JP5535669B2 - チタン酸化合物粉末及び化粧料 - Google Patents
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Description
本発明は、塗料、フィルム,コーティング組成物、化粧料等の顔料として、上記不具合を伴わず、展延性,滑沢性,付着性,隠蔽性等に優れ、かつ抗菌性,防錆性等を備えたチタン酸化合物粉末及びこれを配合して調製される化粧料等を提供するものである。
以下の説明において、R1及びR2の元素群はそれぞれ下記のとおりである。
R1…Li,Mg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,Al
R2…Li,Mg,Ca,Co,Ni,Cu,Zn,Sr,Ag,Sn,Ba
TiO6八面体の4稜共有の連鎖からなるアナターゼ型結晶構造を有し、Ti席の一部がR1 (但し、Caを除く)元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンで置換されたアナターゼ型チタン酸化合物である。
TiO6八面体の連鎖により形成される層状結晶構造を有し、Ti席の一部がR1元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンで置換されていると共に、結晶層間にR2元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンが存在するチタン酸層間化合物である。
一般式 MTinO2n+m/2
[式中、M:Li,Mg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属元素の1種ないし2種以上、n:0.5〜2、m:Mの価数]
で示されるチタン酸化合物である。
一般式 MTinO2n+m/2
[式中、M:Li,Mg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属元素の1種ないし2種以上、n:0.5〜2、m:Mの価数]
で示されるチタン酸化合物(前記チタン酸化合物C)の結晶相と、チタニア結晶相(アナターゼ型又はルチル型)とが結合したチタニア複合チタン酸化合物である。
このチタニア複合チタン酸化合物Dの複合量比(チタン酸化合物C結晶相/チタニア結晶相)は、例えば約1/3(モル比)である。
一般式 MTinO2n+m/2
[式中、M:Li,Mg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属元素の1種ないし2種以上、n:0.5〜2、m:Mの価数]
で示されるチタン酸化合物(前記チタン酸化合物C)の2種以上の結晶相が結合した複合チタン酸化合物である。
一般式 MTinO2n+m/2
[式中、M:Li,Mg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属元素の1種ないし2種以上、n:0.5〜2、m:Mの価数]
で示されるチタン酸化合物(前記チタン酸化合物C)の2種以上の結晶相と、チタニア結晶(アナターゼ型又はルチル型)とが結合した複合チタン酸化合物である。その複合量比(チタン酸化合物C結晶相の合計量/チタニア結晶相)は、例えば3/1(モル比)である。
以下の説明では、原料調製に使用される「酸化チタン」、「酸化アルカリ金属」、「R1金属酸化物」「R2金属酸化物」及び「M金属酸化物」の各用語は加熱によりそれぞれの金属酸化物を生成する化合物を包含する意味で使用している。
[原料の調製]
酸化チタン,酸化アルカリ金属(K2O,Na2O,Li2O等),及びR1 (但し、Caを除く)金属酸化物を所定量比で配合し均一に混合して出発原料とする。
酸化チタンのモル数をmTiO2、R1 (但し、Caを除く)金属酸化物のモル数をmR1、酸化アルカリ金属のモル数をmALKとして表すと、その配合量比[(mTiO2+mR1)/mALK]は、約4/1〜8/1の範囲に調整するのがよい。この範囲からはずれると、TiO6八面体構造の生成効率が悪くなる。
原料調製において、R1 (但し、Caを除く)金属酸化物として2種以上の酸化物、例えば酸化亜鉛(ZnO)と酸化マグネシウム(MgO)を複合使用する場合は、製品粉末として、TiO6八面体のTi席の一部を亜鉛イオン及びマグネシウムイオンで置換されたチタン酸化合物Aが得られる。
出発原料を温度約950〜1250℃で適当時間(例えば2Hr)保持することにより、焼成反応生成物として、層状構造を有するチタン酸カリウムR1 (但し、Caを除く)金属化合物(層間にアルカリ金属イオン配位)からなる固化物を得る。処理温度を上記範囲に規定するのは、それに満たない低温域では、焼成反応を効率よく生起させることができず、他方これを超える高温処理では、処理物の溶融をきたすからである。
一次焼成反応生成物(固化物)を十分量の水(固化物重量の約100倍量)に浸漬し、これに酸溶液、例えば、硫酸,塩酸,酢酸等を適量添加し攪拌下に、結晶層間のアルカリ金属イオンの全量を溶出させる。
