JP5550622B2 - α−オレフィン系重合体組成物、該組成物からなる成形体、新規重合体 - Google Patents
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Description
一方で環境ホルモン、ダイオキシン等の問題から脱軟質塩ビの動向が強まる中、柔軟性、透明性を有するポリオレフィンが望まれていた。このような状況の中でTPOと称される熱可塑性ポリオレフィン系エラストマーは柔軟性に優れるが透明性が無く、またPPにスチレン系エラストマーを添加した系は、柔軟で透明性を有するがゴム弾性に劣り、高価であるため、用途が限られていた。(特許文献1〜11)
なお、特許文献12には、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体が記載されているが、透明性、柔軟性に優れかつゴム弾性を有する材料については記載されていない。
また結晶性ポリプロピレンは、引張強度、剛性、表面硬度、耐衝撃強度などの機械特性、光沢性、透明性などの光学特性、あるいは無毒性、無臭性などの食品衛生性などに優れており、特に食品包装の分野に広く利用されている。この結晶性ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール温度まで加熱すると収縮してしまい、このフィルム単層ではヒートシールすることが困難である。このため結晶性ポリプロピレンフィルムには、通常ヒートシール層が設けられており、このヒートシール層は、一般的に低密度ポリエチレン、プロピレン・エチレンランダム共重合体などのポリマーで形成されている。
しかしながら非架橋型または部分架橋型熱可塑性エラストマーはゴム的性質(永久伸び、圧縮永久歪など)、耐熱性などに優れるものの、耐摩耗性、耐傷つき性に劣るために軟質塩ビを代替するには至っておらず、環境問題、廃棄処理問題等のない軟質塩ビを代替しうる耐摩耗性、耐傷つき性に優れたオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の出現が望まれていた。
本発明が解決しようとする第2の課題は、剛性および耐衝撃性に優れ、かつ耐白化性、耐摩耗性、ヒートシール性のバランスに優れたポリプロピレン樹脂組成物を提供することにある。
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
他の熱可塑性樹脂(II)とを含む熱可塑性樹脂組成物、およびそれから得られる成形体を提供する。
また本発明は、プロピレン系重合体(A)50〜99.8重量%と
プロピレンから導かれる構成単位を90〜40モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜60モル%の量で含み、かつo−ジクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位のCH(メチン)に由来するシグナルのうち、最も高磁場で存在するピークを34.4ppmと定めたシグナルチャートにおいて、約22.0〜20.9ppmの吸収強度Aと約19.0〜20.6ppmの吸収強度Bが、プロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度Cに対して、下記の関係式(i)と(ii)を満たす、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)0.2〜50重量%
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
を含むことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物、およびそれから得られる成形体を提供する。
プロピレン系重合体(A)50〜99.8重量%と
プロピレンと、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)を、前記一般式(1)で表される遷移金属化合物を含む触媒の存在下に重合して得られ、プロピレンから導かれる構成単位を90〜40モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜60モル%の量で含むプロピレン・α−オレフィン共重合体(BB)(ただしプロピレン・エチレン2元共重合体を除く)0.2〜50重量%を含むことを特徴とするポリプロピレン樹脂組成物、およびそれから得られる成形体を提供する。
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
を含有するプロピレン系共重合体組成物、およびそれから得られる成形体を提供する。
本発明によれば、熱可塑性樹脂に配合することにより、透明性、柔軟性、耐熱性、耐磨耗性のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物を提供し得るα−オレフィン系共重合体も提供される。
さらに本発明によれば、ゴム的性質(永久伸び、圧縮永久歪など)、耐熱性などに優れ、耐摩耗性、耐傷つき性にも優れたプロピレン系共重合体組成物が提供される。
本発明によって提供される熱可塑性樹脂にα−オレフィン系共重合体(S)を配合した物性が改善された熱可塑性樹脂組成物の第1の具体的な例として、下記のような樹脂組成物を挙げることができる。
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
他の熱可塑性樹脂(II)とを含む熱可塑性樹脂組成物を挙げることができる。
エチレン由来の構成単位を1から30モル%、プロピレン由来の構成単位を30〜79モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%(ただしエチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計量は21から70モル%である)の量で含むα−オレフィン系共重合体(I')と他の熱可塑性樹脂(II)とを含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物;
このような熱可塑性樹脂組成物を構成する成分について以下に説明する。
まずα−オレフィン系共重合体(I)について説明する。
本発明に係るα−オレフィン系共重合体(I)においては13CNMRによる測定によるシグナルの強度が、以下のような関係を満たす。すなわち、
o−ジクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位のCH(メチン)由来のシグナルのうち、最も高磁場で存在するピークを34.4ppmと定めたシグナルチャートにおいて、約22.0〜20.9ppmの吸収強度Aと約19.0〜20.6ppmの吸収強度Bがプロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度Cに対して、下記の関係式(i)と(ii)を満たし、好ましくは、関係式(i)'、(ii)'、更に好ましくは関係式(i)''、(ii)''を満たすことが好ましい。
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
(A/C)×100≦7・・・・・・ (i)'
(B/C)×100≧64・・・・・・ (ii)'
(A/C)×100≦6・・・・・・ (i)''
(B/C)×100≧68・・・・・・ (ii)''
エチレン由来の構成単位を1〜30モル%、プロピレン由来の構成単位を30〜69モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)を10〜50モル%(ここで該共重合体(I−a)中のエチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位、炭素数4から20のα−オレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とし、エチレン成分単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の成分単位との合計量は31〜70モル%である)、好ましくはエチレン由来の構成単位を3〜25モル%、プロピレン由来の構成単位を35〜65モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)を20〜45モル%(ここで該共重合体(I−a)中のエチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位、炭素数4から20のα−オレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とし、エチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成成分単位との合計量は35〜65モル%である)、さらに好ましくはエチレン由来の構成単位を5〜25モル%、プロピレン由来の構成単位を40〜65モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位(A)を20〜40モル%含んでいる(ここで該共重合体(I−a)中のエチレン由来の構成単位、プロピレン由来の構成単位、炭素数4から20のα−オレフィン由来の構成単位の合計を100モル%とし、エチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計量は35〜60モル%である)。
