文書処理装置10は、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)により実現され、図1に示すように、キーボードやマウス等の入力デバイスから成る入力/操作部11、操作ガイダンスや動作状態等の各種情報を表示するLCDディスプレイ等から成る表示部12、RAMやハードディスク装置等で構成され、動作プログラム等の各種情報を記憶する記憶部13、装置全体の制御を行う制御部14、通信ネットワーク(NW)60を介して接続されたプリンタ50等の外部装置と通信する際の通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部15を備えて構成される。
制御部14は、CPU(中央処理装置)やシステム・クロック、内部キャッシュ・メモリ等によって構成され、具体的な処理機能部の1つとしてアプリケーション部141を有する。
アプリケーション部141は、入力/操作部11での利用者による所定の操作に応じて文書情報(文書ファイル)の生成、編集、保存、表示、印刷等の各種文書処理を行なう。
また、複数頁を重ねて表示している時に、後述する付箋付与処理機能部と協働して、利用者による任意の頁に対する付箋対象領域の指定を受付け、該付箋対象領域に対応する付箋を上記文書に併せ表示する付箋付与処理機能を有する。
なお、ここで言う付箋とは、通常、用紙(紙片)で実現される付箋を電子的に実現するもの(電子付箋)であり、所定形状の図形として電子文書の該当する付箋対象領域に対応して配置(表示)され、マウス・オーバ等の操作に応じて、当該付箋対象領域内の情報の説明や関連メモ書き等の情報(例えば、テキスト文字情報)を当該図形内、あるいは近傍に新たに表示される図形内に表示して内容確認する用途に供するものである。
図1に示す機能構成において、制御部141には、アプリケーション部141と協働動作する付箋付与処理機能部として、付箋対象位置取得部142、付箋生成処理部143、付箋属性取得部144、付箋配置処理部145、付箋表示制御部146、利用者データ取得部147が設けられる。
付箋対象位置取得部142は、複数頁を重ねて文書が表示されている時に、入力/操作部11を使用した利用者の指示操作によって入力される付箋の対象となる位置(付箋対象位置)のデータを取得し、付箋対象位置データとして記憶部13の該当領域に記憶、保持させる。
付箋生成処理部143は、記憶部13から付箋対象位置データを入力し(読出し)、該付箋対象位置データに対応する付箋データを生成し、該生成した付箋データを記憶部13の該当領域に記憶、保持させる。
付箋属性取得部144は、入力/操作部11から、付箋に付属する内容となる文字列等の情報や、大きさ、形状等を指示する情報を含む付箋属性データを入力し、該入力された付箋属性データを記憶部13の該当領域に記憶、保持させる。
付箋配置処理部145は、記憶部13に記憶されている付箋データに対して、配置位置、形状、大きさ、色、向き順序などのデータを算出し、該算出した各データを付箋配置データとして記憶部13の該当領域に記憶、保持させる。
利用者データ取得部147は、例えば、利用者に必要な情報を入力させるなどして該利用者に関する利用者名、会社名等の情報を取得し、利用者データとして記憶部13の該当領域に記憶、保持させる。
実施例1に係る文書処理装置10は、図1に示す如くの機能構成を有し、図2に示すフローチャートに基づく付箋付加処理を実施する。
なお、図3には、文書処理装置10(例えば、制御部14内に設けられる付箋付加処理データ管理部:不図示)が、図2に示す付箋付加処理を行うために保持、管理する各種データ(利用者データ21、付箋対象位置データ22、付箋データ23、付箋属性データ24、付箋配置データ25、リンク・データ26)のデータ構造を概念的に示している。
図2に示すように、文書処理装置10において、付箋付加処理を開始する際、制御部14は、制御部14自身(アプリケーション部141、付箋対象位置取得部142、付箋生成処理部143、付箋属性取得部144、付箋配置処理部145、付箋表示制御部146、利用者データ取得部147の各部)の他、入力/操作部11、表示部12、記憶部13を初期化する(ステップS101)。
次に、利用者データ取得部147は、利用者に必要な項目の情報を入力させるなどの方法により該利用者に関する情報(識別情報等)を取得し、利用者データとして記憶部13に記憶させる(ステップS102)。
ここで、利用者データは、例えば、図3(a)に示すように、利用者識別子、利用者名、会社名、社員番号等の情報から構成される。
なお、利用者識別子は、ステップS102において、利用者データ取得部147によって利用者毎に生成される。
また、利用者名、会社名、社員番号などは利用者によって入力される。
次に、付箋対象位置取得部142は、入力/操作部11を用いて入力される利用者の指示による付箋の対象となる位置のデータを取得し、付箋対象位置データとして記憶部13に記憶させる(ステップS103)。
ここで、付箋対象位置データは、例えば、図3(b)に示すように、付箋対象位置データ識別子、X座標、Y座標、幅および高さの各情報により構成される。
なお、付箋対象位置データ識別子は、ステップS103において、付箋対象位置取得部142によって、入力/操作部11を通して、入力された利用者の指示による付箋の対象となる位置のデータから、付箋対象位置データ毎に生成される。
なお、ここで入力される付箋対象位置の形状は矩形であることを想定し、矩形の左上頂点をその矩形の基準点とする。
X座標は、表示部12上の当該基準点の水平方向の座標を値とし、Y座標は、表示部12上の当該基準点の垂直方向の座標を値とする。
幅は、当該矩形の幅の画素単位の値をその値とする。同様に、高さは、当該矩形の高さの画素単位の値をその値とする。
また、付箋生成処理部143は、記憶部13に記憶(保持)されている付箋対象位置データを入力し、当該付箋対象位置データに対応する付箋データを生成し、生成した付箋データを記憶部13に記憶させる(ステップS104)。
ここで、付箋データは、例えば、図3(c)に示すように、付箋データ識別子、利用者入力識別子、付箋対象位置データ識別子、付箋属性データ識別子、付箋配置データ識別子から構成される。
付箋データ識別子は、付箋生成ステップS104において、付箋生成処理部143によって、記憶部13から入力された付箋対象位置データに対応する付箋データ毎に生成される。
なお、付箋属性データ識別子は、図3(d)に示す付箋属性データを識別する情報であり、付箋配置データ識別子は、図3(e)に示す付箋配置データを識別する情報である。これら各データの構成については後で詳述する。
また、付箋属性取得部144は、入力/操作部11を用いて利用者が入力する、付箋に付属する内容となる文字列などの付箋属性データを取込み、該付箋属性データを記憶部13に記憶させる(ステップS105)。
ここで、付箋属性データは、例えば、図3(d)に示すように、付箋属性データ識別子、内容(例えば、文字列)、色、形状、生成日時、リンク識別子の各データから構成される。
付箋属性データ識別子は、付箋属性ステップS105において、付箋属性取得部144によって、入力/操作部11から利用者によって入力された付箋に付属する内容(付箋の内容)となる文字列などのデータに応じて付箋属性データ毎に生成される。
ここで、付箋の対象となる領域(付箋対象領域)とこれとは離れた位置に表示される付箋とを繋ぐものとして、描画時に視覚的に利用者にフィードバックを与える図形(付箋と共に表示される図形)をリンク(リンク情報:図9のリンク線43参照)と呼ぶことにする。
このリンク情報を識別するリンク識別子は、付箋属性取得ステップS105において、リンク毎に生成される。
付箋属性データ中の色は、付箋の対象となる領域の表示色を意味する。
付箋属性データ中の形状は、付箋の対象となる領域の形状を意味する。
この例では、付箋の対象となる領域の形状として、付箋と同様、矩形を設定する。
次に、付箋配置処理部145は、上記付箋生成ステップS104にて付箋生成処理部143により生成されて記憶部13に保持されている付箋データに対して、上記付箋属性取得ステップS105にて付箋属性取得部144が取込み、記憶している付箋属性データに基づいて配置位置、形状、大きさ、色、向き、順序などのデータを算出し、それらのデータを付箋配置データとして記憶部13に記憶させる(ステップS106)。
ここで、付箋配置データは、例えば、図3(e)に示すように、付箋配置データ識別子、X座標、Y座標、幅、高さ、色、向き、順序の各データから構成される。
付箋配置データ識別子は、付箋配置ステップS106において、付箋配置処理部145によって付箋配置データ毎に生成される。
更に、付箋表示制御部146は、記憶部13から付箋配置データを入力し、図形的な付箋データを構成し、構成した図形的な付箋データを表示部12に表示する(ステップS107)。
図4は、図2における付箋配置ステップS106の詳しい処理動作を示すフローチャートである。
図4に示す付箋配置処理の開始に際し、付箋配置処理部145は、付箋配置データを生成し保持するために、記憶部13の該当記憶領域の確保、初期化などの処理を行う(ステップS61)。
上記初期化ステップS61の完了後、付箋配置処理部145は、付箋配置データ(それ以前、図2の付箋対象位置取得ステップS103での付箋対象位置データの取得により付箋生成ステップS104で生成された付箋データに対応する付箋配置データ)を生成するために、まず、当該付箋配置データを識別する付箋配置データ識別子の生成を行ない、該生成した付属配置データ識別子を記憶部13の付箋配置データ〔図3(e)参照〕に記憶させる。
次いで、付箋配置処理部145は、記憶部13に保持されている付箋データ〔図3(c)参照〕を取得する(ステップS62)。
ここではまず、付箋データ識別子を取得し、該取得した付箋データ識別子に対応する付箋データを特定し、続いて、利用者入力識別子を取得する。
次いで、付箋配置処理部145は、取得した利用者入力識別子に対応する利用者入力データ〔図3(a)参照〕を記憶部13から取得する(ステップS63)。
ここで、取得した利用者入力識別子ほかの利用者入力データ(利用者名、会社名、社員番号)は、以後の処理で、特に、利用者毎の付箋を選択するために利用される。
特に、付箋配置処理部145は、利用者入力識別子に応じた色を付箋配置データの色の初期値として設定することができる。
例えば、利用者識別子がUSER001である利用者に対応した色として、色をいわゆるRGBの16進表示を並べた文字列として構成した値のFF0000として設定することができる。ここで、FF0000は赤を表す。
上記ステップS63にて決定された色データは、記憶部13に出力され、上記ステップ62で生成した付箋配置データ識別子を有する付箋配置データ〔図3(e)参照〕内の色データとして記憶される。
次に、付箋配置処理部145は、付箋の形状を決定し(ここでは、例えば、付箋の形状として既定の矩形を設定する)、該決定した付箋の形状データを記憶部13に記憶させる(ステップS64)。
