拌機で攪拌下、この混合物に硫酸アンモニウム27.2gを70gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温下で15分かけて滴下した。その後、混合溶液を50℃まで昇温し、50℃で保持したところ、系内が増粘し、粗大粒子が大量に発生してしまった。その結果、先に示した方法では粒子径が測定できなかった。
樹脂粒子分散液A 250gと脱イオン水58gと離型剤分散液a 41gを脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容4つ口フラスコに入れ、室温下(25℃)で混合した。次に、カイ型の攪拌機で攪拌下、この混合物に硫酸アンモニウム23.7gを3329gの脱イオン水に溶解させた水溶液を室温下で1時間かけて滴下した。その後、混合溶液を50℃まで昇温し、50℃で保持したが、凝集粒子が得られなかった。
得られた各トナーについて、下記方法に従って、転写性と帯電性を評価した。結果を表1に示す。
べた画像を市販のプリンタ(沖データ社製ML5400)を用いて 感光体に現像されたトナーをエクセレントホワイト紙(沖データ社製 80g/m2紙)に転写し、A4の半分まで転写した時点でマシンを停止させ、転写後の感光体表面に透明なメンディングテープ(3M製:SCOTCH メンディングテープ810-3-18)を貼付け、感光体表面の転写残トナーを採取する。
未使用のエクセレントホワイト紙上にリファレンスのメンディングテープと、前記転写残トナーを採取したメンディングテープを貼付し、それを同紙30枚の上に置き、測色計(Gretag−Macbeth社製、「SpectroEye」) を用いて、光射条件が標準光源D50、観察視野2°にてリファレンスのメンディングテープの白色度を白色基準とし、CIE L*a*b*を測色する。その後、転写残トナーを採取したメンディングテープのCIE L*a*b*を測色し、リファレンスとの色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)1/2を求め、その値を転写残とする。ΔEは値が小さいほど転写残が少なく、転写性が良好であることを示す。
べた画像を上記プリンタを用いて紙に印字し、A4の半分まで転写した時点でマシンを停止させ、現像ローラ上の両端から3cmの部分に1cm×2cmの冶具をそれぞれ取り付け、Q/mメーター(Trek社製:210HS)を用いて帯電量を測定した。帯電性が負帯電性で、帯電量の絶対値が高いほど、帯電性が高いことを示す。
Claims (5)
- (工程1)ポリエステルを50〜100重量%含有する樹脂粒子の分散液に、下記式(1)を満足する量で凝集剤を添加して、下記式(2)を満足する、前記樹脂粒子及び前記凝集剤を含有する分散液を得る工程、
0.3<B/A≦1 (1)
3≦(C/D)×100≦13 (2)
A:樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の重量[g]
B:添加する凝集剤の重量[g]
C:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の、樹脂粒子を構成する樹脂の重量[g]
D:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液の重量[g]
(工程2)工程1で得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を含有する分散液を得る工程、
(工程2a)工程2で得られた凝集粒子を含有する分散液に樹脂微粒子分散液を添加する工程、および
(工程3)工程2aで得られた凝集粒子を含有する分散液の温度が、凝集粒子のガラス転移点以上かつ90℃以下で、凝集粒子を合一させる工程
を有する方法により、工程3で得られた合一粒子を少なくとも乾燥させて得られるトナー粒子のBET比表面積を5.8〜8.5m2/g、かつ円形度を0.95〜0.98に調整する、電子写真用トナーの製造方法。 - 前記工程2aで凝集粒子を含有する分散液における凝集粒子と樹脂微粒子の配合比(凝集粒子/樹脂微粒子)が、重量比で0.1〜3.0である、請求項1に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 工程1で添加する凝集剤が分子量350以下の水溶性含窒素化合物である、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法で得られる電子写真用トナーであって、工程3で得られた合一粒子を少なくとも乾燥させて得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)が3〜9μm、粒度分布(CV値)が15〜25%であり、窒素吸着法によるBET比表面積が5.8〜8.5m2/g、かつ円形度が0.95〜0.98である、電子写真用トナー。
- (工程1)ポリエステルを50〜100重量%含有する樹脂粒子の分散液に、下記式(1)を満足する量で凝集剤を添加して、下記式(2)を満足する、前記樹脂粒子及び前記凝集剤を含有する分散液を得る工程、
0.3<B/A≦1 (1)
3≦(C/D)×100≦13 (2)
A:樹脂粒子の分散液中の樹脂粒子の重量[g]
B:添加する凝集剤の重量[g]
C:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の、樹脂粒子を構成する樹脂の重量[g]
D:樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液の重量[g]
(工程2)工程1で得られた樹脂粒子及び凝集剤を含有する分散液中の樹脂粒子を凝集させ、凝集粒子を含有する分散液を得る工程、
(工程2a)工程2で得られた凝集粒子を含有する分散液に樹脂微粒子分散液を添加する工程、および
(工程3)工程2aで得られた凝集粒子を含有する分散液の温度が、凝集粒子のガラス転移点以上かつ90℃以下で、凝集粒子を合一させる工程
を有する方法により、工程3で得られた合一粒子を少なくとも乾燥させて得られるトナー粒子の体積中位粒径(D50)を3〜9μm、粒度分布(CV値)を15〜25%、BET比表面積を5.8〜8.5μm2/g、かつ円形度を0.95〜0.98に調整する、トナー粒子の形状の調整方法。
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