JP5533213B2 - 振動片、振動子及び発振器 - Google Patents
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Description
しかしながら、上記振動片は、実施例の平面視(特許文献1の図1参照)において、錘部の開始点である錘部と腕部(振動腕の本体部分)との結合部が鋭角に形成されていると共に、溝部における錘部側の端部が角張って形成されている。
これらにより、上記振動片は、衝撃時において、錘部と腕部との結合部及び溝部における錘部側の端部に応力集中が発生し、上記各部分から破損する虞がある。
この結果、振動片は、衝撃時に錘部と腕部との結合部及び溝部における錘部側の端部に応力集中が発生し難い(応力集中が緩和される)ことから、応力集中による上記部分の破損を低減することが可能となる。
したがって、振動片は、耐衝撃特性を向上させることができる。
また、振動片は、錘部が先端側から基部側へ向かうに連れて、側面の段差により幅が狭くなる狭幅部を有しているため、狭幅部がない場合と比較して、錘部(狭幅部)と腕部との幅の差を小さくできることから、結合部の曲線の曲率を大きくすることが容易となる。 したがって、振動片は、結合部に、より応力集中を発生し難くさせる(より応力集中を緩和させる)ことができる。
この結果、振動片は、結合部の曲線形状と溝部の端部の曲線形状との相乗効果によって、結合部周辺の応力集中がさらに発生し難い(応力集中が緩和される)ことから、応力集中に伴う上記部分の破損をさらに低減することが可能となる。
加えて、振動片は、上記溝部の端部が結合部にかかるように形成されていることから、上記溝部の端部が結合部を越えて錘部にかかる場合の錘部の慣性質量の減少によるQ値(振動の状態を現す無次元数であって、この値が大きいほど振動が安定であることを意味する)の低下と、上記溝部の端部が結合部に至らない場合(溝部の長さが短い場合)の熱弾性損失(屈曲振動する振動片の圧縮部と伸張部との間で発生する熱伝導により生じる振動エネルギーの損失)の増加と、を最も効率的に回避できる。
図1は、第1の実施形態の振動片の概略構成を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。そして、図2は、図1(a)のB部拡大図である。
振動腕11は、基部10側に位置する腕部13と、腕部13より先端側に位置し腕部13より幅が広い錘部14と、互いに対向する両方の主面15,16に、振動腕11の長手方向(振動腕11の延びる方向)に沿って形成され、一対の振動腕11の並ぶ方向に沿って切断した振動腕11の断面形状(A−A線での断面形状)が、略H字状となる溝部17と、を有している。
なお、側面の段差14aは、平面視において、幅の広い先端側と狭幅部14bとを傾斜した直線で繋ぐように形成されているが、この直線に代えて曲線(例えば、円弧状の曲線)で形成されていてもよい。
それと共に、水晶振動片1は、平面視において、溝部17における錘部14側の端部17aの、溝部17の長手方向に延びる長辺17bと長辺17bに対して交差する方向(ここでは、略直交する方向)に延びる短辺17cとの接続部17dが、角張らないように曲線(例えば、円弧状の曲線)で形成されている。
なお、短辺17cは、ここでは直線で表されているが、短辺17cより基部10側に中心が位置する円弧状の曲線でもよく、両方の接続部17dの曲線の曲率によっては、長さが略0となってもよい。
また、上記各曲線は、異なる曲率の複数の円弧や、スプライン曲線から構成されていてもよい。
換言すれば、錘部14側の端部17aは、短辺17cが結合部18の範囲L(振動腕11の延びる方向における、結合部18を形成する曲線の始点から終点までの範囲)内に位置するように形成されている。
これにより、結合部18を形成する曲線の曲率は、狭幅部14bの幅W1と腕部13の幅W2との差が大きい場合、つまり狭幅部14bが形成されない場合と比較して、結合部18の範囲Lが同じであれば大きくなる。
また、水晶振動片1は、振動腕11に錘部14が形成されていることで、錘部14の慣性質量の増加によるQ値の向上効果により、例えば、Q値を維持しながら振動腕を短くすることができる。つまり、水晶振動片1は、錘部14によってQ値を維持しつつ、小型化を図ることができる。
加えて、水晶振動片1は、基部10に一対の切り欠き部12を有することで、振動腕11の屈曲振動に伴う基部10の振動を吸収し、外部への振動漏れを低減することができる。
それと共に、水晶振動片1は、平面視において、溝部17における錘部14側の端部17aの、溝部17の長手方向に延びる長辺17bと、長辺17bに対して交差する方向に延びる短辺17cとの接続部17dが、角張らないように曲線で形成されている。
したがって、水晶振動片1は、耐衝撃特性を向上させることができる。
これにより、結合部18を形成する曲線の曲率は、狭幅部14bの幅W1と腕部13の幅W2との差が大きい場合、つまり狭幅部14bが形成されない場合と比較して、結合部18の範囲Lが同じであれば大きくなる。
この結果、水晶振動片1は、結合部18に、より応力集中を発生し難くさせる(より応力集中を緩和させる)ことができる。
ここで、第1の実施形態の変形例について説明する。
図3は、変形例の振動片の概略構成を示す模式平面図である。なお、第1の実施形態との共通部分については、同一符号を付して詳細な説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
