JP5544776B2 - シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット、およびこれを用いるシーリング材 - Google Patents

シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット、およびこれを用いるシーリング材 Download PDF

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Description

本発明は、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット、およびこれを用いるシーリング材に関する。
一般的に、建築用シーリング剤をアルミ、モルタル等の被着体と接着させるためには、被着体にプライマーを塗布することが必要である。
現在、プライマーは有機溶剤を含有するものが一般的である。しかしながら、環境汚染をできるだけ少なくし、作業者への安全衛生をより一層向上させるために水系プライマーの開発が求められている。
従来、金属、プラスチックへの密着性、耐水性等の改良を目的とする水系プライマーが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2002−302526号公報
しかしながら、本発明者は、従来の水系プライマー組成物から得られる塗膜は、シーリング材との接着性、耐水性が低いことを見出した。
そこで、本発明は、シーリング材とプライマー層との接着性、耐水性に優れる、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、ヒドラジノ化合物を含有する水系プライマー組成物に対して、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物を接着付与剤として使用することによって、シーリング材とプライマー層との接着性が優れることを見出した。
そして、本願発明者は、ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物とを含有する、またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、
ケト基を有する樹脂のエマルジョンとヒドラジノ基を2個以上有するヒドラジノ化合物とを含有する水系プライマー組成物とを有する、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットが、シーリング材とプライマー層の接着性に優れ、耐水性に優れるセットとなりうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記1〜6を提供する。
1. ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する化合物とを含有する、またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、
ケト基を有する樹脂のエマルジョンとヒドラジノ基を2個以上有するヒドラジノ化合物とを含有する水系プライマー組成物とを有し、
前記ケト基が、いずれも、R 1 −CO−R 2 −(式中、R 1 は1価の炭化水素基を表し、R 2 は2価の炭化水素基を表す。)で表される基であり、
前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物の量が、前記ウレタンプレポリマーの量100質量部に対して、0.1〜12質量部である、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
2. 前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物のケト基、ならびに、前記ケト基を有する樹脂のエマルジョンのケト基が、いずれも、下記式(3)で表される基である、上記1に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
3. 前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物が、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物である、上記2に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
4. 前記ヒドラジノ化合物が有するヒドラジノ基の量が、前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物のケト基、前記ケト基を有するウレタンプレポリマーのケト基、および、前記ケト基を有する樹脂のケト基の合計モル数の0.8〜1.5倍である、上記1〜3のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
. 前記水系プライマー組成物が、さらに、タッキファイヤーを含有する上記1〜4のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
6. 第1の部材と第2の部材との間が上記1〜5のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを用いてシーリングされているシーリング材。
本発明のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットは、シーリング材とプライマー層との接着性に優れ、耐水性に優れる。
本発明のシーリング材は、プライマーとの接着性に優れ、耐水性に優れる。
本発明について以下詳細に説明する。
本発明は、
ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物とを含有する、またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、