次に、付箋配置処理部145は、付箋の大きさを決定し、該決定した大きさ(付箋の幅および高さ)の値を付箋配置データの幅および高さのデータとして記憶部13に記憶させる(ステップS65)。
ここで、付箋の大きさは、形状決定ステップS64で設定された形状に応じた規定の幅および高さを設定する。
幅および高さの値は、初期値として所定の幅および高さの値を設定することができる。例えば、大きさ1の矩形として、幅50画素、高さ20画素を記憶部13に予め保持することができる。また、大きさ2の矩形として、幅60画素、高さ40画素を記憶部13に予め保持することができる。
ここで、幅および高さは、効率的な付箋の利用のために、特に、空間的な領域の有効利用のために、付箋の対象となる領域よりも小さい矩形を表現するための幅と高さ(上下間隔)とすることができる。
つまり、付箋対象位置データの幅および高さよりも小さい値の幅と高さの値を付箋配置データの幅および高さとして設定することができる。
上記大きさ算出ステップS65の後、付箋配置処理部145は、付箋の位置を決定し、決定した付箋の基準点位置の値を付箋配置データ〔図3(e)参照〕のX座標およびY座標のデータとして記憶部13に記憶させる(ステップS66)。
この配置位置算出ステップS66に続いて、付箋配置処理部145は、付箋の順序を決定し、該決定した付箋の順序の値を付箋配置データの順序データとして記憶部13に記憶させる(ステップS67)。
この順序算出ステップに続き、付箋配置処理部145は、付箋の向きを決定し、該決定した付箋の向きの値を付箋配置データの向きデータとして記憶部13に記憶させる(ステップS68)。
更に、向き決定ステップS68の後、付箋配置処理部145は、リンクを設定し、該設定したリンクのデータ〔図3(f)参照〕を記憶部13に記憶させる(ステップS69)。
図4に示す一連の付箋配置処理中、配置位置算出ステップS66において、付箋配置処理部145は、頁毎に描画された文書画像に基づき、該文書画像の表示領域外に付箋の基準点の位置、すなわちX座標およびY座標を決定することができる。
この配置位置算出処理に当たり、付箋付与対象の文書画像の表示領域の考え方について図5を参照して説明する。
図5は、アプリケーション部141により表示部12に複数頁重ねて表示される文書の1頁分のx−y2次平面上の表示領域を示す概念図である。
図5において、座標(x0,y0)、(x3,y0)、(x3,y3)、(x0,y3)で囲まれる文書1頁領域中の文書画像のテキスト領域の高さを(y2−y1)とし、上部マージンの高さと下部マージンの高さを、それぞれ、(y1−y0)、(y3−y2)とする。
また、当該文書1頁領域中、文書画像のテキスト領域の幅を(x2−x1)とし、左部マージンの幅と右部マージンの幅を、それぞれ、(x1−x0)、(x3−x2)とする。
ここで、文書画像のテキスト領域(図5の斜線部)、上部マージン、下部マージン、左部マージン、右部マージンの位置および大きさは、予め利用者によって与えられるか、または、付箋配置処理部145によって記憶部13に設定するか、若しくは、従来技術を使って、付箋配置処理部145によって算出し、記憶部13に設定する。
更に、付箋配置位置の基準点の座標xi0およびyi0、並びにy方向の付箋同士の距離(yi1−yi0)を予め記憶部13に設定する。
そして、ある頁の第1番目に配置される付箋の位置は、当該x座標としてxi0が、当該y座標としてyi0が設定される。
また、当該頁の第2番目以降に配置される付箋の位置は、既に設定された付箋のx座標およびy座標に基づき算出される。
ここで、x座標は、所定の個数(例えば、20個)まで先に配置された付箋のx座標と同一とする。
これに対して、y座標は、先に配置された付箋のy座標を基準にy方向の付箋同士の距離(yi1−yi0)を加えた値をその付箋のy座標とする。
つまり、例えば、第2番目の付箋のy座標は、yi0を基準に、(yi1−yi0)を加えた値(つまり、yi1)を当該y座標とする。
3番目以降に配置される付箋のx座標およびy座標も同様に算出する。
その場合において、原則として、上の頁の付箋が下の頁の付箋に重ならないように整列させることができる。
ここで、先の同一x座標で並ぶ付箋の所定の最大個数(例えば、20個)を超えて付箋を配置する場合は、新たに配置する付箋(21個目から40個目までの付箋)のx座標は、先の20個の付箋のx座標に所定のx方向の距離を加えたx座標とする。
また、図4に詳細に示す付箋配置処理中、順序算出ステップS67において、付箋配置処理部145は、付箋の順序として、付箋データ識別子に基づいてカウントされた(数え上げられた)数を、図3(e)に示す付箋配置データの順序データの値とする。
ここで、順序データは“0(零)”から開始するものとし、付箋データ識別子のいわゆる辞書順の順番が増加する毎に一つづつ増加するものとする。
例えば、付箋データ識別子がANNOTATION001である付箋には、順序データの値が“0(零)”、付箋データの識別子がANNOTATION002である付箋には、順序データの値が“1”のように順序データが算出されるものとする。
また、図4に詳細に示す付箋配置処理中、向き決定ステップS68において、付箋配置処理部145は、付箋の向きとして、所定の各頁毎の描画される画像の位置、あるいは座標関係におけるベクトルを設定する。
例えば、x及びyの直交座標の画素単位の各x成分およびy成分に分解表示したベクトルをvector(x,y)で表記したとする時、例えば、図3(e)に示す付箋配置データとしてvector(1,0)を設定する。
この向きの値、vector(1,0)は、付箋の描画の向きとして使用する。
特には、利用者の指示による一時的な向きを変更した付箋描画の再描画の付箋の向きとして用いる。
例えば、利用者の指示により、水平方向(x軸)に対して30度傾いた付箋を一時的に描画したとき、さらに利用者の指示により、元の向きに付箋を戻すときに、付箋配置データであるvector(1,0)を用いて、元の描画すべき向きを決定し、描画する。
次に、図4に詳細に示す付箋配置処理中、リンク設定ステップS69の処理動作について図6を参照してより詳細に説明する。
なお、この説明にあたっては、本実施例の文書処理装置10では、後で詳しく述べるように(例えば、図9参照)、図2の付箋対象位置取得ステップS103で利用者により指定される付箋対象領域(40)に対応する付箋(42)を該付箋対象領域(40)から分離されたロケーション(文書画像領域外)に配置し、かつ、当該付箋対象領域(40)と付箋(42)とがリンク付けられていることが分かるように(ロケーション分離の痕跡が残るように)表示することを前提としている。
図6にその詳細を示すリンク設定ステップS69で設定されるリンクは、線(図9のリンク線43に相当)として図形的に表現されるものであることを前提とする。
そして、リンク線(43)と付箋対象領域(40)間を図形的に接続する点を第1アンカーと呼び、該リンク線(43)と描画された付箋(42)を図形的に接続する点を第2アンカーと呼ぶこととする。
ここで、第1アンカーは、付箋対象領域(40)である矩形の右上角の点とし、第2アンカーは、付箋(42)を表す形状(ここでは、矩形)の右上角の点とする。
リンク・データは、例えば、図3(f)に示すように、リンク識別子、色、線種、太さ、第1アンカーx座標、第2アンカーy座標、第2アンカーx座標、第2アンカーy座標の各データから構成される。
さて、図4におけるリンク設定ステップS69は、詳細には、図6に示すフローチャートの如く、初期化ステップS691、第1アンカーの設定ステップS692、及び第2アンカーの設定ステップS693により構成される。
図6において、初期化ステップS691では、付箋配置処理部145が、図3(f)に示すリンク・データのためのメモリ領域を、付箋属性取得ステップS105(図2参照)で設定されたリンク識別子毎に記憶部13に確保し、クリアする。
さらに、付箋配置処理部145は、付箋属性取得ステップS105で設定された付箋属性データのリンク識別子の値と同一の値をリンク・データのリンク識別子として設定する。
次に、付箋配置処理部145は、リンクの色、線種、太さのデータを記憶部13に設定する。
一例を挙げると、線種データとしては“LINE TYPE 1”などの線種の識別子を設定する。また、太さデータとしては3画素の幅を意味する値3を設定する。
上記初期化処理ステップS691の完了後、付箋配置処理部145は、対応する付箋対象位置データに基づいて、第1アンカーのx座標と第1アンカーのy座標をリンク・データの値として設定する(第1アンカーの設定ステップS692)。
具体的には、対応する付箋対象位置データのx座標、y座標、幅および高さのデータから、当該付箋対象位置データの矩形の右上角の点のx座標およびy座標を特定し、当該特定したx座標およびy座標の値を第1アンカーのx座標と第1アンカーのy座標をリンク・データの値とする。
引き続き、付箋配置処理部145は、対応する付箋配置データに基づいて、第2アンカーのx座標と第2アンカーのy座標をリンク・データの値として設定する(第2アンカーの設定ステップS693)。
具体的には、配置位置算出ステップS66(図4参照)で算出された各付箋の配置の基準点のx座標およびy座標を第2アンカーのx座標と第2アンカーのy座標として設定する。
図6に示す第2アンカーの設定ステップS693の終了により、図2に示す付箋配置ステップS106が完了すると、文書処理装置10における付箋付与処理(図2参照)は付箋表示ステップS107に移る。
付箋表示ステップS107において、付箋表示制御部146は、記憶部13から付箋配置データを入力し、該付箋配置データに基づき、図形的な付箋データを構成し、該構成した図形的な付箋データを表示部12に出力(表示)する。
ここで、図形的な付箋データは、実線で囲まれた矩形(図9の付箋42参照)として表現し、描画(表示)することができる。
また、付箋表示制御部146は、記憶部13から付箋対象配置データを入力し、図形的な付箋対象位置データを構成し、該構成した図形的な付箋対象位置データを表示部12に出力(表示)する。
ここで、図形的な付箋対象位置データは、点線で囲まれた矩形(図9の付箋対象領域40参照)として表現し、描画(表示)することができる。
さらに、付箋表示制御部146は、記憶部13から付箋配置データを入力し、図形的なリンク・データを構成し、構成した図形的なリンク・データを表示部12に出力(表示)する。
ここで、図形的なリンク・データは、第1アンカーと第1アンカーの各点を結ぶ、直線(図9のリンク線43参照)、あるいは曲線として描画される。
また、付箋表示制御部146は、設定されている付箋の数だけ、対応する付箋の付箋配置データの順序および向きに応じて、図形的な付箋データを描画する。