上記アルカリ金属イオン溶出処理と併行し又は溶出処理の後、湿式粉砕処理を施す。該固化物はアルカリ金属イオンの溶出に伴ってある程度の粉化を生じるが、それだけでは製品粉末として必要な扁平状粒子に粉化させることができない。その扁平形状(平均大きさ及び厚さ)は湿式粉砕処理により調節される。湿式粉砕処理は、例えば家庭用ミキサー等を使用して行なうことができる。このほか乳化分散機,湿式ボールミル等を使用して行なうこともできる。湿式粉砕における媒質は、水,酸水溶液,有機溶媒,アルコール等を使用でき、媒質の量は、固化物処理量の約20〜250倍(重量)としてよい。
湿式粉砕処理の後、液中から粉砕物を回収し脱水したうえ、乾燥(例えば約100℃に約24Hr保持)することにより、水和チタン酸化合物の扁平状粒子からなる粉末を得る。
上記水和チタン酸化合物の粉末を、約400〜600℃に適当時間保持(例えば2Hr)することにより結晶構造を変換する。処理温度を約400℃以上とするのは、構造変換を効率よく進めるためであり、約600℃を上限とするのは、これを超えると、アナターゼ相以外の結晶相が析出し目的とする複合化合物の収率が低下するからである。
この焼成処理によりチタン酸化合物Aの扁平状粒子からなる粉末を得る。
[原料調製]〜[水和チタン酸化合物粉末の収得]
前記チタン酸化合物Aの製造工程における「原料の調整」「一次焼成処理」「アルカリ金属イオン溶出処理」「湿式粉砕処理」及び「乾燥処理」と同じ処理工程を経て水和チタン酸化合物(乾燥粉末)を得る。
上記乾燥粉末(水和チタン酸化合物)を、適当量の水(粉末重量の約100倍量)に浸漬する。これにR2金属塩(硫酸塩,塩酸塩,硝酸塩等)の溶液を適量添加し、緩和な攪拌条件下に適当時間保持することにより、水和チタン酸化合物の結晶層間にR2金属イオンを導入する。
上記処理液から粉末を回収し、脱水後、乾燥(約300℃に約24Hr保持)して、チタン酸層間化合物であるチタン酸化合物Bの扁平状粒子からなる粉末を得る。
[原料の調整]
前記チタン酸化合物Aの製造工程における「原料の調整」「一次焼成処理」「アルカリ金属イオン溶出処理」「湿式粉砕処理」及び「乾燥処理」と同じ処理工程を経て水和チタン酸化合物の乾燥粉末を得る。但し出発原料の調製には「R1金属酸化物」に代え「M金属酸化物」の1種ないし2種以上を使用。
上記水和チタン酸化合物粉末に、M金属酸化物の粉末を加え均一に混合して原料を調製する。混合するM金属酸化物のM元素は、該乾燥粉末(水和チタン酸化合物)のM元素と同種の元素である。
・Mが1価金属で、目的物がM2TiO3の場合:mHTIO/mM=1/1.5〜1/1.75
・Mが2価金属で、
目的物がM2TiO4の場合:mHTIO/mM=1/2.5〜1/3.25
目的物がMTiO3の場合:mHTIO/mM=1/1〜1/1.5
目的物がMTi2O5の場合:mHTIO/mM=1/0.25〜1/0.625
・Mが3価金属で、目的物がM2TiO5の場合:mHTIO/mM=1/0.5〜1/1.25
上記粉末混合物を、900〜1300℃の温度域に適当時間(例えば2Hr)保持する。処理温度がこれに満たないと、構造変換の反応を効率よく進めることが困難となり、他方これを超える高温域では、組成により反応物の溶融をきたす場合があるからである。
この焼成処理により反応生成物として、MTinO2n+m/2(チタン酸M金属化合物)の扁平状粒子からなるチタン酸化合物Cの粉末を得る。
[原料の調整]〜[水和チタン酸化合物粉末の収得]
前記チタン酸化合物Aの製造工程における「原料の調整」「一次焼成処理」「アルカリ金属イオン溶出処理」「湿式粉砕処理」及び「乾燥処理」と同じ処理工程を経て水和チタン酸化合物の乾燥粉末を得る。但し出発原料の調整には、「R1金属酸化物」に代え、「M金属酸化物」の1種ないし2種以上を使用。
上記乾燥粉末(水和チタン酸化合物)を焼成処理に付して結晶構造を変換する。処理温度は被処理物の組成により異なるので、一概に規定できないが、約700〜900℃の温度域に適当時間(例えば2Hr)保持することにより達成される。
この焼成処理により、MTinO2n+m/2(チタン酸M金属化合物)結晶相とチタニア結晶相(アナターゼ型又はルチル型)とが結合した扁平状粒子からなるチタン酸化合物Dの粉末を得る。
[原料調製]〜[水和チタン酸化合物粉末の収得]
前記チタン酸化合物Aの製造工程における「原料の調整」「一次焼成処理」「アルカリ金属イオン溶出処理」「湿式粉砕処理」及び「乾燥処理」と同じ処理工程を経て水和チタン酸化合物(乾燥粉末)を得る。但し出発原料の調製には、「R1金属酸化物」に代え、「M金属酸化物」の1種ないし2種以上を使用。
上記乾燥粉末(水和チタン酸化合物)を、適当量の水(粉末重量の約100倍量)に浸漬する。これにM金属塩(硫酸塩,塩酸塩,硝酸塩等)の溶液を適量添加し、緩和な攪拌条件下に適当時間保持することにより、水和チタン酸化合物の結晶層間にM金属イオンを導入する。層間に導入されるM金属イオンの元素種は、水和チタン酸化合物のM金属と同種又は異種であり、製造しようとするチタン酸化合物Eの組成に応じて選択される。
上記処理の後、液中から粉末を回収し、脱水、乾燥(約300℃に約24Hr保持)して、結晶層間にM金属イオンが導入されたチタン酸層間化合物の粉末を得る。