ケト基を有する樹脂のエマルジョンとヒドラジノ基を2個以上有するヒドラジノ化合物とを含有する水系プライマー組成物とを有する、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットである。
なお以下本発明のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを「本発明のセット」ということがある。
シーリング材組成物について以下に説明する。
本発明のセットに使用されるシーリング材組成物は、ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物とを含有する、またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有する。
つまり、本発明のセットに使用されるシーリング材組成物は、ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物とを含有する場合と、ケト基を有するウレタンプレポリマーを含有する場合とがある。
シーリング材組成物が含有することができるウレタンプレポリマーは、特に制限されない。例えば、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させることによって得られるものが挙げられる。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用することができるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基を2個以上有する化合物であれば特に限定されない。例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンのような脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネートのような芳香族ジイソシアネート;テトラメチルキシリレンジイソシアネートのような芳香族炭化水素基が脂肪族炭化水素基に結合している脂肪族ジイソシアネートが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ウレタンプレポリマーの製造の際に使用することができるポリオールは特に制限されない。例えば、ヘキサンジオールから得られるポリカーボネートポリオール;ポリエステルポリオール;ポリテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコールのようなポリエーテルポリオール;ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールのようなポリオレフィンポリオール;アクリルポリオール;ポリマーポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
ポリオール化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ウレタンプレポリマーの製造は、特に制限されず、従来公知の方法により製造することができる。例えば、溶剤中で、ポリオールとポリイソシアネートとをイソシアネート基がポリオールのヒドロキシ基に対して過剰となるような量で使用し、必要に応じて触媒を使用し、反応温度40〜150℃の条件下で反応させてウレタンプレポリマーを得ることができる。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、テテトラヒドロフラン、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジアセトンアルコール、アセトニルアセトン、アセトンアルコール、アセトエチルアルコールのようなケトン系化合物が挙げられる。
触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチルスズ−2−エチルへキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等が挙げられる。
ウレタンプレポリマーはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物について以下に説明する。なお、「ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物」を以下「炭化水素化合物A」ということがある。
炭化水素化合物Aが有するケト基は、カルボニル基が2つの炭化水素基に結合していれば特に制限されない。炭化水素基は特に制限されず、例えば、分岐していてもよい脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、これらの組合せが挙げられる。炭化水素基は、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる。炭化水素基はそれぞれ1価、または2価とすることができる。
脂肪族炭化水素基は、その炭素原子数が1〜10であるのが好ましい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられる。
ケト基は、R 1−CO−R2で表される。R1は1価の炭化水素基であり、R2は2価の炭化水素基である。
1−CO−R2−で表されるケト基としては、例えば、式(3)で表される基が挙げられる。
式(3)で表される基は、直接、または酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を介して炭化水素化合物Aが有する炭化水素基と結合することができる。
ケト基はなかでも、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、貯蔵安定性に優れるという観点から、R1−CO−R2−で表わされるケト基が好ましく、式(3)で表される基がより好ましい。
