JP5540754B2 - Dc−dcコンバータの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、DC−DCコンバータを構成する二つのスイッチング素子を交互にオン/オフさせてDC−DCコンバータからの出力を制御する制御装置に関する。
DC−DCコンバータには、通常、コイルと、直流電源からコイルへの第1通電経路上に設けられた第1スイッチング素子と、この第1スイッチング素子のターンオフ後に、コイルに蓄積されたエネルギにより第1通電経路とは異なる第2通電経路に電流を流す通電経路切換用の第2スイッチング素子が備えられている。そして、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子としては、一般に、オン抵抗の小さいMOSFETが使用される。
例えば、図6は、降圧型のDC−DCコンバータ30を表しているが、このDC−DCコンバータ30には、直流電源としてのバッテリ2からコイル34に至る第1通電経路上に、第1スイッチング素子としてのpチャネルのMOSFET31が設けられ、MOSFET31のターンオフ後に第2通電経路を形成する第2スイッチング素子として、nチャネルのMOSFET32が設けられている。
そして、このDC−DCコンバータ30では、MOSFET31が、制御回路40によりデューティ制御されたPWM信号にて周期的にオン/オフされ、そのオン時にバッテリ2からMOSFET31及びコイル34を介して、電圧安定化用のコンデンサC3に充電し、MOSFET31のオフ時には、MOSFET32を介してコイル34からコンデンサC3への充電を継続することにより、コンデンサC3から外部負荷3へと直流電圧を供給するようにされている。
また、MOSFET31、32には、ドレイン−ソース間にダイオード(所謂寄生ダイオード)31d、32dが形成されることから、MOSFET31がターンオフされてから、MOSFET32がオンされるまでの間は、ダイオード32dを介してコイル34への通電を継続できる。
そこで、従来では、図6に示すように、MOSFET32が設けられる第2通電経路上に電流検出用の抵抗Rを設け、駆動回路42が、この抵抗Rの両端電圧に応じてMOSFET32をオンする際の駆動電圧(ゲート電圧)を制御するよう構成することが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
つまり、この提案の装置では、抵抗Rにてダイオード32dを介して流れるコイル電流(換言すれば負荷電流)を検出し、その検出電流が小さい場合には、MOSFET32のオン抵抗が高くても電力損失は低いことから、MOSFET32の駆動電圧を低くしてゲートの充放電損失を低減するようにし、検出電流が大きい場合には、MOSFET32の駆動電圧を高くしてオン抵抗を小さくすることで、MOSFET32の電力損失を低減するようにしている。
特許第3655247号公報
しかし、上記提案の技術では、MOSFET32が設けられる第2通電経路上に抵抗Rを設けているので、この抵抗Rにより導通損失が生じ、しかも、この抵抗Rによる導通損失は、コイル電流が大きいほど、大きくなる。
このため、上記提案のように、抵抗Rの両端電圧に応じてMOSFET32の駆動電圧を高くし、MOSFET32のオン抵抗を小さくすることにより、MOSFET32で生じる導通損失を低減するようにしても、抵抗Rでの導通損失の増加により、第2通電経路全体の導通損失を充分低減することはできない。
また、上記提案の技術では、コイル電流に応じてMOSFET32の駆動電圧を制御しているが、MOSFET31がターンオフされてから、MOSFET32がオンされるまでの期間は、両FET31、32が同時にオン状態になるのを防止する一定時間(所謂デットタイム)となっており、MOSFET32は、MOSFET31がターンオフされてから一定時間経過後、必ずオン状態に切り換えられる。
しかし、MOSFET32を充分な駆動電圧でオンさせた場合の電圧−電流特性は、図7の実線で示すようになり、第2通電経路に流れるコイル電流(ソースからゲート方向への電流:負の電流値)が大きい場合には、MOSFET32をオンさせるよりも、ダイオード32d単体でコイル電流を流す所謂ダイオード整流の方が、導通損失が少なくなる。