[二次焼成処理]
上記チタン酸層間化合物に、結晶構造を変換するための焼成処理を施す。処理温度は、化合物の組成により異なるので一概に規定できないが、約900〜1300℃に適当時間(例えば2Hr)保持することにより達成される。
この焼成処理により、2種以上のチタン酸化合物の結晶相が結合した複合化合物の扁平状粒子からなるチタン酸化合物Eの粉末を得る。
[原料調製]〜[水和チタン酸化合物粉末の収得]
前記チタン酸化合物Aの製造工程における「原料の調整」「一次焼成処理」「アルカリ金属イオン溶出処理」「湿式粉砕処理」及び「乾燥処理」と同じ処理工程を経て水和チタン酸化合物(乾燥粉末)を得る。但し出発原料の調製には、「R1金属酸化物」に代えて、「M金属酸化物」の1種ないし2種以上を使用。
上記乾燥粉末(水和チタン酸化合物)に、M金属イオン導入処理を施し、結晶層間にM金属イオンが導入されたチタン酸層間化合物を得る。金属イオン導入処理は、前記チタン酸化合物Eの製造工程におけるそれと同様の処理条件により行なえばよい。
上記処理液から粉末を回収し、脱水、乾燥(約300℃に約24Hr保持)することにより、結晶層間にM金属イオンが導入されたチタン酸層間化合物の粉末を得る。
[焼成処理]
上記チタン酸層間化合物に、結晶構造を変換するための焼成処理を施す。処理温度は、化合物の組成により異なるので一概に規定できないが、約900〜1300℃に適当時間(例えば2Hr)保持することにより達成される。
焼成処理により、2種以上のチタン酸化合物の結晶相とチタニア結晶相(アナターゼ型又はルチル型)とが結合した複合化合物(チタニア結晶相は、出発原料に配合された酸化チタンの過剰分が未反応残留分として析出することにより生成)の扁平状粒子からなるチタン酸化合物Fの粉末を得る。
(1)原料調製
酸化チタン(TiO2),炭酸カリウム(K2CO2)及び酸化亜鉛(ZnO)の各粉末を、60/25/15(重量比)(≒4/1/1,モル比)の割合(重量比)で均一に混合する。
(2)焼成処理
上記粉末混合物をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で1100℃に2Hr保持し、焼成反応生成物である層状結晶構造を有するチタン酸カリウム亜鉛の固化物を得る。
上記固化物を、水(固化物重量の100倍量)に浸漬し、これに工業用硫酸を加えプロペラ攪拌下に5Hrを要して、結晶層間のカリウムイオンの全量を溶出させる。ついで家庭用ミキサーにより10分間を要して粉砕処理する。
(4)乾燥処理
粉砕物を液中から回収し、100℃に2Hr保持する。
得られる乾燥物は、H0.8Zn0.4Ti1.6O4・nH2Oで表される水和チタン酸化合物の粒子からなる粉末である。
上記チタン酸化合物粉末をアルミナるつぼに入れ、500℃に2Hr保持する。
焼成反応生成物として、アナターゼ結晶を形成するTiO6八面体のTiの一部が亜鉛イオンで置換されたアナターゼ型結晶相を有するチタン酸亜鉛化合物の粒子からなる粉末を得た。
この粉末は、平均大きさ:約5μm,平均厚さ:約0.5μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料
実施例1の工程(4)で得られた乾燥粉末(水和チタン酸化合物H0.8Zn0.4Ti1.6O4・nH2Oの粒子)を使用。
(2)金属イオン導入処理
上記乾燥粉末を水(乾燥粉末重量の100倍量)に浸漬し、これに2mol/Lの硝酸亜鉛溶液を加え、緩和な攪拌流下に1Hrを要して亜鉛イオンを導入する。
上記液中から粉末を回収し、脱水後、300℃に24Hr保持する。
得られた粉末は、TiO6八面体のTi席の一部が亜鉛イオンで置換され、その結晶層間に亜鉛イオンが存在するチタン酸亜鉛層間化合物の粒子からなる粉末である。
この粉末は、平均大きさ:約5μm,平均厚さ:約0.5μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料
実施例1の工程(4)で得られた乾燥粉末((水和チタン酸化合物H0.8Zn0.4Ti1.6O4・nH2Oの粒子)を使用。
(2)金属イオン導入処理
上記乾燥粉末を水(100倍量,重量)に浸漬し、これに2mol/Lの硝酸リチウム溶液を加え、緩和な攪拌流下に1Hrを要してリチウムイオンを導入する。
上記液中から粉末を回収し、脱水後、300℃に24Hr保持する。
得られた粉末は、TiO6八面体のTi席の一部が亜鉛イオンで置換され、その結晶層間にリチウムイオンが存在するチタン酸リチウム亜鉛層間化合物の粒子からなる粉末である。
この粉末は、平均大きさ:約5μm,平均厚さ:約0.5μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料調製
酸化チタン(TiO2),炭酸カリウム(K2CO2)及び水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)の各粉末を、62/27/11(重量比)(≒4/1/1,モル比)の割合で均一に混合する。
(2)焼成処理