このようなα−オレフィン共重合体(I)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンとエチレンとα−オレフィンを共重合させて得ることができる。
(a)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物と、
(b)(b−1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b−3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
本発明のα−オレフィン系重合体(I')は、
エチレンと、プロピレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンを、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物を含む触媒の存在下に重合して得られ、
エチレン由来の構成単位を1から30モル%、プロピレン由来の構成単位を30〜79モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%(ただしエチレン由来の構成単位と炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位との合計量は21から70モル%である)の量で含むα−オレフィン系共重合体(I')である;
本発明に係るα−オレフィン系共重合体(I)またはα−オレフィン系共重合体(I')以外の、その他の熱可塑性樹脂としては融点が50℃以上、好ましくは80℃以上、または融点が存在しない場合はガラス転移点が40℃以上、好ましくは80℃以上の熱可塑性樹脂であれば特に制限無く用いることができる。またその目的によって、熱可塑性樹脂として弾性率が高い樹脂(熱可塑性樹脂(IIa))と低い樹脂(熱可塑性樹脂(IIb))とを適宜使い分けることができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂としては、弾性率が800MPa以上、好ましくは1000MPa以上である熱可塑性樹脂が用いられ、たとえばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイドなどの非熱可塑性樹脂が用いられる。なお前記弾性率は、熱可塑性樹脂をプレス成形した後、後述する実施例の方法で引っ張り試験を行うことにより求めることができる。成形条件は、DSCで測定した融点またはガラス転移温度の高い方の温度以上であって200〜300℃の間の適切な温度で余熱後、加圧(100kg/cm2)3分で成形したのち、20℃で5分間加圧(100kg/cm2)冷却することにより1mm厚のシートを作製することで行う。例えば後述するポリプロピレンの場合は、200℃で余熱後、加圧3分、冷却5分として行う。
ABSとしては、アクリロニトリルから誘導される構成単位を20〜35モル%の量で含有し、ブタジエンから誘導される構成単位を20〜30モル%の量で含有し、スチレンから誘導される構成単位を40〜60モル%の量で含有するものが好ましく用いられる。
これらの熱可塑性樹脂のなかでは、ポリオレフィンが好ましく、ポリプロピレンまたはポリブテン、ポリメチルペンテンを主体とした重合体がより好ましく、特に230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが、0.1〜200g/10分であるポリプロピレンが最も好ましい。
上記のような熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。さらに上記の熱可塑性樹脂とともに、上記以外の熱可塑性樹脂を用いてもよい。
本発明に係る熱可塑性樹脂としては、弾性率が800MPa未満、好ましくは700MPa未満である熱可塑性樹脂が用いられ、たとえばポリオレフィン、軟質塩ビ、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマーが用いられる。
次に、本発明に係る熱可塑性樹脂組成物について説明する。
本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、前記α−オレフィン系共重合体(I);1〜99重量部、好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは、10〜80重量部と、熱可塑性樹脂(II);99〜1重量部、好ましくは95〜10重量部、更に好ましくは90〜10重量部とから形成されているか、または前記α−オレフィン系共重合体(I');1〜99重量部、好ましくは5〜90重量部、更に好ましくは、10〜80重量部と、熱可塑性樹脂(II);99〜1重量部、好ましくは95〜10重量部、更に好ましくは90〜10重量部とから形成されている。
成形条件は、DSCで測定した融点またはガラス転移温度の高い方の温度以上であって、200〜300℃の温度で余熱後、加圧(100kg/cm2)3分で成形したのち、20℃で5分加圧(100kg/cm2)冷却することにより所定の厚みのシートを作製することで行う。例えば代表的な条件としては、200℃で余熱後、加圧(100kg/cm2)3分で成形したのち、20℃で5分加圧(100kg/cm2)冷却することにより所定の厚みのシートを作製する。熱可塑性樹脂組成物が、例えば、ポリプロピレン、プロピレン共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体などを含む)を含む場合は、この条件で成形して試験に供することができる。
また、各物性の試験方法は、後述する実施例に記載したとおりである。
上記のような本発明に係る熱可塑性樹脂組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特にポリオレフィン組成物をたとえばシート、未延伸または延伸フィルム、フィラメント、他の種々形状の成形体に成形して利用することができる。
上記のような本発明に係る熱可塑性組成物からなるシートおよびフィルム成形体は、帯電しにくく、引張弾性率などの剛性、耐熱性、耐衝撃性、耐老化性、透明性、透視性、光沢、剛性、防湿性およびガスバリヤー性に優れており、包装用フィルムなどとして幅広く用いることができる。特に防湿性に優れるため、薬品の錠剤、カプセルなどの包装に用いられるプレススルーパック(press through pack)などに好適に用いられる。また本発明に係るα−オレフィン系共重合体(I)または他の熱可塑性樹脂との熱可塑性樹脂組成物は水系塗料により得られる塗膜への耐チッピング性付与を、塗膜外観を保ったままで行う場合、プライマーもしくは水系塗料への添加剤として使用可能な水性樹脂組成物としても用いられる。
たとえば押出ブロー成形では、上記プロピレン系重合体組成物を樹脂温度100〜300℃の溶融状態でダイより押出してチューブ状パリソンを形成し、次いでパリソンを所望形状の金型中に保持した後空気を吹き込み、樹脂温度130〜300℃で金型に着装することにより中空成形体を製造することができる。延伸(ブロー)倍率は、横方向に1.5〜5倍程度であることが望ましい。
プレス成形体としてはモールドスタンピング成形体が挙げられ、たとえば基材と表皮材とを同時にプレス成形して両者を複合一体化成形(モールドスタンピング成形)する際の基材を本発明に係るプロピレン組成物で形成することができる。
本発明によって提供される熱可塑性樹脂にα−オレフィン系共重合体(S)を配合した物性が改善された熱可塑性樹脂組成物の第2の具体的な例として、下記のような樹脂組成物を挙げることができる。
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
0.2〜50重量%を含むポリプロピレン樹脂組成物を挙げることができる。
プロピレンから導かれる構成単位を90〜40モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜60モル%の量で含むプロピレン・α−オレフィン共重合体(BB)(ただしプロピレン・エチレン2元共重合体は除く)0.2〜50重量%を含むポリプロピレン樹脂組成物を挙げることができる。
本発明で用いられるプロピレン系重合体の引張り弾性率は400MPa以上であることが好ましく、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレンから少なくとも1種選ばれることが更に好ましい。 前記弾性率は、プロピレン系重合体をプレス成形した後、後述する実施例の方法で引っ張り試験を行うことにより求めることができる。成形条件は、200℃の温度で余熱後、加圧(100kg/cm2)3分で成形したのち、20℃で5分間加圧(100kg/cm2)冷却することにより1mm厚のシートを作製することで行う。
アイソタクティックポリプロピレンは、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上のポリプロピレンである。アイソタクティックペンタッド分率(mmmm)は、13C−NMRを使用して測定される分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクティック連鎖の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率である。具体的には、13C−NMRスペクトルで観測されるメチル炭素領域の全吸収ピーク中に占めるmmmmピークの分率として算出される値である。なお、このアイソタクティックペンタッド分率(mmmm)は、以下のようにして測定される。