炭化水素化合物Aは、ケト基を少なくとも1個有する。作業性、耐水性により優れ、初期接着性に優れるという観点から、炭化水素化合物Aが有するケト基は、1〜10個であるのが好ましく、1〜5個であるのがより好ましい。
炭化水素化合物Aは、ヒドロキシ基を少なくとも1個有する。炭化水素化合物Aはヒドロキシ基を有することによってウレタンプレポリマーと反応することができる。
作業性、耐水性により優れ、物性に優れるという観点から、炭化水素化合物Aが有するヒドロキシ基は、1〜5個であるのが好ましく、1〜3個であるのがより好ましい。
ヒドロキシ基は、炭化水素化合物Aが有する炭化水素基に結合することができる。
炭化水素化合物Aとしては、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物等が好適に挙げられる。
ケト基は、カルボニル基が2個の炭化水素基に結合している。炭化水素基は上記と同義である。
不飽和結合はケト基が有する炭化水素基に結合することができる。不飽和結合を有する基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基のような鎖状不飽和炭化水素基;スチリル基のような芳香族炭化水素基を有する鎖状不飽和炭化水素基が挙げられる。
ケト基と不飽和結合とを有する化合物としては、例えば、ケト基を有するアクリルアミドが挙げられる。ケト基を有するアクリルアミドとしては、例えば、ダイアセトンアクリルアミドが挙げられる。
ポリアルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミンのようなジアルカノールアミンが挙げられる。
炭化水素化合物Aの製造方法としては、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物が有する不飽和結合に対して、ポリアルカノールアミンが有するアミノ基(例えば、イミノ基)を1.0〜1.1当量で使用し、これらを60〜100℃の条件下においてバルクで反応させる方法が挙げられる。
炭化水素化合物Aとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
炭化水素化合物Aはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭化水素化合物Aの量は、硬化性・物性に優れるという観点から、ウレタンプレポリマーの量100質量部に対して、0.1〜12質量部であ、0.5〜5質量部であるのがより好ましい。
ケト基を有するウレタンプレポリマーについて以下に説明する。
シーリング材組成物に含まれるケト基を有するウレタンプレポリマーは、2個以上のイソシアネート基と少なくとも1個のケト基とを有するウレタンプレポリマーである。
ケト基を有するウレタンプレポリマーは、ケト基を少なくとも1個または2個以上有する。作業性、耐水性により優れ、初期接着性に優れるという観点から、ケト基を有するウレタンプレポリマー1モルが有するケト基は、1〜10個であるのが好ましく、1〜5個であるのがより好ましい。
ケト基は、 1 −CO−R 2 −(式中、R 1 は1価の炭化水素基を表し、R 2 は2価の炭化水素基を表す。)で表される基であれば特に制限されない。炭化水素基は上記と同義である。
ケト基としては、例えば、下記式(2)で表される基が挙げられる。
式(2)で表される基は式(2)中の波線部においてウレタンプレポリマーと結合している。
式(2)で表される基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を介してウレタンプレポリマーと結合することができる。
ケト基を有するウレタンプレポリマーとしては、例えば、ポリイソシアネートと、ポリオールと、イソシアネート基と反応性のある2個以上の活性水素基およびケトン性カルボニルを有する活性水素基含有化合物とを反応させることにより得られるウレタンプレポリマーが好適に挙げられる。
ポリイソシアネート、ポリオールは上記と同義である。
活性水素基含有化合物は、イソシアネート基と反応性のある2個以上の活性水素基およびケト基を有する化合物であれば特に限定されない。ケト基は、カルボニル基が2つの炭化水素基に結合していれば特に制限されない。炭化水素基は上記と同義である。活性水素基はカルボニル基が結合している炭化水素基に結合することができる。
イソシアネート基と反応性のある活性水素基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等が挙げられ、好ましくはヒドロキシ基が挙げられる。活性水素基含有化合物は、これらの活性水素基のうち1種のみを有していてもよく、2種以上を有していてもよい。
活性水素基含有化合物としては、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物等が好適に挙げられる。
ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加させた反応物は上記と同義である。
活性水素基含有化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ポリイソシアネートが有するイソシアネート基のモル数は、ポリオールのヒドロキシ基と活性水素基含有化合物の活性水素基の合計モル数に対して(イソシアネート基/ヒドロキシ基と活性水素基の合計モル数)、1.5〜2.0であるのが好ましい。
ケト基を有するウレタンプレポリマーの製造方法は、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により製造することができる。例えば、溶剤中で、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させてウレタンプレポリマーとし、得られたウレタンプレポリマーと2個以上のヒドロキシ基を有するカルボキシ基含有化合物と活性水素基含有化合物と、必要に応じて使用することができる触媒とを反応温度40〜150℃の条件下で反応させることによってケト基を有するウレタンプレポリマーを製造することができる。