つまり、ダイオード32dの電圧−電流特性は、図7に点線で示すようになる。そして、この図から明らかなように、コイル電流が大きい領域(図では約−10Aよりも大きい領域)では、電流値が同じであれば、MOSFET32のオン時よりもオフ時(つまりダイオード整流)の方がMOSFET32両端の電圧が低くなり、導通損失も小さくなる。
このため、第2通電経路での導通損失を低減して、DC−DCコンバータ30の電力効率を高めるには、MOSFET31がターンオフされた後、MOSFET32をオンするまでの期間を、第2通電経路を流れるコイル電流の大きさに応じて切り換えるようにするとよい。
つまり、図7に示すように、MOSFET31のターンオフ後、ダイオード32dだけで第2通電経路を形成するダイオード整流期間と、MOSFET32をオン状態にして第2通電経路を形成する同期整流期間とを、第2通電経路に流れるコイル電流の大きさに応じて(換言すれば、電流が図に示す切替電流まで低下した切替タイミングで)切り換えることにより、第2通電経路での導通損失を低減して、DC−DCコンバータ30の電力効率を高めることができる。
ところで、この制御を実現するには、図6に示した従来の回路構成をそのまま利用することができ、例えば、抵抗Rにて検出した電流値に応じて、駆動回路42がMOSFET32をオンさせるオンタイミングを制御するようにすれば、実現できる。
しかし、図6に示した従来の回路構成では、第2通電経路上に抵抗Rを設けることになるので、抵抗Rにより導通損失が増大することになり、上記提案の技術と同様、第2通電経路での導通損失を低減することができないという問題が生じる。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、DC−DCコンバータにおいて、直流電源からコイルへの通電遮断後にオンされるスイッチング素子の駆動タイミングを、そのスイッチング素子の通電経路上に抵抗を設けることなく制御可能にすることで、その通電経路で生じる導通損失を充分低減してDC−DCコンバータの電力効率を向上することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載のDC−DCコンバータの制御装置には、第2通電経路において、第2スイッチング素子のオン時(同期整流時)に生じる導通損失と、第2スイッチング素子のオフ時(ダイオード整流時)に生じる導通損失との大小関係が反転するときの電流値(つまり図7に示した切替電流)が、切替電流として予め記憶された記憶手段が備えられている。
そして、ピーク電流推定手段が、DC−DCコンバータの基本制御量である各スイッチング素子のオン/オフ時間の比率を求めるのに使用されるフィードバックデータと、そのオン/オフ時間の比率とに基づき、コイル電流のピーク値(ピーク電流)を推定し、切替時間算出手段が、その推定されたピーク電流と記憶手段に記憶された切替電流とに基づき、コイル電流がピーク電流から切替電流に低下するまでの時間を、切替時間として算出する。
また、切替時間算出手段にて切替時間が算出されると、オンタイミング設定手段が、第1スイッチング素子のターンオフ後、その算出された切替時間が経過したタイミングで第2スイッチング素子がオンするよう、第2スイッチング素子のオンタイミングを設定する。
このため、本発明の制御装置によれば、第1スイッチング素子のターンオフ後、第2通電経路に流れるコイル電流が切替電流まで低下するまでの間は、第2スイッチング素子をオフ状態に保持して、第2スイッチング素子に付与されたダイオードだけでコイル電流を流し(ダイオード整流)、第2通電経路に流れるコイル電流が切替電流よりも低くなると、第2スイッチング素子をオン状態にして、第2スイッチング素子によりコイル電流を流す(同期整流)ことができる。
従って、第1スイッチング素子のターンオフ後、第2通電経路にコイル電流が流れる際のコイル電流の導通損失は、ダイオード整流と同期整流との切り替えにより充分低減され、DC−DCコンバータの電力効率を高めることができる。
また、切替時間を算出するのに用いられるピーク電流は、フィードバックデータと、そのフィードバックデータに基づき算出される基本制御量である各スイッチング素子のオン/オフ時間の比率と、に基づき算出され、ピーク電流を検出するために、従来のように電流検出用の抵抗を第2スイッチング素子に直列接続する必要がない。このため、この抵抗により導通損失が増加することはなく、これによっても、DC−DCコンバータの電力効率を高めることができる。