mmmm分率=Pmmmm/PW (2)
シンジオタクティックポリプロピレンは、少量例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下の量でエチレン、炭素数4以上のα−オレフィン等が共重合されていてもよい。このようなシンジオタクティックポリプロピレンの製造の際には、触媒としては、特開平10−300084に記載してあるメタロセン系触媒を例示することができる。
rrrr分率=Prrrr/PW (3)
本発明に係るプロピレンα−オレフィン系共重合体(B)は、13CNMRによる測定によるシグナルの強度が、以下のような関係を満たす。すなわち、
o−ジクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位のCH(メチン)に由来するシグナルのうち、最も高磁場で存在するピークを34.4ppmと定めたシグナルチャートにおいて、約22.0〜20.9ppmの吸収強度Aと約19.0〜20.6ppmの吸収強度Bが、プロピレンメチルに帰属される約19.0〜22.0ppmの吸収強度Cに対して、下記の関係式(i)と(ii)を満たし、好ましくは、関係式(i)'、(ii)'、更に好ましくは関係式(i)''、(ii)''を満たすことが好ましい。
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
(A/C)×100≦7・・・・・・ (i)'
(B/C)×100≧64・・・・・・ (ii)'
(A/C)×100≦6・・・・・・ (i)''
(B/C)×100≧68・・・・・・ (ii)''
なお、プロピレン・α−オレフィン系共重合体(B)においてα−オレフィンとしては、少なくとも炭素数4〜20のα−オレフィンを含有するものであることが好ましく、当該炭素数4〜20のα−オレフィンとしてはブテンがより好ましい。
このようなプロピレン・α−オレフィン系共重合体(B)を調製する際に用いられるα−オレフィンとしては、プロピレンを除く炭素数が2〜20、好ましくは2〜12の範囲にあれば特に限定されず、直鎖状であっても、分岐、環状構造を有していてもよい。
このようなプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンとα−オレフィンを共重合させて得ることができる。
(a)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物と、
(b)(b−1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b−3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
具体的な製造条件については、重複を避けるため繰り返し記載はしないが、上記α−オレフィン共重合体(I)の製造について記載した方法に準じて製造することができる。
本発明のα−オレフィン系重合体(BB)は、
プロピレンと、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く)を、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物を含む触媒の存在下に重合して得られ、
プロピレンから導かれる構成単位を90〜40モル%の量で含有し、プロピレンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位を10〜60モル%の量で含むことを特徴としている(ただしプロピレン・エチレン2元共重合体を除く);
本発明に係るエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(C)としては、エチレンと、炭素数3〜20、好ましくは3〜10のα−オレフィンとのランダム共重合体が望ましい。 このようなα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1− ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。これらは、単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。
本発明に係る無機充填剤(D)としては、微粉末タルク、カオリナイト、焼成クレー、パイロフィライト、セリサイト、ウオラスナイトなどの珪酸塩;沈降性炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの酸化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどの硫酸塩;含水珪酸カルシウム、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの珪酸または珪酸塩;その他微粉末シリカ、カーボンブラックなどの粉末状充填剤、マイカ、ガラスフレークなどのフレーク状充填剤、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カルシウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セピオライト、PMF(Processed Mineral Fiber)、ゾノトライト、チタン酸カリ、エレスタダイト、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状充填剤、ガラスバルン、フライアッシュバルンなどのバルン状充填剤などが挙げられる。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、発砲剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を配合することができる。またエマルジョン化するためのアクリル系樹脂等が少量配合されていても良い。
本発明に係る樹脂組成物はプロピレン系重合体(A)50〜99.8重量%と前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(B)0.2〜50重量%を含む(ここで(A)(B)の合計量は100重量%である)。さらに好ましくはプロピレン系重合体(A)55〜90重量%とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)10〜45重量%、特に好ましくはプロピレン系重合体(A)60〜85重量%とプロピレン・α−オレフィン共重合体(B)15〜40重量%、を含む(ここで(A)(B)の合計量は100重量%である)。
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、成形体としては具体的には、押出成形、射出成形、インフレーション成形、ブロー成形、押出ブロー成形、射出ブロー成形、プレス成形、真空成形、カレンダー成形、発泡成形などの公知の熱成形方法により得られる成形体が挙げられる。
本発明によって提供される熱可塑性樹脂にα−オレフィン系共重合体(S)を配合した物性が改善された熱可塑性樹脂組成物の第3の具体的な例として、下記のような樹脂組成物を挙げることができる。
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
5〜60重量部(ここで(X)、(Y)、(Z)の合計は100重量部である)含有するプロピレン系共重合体組成物を挙げることができる。
以下に、本発明に係わるプロピレン系共重合体組成物について具体的に説明する。
本発明で用いられる非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーはポリプロピレンと、非共役ジエンを含有したエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を含有していることが望ましいが、これに限らず、例えばポリプロピレンとエチレン・α−オレフィンランダム共重合体を含有する非架橋であるかまたは部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマーであってもよく、α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテンであることが望ましい。
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂(X−1)は、高圧法または低圧法の何れかによる1種またはそれ以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分子量固体生成物からなる。このような樹脂としては、たとえばアイソタクチックおよびシンジオタクチックのモノオレフィン重合体樹脂が挙げられるが、これらの代表的な樹脂は商業的に入手できる。
