まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置を説明するための概略斜視図、図2は図1に示す画像読取装置の搬送路の展開図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る画像読取装置1300は、チェックスキャナー装置の一例であって、原稿の束を立てた状態で載置する載置ユニット1100、搬送路1110、第1排紙ユニット1102、及び第2排紙ユニット1103を備え、通信ケーブル1302等の通信ユニットを介してホストコンピュータ1301(情報処理装置)と通信可能に接続される。
原稿1090を搬送する搬送路1110には、第1搬送路1116及び第2搬送路1118が配置されている。第1搬送路1116よりも上流には、分離ローラ1107と給送ローラ1105とのローラ対、搬送ローラ対1104a、前段のレジストセンサ1112、MICR読取ユニット1106、及び読取ユニット1108が下流側に向けて順番に配置されている。なお、本実施の形態では、給送ローラ1105及び分離ローラ1107等により本発明の給送ユニットを構成している。
第2搬送路1118には、搬送ローラ対1104b、原稿有無センサ1109が配置され、第2搬送路1118よりも下流には、後段のレジストセンサ1113、印字ユニット1114及び読取ユニット1115が配置されている。また、画像読取装置1300には、搬送ローラ対1104a等を駆動する不図示の第1搬送機構、及び搬送ローラ対1104b等を駆動する不図示の第2搬送機構が配置されている。
なお、本実施の形態では、MICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108により本発明の第1処理ユニットを構成し、印字ユニット1114及び読取ユニット1115により本発明の第2処理ユニットを構成する。また、原稿1090には、図51で説明したように、磁気インクによってMICR文字1091が印字されている。
ここで、第1搬送路1116は、搬送路1100のうち、読取ユニット1108から第2搬送路1118の上流端である搬送ローラ対1104bの手前までの領域である。第1搬送路1116の搬送路長は、手形専用の画像読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)に原稿の停止に必要な制動距離を加えた長さとする。
また、第2搬送路1118は、搬送路1110のうち、搬送ローラ対1104bから印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113の手前までの領域である。第2搬送路1118の搬送路長は、ビジネスチェックの長さよりも短く、少なくともパーソナルチェック(又はアメリカンチェック)と呼ばれる長さ152mmに加速距離を加えた長さとする。
次に、図3〜図8を参照して、本実施の形態に係る画像読取装置1300の動作例について説明する。図3での各処理は、画像読取装置1300の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1300Aという)により実行される。
図3において、ステップS1241では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から通信ケーブル1302を介して読取処理の開始指示を受信すると、不図示の原稿検知センサを介して載置ユニット1100に原稿1090が載置されているか否かを判断する。
そして、CPU1300Aは、載置ユニット1100に原稿1090が載置されている場合は、ステップS1242に進む。
ステップS1242では、CPU1300Aは、載置ユニット1100から給送を始める原稿1090の給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS1243に進む。
ここで、CPU1300Aが原稿1090の給送開始が可能であると判定を行う場合は、給送しようとしている原稿が次の3つの条件のいずれかを満たしているときである。
(1)給送しようとしている原稿が1枚目の原稿であること。給送しようとしている原稿が、1枚目であれば、第1搬送路1116、第2搬送路1118中に原稿が存在していないので原稿1090を給送しても他原稿と衝突することは無い。
(2)給送しようとしている原稿が2枚目の原稿であり、且つ1枚目の原稿のサイズが第2搬送路1118の長さよりも短い原稿であること。原稿のサイズは、原稿1090の搬送速度をv、前段のレジストセンサ1112を原稿先端が通過してから原稿後端が通過するまでの時間をtとすれば、vtとして検出することができる。
給送しようとしている原稿が2枚目の場合、1枚先行した原稿(1枚目の原稿)に対する印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないと、1枚目の原稿を第2搬送路1118まで搬送した後、停止させなければならない。
ここで、1枚目の原稿1090aがパーソナルチェックよりも長い原稿の場合、1枚目の原稿1090aが第2搬送路1118で停止した状態のとき、図4に示すように、原稿後端が第1搬送路1116内にあり、新たに原稿を給送すると衝突するおそれがあるので給送を不可とする。しかし、図5に示すように、1枚目の原稿1090aがパーソナルチェックよりも短い場合は、新たに原稿1090bを給送しても1枚目の原稿1090aに衝突することはなく、図6に示すように、新たな原稿1090bを第1搬送路1116で停止させることができる。
(3)3枚目以降の原稿で、2枚先行した原稿に対するホストコンピュータ1301からの印字情報及び振分先の判定結果を受信済で印字ユニット1114及び読取ユニット1115での処理を開始でき、且つ1枚先行した原稿の長さが第2搬送路1118の長さよりも短いこと。
給送しようとしている原稿が、3枚目以降の場合、2枚先行した原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないと、2枚先行した原稿を第2搬送路1118まで搬送させた後、停止させなければならない。
そして、たとえ2枚先行した原稿がパーソナルチェックよりも短く、1枚先行した原稿を給送できたとしても、1枚先行した原稿を第1搬送路1116まで搬送した後、停止させなければならない。このため、更に原稿を給送した場合は、給送した原稿が1枚先行した原稿に衝突するおそれがある。
その為、原稿を給送するには、2枚先行した原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信済で印字ユニット1114及び読取ユニット1115での処理を開始できていなければならない。また、1枚先行した原稿の長さも第2搬送路1118の長さより短くないと、第1搬送路1116にはみ出して停止する可能性もある。
CPU1300Aは、上記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことによって、載置ユニット1100に載置された原稿1090に対して給送開始が可能であると判定する。
これにより、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していないとしても、給送した原稿に対してはMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108での処理を先行して行うことができる。
ステップS1243では、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置された原稿1090を分離ローラ1107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ1105により第1搬送路1116に給送し、ステップS1244に進む。なお、以降の説明では、原稿1090を図5の原稿1090bとする。
ステップS1244では、CPU1300Aは、MICR読取ユニット1106により第1搬送機構が搬送している原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS1245に進む。
ここで、前段レジストセンサ1112とMICR読取ユニット1106間の距離をL1、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L1/v後に原稿1090bがMICR読取ユニット1106に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL1/v経過後に、MICR読取ユニット1106により原稿1090bのMICR文字1091の読取を行う。
ステップS1245では、CPU1300Aは、読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS1246に進む。
ここで、前段レジストセンサ1112と読取ユニット1108間の距離をL2、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L2/v後に原稿1090bは読取ユニット1108に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL2/v経過後に読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像の読み取りを開始する。
ステップS1246では、CPU1300Aは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301へ転送し、ステップS1247に進む。
ステップS1247では、CPU1300Aは、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1248に進む。
図7は、図3のステップS1247における第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
図7において、ステップS1271では、CPU1300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
ここでの原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(制御情報)は、ステップS1246で、ホストコンピュータ1301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合或いは原稿1090bが1枚目であった場合は、原稿1090bを停止させることなく、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1273に進む。
ステップS1273では、CPU1300Aは、第1搬送機構により搬送されている原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、前段レジストセンサ1112と第1搬送路1116の停止位置間の距離をL3、原稿1090の搬送速度をvとすると、L3/v後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL3/v経過後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達したと判断する。なお、ここでは第1搬送路1116の停止位置は、搬送ローラ対1104bの直前に設定する。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1274に進む。
ステップS1274では、CPU1300Aは、原稿1090aを第2搬送路1118で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを第1搬送路1116で停止させるように第1搬送機構を制御し、ステップS1275に進む。
ステップS1275では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1276に進む。
ステップS1276では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいか否かを判断し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS1277に進む。
ステップS1276において、CPU1300Aは、第2搬送路1118に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの第2搬送機構による搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、第1搬送機構による原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
ステップS1277では、CPU1300Aは、第1搬送機構による原稿1090bの搬送を再開し、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図3に戻って、ステップS1248ではCPU1300Aは、搬送した原稿1090bの長さとパーソナルチェックのサイズと比較する。
ここで、原稿1090bの長さは、原稿1090の搬送速度をv、前段レジストセンサ1112を原稿先端が通過してから原稿後端が通過するまでの時間をtとすると、vtとして算出できる。
そして、CPU1300Aは、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズ以下の場合は、ステップS1249に進み、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、ステップS1249をスキップしてステップS1250に進む。
ステップS1249では、CPU1300Aは、次原稿の給送を許可し、ステップS1250に進む。
ここで、載置ユニット1100から次原稿が搬送路1110に給送されたとき、給送された次原稿についてステップS1241からの処理が開始される。また、CPU1300Aは、原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、次原稿の給送の許可を行わない。
ステップS1250では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118へ搬送し、ステップS1251に進む。
ステップS1251では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送機構により搬送しながら第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1252に進む。
図8は、図3のステップS1251における第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
図8において、ステップS1281では、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
ここでの原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果は、ステップS1246で、ホストコンピュータ1301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU1300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1283に進む。
ステップS1283では、CPU1300Aは、第2搬送機構により原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ1301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。ここでは、第2搬送路1118の停止位置は、印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113の手前とする。
ここで、原稿有無センサ1109と第2搬送路1118の停止位置間の距離をL4、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L4/v後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ1109を原稿1090bの先端が通過した時間からL4/v経過後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達したと判断する。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1284に進む。
ステップS1284では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118で停止させ、その後、ステップS1285に進む。
ステップS1285では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1286に進む。
ステップS1286では、CPU1300Aは、第2搬送機構による原稿1090bの搬送を再開し、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図3に戻って、ステップS1252では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118よりも下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過するのを検知して、ステップS1253に進む。
