JP5548553B2 - 自動二輪車 - Google Patents
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Description
このような構造の消音器(15)では、外筒部(17)を長くすることや外筒部(17)の外径を大きくすることで、膨張室の体積を増加することができ、結果、消音性能を高めることができる。
消音器(15)が長くなり、車両後方へ延びると、消音器(15)の重心が車両後方へ移動し、自動二輪車に求められるマス(質量)の集中に影響がでる。
フロントパイプは、後部がロアパイプに平行になるように前部と後部との間で湾曲形成され後部はフロントカップの途中まで延ばされ、
インナーパイプはロアパイプに平行な直線形状を呈しフロントパイプの途中まで延ばされていることを特徴とする。
ストレート部とテーパー部との少なくとも一方に、接着剤を溜める接着剤溜まり部が設けられていることを特徴とする。
自動二輪車では、メインフレームの後部近傍に、乗員の脚が上下に通る。左右のメインフレーム間に排気管が通るため、この排気管を乗員の左右の脚で挟むことになる。
車両前方へ細くなるテーパー管であれば、乗員の脚の近くまで寄せることができる。
また本発明では、センター筒とテールカップとは、仕切り板で仕切られ、この仕切り板に、センター筒内をテールカップ内へ連通する連通孔が複数個設けられ、連通孔のうちの少なくとも1つには、縁を車両前方又は後方へ折り返してなるリブが設けられている。
仕切り板の剛性を上げるためには、肉厚を厚くしたり、連通孔の径を小さくする手法が考えられるが、このような手法では、重量が増加したり、テールカップ内への排気の流通量低下によりテールカップ内膨張室を効果的に使えないという課題が生じる。
この点、本発明では、リブにより、軽量で且つ連通孔の面積を確保しながら、仕切り板の曲げ剛性を高めることができる。仕切り板が丈夫であれば長いインナーパイプであっても支持可能となる。すなわち、仕切り板の剛性を高めることにより、消音器の膨張体積を容易に増加することができる。
仮に、ブレーキキャリパーとの干渉を避けるために、消音器の下面レベルを上げると、消音器の断面積が小さくなり、消音性能が低下する。
すなわち、本発明によれば、消音器の消音性能を維持しつつ、ブレーキキャリパーとの干渉を防止することができる。
また仮に、凹部を、フロントカップとセンター筒の接続部に設けると製造や組立が難しくなるが、本発明では凹部を、センター筒のみに設けたので製造や組立が容易になる。
また、インナーパイプはロアパイプに平行な直線形状を呈しているため、インナーパイプを囲うセンター筒も必然的にロアパイプに平行な直線に延び、結果、外観性を高めることができる。
テール部吸音材をテールカップに充填した状態で、センター筒に接続することができる。センター筒にセンター部吸音材を充填し、フロントカップにフロント部吸音材した状態でセンター筒にフロントカップを接続することができる。接続前に吸音材が充填可能となるため、吸音材の充填作業が容易になる。
また、テーパー管形状のフロントカップにフロント部吸音材が充填されるため、吸音性能を高めることができる。
シートの後端とステップとを結ぶ線の車両前方に乗員の脚が置かれる。シートの後端とステップとを結ぶ線に重なるように配置されるフロントカップは車両前方へ細くなるテーパー管形状を呈している。このテーパー管形状を利用して、車幅を狭めることができる。この車幅が狭い部位にて乗員の脚が車両前後方向に移動可能となる。
図1に示すように、自動二輪車10は、ヘッドパイプ11から車両後方へ斜め下へ延びる左右一対のメインフレーム12と、このメインフレーム12の後部からピボット軸13を介して車両後方へ延びるスイングアーム14と、このスイングアーム14の後部に車軸15を介して回転自在に取付けられる後輪16と、ヘッドパイプ11に回転(操舵)自在に取付けられるフロントフォーク17と、このフロントフォーク17の下部に回転自在に取付けられる前輪18と、フロントフォーク17の上端に取付けられ前輪18を操舵するハンドル21と、ヘッドパイプ11近傍から下げられた後に車両後方へ延びてメインフレーム12の後部下端に接続されるダウンチューブ22と、このダウンチューブ22と上方のメインフレーム12との間に配置される内燃機関23と、この内燃機関23から車両前方へ延びた後にターンして内燃機関23の車幅右側を通り、一対のメインフレーム12の間を通って車両後方へ延びる排気管24と、この排気管24の後端に接続される消音器40とを主要素とする鞍乗り型車両である。
後輪16にブレーキディスク31が付設され、このブレーキディスク31は、スイングアーム14の上面に設けたブレーキキャリパ32により制動状態とされる。
そこで、この例では、消音器40の下面を局部的に上方へ窪ませて、ブレーキキャリパ32を収納することができる凹部41とした。
また、仮に、ブレーキキャリパ32が消音器40に当たることを防止するために消音器40にプロテクターを付設すると、プロテクターの調達コスト及び取付けコストが発生する。