重合様式はランダム型でもブロック型でも、樹脂状物が得られればどのような重合様式を採用しても差支えない。本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂は、MFR(A−1STM A−4 1238−65T、230℃)が通常0.01〜100g/10分、特に0.05〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。
本発明で用いられるα−オレフィン系共重合体ゴム(X−2)は、炭素原子数2〜20、好ましくは炭素原子数2〜12のα−オレフィンと、非共役ポリエン、例えば非共役ジエンとを共重合して得られるゴムである。
非共役ポリエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8− デカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどが挙げられる。特に中でも5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン(DMDT)、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン(EMND)が望ましい。
ゲル含量[wt%]=(補正された最終重量[Y]/補正された初期重量[X])×100。
プロピレン系重合体(Y)としては、前記ポリプロピレン樹脂組成物について記載したプロピレン系重合体(A)と同様の重合体を使用することができる。
アイソタクティックポリプロピレンは、NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が0.9以上、好ましくは0.95以上のポリプロピレンである。
アイソタクティックポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられ、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。これらのα−オレフィンから導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に40モル%以下、好ましくは20モル%以下の割合で含んでいてもよい。
シンジオタクティックポリプロピレンは、少量例えば、10モル%以下、好ましくは5モル%以下の量でエチレン、炭素数4以上のα−オレフィン等が共重合されていてもよい。
ここでシンジオタックティックペンタッド分率(rrrr、ペンタッドシンジオタクティシテー)が0.5以上、好ましくは0.6以上、より好ましくは0.7以上、特に好ましくは0.80以上であるものであり、0.5以上のものは耐熱性、成形性に優れ、結晶性のポリプロピレンとしての特性が良好で好ましい。
また、シンジオタクティックポリプロピレンのメルトフローレート(MFR、190℃、2.16kg荷重)は、0.001〜1000g/10分、好ましくは0.01〜500g/10分であることが望ましい。MFRがこのような範囲にあると、良好な流動性を示し、このシンジオタクティックポリプロピレンを他の成分と配合し易く、また得られた組成物から機械的強度に優れた成形品が得られる傾向がある。
本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合体(Z)はプロピレン由来の構成単位を30〜80モル%、エチレン由来の構成単位を0〜20モル%の量含み、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を20〜50モル%の量含むことが好ましく、α−オレフィンとしてはブテン、オクテンから選ばれることが望ましい。中でもブテンであることが特に好ましい。なお本発明では炭素数4〜20のα−オレフィンは2種以上使用されてもよくその場合は2種以上のα−オレフィンの合計が30〜60モル%含まれていれば良い。
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
(A/C)×100≦7・・・・・・ (i)'
(B/C)×100≧64・・・・・・ (ii)'
(A/C)×100≦6・・・・・・ (i)''
(B/C)×100≧68・・・・・・ (ii)''
この範囲にあると、透明性、耐傷付性、耐衝撃性が良好となるため好ましい。
このような、プロピレン・α−オレフィン共重合体(Z)は、下記に示すメタロセン系触媒の存在下にプロピレンから導かれる繰り返し単位が30〜80モル%、エチレンから導かれる繰り返し単位が0〜20モル%、α−オレフィンから導かれる繰り返し単位が10〜50モル%となるようにプロピレンとエチレンとα−オレフィンを共重合させて得られる。
(a)下記一般式(1)で表される遷移金属化合物と、
(b)(b−1)上記遷移金属化合物(a)中の遷移金属Mと反応してイオン性の錯体を形成する化合物、
(b−2)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b−3)有機アルミニウム化合物
から選ばれる少なくとも1種の化合物とからなる少なくとも1つの触媒系が挙げられる。
本発明のプロピレン・α−オレフィン系重合体(ZZ)は、
プロピレンと、炭素数4〜20のα−オレフィンと、必要に応じてエチレンとを、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物を含む触媒の存在下に重合して得られ、
プロピレン由来の構成単位を30〜80モル%、エチレン由来の構成単位を0〜30モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%(ここでプロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計量は100モル%)の量含むことを特徴としている(ただしプロピレン・エチレン2元共重合体を除く);
本発明のプロピレン系共重合体組成物は、非架橋であるかまたは部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)を30〜80重量部、好ましくは40〜70重量部、ポリプロピレン(Y)0〜40重量部、好ましくは0〜35重量部と、プロピレン由来の構成単位を30〜80モル%、エチレン由来の構成単位を0〜20モル%の量含み、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%の量含む前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(Z)5〜60重量部、好ましくは5〜50重量部を含有する。なお、ここで(X)、(Y)、(Z)の合計は100重量部である。また本発明における(Y)と(Z)の比率としては、(Y)/(Z)が重量比で特に0/100〜90/10の割合であることが好ましく、より好ましくは0/100〜70/30であり、さらに好ましくは10/90〜40/60である。
上記のような本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、従来公知のポリオレフィン用途に広く用いることができるが、特にポリオレフィン組成物をたとえばシート、未延伸または延伸フィルム、パイプ、電線被覆、フィラメント、他の種々形状の成形体に成形して利用することができる。
本発明において用いた物性の試験条件等を以下に記す。
長さ50mm、幅が5mmの形状を有する厚さ1mmtのダンベル片を標線間30mm、引っ張り速度30mm/minで100%(チャック間を60mmまで)歪みを与え、10分間保持した後に除荷10分後の標線長さ(L)を測定した。
残留歪み(%)=[(L−30)/30]×100。
JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
JIS K7196に準拠し、厚さ1mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kg/cm2の圧力をかけ、TMA曲線より、軟化温度(℃)を求めた。なお本明細書ではこの軟化温度のことをTMAと呼ぶことがある。
厚さ1mmの試験片を用いて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH−20D」にて測定した。
東洋精機製、学振摩耗試験機を用いて、厚さ2mmの試験片を用いて、45R、SUS製の摩耗圧子470gの先端を綿帆布#10に覆い、これを23℃、往復回数100回、往復速度33回/min、ストローク100mmで試料を摩耗させ、その前後のグロス変化率ΔGlossを以下のようにして求めた。
ΔGloss=[(摩耗前のGloss−摩耗後のGloss)/摩耗前のGloss]×100
10cm×10cm×1mmtの試験片を左右対称となるように180°折り曲げ、これに半径5cm、重さ10kgの円筒状の重りを1時間乗せた後の白化の度合いを目視にて観察し下記基準によって評価した。
○:白化無し
△:僅かに白化
×:著しく白化
アイゾット衝撃強度は、射出成形試験片を用いて、ASTM D−256に準拠して、下記の条件にて衝撃試験を行なって求めた。
試験片:12.7mm(幅)×6.4mm(厚さ)×64mm(長さ)
ノッチ:機械加工
測定温度:0℃及び−30℃。
キャストフィルム成形機を用いて、シリンダー温度230℃、チルロール温度は20℃、スクリュー回転は80rpmの条件下で幅250mm幅、厚さ50ミクロンの試験フィルムを作成し、ヒートシール圧力;2kg/cm2、ヒートシール時間;1sec、引っ張り速度;300mm/minにて測定した。