ここで、ピーク電流推定手段にてピーク電流を推定するには、例えば、フィードバックデータ及びオン/オフ時間の比率からピーク電流を推定するためのマップを予め作成して記憶して、ピーク電流は、そのマップを用いてピーク電流を推定するように構成することができる。
しかし、本発明では、ピーク電流推定手段は、ピーク電流推定用のマップを用いるのではなく、フィードバックデータ及びオン/オフ時間の比率に基づき、コイル電流の変動幅を表すリップル電流を推定し、その推定したリップル電流とフィードバックデータに含まれる入力電流とからピーク電流を算出する。
このため、本発明によれば、予めピーク電流推定用のマップを作成する必要がなく、設計変更等によって回路パラメータ(例えばコイルのインダクタンス等)が変化しても、計算式内のパラメータを書き換えるだけで対応できることから、汎用性の高い制御装置を提供できる。
なお、リップル電流を推定し、その推定したリップル電流からピーク電流を算出する具体的手順については、後述の実施形態にて説明する。
ところで、コイルのインダクタンスは、コイルに流れるコイル電流が所定の閾値を越えると低下する。そして、コイルのインダクタンスが低下すると、コイル電流の変化率が大きくなり、フィードバックデータに含まれる入力電流は、設計時に想定した値よりも大きくなる。
このため、ピーク電流推定手段にて、フィードバックデータに含まれる入力電流をそのまま使ってピーク電流を算出するようにすると、コイル電流がピーク電流から切替電流まで低下するのに要する切替時間が長くなり、切替タイミングが遅れてしまう。つまり、切替時間算出手段にて最終的に得られる切替時間が適正値からずれてしまう。
そこで、本発明では、切替時間算出手段にて算出される切替時間が適正値からずれるのを防止するための補正データとして、フィードバックデータに含まれる入力電流がコイルのインダクタンスを変化させる閾値以上であるとき、当該電流値の変化が小さくなるようフィードバックデータに含まれる入力電流を補正する補正データを、記憶手段に記憶している。
そして、DC−DCコンバータを制御する際には、補正手段が、フィードバックデータに含まれる入力電流を、記憶手段に記憶された補正データに基づき補正し、その補正後の入力電流を、ピーク電流推定手段がピーク電流を算出するのに用いる入力電流として設定する。
このため、本発明の制御装置によれば、切替時間算出手段にて最終的に得られる切替時間が適正値からずれるのを防止することができる。なお、記憶手段に記憶する補正データは、実験若しくはシミュレーション等により生成することができる。
DC−DCコンバータ及びその制御系全体の構成を表す説明図である。 DC−DCコンバータを制御する制御回路の構成を表すブロック図である。 制御回路にて実行される出力制御処理を表すフローチャートである。 出力制御処理による整流領域の切替動作を表すタイムチャートである。 入力電流を補正するのに用いられるマップを説明する説明図である。 DC−DCコンバータの制御装置の従来例を表す説明図である。 MOSFET及びダイオードの電圧−電流特性を表す説明図である。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は、直流電源であるバッテリ2から電源供給を受けて、モータ4を駆動するインバータ6に電源電圧(直流)を供給するのに用いられるDC−DCコンバータ10と、その制御系の構成を表している。
本実施形態のDC−DCコンバータ10は、昇圧用のDC−DCコンバータであり、図1に示すように、バッテリ2に並列接続された入力電圧安定化用のコンデンサC1と、コイル14と、バッテリ2からコイル14に至る第1通電経路(以下、経路Aという)上に設けられた第1スイッチング素子としてのnチャネルのMOSFET11と、MOSFET11のターンオフ後、コイル14に発生した高電圧によりコンデンサC2を充電するための第2通電経路(以下、経路Bという)を形成する、第2スイッチング素子としてのnチャネルのMOSFET12と、を備え、コンデンサC2からインバータ6に電源電圧を供給するように構成されている。
なお、MOSFET11、12には、ドレイン−ソース間に、ソース側からドレイン側へと電流を流すダイオード(寄生ダイオード)D1、D2が形成されており、MOSFET11がターンオフされた際には、MOSFET12がオフ状態でも、ダイオードD2を介してコイル14からコンデンサC2への充電経路(経路B)を形成できる。