加えて、プロテクターが不要であるから、コストの増加を抑えることができる。
図2に示すように、メインフレーム12に上方へ膨出する台形状の上位張出し部42を一体形成し、この上位張出し部42より下位位置にてメインフレーム12に車両後方へ張出す下位張出し部43を一体形成する。
そして、前部アタッチメント46に第1車体側締結部51が設けられ、後部アタッチメント48に第2車体側締結部52が設けられている。すなわち、ロアパイプ45の前端に第1車体側締結部51が設けられ、ロアパイプ45の後端に第2車体側締結部52が設けられている。
第1車体側締結部51及び第2車体側締結部52は消音器40を支持する部位である。
図3に示すように、消音器40は、フロントパイプ53を囲いフロント部吸音材54が充填され車両後方へ断面積が増加するテーパー管形状のフロントカップ55と、多孔管状のインナーパイプ56を囲いセンター部吸音材57が充填されるセンター筒58と、テールパイプ61を囲いテール部吸音材62が充填されているテールカップ63と、からなる。
なお、フロントパイプ53のフロントカップ55から突出した部位に、ボルトをねじ込むことができる第1締結部64が、三要素の組立前に取付けられている。
また、センター筒58の上面に、ボルトを通すことができる第2締結部65が、予め(三要素の組立前に)取付けられている。
図5に示すように、テールカップ63にテールパイプ61を取付けておく。そして、テールパイプ61を囲うようにしてテールカップ63に所定の充填密度でテール部吸音材62を充填する。
一方、仕切り板70にインナーパイプ56の後端を取付ける。
ノーズ部76及びリブ75、75は仕切り板70の曲げ剛性を高める役割を果たす。
図5に戻って、矢印(1)のように、仕切り板70をテールカップ63の前部に差込む。
次に、矢印(2)のように、テールカップ63にセンター筒58の後部を被せる。そして、センター筒58とテールカップ63と仕切り板70とをリベット77で締結する。
図8に示すように、リベット77は、中空リベット78と、この中空リベット78に差込まれ一端に球部79が設けられているロッド81とからなる。なお、リベット穴82がセンター筒58に予め設けられており、リベット穴83がテールカップ63に予め設けられており、リベット穴84が仕切り板70に予め設けられている。ロッド81と共に中空リベット78を、リベット穴82〜84に挿入する。
さらにロッド81を引くと、(b)に示すように脆弱部86でロッド81が破断する。球部79は、以降、リベット77に軸力が加わっても、残った球部79が球根部85の形状を保持し、締結作用を維持する。
フロントパイプ53の後端は、フロントカップ55の途中(ほぼ長手方向中間部)まで延びている。そのため、フロント部吸音材54は、フロントカップ55の前半部に充填される。
図12に示すように、フロントカップ55の差込み部87は、センター筒の内周面に接触するストレート部88と、このストレート部88の先端から先細り状に縮径されるテーパー部89と、このテーパー部89に設けられる円環溝状の接着剤溜まり部91と、からなる。この接着剤溜まり部91の作用を、図13で説明する。
仮に、図13(a)に示すように、単なるテーパー部89に接着剤92を塗布し、この差込み部87をセンター筒58に差込むと、センター筒58のエッジ93で接着剤92が剥がされ、(b)に示すように、剥がされた接着剤92がセンター筒のエッジ93の外に溜まることが心配される。溜まった接着剤94は拭き取る必要があるので接着剤の拭き取り工程が増える。
図11に戻って、センター筒58の前部にフロントカップ55を差込む。次に、センター筒58の前部にベルト95を巻き、ベルト95、センター筒58、フロントカップ55を貫通する様にして、リベット77を打ち込む。このリベット77の構造及び作用は、図8、9で説明済みであるから、説明を省略する。
図16に示すように、メインフレーム12の上方からロアパイプ45の上方にかけて、車両長手方向に乗員が座るシート96が載せられている。
そして、テールカップ63の後端位置は、乗員がシート96に座った状態で、後輪16の車軸15を通る鉛直線97とほぼ合致している。消音器40が車両前方に寄った位置に配置されるため、マスの集中が図れる。
シート96の後端とステップ98とを結ぶ線99の車両前方に乗員の脚が置かれる。シート96の後端とステップ98とを結ぶ線99に重なるように配置されるフロントカップ55は、車両前方へ細くなるテーパー管形状を呈している。
結果、図17に示すように、テーパー管形状を利用して、車幅を狭めることができる。この車幅が狭い部位にて乗員の脚が車両前後方向に移動可能となる。
なお、図17では、消音器40は後端部を除いて、カバー101で覆われている。
また、インナーパイプ56はロアパイプ45に平行な直線形状を呈しているため、インナーパイプ56を囲うセンター筒58も必然的にロアパイプ45に平行な直線に延び、結果、外観性を高めることができる。
Claims (8)