上記粉末混合物をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で1100℃に2Hr保持し、焼成反応生成物として、層状結晶構造を有するチタン酸カリウムマグネシウムの固化物を得る。
上記固化物を、水(固化物重量の100倍量)に浸漬し、これに工業用硫酸を加えプロペラ攪拌下に5Hrを要して、結晶層間に存在するカリウムイオンの全量を溶出させる。ついで家庭用ミキサーにより10分間を要して粉砕処理する。
粉砕物を液中から回収し、100℃に2Hr保持する。
乾燥粉末として、H0.8Mg0.4Ti1.6O4・nH2Oで表される水和チタン酸化合物の粒子からなる粉末を得る。
(5)金属イオン導入処理
上記乾燥粉末を、水(100倍量,重量)に浸漬し、これに2mol/Lの硝酸銅溶液を加え、緩和な攪拌流下に1Hrを要して銅イオンを導入する。
上記処理液から粉末を回収し、脱水後、300℃に24Hr保持する。
得られた粉末は、TiO6八面体のTi席の一部がマグネシウムイオンで置換され、その結晶層間に銅イオンが存在するチタン酸銅マグネシウム層間化合物の粒子からなる粉末である。
この粉末は、平均大きさ:約6μm,平均厚さ:約0.8μmの扁平形状を有する水色粒子である。
(1)原料の調合
実施例1の工程(4)で得られた乾燥粉末(水和チタン酸化合物H0.8Zn0.4Ti1.6O4・nH2Oの粒子)と酸化亜鉛(ZnO)粉末とを、48/52の割合(重量比)で均一に混合する。
(2)焼成処理
上記粉末混合物をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で1100℃に2Hr保持する。焼成反応生成物として、チタン酸亜鉛(Zn2TiO4)の粒子からなる粉末を得た。
この粉末は、平均大きさ:約6μm,平均厚さ:約0.7μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料
実施例1の工程(4)で得られた乾燥粉末(水和チタン酸化合物H0.8Zn0.4Ti1.6O4・nH2Oの粒子)を使用。
(2)焼成処理
上記乾燥粉末をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で800℃に2Hr保持する。
焼成反応生成物として、チタン酸亜鉛(ZnTiO3)結晶相とチタニア(TiO2,アナターゼ)結晶相とが結合したチタニア複合チタン酸亜鉛化合物の粒子からなる粉末を得た。
この粉末は、平均大きさ:約5μm,平均厚さ:約0.5μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料
実施例2で得られたチタン酸亜鉛層間化合物(チタン酸化合物B)の粉末を使用。
上記粉末をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で900℃に2Hr保持する。
焼成反応生成物として、チタン酸亜鉛(ZnTiO3)結晶相とチタン酸亜鉛(Zn2TiO4)結晶相とが結合した複合チタン酸化合物の粒子からなる粉末を得た。
この粉末は、平均大きさ:約6μm,平均厚さ:約0.7μmの扁平形状を有する白色粒子である。
(1)原料
実施例3で得られたチタン酸亜鉛層間化合物(チタン酸化合物B)の粉末を使用。
上記粉末をアルミナるつぼに入れ、電気炉内で1100℃に2Hr保持する。
焼成反応生成物として、チタン酸亜鉛(Zn2TiO4)結晶相、チタン酸リチウム(Li2TiO3)結晶相およびチタニア(TiO2,ルチル型)結晶相が結合したチタニア複合チタン酸化合物の粒子からなる粉末を得た。
このものは、平均大きさ:約7μm,平均厚さ:約0.8μmの扁平形状を有する白色粒子である。
チタン酸化合物の扁平状粒子からなる粉末<1>,<2>又は<3>を顔料とし、下記組成を有する化粧料(パウダーファンデーション)<1>,<2>及び<3>を調製する。
[顔料]
・チタン酸化合物粉末<1>
剤種:チタン酸亜鉛(Zn2TiO4)粉末(実施例5による)
扁平形状:平均大きさ5μm,厚さ0.7μm
・チタン酸化合物粉末<2>
剤種:チタニア複合チタン酸化合物(ZnTiO3−TiO2)
・粉末(実施例6による)
扁平形状:平均大きさ5μm,厚さ0.5μm
・チタン酸化合物粉末<3>
剤種:複合チタン酸化合物(ZnTiO3−Zn2TiO4)
・粉末(実施例7による)
扁平形状:平均大きさ6μm,厚さ0.7μm
(1)(チタン酸化合物A)
TiO6八面体の4稜共有の連鎖からなるアナターゼ型結晶形態を有し、Ti席の一部が、前記R1 (但し、Caを除く)元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンで置換されたチタン酸化合物の粒子からなる粉末。該粒子は、平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平形状を有する。