この付箋表示ステップS107での付箋表示制御の結果、表示部12には、例えば、図9に示す如く、利用者が指定した付箋対象領域(40)に対応する付箋(42)が該付箋対象領域(40)から分離したロケーション(文書領域外)に表示され、かつ、付箋対象領域(40)と対応する付箋(42)間のロケーション分離の痕跡が残るように、点線枠の付箋対象領域(40)と付箋(42)がリンク線(43)で繋がれる形態で表示される。
かかる形態の付箋付与文書表示を実現するため、本実施例の文書処理装置10は、例えば、図7乃至図12に示す如くのグラフィック・ユーザ・インタフェース(GUI)をサポートしている。
すなわち、文書処理装置10において、アプリケーション部141が、利用者が指定した文書を読み出し、表示部12に、各頁を重ねて表示している文書表示画面上で、操作メニュー(例えば、当該画面上に常に表示されている)32が選択されると、付箋対象位置取得部142は、例えば、図7に示す如く、該操作メニュー32のプルダウンメニュー33が電子文書領域31内の電子文書の内容(画像)と共に表示される付箋設定画面300aに切り換え表示させる。
この例では、操作メニュー32は、“付箋追加”、“付箋再配置”、“付箋ソート”及び“終了”の各メニュー項目33を有する。
そして、利用者が、入力/操作部11を用いてこのメニュー項目33の中から“付箋追加”項目を選択した場合、付箋対象位置取得部142は、付箋設定画面300a上に付箋テンプレート34のアイコンを表示する。
ここで、付箋テンプレート34は、入力/操作部11(例えば、マウス)により電子文書領域31上の所望の位置(付箋対象位置)にドラッグ・アンド・ドロップすることができる。
また、付箋テンプレート34は、電子文書領域31上に重ねてドラッグ・アンド・ドロップ操作し、かつ、表示することができる。
これにより、利用者は、例えば、図2における付箋対象位置取得ステップS103において、表示部12に表示される付箋設定画面300a(図7参照)上で、所定のアイコンとして図形的に表現される付箋テンプレート34をマウスによりドラッグ・アンド・ドロップすることにより付箋対象領域40を指定する。
図8は、図7に示す付箋設定画面300a上での付箋対象領域指定操作によって表示部12に表示される付箋設定画面300bの表示例を示したものである。
図8に示す如く、利用者が付箋テンプレート34を電子文書領域30上にドラッグ・アンド・ドロップした後、付箋テンプレート34の位置、あるいは領域が示す付箋対象領域40は点線で囲まれた矩形として表現(表示)される。
この付箋設定画面300b上で利用者が付箋対象領域40を操作(クリック)した場合、付箋属性取得部144は、表示部12に、該付箋対象領域40に対応する付箋の内容を入力するための矩形形状の入力ダイアログボックス41を表示する。
利用者は、付箋の内容を当該入力ダイアログボックス41にテキスト、あるいは文字列として入力することができる。
当該入力ダイアログボックス41は、利用者の指示により非表示とすることができる。
ここで、利用者により入力された付箋の内容は、付箋属性データ〔図3(d)参照〕の“内容”データを構成する。
上述した如く、本実施例の文書処理装置10では、図2の付箋対象位置取得ステップS103においては、図7及び図8に示す如く、表示部12に文書を重ねて表示している時に、操作メニュー32のプルダウンメニュー33の一つである“付箋追加”項目を選び付箋テンプレート34を使って当該頁の所望の領域を付箋対象領域40として指定させて該付箋対象領域40の位置データ(付箋対象位置データ)を付箋対象位置取得部142が取得する。
また、図2の付箋属性取得ステップS105において、付箋属性取得部144は、先に指定された付箋対象領域40のクリックによって表示される入力ダイアログボックス41内に対する利用者による付箋の内容を含む属性データの入力を受付け、該入力された各属性データを取込む。
その後、図2の付箋配置ステップS106では、付箋配置処理部145によって、利用者が指定した付箋対象領域40を当該付箋対象領域40に対応して付箋生成処理部143が生成した付箋データを実際に配置する座標を含む付箋配置データが算出される。
また、該付箋データに対応して利用者により指定された付箋属性(形状、大きさ、色等)が当該付箋データに関連付けられて設定される。
その後、図2の付箋表示ステップS107において、付箋表示制御部146は、付箋配置処理部145により算出された付箋配置データと、関連付けられた付箋属性データとに基づき、図9に示す如くの文書表示画面300cを表示する。
文書表示画面300cでは、付箋対象領域40が点線枠(矩形)として表示される一方で、該付箋対象領域40に対応する付箋42は電子文書領域31の電子文書画像外の、例えば、右部マージン領域(図5参照)内に矩形形状のものとして整列配置され、更に、電子文書領域31の右部マージン領域内に配置される当該付箋42と対応する付箋対象領域40とが両者のリンク関係を示すリンク線43(この例では、実線の直線)によって繋がれた形態で表示されている。
図9に示す文書表示画面330cの表示中、電子文書領域31のマージン部に整列配置されている付箋42の内容を確認する場合、利用者は、例えば、図10に示す如く、マウスを操作して所望の付箋42上にカーソル47を移動させる(カーソル47によって付箋42を指し示す)マウスオーバの操作(あるいは、クリック操作)を行う。
該マウスオーバ操作により、カーソル47によって付箋42が指し示された(置かれた)ことを認識すると、付箋属性取得部144は、カーソル47が置かれた付箋42に対応する付箋の内容(内容データ)を記憶部13〔図3(d)参照〕から読み出し、付箋表示制御部146が、当該付箋の内容44が当該付箋42の近傍に表示された文書表示画面300dに切り換え表示する。
付箋の内容43が表示されている当該文書表示画面300d上で、利用者は、付箋の内容(テキスト、あるいは文字列)データを編集、変更することができる。
表示された付箋の内容43は、例えば、再度クリックすることにより閉じることができる。
図13は、図9に示す文書表示画面300cの具体的実施形態である文書表示画面310aの表示例を示す図である。
この文書表示画面310aは、例えば、1頁目(最前面の頁)、8頁目、11頁目にそれぞれ付箋対象領域40が指定され、それぞれの付箋対象領域40に対して異なる属性データ(例えば、色)が指定された場合の表示例である。
この文書表示画面310aによれば、各付箋対象領域40−1,40−2,40−3がそれぞれ点線枠で描画され(40−2,40−3は見えない)、対応する各付箋42−1,42−2,42−3が電子文書領域31の文書画像領域外(右部マージン領域)に重ならないように配置されてそれぞれの属性に対応する異なる色(例えば、青、黄、赤)で表示され、各付箋42−1,42−2,42−3と対応する各付箋対象領域40−1,40−2,40−3との間はリンク線43−1,43−2,43−3によって繋がるように表示される(但し、視覚的には、最前面の頁上の付箋対象領域40−1、リンク線43−1しか見えない)。
文書表示画面310aの例では、付箋42の対象位置(領域)と配置位置とが分離され、しかも、自動整列前の付箋対象領域40の痕跡が、付箋対象領域40とこれに対応する付箋42との間のリンク情報(リンク線43)の例えば直線表示により、視覚的に残されている。
また、文書表示画面310a上では、図6に示したリンク設定ステップS69での各付箋42−1,42−2,42−3の付箋配置データの算出処理によって、最前面の頁(1頁目)の付箋42が下の頁(8頁目、11頁目)の各付箋42に重ならないように整列配置される。
図13における文書表示画面310aの表示例からも分かるように、付箋42の対象位置(領域)と配置位置を分離して自動整列させ、しかも、自動整列前の痕跡を残して表示する本実施例の文書処理装置10によれば、任意の頁の同一個所に複数種別の付箋対象領域を指定し、各種別の付箋対象領域に対応する各付箋を重ならないように表示するように機能拡張できる。
この機能を実現するために、文書処理装置10では、図11及び図12に示す如くのGUIをサポートしている。
図11は、図9に示す文書表示画面300c上で、操作メニュー32のプルダウンメニュー33中から“付箋追加”項目を選択することで遷移する付箋設定画面300eの表示例を示す図である。
すなわち、文書表示画面300c(図9参照)の表示中〔付箋対象領域40に対応する配置位置(電子文書領域30のマージン領域内)に付箋42を表示している〕中、ある頁の既に付箋対象領域40として指定されている領域に対応して更に付箋42を追加しようとする場合、利用者は、図11に示す如く、点線で矩形形状に表示されている付箋対象領域40をマウスで選択したうえで、マウスのいわゆる右クリック操作によって、付箋の操作メニュー32のプルダウンメニュー32中と同等の“付箋追加”項目を表示させる。
次いで、利用者は当該“付箋追加”項目を選択した後、所定の操作(例えば、右クリック)により入力ダイアログを表示し、そこに付箋の内容等を含む属性データを設定した後に適用を選択する操作を行うことによって、同一の付箋対象領域40(付箋対象領域40と同じ)に対して異なる属性の付箋を先の付箋と重ならないように追加生成することができる。
図12は、付箋対象領域40に対して付箋42が生成されている状況下で同じ付箋対象領域40に対する付箋設定が行なわれた時の文書表示画面300fの表示例を示す図である。
文書表示画面300fの表示例によれば、同一個所に複数の付箋対象領域40が指定され、各付箋対象領域42に対応する複数の付箋42−1、42−2が文書画像領域外の右部マージン領域内に重なることなく整列配置されている。
図14は、図12に示す文書表示画面300fの具体的実施形態である文書表示画面310bの表示例を示す図である。
この文書表示画面310bは、最前面の頁の同一の領域が付箋対象領域40として都合3回指定され、その度にそれぞれ異なる属性データ(例えば、色)が指定された場合の当該付箋対象領域40に対応する付箋の表示例である。
この文書表示画面310bによれば、各付箋対象領域40が点線枠(矩形)で描画され、対応する各付箋42−1,42−2,42−3が電子文書領域31の文書画像領域外(右部マージン領域)に重ならないように配置されてそれぞれの属性に対応する異なる色(例えば、青、黄色、赤)で表示され、各付箋42−1,42−2,42−3と対応する付箋対象領域40との間はリンク線43によって繋がるように表示される。
以上に述べたGUI(図7〜図12参照)によれば、付箋設定画面300(300a,330b,300e等)上の操作メニュー32のプルダウンメニュー33としては、上述した“付箋追加”項目の他、“付箋再配置”、“付箋ソート”、“終了”の各項目もサポートされている。
従がって、利用者は、この付箋設定画面300上で操作メニュー32のプルダウンメニュー33の中から“付箋再配置”項目を選択することにより、付箋の再配置を行うことができる。