- ヘッドパイプ(11)から左右一対のメインフレーム(12)が車両後方へ斜め下に延ばされ、これらのメインフレーム(12)の後部にスイングアーム(14)が揺動可能に連結され、このスイングアーム(14)に後輪(16)が回転自在に取付けられ、前記メインフレーム(12)の下方に内燃機関(23)が配置され、この内燃機関(23)から車両前方に延びた後にターンして前記左右のメインフレーム(12)の間を通って車両後方へ排気管(24)が延ばされ、この排気管(24)の後端に消音器(40)が接続された自動二輪車(10)において、
前記消音器(40)は、
車両側面視で、前端が前記メインフレーム(12)の近傍に配置され車両後方へ断面積が増加するテーパー管形状を呈し後端が前記スイングアーム(14)全屈時の車軸位置より車両前方に配置され前記排気管(24)に繋がるフロントパイプ(53)を収納するフロントカップ(55)と、
このフロントカップ(55)の後端から車両後方へ延び前記フロントパイプ(53)に繋がる多孔管状のインナーパイプ(56)を収納するセンター筒(58)と、
このセンター筒(58)の後端から車両後方へ延び前記インナーパイプ(56)に繋がるテールパイプ(61)を収納するテールカップ(63)とからなり、
前記センター筒(58)と前記テールカップ(63)とは、仕切り板(70)で仕切られ、
この仕切り板(70)に、前記インナーパイプ(56)の後端を支える支持穴(71)が設けられ、且つこの支持穴(71)を囲うように前記センター筒(58)内を前記テールカップ(63)内へ連通する連通孔(72〜74)が複数個設けられ、
前記連通孔(72〜74)のうちの少なくとも1つには、縁を車両前方又は後方へ折り返してなるリブ(75)が設けられている、
ことを特徴とする自動二輪車。 - 前記スイングアーム(14)上面に前記後輪(16)を制動するブレーキキャリパー(32)が設けられ、前記スイングアーム(14)の揺動による前記ブレーキャリパー(32)の移動軌跡(33)上にて、前記センター筒(58)の下面に上へ窪む凹部(41)が設けられ、この凹部(41)に前記ブレーキキャリパー(32)を収納することができるようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
- 前記メインフレーム(12)から乗員が座るシート(96)を支えるシートパイプ(44)が車両後方へ延ばされ、このシートパイプ(44)の撓みを防止するために、前記シートパイプ(44)の後端から車両前方へ前下がりに前記メインフレーム(12)までロアパイプ(45)が延ばされ、
前記フロントパイプ(53)は、後部が前記ロアパイプ(45)に平行になるように前部(53a)と後部(53b)との間で湾曲形成され前記後部(53b)は前記フロントカップ(55)の途中まで延ばされ、
前記インナーパイプ(56)は前記ロアパイプ(45)に平行な直線形状を呈し前記フロントパイプ(53)の途中まで延ばされていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動二輪車。 - 前記テールパイプ(61)を囲うようにして前記テールカップ(63)にテール部吸音材(62)が充填され、前記テールカップ(63)が接続された前記センター筒(58)に且つ前記インナーパイプ(56)を囲うようにセンター部吸音材(57)が充填され、前記フロントパイプ(53)を囲うようにして前記フロントカップ(55)にフロント部吸音材(54)が充填され、この状態で前記センター筒(58)に前記フロントカップ(55)が接続されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の自動二輪車。
- 前記フロントカップ(55)は、前記センター筒(58)に差込まれ、前記フロントカップ(55)の差込み部(87)には、前記センター筒(58)の内周面に接触するストレート部(88)と、このストレート部(88)の先端から先細り状に縮径されるテーパー部(89)とからなり、
前記ストレート部(88)と前記テーパー部(89)との少なくとも一方に、接着剤(92)を溜める接着剤溜まり部(91)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の自動二輪車。 - 前記フロントカップ(55)は、ステンレス板をプレス成形した左右半体(66、67)を溶接で一体化してなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の自動二輪車。
- 前記テールパイプ(61)の後端位置は、前記乗員が前記シート(96)に座った状態で、後輪(16)の車軸(15)を通る鉛直線(97)とほぼ合致していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の自動二輪車。
- 車両側面視で、前記シート(96)の後端と前記乗員が足を載せるステップ(98)とを結ぶ線(99)に重なるように、前記フロントカップ(55)が配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の自動二輪車。
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