ステップS1253では、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118から更に下流に搬送され、また、次原稿が第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されるので、載置ユニット1100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS1254に進む。
ここで、載置ユニット1100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS1241からの処理が開始される。
ステップS1254では、CPU1300Aは、印字ユニット1114により原稿1090bに対してホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS1255に進む。
ここで、後段レジストセンサ1113と印字ユニット1114間の距離をL5、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L5/v後に原稿1090bが印字ユニット1114に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113が通過した時間からL5/v経過後に、印字ユニット1114によりホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行う。
ステップS1255では、CPU1300Aは、読取ユニット1115により原稿1090bの裏面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301に送信し、ステップS1256に進む。
ここで、後段レジストセンサ1113と読取ユニット1115間の距離をL6とすると、L6/v後に原稿1090bは、読取ユニット1115に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過した時間からL6/v経過後に読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始する。
ステップS1256では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット1102若しくは第2排紙ユニット1103へ振分けて搬送し、処理を終了する。
次に、図9を参照して、ホストコンピュータ1301の動作例について説明する。図9の処理は、ホストコンピュータ1301の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1301Aとする)により実行される。
図9において、ステップS1401では、CPU1301Aは、画像読取装置1300に対して読取指示を行い、ステップS1402に進む。
ステップS1402では、CPU1301Aは、画像読取装置1300からMICR情報を取得するまで待機し、取得した場合は、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、CPU1301Aは、画像読取装置1300から原稿1090bの表面の画像情報を取得したかを判断し、取得した場合は、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、CPU1301Aは、取得したMICR情報及び表画の画像情報を基に原稿1090bの処理が行われた事を示す為に原稿1090bの裏面に印字される印字情報を生成し、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、CPU1301Aは、ステップS1404で生成した印字情報を、ケーブル1302を介して画像読取装置1300に転送し、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、CPU1301Aは、取得したMICR情報及び表画の画像情報を基に原稿1090bの排紙先の判定を行い、ステップS1407に進む。
ステップS1407では、CPU1301Aは、ステップS1406での原稿1090bの排紙先の判定結果(振分指示)を、通信ケーブル1302を介して画像読取装置1300に転送し、ステップS1408に進む。
ステップS1408では、CPU1301Aは、画像読取装置1300から原稿1090bの裏面の画像情報を取得するまで待機し、取得した場合は、ステップS1409に進む。
ステップS1409では、CPU1301Aは、原稿1090bが最終原稿か否か判断し、最終原稿でなければ、次原稿の処理を引き続き行うためにステップS1402に戻り、原稿1090bが最終原稿である場合は、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態では、MICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108を原稿後端が通過した後、画像読取装置1300は、ホストコンピュータ1301から転送される情報を受信することなく、載置ユニット1100から次原稿の給送を開始することが可能となる。これにより、原稿の処理能力、特に原稿の処理速度を大幅に高めることができる。
また、本実施の形態では、第1搬送路1116の読取ユニット1108から第2搬送路1118の始点である搬送ローラ1104までの搬送路長は最大サイズの原稿の1枚分以上あるため、ホストコンピュータ1301の処理時間を多く確保することができる。これにより、搬送路1110で原稿が停止する頻度を低く抑えることができ、結果として原稿の処理速度を高めることが可能となる。
次に、図10〜図14を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態に対して重複又は相当する部分については、図及び符号を流用して説明する。また、ホストコンピュータ1301の動作については、上記第1の実施の形態(図9)と同様であるのでその説明を省略する。
本実施の形態では、図11、図12に示すように、第2搬送路1118の搬送ローラ対1104bから印字ユニット1114の直前にある後段レジストセンサ1113までの搬送路長は、手形専用の画像読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)以上とする。
図10は、本実施の形態に係る画像読取装置1300の動作例を説明するためのフローチャートである。図10の処理は、画像読取装置1300の不図示のROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが不図示のRAMにロードされて、不図示のCPU(以下、CPU1300Aという)により実行される。
図10において、ステップS1201では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から通信ケーブル1302を介して読取処理の開始指示を受信すると、不図示の原稿検知センサを介して載置ユニット1100に原稿1090が載置されているか否かを判断する。
そして、CPU1300Aは、載置ユニット1100に原稿1090が載置されている場合は、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、CPU1300Aは、載置ユニット1100から給送を始める原稿1090に対して給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS1203に進む。
ここで、ステップS1202での判定は、給送しようとする原稿が1枚目か2枚目である場合、若しくは既に給送された2枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信している場合に、給送開始が可能であると判定される。
これは、給送しようとしている原稿が1枚目であれば、第1搬送路1116、第2搬送路1118に原稿が存在していないので原稿1090を給送しても他原稿と衝突することは無い為である。
また、給送しようとしている原稿が2枚目である場合、1枚目の原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していなくても、1枚目の原稿は第2搬送路1118まで搬送されて停止されても第1搬送路1116にはみ出すことはない。従って、第1搬送路1116は空いており、給送した2枚目の原稿を第1搬送路1116で停止させることができるためである。
更に、搬送された2枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果を既にホストコンピュータ1301から受信している場合は、画像読取装置1300は、第2搬送路1118で2枚先行した原稿の搬送を開始することができる。
従って、第1搬送路1116にある1枚先行した原稿も第2搬送路1118へ搬送できるので、第1搬送路1116が空くことから、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果を受信していなくとも、給送した原稿を第1搬送路1116で停止させることができる。
上記条件のいずれかを満たすことにより、1枚先行した原稿の印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信しなかったとしても、給送した原稿に対してはMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108での処理を先行して行うことができる。
ステップS1203では、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置された原稿1090を分離ローラ1107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ1105により第1搬送路1116に給送し、ステップS1204に進む(図11)。なお、以降の説明では、原稿1090を図11の原稿1090bとする。
ステップS1204では、CPU1300Aは、MICR読取ユニット1106により原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS1205に進む。
ここで、前段レジストセンサ1112とMICR読取ユニット1106間の距離をL1、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L1/v後に原稿1090bがMICR読取ユニット1106に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL1/v経過後に、MICR読取ユニット1106により原稿1090bのMICR文字1091の読み取りを行う。
ステップS1205では、CPU1300Aは、読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS1206に進む。
ここで、前段レジストセンサ1112と読取ユニット1108間の距離をL2、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L2/v後に原稿1090bは読取ユニット1108に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL2/v経過後に読取ユニット1108により原稿1090bの表面の画像の読み取りを開始する。
ステップS1206では、CPU1300Aは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301へ転送し、ステップS1207に進む。
ステップS1207では、CPU1300Aは、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を行い(図12)、ステップS1208に進む。
図13は、図10のステップS1207における第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
図13において、ステップS1221では、CPU1300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
ここでの原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果は、図10のステップS1206で、ホストコンピュータ1301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
そして、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合、若しくは原稿1090bが1枚目であった場合は、第1搬送路1116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU1300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1223に進む。
ステップS1223では、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、前段レジストセンサ1112と第1搬送路1116の停止位置間の距離をL3、原稿1090の搬送速度をvとすると、L3/v後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ1112を通過した時間からL3/v経過後に原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達したと判断する。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1224に進む。
ステップS1224では、CPU1300Aは、原稿1090aを第2搬送路1118で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを第1搬送路1116で停止させるように第1搬送機構を制御し、ステップS1225に進む。
ステップS1225では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1226に進む。
ここで、画像読取装置が搬送可能な最長の長さの原稿が第1搬送路1116で停止しても、原稿後端がMICR読取ユニット1106及び読取ユニット1108を通過している必要がある。
このため、本実施の形態では、第1搬送路1116の搬送路長は、画像読取装置が搬送可能な原稿の最長の長さ以上とする。
具体的には、一般的に手形専用の画像読取装置が搬送する原稿の最長の長さはビジネスチェックである213mmである。従って、本実施の形態では、読取ユニット1108の下流端から第1搬送路1116の下流端である搬送ローラ対1104bの手前までの搬送路長は、213mmに原稿を停止するのに必要な制動距離を加えた長さとしている。
ステップS1226では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいかを判定し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS1227に進む。
ここで、CPU1300Aは、第2搬送路1118に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
ステップS1227では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第1搬送路1116で原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図10に戻って、ステップS1208では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118へ搬送し、ステップS1209に進む。
ステップS1209では、CPU1300Aは、原稿1090bが第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されて、第1搬送路1116に原稿が存在しなくなるので、次原稿の給送を許可し、ステップS1210に進む。
ここで、載置ユニット1110から次原稿が給送されたとき、給送された次原稿について、ステップS1201からの処理が開始される。
ステップS1210では、CPU1300Aは、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS1211に進む。
図14は、図10のステップS1210における第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を説明するためフローチャート図である。
図14において、ステップS1231では、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ1301から受信したかどうか判断する。
ここでの原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先判定結果は、図10のステップS1206でホストコンピュータ1301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ1301により生成される。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU1300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ1301から受信していない場合、ステップS1233に進む。