付箋を再配置する場合、利用者は再配置のための再配置入力ダイアログボックスにより、付箋のサイズ(付箋の幅及び付箋の高さ)、付箋間の水平方向の距離、付箋間の垂直方向の距離を指定することにより、付箋の配置を変更することができる。
付箋再配置の場合においても、電子文書が複数頁で構成される時、後の頁(重ねて表示される時の下の頁)の付箋の位置を考慮して、具体的には、前の頁(同、上頁)に重ならないように再配置することができる。
また、利用者は、操作メニュー32のプルダウンメニューの中から“付箋ソート”項目を選択することにより、付箋をソートし、再配置することができる。
付箋をソートする場合、利用者はソートのためのソート入力ダイアログボックスにより、ソートの基準となる属性を指定することにより、付箋をソートして、再配置することができる。
ソートの基準としては、付箋の色、生成日時を特定するための期間(例えば、2009年1月1日から2009年3月31日など)、利用者名等を適宜選択、あるいは指定することができる。
次に、本実施例の文書処理装置10において、利用者により指定された属性を有する付箋42のみ再配置する処理機能について説明する。
この指定属性再配置機能は、例えば、図9等に示す付箋設定画面300上での操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目の選択により遷移する付箋再配置処理機能の一つとして搭載することができる。
この場合、付箋配置処理部145は、上記“付箋再配置”項目の選択がなされた時、更に、“属性指定配置”項目を表示させる。
この“属性指定配置”項目が利用者により選択されると、専用の入力ダイアログを表示し、利用者からの所望の属性データの入力を受付ける。
そして、該属性データの入力が終了すると(入力ダイアログが閉じられると)、付箋配置処理部145は、利用者により指定される属性情報(色、利用者、付箋作成日等)を整列配置対象属性として取得し、該取得した属性情報が示す属性を有する付箋を抽出して、これらの付箋が重ならないように再配置する再配置データを生成する。
この再配置データ生成処理に際し、付箋配置処理部145は、例えば、図4の配置位置算出ステップS66で説明した方法で、図5に示すx−y座標中、例えば、右部マージン領域内に利用者指定の属性を有する付箋データが互いに重ならない位置(x座標、y座標)のデータ(再配置データ)を算出する。
そして、付箋表示制御部146は、上記再配置データに基づき、利用者指定の属性を有する付箋データ(付箋42)を付箋間で重ならないように表示する。
つまり、利用者により指定された属性を有する付箋のみを対象に、付箋の対象領域と配置位置を分離して表示する。
この場合、指定されなかった属性を有する付箋は重なりを許容する(利用者により指定された属性を有する付箋42を利用者により指定された属性以外の属性を有する付箋42の上に表示する)ようにしても良い。
図15は、上述した指定属性にみ再配置する機能に基づく付箋付きの文書表示画面310cの表示例を示す図である。
この文書表示画面310cは、利用者により属性として、例えば、「色:黄色」が指定された時の表示例である。
この場合、指定された属性「色:黄色」に合致する属性データを含む複数の付箋データが検索され、該各付箋データが重ならないように文書領域外に再配置されたうえで、それぞれ黄色の付箋42−5、42−6として整列表示されている。
その一方で、利用者により指定された属性「色:黄色」以外の、青色の付箋(42−1,42−2,42−3)、及び赤色の付箋42−4については上述した再配置が適用されず、例えば、赤色の付箋42−4の上に黄色の付箋42−5が重なるような表示態様となっている。
ここで、利用者から受付ける属性は「色」の情報に限られるものではない。
従がって、利用者は、上述した「色」の他、利用者データや、作成日時等の属性を指定し、該指定した属性に合致する属性を有する付箋のみ重ならないように再配置して表示させる運用が行なえる。
次に、文書処理装置10の付箋整列時の付箋サイズ変更処理機能について説明する。
例えば、図13(あるいは、図14)に例示する、利用者が各頁に跨って指定した(同一頁の同一領域を対象に指定した)付箋対象領域40に対応する各付箋42を電子文書領域31のマージン領域に重ならないように整列配置させる文書表示画面310a(あるいは、文書表示画面310b)等によれば、限られた表示領域内でできるだけ多くの付箋42の整列配置を実現しようとすると、付箋表示スペースの効率を向上させ、付箋の内容をなるべく多く見せられるようにする工夫が必要になる。
本実施例の文書処理装置10では、付箋表示スペース効率向上のため、付箋整列時に付箋サイズを通常サイズ(例えば、付箋対象領域のサイズ)より小さいサイズに調整制御する付箋サイズ変更処理機能をサポートしている。
この付箋サイズ変更処理機能は、例えば、付箋配置処理部145に、図5に示すx−y座標中、例えば、右部マージン領域内に利用者が指定した各付箋対象領域にそれぞれ対応する付箋データの配置位置を算出する処理に際し、図5で述べた(xi0,yi0)を基準点として、付箋の順番に、y座標を順に距離(yi1−yi0)を加えた値とするところを、該y座標の値を例えば、(yi1−yi0)の1/N(Nは、1,2,3,…)、あるいは任意の距離等、より小さい距離になるように位置(x座標、y座標)のデータ(再配置データ)を算出する機能を持たせることにより実現できる。
ここで、サイズ変更後の各付箋(42bと呼称)のy座標の幅は図9に示す態様で表示される付箋42の幅(すなわち、付箋対象領域40の幅)よりも小さい幅であっても良い。
また、付箋42bの順番に加えるy座標の値(付箋間の上下間隔)も、変更後のサイズに応じた値であっても良い。
更には、付箋42bの自動整列に際し、上述した付箋サイズの変更に合わせて当該付箋42bの形状を変えるようにしても良い。
また、上記付箋サイズ変更処理機能は、上述した付箋設定画面300(例えば、図7等参照)上での操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目の選択により遷移する付箋再配置処理機能の一つとして搭載することもできる。
この場合、付箋配置処理部145は、上記“付箋再配置”項目の選択がなされた時、更に、“付箋サイズ変更”項目を表示させる。
この“付箋サイズ変更”項目が利用者により選択されると、専用の入力ダイアログを表示し、利用者からの変更しようとする付箋のサイズ等の属性データの入力をサイズ変更による付箋再配置要求として受付ける。
そして、該属性データの入力が終了すると(サイズ変更による付箋再配置要求の受付が完了すると)、利用者により指定された各付箋対象領域40に対応する各付箋データを抽出して、これらの付箋データが重ならないように再配置する再配置データを生成する。
この再配置データ生成処理に際し、付箋配置処理部145は、図4の配置位置算出ステップS66で説明した方法で、例えば、右部マージン領域(図5参照)内に該当する各付箋データの配置位置を確保するにあたり、先に述べた(xi0,yi0)を基準点として、付箋42bの順番に、y座標を順に利用者により指定された距離値〔(yi1−yi0)より小さい任意の値〕を加えた距離値に相当する位置(x座標、y座標)のデータ(再配置データ)を算出する。
上記いずれの実現方法の場合も、付箋表示制御部146は、付箋配置処理部145により算出された上記再配置データに基づき、利用者により指定された各付箋対象領域40に対応する各付箋42bを図9、図12等に示す付箋42よりも小さいサイズでかつ付箋42b間で重ならないように表示する。
図16、及び図17は、上述した付箋サイズ変更処理機能に基づく付箋付きの文書表示画面310d、及び310eの具体的表示例を示す図である。
図16に示す文書表示画面310dは、最前面頁のそれぞれ異なる位置に指定された複数の付箋対象領域40−1,40−2,40−3に各々対応する各付箋40b−1,40b−2,40b−3を電子文書領域31の文書画像領域外に整列配置して表示する例を示している。
図17に示す文書表示画面310eは、最前面頁の同一の付箋対象領域40に対応する各付箋40b−1,40b−2,40b−3を電子文書領域31の文書画像領域外に整列配置して表示する例を示している。
文書表示画面310d、310eのいずれにおいても、文書画像領域外に配置された付箋40b−1,40b−2,40b−3は、図13乃至図15に示す付箋42(付箋対象領域40)に比べて少なくとも高さ(図5におけるy方向の幅)が小さいものとなっている。
ここで、各付箋40b(40b−1,40b−2,40b−3)間の離間距離も変更後のサイズに応じた小さい値となっている。更に、当該各付箋40bの幅(図5におけるx方向の幅)についても変更前の付箋42の幅より小さい値としても良い。
文書表示画面310e(あるいは、310d)の表示中、利用者が所望の付箋40b(40b−1,40b−2,40b−3)に対してマウスオーバの操作を行うと、付箋表示制御部146により、例えば、図18に示す如くの文書表示画面310fに切換え表示される。
図18に示す文書表示画面310fによれば、上記マウスオーバ操作によりカーソル47が置かれた付箋42bの上には付箋の内容領域44が表示され、該付箋内容領域44内に、付箋属性取得部144により記憶部13から読み出された該付箋42b−1に対応する付箋の内容が表示される。
その際、付箋表示制御部146は、付箋の内容領域44を規定の大きさに制限することはせず、付箋の内容を全て表示する大きさに制御する。
要は、マウスオーバを受けた付箋42bの付箋の内容領域44を該当頁の外側方向に配置し、その中に付箋の内容の全部(テキスト全文)を表示させる、つまりは頁内コンテンツには重ならないように付箋の内容を表示する機能を持たせる。
このように、文書処理装置10では、付箋42bのサイズを通常の付箋42(図13、図14参照)のサイズ(例えば、付箋対象領域40のサイズ)よりも小さいサイズに表示することで付箋表示スペースのスペース効率を向上させながらも、付箋選択操作(マウスオーバ等)に対しては、付箋42bの付箋の内容を全て表示するようにし(付箋内容領域44のサイズを規制しない)ことで、付箋の品質維持も図っている。
なお、図16における文書表示画面310d、図17における文書表示画面310eの表示例によれば、属性(例えば、色)が異なる付箋42bが混在する中でこれら各付箋42bを小サイズに変更して順番に整列配置する例を挙げているが、本実施例の文書処理装置10では、小サイズに変更して付箋42bを表示する場合でも、図15を参照して例示したように、同一属性毎に各付箋42bが重ならないように整列配置する制御にも対応できる。
この制御機能は、例えば、図7等に示す付箋設定画面300上での操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目の選択により遷移する付箋再配置処理機能の一つとして実現することができる。
この場合、付箋配置処理部145は、上記“付箋再配置”項目の選択がなされた時、更に、“付箋サイズ変更”項目及び“属性指定付箋サイズ変更”項目を表示させる。
