JP5531772B2 - 鋼板誘導ガイド、熱間矯正機、および、熱間圧延鋼板製造ライン - Google Patents

鋼板誘導ガイド、熱間矯正機、および、熱間圧延鋼板製造ライン Download PDF

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Description

本発明は、熱間圧延鋼板製造ラインにおいて、熱間圧延後の鋼板を熱間矯正機に導入するために用いられる鋼板誘導ガイド、該鋼板誘導ガイドを備えた熱間矯正機、および、該熱間矯正機を備えた熱間圧延鋼板製造ラインに関する。
熱間圧延された鋼板は、客先要求を満足する平坦度に矯正されて出荷される。その矯正はまずは熱間にて行われ、次いで形状検査が行われた後、必要に応じて冷間矯正が施される。一般に、熱間圧延工程を経た後の鋼板を冷却する際には、鋼板の温度ムラや表面の凹凸等に起因する冷却ムラが生じやすく、該冷却ムラは冷却後における鋼板の平坦の悪化、残留応力による鋼板切断後のキャンバー発生、および、機械的性質のバラツキ等の原因となりやすい。鋼板の中でも、厚鋼板をオンラインで冷却する場合には、特に冷却における冷却ムラが生じやすい。冷却ムラが生じた厚鋼板は冷却後の平坦度が崩れるため、次工程以降で平坦度の崩れを矯正する必要がある。鋼板の平坦度の崩れを矯正する際には、ローラレベラーやプレス等を備えた熱間矯正機が用いられる。しかし、熱間矯正機に導入される前の段階の厚鋼板は、通常その先端部に上方向または下方向に大きな反りが生じており、大きなそりが生じている厚鋼板は、熱間矯正機へと導入し難い。そこで、熱間矯正機へと導入しやすい形状の厚鋼板にするため、熱間矯正機に導入する前に、その反りを除去しておく必要がある。
熱間矯正機へと導入される前の鋼板の反りを除去するには、熱間矯正機の鋼板入り側にノックダウンロールと呼ばれる先端部の反り矯正装置を設置することが一般的である。例えば、特許文献1および2には、冷却装置の前にノックダウンロールが付加された簡易の熱間矯正機に関する技術が開示されている。また、特許文献3には、熱間矯正機の鋼板入り側に鋼板誘導ガイドを設置しガイドに沿って鋼板を熱間圧延機に導入することでノックダウンロールによる反り矯正を行うことなしに熱間矯正を行う技術が開示されている。
特開平11−226642号公報 特開2002−11515号公報 特開2009−248179号公報
上記特許文献1および2に開示されているようなノックダウンロールによる反り除去工程では、図3(a)に示すように、熱間圧延鋼板製造ライン41において、矢印の方向に搬送されてきた鋼板43の反りを有する先端部分が、熱間矯正機42の前に設置されたノックダウンロール40の下部を通過すると、図3(b)に示すように、鋼板43の搬送が一旦停止されるとともに、ノックダウンロール40が矢印の方向に下ろされる。そして、ノックダウンロール40が鋼板43の反りを押さえられる位置まで下ろされると、図3(c)に示すように、鋼板43が矢印の方向に引き戻される(引抜く)ことによって、鋼板43の反りが除去される。
このように、ノックダウンロールによる反り除去工程では、鋼板を一旦停止させ、さらに搬送方向の逆方向に引抜くという作業を行うための時間が必然的に必要となる。そして、その時間が鋼板の製造能率に影響を及ぼす。一方、特許文献3に開示されているような鋼板誘導ガイドが設置されれば、ノックダウンロールによる反り除去で懸念される製造能率の問題は解消する。しかし、鋼板が鋼板誘導ガイドに衝突する際に大きな力がかかる。鋼板誘導ガイドは熱間圧延機の鋼板入り側直前に設置されるため、衝突により鋼板誘導ガイドの位置が大きくずれると、熱間矯正機のロールに鋼板を適切に誘導することができなくなる虞があり、熱間矯正機のロールに鋼板を適切に誘導できないと、鋼板の熱間矯正を行うことができなくなる。
そこで、本発明は、反りを有する鋼板でも一旦停止および搬送方向の逆方向への引抜きを行うことなく、鋼板を適切に熱間矯正機へと誘導することが可能な鋼板誘導ガイド、該鋼板誘導ガイドを備えた熱間矯正機、および該熱間矯正機を備えた熱間圧延鋼板製造ラインを提供することを課題とする。