ステップS1233では、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ1301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、原稿有無センサ1109と第2搬送路1118の停止位置間の距離をL4、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L4/v後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ1109を原稿1090bの先端が通過した時間からL4/v経過後に原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達したと判断する。
そして、CPU1300Aは、原稿1090bが第2搬送路1118の停止位置に到達してもホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS1234に進む。
ステップS1234では、CPU1300Aは、原稿1090bを第2搬送路1118で停止させ、ステップS1235に進む。
ステップS1235では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS1236に進む。
ここで、画像読取装置1300が搬送可能な最長の長さの原稿が第2搬送路1118で停止した場合に、原稿後端が搬送ローラ対1104bを通過しているように、第2搬送路1118の搬送路長は、画像読取装置1300が搬送可能な原稿の最長の長さ以上である必要がある。
その為、本実施の形態では、前述したように、第2搬送路1118の上流端である搬送ローラ1104から印字ユニット1114の上流端までの搬送路長は、手形専用の画像読取装置が搬送する原稿の最長の長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)以上としている。なお、原稿が定速で後段レジストセンサ1113を通過する必要がある場合は、更に原稿の搬送速度が定速に至るまでの加速距離を加えた長さとすることが望ましい。
ステップS1236では、CPU1300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第2搬送路1118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図10に戻って、ステップS1211では、CPU1300Aは、原稿1090bを下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過するのを検知して、ステップS1212に進む。
ステップS1212では、原稿1090bが第2搬送路1118よりも更に下流に搬送され、また、次原稿が第1搬送路1116から第2搬送路1118へ搬送されるので、CPU1300Aは、載置ユニット1100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS1213に進む。
ここで、載置ユニット1100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS1201からの処理が開始される。
ステップS1213では、CPU1300Aは、印字ユニット1114により原稿1090bに対してホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS1214に進む。
ここで、後段レジストセンサ1113と印字ユニット1114間の距離をL5、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L5/v後に原稿1090bが印字ユニット1114に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113が通過した時間からL5/v経過後に、印字ユニット1114によりホストコンピュータ1301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行う。
ステップS1214では、CPU1300Aは、読取ユニット1115により原稿1090bの裏面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を、通信ケーブル1302を介してホストコンピュータ1301に送信し、ステップS1215に進む。
ここで、後段レジストセンサ1113と読取ユニット1115間の距離をL6とすると、L6/v後に原稿1090bは、読取ユニット1115に到達する。従って、CPU1300Aは、不図示のタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ1113を通過した時間からL6/v経過後に読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始する。
ステップS1215では、CPU1300Aは、ホストコンピュータ1301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット1102若しくは第2排紙ユニット1103へ振分けて搬送し、処理を終了する。その他の構成及び作用効果は、上記第1の実施の形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図15は、本発明の第3の実施の形態に係る原稿処理装置の一例である画像読取装置を説明するための斜視図であり、図16は、図15における画像読取装置の平面図であり、図17は、図15における画像読取装置の搬送路の展開図である。
図15において、本実施の形態に係る原稿処理装置の一例である画像読取装置2300は、例えば、図51に示す原稿1090の所定位置に磁気インクによって印字されたMICR文字1091を磁気的又は光学的に読み取るチェックスキャナー装置である。
具体的には、画像読取装置2300は、載置ユニット2100、搬送路2110、第1排紙ユニット2102及び第2排紙ユニット2103を備え、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301(情報処理装置)と通信可能に接続されて原稿処理システムの一例である画像読取システムを構成する。搬送路2110は、湾曲搬送路2120、上流搬送路2121、下流搬送路2122から主として構成されている。なお、画像読取装置2300とホストコンピュータ2301との接続は、通信ケーブル2302等の有線接続でもよいが、無線接続としてもよい。
図16及び図17において、上流搬送路2121は、搬送路2110のうち、分離ローラ2107と給送ローラ2105とからなるローラ対から搬送ローラ対2104aの前流までの領域であり、湾曲搬送路2120は、搬送ローラ対2104aの前流から搬送ローラ対2104bの後流までの領域である。また、下流搬送路2122は、搬送ローラ対2104bの後流から排紙ローラ対2127までの領域である。このような搬送路2110は、例えば、本実施の形態では、装置本体の上部に開口するスリット形状で設けられている。
湾曲搬送路2120の搬送路長は、画像読取装置2300が搬送可能な原稿の最長長さ(ビジネスチェックの長さ213mm)の2倍以上であり、通常、装置の大型化を防止するため、搬送可能な原稿の最長長さの2倍以上、5倍以下の長さに設定されることが好ましいが、より好ましくは、2倍以上3倍以下の長さに設定するのがよい。この搬送路長は、例えば、画像読取装置2300が搬送する原稿の最長長さの2倍に原稿の停止に必要な制動距離を加えた長さよりも長い。また、下流搬送路2122の搬送路長は、ビジネスチェックの長さよりも短く、パーソナルチェック(又はアメリカンチェック)と呼ばれる長さ152mmに加速距離を加えた長さに設定される。
このような湾曲搬送路2120は、例えば、本実施の形態では、M字型を形成しており、第1Uターンユニット2120a、第2Uターンユニット2120b及び第3Uターンユニット2120cを備えている。第2Uターンユニット2120bは、第1Uターンユニット2120aとは逆方向にUターンし、第3Uターンユニット2120cは、第2Uターンユニット2120bと逆方向にUターンしている。
湾曲搬送路2120の上流側の上流搬送路2121には、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対が配置されており、分離ローラ2107及び給送ローラ2105により給送ユニットを構成している。また、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対に隣接して、MICR文字読取ユニット2106及び読取ユニット2108が配置されている。また、MICR文字読取ユニット2106及び読取ユニット2108(第1読取ユニット)により第1処理ユニット2125を構成している。また、分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対と第1処理ユニット2125との間には、原稿の到達及び通過を検知する前段のレジストセンサ2112が設置されている。なお、MICR文字読取ユニット2106と画像の読取ユニット2108とを逆に配置してもよい。
さらに、湾曲搬送路2120の第1Uターンユニット2120a及び第3Uターンユニット2120cには、それぞれ第1搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104a及び第2搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104bが配置されている。
また、湾曲搬送路2120の下流側の下流搬送路2122には、印刷ユニットとしての印字ユニット2114及び第2読取ユニットとしての読取ユニット2115が配置されており、印字ユニット2114と読取ユニット2115により第2処理ユニット2126を構成している。搬送ローラ対2104bと第2処理ユニット2126との間には、原稿1090の搬送方向に沿って順次原稿有無センサ2109及び後段レジストセンサ2113が配置されている。
分離ローラ2107と給送ローラ2105とのローラ対の上流には、原稿1090を搬送路2110に給送する原稿の載置ユニット2100が設けられており、第2処理ユニット2126の下流には排紙ローラ対2127が配置されている。排紙ローラ対2127は各種処理が施された原稿1090を原稿排紙ユニットとしての第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103に排紙する。
画像読取装置2300は、搬送ローラ対2104a及び搬送ローラ対2104bをそれぞれ別個独立に駆動する図示省略した制御ユニット、及び第1処理ユニット2125で取得した原稿1090の情報を外ユニット機器としての情報処理装置に送信する送信ユニットを備えている。
ここで、給送される原稿1090は、レジストセンサ2112を通過した後、MICR文字読取ユニット2106によってMICR文字1091が読み取られた後、読取ユニット2108によって表面の画像が読み取られる。このとき、画像読取装置2300は、原稿1090の先端がレジストセンサ2112に到達した際の信号を基に、MICR文字読取ユニット2106によるMICR文字の読取開始のタイミング及び読取ユニット2108による表面画像の読取開始タイミングを算出する。そして、当該タイミングで原稿1090の表面の下端に印字されているMICR文字1091の読み取り及び表面画像の読み取りを行う。
画像読取装置2300の送信ユニットは、第1処理ユニット2125で読み取ったMICR情報及び表面画像情報を、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301へ送信する。
ホストコンピュータ2301は、画像読取装置2300から送信されたMICR情報及び表面画像情報に基づいて、原稿1090の処理が行われたことを示すために原稿1090の裏面に印字される印字情報を生成し、原稿1090の排紙先を判定する。生成された印字情報と原稿1090の排紙先の判定結果は、ホストコンピュータ2301から通信ケーブル2302を介して画像読取装置2300に送信される。
一方、印字情報と排紙先の判定結果を受信した画像読取装置2300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ2113に到達した際の信号を基に、印字ユニット2114による印字情報の印字開始のタイミングを算出し、当該タイミングにより印字を行う。また、画像読取装置2300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ2113に到達した際の信号を基に、裏面画像の読取ユニット2115によって原稿1090の裏面画像読み取りタイミングを算出し、当該タイミングにより裏面画像の読み取りを行う。
その後は、画像読取装置2300は、ホストコンピュータ2301から受信した原稿1090の排紙先の判定結果に基づいて、裏面の画像が読み取られた後の原稿1090を第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103に振分けて搬送する。
そして、このような搬送経路を形成する本実施の形態の画像読取装置2300においては、湾曲搬送路2120をはじめとする搬送路が、装置本体に開閉可能に設けられた開閉ユニットに形成されている。具体的には、湾曲搬送路2120、上流搬送路2121及び下流搬送路2122を形成する開閉ユニットは、画像読取装置2300を構成する構成部材としてのケーシングを有し、このケーシングは、装置本体に対して開閉可能に設けられている。そして、このような開閉ユニットは、各搬送路に沿って分解及び組み立て可能な開閉機構の一部を構成している。
図18は、図15における画像読取装置の開閉機構を説明するための平面図である。
図18において、上流搬送路2121を形成するケーシングユニット2121dは、載置ユニット2100の近傍に設けられた枢軸(以下、「ヒンジ軸」という)2129を回転軸とする枢着ユニットによって水平方向に沿って回動自在に装置本体に係止されている。これによって上流搬送路2121が搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能、すなわち開閉自在となる。また、湾曲搬送路2120に対応する搬送路構成部材としてのケーシングユニット2120dは、湾曲搬送路2120と下流搬送路2122との境界部に設けられたヒンジ軸2128を回転軸として水平方向に開閉自在に設けられており、これによって湾曲搬送路2120が湾曲搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能となる。また、下流搬送路2122を形成するケーシングユニット2122dは、湾曲搬送路のケーシング2120dと同様の回転軸(同軸)である、下流搬送路2122と湾曲搬送路2120との境界部に設けられたヒンジ軸2128を回転軸として開閉自在に設けられており、これによって下流搬送路2122が搬送路の開閉ユニット2130に沿って分解、組み立て可能となる。
図18では、湾曲搬送路2120のケーシング2120d、上流搬送路2121のケーシング2121d、及び下流搬送路2122のケーシング2122dはそれぞれ開閉機構によって開かれている。各搬送路のケーシングを、搬送路を開閉可能に形成することによって、メンテナンス性が向上し、ローラの清掃や搬送不良時におけるジャム処理を容易に行うことができる。
次に、湾曲搬送路2120のケーシング2120dと、下流搬送路2122のケーシング2122との共通のヒンジ軸2128の配置位置について図面を参照して説明する。
図19は、図18の画像読取装置における開閉機構の枢軸位置を説明するための平面図である。
図19において、一点鎖線Aは湾曲搬送路2120の第2Uターンユニット2120bの入口部分に垂直で、かつ第2Uターンユニット2120bを形成する円弧の中心aを通る直線である。一方、一点鎖線Bは第3Uターンユニット2120cの入口部分に垂直で、かつ第3Uターンユニット2120cを形成する円弧の中心bを通る直線である。図19中、一点鎖線Aと一点鎖線Bとの交点cの下方であって、一点鎖線Aと一点鎖線Bとで挟まれた領域(ハッチング領域)内にヒンジ軸を設けることにより、湾曲搬送路2120のケーシング2120dが、装置本体と干渉することなく回動自在となる。本実施の形態においては、装置全体の小型化を図るために、湾曲搬送路2120のケーシング2120dの回転の中心であるヒンジ軸2128を、一点鎖線Aと一点鎖線Bとの交点c上に配置している。
次に、図20〜図25を参照して、本実施の形態における画像読取装置2300の動作について説明する。
図20は、画像読取装置の動作を示すフローチャート図であり、図21〜図23は、画像読取装置の動作例を説明するための搬送路の展開図である。図20における処理は、画像読取装置2300の図示省略したROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが図示省略したRAMにロードされて、図示省略したCPU(以下、CPU2300Aという)により実行される。
図20において、先ずステップS2241では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から通信ケーブル2302を介して読取処理の開始指示を受信すると、図示省略した原稿検知センサを介して載置ユニット2100に原稿1090aが載置されているか否かを判断する(図21)。
そして、載置ユニット2100に原稿1090aが載置されている場合は、ステップS2242に進む。
ステップS2242では、CPU2300Aは、載置ユニット2100から給送を始める原稿1090aに対して給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS2243に進む。
ここで、CPU2300Aが原稿1090aの給送開始が可能であると判定を行う場合は、上述した第1の実施の形態においてCPU1300Aが原稿1090の給送開始が可能であると判定を行う場合(条件(1)〜(3))と同じである。