また、DC−DCコンバータ10において、バッテリ2とコンデンサC1との間の直流電圧の入力経路、及び、コンデンサC2とインバータ6との間の直流電圧の出力経路には、それぞれ、入力電力(詳しくは入力電流、入力電圧)及び出力電力(詳しくは出力電流、出力電圧)を検出するセンサ16、18が設けられている。
そして、これら各センサ16、18により検出された入出力電力、つまり、入力電流、入力電圧、出力電流、出力電圧は、DC−DCコンバータ10の出力を制御するためのフィードバックデータ(以下、FBデータと記載する)として、制御回路20に出力される。
制御回路20は、マイクロコンピュータにて構成されており、上記各センサ16、18から入力されるFBデータに基づき、MOSFET11、12のオン/オフ時間の比率を求め、その比率に従いMOSFET11、12を交互にオンするためのパルス幅変調信号(PWM信号)を生成し、その生成したPWM信号をドライブ回路8に出力することで、DC−DCコンバータ10からの出力を制御する。
なお、ドライブ回路8は、制御回路20から入力されるPWM信号に従い、MOSFET11、12のゲートに駆動電圧(ゲート電圧)を印加することで、MOSFET11、12をオンさせる周知のものである。
また、制御回路20は、本発明の制御装置に相当するものであり、機能ブロックで表すと、図2に記載のようになる。つまり、制御回路20は、上記各センサ16、18からの検出信号をFBデータとしてA/D変換して取り込むためのA/D変換部22と、A/D変換部22を介して入力されたFBデータに基づきDC−DCコンバータ10の制御量(MOSFET11、12のオン/オフ時間の比率等)を算出する演算部24と、演算部24にて制御量を演算するのに必要なプログラムやデータ(マップ、演算式等)が記憶された記憶部(メモリ)26と、演算部24からの指令に従いMOSFET11、12駆動のためのPWM信号を発生するPWM信号発生部28、29とから構成されている。
なお、PWM信号発生部28、29は、例えば、計時用タイマにて構成されており、演算部24から設定されたタイミング及び時間でパルス信号を発生することで、ドライブ回路8にMOSFET11、12駆動用のPWM信号を出力する。
次に、制御回路20の演算部24(詳しくはマイクロコンピュータのCPU)にて実行されるDC−DCコンバータ10の出力制御処理を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
なお、この出力制御処理を実行するに当たって、記憶手段としての記憶部(メモリ)26内には、MOSFET12の電圧−電流特性とダイオードD2の電圧−電流特性とにより定まる切替電流(図7参照)と、入力電流補正用の補正値マップ(図5(c)参照)が予め記憶されているものとする。
図3に示すように、出力制御処理では、まずS110(Sはステップを表す)にて、A/D変換部22を介してFBデータを取り込み、続くS120にて、その取り込んだFBデータに基づき、DC−DCコンバータ10からの出力を目標値(例えば目標電圧)に制御するのに必要なMOSFET11、12のオン/オフ時間の比率を算出し、MOSFET11、12を一定の制御周期内で交互にオンさせるPWM幅を算出する。
次に、S130では、S110にて取得したFBデータのうち、以降の処理でMOSFET12のオンタイミングを設定するのに用いられるデータ(本実施形態では入力電流)をDC−DCコンバータ10の動作条件に基づき補正する補正計算を行う。なお、この補正計算については、後述する。
また、S130での補正計算が終了すると、S140に移行して、FBデータに含まれる入力電圧及び出力電圧と、S120で算出されたオン/オフ時間の比率とに基づき、コイル14に流れるコイル電流の変動幅を表すリップル電流を算出する。
つまり、コイル14の両端電圧(つまり、出力電圧−入力電圧)は、コイル14のインダクタンスLと、リップル電流と、MOSFET11、12の制御周期と、MOSFET11の駆動デューティDuty(制御周期内のオン時間)とを用いて、
コイル両端電圧=出力電圧−入力電圧
=L×リップル電流/(制御周期×Duty)
と表すことができる。
そして、このうちインダクタンスL及び制御周期は固定値であるので、入力電圧とMOSFET11の駆動デューティDutyが分かれば、リップル電流を算出することができる。
そこで、S140では、S110にて取得したFBデータの中から入力電圧及び出力電圧を取り込み、S120で算出されたオン/オフ時間の比率を駆動デューティDutyとして取り込み、これら各パラメータと、インダクタンスL及び制御周期を表す固定値とに基づき、次式を用いてリップル電流を算出するのである。