(2)R1元素が亜鉛であるチタン酸亜鉛化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(3)R1元素が銅であるチタン酸銅化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(4)R1元素がマグネシウムであるチタン酸マグネシウム化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(5)R1元素が鉄であるチタン酸鉄化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(6)R1元素がアルミニウムであるチタン酸アルミニウム化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(7)R1元素がリチウムであるチタン酸リチウム化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
(8)R1元素が亜鉛及び銅であるチタン酸亜鉛銅化合物の扁平状粒子からなる上記1項の粉末。
TiO6八面体の連鎖による層状結晶構造を有し、Ti席の一部が前記R1元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンで置換され、結晶層間に前記R1元素群から選ばれる1種ないし2種以上の金属イオンが配位したチタン酸層間化合物の粒子からなる粉末。該粒子は、平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平形状を有する。
(10)R1元素が亜鉛、R2元素が亜鉛であるチタン酸亜鉛層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(11)R1元素が亜鉛、R2元素が銅であるチタン酸銅亜鉛層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(12)R1元素が銅、R2元素が亜鉛であるチタン酸亜鉛銅層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(13)R1元素が亜鉛、R2元素が銀であるチタン酸銀亜鉛層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(14)R1元素が亜鉛、R2元素がリチウムであるチタン酸リチウム亜鉛層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(15)R1元素がリチウム、R2元素がリチウムであるチタン酸リチウム層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
(16)R1元素がマグネシウム、R2元素が亜鉛であるチタン酸亜鉛マグネシウム層間化合物の扁平状粒子からなる上記9項の粉末。
MTinO2n+m/2[M、n及びmは前記と同義]で示されるチタン酸化合物の粒子からなる粉末であり、該粒子は平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平形状を有する。
(18)Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
(19)Mがリチウムであるチタン酸リチウム化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
(20)Mがマグネシウムであるチタン酸マグネシウム化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
(21)Mがアルミニウムであるチタン酸アルミニウム化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
(22)Mが鉄であるチタン酸鉄化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
(23)Mが銅であるチタン酸銅化合物の扁平状粒子からなる上記17項の粉末。
MTinO2n+m/2[M、n及びmは前記と同義]で示されるチタン酸化合物の結晶相と、チタニア結晶相とが結合したチタニア複合チタン酸化合物の粒子からなる粉末であり、該粒子は平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmでの扁平形状を有する。
(25)Mが亜鉛であるチタニア複合チタン酸亜鉛化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
(26)Mがリチウムであるチタニア複合チタン酸リチウム化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
(27)Mがマグネシウムであるチタニア複合チタン酸マグネシウム化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
(28)Mがアルミニウムであるチタニア複合チタン酸アルミニウム化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
(29)Mが鉄であるチタニア複合チタン酸鉄化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