なお、本実施の形態において制御情報としては、MICR判定結果だけの情報でもよいし、印字情報だけでもよいし、振分先情報だけでもよい。印字情報や振分先情報は、例えば、MICR判定結果に基づいて画像読取装置2300内の制御ユニット等で生成するようにしてもよい。振分先は、例えば、本実施の形態では、2つの排紙ユニットとしたが、1つでもよいし、あるいは3つ以上としてもよい。また、振分先とは、例えば、本実施の形態では、原稿を排出する第1排紙ユニット2102、第2排紙ユニット2103のことである。この振分先は、ホストコンピュータ2301の判定によって、第1排紙ユニット2102又は第2排紙ユニット2103のどちらかとなる。例えば、第1排紙ユニット2102にMICR文字1091の判定結果が完了した原稿を排出し、第2排紙ユニット2103にMICR文字1091の判定結果が完了していない原稿を排出するように設定することができる。
CPU2300Aは、上記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たすことによって、載置ユニット2100に載置された原稿1090aに対して給送開始が可能であると判定する。
次に、ステップS2243では、CPU2300Aは、載置ユニット2100に載置された原稿1090aを分離ローラ2107で一枚ずつ分離しながら給送ローラ2105により上流搬送路2121に給送し(図22)、ステップS2244に進んで、所定の処理を行う。なお、以下、説明の対象となる原稿を図22の原稿1090bとして説明する。
ステップS2244では、CPU2300Aは、MICR文字読取ユニット2106により給紙ローラ105が搬送している原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS2245に進む。
ここで、MICR文字読取ユニット2106による原稿1090bのMICR文字1091の読み取りタイミングは、上記第1の実施の形態におけるMICR読取ユニット1106による原稿1090bのMICR文字1091の読み取りタイミングと同じである。
ステップS2245では、CPU2300Aは、読取ユニット2108により原稿1090bの表面の画像を読み取り、ステップS2246に進む。
ここで、読取ユニット2108による原稿1090bの表面の画像の読み取りタイミングは、上記第1の実施の形態における読取ユニット1108による原稿1090bの表面の画像の読み取りタイミングと同じである。
ステップS2246では、CPU2300Aの送信ユニットは、読み取った原稿1090bのMICR情報と原稿1090bの表面の画像情報を、通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301へ転送し、ステップS2247に進む。
ステップS2247では、CPU2300Aは、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS2248に進む。
図24は、図20のステップS2247における湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を示すフローチャート図である。
図24において、ステップS2271では、CPU2300Aは、1枚先行して搬送した原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ2301から受信したかどうか判断する。
原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(制御情報)は、ステップS2246で、ホストコンピュータ2301に転送された1枚先行した原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ2301により生成される。
CPU2300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先判定結果をホストコンピュータ2301から受信していた場合又は原稿1090bが1枚目である場合は、原稿1090bを停止させることなく、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU2300Aは、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していない場合、ステップS2273に進む。
ステップS2273では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104aにより搬送されている原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達するまで、ホストコンピュータ2301から1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、前段レジストセンサ2112と湾曲搬送路2120の停止位置との距離をL7、原稿1090の搬送速度をvとすると、L7/v後に原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達する。従って、CPU2300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090の先端が前段レジストセンサ2112を通過した時間からL7/v経過後に原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達したと判断する。なお、ここでは湾曲搬送路2120の停止位置は、搬送ローラ対2104bの直前に設定する。
そして、CPU2300Aは、原稿1090bが湾曲搬送路2120の停止位置に到達してもホストコンピュータ2301から1枚手前の原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS2274に進む。
ステップS2274では、CPU2300Aは、原稿1090aを下流搬送路2122で停止させているか、又は停止させることになるため、原稿1090bを湾曲搬送路2120で停止させるように搬送ローラ対2104aを制御し、ステップS2275に進む。
ここで、原稿1090a又は1090bを下流搬送路2122や湾曲搬送路2120等で停止させるとは、これら搬送路に停止位置をそれぞれ設けて、その停止位置の手前で原稿1090a又は1090bを停止させるようにすることをいう。例えば、上記「原稿の先端部を停止位置で停止させる」とは、原稿の先端部が停止位置又はその手前、すなわち、停止位置を実質的に超えないように、原稿の搬送速度を制御して原稿の搬送を停止させることを含むものとする。また、上記「原稿の搬送を停止させる」とは、原稿の搬送を完全停止させて原稿を搬送路内に静止状態とする場合だけでなく、原稿を搬送路内に静止状態とせず低速搬送の場合も含むものとする。
ステップS2275では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果U(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS2276に進む。
ステップS2276では、CPU2300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいか否かを判断し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS2277に進む。なお、搬送を再開する場合には、原稿1090bの搬送速度を定常速度に戻す等により実行することができる。
CPU2300Aは、下流搬送路2122に原稿1090aが無い場合、又は1枚先行した原稿1090aの下流搬送路2122による搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても原稿1090aに衝突しない場合に、搬送ローラ対2104aによる原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。
ステップS2277では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104aによる原稿1090bの搬送を再開し、湾曲搬送路2120での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図20に戻って、ステップS2248において、CPU2300Aは、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズ以下の場合は、ステップS2249に進み、搬送した原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、ステップS2249をスキップしてステップS2250に進む。
ステップS2249では、CPU2300Aは、次原稿の給送を許可し、ステップS2250に進む。
ここで、載置ユニット2100から次原稿が搬送路2110に給送されたとき、給送された次原稿についてステップS2241からの処理が開始される。また、CPU2300Aは、原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、次原稿の給送の許可を行わない。
ステップS2250では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流搬送路2122へ搬送し、ステップS2251に進む。
ステップS2251では、CPU2300Aは、原稿1090bを搬送ローラ対2104bにより搬送しながら下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS2252に進む。
図25は、図20のステップS2251における下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を示すフローチャート図である。
図25において、ステップS2281では、CPU2300Aは、原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ2301から受信したかどうか判断する。
原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果は、図20のステップS2246で、ホストコンピュータ2301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ2301により生成される。
そして、CPU2300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
一方、CPU2300Aは、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ2301から受信していない場合、ステップS2283に進む。
ステップS2283では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104bにより原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ2301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。下流搬送路2122の停止位置は、印字ユニット2114の直前にある後段レジストセンサ2113の手前とする。
ここで、原稿有無センサ2109と下流搬送路2122の停止位置との距離をL8、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L8/v後に原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達する。従って、CPU2300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ2109を原稿1090bの先端が通過した時間からL8/v経過後に原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達したと判断する。
そして、CPU2300Aは、原稿1090bが下流搬送路2122の停止位置に到達してもホストコンピュータ2301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS2284に進む。
ステップS2284では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流搬送路2122で停止させ、ステップS2285に進む。
ステップS2285では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS2286に進む。
ステップS2286では、CPU2300Aは、搬送ローラ対2104bによる原稿1090bの搬送を再開し、下流搬送路2122での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
図20に戻って、ステップS2252では、CPU2300Aは、原稿1090bを下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ2113を通過するのを検知して、ステップS2253に進む。
ステップS2253では、CPU2300Aは、原稿1090bが下流搬送路2122から更に下流に搬送され、また、次原稿が湾曲搬送路2120から下流搬送路2122へ搬送されるので、載置ユニット2100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS2254に進む。
載置ユニット2100から原稿が給送されたとき、給送された原稿について、ステップS2241からの処理が開始される。
ステップS2254では、CPU2300Aは、印字ユニット2114により原稿1090bに対してホストコンピュータ2301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS2255に進む。
ここで、印字ユニット2114によるホストコンピュータ2301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行うタイミングは、上記第1の実施の形態における印字ユニット1114による印字情報の印字を原稿1090bに対して行うタイミングと同じである。
ステップS2255では、CPU2300Aは、読取ユニット2115により原稿1090bの裏面の、例えば、印刷面の画像を読み取り、読み取った裏面画像情報を送信ユニットから通信ケーブル2302を介してホストコンピュータ2301に送信し、ステップS2256に進む。
ここで、読取ユニット2115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始するタイミングは、上記第1の実施の形態における読取ユニット1115による原稿1090bの裏面画像の読み取りを開始するタイミングと同じである。
ステップS2256では、CPU2300Aは、ホストコンピュータ2301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット2102もしくは第2排紙ユニット2103へ振分けて搬送し、処理を終了する。
本実施の形態によれば、第1処理ユニット2125を原稿1090aの後端が通過した後、ホストコンピュータ2301から転送される原稿1090aの制御情報を受信することなく、次の原稿1090bの給送を開始することが可能となるので、原稿の処理能力、特に原稿の処理速度を高めることができる。
なお、本実施の形態におけるホストコンピュータ1301の動作については、上記第1の実施の形態(図9)と同様であるのでその説明を省略する。
本実施の形態における画像読取装置2300は、原稿の先端部が第2処理ユニット2126の手前に位置している状態で、印字情報及び振分先の判定結果を受信済みである限り、原稿は搬送路2110内で搬送停止することなく第1処理ユニット2125及び第2処理ユニット2126により連続的に高速処理されることになる。
すなわち、本実施の形態では、一の原稿が第1処理ユニット2125を通過した後、該一の原稿の処理に関する制御情報を受信する時点で、一の原稿の先端部が第2処理ユニット2126の手前に位置するように搬送制御しているので、ホストコンピュータ2301から一の原稿の制御情報を受信することなく、次の原稿の給送を開始することが可能となる。また、一の原稿の制御情報を受信後、直ぐに第2処理を開始することができるので、これによって、複数の原稿を連続的に処理する場合であっても処理能力を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、搬送路2110の一部に湾曲搬送路2120を設け、且つその湾曲搬送路2120を、画像読取装置の一部に開閉可能に設けられた開閉ユニット2130に形成するようにしたので、メンテナンス性を向上することができる。例えば、原稿の搬送不良(例えば、ジャム等の紙詰まり)が生じた場合においては、開閉ユニット2130を開状態とすることで湾曲搬送路2120の全体を一度に開放することができる。これにより、例えば、損傷等した原稿を取り出し易くなり、メンテナンス性を向上することができる。
また、湾曲搬送路2120のケーシング2120dを水平方向に沿って開閉自在に構成したので、ケーシングを閉じた組み立て状態における搬送ローラ対2104a及び104bの押圧力を上下方向に均一にすることができ、これによって、原稿の搬送状態が安定する。