ここで、“付箋サイズ変更”項目が利用者により選択されると、上述した如く、図16〜図18に示す各画面300d〜300fを用いて付箋サイズを例えば付箋対象領域よりも小さく変更して表示する制御を実施する。
これに対して、“属性指定付箋サイズ変更”項目が利用者により選択されると、専用の入力ダイアログを表示し、利用者からの付箋サイズを小さく変更して整列配置する対象の属性データの入力を受付ける。
そして、該属性データの入力が終了すると(利用者から指定された属性を有する付箋のサイズを小さく変更して整列配置する要求の受付が完了すると)、利用者により指定された各付箋対象領域40に対応する各付箋データを抽出して、これら付箋データを利用者により入力された属性データが示す属性によって区分けし、各属性別に各付箋が重ならないように再配置する再配置データを生成する。
その後、付箋表示制御部146は、付箋配置処理部145により算出された上記再配置データに基づき、利用者により指定された各付箋対象領域40に対応する各付箋42bを各属性毎に互いの付箋42b間で重なりが生じないように整列させて表示する。
図19、及び図20は、上述した属性指定付箋サイズ変更処理機能に基づく付箋付きの文書表示画面310g、及び310hの具体的表示例を示す図である。
図19に示す文書表示画面310gは、各頁に跨って指定された複数の付箋対象領域40(40−1,40−2,…)にそれぞれ対応する各付箋42b(4211,4212,4213,4221,4222,4223,4231,4232)を文書領域外に属性単位でまとめて整列配置して表示する例を示している。
特に、この文書表示画面310gの例では、属性として「色:青/黄/赤」が指定され、文書表示領域外の一番上の領域には、青色の付箋(4211,4212,4213)がまとめて整列表示され、その下に、黄色の付箋(4221,4222,4223)がまとめて整列表示され、更にその下に赤色の付箋(4231,4232)がまとめて整列表示されている。
図20に示す文書表示画面310hは、各頁に跨って指定された複数の付箋対象領域40(40−1,40−2,…)にそれぞれ対応する各付箋42b(4211,4212,4213,4221,4222,4223,4231,4232)を文書領域外に属性単位でまとめて整列配置して表示する別の例を示している。
この文書表示画面310hにおいて、属性として「色:青/黄/赤」が指定され、文書表示領域外の一番上の領域には、青色の付箋(4211,4212,4213)がまとめて整列表示され、その下に、黄色の付箋(4221,4222,4223)がまとめて整列表示され、更にその下に赤色の付箋(4231,4232)がまとめて整列表示される点は図19に示す文書表示画面310gと同様である。
但し、文書表示画面310hでは、最前面頁以外の各頁上に指定された付箋対象領域に対応する青色の付箋(4212,4213)、黄色の付箋(4222,4223)、赤色の付箋4232は、それぞれ、文書表示画面310g(図19参照)上の該当各付箋に対して、同画面上、右寄りに移動して表示されている。
これら青色の付箋(4212,4213)、黄色の付箋(4222,4223)、赤色の付箋4232を右よりにずらして表示する制御は、上述した付箋位置算出ステップS66(図4参照)において、付箋配置処理部145が、図5に示す文書表示領域のx−y座標上、最前面の頁上の青色の付箋4211、黄色の付箋4221、赤色の付箋4231のx座標より大きいx座標値をとる(但し、x−y座標上、x座標が右方向に行くに従がって大きい値の場合)配置位置データ(x座標,y座標)を算出することにより実現できる。
その際に、例えば、最前面の頁以外の各頁の付箋の配置位置が各頁の電子文書領域31の右端部調度のx座標値まで右寄りにずらされた配置位置データが生成された場合、文書表示画面310h(図20参照)において、青色の付箋(4212,4213)、黄色の付箋(4222,4223)、赤色の付箋4232のいずれもその上の頁により覆い隠されることがない状態で表示される。
つまり、付箋42bが整列された時、最前面の頁以外の頁に関連付された付箋42bの付箋の内容(コンテンツ)は該当する頁外に表示される。
これにより、これら青色の付箋(4212,4213)、黄色の付箋(4222,4223)、赤色の付箋4232のそれぞれに関して、文書表示画面310g(図19参照)上では上の頁の下となって隠されていた付箋の内容は、文書表示画面310h(図19参照)上では全て見える状況となり、付箋の内容(コンテンツ)をより多く利用者に見てもらうことが可能になる。
上述した如く、本実施例では、付箋配置処理部145が、付箋生成処理部144により生成された付箋データを、文書の画像領域外に、該付箋データに対応する付箋対象領域40から離し、他の付箋対象領域40に対応する付箋データと重ならない位置に整列配置する付箋配置データを生成し、
付箋表示制御部146が、付箋配置処理部145により生成された付箋データ(付箋42)を、該当する属性情報が示す属性を有する図形に図形化し、該当する付箋配置データに基づいて文書の画像領域外の他の付箋42と重ならない位置に整列置させる付箋表示制御を行う。
かかる付箋表示制御によれば、複数頁を重ねて文書を表示し、利用者により指定された付箋対象領域40に対応する付箋42を併せ表示する文書処理機能に関し、付箋42の対象領域と配置位置を分離して自動整列するため、付箋42が上と下の付箋間で重ならないようにし、見易くかつ使い易くできる。
また、該付箋表示制御において、付箋表示制御部146は、整列配置先の付箋42に対し、該付箋42に対応する付箋対象領域40の痕跡を示す痕跡情報(この例では点線枠)を、該痕跡情報と対応する付箋42とのリンク関係を示すリンク情報(同、リンク線43)と共に併せ表示するため、利用者は、自動整列前の痕跡を頼りに効率良い操作が可能となる
ここで、上記痕跡情報、及びリンク情報を表示するか非表示にするかを選択指定するようにし、該選択指定に応じて痕跡情報、及びリンク情報を表示または非表示に制御するようにしても良い。
図21は、実施例2に係る文書処理装置10Bの機能構成を示すブロック図であり、実施例1に係る文書処理装置10の各機能部と同等の機能部には同一の符号を付している。
文書処理装置10Bにおいて、制御部14b内の付箋配置処理部145b、及び付箋表示制御部146bは本実施例特有の構成を有する。
付箋配置処理部145bは、文書アプリケーション部141により電子文書を複数頁を重ねて付箋付きで表示している時、付箋を表示する専用の表示領域(以下、付箋表示スペーサという)の設定要求を利用者から受付けて上記文書の表示領域外に付箋表示スペーサを表示したうえで、該付箋表示スペーサに配置する付箋のグループ属性等の入力を更に受付け、確保しておいた上記付箋表示スペーサ内に該当する付箋グループ(当該付箋表示スペーサに対応して利用者により指定された属性を有する付箋グループ)に属する付箋を再配置する処理機能(付箋表示スペーサ設定部1451)を有する。
また、付箋表示制御部146bは、付箋表示スペーサ設定部1451の付箋再配置機能による各付箋表示スペース内への該当する各付箋グループ毎の付箋の再配置設定(再配置データ)に基づき、各付箋グループ毎に当該付箋グループに属する付箋をそれぞれ該当する付箋表示スペーサ内に表示する処理機能を有する。
上述した付箋グループ毎の付箋表示スペーサの設定、及び該付箋表示スペースへの該当するグループの付箋の配置(再配置)処理を実現すべく、本実施例の文書処理装置10Bでは、図22及び図23に示す如くのGUIをサポートしている。
図22は、付箋表示スペーサを設定する際に用いる付箋設定画面300gの一例を示す図である。
この付箋設定画面300gは、実施例1の文書処理装置10がサポートしている、例えば、図9に示す画面300c等の文書表示(付箋設定)画面300上での以下のような操作により表示される。
例えば、図9に示す文書表示画面300c上で、利用者が操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目を選択(例えば、右クリック)すると、“付箋表示スペーサ”項目を含む項目が表示され、ここで“付箋表示スペーサ”項目を選択すると電子文書領域31外の所定位置に付箋表示スペーサ35が表示される(図22参照)。
付箋表示スペーサ35は、入力/操作部11(例えば、マウス)を使って任意の位置に移動し、形状についても任意の形状に変形させることができる。
この例では、付箋表示スペーサ35の形状は矩形であるものとする。この付箋表示スペーサ35は、後述するように、付箋の再配置時の表示領域として利用される。
付箋表示スペーサ35を付箋グループに属する付箋の再配置領域として利用するには、該付箋表示スペーサ35に再配置する付箋のグループを識別する情報を指定する必要がある。
これを実現するため、利用者が、上記の如く付箋表示スペーサ35を表示した付箋設定画面300g上で付箋表示スペーサ35を選択する(例えば、右クリック)と、図22に示す如く、当該付箋表示スペーサ35に近接して、例えば、“入力ダイアログ”項目351と“適用”項目352から構成される付箋表示スペーサ・メニューが表示される。
ここで、利用者が付箋表示スペーサー・メニューの“入力ダイアログ”項目351を選択した場合、付箋表示スペーサ設定部1451は、付箋表示スペーサー・メニューの入力ダイアログ・ボックスを当該画面上に表示する。
利用者は、この付箋表示スペーサ入力ダイアログ・ボックスを使って、付箋表示スペーサ35の色、該付箋表示スペーサ35に関連付ける付箋グループの条件を指示する情報(後述する付箋グループ・データの条件辞書に相当)を入力することができる。
入力ダイアログ・ボックスによる上述した各属性データ(色、グループ条件辞書等)の入力完了後、利用者が付箋表示スペーサ・メニューの“適用”項目352を選択した場合、付箋表示制御部146bは、当該入力ダイアログ・ボックスを含む図22の付箋設定画面300gから図23に示すような文書表示画面300hに切換え表示する。
なお、当該文書表示画面300hへと切換え表示された際には、付箋表示スペーサ・メニューの“入力ダイアログ”項目351と“適用”項目352は非表示となる。
図23は、付箋表示スペーサ35上に該当する付箋グループの付箋を表示する文書表示画面300hを示す図である。
この文書表示画面30を表示するに当たり、付箋表示スペーサ設定部1451は、上記入力ダイアログ・ボックスにより入力されたグループ条件辞書に基づき該当する付箋グループ(指定された属性を有する付箋のグループ)に属する付箋42を抽出して付箋表示スペーサ35上に付箋36として再配置した再配置データを生成する。
そして、付箋表示制御部146bは、付箋表示スペーサ設定部1451による再配置データに基づき、付箋表示画面30において、付箋表示スペーサ35上に、対応する付箋グループに属する付箋36を表示する。ここで、付箋36が複数の場合、各付箋36を並べて表示する。