DSCの吸熱曲線を求め、最大ピーク位置の温度をTmとする。
測定は、試料をアルミパンに詰め、100℃/分で200℃まで昇温し、200℃で10分間保持したのち、100℃/分で−150℃まで10℃/minで降温し、ついで10℃/分で昇温する際の吸熱曲線より求めた。
135℃、デカリン中で測定した。
11.Mw/Mn
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、オルトジクロロベンゼン溶媒で、140℃で測定した。
JIS K6301に従って、JIS A硬度(HS)を測定した。
[プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(S−1)の合成]
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、100mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン480gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を35℃に昇温し、プロピレンで0.6MPaに加圧し、次いでエチレンで0.62MPaに加圧した。その後、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.005mmolとアルミニウム換算で1.5mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温35℃、エチレン圧0.62MPaを保ちながら5分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、36.1gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が58.2mol%、エチレン含量が4.1mol%、1−ブテン含量が37.7mol%であり、極限粘度[η]が2.69dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−18.3℃であり、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.4であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=4、(B/C)×100=78であった。
JISA硬度:54 引っ張り弾性率:4MPa ΔGloss:10%
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(S−2)の合成]
ヘキサンの仕込みを500ml、1−ブテンを240gにした以外は合成例1と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、39.2gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が67.9mol%、エチレン含量が5.1mol%、1−ブテン含量が27.0mol%であり、極限粘度[η]が2.89dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−19.7℃であり、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=3、(B/C)×100=81であった。
JISA硬度:51 引っ張り弾性率:2MPa ΔGloss:7%
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(S−3)の合成]
プロピレンで5.4MPaに加圧した以外は合成例2と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、82.6gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が61.3mol%、エチレン含量が10.3mol%、1−ブテン含量が28.4mol%であり、極限粘度[η]が2.67dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−24.7℃であり、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=3、(B/C)×100=79であった。
JISA硬度:51 引っ張り弾性率:2MPa ΔGloss:20%
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(S−4)の合成]
ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドをジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルジヒドロベンゾイルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドに変更した以外は合成例2と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、48.3gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が64.3mol%、エチレン含量が8.3mol%、1−ブテン含量が27.4mol%であり、極限粘度[η]が3.67dl/gであり、ガラス転移温度Tgは−22.1℃であり、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=3、(B/C)×100=81であった。
JISA硬度:54 引っ張り弾性率:4MPa ΔGloss:9%。
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・ブテン・エチレン共重合体(S−5)の合成]
プロピレンで0.47MPaとした以外は、実施例3と同様の方法で重合を行った。得られたポリマーは、120.1gであった。また、ポリマーの組成は、プロピレン含量が40.8mol%、エチレン含量が23.5mol%、1−ブテン含量が35.7mol%であり、極限粘度[η]が1.52dl/gであり、ガラス転移温度(Tg)が−36.3℃、融解ピークは存在せず、GPCによる分子量分布は2.0であった。
上記サンプルを用い、熱板温度190℃、余熱6分、加圧(100kg/cm2)2分で成形したのち、熱板温度20℃のプレス成形機に移して加圧(100kg/cm2)冷却することにより1mm厚のシートを作製した。シート物性を以下に示す。
JISA硬度:45 引っ張り弾性率:2MPa ΔGloss:60%。
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・ブテン共重合体(S−6)の合成]
充分に窒素置換した1500mlの重合装置に、717mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン20gとトリイソブチルアルミニウム(0.75mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで0.6MPaに加圧した。次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.075mmolとアルミニウム換算で0.45mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、プロピレン圧0.6MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、100.2gであった。また、ポリマーの融点が87.6℃であり、極限粘度[η]が1.40dl/gであり、ブテン含量が20.3モル%で、ガラス転移温度は−5.6℃であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=2、(B/C)×100=80であった。
[プロピレン・ブテン共重合体(S−7)の合成]
充分に窒素置換した1500mlの重合装置に、677mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン50gとトリイソブチルアルミニウム(0.75mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を70℃に昇温し、プロピレンで0.6MPaに加圧した。次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.075mmolとアルミニウム換算で0.45mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、プロピレン圧0.6MPaを保ちながら37分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、124.1gであった。また、ポリマーの融点が77.2℃であり、極限粘度[η]が1.18dl/gであり、ブテン含量が27.6モル%で、ガラス転移温度は−6.8℃であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=4、(B/C)×100=79であった。
[プロピレン・ブテン共重合体(S−8)の合成]