リップル電流=(出力電圧−入力電圧)×制御周期×Duty/L
次に、S140にてリップル電流が算出されると、続くS150にて、リップル電流と、FBデータに含まれる入力電流とに基づき、ピーク電流を算出する。なお、ピーク電流の算出には、次式が用いられる。
ピーク電流=入力電流+リップル電流/2
そして、続くS160では、S150にて算出されたピーク電流と、記憶部(メモリ)26に記憶された切替電流と、FBデータに含まれる入力電圧及び出力電圧と、コイル14のインダクタンスL(固定値)とに基づき、コイル電流がピーク電流から切替電流まで減少するのに要する時間を切替時間として算出する。
つまり、コイル14の両端電圧(つまり、出力電圧−入力電圧)は、ピーク電流と、切替電流と、コイル14のインダクタンスLと、切替時間とを用いて、
コイル両端電圧=出力電圧−入力電圧
=L×(ピーク電流−切替電流)/切替時間
と表すことができる。
そこで、S160では、この式に基づき導出した次式により、切替時間を算出するのである。
切替時間=L×(ピーク電流−切替電流)/(出力電圧−入力電圧)
そしてこのように、切替時間が算出されると、S170に移行して、S120にて算出した制御量(PWM幅)を、予め設定されたデットタイムと、切替時間とに基づき補正することで、MOSFET11.12を実際にオン/オフさせるPWM信号の立上がりタイミング及びパルス幅を求める。
つまり、S120にて算出された制御量(PWM幅)は、MOSFET11、12を交互にオンさせるためのものであるが、MOSFET11、12を実際に駆動する際には、MOSFET11、12が同時にオンすることのないよう、オン/オフ状態の切替タイミングでMOSFET11、12が共にオフ状態となるデットタイムを設ける必要がある。
また、本実施形態では、MOSFET11がターンオフしてから、コイル電流が切替電流に低下するまでの時間を切替時間として求めており、その切替時間の間、MOSFET12をオンせず、ダイオードD2によるダイオード整流にてコイル電流を流すことで、経路Bでの導通損失を低減する。
そこで、S170では、図4に例示するように、時点t0から次時点t0までの制御周期毎に、S120にて算出された制御量(PWM幅)に従い、MOSFET11のオンタイミング(t0)及びオフタイミング(t1)を設定し、MOSFET12のオンタイミング(t2)は、MOSFET11のオフタイミング(t1)から切替時間が経過した切替タイミングとして設定し、MOSFET12のオフタイミング(t3)は、MOSFET11のオンタイミング(t0)よりもデットタイムだけ早いタイミングとして設定することにより、MOSFET11.12をオン/オフさせるPWM信号の立上がりタイミング及びパルス幅を決定するのである。
そして、このようにS170にて、MOSFET11.12の立上がりタイミング及びパルス幅が決定されると、その決定された立上がりタイミング及びパルス幅(時間)をPWM信号発生部28、29にセットし、再度S110に移行する。
この結果、本実施形態の制御回路20によれば、図4に示すように、時点t1でMOSFET11がターンオフされた後、MOSFET11をオン状態するよりも、MOSFET11をオフ状態に保持した方が、経路Bでのコイル電流の導通損失を小さくできる領域(ダイオード整流領域)では、MOSFET11をオフ状態に保持してコンデンサC2をダイオード整流にて充電することができ、その後、コイル電流が切替電流まで低下して(時点t2)、MOSFET11をオン状態した方が経路Bでのコイル電流の導通損失を小さくできる領域(同期整流領域)では、MOSFET11をオン状態にして、コンデンサC2を同期整流にて充電することができることになる。
よって、本実施形態の制御回路20によれば、MOSFET11がターンオフされてから、コイル14に蓄積されたエネルギによりコンデンサC2を充電するのに利用される経路Bでの導通損失を低減することができるようになり、DC−DCコンバータ10の電力効率を高めることができる。
また、本実施形態では、上記のようにMOSFET11のオンタイミング(換言すればダイオード整流と同期整流との切替タイミング)を制御するのに、演算部24(換言すればマイクロコンピュータ)での演算処理を利用しており、DC−DCコンバータ10や制御回路20には従来装置と同じハード構成のものを利用することができる。よって、本実施形態は、従来装置に対し、演算部24の処理動作(プログラム)を変更するだけで実現することができ、低コストで実現できる。