そして、水晶振動片2は、一対の振動腕11において、腕部13同士が対向する側の、腕部13の側面と錘部114の側面とが、狭幅部114bの側面を含めて段差の無い一体化された平面状に形成されている。
これにより、結合部18は、腕部13と錘部114との、腕部13同士が対向する側の反対側のみに形成されることになる。
次に、第2の実施形態として、上記で説明した水晶振動片を備えた振動子について説明する。
図4は、第2の実施形態の振動子の概略構成を示す模式図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は、図4(a)のE−E線での断面図である。
パッケージ80は、パッケージベース81、シームリング82、蓋体85などから構成されている。
パッケージベース81は、水晶振動片1を収容できるように凹部が形成され、その凹部に水晶振動片1の図示しないマウント電極と接続される接続パッド88が設けられている。
接続パッド88は、パッケージベース81内の配線に接続され、パッケージベース81の外周部に設けられた外部接続端子83と導通可能に構成されている。
水晶振動片1は、パッケージベース81の接続パッド88に導電性接着剤84を介して接着固定されている。そして、パッケージ80は、パッケージベース81の凹部を覆う蓋体85とシームリング82とがシーム溶接されている。
パッケージベース81の貫通穴86には、金属材料などからなる封止材87が充填されている。この封止材87は、減圧雰囲気内で溶融後固化され、パッケージベース81内が減圧状態を保持できるように、貫通穴86を気密に封止している。
水晶振動子5は、外部接続端子83を介した外部からの駆動信号により水晶振動片1が励振され、所定の周波数(例えば、32kHz)で発振(共振)する。
なお、水晶振動子5は、水晶振動片1に代えて水晶振動片2を用いても、同様の効果を奏することができる。
次に、第3の実施形態として、上記で説明した水晶振動片を備えた発振器について説明する。
図5は、第3の実施形態の発振器の概略構成を示す模式図であり、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のF−F線での断面図である。
図5に示すように、水晶発振器6は、第1の実施形態の水晶振動片1と、水晶振動片1を発振させる発振回路を有する回路素子としてのICチップ91と、水晶振動片1及びICチップ91を収容するパッケージ80と、を備えている。
ICチップ91は、パッケージベース81の底部に固着され、Au、Alなどの金属ワイヤー92により他の配線と接続されている。
水晶発振器6は、ICチップ91の発振回路からの駆動信号により水晶振動片1が励振され、所定の周波数(例えば、32kHz)で発振(共振)する。
なお、水晶発振器6は、水晶振動片1に代えて水晶振動片2を用いても、同様の効果を奏することができる。
また、水晶振動片1,2の振動腕11の数は、2本としたが、これに限定するものではなく、1本、または3本以上でもよい。
また、一対の切り欠き部12は、なくてもよい。
また、水晶振動片1,2は、基部10から延びる外部接続用の保持腕を備えていてもよい。
また、溝部17における錘部14,114側の端部17aは、結合部18に至らなくてもよい(短辺17cが結合部18の範囲Lより基部10側に位置していてもよい)。
また、腕部13と基部10との結合部は、錘部14,114と腕部13との結合部18と同様に、腕部13の幅が基部10に近づくに連れて広がるように曲線で形成されていることが好ましいが、この形状に限定するものではなく、直線でテーパー状に形成されていてもよい。
Claims (5)
- 基部と、
前記基部から延出している少なくとも1本の振動腕と、
を含み、
前記振動腕は、平面視で、
腕部と、
前記腕部の前記基部側とは反対側の先端側に位置し、前記腕部より前記延出方向と交差する方向に沿った幅が広い錘部と、
互いに表裏の関係にある第1の主面および第2の主面の少なくとも一方に、前記延出方向に沿って設けられている溝部と、
を含み、
平面視において、前記腕部の前記錘部との結合部の外縁が、前記腕部の前記交差する方向に沿った幅が前記錘部に近づくに連れて広がるように曲線であり、
且つ、平面視において、前記溝部における前記錘部側の端部の、前記延出方向に沿った長辺と前記交差する方向に沿った短辺との接続部が、曲線であり、
前記錘部は、平面視で、
先端側の先端領域と、
前記先端領域と前記腕部との間に配置され、前記先端領域よりも前記交差する方向に沿った幅が狭い狭幅部と、
を含み、
前記先端領域の前記交差する方向に沿った幅をW0、
前記狭幅部の前記交差する方向に沿った幅をW1、
前記腕部の前記交差する方向に沿った幅をW2としたとき、
W2<W1<W0
を満足していることを特徴とする振動片。 - 請求項1において、
前記溝部の前記錘部側の端部は、平面視で、前記結合部と重なっていることを特徴とする振動片。 - 請求項1または請求項2において、
前記振動腕は、前記交差する方向に沿って並んでいる複数本の振動腕からなり、音叉を構成していることを特徴とする振動片。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片と、
前記振動片が収容されているパッケージと、
を備えていることを特徴とする振動子。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片と、
回路と、
を備えていることを特徴とする発振器。
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