充分に窒素置換した1500mlの重合装置に、500mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン150gとトリイソブチルアルミニウム(0.75mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を30℃に昇温し、プロピレンで0.6MPaに加圧した。次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.0325mmolとアルミニウム換算で0.45mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温30℃、プロピレン圧0.6MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、109.0gであった。また、ポリマーの融点は存在せず、極限粘度[η]が2.15dl/gであり、ブテン含量が35.6モル%で、ガラス転移温度は−10.6℃であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。また13C−NMRで測定される吸収強度比(A/C)×100=4、(B/C)×100=73であった。
[プロピレン・オクテン共重合体(S−9)の合成]
充分に窒素置換した1500mlの重合装置に、500mlの乾燥ヘキサン、1−オクテン150gとトリイソブチルアルミニウム(2.25mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を30℃に昇温し、プロピレンで0.6MPaに加圧した。次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.075mmolとアルミニウム換算で0.45mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温70℃、プロピレン圧0.6MPaを保ちながら30分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、51.2gであった。また、ポリマーの融点が87.6℃であり、極限粘度[η]が2.57dl/gであり、オクテン含量が20.1モル%で、ガラス転移温度は−19.6℃であった。GPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn)は2.4であった。
[プロピレン・ブテン共重合体(S−10)の合成]
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン150gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)、次いで、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロリドを0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、重合装置内温を40℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.76MPaになるように加圧し、内温40℃、系内圧力を0.76MPaにプロピレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、10.4gであった。
JISA硬度:95 引っ張り弾性率:120MPa ΔGloss:10%
得られたポリマーについて測定した物性を表1に示す。
[プロピレン・エチレン共重合体(S−11)の合成]
減圧乾燥および窒素置換してある1.5リットルのオートクレーブに、常温でヘプタンを750ml加え、続いてトリイソブチルアルミニウムの1.0ミリモル/mlトルエン溶液をアルミニウム原子に換算してその量が0.3ミリモルとなるように0.3ml加え、撹拌下にプロピレンを50.7リットル(25℃、1気圧)装入し、昇温を開始し30℃に到達させた。その後、系内をエチレンで5.5kg/cm2Gとなるように加圧し、公知の方法で合成したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘプタン溶液(0.0002mM/ml)を3.75ml、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートのトルエン溶液(0.002mM/ml)を2.0ml加え、プロピレンとエチレンの共重合を開始させた。この時の触媒濃度は、全系に対してジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドが0.001ミリモル/リットル、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートが0.004ミリモル/リットルであった。
[アイソタクティックプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−12)の合成]
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン100gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を40℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.76MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.8MPaに調整した。次いで、ジメチルメチレン(3−tert−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライド0.001mmolとアルミニウム換算で0.3mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温40℃、系内圧力を0.8MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液からポリマーを析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたポリマーは、46.4gであり、極限粘度[η]が1.81dl/gであった。
[シンジオタクチックポリプロピレン(A−1)の合成]
特開平2−274763号公報に記載の方法に従い、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)フルオレニルジルコニウムジクロライドおよびメチルアルミノキサンからなる触媒を用いて、水素の存在下でプロピレンの塊状重合法によって得られたシンジオタクチックポリプロピレンのメルトフローインデックスが、4.4g/10min、GPCによる分子量分布は2.3、13C−NMRによって測定されたシンジオタクチックペンタッド分率(r.r.r.r)が0.823、示差走査熱量分析で測定したTmが127℃、Tcが57℃であった。
合成例1〜12で得られた共重合体の諸物性を表1に示した。
三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレン(アイソ−PP)(グレード:B101、MFR=0.5、融点165℃)(IIa)10重量部と、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)90重量部とを混合し、溶融混練により熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例1において、三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレン(アイソ−PP)(グレード:B101、MFR=0.5,融点165℃)(IIa)を20重量部、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を80重量部に変えた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物について測定した物性を表2に示す。
この組成物の引張り弾性率は27MPaであり、TMAは155℃、グロス変化率ΔGlossは10、残留歪は8、JIS A硬度は82、ヘイズは10であった。
実施例1において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)に変えた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例1において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)に変えた以外は、実施例1と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例5で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−5)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例10で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−10)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例11で得られたプロピレン・エチレン共重合体(S−11)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例2において、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を合成例12で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−12)に変えた以外は、実施例2と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