また、本実施形態によれば、経路Bに電流検出用の抵抗を設ける必要がないので、この抵抗により経路Bでのコイル電流の導通損失が増加するようなことはなく、これによっても、DC−DCコンバータの電力効率を高めることができる。
次に、S130にて実行される補正計算について図5を用いて説明する。
この補正計算は、S140〜S160にて、リップル電流、ピーク電流、切替時間等を算出するのに用いられるパラメータの精度が、DC−DCコンバータの動作条件によって低下する場合に、そのパラメータに対する補正値を求めて、そのパラメータを補正することにより、S160にて最終的に得られる切替時間が適正値となるようにするための処理であり、以下の説明では、S150にてピーク電流を算出するのに用いられる入力電流を補正する場合について説明する。
コイル14のインダクタンスLは、コイル電流が変化しても一定であれば問題ないが、図5(a)に示すように、コイル電流が閾値Ithを越えると、コイル電流の増加に伴いインダクタンスLが低下することがある。
そして、コイル14に、このような特性のものを利用すると、DC−DCコンバータ10の負荷の増加に伴いコイル電流が増加したときに、コイル電流が一時的に閾値Ithを越えることがある。そして、コイル電流が閾値Ithを越えると、コイル14のインダクタンスLが低下するので、図5(b)に示すように、コイル電流の変化率が大きくなって、コイル電流が閾値Ith以上となる領域では、コイル電流が、制御回路20の設計時に想定した値よりも大きくなってしまう。
そして、コイル電流がこのように変化すると、FBデータに含まれる入力電流も、設計時に想定した値よりも大きくなるため、FBデータに含まれる入力電流をそのまま使ってピーク電流を算出すると、コイル電流がピーク電流から切替電流まで低下するのに要する切替時間が、適正値よりも大きくなってしまい、MOSFET12のオンする切替タイミングが遅れて、経路Bでの導通損失を低減することができなくなる。
そこで、本実施形態では、図5(c)に示すように、コイル電流(換言すれば入力電流)が閾値Ithを越えたときに、FBデータから得られる入力電流を補正するための補正データである補正値マップを、予め実験若しくはシミュレーション等で作成して、記憶部(メモリ)26に格納しておき、S130では、S110で取得された入力電流に対する補正値を、その補正値マップを用いて算出し、入力電流をその補正値で補正することで、S150にて設計値に対応したピーク電流を算出できるようにしている。
なお、S130にて補正された入力電流は、最終的に得られる切替時間が適正値からずれるのを防止するためのものであり、センサ16にて検出される実電流ではないので、S120での制御量の算出等には利用しない。
そして、このようにS130にて、DC−DCコンバータ10の動作条件に対応して、入力電流等の各種パラメータの補正計算を行うことで、コイル電流が図7に示す切替電流まで低下した切替タイミングでMOSFET12をオンすることができるようになり、本発明による導通損失の低減効果を充分発揮することが可能となる。
そして、本実施形態においては、S140及びS150の処理が、本発明のピーク電流推定手段に相当し、S160の処理が、本発明の切替時間算出手段に相当し、S170の処理が、本発明のオンタイミング設定手段に相当し、S130の処理が、本発明の補正手段に相当する。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施形態では、S130の補正計算処理にてDC−DCコンバータ10の動作条件に基づき補正するパラメータとして、入力電流を例にとり説明したが、コイル14のインダクタンスLはコイル電流により変化するので、コイル14のインダクタンスLを固定値として算出されるリップル電流や切替時間についても、入力電流と同様に、補正値マップを作成して、S130にて補正値を求め、S140、S160で計算に用いられるインダクタンスLを補正するようにしてもよい。
また、S130では、各種パラメータに対する補正値のみを算出し、S140、S150、S160でリップル電流、ピーク電流、切替時間等を計算する際に、その補正値を利用するようにしてもよい。