また、本実施の形態によれば、湾曲搬送路2120のケーシング2120dと下流搬送路2122のケーシング2122dのヒンジ軸を同一軸2128としたので、部品点数の削減及び、さらなる装置の小型化を図ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、湾曲搬送路2120の搬送路長を搬送可能な最長の原稿の搬送路に沿った長さの2倍以上としたので、ホストコンピュータ2301の処理時間を多く確保することができ、これにより、搬送路2110で原稿が待機、停止する頻度を低く抑えることができ、結果として原稿の処理速度を高めることが可能となる。また、搬送路2110の一部を湾曲搬送路としたので、装置全体を大型化することなく、むしろ小型化することができる。すなわち、搬送路2110の一部に、第1Uターンユニット2120a、第2Uターンユニット2120b、及び第3Uターンユニット2120cを有するので、搬送路が長くなるにも関わらず装置の小型化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1搬送ユニット及び第2搬送ユニットとしての搬送ローラ対2104a及び搬送ローラ対2104bとして同型のものを適用することができるので部品点数が減少し、紙ストレスの均一化及びコストの低減を図ることができる。
本実施の形態において、湾曲搬送路2120の形状を、Uターンユニットを3個有するM字形状にしたが、本発明は、これに限定されるものではなく、開閉機構に影響を与えない範囲で、Uターンユニットを4個以上有する形状にしてもよい。また、搬送される原稿1090が上下に揺動することを防止するために、任意の従動ローラを上下方向に沿って傾けるようにしてもよい。
本実施の形態において、湾曲搬送路2120のケーシング2120dのヒンジ軸と下流搬送路2122のケーシング2122dのヒンジ軸とを同一としたが、これに限定されるものではなく、湾曲搬送路2120のケーシング2120dのヒンジ軸と上流搬送路2121のケーシング2121dのヒンジ軸とを同一としてもよい。
なお、上述した本実施の形態では、ホストコンピュータ2301から原稿の振分先や印字情報等の指示情報を含む制御情報(制御信号)を受信するようにしたが、このような制御信号を画像読取装置2300内で生成するようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態では、チェックスキャナーを例示して説明したが、本発明は勿論これに限定されず、例えば、原稿(シート)の画像読取や画像形成等の各種処理を施す原稿処理装置及び原稿処理システムに適用することができる。
また、本実施の形態において、搬送ローラ対2104a及び104bにおける原稿1090の搬送速度は、常に一定の定常速度vに調整される。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図26は、本発明の第4の実施の形態に係る原稿処理装置の一例としての画像読取装置の平面図であり、図27は、図26における画像読取装置の開閉機構を説明するための平面図である。
図27において、湾曲搬送路2120におけるケーシング2120dが水平方向に移動して装置本体と離間している。ケーシング2120dの水平方向への移動ユニット(以下、「開閉機構」という。)としては、例えば、装置下ユニットからの水平方向に引き出して移動可能なスライド部材を設け、当該スライド部材上に開閉ユニット2130を設けて湾曲搬送路2120を開閉できるような機構が挙げられる。また、開閉ユニット2130におけるケーシング2120d側に係合爪を設けると共に装置本体に係合孔を設けて、係合爪を係合孔に挿嵌することにより、ケーシング2120dを装置本体に着脱可能な機構としてもよい。なお、本実施の形態における画像読取装置は、搬送路の開閉機構以外の構成は、第3の実施の形態における画像読取装置の構成と同様である。
このような構成において、本実施の形態における画像読取装置は、搬送路の開閉ユニット2130の開閉機構以外は、第3の実施の形態における画像読取装置と同様に動作し、同様の効果が得られる。
本実施の形態によれば、湾曲搬送路2120の開閉機構を有することによって湾曲搬送路2120内の清掃が容易となり、湾曲搬送路2120内で原稿1090が搬送不良を起こした場合のジャム処理等が容易となる。なお、湾曲搬送路2120のケーシング2120dは、水平方向にスライドすることによって装置本体と分解及び組み立て可能に構成されているが、これ以外の方式によって湾曲搬送路2120を開閉するようにしてもよい。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図28は、本発明の第5の実施の形態に係る原稿処理装置の一例である画像読取装置の搬送路の展開図である。なお、本実施の形態に係る画像読取装置の構成は上述した第1の実施の形態における画像読取装置1300の構成と同じであり、搬送路の構成のみが異なるので、以下、本実施の形態に係る画像読取装置の搬送路の構成、機能についてのみ説明する。
図28において、原稿1090を搬送する搬送路3110には、第1搬送路3116及び第2搬送路3118が設けられている。搬送路3110、すなわち、第1搬送路3116及び第2搬送路3118は、例えば、本実施の形態では、装置本体の上部に開口するスリット形状で設けられている。
第1搬送路3116よりも上流には、原稿1090の搬送方向に沿って順次、分離ローラ3107と給送ローラ3105とのローラ対、搬送ローラ対3104a、原稿の到達及び通過を検知する前段のレジストセンサ3112、MICR文字読取ユニット3106、及び読取ユニット3108がそれぞれ配置されている。
給送ローラ3105及び分離ローラ3107により給送ユニットを構成し、MICR文字読取ユニット3106及び読取ユニット3108によって第1処理ユニット3125を構成している。なお、MICR文字読取ユニット3106と画像の読取ユニット3108とを逆に配置してもよい。
第2搬送路3118には、搬送ローラ対3104b、原稿有無センサ3109が配置され、第2搬送路3118の下流には、原稿の到達及び通過を検知する後段のレジストセンサ3113、印字ユニット3114及び読取ユニット3115がそれぞれ配置されている。印字ユニット3114及び読取ユニット3115によって第2処理ユニット3126が構成されている。
そして、このような画像読取装置1300には、第1搬送路3116に対応する搬送ローラ対3104a等を駆動する図示省略した第1搬送ユニット、及び第2搬送路3118に対応する搬送ローラ対3104b等を駆動する図示省略した第2搬送ユニットが設けられている。
ここで、給送される原稿1090は、レジストセンサ3112を通過した後、MICR文字読取ユニット3106によってMICR文字が読み取られた後、読取ユニット3108によって表面の画像が読み取られる。
このとき、画像読取装置1300は、原稿1090の先端がレジストセンサ3112に到達した際の信号を基に、MICR文字読取ユニット3106によるMICR文字の読取開始のタイミング及び読取ユニット3108による表面画像の読取開始タイミングを算出する。そして、当該タイミングで原稿1090の表面の下端に印字されているMICR文字1091の読み取り及び表面画像の読み取りを行う。
一方、印字情報と排紙先の判定結果を受信した画像読取装置1300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ3113に到達した際の信号を基に、印字制御ユニット3114による印字情報の印字開始のタイミングを算出し、当該タイミングにより印字を行う。
また、画像読取装置1300は、原稿1090の先端が後段レジストセンサ3113に到達した際の信号を基に、裏面画像の読取ユニット3115によって原稿1090の裏面画像読み取りタイミングを算出し、当該タイミングにより裏面画像の読み取りを行う。
その後は、画像読取装置1300は、ホストコンピュータから受信した原稿1090の排紙先の判定結果に基づいて、裏面の画像が読み取られた後の原稿1090を第1排紙ユニット3102又は第2排紙ユニット3103に振分けて搬送する。
ここで、上述した画像読取装置1300の第1搬送路3116は、搬送路3110のうち、読取ユニット3108から搬送ローラ対3104bの手前までの領域である。第1搬送路3116の搬送路長は、例えば、画像読取装置1300が搬送可能な原稿の最長の長さ(例えば、ビジネスチェックであれば長さ213mm)に原稿の停止に必要な制動距離を加えた長さである。
また、第2搬送路3118は、搬送路3110のうち、搬送ローラ対3104bから印字ユニット3114の直前に配置された後段レジストセンサ3113の手前までの領域である。第2搬送路3118の搬送路長は、例えば、ビジネスチェックの長さよりも短く、パーソナルチェック(又はアメリカンチェック)と呼ばれる長さ152mmに加速距離を加えた長さである。
次に、図29〜図35を参照して、本実施の形態に係る画像読取装置1300の動作について説明する。
図29は、本実施の形態に係る画像読取装置1300の動作例を示すフローチャートである。
図29での処理は、画像読取装置1300の図示省略したROMやハードディスク等に記憶された制御プログラムが図示省略したRAMにロードされて、図示省略した制御ユニットとしてのCPU(以下、CPU3300Aという)により実行される。
図29において、CPU3300Aは、ホストコンピュータ3301から通信ケーブル3302を介して画像読取処理の開始指示を受信すると、ステップS3201において、図示省略した原稿検知センサを介して載置ユニット3100に原稿1090が載置されているか否かを判断する。そして、載置ユニット3100に原稿1090が載置されている場合は、ステップS3202に進む。
ステップS3202では、CPU3300Aは、載置ユニット3100から給送を始める原稿1090に対して給送開始が可能であるか否かを判定し、給送可能である場合は、ステップS3203に進む。
ここで、給送開始が可能であるという判定は、給送しようとしている原稿1090が以下の3つの条件((4)〜(6))の何れかを満たしている場合をいう。
(4)給送しようとしている原稿が1枚目であること。
給送しようとしている原稿が、1枚目であれば、第1搬送路3116、第2搬送路3118中に原稿が存在していないので原稿1090を給送しても他の原稿と衝突することはない。
(5)給送しようとしている原稿が2枚目であり、第2処理ユニット3126の上流に先行する一の原稿を待機させる第2搬送路停止位置があり、且つ該第2搬送路停止位置のさらに上流に、後行する他の原稿を待機させる第1搬送路停止位置があること。給送しようとしている原稿が2枚目である場合であって、先行する一の原稿、つまり、1枚目の原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、当該一の原稿に対して第2処理ユニットでの処理を行うことができない。従って、本実施の形態では、詳細は後述するが、当該一の原稿を第2搬送路3118まで搬送した後、印字情報及び振分先の判定結果を受信するまで停止させている。
なお、本実施の形態では、制御情報として、原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果に関する情報としているが、制御情報は、MICR判定結果だけの情報でもよいし、印字情報だけでもよいし、振分先情報だけでもよい。印字情報や振分先情報は、例えば、MICR判定結果に基づいて画像読取装置1300内の制御ユニット等で生成するようにしてもよい。振分先は、例えば、本実施の形態では、2つの排紙ユニットとしたが、1つでもよいし、あるいは3つ以上としてもよい。
また、振分先とは、例えば、本実施の形態では、原稿を排出する第1排紙ユニット3102、第2排紙ユニット3103のことである。この振分先は、ホストコンピュータ3301によって、第1排紙ユニット3102又は第2排紙ユニット3103のどちらかとなる。例えば、第1排紙ユニット3102にMICR文字1091の判定結果が完了した原稿を排出し、第2排紙ユニット3103にMICR文字1091の判定結果が完了していない原稿を排出するように設定することができる。
ここで、第2搬送路3118内で原稿1090が停止する位置を第2搬送路停止位置3120とする。
図32は、第2搬送路停止位置3120を表した搬送路3110の展開図である。図32において、第2搬送路停止位置3120は、原稿が搬送待機状態から搬送状態に入って加速を開始し、裏面画像の読取ユニット3115の手前で一定の定常速度(v)までの加速が終了する位置とする。すなわち、第2搬送路停止位置3120から裏面画像の読取ユニット3115までの距離は、原稿が一定の定常速度まで加速されるのに必要な距離以上とする。
先行する一の原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、第2搬送路3118における原稿の搬送を停止させ、この状態で、後行する他の原稿を給送している場合は、当該他の原稿(2枚目の原稿)を第2搬送路3118に搬送しないようにしている。従って、2枚目の原稿は図33に示したように、第1搬送路3116内の原稿停止位置である第1搬送路停止位置3119で停止する。
図33は、第2搬送路停止位置3120及び第1搬送路停止位置3119を表した搬送路3110の展開図である。図33に示したように、後行する2枚目の原稿1090bは、第1搬送路停止位置3119で停止されるので、1枚目の原稿と衝突することはない。
(6)給送しようとする原稿が3枚目以降であって、2枚先行する原稿の印字情報及び振分先の判定結果を受信しており、且つ第2処理ユニット3126の処理を開始できる状態であること。
給送しようとしている原稿が、3枚目以降の場合、2枚先行する原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していることを給送開始前に確認する必要がある。2枚先行する原稿は、第2搬送路3118まで搬送している状態で、印字情報や振分先の判定結果を受信していなければ、第2処理ユニット3126での処理を行うことができないからである。
そして、1枚先行する原稿についても、2枚先行する原稿が停止している状態では、第1搬送路3116まで搬送させて、停止させ、3枚目以降の原稿は給送を停止する。これは、このような状態で、新たな原稿を給送した場合、給送された新たな原稿が第1搬送路3116内の第1搬送路停止位置3119で停止している1枚先行する原稿と衝突して破損する虞があるからである。
従って、給送しようとする原稿が3枚目以降である場合は、2枚先行する原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果を受信しており、且つ第2処理ユニットの処理を開始できる状態であることを要する。
給送しようとする原稿が3枚目以降であって、2枚先行する原稿に対する印字情報及び振分先の判定結果を受信しており、且つ第2処理ユニットでの処理を開始できる状態であれば、2枚先行する原稿が第2搬送路3118内で停止することはない。また、1枚先行する原稿が第1搬送路3116内で停止することもない。従って、新たな原稿を給送しても先の原稿と衝突することはない。すなわち、原稿の先端ユニットが第2処理ユニット3126の手前に位置している状態で、印字情報及び振分先の判定結果を受信している間は、原稿は搬送路3110内で搬送停止することなく第1処理ユニット3125及び第2処理ユニット3126により連続的に高速処理されることになる。
このように、本実施の形態では、一の原稿が第1処理ユニット3125を通過した後、該一の原稿の処理に関する制御情報を受信する時点で、一の原稿の先端ユニットが第2処理ユニット3126の手前に位置するように搬送制御しているので、制御情報を受信後、直ぐに第2処理を開始することができ、複数の原稿を連続的に処理する場合であっても処理能力を向上させることができる。
以上の条件(4)〜(6)のうちいずれかが満たされたときに新たな原稿の給送が可能と判断する。
上記条件を満たし、新たな原稿の給送を開始した場合、例え、1枚先行する原稿の印字情報及び振分先の判定結果を受信できず、第2処理ユニット3126での処理を開始できなかったとしても、1枚先行する原稿は第2搬送路3118内まで搬送される。従って、新たに給送した原稿に対して第1処理ユニット3125の処理を先行して行うことができ、これによって、処理速度の低下を回避することができる。
原稿の給送開始が可能であれば、CPU3300Aは、載置ユニット3100に載置された原稿1090を重送しないように分離ローラ3107で一枚ずつ分離しながら搬送ローラ3105により給送を開始し(ステップS3203)、ステップS3204に進む。
以下、説明の対象となる原稿を図32の原稿1090bとして説明を続ける。
ステップS3204では、CPU3300Aは、MICR文字読取ユニット3106により給紙ローラ3105が搬送している原稿1090bに印字されているMICR文字1091を読み取り、ステップS3205に進む。
ここで、前段レジストセンサ3112とMICR文字読取ユニット3106との距離をL1、原稿1090bの搬送速度をv(定常速度)とすると、原稿1090bは、前段レジストセンサ3112を通過した後、L1/v後にMICR文字読取ユニット3106に到達する。
従って、CPU3300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ3112を通過した時間からL1/v経過後に、MICR文字読取ユニット3106により原稿1090bの下端に印字されたMICR文字1091の読み取りを行う。
ステップS3205では、CPU3300Aは、読取ユニット3108により原稿1090bの表面画像を読み取り、ステップS3206に進む。
ここで、前段レジストセンサ3112と読取ユニット3108との距離をL2、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L2/v後に原稿1090bは読取ユニット3108に到達する。従って、CPU3300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ3112を通過した時間からL2/v経過後に読取ユニット118により原稿1090bの表面画像の読み取りを開始する。