熱可塑性樹脂(IIb)として合成例13で得られたシンジオタクチックポリプロピレン(シンジオ−PP)(A−1)10重量部と、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)90重量部とを混合し、溶融混練により熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例9において、合成例13で得られたシンジオタクチックポリプロピレン(シンジオ−PP)(A−1)を20重量部、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を80重量部に変えた以外は、実施例9と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例10において、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)に変えた以外は、実施例10と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例10において、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を合成例5で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−5)に変えた以外は、実施例10と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例10において、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を合成例10で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−10)に変えた以外は、実施例10と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例10において、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を合成例11で得られたプロピレン・エチレン共重合体(S−11)に変えた以外は、実施例10と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
実施例10において、合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)を合成例12で得られたプロピレン・エチレン共重合体(S−12)に変えた以外は、実施例10と同様にして熱可塑性樹脂組成物を得た。
合成例13で得られたシンジオタクティックポリプロピレン(A−1)80重量部と、合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)20重量部とを混合し、溶融混練によりポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例13において、合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)の代わりに、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)を用いた以外は実施例13と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例13において、合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)の代わりに、合成例8で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−8)を用いた以外は実施例13と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例13において、合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)の代わりに、合成例9で得られたプロピレン・オクテン共重合体(S−9)を用いた以外は実施例13と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレンランダム共重合体(グレード:F337D、MFR=6.5,エチレン含量=3.1wt%、融点138℃)(A−2)を80重量部、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)20重量部とを混合し、溶融混練によりポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例17において、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)の代わりに、合成例8で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−8)を用いた以外は実施例17と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例17において、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)の代わりに、合成例9で得られたプロピレン・オクテン共重合体(S−9)を用いた以外は実施例17と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレンブロック共重合体(グレード:J736、MFR=26.0,エチレン含量=2.6wt%、融点164℃)(A−3)を70重量部、合成例8で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−8)を10重量部、三井化学(株)製エチレン・ブテン共重合体(グレード:A4070、MFR=7.1,エチレン含量=84.1モル%)(C−1)20重量部とを混合し、溶融混練によりポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例17において、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)の代わりに、合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)を用いた以外は実施例17と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
実施例17において、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)の代わりに、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を用いた以外は実施例17と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4
に示す。
実施例17において、合成例7で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−7)の代わりに、合成例11で得られたプロピレン・エチレン共重合体(S−11)を用いた以外は実施例17と同様に行い、ポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレンブロック共重合体(グレード:J736、MFR=26.0,エチレン含量=2.6wt%、融点164℃)(A−3)を70重量部、三井化学(株)製エチレン・ブテン共重合体(グレード:A4070、MFR=7.1,エチレン含量=84.1モル%)(C−1)30重量部とを混合し、溶融混練によりポリプロピレン樹脂組成物を得た。得られた物性を表4に示す。
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030N、60重量部(アイソタクチックポリプロピレン15重量%およびエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体50重量%を含む)に対して、合成例13で得られたシンジオタクチックホモポリプロピレン(Y−1)8重量部と合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)32重量部を添加し、溶融混練によりプロピレン系重合体組成物を得た。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は10MPaであり、TMAは145℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは15、永久伸びは7、JIS A硬度は83であった。