また、MOSFET12の特性を含め、コイル14のインダクタンスL等の各種パラメータは入力電流に限らず、入力電圧、出力電流、出力電圧、温度等によっても変化するので、制御精度をより高めるには、これらの動作条件に基づき各パラメータの補正値を求めるようにすればよい。
一方、上記実施形態では、昇圧型のDC−DCコンバータ10の制御装置(制御回路20)について説明したが、本発明は、図6に示した降圧型のDC−DCコンバータ30の制御装置にも上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、DC−DCコンバータ10には、第2スイッチング素子としてnチャネルのMOSFET12が設けられているものとして説明したが、本発明の制御装置は、第2スイッチング素子として、オン時に双方向に電流を流すことができ、オフ時にコイル電流を流すことのできるダイオードが並列接続された半導体素子を備えたDCDCコンバータであれば、上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
2…バッテリ、3…外部負荷、4…モータ、6…インバータ、8…ドライブ回路、10,30…DC−DCコンバータ、11,31…MOSFET(第1スイッチング素子)、12,32…MOSFET(第2スイッチング素子)、14,34…コイル、16…センサ、20,40…制御回路、22…A/D変換部、24…演算部、26…記憶部(メモリ)、28,29…PWM信号発生部、D1,D2,31d,32d…ダイオード、42…駆動回路。

Claims (1)

  1. コイルと、該コイルと直流電源との間の第1通電経路に設けられた第1スイッチング素子と、該第1スイッチング素子のターンオフ後、前記コイルへの通電経路を第2通電経路に切り換え、前記コイルに蓄積されたエネルギにて前記コイルへの通電を継続させる第2スイッチング素子と、を備え、該第2スイッチング素子には、該第2スイッチング素子がオフ状態であるとき前記コイルへの通電を継続させるダイオードが付与されたDC−DCコンバータに設けられ、
    前記DC−DCコンバータの入力電力及び出力電力を表すフィードバックデータに基づき前記各スイッチング素子のオン/オフ時間の比率を求め、該比率に基づき前記各スイッチング素子を交互にオン/オフさせることにより、前記DC−DCコンバータからの出力を制御する制御装置であって、
    前記第2通電経路にて前記第2スイッチング素子のオン時に生じる導通損失と前記第2スイッチング素子のオフ時に生じる導通損失との大小関係が反転するときの電流値が、切替電流として予め記憶された記憶手段と、
    前記フィードバックデータ及び前記オン/オフ時間の比率に基づき、前記コイルに流れるコイル電流のピーク値を表すピーク電流を推定するピーク電流推定手段と、
    該ピーク電流推定手段にて推定されたピーク電流と前記記憶手段に記憶された切替電流とに基づき、前記コイル電流が前記ピーク電流から前記切替電流に低下するまでの時間を切替時間として算出する切替時間算出手段と、
    前記切替時間算出手段にて算出された切替時間に基づき、前記第1スイッチング素子のターンオフ後前記切替時間が経過したタイミングで前記第2スイッチング素子がオンするよう、前記第2スイッチング素子のオンタイミングを設定するオンタイミング設定手段と、
    備え、
    前記ピーク電流推定手段は、前記フィードバックデータ及び前記オン/オフ時間の比率に基づき、前記コイル電流の変動幅を表すリップル電流を推定し、該推定したリップル電流と前記フィードバックデータに含まれる入力電流とに基づき前記ピーク電流を算出するよう構成され、
    前記記憶手段には、前記切替時間算出手段にて算出される切替時間が適正値からずれるのを防止するための補正データとして、前記フィードバックデータに含まれる前記入力電流が前記コイルのインダクタンスを変化させる閾値以上であるとき、当該電流値の変化が小さくなるよう前記フィードバックデータに含まれる前記入力電流を補正する補正データが記憶されており、
    当該制御装置には、更に、
    前記フィードバックデータに含まれる入力電流を、前記記憶手段に記憶された補正データに基づき補正し、該補正後の入力電流を、前記前記ピーク電流推定手段が前記ピーク電流を算出するのに用いる入力電流として設定する補正手段、
    が備えられていることを特徴とするDC−DCコンバータの制御装置。
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