なお、付箋表示スペーサ35上に付箋36が表示(再配置)される場合は、付箋対象領域40(実施例1と同様、痕跡が点線枠で表示される)と関連するリンク(リンク線43b)は、再配置前の付箋42と繋がっている状態から付箋表示スペーサ35内への再配置後の付箋36と繋がる状態へと再描画される。
その際、付箋表示スペーサ35上に重ねて表示される付箋36の位置は、該付箋表示スペーサ35の基準点を基準に算出、設定される。
図24は、文書処理装置10Bが付箋表示スペーサ35を用いた付箋表示制御に用いる付箋表示スペーサ・データ27、及び付箋グループ・データ28の構成例を示す概念図である。
付箋表示スペーサ・データ27は、図24(a)に示す如く、付箋表示スペーサ識別子、付箋グループ識別子、X座標、Y座標、幅、高さ、線種、太さ、色等の各情報から構成される。
また、付箋グループ・データ28は、図24(b)に示す如く、付箋グループ識別子、条件辞書、および付箋識別子配列の各情報から構成される。
ここで、付箋グループ識別子は付箋グループを特定する識別子である。
また、条件辞書は、付箋グループを特徴付ける付箋のグループの属性の辞書データである。
例えば、辞書データをpython言語のように、キー:値の並びのように表現した場合、{“color”:“ff0000”,“”:“user id”:“USER001”}のように文字列もしくはその文字列に対応する計算機内部表現として表現することができる。
ここで、上記の辞書を「d」とすると、「d」は、キーとして、“color”および“USER idの文字列を持つ。
また、colorのキーの値は、文字列ff0000であり、色が赤を意味するとする。
また、もう一つのキーは「user id」という文字列であり、その値は、USER001という文字列である利用者識別子を持つものとする。
付箋識別子配列は、当該付箋グループ識別子に対応する条件辞書で規定される条件に適合する付箋の識別子の配列である。
次に、本実施例の文書処理装置10Bの付箋付与処理について説明する。
本実施例の文書処理装置10Bは、実施例1に係る文書処理装置10と同様、図2に示すフローチャートに沿った付箋付与処理を行う。
但し、本実施例の文書処理装置10Bでは、図2に示す一連の付箋付与処理中、付箋配置処理ステップS106において、以下に詳しく述べるように(図25参照)、図22に示す付箋設定画面300g上で電子文書領域31の領域外に表示された付箋表示スペーサ35に関連する入力ダイアログ・ボックスが開かれた(文書表示領域外の任意領域が付箋表示領域として指定された)状態で、付箋表示スペーサ設定部1451が、当該付箋表示スペーサ35のX座標、Y座標、幅、高さ、線種、太さ、色等の各情報の他、付箋グループの条件辞書の入力を受付け(付箋表示領域に表示する付箋の属性等の条件の指定を受付け)、該入力が終わると(上記入力ダイアログ・ボックスが閉じられると)、上記条件辞書で規定される条件に適合する付箋識別子を持った各付箋を該付箋表示スペーサ35上への配置対象の同一グループの付箋として抽出して当該付箋表示スペーサ35内に再配置した再配置データを構築し(図25の付箋表示スペーサ設定処理ステップS652参照)、その後、該付箋配置ステップS106を終えて付箋表示ステップS107(図2参照)に進むと、付箋表示制御部146bが、図23に示す如く、付箋表示スペーサ設定部1451による再配置データに基づいて付箋表示スペース35上に該当する付箋グループの1または複数の付箋36を並べて表示することによって、付箋表示スペーサ35を用いた付箋グループ毎の付箋の表示を実現する。
図25は、本実施例の文書処理装置10Bでの付箋付与処理(図2参照)における付箋配置ステップ106の詳細処理動作を示すフローチャートである。
図25において、実施例1に係る文書処理装置10での付箋配置処理(図4参照)の各処理ステップと同様の処理ステップには同一の符号を付している。
図25において、ステップS651、S652及びS66bが本実施例特有の処理ステップであり、これら両処理ステップを主体に説明する。
図25に示す一連の付箋配置処理中、大きさ算出ステップS65で付箋の大きさ(形状決定ステップS64で設定された形状に応じた大きさ)の算出処理が完了した後、付箋配置処理部145bは、付箋表示スペーサ35の設定要求(文書領域外の任意領域を付箋表示領域として指定する指示)があるか否かをチェックする(ステップS651)。
付箋表示スペーサ35の設定要求があるか否かのチェックは、図22に示す操作画面上で利用者が操作メニュー32の“付箋再配置”項目を右クリックすることにより付箋表示スペーサ35が開かれたか否かによって判断する。
ここで、付箋表示スペーサ35の設定要求がないと判定された場合(ステップS651NO)、実施例1と同様、配置位置算出ステップS66、順序算出ステップS67、向き決定ステップS68、リンク設定ステップS69を経た付箋配置処理を行う。
これに対し、付箋表示スペーサ35の設定要求があると判定された場合(ステップS651YES)、付箋配置処理部145bは、図22に示す付箋設定画面300g上で開かれた付箋表示スペーサ35に対する利用者からの色、形状、あるいはグループ条件辞書等の属性データの設定入力を受付けて付箋表示スペーサ35を設定する処理を行う(ステップS652)。
ステップS652の付箋表示スペーサ設定処理では、付箋表示スペーサ設定部1451は、付箋表示スペーサ35が表示された際に、付箋表示スペーサ識別子を生成し、記憶部13に付箋表示スペーサ35毎に付箋表示スペーサ識別子に対応した付箋表示スペーサ・データ27の領域を確保する。
次に、利用者が付箋設定画面300g上の付箋表示スペーサ35を右クリックすると、“入力ダイアログ”項目351と“適用”項目352から構成される付箋表示スペーサ・メニューが当該付箋表示スペーサ35に近接して表示される。
次に、利用者が付箋表示スペーサ・メニューの“入力ダイアログ”項目351を選択した場合、付箋表示スペーサ・メニューの入力ダイアログボックスが当該付箋設定画面300g上に表示される。
ここで、利用者は、付箋表示スペーサの色、付箋グループ・データ28の条件辞書を付箋表示スペーサ入力ダイアログ・ボックスを使って入力することができる。
これに対し、付箋表示スペーサ設定部1451は、利用者により入力された付箋表示スペーサの色、付箋グループ・データの条件辞書を、図24(a)に示す付箋表示スペーサ・データ27の構成例、及び図24(b)に示す付箋グループ・データ28の構成例の如くの構成で、記憶部13内に各データとして出力し保持させる。
このとき、付箋表示スペーサ設定部1451は利用者によって指定された付箋グループ毎に、付箋グループ識別子を生成し、当該付箋グループ毎に付箋グループ・データ28のメモリ領域を確保する。
更に、利用者が付箋表示スペーサ・メニューの“適用”項目352を選択した場合、付箋表示スペーサ設定部1451は付箋表示スペーサ設定処理が終了したと判断し、続く配置位置算出ステップS66bに移行する。
配置位置算出ステップS66bに移行すると、付箋配置処理部145bは、利用者による上記ステップS652での付箋表示スペーサ35の設定情報に基づいて、該付箋表示スペーサ35上に表示する付箋の基準点の位置、すなわちx座標及びy座標を決定する。
この処理に際しては、まず、付箋配置位置の基準点の座標xi0およびyi0、並びにy方向の付箋同士の距離(yi1−yi0)を予め記憶部13に設定する。
ある頁の第一番目に配置される付箋の位置は、当該x座標としてxi0が、当該y座標としてyi0が設定される。
当該頁の第二番目以降に配置される付箋の位置は、既に設定された付箋のx座標およびy座標に基づき算出される。
ここで、x座標は、所定の個数(例えば、20個)まで先に配置された付箋のx座標と同一とする。
次に、y座標は、先に配置された付箋のy座標を基準にy方向の付箋同士の距離(yi1−yi0)を加えた値をその付箋のy座標とする。
つまり、例えば、第二番目の付箋のy座標は、yi0を基準に、(yi1−yi0)を加えた値、つまり、yi1を当該y座標とする。
三番目以降に配置される付箋のx座標およびy座標も同様に算出する。
ここで、先の同一x座標で並ぶ付箋の所定の最大個数(この例では20個)を超えて、付箋を配置する場合は、新たに配置する付箋のx座標は所定のx方向の距離を加えたx座標を当該新たに配置する付箋のx座標とする。
以上の如く、配置位置算出ステップS66bにおいて、付箋表示スペーサ35上に表示する付箋の基準点の位置(x座標及びy座標)を決定する(すなわち、x座標及びy座標を再配置位置データとして設定する)再配置処理が終わると、順序算出ステップS67、向き決定ステップS68、リンク設定ステップS69を経て図25に示す一連の付箋配置処理ステップS106が終了し、図2に示す付箋付与処理は続く付箋表示ステップS107へ移行する。
付箋表示ステップS107において、付箋表示制御部146bは、図25に詳細を示す付箋配置処理中、付箋表示スペーサ設定ステップS652で設定された付箋表示スペーサの設定内容、及び配置位置算出ステップS66bで算出された付箋再配置データに基づき、例えば、図23に示す文書表示画面310hの如く、当該付箋表示スペーサ35上に、利用者が指定した属性を有する付箋グループに属する1または複数の付箋36を並べて表示する。
この時、付箋表示スペーサ・メニューの“入力ダイアログ”項目351と“適用”項目352は非表示となる。
図26は、図23に示す文書表示画面300hの具体的実施形態である文書表示画面310iの表示例を示す図である。
この例の文書表示画面310iによれば、上記ステップS652における利用者による付箋表示スペーサ設定操作に基づき付箋(アノテーション)グループ1用の各付箋表示スペーサ35−1と、アノテーショングループ2用の付箋表示スペーサ35−2が、それぞれ、各頁重なって表示される文書の文書領域外の上側と右側の各位置に表示され、当該表示中の文書の各頁に設定された付箋対象領域に対応する各付箋中、グループ1に属する複数の付箋36a(36a−1,36a−2,36a−3)がアノテーショングループ1用付箋表示スペーサ35−1上に整列して再配置され、また、グループ2に属する複数の付箋36b(36b−1,36b−2,36b−3)がアノテーショングループ2用付箋表示スペーサ35−2上に整列して再配置された表示内容となっている。
ここで、再配置前の付箋対象領域40の痕跡が実施例1と同様に、例えば、点線枠により該当頁上に表示されると共に、この付箋対象領域の痕跡と該当する再配置先の各付箋36との間は、それぞれのリンク線43bにより繋がれて表示される。
以上の如く、実施例2に係る文書処理装置10Bは、文書表示領域外に付箋グループ毎の付箋表示領域を表示し、利用者により指定された条件(属性)に合致する付箋グループ毎に該当する付箋表示領域内に当該付箋グループに属する付箋36を再配置して表示する処理機能を有する。