本発明においてシーリング材組成物は、作業性に優れるという観点から、さらに硬化剤および/または触媒を含有することができる。シーリング材組成物が2成分形の場合、硬化剤および/または触媒は貯蔵安定性に優れるという観点から第2液に含まれるのが好ましい。
硬化剤は、イソシアネート基と反応できるものであれば特に制限されない。例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基等のイソシアネート基と反応可能な官能基を有する化合物が挙げられる。好ましくはヒドロキシ基を有する化合物が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する化合物は特に制限されない。上記のポリオールと同様のものが挙げられる。なかでも、ポリオキシプロピレンジオールのようなポリオキシアルキレンジオール;ポリオキシプロピレントリオールのようなポリオキシアルキレントリオールが好ましい。
硬化剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化剤を使用する場合、硬化剤の官能基および炭化水素化合物Aのヒドロキシ基の合計モル数は、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基またはケト基を有するウレタンプレポリマーのイソシアネート基1モルに対して、1.2〜2.0モルであるのが好ましく、1.5〜1.8モルであるのがより好ましい。
触媒は、イソシアネート基とヒドロキシ基との反応に使用される触媒であれば特に制限されない。例えば、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のようなウレタン化触媒が挙げられる。
触媒はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
シーリング材組成物は、ウレタンプレポリマー、炭化水素化合物A、ケト基を有するウレタンプレポリマー、必要に応じて使用することができる、硬化剤および/または触媒以外に、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、接着付与剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、有機溶剤が挙げられる。添加剤の量は、特に制限されない。
本発明においては、シーリング材組成物を2成分形とすることができる。2成分形のシーリング材組成物としては、例えば、ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物(炭化水素化合物A)を含む第2液とを有する2成分形;ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物と硬化剤および/または触媒とを含む第2液とを有する2成分形;ケト基を有するウレタンプレポリマーを含む第1液と、硬化剤および/または触媒を含む第2液とを有する2成分形が挙げられる。
なかでも、シーリング材とプライマー層との接着性、耐水性により優れ、貯蔵安定性に優れるという観点から、ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物を含む第2液とを有する2成分形;ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物と硬化剤および/または触媒とを含む第2液とを有する2成分形が好ましい。
シーリング材組成物を1成分形とする場合は、例えば、ケト基を有するウレタンプレポリマーを含有する1成分形が挙げられる。
シーリング材組成物はその製造について特に制限されない。例えば、シーリング材組成物が、ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物とを含有し、ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物を含む第2液とを有する2成分形である場合、ウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第1液とし、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物と必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第2液とすることができる。
シーリング材組成物が、ウレタンプレポリマーを含む第1液と、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物と硬化剤および/または触媒とを含む第2液とを有する2成分形である場合、ウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第1液とし、ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物と硬化剤および/または触媒と必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第2液とすることができる。
また、前記シーリング材組成物が、前記ケト基を有するウレタンプレポリマーを含有し、1成分形である場合、ケト基を有するウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して製造することができる。
また、前記シーリング材組成物が、前記ケト基を有するウレタンプレポリマーと硬化剤および/または触媒とを含有し、ケト基を有するウレタンプレポリマーを含む第1液と、硬化剤および/または触媒とを含む第2液とを有する場合、ケト基を有するウレタンプレポリマーと必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第1液とし、硬化剤および/または触媒と必要に応じて使用することができる添加剤とを混合して第2液とすることができる。