ステップS3206では、CPU3300Aの送信ユニットは、原稿1090bから読取ったMICR情報及び表画の画像情報を、通信ケーブル3302を介してホストコンピュータ3301へ転送し、ステップS3207に進む。
ステップS3207では、CPU3300Aは、第1搬送路3116での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS3208に進む。
図30は、図29のステップS3207における第1搬送路3116での原稿の停止判定処理を示すフローチャートである。
図30において、第1搬送路3116での原稿の停止判定処理が開始されると、CPU3300Aは、ステップS3271において、1枚先行して搬送された原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ3301から受信したかどうか判断する。
ここで、原稿1090aの印字情報及び原稿1090aの振分先の判定結果(制御情報)は、図29のステップS3206で、ホストコンピュータ3301に転送された原稿1090aのMICR情報と表面の画像情報を基に、ホストコンピュータ3301によって生成される。
CPU3300Aは、1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ3301から受信していた場合、又は原稿1090bが1枚目である場合は、原稿1090bを停止させることなく、第1搬送路3116での原稿の停止判定処理を終了する。
一方、ステップS3271において、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ3301からまだ受信していない場合は、ステップS3273に進む。
ステップS3273では、CPU3300Aは、搬送ローラ3104aにより搬送されている原稿1090bが第1搬送路停止位置3119に到達するまで、1枚先行した原稿1090aに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、前段レジストセンサ3112と第1搬送路停止位置3119との距離をL3、原稿1090の搬送速度をvとすると、L3/v後に原稿1090bが第1搬送路の停止位置3119に到達する。
従って、CPU3300Aは、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が前段レジストセンサ3112を経過した時間からL3/v経過後に原稿1090bが第1搬送路の停止位置3119に到達したと判断する。なお、前段レジストセンサ3112以外に、第1搬送路停止位置3119を判別するためのセンサを設けることもできる。
そしてCPU3300Aは、原稿1090bの先端ユニットが第1搬送路の停止位置3119に到達してもホストコンピュータ3301から1枚先行する原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS3274に進む。
ステップS3274では、CPU3300Aは、原稿1090aを第2搬送路3118途中に停止させなければならないため、原稿1090bの先端ユニットを第1搬送路3116の停止位置3119で停止させるように搬送ローラ対3104aを制御し、ステップS3275に進む。
ここで、上記「原稿1090bの先端ユニットを第1搬送路3116の停止位置3119で停止させる」とは、例えば、原稿1090bの先端ユニットが停止位置3119又はその手前、すなわち、停止位置3119を実質的に超えないように、原稿1090bの搬送速度を制御して原稿1090bの搬送を停止させることを含むものとする。
また、上記「原稿1090bの搬送を停止させる」とは、例えば、原稿1090bの搬送を完全停止させて原稿1090bを搬送路3116内に静止状態とする場合だけでなく、原稿1090bを搬送路3116内に静止状態とせず低速搬送する場合も含むものとする。
ステップS3275では、CPU3300Aは、ホストコンピュータ3301から1枚先行した原稿1090aの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS3276に進む。
ステップS3276では、CPU3300Aは、原稿1090bの搬送を再開してもよいかを判定し、原稿1090bの搬送を再開してもよい場合は、ステップS3277に進む。なお、搬送を再開する場合には、原稿1090aの搬送速度を定常速度に戻す等により実行することができる。
CPU3300Aは、第2搬送路3118内に原稿1090aが無い場合、又は原稿1090aの第2搬送路3118への搬送が再開され、原稿1090bを搬送させても搬送路内で原稿1090aと衝突しない場合に、原稿1090bの搬送を再開してもよいと判断する。衝突によって破損する虞がないからである。
ステップS3277では、CPU3300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第1搬送路3116での原稿1090bの停止判定処理を終了する。このとき、CPU3300Aは、原稿1090bを第2搬送路3118へ搬送する。
図29に戻って、ステップS3208では、CPU3300Aは、原稿1090bを第2搬送路3118へ搬送し、ステップS3209に進む。
ステップS3209では、CPU3300Aは、1枚後行する次原稿の給送を許可し、ステップS3210に進む。ここで、載置ユニット3100から次原稿が搬送路3110に給送されたとき、給送された次原稿についてステップS3201からの処理が開始される。また、CPU3300Aは、原稿1090bの長さがパーソナルチェックのサイズを超える場合は、次原稿の給送の許可を行わない。
ステップS3210では、CPU3300Aは、原稿1090bを搬送ローラ対3104bにより搬送しながら第2搬送路3118での原稿1090bの停止判定処理を行い、ステップS3211に進む。
図31は、図29のステップS3210における第2搬送路3118での原稿1090bの停止判定処理を示すフローチャート図である。
図31において、第2搬送路での停止判定処理が開始されると、ステップS3281では、CPU3300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)をホストコンピュータ3301から受信したかどうか確認する。
原稿1090bの印字情報及び原稿1090bの振分先の判定結果は、図29のステップS3206で、ホストコンピュータ3301に転送された原稿1090bのMICR情報と表面の画像情報の少なくとも一方の情報を基に、ホストコンピュータ3301により生成される。
そして、CPU3300Aは、原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ3301から受信していた場合は、原稿1090bを停止させることなく、第2搬送路ユニット3118での停止判定処理を終了する。
一方、CPU3300Aは、ステップS3281において、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果をホストコンピュータ3301からまだ受信していない場合、ステップS3283に進む。
ステップS3283では、CPU3300Aは、原稿1090bが第2搬送路3118の停止位置3120に到達するまで搬送を続けながら、ホストコンピュータ3301から原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信したか否かを監視する。
ここで、原稿有無センサ3109と第2搬送路の停止位置3120との距離をL4、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L4/v後に原稿1090bが第2搬送路の停止位置3120に到達する。
従って、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿有無センサ3109を原稿1090bの先端が通過した時間からL4/v経過後に原稿1090bが第2搬送路の停止位置3120に到達したと判断する。
そして、CPU3300Aは、原稿1090bが第2搬送路の停止位置3120に到達してもホストコンピュータ3301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果を受信していない場合は、ステップS3284に進む。
ステップS3284では、CPU3300Aは、原稿1090bを第2搬送路停止位置3120で停止させ、ステップS3285に進む。
ステップS3285では、CPU3300Aは、ホストコンピュータ3301から原稿1090bの印字情報及び振分先の判定結果(振分指示)を受信するまで待機し、受信した場合は、ステップS3286に進む。
ステップS3286では、CPU3300Aは、原稿1090bの搬送を再開し、第2搬送路3118での原稿1090bの停止判定処理を終了する。
上述したように、第2搬送路停止位置3120で原稿が停止した場合、第2搬送路3118の搬送再開タイミングは第2搬送路停止位置3120に到達した原稿の印字情報及び振分先の判定結果を受信しているか否かで決まる。また、第1搬送路停止位置3119で原稿が停止した場合、第1搬送路3116の搬送再開タイミングは第2搬送路3118が搬送再開しているか否かで決まる。
すなわち、第1搬送路3116と第2搬送路3118が共に原稿の搬送を停止している場合、第1搬送路3116と第2搬送路3118は印字情報及び振分先の判定結果を受信したことをトリガとして、同時に原稿の搬送を再開することになる。
図33において、第1搬送路停止位置3119と、第2搬送路停止位置3120の両方で、原稿が停止している。原稿1090aの長さを(C)、第2搬送路停止位置3120から裏面画像の読取ユニット3115までの距離を(A)、第2搬送路停止位置3120から第1搬送路停止位置3119に停止している原稿1090bの先端までの長さを(B)とする。
ここで、原稿1090aの原稿長(C)が長く、(B−C)<Aの関係が成立する場合に、第1搬送路3116と第2搬送路3118における原稿の搬送を同時に再開させると、図34に示す状態になる。
図34は、(B−C)<Aが成立する図33の状態から、第1搬送路3116と第2搬送路3118における原稿の搬送を同時に再開させた場合を示す搬送路の展開図である。
図34において、原稿1090bが第2搬送路停止位置3120に差し掛かった時、原稿1090aは裏面画像の読取ユニット3115で画像読取中である。この時点で原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していないと、第2搬送路3118における原稿の搬送は停止される。その結果、原稿1090aは画像読取途中に搬送が停止されることになり、裏面画像の読み取りに不具合が生じる。
従って、本実施の形態では、図33において、(B−C)<Aが成立する場合であって、第1の搬送路3116における原稿の搬送及び第2搬送路3118における原稿の搬送を再開させる際、第2搬送路3118の原稿の搬送を第1搬送路3116における原稿の搬送よりも優先して再開させる。
これによって、(C)を相対的に短くし、原稿1090aの後端と原稿1090bの先端との距離(B−Cに相当)が、見かけ上、裏面画像の読取ユニット3115と第2搬送路停止位置3120との間の距離(A)よりも大きくなるようにする。
図33において、(B−C)<Aの関係が成立する場合に、第1搬送路3116における原稿の搬送の再開よりも第2搬送路3118における原稿の搬送再開を優先させ、原稿1090aの後端と原稿1090bの先端との距離(B−Cに相当)を、裏面画像の読取ユニット3115と第2搬送路停止位置3120との間の距離(A)よりも見掛け上大きくした後、第1搬送路3116における原稿の搬送を開始させた場合の状態を図35に示す。
図35は、図33において、(B−C)<Aの関係が成立する場合に、見かけ上、(B−C)を(A)よりも大きくした後、第1搬送路3116における原稿の搬送を開始させた場合の搬送路の展開図である。
図35において、原稿1090bが第2搬送路停止位置3120に差し掛かった時に、原稿1090aは裏面画像の読取ユニット3115よりも下流に位置しており、裏面画像の読み取りは終了している。
この時点で、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していなければ、原稿1090bを第2搬送路停止位置3120に停止させるために第2搬送路3118における原稿の搬送を停止することになる。
しかしながら、原稿1090aに対する裏面画像の読み取りは終了しているので、第2搬送路3118における原稿の搬送が停止されても、原稿1090aに対する裏面画像の読み取りに不都合を生じることはない。
第1搬送路停止位置3119から第2搬送路停止位置3120までの距離(B)が充分に長い場合、すなわち図33において、(B−C)≧Aの関係が成り立つ。
この場合には、原稿1090bに対する印字情報及び振分先の判定結果を受信していないことを理由に第2搬送路3118における原稿の搬送は停止することによる1枚先行する原稿1090aに対する読取ユニット3115による裏面画像の読み取り不良が発生することはない。
しかしながら、この場合は、距離(B)を十分に確保するために搬送路長を長くする必要があるので、装置の大型化に繋がるという問題が発生する。
従って、本実施の形態においては、図33において、(B−C)<Aの関係が成立する場合は、第1搬送路3116における原稿の搬送の再開よりも優先して第2搬送路3118における原稿の搬送を再開させるように制御する。
これによって、原稿1090bを第2搬送路停止位置3120に停止させるために第2搬送路3118における原稿の搬送を停止した場合に、先行する原稿1090aに対する裏面画像の読み取り時に生じやすい読み取り不良を回避している。
本実施の形態において、制御ユニットは、第1搬送路3116における原稿の搬送の再開に優先して第2搬送路3118における原稿の搬送を再開させるように搬送ユニットを制御してそれぞれ搬送を再開するタイミングをずらした。
しかしながら、本実施の形態は、これに限定するものではなく、第1搬送路における搬送の再開と、第2搬送路における搬送の再開とのタイミングを同じとし、搬送再開時の第2搬送路における搬送速度を、第1搬送路における搬送速度よりも高速にし、これによって見掛け上の(B−C)を(A)よりも大きくすることもできる。
図29に戻り、CPU3300Aは、ステップS3210の第2搬送路3118での原稿停止判定処理を終了し、原稿1090bの搬送を再開した後、ステップS3211に進む。
ステップS3211では、CPU3300Aは、原稿1090bを搬送路の下流側に搬送し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ3113を通過するのを検知して、ステップS3212に進む。
ステップS3212では、CPU3300Aは、原稿1090bが第2搬送路3118から更に下流に搬送され、また、原稿1090bに後行する次原稿が第1搬送路3116から第2搬送路3118へ搬送されるので、載置ユニット3100に載置されている原稿の給送を許可し、ステップS3213に進む。
ここで、載置ユニット3100から次原稿が給送されたとき、該給送された次原稿について、ステップS3201からの処理が開始される。
ステップS3213では、CPU3300Aは、印刷ユニットとしての印字ユニット3114により原稿1090bに対してホストコンピュータ3301から受信した印字情報の印字を行い、ステップS3214に進む。
ここで、後段レジストセンサ3113と印字ユニット3114との距離をL5、原稿1090bの搬送速度をvとすると、L5/v後に原稿1090bが印字ユニット3114に到達する。従って、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ3113を通過した時間からL5/v経過後に、印字ユニット3114によりホストコンピュータ3301から受信した印字情報の印字を原稿1090bに対して行う。
ステップS3214では、CPU3300Aは、読取ユニット3115により原稿1090bの裏面の画像を読み取る。
ここで、後段レジストセンサ3113と裏面画像の読取ユニット3115との距離をL6とすると、L6/v後に原稿1090bは、裏面画像の読取ユニット3115に到達する。従って、図示省略したタイマを用いて時間を測定し、原稿1090bの先端が後段レジストセンサ3113を通過した時間からL6/v経過後に、読取ユニット3115による裏面画像の読み取りを開始する。次いで、読み取った裏面画像情報を通信ケーブル3302を介してホストコンピュータ3301へ転送し、ステップS3215に進む。
ステップS3215では、CPU3300Aは、ホストコンピュータ3301から受信した原稿1090bの振分先の判定結果に基づいて、原稿1090bを第1排紙ユニット3102もしくは第2排紙ユニット3103へ振分けて搬送し、処理を終了する。
本実施の形態によれば、第1搬送路の停止位置3119に停止した原稿、及び第2搬送路の停止位置3120に停止した原稿の搬送を再開させる際、第2搬送路の停止位置3120に停止した原稿の搬送の再開を優先させている。このため、その後に、第1搬送路の停止位置3119に停止していた原稿に関する制御情報を受信することができず、第2搬送路の上流側に停止させても、第2搬送路の停止位置3120に停止していた原稿に対する第2処理ユニットの処理に不都合を生じることはない。
なお、本実施の形態におけるホストコンピュータ1301の動作については、上記第1の実施の形態(図9)と同様であるのでその説明を省略する。