かかる構成によれば、付箋36を表示するための専用の領域(付箋表示スペーサ35)を文書領域外に割当てて該当する付箋のグループ毎に付箋36を表示するため、付箋表示スペースの有効活用が図れる。
実施例3に係る文書処理装置10Cは、実施例2に係る文書処理装置10Bにおいて、付箋表示スペーサ35上に該当するグループの付箋を配置する付箋付加処理機能を拡張し、付箋表示領域として、例えば、半透明の1または複数の付箋強調表示層(以下、付箋強調レイヤという)を文書表示領域上に確保し、該付箋強調レイヤ上に該当するグループの付箋を強調して表示する付箋付加処理機能を持たせたものである。
図27は、実施例3に係る文書処理装置10Cの機能構成を示すブロック図であり、実施例1に係る文書処理装置10の各機能部と同等の機能部には同一の符号を付している。
文書処理装置10Cにおいて、制御部14c内の付箋配置処理部145c、及び付箋表示制御部146cは本実施例特有の構成を有する。
付箋配置処理部145cは、文書アプリケーション部141により電子文書を複数頁を重ねて付箋付きで表示している時、上述した付箋強調表示レイヤの設定要求(付箋強調表示層を用いた付箋再配置の指示)を利用者から受付けて文書表示領域上に半透明の1または複数の付箋強調レイヤを層状に(重ならせて)確保したうえで、該付箋強調レイヤに配置する付箋のグループ属性等の入力を更に受付け、確保しておいた上記付箋強調レイヤ上に該当するグループ(当該付箋強調レイヤに対応して利用者により指定されたグループ)に属する付箋を再配置する処理機能(付箋強調レイヤ設定部1455)を有する。
また、付箋表示制御部146cは、付箋強調レイヤ設定部1455による各付箋強調レイヤ上への該当する各付箋グループ毎の付箋の再配置設定(再配置データ)に基づき、各付箋グループ毎に当該グループに属する付箋をそれぞれ該当する付箋強調レイヤ上に表示する処理機能を有する。
上述した付箋グループ毎の付箋強調レイヤの設定、及び該付箋強調レイヤへの該当するグループの付箋の配置(再配置)処理を実現すべく、本実施例の文書処理装置10Cでは、図28及び図29に示す如くのGUIをサポートしている。
図28は、付箋強調レイヤを設定する際に用いる付箋設定画面300iの一例を示す図である。
この付箋設定画面300iは、実施例1の文書処理装置10がサポートしている、例えば、図9に示す画面300c等の文書表示(付箋設定)画面300上での以下のような操作により表示される。
例えば、図9に示す文書表示画面300c上で、利用者が指定した付箋対象領域40に対応する付箋42と、該付箋42に対応する付箋対象領域40の痕跡及びリンク線43とが併せ表示されている状況で、利用者が操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目を選択(例えば、右クリック)すると、“付箋強調レイヤ”項目を含む項目が表示され、ここで“付箋強調レイヤ”項目を選択すると電子文書領域31上に(文書領域上面を覆うように)付箋強調レイヤ37が半透明の状態で表示される(図28参照)。
この例では、付箋強調レイヤ37の形状は矩形としているが、例えば、入力/操作部11(例えば、マウス)を使って任意の形状に設定変更できるような構成としても良い。
この付箋強調レイヤ37は、後述する付箋38(あるいは、39)の表示領域として利用される。
付箋強調レイヤ37を付箋グループに属する付箋38(39)の再配置領域として利用するには、該付箋強調レイヤ37に再配置する付箋のグループを識別する情報を指定する必要がある。
これを実現するため、利用者が、上記の如く付箋強調レイヤ37を表示した付箋設定画面300i上で付箋強調レイヤ37を選択する(例えば、右クリック)と、図28に示す如く、当該付箋強調レイヤ37に近接して、例えば、“入力ダイアログ”項目371と“適用”項目372から構成される付箋強調レイヤ・メニューが表示される。
ここで、利用者が付箋強調レイヤ・メニューの“入力ダイアログ”項目371を選択した場合、付箋強調レイヤ設定部1455は、付箋強調レイヤ・メニューの入力ダイアログ・ボックスを当該画面上に表示する。
利用者は、この付箋強調レイヤ入力ダイアログ・ボックスを使って、付箋強調レイヤの色、透明度、該付箋強調レイヤ37に関連付ける付箋グループの条件を指示する情報(付箋グループ・データの条件辞書)を入力することができる。
上記入力ダイアログ・ボックスによる各属性データ(色、透明度、グループ条件辞書等)の入力完了後、利用者が付箋強調レイヤ・メニューの“適用”項目372を選択した場合、付箋表示制御部146cは、当該入力ダイアログ・ボックスを含む付箋設定画面300iから図29に示す文書表示画面300j、または図30に示す文書表示画面300kへと切換え表示する。
なお、文書表示画面300j、または文書表示画面300kへと切換え表示された際には、付箋強調レイヤ・メニューの“入力ダイアログ”項目371と“適用”項目372は非表示となる。
図29は、付箋強調レイヤ37上に付箋を表示する文書表示画面の一例(文書表示画面300j)を示す図である。
この文書表示画面300jを表示するに当たり、付箋強調レイヤ設定部1455は、上記入力ダイアログ・ボックスにより入力されたグループ条件辞書に基づき該当するグループに属する付箋42にリンクされた例えば最前面の頁上の付箋対象領域40を抽出して付箋強調レイヤ37上の該付箋対象領域40に重なる領域位置に当該付箋対象領域40に対応する付箋38を再配置した再配置データを生成する。
そして、付箋表示制御部146cは、付箋強調レイヤ設定部1455による上記再配置データに基づき、文書表示画面300jにおいて、付箋強調レイヤ37上に対応するグループに属する付箋38を、半透明の当該付箋強調レイヤ37を通して視認される下の頁の対応する付箋対象領域40に完全に重なるように、しかも、枠を太線で描画する等、強調して表示する。
このように、付箋強調レイヤ37上に付箋38が表示(再配置)される場合、該付箋38は、対応する再配置前の付箋42の付箋対象領域40の上に重ねて表示される。
付箋強調レイヤ37上で付箋対象領域40の上に付箋38を重ねて表示するに際し、該付箋38の透明度を調整制御し、半透明ではない状態に表示変更する機能を設けても良い。
また、本実施例では、利用者が適宜なGUIを用いて入力/操作部11から付箋強調レイヤ37の透明度の値を指定し、付箋表示制御部146cが、付箋強調レイヤ37を利用者が指定した値に相当する透明度で表示制御する構成としても良い。
図30は、付箋強調レイヤ37上に付箋を表示する文書表示画面の別の例(文書表示画面300k)を示す図である。
この文書表示画面300kを表示するに当たり、付箋強調レイヤ設定部1455は、上記入力ダイアログ・ボックスにより入力されたグループ条件辞書に基づき該当するグループに属する付箋42を抽出して付箋強調レイヤ37上に該付箋42に対応する付箋39を再配置した再配置データを生成する。
そして、付箋表示制御部146cは、付箋強調レイヤ設定部1455による再配置データに基づき、文書表示画面300kにおいて、付箋強調レイヤ37上に対応するグループに属する付箋39を、半透明の当該付箋強調レイヤ37を通して認知可能なその下の頁の対応する付箋対象領域40に重ならない位置に、しかも、太線で描画する等、強調して表示する。
ここで、付箋39が複数の場合、互いに重ならないように各付箋36を並べて表示する。
なお、付箋強調レイヤ37上に付箋39が表示(再配置)される場合は、対応する付箋対象領域40の痕跡はそのまま表示されるが、再配置後の付箋39とのリンクを示すリンク線43cは、再配置前の付箋42と繋がっている状態(リンク線43)から当該付箋強調レイヤ37上の再配置後の付箋39と繋がる状態に再描画される。
すなわち、文書表示画面300k(図30参照)においては、付箋強調レイヤ37の下の頁の付箋対象領域40とは重ならない位置に該付箋対象領域40に対応する付箋39を再配置して表示し、該再配置後の付箋39に対応する付箋対象領域40の痕跡情報と、該痕跡情報と対応する再配置後の付箋39との間のリンク関係を示すリンク情報(リンク線43c)と共に併せ表示する。
この文書表示画面300kにおいて、付箋強調レイヤ37上に表示される付箋39の位置は、該付箋強調レイヤ37の基準点を基準に算出、設定される。
なお、後で図34を参照して説明するように、付箋強調レイヤ37は、複数かつ多層に構成し、表示、操作することもできる。
付箋強調レイヤ37を多層に表示する場合には、視覚的に一番上に配置される付箋強調レイヤ37に関連付けられている付箋39のみを不透明とし、他の付箋強調レイヤ37に関連付けられている付箋39を半透明として表示することができる。
図31は、文書処理装置10Cが付箋強調レイヤ37を用いた付箋表示制御に用いる付箋強調レイヤ・データ29の構成例を示す概念図である。
図31に示すように、付箋強調レイヤ・データ29は、付箋強調レイヤ識別子、付箋表示スペーサ識別子、透明度、レイヤ番号等の各情報から構成され、付箋表示スペーサ識別子によって、実施例2で用いた付箋表示スペーサ・データ〔図24(a)参照〕27とリンクしている。
つまり、本実施例で用いる付箋強調レイヤ・データ29は、実施例2に適用する付箋表示スペーサ・データ27を機能拡張した(透明度、レイヤ番号等を付加できるようにした)ものである。
本実施例の文書処理装置10Cにおいても、実施例1に係る文書処理装置10と同様、図2に示すフローチャートに沿った付箋付与処理を行う。
但し、本実施例の文書処理装置10Cでは、図2に示す一連の付箋付与処理中、付箋配置処理ステップS106において、以下に詳しく述べるように(図32参照)、図28に示す付箋設定画面300i上で文書表示領域上に表示される付箋強調レイヤ37に関連する入力ダイアログ・ボックスが開かれた(付箋強調表示層を用いた付箋の再配置が指示された)状態で、付箋強調レイヤ設定部1455が、当該付箋強調レイヤ37の透明度等の情報の他、付箋グループの条件辞書の入力を受付け(付箋強調表示層に表示する付箋の属性等の条件の指定を受付け)、該入力が終わると(上記入力ダイアログ・ボックスが閉じられると)、上記条件辞書で規定される条件に適合する付箋識別子を有する付箋に対応する付箋対象領域(または、当該付箋)を抽出して当該付箋強調レイヤ37上に再配置した再配置データを構築し、その後、該付箋配置ステップS106を終えて付箋表示ステップS107(図2参照)に進むと、付箋表示制御部146cが、図29(または、図30)に示す如く、付箋強調レイヤ設定部1455により設定された再配置データに基づいて各付箋強調レイヤ37上に付箋対象領域40の上に付箋38を重ねて表示する(または、各付箋強調レイヤ37上にそれぞれ該当する付箋39を表示する)ことによって、付箋強調レイヤ37を用いた付箋グループ毎の付箋の表示を実現する。
図32は、本実施例の文書処理装置10Cでの付箋付与処理(図2参照)における付箋配置ステップ106の詳細処理動作を示すフローチャートである。