水系プライマー組成物について以下に説明する。
本発明のセットに使用される水系プライマー組成物は、ケト基を有する樹脂のエマルジョンとヒドラジノ基を2個以上有するヒドラジノ化合物とを含有する。
水系プライマー組成物に含有されるエマルジョンはケト基を有する樹脂を含む。
樹脂1モルは、ケト基を少なくとも1個または2個以上有する。作業性、耐水性により優れ、初期接着性に優れるという観点から、樹脂1モルが有するケト基は、1〜10個であるのが好ましく、1〜5個であるのがより好ましい。
ケト基は、 1 −CO−R 2 −(式中、R 1 は1価の炭化水素基を表し、R 2 は2価の炭化水素基を表す。)で表される基であれば特に制限されない。ケト基は上記と同義である。
ケト基としては、例えば、式(3)で表される基が挙げられる。
式(3)で表される基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を介して樹脂と結合することができる。
樹脂は自己乳化型樹脂であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。樹脂が自己乳化型樹脂である場合、樹脂は親水性基を有する。
本発明において、親水性基は、自己乳化型樹脂が有することができるものであれば特に制限されない。例えば、親水性ノニオン性基、親水性アニオン性基、親水性カチオン性基、親水性両性基が挙げられる。
親水性ノニオン性基としては、例えば、樹脂の主鎖や側鎖に導入されたオキシエチレン基の繰り返し単位の部分が挙げられる。
親水性アニオン性基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、チオスルホン酸等のような酸の塩(例えば、酸と、塩基性中和剤とからなるもの)が挙げられる。
親水性カチオン性基としては、例えば、第三級アミノ基等のような塩基の塩(例えば、塩基と、酸性中和剤とからなるもの)が挙げられる。
ケト基は、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物をケト基を有する樹脂を製造する際に使用するモノマーとして使用することによって、樹脂に導入することができる。
ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物は、上記と同義である。
樹脂の主鎖は特に制限されない。例えば、ウレタンプレポリマー、(メタ)アクリル系ポリマー、アクリルウレタン樹脂、スチレン系ポリマー、ウレタンポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ジエン系ポリマー、酢酸ビニル樹脂、これらの共重合体が挙げられる。ケト基の主鎖に対する結合位置は特に制限されない。
樹脂のガラス転移温度をより低くでき、ゴム弾性に優れるという観点から、樹脂の主鎖は、ウレタンプレポリマーであるのが好ましい。
樹脂のガラス転移温度をより低くできるという観点から、樹脂の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000であるのが好ましい。樹脂の重量平均分子量は、テトラヒドロフランを溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で表わされる重量平均分子量である。
樹脂が有するガラス転移温度は、水系プライマー組成物から得られるプライマー層の耐水性により優れるという観点から、−50〜0℃であるのが好ましく、−20〜0℃であるのがより好ましい。
樹脂のエマルジョンの最低造膜温度(エマルジョンに含まれる樹脂が膜を形成することができる最低の温度)は、冬場での乾燥性に優れるという観点から、0℃以上であるのが好ましく、0〜5℃であるのが好ましい。
樹脂およびエマルジョンはその製造について特に制限されない。
ケト基を有する樹脂の製造の際に、モノマーとしてケト基と活性水素基を2個以上有する化合物(以下これを「炭化水素化合物B」という。)を使用することができる。
炭化水素化合物Bとしては、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物等が好適に挙げられる。
ケト基は、カルボニル基が2個の炭化水素基に結合している。炭化水素基は上記と同義である。
不飽和結合はケト基が有する炭化水素基に結合することができる。不飽和結合を有する基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基のような鎖状不飽和炭化水素基;スチリル基のような芳香族炭化水素基を有する鎖状不飽和炭化水素基が挙げられる。
ケト基と不飽和結合とを有する化合物としては、例えば、ケト基を有するアクリルアミドが挙げられる。ケト基を有するアクリルアミドとしては、例えば、ダイアセトンアクリルアミドが挙げられる。
ポリアルカノールアミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノールアミンのようなジアルカノールアミンが挙げられる。
炭化水素化合物Bの製造方法としては、例えば、ケト基と不飽和結合とを有する化合物(例えば、ケト基を有するアクリルアミド)1モルとポリアルカノールアミン1.0〜1.1モルとを60〜120℃の条件下においてバルクで反応させる方法が挙げられる。
炭化水素化合物Bとしては、例えば、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
炭化水素化合物Bはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
炭化水素化合物Bをモノマーとして使用することによって樹脂にケト基を導入することができる。
樹脂が自己乳化型樹脂である場合樹脂の製造の際に、モノマーとして親水性基および活性水素基を有する化合物を使用することができる。