本実施の形態によれば、第2搬送路停止位置3120および第1搬送路停止位置3119にそれぞれ停止する一の原稿及び他の原稿の搬送を再開させる際、一の原稿の搬送再開を他の原稿の搬送再開よりも優先して行う。
従って、搬送再開時における見かけ上の(B−C)が(A)よりも大きくなり、その後に他の原稿を第2搬送路停止位置3120に停止、待機させる場合であっても、一の原稿に対する第2処理ユニットの処理に不都合が生じることはない。
よって、原稿の処理能力を向上させることができると共に、搬送路長を必要最小限に留めて装置の大型化を有効に防止することができる。なお、本実施の形態では、例えば、搬送路3116にUターンユニットを1つ又は複数個所に設けて第1処理ユニットと第2処理ユニットとを結ぶ経路を長くし、第2処理ユニットの手前に原稿が収まるスペースを確保することにより、原稿の処理能力を向上させつつ装置の大型化を有効に防止することができる。
本実施の形態によれば、第2搬送路の停止位置3120に停止、待機している一の原稿の搬送を再開させる際、一の原稿の搬送方向の先端ユニットが第2搬送路の停止位置の下流側端から第2処理ユニットまで移動する間に、一の原稿の搬送速度が定常速度になるように搬送ユニットを制御する。従って、搬送開始後の第2処理ユニットでの処理を、定常の原稿搬送速度で、適正に行うことができる。
また、本実施の形態によれば、搬送ユニットが第1搬送ユニットと第2搬送ユニットを有し、制御ユニットが、第1搬送ユニットと第2搬送ユニットとを別個独立に制御する。従って、第2搬送ユニットにおける原稿の搬送が停止している場合に第1搬送ユニットにおける原稿の搬送を行って原稿に対して所定の処理を行うことができ、原稿の処理能力が向上する。
なお、上述した本実施の形態では、ホストコンピュータ3301から原稿の振分先や印字情報等の指示情報を含む制御情報(制御信号)を受信するようにしたが、このような制御信号を画像読取装置1300内で生成するようにしてもよい。
また、上述した本実施の形態では、チェックスキャナーを例示して説明したが、本実施の形態は勿論これに限定されず、例えば、原稿(シート)の画像を読み取る画像読取装置や原稿に画像を形成する画像形成装置等の各種処理を施す原稿処理装置及び原稿処理システムに適用することができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。
ここで、本実施の形態では、原稿の排出ユニットの満載を検知できるようにして、排出ユニットの満載時に、搬送路内である第2処理ユニットの手前で、原稿を待機させるようにした原稿処理装置の一例である画像読取装置を説明する。
従来の画像読取装置では、排出ユニットの満載を検知した際、次の原稿に対する読取処理等は、排出ユニットの満載が解消されてから再開される為、残りの未処理原稿が全て原稿台に待機する構造であったため、オペレータが画像読取装置を用いて行う画像読取作業の効率が落ちてしまい、作業時間が多くかかってしまう等の課題があった。
これに対応して本実施の形態では、原稿に対して搬送路内で行われる処理を、原稿を待機させる位置の直前まで実行することができ、原稿搬送の再開がされたときの画像読取処理時間を低減し、作業効率を上げることができる画像読取装置を提供する。
図37に示すように、画像読取装置4001は、画像読取装置4001の動作を制御する制御ユニット4206と、原稿を積載する為の原稿台4203と、原稿を押える押圧板4215cと、原稿台4203に積載された原稿を搬送する搬送ユニットの一部である搬送ローラ4200と、搬送ユニットの一部である不図示の複数の搬送ローラと、原稿の位置情報を取得する第1レジストセンサ4214、第2レジストセンサ4214aと、画像読取のための表面イメージセンサ4201と、MICR文字を読み取る磁気ヘッド4202と、搬送路内の原稿の有無を検出する搬送路原稿検知センサ4210と、ホストコンピュータ4002から通信ケーブル4003を介して送られる印字情報を印字する印字ヘッド4212と、画像読取のための裏面イメージセンサ4213と、排出トレイ4204、4205、4216とを備え、さらに排出トレイ4204、4205、4216のうちいずれの排出トレイに搬送するかを、選択的に切り換え可能なフラッパ4208が設けられている。
本実施の形態では、排出トレイ4204にはMICR文字が正しく読めた原稿が排出され、排出トレイ4205にはMICR文字が誤読された原稿が排出され、排出トレイ4216には裏面画像読取や印字が行われていない原稿が排出されることとする。
また、画像読取装置4001にある、排出トレイ4204、4205、4216のそれぞれには、排出積載量検知ユニットとしての排出原稿満載検知センサ4401a、4401b、4401cと、原稿を押える押圧板4215a、4215b、4215dとが備えられている。排出トレイ4204が満載になると、排出原稿満載検知センサ4401aがON状態となることにより、制御ユニット4206は満載を検知する。また、排出トレイ4205が満載になると、排出原稿満載検知センサ4401bがON状態となることにより、制御ユニット4206は満載を検知する。また、排出トレイ4216が満載になると、排出原稿満載検知センサ4401cがON状態となることにより、制御ユニット4206は満載を検知する。
排出原稿満載検知センサ4401a、4401b、4401cによる満載の検出は次のように行われる。排出原稿満載検知センサ4401a、4401b、4401c内部にある不図示の発光ユニットからの光が、排出トレイ4204、4205、4216の内部にある押圧板4215a、4215b、4215dの面上の反射板4217a、4217b、4217cに反射される。この反射光を排出原稿満載検知センサ4401a、4401b、4401cの内部にある不図示の受光ユニットが受光しON状態となり受光信号を出力する。
図38は、排出原稿積載量検知ユニットとしての排出原稿満載検知センサにより排出トレイの満載を検知した後であっても、搬送路に待機している原稿について排出を許容する排出トレイの概略構成を示した図である。なお、排出トレイ4204、4205、4216は同様の構造の為、排出トレイ4204のみについて説明する。排出トレイの満載を検知するために、排出原稿満載検知センサを、排出トレイの壁面に設置することが考えられる。しかしこの配置だと満載を検知すると、以降の原稿を排出することはできない。
そこで、本実施の形態では、排出原稿満載検知センサ4401aの設置位置を排出トレイの壁面よりもやや離した位置にする。この位置で、排出原稿満載検知センサ4401aは満載を検知することで、排出原稿の満載を検知した後も搬送路内に待機している数枚の原稿をさらに排出することが可能となる。なお、排出トレイの壁面から内側への設置位置のずれ分は、搬送路内に待機する原稿を排出することができる幅とする。
図39は、排出原稿満載検知センサ4401aにより排出トレイ4204の満載を検知した際の、排出原稿満載検知センサ4401a、押圧板4215a、及び反射板4217aの位置関係を示した拡大図である。排出原稿満載検知センサ4401a内部にある不図示の発光ユニットからの光が、押圧板4215aの面上にある反射板4217aにより反射され、反射光を排出原稿満載検知センサ4401aの内部にある不図示の受光ユニットで受光し、排出原稿満載検知センサ4401aがON状態となり、排出原稿満載の検出が可能となる。
図36は、原稿1090の裏面であり、印字情報が印刷されている。
図40は、画像読取装置4001の制御系を司る制御ユニット4206の概略構成を示すブロック図である。画像読取装置4004は、CPU4100と、MICR情報読取ユニット4101と、印字情報生成ユニット4102と、印字ユニット4103と、画像情報読取ユニット4104と、外部のホストコンピュータ4002に接続するためのインターフェース4105と、原稿検出ユニット4107と、これら各ユニットを互いに接続するバス4108とを備える。
画像読取装置4001の磁気ヘッド4202は、MICR情報読取ユニット4101に接続されている。印字ヘッド4212は印字ユニット4103に接続されている。表面イメージセンサ4201、及び裏面イメージセンサ4213は画像情報読取ユニット4104に接続されている。原稿検出ユニット4107は、搬送路原稿検知センサ4210、排出原稿満載検知センサ4401a、4401b、4401c、原稿台検知センサ4209、第1レジストセンサ4214、及び第2レジストセンサ4214aに接続されている。
また、磁気ヘッド4202を用いて、図51の原稿1090上のMICR文字1091を読み取って、MICR情報を、通信ケーブル4003を介してホストコンピュータ4002へ送信する。ホストコンピュータ4002ではMICR情報を解析してMICR文字1091の情報(MICR文字情報)を取得し、通信ケーブル4003を介して画像読取装置4001に送信する。画像読取装置4001では受信したMICR文字情報に基づいて、印字情報生成ユニット4102において印字情報を生成する。なお、取得されたMICR文字情報に基づいて、ホストコンピュータ4002上のキャプチャアプリケーションにより生成した印字情報を、通信ケーブル4003を介して受信してもよい。
画像読取装置4001では生成または受信された印字情報を、印字ユニット4103が印字ヘッド4212を用いて原稿に印字する。CPU4100は、MICR情報読取ユニット4101、印字情報生成ユニット4102、及び印字ユニット4103を制御する。また、CPU4100は、表面イメージセンサ4201、裏面イメージセンサ4213が出力する画像読取信号をもとに画像情報読取ユニット4104が生成した画像データを、送信や一時記憶する等の制御も行う。以下、本発明の実施の形態にかかるスキャン動作を図41、図42、図43のフローチャートを用いて説明する。
図41は、画像読取装置4001におけるスキャン処理を説明するためのフローチャートである。画像読取装置4001は、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーションからI/F4105を介して画像読取開始の通知を受信するとスキャン処理を開始する。まず、CPU4100は原稿台に原稿があるかどうか、原稿検出ユニット4107に接続された原稿台検知センサ4209からの信号または情報を用いて判断する。原稿が無いときは(ステップS4600でNO)、スキャン終了処理を行う(ステップS4616)。原稿がある時は(ステップS4600でYES)原稿S(原稿Sは原稿1090と同じ)の給紙を開始する(ステップS4601)。
押圧板4215cによって搬送ローラ4200に押し当てられた原稿Sは、搬送ローラ4200を駆動させることにより、搬送ローラ4200と原稿Sとの静止摩擦を利用し、画像読取装置4001内へ一枚ずつ搬送される。
画像読取装置4001は、第1レジストセンサ4214と、表面イメージセンサ4201との距離をL1、原稿の搬送速度をvとすると、L1/vの時間後に原稿が表面イメージセンサ4201に到達するので、表面イメージセンサ4201は、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、L1/vの時間後に表面画像の読取を開始する(ステップS4602)。そして、画像読取装置4001は表面画像データを、I/F4105、通信ケーブル4003を介してホストコンピュータ4002へ転送する(ステップS4603)。
さらに、画像読取装置4001は、第1レジストセンサ4214と、磁気ヘッド4202との距離をL2、原稿の搬送速度をvとすると、L2/vの時間後に原稿が磁気ヘッド4202に到達するので、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、L2/vの時間後に磁気ヘッド4202によりMICR文字の読取を行う(ステップS4604)。そして、画像読取装置4001は、I/F4105、通信ケーブル4003を介してホストコンピュータ4002へMICR情報を転送する(ステップS4605)。
次に、MICR情報と表面画像情報を受信したホストコンピュータ4002は、取得したMICR情報と画像情報をもとに解析を行い、解析結果に基づいて原稿の排出先を画像読取装置4001へ送信する。なお、上述のように印字文字情報をホストコンピュータ4002で生成した場合は、印字文字情報も送信する。
なお、例えばMICR情報が正しく読めている場合は、排紙先の情報により排出トレイ4204が指定され、またMICR文字を誤読した場合は、オペレータが排出トレイ4205を指定して排出先を決定すればよい。
次に、画像読取装置4001は、原稿が搬送路原稿検知センサ4210に到達したかどうか判断する(ステップS4606)。到達していない場合(ステップS4606でNO)は、再度、原稿Sが搬送路原稿検知センサ4210に到達したか否かの監視を継続する。原稿Sが搬送路原稿検知センサ4210に到達した場合(ステップS4606でYES)、画像読取装置4001は、ホストコンピュータ4002より、印字情報、排出トレイ振り分け情報を受信したかを判断する(ステップS4607)。
画像読取装置4001は、ホストコンピュータ4002より、印字情報と排出トレイ振り分け情報を受信していない場合(ステップS4607でNO)は、原稿Sの搬送を停止し(ステップS4613)、搬送路原稿検知センサ4210の配置位置に原稿Sを待機させたまま、ステップS4607から後述のステップS4614までの処理を繰り返す。印字情報の受信が必要でない場合は、排出トレイ振り分け情報を受信するまで原稿Sを待機させるようにすればよい。
搬送路の原稿待機時間は、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上で任意に設定でき、設定値は、通信ケーブル4003、I/F4105を介して画像読取装置4001の制御ユニット4206へ送られ、不図示のメモリ上に登録され、参照される。この設定値に基づいて画像読取装置4001が判定を行い、原稿搬送停止における待機状態の最大待ち時間が決定される。
次に、画像読取装置4001は、原稿Sの搬送を停止させる待機状態の最大待ち時間(最大待機時間)が経過したか否かの判定を行う(ステップS4614)。最大待機時間を経過していない場合は(ステップS4614でNO)、ステップS4607に戻り、再度、印字情報、排出トレイ振り分け情報を受信したかを監視する。また、最大待機時間を経過した場合は(ステップS4614でYES)後述の搬送路待機原稿排出処理を行う(ステップS4615)。
搬送路待機原稿排出処理では、図42に示すように、不図示のモータを始動(ステップS4001)した後、搬送路に待機している原稿Sを、裏面画像読み取りや印字等が行われていない原稿の排出用の排出トレイ4216へ向けてフラッパ4208により、搬送方向を切り換えて排出する(ステップS4002)。そして、搬送路内に原稿がない旨をホストコンピュータ4002に通知して(ステップS4003)、不図示のモータを停止し(ステップS4004)、本処理を終了する。このとき、先述したように排出原稿満載検知センサ4401cが排出トレイ4216の満載を検知した場合においても、搬送路内に待機している原稿を排出する隙間が排出トレイ4216に存在するので、搬送路内の原稿を排出することができる。
一方、最大待ち時間が経過する前にホストコンピュータ4002より印字情報、排出トレイ振り分け情報を受信した場合(ステップS4607でYES)は、排出トレイ振り分け情報に対応する排出トレイが満載であるか、原稿検出ユニット4107により判断する(ステップS4608)。
さらに、画像読取装置4001は、ホストコンピュータ4002より原稿Sの排出先として、例えば排出トレイ4204を指定され、かつ排出原稿満載検知センサ4401aがONになり、原稿検出ユニット4107により排出トレイ4204の満載を検知した場合(ステップS4608でYES)は、原稿Sを搬送路内に待機させるために原稿Sの搬送を停止する(ステップS4613)。
さらに、画像読取装置4001は、原稿搬送停止の待機状態の最大待ち時間(最大待機時間)が経過したか否かの判定を行う(ステップS4614)。最大待機時間が経過していない場合は(ステップS4614でNO)、ステップS4607に戻り、最大待機時間が経過するか又は排出トレイ4204の満載が解消されるまで、ステップS4607からステップS4614までの処理を繰り返しながら待機する。最大待機時間が経過した場合は(ステップS4614でYES)、先述した、搬送路待機原稿排出処理により排出トレイ4204への排出を行う(ステップS4615)。この場合も排出トレイ4204が満載であるにもかかわらず排出トレイ4204には待機原稿Sを受け入れるだけの隙間があり、問題なく排出ができる。
ところで、画像読取装置4001は、ホストコンピュータ4002より原稿Sの排出先として排出トレイ4204を指定され、かつ排出原稿満載検知センサ4401aがOFFで、原稿検出ユニット4107により排出トレイ4204が満載でないと検知した場合(ステップS4608でNO)、あるいは、ホストコンピュータ4002より原稿Sの排出先として排出トレイ4205を指定され、かつ排出原稿満載検知センサ4401bがOFFで、原稿検出ユニット4107により排出トレイ4205が満載でないと検知した場合(ステップS4608でNO)、原稿に印字するための印字情報をもとに原稿に印字処理を行う(ステップS4609)。ここで、第2レジストセンサ4214aから印字ヘッド4212までの距離をL3、原稿の搬送速度をvとすると、L3/vの時間後に原稿が印字ヘッド4212に到達するので、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、印字ヘッド4212により、L3/vの時間以降に原稿への印字処理を行う。