(30)Mが銅であるチタニア複合チタン酸銅化合物の扁平状粒子からなる上記24項の粉末。
MTinO2n+m/2[M、n及びmは前記と同義]で示されるチタン酸化合物の2種以上の結晶相が結合した複合チタン酸化合物の粒子からなる粉末であり、該粒子は平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmでの扁平形状を有する。
(32)Mが亜鉛である2種のチタン酸亜鉛の結晶相(例:ZnTiO3とZn2TiO4)が結合した複合チタン酸亜鉛化合物の扁平状粒子からなる上記31項の粉末。
(33)Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛結晶相と、Mがリチウムであるチタン酸リチウム結晶相とが結合した複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記31項の粉末。
(34)Mがマグネシウムであるチタン酸マグネシウムの結晶相と、Mがリチウムであるチタン酸リチウム結晶相とが結合した複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記31項の粉末。
(35)Mがマグネシウムであるチタン酸マグネシウムの結晶相と、Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛の結晶相とが結合した複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記31項の粉末。
MTinO2n+m/2[M、n及びmは前記と同義]で示されるチタン酸化合物の2種以上と、チタニア結晶とが結合したチタニア複合チタン酸化合物の粒子からなる粉末であり、該粒子は平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平形状を有している。
(37)Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛の結晶相と、Mが銅であるチタン酸銅の結晶相と、チタニア結晶とが結合したチタニア複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記36項の粉末。
(38)Mが亜鉛である2種のチタン酸亜鉛の結晶相(例えばZnTiO3とZn2TiO4)とチタニア結晶相が結合したチタニア複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記36項の粉末。
(39)Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛の結晶相と、Mがリチウムであるチタン酸リチウム結晶相とチタニア結晶とが結合したチタニア複合チタン酸の扁平状粒子からなる上記36項の粉末。
(40)Mがマグネシウムであるチタン酸マグネシウムの結晶相と、Mがリチウムであるチタン酸リチウムの結晶相と、チタニア結晶とが結合したチタニア複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記36項の粉末。
(41)Mがマグネシウムであるチタン酸マグネシウムの結晶相と、Mが亜鉛であるチタン酸亜鉛の結晶相と、チタニア結晶とが結合したチタニア複合チタン酸化合物の扁平状粒子からなる上記36項の粉末。
(42)上記1〜41項に記載のチタン酸化合物粉末のいずれか1種ないし2種以上の粉末を配合されてなる化粧料。
Claims (4)
- TiO6八面体の4稜共有の連鎖からなるアナターゼ型結晶形態を有し、Ti席の一部が、Li,Mg,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属イオンの1種ないし2種以上で置換されたチタン酸化合物粉末であって、アルカリ金属イオン溶出処理と併行し又は溶出処理の後に行う原料粉末の粉砕処理を湿式粉砕処理で行うことにより、平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平状粒子とすることを特徴としたチタン酸化合物粉末。
- 請求項1に記載のチタン酸化合物粉末の1種ないし2種以上を顔料として配合してなる化粧料。
- 請求項1に記載のチタン酸化合物粉末の1種ないし2種以上を配合してなる塗料組成物。
- 原料粉末を、一次焼成処理した後アルカリ金属イオン溶出処理を行ない、該アルカリ金属イオン溶出処理と併行して又は溶出処理の後に粉砕処理を行ない、さらに乾燥処理及び二次焼成処理することにより、結晶形態がTiO 6 八面体の4稜共有の連鎖からなるアナターゼ型結晶形態であって、Ti席の一部が、Li,Mg,Zn,Ni,Cu,Fe,Alから選ばれる金属イオンの1種ないし2種以上で置換されたチタン酸化合物粉末を製造する方法において、
前記粉砕処理を、湿式粉砕処理で行うことにより、平均大きさ:1〜30μm,平均厚さ:0.05〜3μmの扁平状粒子からなるチタン酸化合物粉末を製造する方法。
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