自己乳化型樹脂を製造する際に使用される、親水性基および活性水素基を有する化合物としては、例えば、親水性ノニオン性基、親水性アニオン性基、親水性カチオン性基および親水性両性基からなる群から選ばれる少なくとも1種の親水性基と、ヒドロキシ基、カルボキシ基およびアミノ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の活性水素基とを有する化合物が挙げられる。
なかでも、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、貯蔵安定性に優れるという観点から、親水性アニオン性基を有する化合物が好ましい。
親水性アニオン性基を有する化合物としては、例えば、α−ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシコハク酸、ε−ヒドロキシプロパン−1,2,3−トリカルボン酸、ヒドロキシ酢酸、α−ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシステアリン酸のようなモノヒドロキシ基含有飽和脂肪酸;リシノール酸のようなモノヒドロキシ基含有不飽和脂肪酸;サリチル酸、マンデル酸のような芳香族炭化水素化合物;オレイン酸、リシノール酸、リノール酸等の不飽和脂肪酸をヒドロキシル化したヒドロキシ脂肪酸;グルタミン、アスパラギン、リジン、ジアミノプロピオン酸、オルニチン、ジアミノ安息香酸、ジアミノベンゼンスルホン酸等のジアミン型アミノ酸;グリシン、アラニン、グルタミン酸、タウリン、アミノカプロン酸、アミノ安息香酸、アミノイソフタル酸、スルファミン酸等のモノアミン型アミノ酸;2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸、ジヒドロキシコハク酸のようなカルボン酸含有ポリオールが挙げられる。
なかでも、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、汎用性に優れるという観点から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸が好ましい。
親水性アニオン性基を形成するための塩基性中和剤としては、例えば、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノール、ピリジン等の有機アミン類;リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類;アンモニア等が挙げられる。
なかでも、耐水接着性により優れ、耐温水接着性、初期接着性に優れるという観点から、アンモニア、トリエチルアミンが好ましい。
親水性基及び活性水素基を含有する化合物はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
樹脂はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。エマルジョンはそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドラジノ化合物について以下に説明する。
本発明の組成物に使用されるヒドラジノ化合物は、2個以上のヒドラジノ基を有する化合物であれば特に限定されない。
ヒドラジノ基は、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子を有することができる炭化水素基に結合することができる。炭化水素基は特に制限されない。例えば、アルキル基、鎖状の不飽和炭化水素基、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素基が挙げられる。炭化水素基は分岐していてもよい。
ヒドラジノ化合物が有するヒドラジノ基はケト基と反応することができる。したがって、ヒドラジノ化合物は、シーリング材組成物に含有される炭化水素化合物Aまたはケト基を有するウレタンプレポリマーと反応し、シーリング材層とプライマー層との間に架橋構造を形成することができる。このような架橋構造によって、本発明のセットを用いて得られるシーリング材は、シーリング材とプライマーとの接着性に優れ、耐水性に優れると考えられる。
また、水系プライマー組成物内で、ケト基を有する樹脂は、ヒドラジノ化合物と反応する。
また、ヒドラジノ基とケト基との反応は、反応性が高く低温条件下(冬場)においても反応することができ、本発明のセットは、低温反応性に優れる。
ヒドラジノ化合物としては、例えば、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スペリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドのような飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等の不飽和ジカルボン酸ジヒドラジド;1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインのようなヒンダトインヒドラジド;多価カルボン酸ポリヒドラジド化合物;末端に2個以上のヒドラジノ基を有する末端ヒドラジノ基含有ウレタンプレポリマーが挙げられる。
ヒドラジノ化合物は、汎用であり、水への溶解性が良好である点から、アジピン酸ジヒドラジドが好ましい。
ヒドラジノ化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ヒドラジノ基の量は、接着性、耐水性により優れ、貯蔵安定性に優れるという観点から、炭化水素化合物Aが有するケト基、ケト基を有するウレタンプレポリマーのケト基および樹脂が有するケト基の合計モル数の0.8〜1.5倍であるのが好ましく、1.0〜1.2倍であるのがより好ましい。
水系プライマー組成物は、部材に対する密着性に優れ、接着性、耐水性により優れるという観点から、さらに、タッキファイヤーを含有するのが好ましい。タッキファイヤーとしては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。なかでも、接着性により優れるという観点から、テルペン樹脂、ロジン樹脂が好ましい。