実施例23で、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例1で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−1)に変えた以外は実施例23と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は13MPaであり、TMAは144℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは14、永久伸びは8、JIS A硬度は84であった。
実施例23で、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例3で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−3)に変えた以外は実施例23と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は14MPaであり、TMAは145℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは12、永久伸びは7、JIS A硬度は84であった。
実施例23で、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)に変えた以外は実施例23と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は12MPaであり、TMAは145℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは9、永久伸びは7、JIS A硬度は82であった。
実施例23で、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)に変えた以外は実施例23と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は53MPaであり、TMAは155℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは9、永久伸びは12、JIS A硬度は91であった。
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030N、68重量部と、上記合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)32量部を添加し、溶融混練によりプロピレン系重合体組成物を得た。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は8MPaであり、TMAは142℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは18、永久伸びは7、JIS A硬度は80であった。
実施例28において合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)に変えた以外は実施例28と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は11MPaであり、TMAは142℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは15、永久伸びは9、JIS A硬度は78であった。
上記実施例28において合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例6で得られたプロピレン・ブテン共重合体(S−6)に変えた以外は実施例28と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は47MPaであり、TMAは141℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは17、永久伸びは12、JIS A硬度は90であった。
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030N、70重量部(アイソタクチックポリプロピレン15重量%およびエチレン・炭素数3以上のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体50重量%を含む)に対して、三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレン重合体(Y−2)(グレード:B101、MFR=0.5g/10min、融点165℃)を6重量部、上記合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)24重量部を添加し、溶融混練によりプロピレン系重合体組成物を得た。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は27MPaであり、TMAは154℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは14、永久伸びは8、JIS A硬度は86であった。
実施例31で、合成例2で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−2)を合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)に変えた以外は実施例31と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は29MPaであり、TMAは154℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは11、永久伸びは9、JIS A硬度は86であった。
実施例32で、非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030N、50重量部、三井化学(株)製アイソタクティックポリプロピレン重合体(グレード:B101、MFR=0.5g/10min、融点165℃)を10重量部、合成例4で得られたプロピレン・エチレン・ブテン共重合体(S−4)を40重量部に変えた以外は実施例32と同様に行った。得られた組成物を200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
この組成物の引張り弾性率は21MPaであり、TMAは154℃、摩耗前後のグロス変化率ΔGlossは10、永久伸びは10、JIS A硬度は84であった。
非架橋または部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー、三井化学(株)製、ミラストマー5030Nを200℃にて溶融プレス成形を行い、所望の試験形状にて物性評価を実施した。物性評価の結果を表5に示す。
本発明によれば、熱可塑性樹脂に配合することにより、透明性、柔軟性、ヒートシール、耐衝撃性とのバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物を提供し得るα−オレフィン系共重合体も提供される。
さらに本発明によれば、ゴム的性質(永久伸び、圧縮永久歪など)、耐熱性などに優れ、耐摩耗性、耐傷つき性にも優れたプロピレン系共重合体組成物が、提供される。
Claims (3)
- 非架橋であるかまたは部分架橋されたオレフィン系熱可塑性エラストマー(X)30〜80重量部と、プロピレン系重合体(Y)0〜40重量部と、プロピレン由来の構成単位を30〜80モル%、エチレン由来の構成単位を0〜30モル%、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を10〜50モル%(ここでプロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位の合計量は100モル%)の量含み、かつo−ジクロロベンゼン溶液で測定した13C−NMRで、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位のCH(メチン)に由来するシグナルのうち、最も高磁場で存在するピークを34.4ppmと定めたシグナルチャートにおいて、22.0〜20.9ppmの吸収強度Aと19.0〜20.6ppmの吸収強度Bがプロピレンメチルに帰属される19.0〜22.0ppmの吸収強度Cに対して、下記の関係式(i)と(ii)を満たす、
(A/C)×100≦8・・・・・・ (i)
(B/C)×100≧60・・・・・・ (ii)
プロピレン・α−オレフィン共重合体(Z)5〜60重量部(ここで(X)、(Y)、(Z)の合計は100重量部である)を含有するプロピレン系共重合体組成物。 - 前記プロピレン・α−オレフィン共重合体(Z)の炭素数4〜20のα−オレフィンが、1−ブテン、1−オクテンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系重合体組成物。
- 請求項1または2に記載のプロピレン系重合体組成物から得られる成形体。
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JP2008239686A (ja) | 制振性組成物及びその成形体 |
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