図32において、実施例1に係る文書処理装置10での付箋配置処理(図4参照)の各処理ステップと同様の処理ステップには同一の符号を付している。
図32において、ステップS655、S656及びS66cが本実施例特有の処理ステップであり、これら各処理ステップを主体に説明する。
図32に示す一連の付箋配置処理中、大きさ算出ステップS65で付箋の大きさ(形状決定ステップS64で設定された形状に応じた大きさ)の算出処理が完了した後、付箋配置処理部145cは、付箋強調レイヤ37の設定要求(付箋強調表示層を用いた付箋の再配置の指示)があるか否かをチェックする(ステップS655)。
付箋強調レイヤ37の設定要求があるか否かのチェックは、図28に示す付箋設定画面300i上で利用者が操作メニュー32のプルダウンメニュー33中の“付箋再配置”項目を右クリックすることにより表示されるメニューの中から“付箋強調レイヤ”項目が選択されて付箋強調レイヤ37が電子文書領域31上に展開(表示)されたか否かによって判断する。
ここで、付箋強調レイヤ37の設定要求がないと判定された場合(ステップS655NO)、実施例1と同様、配置位置算出ステップS66、順序算出ステップS67、向き決定ステップS68、リンク設定ステップS69を経た付箋配置処理を行う。
これに対し、付箋強調レイヤ37の設定要求があると判定された場合(ステップS655YES)、付箋配置処理部145cは、図28に示す付箋設定画面300i上で開かれた付箋強調レイヤ37に対する利用者からの透明度、あるいはグループ条件辞書等の属性データの設定入力を受付けて付箋強調レイヤ37を設定する処理を行う(ステップS656)。
ステップS656の付箋強調レイヤ設定処理では、付箋強調レイヤ設定部1455は、付箋強調レイヤ37が表示された際に、付箋強調レイヤ識別子を生成し、記憶部13に付箋強調レイヤ37毎に付箋強調レイヤ識別子に対応した付箋強調レイヤ・データ(図31参照)29の領域を確保する。
また、付箋強調レイヤ設定部1455は、付箋表示スペーサ識別子を生成し、記憶部13に付箋表示スペーサ毎に付箋表示スペーサ識別子に対応した付箋表示スペーサ・データ〔図24(a)参照〕27の領域を確保する。
更に、付箋強調レイヤ設定部1455は、レイヤ番号を算出し、該算出したレイヤ番号が対応する付箋強調レイヤ・データ29のレイヤ番号として設定する。
次に、利用者が付箋設定画面300i上の付箋強調レイヤ37を右クリックすると、“入力ダイアログ”項目371と“適用”項目372から構成される付箋強調レイヤ・メニューが当該付箋強調レイヤ35に近接して表示される。
次に、利用者が付箋強調レイヤ・メニューの“入力ダイアログ”項目371を選択した場合、付箋強調レイヤ・メニューの入力ダイアログボックスが当該付箋設定画面300i上に表示される。
ここで、利用者は、付箋強調レイヤ37の色、付箋グループ・データの条件辞書を付箋強調レイヤ入力ダイアログ・ボックスを使って入力することができる。
これに対し、付箋強調レイヤ設定部1455は、利用者により入力された付箋強調レイヤ37の色、付箋グループ・データの条件辞書を、図31に示す付箋強調レイヤ・データ29の構成例、及び図24(b)に示す付箋グループ・データ28の構成例の如くの構成で、記憶部13内に各データとして出力し保持させる。
このとき、付箋強調レイヤ設定部1455は利用者によって指定された付箋グループ毎に、付箋グループ識別子を生成し、当該付箋グループ毎に付箋グループ・データ28のメモリ領域を確保する。
その後、利用者が付箋強調レイヤ・メニューの“適用”項目372を選択した場合、付箋強調レイヤ設定部1455は付箋強調レイヤ設定処理が終了したと判断し、続く配置位置算出ステップS66cに移行する。
配置位置算出ステップS66cに移行すると、付箋配置処理部145cは、利用者による上記ステップS565での付箋強調レイヤ37の設定情報に基づいて、該付箋強調レイヤ37上に表示する付箋の基準点の位置、すなわちx座標及びy座標を決定する。
例えば、付箋強調レイヤ37上に図29に示す態様で利用者指定のグループに属する付箋38を再配置する場合は、再配置前の付箋42に対応する付箋対象領域40の位置を再配置後の付箋38の基準点位置として決定する。
上記配置位置算出ステップS66cにおいて、付箋強調レイヤ37上に表示する付箋38の基準点の位置(x座標、及びy座標)を決定する(該x座標及びy座標を再配置データとして設定する)再配置処理が終わると、順序算出ステップS67、向き決定ステップS68、リンク設定ステップS69を経て図32に示す一連の付箋配置処理ステップS106が終了し、図2に示す付箋付与処理は続く付箋表示ステップS107へ移行する。
付箋表示ステップS107において、付箋表示制御部146cは、図32に詳細を示す付箋配置処理中、付箋強調レイヤ設定ステップS656で設定された付箋強調レイヤ37の設定内容、及び配置位置算出ステップS66cで算出された付箋の再配置データに基づき、例えば、図29の文書表示画面300jに示す如く、当該付箋強調エリア37上に該当する付箋38を該付箋38に対応する付箋対象領域40の上に重ねて強調表示する。
この時、付箋強調レイヤ・メニューの“入力ダイアログ”項目371と“適用”項目372は非表示となる。
また、本実施例の文書処理装置10Cでは、例えば、付箋強調レイヤ37上に図30に示す態様で利用者指定のグループに属する付箋39を再配置する場合、上記配置位置算出ステップS66c(図32参照)において、付箋強調レイヤ設定部1455は、実施例2での付箋表示スペーサ35上への配置処理と同様(図25のステップS66b参照)、該付箋強調レイヤ37内に1番目に配置される付箋の座標(xi0,yi0)を設定した後、2番目以降に各順番で配置される各付箋については、1番目に配置される付箋39と同じ座標(Xi0)をその付箋のx座標とし、かつ、y方向の付箋同士の距離(yi1−yi0)を順番に従って順次加算した各値をその付箋のy座標として決定する。
その後、付箋表示ステップS107(図2参照)において、付箋表示制御部146cは、上記配置位置算出ステップS66cで算出された付箋の再配置データ(再配置x,y座標)に基づき、例えば、図30の文書表示画面300kに示す如く、当該付箋強調エリア37上に該当する付箋39を対応する付箋対象領域40(付箋強調レイヤ37が半透明の時、これを通して認知可能)に繋がるリンク線43cと共に強調表示する。
図33は、図30に示す文書表示画面300kの具体的実施形態である文書表示画面の表示例(文書表示画面310j)を示す図である。
この文書表示画面310jの例によれば、上記ステップS656における利用者によるグループ1の条件指定(例えば、青色)を含む付箋強調レイヤ設定操作に基づき単層のグループ1用の半透明の付箋強調レイヤ37が、電子文書領域31全体を上から覆うように表示され、当該表示中の文書の頁に設定された付箋中、グループ1に属する付箋38aが当該付箋強調レイヤ37上に、かつ、対応する付箋対象領域40の上に実線枠で強調されて再配置された表示内容となっている。
ここで、付箋強調レイヤ38aが半透明に設定されている場合、再前面の文書上に非文書領域への付箋配置の痕跡と残された付箋対象領域40が当該付箋強調レイヤ38a下に透けて見通せるように表示される。
図34は、図30に示す文書表示画面300kの具体的実施形態である文書表示画面の別の例(文書表示画面310k)を示す図である。
この文書表示画面310kの例によれば、上記ステップS655における利用者による付箋強調レイヤ設定要求を受ける(付箋強調表示層への付箋の再配置指示を受ける)毎に、グループ1用の半透明の付箋強調レイヤ37aと、その下のグループ2用の半透明の付箋強調レイヤ37bと形成されて電子文書領域31全体を上から覆うように積層表示され、次いで、上記ステップS656における利用者によるグループ1の条件指定(例えば、青色)と、グループ2の条件指定(例えば、黄色)を含む付箋強調レイヤ設定操作に基づき、当該表示中の文書の例えば1頁目(最前面の頁)に設定された付箋中、グループ1に属する青色の付箋38aが当該付箋強調レイヤ37a上に、対応する付箋対象領域40の上に実線枠で強調されて再配置され、かつ、当該表示中の文書の例えば3頁目に設定された付箋中、グループ2に属する黄色(図34に斜線で示す)の付箋38bが当該付箋強調レイヤ37b上に、対応する付箋対象領域40の上に実線枠で強調されて再配置された表示内容となっている。
ここで、付箋強調レイヤ37a,37bが半透明に設定されている場合、下層に当たる付箋強調レイヤ37b上に再配置された付箋38bが上層の付箋強調レイヤ36aから透けて見通せるように表示される。
なお、本実施例において、付箋強調レイヤ37に関連するグループ指定条件として、上述した色に限らず、付箋を作成した利用者、作成時期等、種々の属性を指定することができる。
上述した如く、実施例3に係る文書処理装置10Cでは、各グループ毎の半透明の付箋強調レイヤ37を文書表示領域上に単層または多層状態に表示し、各グループ毎に該当する付箋強調レイヤ37上に当該グループの付箋を再配置して表示する処理機能を有する。
かかる構成によれば、半透明の付箋強調レイヤ37を文書表示領域上に確保して該文書中に設定された同一の属性を有する付箋を当該付箋強調レイヤ37上にまとめて強調表示してこれらを操作できる。
操作の内容としては、例えば、同一属性の付箋をまとめて表示するか非表示とするかの操作や、まとめて印刷するか、印刷禁止するかの操作等が可能である。
また、本実施例に係る文書処理装置10Cでは、複数のグループに対応するそれぞれ対応する各付箋強調レイヤ37を文書表示領域上に多層に確保することで、異なる属性のアイコン群、アイコン・グループを同時に、かつ、一度に確認することができ、更には、これらをまとめて操作することができる。
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
例えば、上記各実施例では、コンピュータで構成される文書処理装置10に文書処理プログラムを実装し、コンピュータを、頁が重ねて表示された文書の任意頁に対して利用者が指定する付箋対象位置情報を取得する付箋対象位置情報取得手段、付箋対象位置情報に対応する付箋情報を生成する付箋情報生成手段、付箋情報生成手段により生成された付箋情報に対して利用者が指定する付箋の内容、大きさ及び形状を含む属性情報を取得する属性情報取得手段、付箋情報生成手段により生成された付箋情報を、文書の画像領域外に、該付箋情報の付箋対象領域から離し、他の付箋対象領域に対応する付箋情報と重ならない位置に整列配置する付箋配置情報を生成する付箋配置情報生成手段、付箋情報生成手段により生成された付箋情報を、該当する属性情報が示す属性を有する図形に図形化し、該当する付箋配置情報に基づいて文書の画像領域外の他の付箋情報と重ならない位置に整列配置させる付箋表示制御を行う付箋表示制御手段として機能させるようにしているが、該文書処理プログラムをCDROM等の記憶媒体に格納して提供するようにしても良い。