タッキファイヤーの量は、部材に対する密着性に優れ、耐水性により優れるという観点から、樹脂(固形分)100質量部に対して、5〜30質量部であるのが好ましく、5〜20質量部であるのがより好ましい。
水系プライマー組成物は、樹脂のエマルジョン、ヒドラジノ化合物、タッキファイヤー以外に、本発明の目的、効果を損なわない範囲で、必要に応じてさらに添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、顔料、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、粘度調節剤、レベリング剤、ゲル化防止剤、光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、帯電防止剤、補強材、難燃剤、触媒、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、有機溶剤が挙げられる。添加剤の量は、特に制限されない。
水系プライマー組成物はその製造について特に制限されない。例えば、樹脂のエマルジョンと、ヒドラジノ化合物と、タッキファイヤーと、必要に応じて使用することができる添加剤とを混合することによって製造する方法が挙げられる。
本発明のセットは、例えば、シーリング剤(例えば、建築用、自動車用)、接着剤として使用することができる。
本発明のセットの使用方法としては、例えば、第1の部材に水系プライマー組成物を塗布する水系プライマー塗布工程と、水系プライマーが塗布された部材と第2の部材との間にシーリング材組成物を塗布するシーリング材組成物塗布工程と、シーリング材組成物、または水系プライマー組成物およびシーリング材組成物を硬化させる硬化工程とを有する方法(以下この方法を「方法1」ということがある。)が挙げられる。
なお、方法1において、水系プライマー塗布工程とシーリング材組成物塗布工程との間に、必要に応じてプライマー乾燥工程を設けることができる。
硬化工程において、シーリング材組成物、水系プライマー組成物が乾燥することによって、シーリング材組成物内の炭化水素化合物Aまたはケト基を有するウレタンプレポリマーと、水系プライマー組成物内のヒドラジノ化合物とが反応することができる。また、水系プライマー組成物中において、ヒドラジノ化合物と樹脂とが反応することができる。
本発明のセットを適用することができる部材(被着体)としては、例えば、ガラス;アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、鉄、亜鉛鋼板、銅、ステンレスのような各種金属;モルタルや石材のような多孔質部材;フッ素電着、アクリル電着やフッ素塗装、ウレタン塗装、アクリルウレタン塗装された部材;シリコーン系、変成シリコーン系、ウレタン系、ポリサルファイド系、ポリイソブチレン系のようなシーリング材の硬化物;塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂;NBR、EPDMのようなゴム類が挙げられる。
次に本発明のシーリング材について以下に説明する。
本発明のシーリング材は、
第1の部材と第2の部材との間が本発明のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを用いてシーリングされているシーリング材である。
本発明のシーリング材において使用されるシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットは、本発明のセットであれば特に制限されない。
また、本発明のシーリング材に使用される部材は、特に制限されない。例えば、上記と同様のものが挙げられる。
本発明のシーリング材の製造方法としては、例えば、第1の部材に水系プライマー組成物を塗布する水系プライマー塗布工程と、水系プライマーが塗布された部材と第2の部材との間にシーリング材組成物を塗布するシーリング材組成物塗布工程と、シーリング材組成物、または水系プライマー組成物およびシーリング材組成物を硬化させてシーリング材が得られる硬化工程とを有する方法が挙げられる。
まず、水系プライマー塗布工程において、第1の部材に水系プライマー組成物を塗布し、水系プライマーが塗布された部材を得る。
水系プライマー組成物を第1の部材に塗布する方法は特に制限されない。
水系プライマー塗布工程のあと、シーリング材組成物塗布工程の前に、必要に応じてプライマー乾燥工程を設けることができる。
プライマー乾燥工程における乾燥温度は5〜100℃とすることができる。乾燥方法は特に制限されない。
水系プライマー塗布工程またはプライマー乾燥工程の後、シーリング材組成物塗布工程において、水系プライマーが塗布された部材と第2の部材との間にシーリング材組成物を塗布し、シーリング材組成物が塗布された部材を得る。
シーリング材組成物塗布工程において、第2の部材として、第2の部材に予めプライマーを塗布したものを使用することができる。第2の部材に使用することができるプライマーは、接着性、耐水性により優れるという観点から、本発明のシーリング材に使用されるセットが有する水系プライマー組成物であるのが好ましく、第1の部材に使用される水系プライマー組成物と同じであるのがより好ましい。
シーリング材組成物を塗布する方法は特に制限されない。
シーリング材組成物塗布工程の後、硬化工程において、シーリング材組成物、または水系プライマー組成物およびシーリング材組成物を硬化させシーリング材を得る。
シーリング材は、シーリング材組成物から形成されるシーリング材層と、水系プライマー組成物から形成されるプライマー層とを有する。
硬化工程において、シーリング材組成物、水系プライマー組成物を乾燥させることによって、シーリング材組成物、水系プライマー組成物を硬化させることができる。
硬化工程における乾燥温度は、5〜50℃であるのが好ましい。乾燥方法は特に制限されない。
以上の工程によって本発明のシーリング材を得ることができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されない。