印字処理に続いて、画像読取装置4001は、裏面イメージセンサ4213により、裏面画像を取得する処理に移る。第2レジストセンサ4214aと、裏面イメージセンサ4213の距離をL4、原稿の搬送速度をvとすると、L4/vの時間後に原稿が裏面イメージセンサ4213に到達するので、画像読取装置4001は、不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、略L4/vの時間後に裏面イメージセンサ4213による裏面画像の読取を開始する(ステップS4610)。そして、画像読取装置4001は、不図示のメモリに保存した表面画像データを、I/F4105、通信ケーブル4003を介してホストコンピュータ4002へ転送する(ステップS4611)。
続いて、ホストコンピュータ4002より指定された排出トレイの振り分け情報に基づいて、排出トレイ4204、4205のいずれを原稿Sの搬送先とするかを、フラッパ4208を動かして切り換え、選択した排出トレイに原稿Sを排出する(ステップS4612)。
なお、通常は複数枚の原稿Sを連続して読み取るため、図42の処理を原稿台4203に原稿が無くなるまで繰り返して行う。
原稿台4203に載置された、複数枚の原稿Sを全て読み取り終え、原稿台検知センサ4209により原稿Sを検知しなくなったときは、(ステップS4600でNO)、ステップS4616へ進み、スキャン終了処理を実行する。
図43は、図41のステップS4616におけるスキャン終了処理を説明するためのフローチャートである。図43において、スキャン終了処理として不図示のモータを停止(ステップS4901)した後、次の原稿がない旨をホストコンピュータ4002に通知して(ステップS4902)本処理を終了する。
以上説明したように本実施の形態では、排出積載量検知ユニットが満載を検知した場合でも、搬送路の途中に原稿を待機させておくことができるので、原稿の待機中、該原稿を待機位置の直前まで搬送し、その間に該原稿の表面画像読取処理、MICR読取処理等を行うことができるため、画像読取を再開した後の原稿処理時間が短くなり、全体の処理時間を低減することができる。
また、一定時間経過しても載置トレイの満載が解消されない場合は、搬送路内にある原稿を、画像読取等が行われていない原稿を排出するための専用の排出トレイなどに排出する。これにより、原稿の表画像と裏画像の両方の読取が完了していないと画像読取処理中の状態が継続することから発生する、ホストコンピュータの占有状態の継続により他の処理ができないという課題を解決することができる。また、長時間原稿を搬送路に待機させておくと、原稿がカールし、原稿の破損等が起こりやすくなるという、搬送路の途中での待機の実行から派生する課題を解決できる。
なお、本発明は、上記実施の形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、画像読取装置4001の搬送路の搬送全長は、少なくとも1枚以上の原稿が搬送路に待機できる長さとすることが好適である。
また、排出トレイ4216の排出原稿満載検知センサ4401cで満載を検知したまま長時間経過した際も、搬送路内に原稿を待機させておき、排出トレイ4216の満載が解消されない限り搬送再開を行わなくてもよい。
また、MICRが正しく読めた原稿と、誤読となった原稿の排出先は、必ずしも、排出トレイ4204、4205である必要はなく、MICRの読取結果による排出先の切り換えは、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上でオペレータが指定できるようにしてもよい。また、MICRの読取結果以外の条件に基づく排出トレイ4204、4205への振り分けを、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上でオペレータが指定できるようにしてもよい。
また、印字ヘッド4212による印字はMICRの解析結果に基づく印字情報でなくても、例えば、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上でオペレータが作成してもよい。また、搬送中に必ず印字を行う制御方式でなくてもよい。また、原稿を搬送路内で待機させる前に読み取られる原稿の情報はMICR情報だけであってもよい。
また、表面イメージセンサ4201と、裏面イメージセンサ4213は、本実施の形態においては、一定の距離を取って配置した構成になっているが、接近していてもよい。また、画像読取は、片方の面の画像読取を行うだけの制御であってもよく、表面と裏面の読取面の選択は、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上の操作で行うことができるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、排出トレイ4204、4205、4216の3トレイを備えるが、例えば、排出トレイ4204、4205のみの2トレイを備えるだけであってもよい。この場合、排出トレイ4204、4205のうち一方の満載を検知し、搬送路に待機中の未処理原稿の一定時間経過した後の排出先としては、排出トレイ4204、4205のうちの他方とすればよい。
また、本実施の形態では、排出トレイの満載検知についてセンサを使用したが、例えば排出トレイに排出原稿枚数カウンターを設置し、排出枚数をカウントし満載検知を行ってもよい。また、例えばカウントの方法として、原稿無し状態をカウント0とし排出枚数をカウントしていき、設定枚数までカウントされた際に満載を検知するようにしてもよい。この設定枚数とは、搬送路内に待機している原稿も含めて排出できる枚数とすることが好適である。また、この設定枚数の値は、ホストコンピュータ4002のキャプチャアプリケーション上で設定することができるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、原稿の搬送路は略直線形状としたが、例えば、図44のように複数の湾曲がある形状であってもよい。また、ホストコンピュータ4002との画像転送インターフェースは、SCSI、USBやFireWire(登録商標)等を用いてもよい。
次に本発明の第7の実施の形態について説明する。
本実施の形態では、原稿の載置部に原稿の押圧部材として押圧板を設け、その押圧板が原稿を押圧する押圧方向とは逆の方向への移動を制限するようにした以外は上述した各実施の形態の原稿処理装置と同様である。具体的には、原稿を載置するための載置部である載置ユニットと、その載置ユニットから原稿を搬送路に供給するための給送手段(給紙ローラ5104)と、載置ユニットに載置される原稿に当接して給紙ローラ5104との間に原稿を挟む位置に配置される押圧板5101と、押圧板5101が原稿を押圧する押圧方向とは逆の方向への押圧部材の移動を制限する移動制限部(移動制限手段)5503を有する。
図45は、押圧板5101の作用を説明するための図である。画像読取装置5300では、押圧板5101の一端に、回転軸が設けられ、バネ5111により、矢印Aの方向に常時、押圧板5101の他の一端を給紙ローラ5104または原稿載置部5100に載置されている原稿束に押し当てる。図46は、読取処理中における押圧板5101が原稿載置部5100に載置されている原稿束を給紙ローラ5104に押し当てている様子を示す図である。前述したように、原稿1090と給紙ローラ5104を当接させ、摩擦を利用して給紙を行う。
一般に中型や大型の画像読取装置は、給紙部に一度に数十枚から数百枚の原稿束をセットし、読取処理を行うことができるが、オペレータの作業効率を高める為、画像読取装置が載置されている原稿束の読取処理を行っている最中に、オペレータは、次原稿の束の準備を行う。準備が終わったときに、まだ、載置されている原稿束の読取処理が完了していなければ、オペレータは、画像読取装置による読取処理の完了を待ち、載置されている原稿束がなくなった後に次原稿束を載置し、読取処理を再開していた。しかしながら、作業を急ぐオペレータは、画像読取装置が読取処理の完了がしておらず載置部に原稿が残っていたとしても、載置部に次の原稿束を追加すること、つまり押圧板5101の押圧を解除して原稿束の継ぎ足しを行いがちである。
図47は、オペレータの操作等により、押圧板5101が押圧を解除したときを示す図である。つまり、継ぎ足しを可能にする為には、図46のように原稿を給紙している給紙ローラ5104に原稿を押し当てている押圧板5101を図47のように原稿から離間させ、載置されている原稿束の最終紙と押圧板5101との間に次の原稿束を挿入する必要がある。しかし、原稿の給紙中に図47のように押圧板5101を原稿から離間させると、原稿束が押圧板5101のほうへ倒れる等の理由により、先頭の原稿の給紙ローラ5104との当接が不安定になる。その結果、原稿と給紙ローラ5104との適切な摩擦力が得られず、正常に給紙できないためジャムエラーとなり、業務の効率を低下させることがあった。また、異常な給紙状態による原稿の破損が発生することもあった。
これに対応して本実施の形態では、給紙ローラを駆動させて原稿を給紙している場合は、原稿から離れて押圧が解除される方向への押圧板の移動を制限することにより、次原稿束の継ぎ足しを禁止し、これにより、オペレータによる押圧板の押圧の解除が不用意に行われることを防止する画像読取装置を提供する。
画像読取装置には、原稿1090を載置するための原稿載置部が、また原稿1090を搬送する為の搬送路が設けられている。また、画像読取装置は、原稿1090を排紙する第1排紙部、第2排紙部を有している。
画像読取装置において、原稿載置部に置かれた原稿1090は、押圧板5101によって、給紙ローラ5104に押し当てられ、送りローラ5105の方へ給紙される。送りローラ5105によって搬送された原稿1090は、分離ローラによって重送されないように搬送路へ分離給送される。搬送路にはレジストセンサ、原稿1090に記載されている図51に示すようなMICR文字1091の読取を行う情報読取部、及び原稿の画像を読取るための画像読取部が設けられている。画像読取装置は、図示しないがホストコンピュータと通信ケーブルを介して接続されて使用される。
図48は、画像読取装置の制御系を示すブロック図である。CPU5500は、押圧検出部5501、給紙部5502、移動制限部5503、給紙制御部5504等を制御する。また、図49は、CPU5500が実行する画像読取処理のフローチャートである。以降、図49のフローチャートを用いて説明していく。
ステップS5200において画像読取装置に対してホストコンピュータから画像読取の指示があると、本フローチャートの処理が実行される。ステップS5201においてCPU5500は不図示の原稿検知センサの出力信号等により、原稿載置部に原稿1090が載置されているかどうかを検出する。原稿載置部に原稿1090が載置されているかどうかは、例えば、原稿検知センサとして原稿を挟むように発光部と受光部とが配置されたフォトインタラプタを用いて原稿による遮光を検出することにより原稿の有無を検出する方式等が考えられる。
次にステップS5202において、押圧板がオペレータの手で押圧方向とは逆に動かされて解除(release)されていないかどうかを確認する。ここで、図50は、原稿載置部に載置されている原稿1090を押圧板5101が給送手段となる給紙ローラ5104に対して押し当てている様子を例示しており、押圧板5101の状態を検出するために押圧検出部5501が設けられている。また、押圧板5101の押圧解除方向への移動を制限する移動制限手段となる移動制限部5503が設けられている。図示の押圧検出部5501は一例であり、光学式エンコーダにより押圧板5101の回動と回動の方向を検出するものであるが、これに限定されない。例えば、押圧板5101の先端付近の原稿に接する位置に機械的スイッチ等を設け、それが押されることで押圧を検出するように構成してもよい。
CPU5500は、押圧検出部5501の出力から押圧板5101が原稿1090を給紙ローラ5104の方向に押圧しているかどうかを検出する。押圧検出部5501の出力により、前原稿の読取処理中の時に比べ、押圧板5101の位置が図45の矢印Aとは逆方向(矢印Bの方向)に移動したことを検知した場合、CPU5500は、オペレータによって押圧板5101による押圧が解除されており、オペレータが他の原稿を継ぎ足ししている最中であると判断して、給紙制御部5504に対して給紙部5502を制御して原稿の給紙を行わないよう指示する。あるいは、給紙制御部5504に対して給紙動作中であった場合は給紙動作を停止させるよう指示する。その後、押圧検出部5501は、押圧の解除後、押圧板5101が図45の矢印Aの方向に移動し、或る位置にて一定時間経過したことを検知したら、原稿が押圧されているものと判断する。そして、ステップS5203において、CPU5500は、移動制限部5503に対して、押圧板5101の図45における矢印Bの方向への移動を制限するように制御し、ステップS5204において、原稿1090の給紙を行う為に給紙制御部5504に対して給紙部5502を駆動して給紙ローラ5104の駆動を開始するように指示を行う。また、給紙ローラ5104の駆動により原稿1090の給紙が行われている間、移動制限部5503による押圧板5101の押圧方向とは逆の方向への移動の制限を継続することもできる。
ステップS5205において、CPU5500は、給紙ローラ5104が駆動を開始してから不図示のタイマを用いて時間を計測し、給紙ローラ5104の駆動により原稿1090の先端が送りローラ5105の位置に到達する時間になるまで待機する。原稿1090の先端が送りローラ5105の位置に到達すると、給紙ローラ5104による給紙力がなくとも、送りローラ5105による搬送路への安定した分離給送が可能となり、押圧板5101による押圧は必要がなくなり、オペレータの手により移動されてもさしつかえないため、ステップS5206において、CPU5500は、移動制限部5503による押圧板5101の移動制限を解除する。
レジストセンサとMICR読取部間の距離をL1、原稿1090の搬送速度をvとすると、L1/vの時間後に原稿1090がMICR読取部に到達するので、ステップS5207において、CPU5500は不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、L1/vの時間後にMICR読取部を制御してMICR文字の読取を開始する。また、レジストセンサと画像読取部間の距離をL2とすると、L2/vの時間後に原稿1090は、画像読取部に到達するので、ステップS5208において、CPU5500は不図示のタイマを用いて時間の測定を行い、L2/vの時間後に画像読取部に、画像読取を開始させるよう制御する。なお、図49では、S5206の後に、MICR読取処理を行う場合を説明しているが、S5206における押圧板5101の移動制限の解除については、例えば、全ての原稿について所定の処理が終わった段階で行うようにしてもよい。
ステップS5209において、ステップS5207、ステップS5208で取得したMICR情報及び画像情報を画像読取装置から、通信ケーブルを介してホストコンピュータへ転送するように制御する。ステップS5210でCPU5500は、ホストコンピュータにおいてMICR情報及び画像情報を元に判定された原稿1090の排紙先の判定結果を、ホストコンピュータから受信する。
その後、ステップS5211において、CPU5500は、ステップS5210でホストコンピュータから転送された判定結果に基づいて、第1排紙部、もしくは、第2排紙部に原稿1090を振分けて排出するよう制御し、処理の終了となる。
上記実施の形態では、原稿1090を第1排紙部若しくは第2排紙部へ排紙する判定をホストコンピュータが行っていたが、原稿読取装置がこの判定を行ってもよい。移動制限部5503は、図50のように移動制限部5503の基部から円弧状の部材を突き出して、押圧板5101に略接する位置に突出させる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、押圧板5101の支軸の周りの回動を、押圧解除方向には回動不可能なように制限したり、回動の制限を解除したりすることが可能な構造を、支軸に持たせてもよい。
以上、説明したように本実施の形態によれば、画像読取装置が押圧板の押圧による得られる原稿と給紙ローラとの静止摩擦を利用して給紙している最中は、押圧板の移動が制限されているので、例え、オペレータが次の原稿束の継ぎ足しを行おうとしても行うことができない。これにより、給紙が不安定になることがなく、ジャムエラーや原稿の破損の発生を回避することができる。また、画像読取装置が押圧板の押圧を必要としない状態では、押圧板の移動制限が解除されており、オペレータは押圧板の押圧を解除して次の原稿束の継ぎ足しを行うことが容易なので、オペレータの操作性を向上させ、業務効率を上げることが可能となる。
本発明において、制御ユニットは、制御情報を受け取るまでに一の原稿を第2処理ユニットより手前の位置まで搬送すると共に、受け取った制御情報に基づいて第2処理ユニットに原稿を搬送するよう搬送ユニットを制御するようにしてもよい。これにより、原稿の更なる高速処理を行うことができる。制御ユニットは、一の原稿が第2処理ユニットの手前の位置に到達する前に制御情報を受け取った場合においては、一の原稿の搬送を第2処理ユニットの手前で停止させることなく、そのまま第2処理ユニットに原稿を連続的に搬送するよう搬送ユニットを制御する。これにより、原稿の高速処理を実現することができる。
以上、本発明を各実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、第2処理ユニットの手前に、第1処理ユニットで処理された一の原稿を収容できるスペースを搬送路に確保した構造を有する原稿処理装置だけでなく、このような原稿処理装置を制御するための制御方法、当該制御方法を実行するための制御プログラム(制御プログラム製品)、原稿処理装置と情報処理装置(ホストコンピュータ)とを接続して構成される原稿処理システム等についても広く対象としている。