1.シーリング材組成物、水系プライマー組成物の製造
第1表に示す成分を、第1表に示す量(単位は質量部)で混合し、シーリング材組成物および水系プライマー組成物を製造した。得られたシーリング材組成物をシーリング材組成物1〜2とし、得られた水系プライマー組成物を水系プライマー組成物1〜2とする。
2.試験体の作製
被着体として、縦5cm、横5cm、厚さ3mmの陽極酸化アルミ(パルテック社製)を用いた。
上記のようにして得られた水系プライマー組成物を塗布量50g/m2で、1枚の陽極酸化アルミの片面の全面に刷毛を用いて塗布し、20℃の条件下で60分間乾燥させた。次いで、プライマーの上に得られたシーリング材組成物1〜2のいずれかを塗布量500g/m2でピール状に塗布したのち、シーリング材組成物を塗布した陽極酸化アルミを23℃、60%RHの条件下において硬化させてピール試験体を作製した。
3.評価
得られた試験体について、以下に示す方法で接着性、耐水性を評価した。結果を第1表に示す。
(1)接着性
得られた試験体を、23℃の条件下で7日間の後、さらに50℃の条件下で7日間硬化させる条件で硬化させ、硬化後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊状況を評価した。
接着性の評価基準は、CFはシーリング材層の凝集破壊、TCFは薄層破壊(プライマーが被着体との界面で部分的に界面破壊している状態)、PSはプライマー層とシーリング材層との界面破壊であることを示す。
(2)耐水性
得られた試験体を23℃の条件下で7日間硬化させた後、23℃の水中に7日間置く耐水試験を行い、耐水試験後、ナイフカットによる手はく離試験を行い、破壊状況を評価した。
耐水性の評価基準は、CFはシーリング材層の凝集破壊、TCFは薄層破壊(プライマーが被着体との界面で部分的に界面破壊している状態)、PSはプライマー層とシーリング材層との界面破壊であることを示す。
第1表に示されているシーリング材組成物に使用された各成分の詳細は、以下のとおりである。
・ウレタンプレポリマー1:ウレタンプレポリマー、商品名UH−01NB主剤、横浜ゴム社製
・硬化剤1:商品名UH−01NB硬化剤、横浜ゴム社製
・ケト基およびヒドロキシ基を有する炭化水素化合物:下記式(1)で表される化合物。ダイアセトンアクリルアミド(日本化成社製)100質量部に対して、ジエタノールアミン62.8質量部を添加し、90℃で6時間加熱撹拌して、下記式(1)で表される化合物を得た。
第1表に示されている水系プライマー組成物に使用された各成分の詳細は、以下のとおりである。
・樹脂:式(3)で表されるケト基を有するアクリル樹脂(樹脂のガラス転移温度9℃)。第1表中の樹脂の量は、樹脂固形分の量である。樹脂は、商品名YJ2720D(BASFジャパン社製)の中に含有される。YJ2720Dの中の樹脂の固形分:48質量%。
・ヒドラジノ化合物:アジピン酸ジヒドラジド(8質量%水溶液、日本化成社製)第1表中のヒドラジノ化合物の量は、アジピン酸ジヒドラジドの正味の量である。
・タッキファイヤー:ロジン系樹脂、商品名スーパーエステルNS−100A、荒川化学工業社製
第1表に示す結果から明らかなように、ケト基とヒドロキシ基とを有する炭化水素化合物を含有しないシーリング材組成物を使用する比較例1は、接着性、耐水性に劣った。
これに対して実施例1は接着性、耐水性に優れる。

Claims (6)

  1. ウレタンプレポリマーとケト基およびヒドロキシ基を有する化合物とを含有する、またはケト基を有するウレタンプレポリマーを含有するシーリング材組成物と、
    ケト基を有する樹脂のエマルジョンとヒドラジノ基を2個以上有するヒドラジノ化合物とを含有する水系プライマー組成物とを有し、
    前記ケト基が、いずれも、R 1 −CO−R 2 −(式中、R 1 は1価の炭化水素基を表し、R 2 は2価の炭化水素基を表す。)で表される基であり、
    前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物の量が、前記ウレタンプレポリマーの量100質量部に対して、0.1〜12質量部である、シーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  2. 前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物のケト基、ならびに、前記ケト基を有する樹脂のエマルジョンのケト基が、いずれも、下記式(3)で表される基である、請求項1に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  3. 前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物が、ケト基と不飽和結合とを有する化合物とポリアルカノールアミンとを付加反応させた反応物である、請求項2に記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  4. 前記ヒドラジノ化合物が有するヒドラジノ基の量が、前記ケト基およびヒドロキシ基を有する化合物のケト基、前記ケト基を有するウレタンプレポリマーのケト基、および、前記ケト基を有する樹脂のケト基の合計モル数の0.8〜1.5倍である、請求項1〜3のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  5. 前記水系プライマー組成物が、さらに、タッキファイヤーを含有する請求項1〜4のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセット。
  6. 第1の部材と第2の部材との間が請求項1〜5のいずれかに記載のシーリング材組成物と水系プライマー組成物とのセットを用いてシーリングされているシーリング材。
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