上述のように、熱間圧延鋼板製造ラインにおける鋼板の反りを除去する方法には、ノックダウンロールによる方法と、鋼板誘導ガイドによる方法がある。前者の方法では製造能率が低下しやすいため、本発明者らは、後者の鋼板誘導ガイドによる方法を検討した。
本発明者らは、鋭意研究の結果、鋼板誘導ガイドを分割し、鋼板の衝突による衝突力を吸収する役割を担う第1の誘導ガイド、および、鋼板を熱間矯正機のロールへと適切に誘導する役割を担う第2の誘導ガイドを有する形態とすることにより、熱間矯正機のロールに鋼板を適切に誘導しやすくなることを知見し、本発明を完成させた。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、熱間圧延鋼板製造ライン(1)に備えられる熱間矯正機(2)の鋼板入り側に設置され、鋼板(3)を熱間矯正機へと導入するために用いられる鋼板誘導ガイド(10)であって、第1の誘導ガイド(11)と、該第1の誘導ガイドの下流側に設置され、熱間矯正機と同期する第2の誘導ガイド(12)とを有し、第2の誘導ガイドの上流側の先端辺(12a)は、第1の誘導ガイドの下流側の先端辺(11a)よりも上空側且つ上流側に位置していることを特徴とする、鋼板誘導ガイドである。
ここに、「熱間矯正機(2)」は、鋼板(3)の平坦度を矯正できるものであればよく、具体的には、ローラレベラーやプレス機等を備えるものを挙げることができる。本発明の「鋼板誘導ガイド(10)」は、熱間矯正機(2)の鋼板入り側に設置され、鋼板(3)を熱間矯正機(2)へと適切に導くものである。鋼板誘導ガイド(10)は、第1の誘導ガイド(11)と第2の誘導ガイド(12)とを有する。本発明の鋼板誘導ガイド(10)は、これら2つの誘導ガイド(11、12)を有していれば良く、2つの誘導ガイド(11、12)に加えて、さらに、鋼板(3)の反りを小さくする他の誘導ガイドを有していても良い。本発明において、第1の誘導ガイド(11)および第2の誘導ガイド(12)は、熱間圧延鋼板製造ライン(1)上を搬送されてくる鋼板(3)との衝突による衝撃に耐えることができる部材であれば、その形態は特に限定されるものではない。第1の誘導ガイド(11)および第2の誘導ガイド(12)としては、例えば、SS400といった一般的な材質によって構成した板状部材等を用いることができる。
「第1の誘導ガイド(11)」は、熱間圧延機又は冷却装置で処理された鋼板(3)に生じた大きな反りによって生じる鋼板先端部との衝突に耐え、鋼板先端の反りを低減する。第1の誘導ガイド(11)を通過したとしても、鋼板先端の反りを完全には除去できない。しかしながら、第1の誘導ガイド(11)を通過した鋼板は、反りが低減されるので、その後の、鋼板と第2の誘導ガイド(12)との衝突時における衝撃を小さくすることができる。相対的に大きな反りによる衝撃を受けることから、第1の誘導ガイド(11)の大きさは第2の誘導ガイド(12)の大きさよりも大きいことが好ましい。第1の誘導ガイド(11)の大きさは、基本的に、設置される熱間圧延鋼板製造ライン(1)に依存する。第1の誘導ガイド(11)の横幅(熱間圧延鋼板製造ライン(1)の幅方向(鋼板(3)の搬送方向と直交する水平面内の方向。以下において同じ。)と略平行な方向の長さ。以下において同じ。)は、熱間圧延鋼板製造ライン(1)の幅方向の長さと同程度とすることができ、第1の誘導ガイド(11)の縦幅(熱間圧延鋼板製造ライン(1)の長手方向(鋼板(3)の搬送方向と平行な方向)と略平行な方向の長さ。以下において同じ。)は、1500〜2500mm程度とすることができる。また、第1の誘導ガイド(11)の厚さは、鋼板(3)との衝突の衝撃に耐えられる厚さであれば良い。第1の誘導ガイド(11)は、一枚板の形態でも良いが、特開2009−248179号公報に開示されているように裏打ち材で補強して箱型状の形態としても良い。また、第1の誘導ガイド(11)は、面(11b)と水平面とのなす角度が10〜30°程度となるように設置すれば良い。鋼板(3)の反りが大きい場合には、水平面に対する角度を大きくすれば良い。第1の誘導ガイド(11)は、油圧装置等の昇降装置によりその位置を容易に変更できるように構成されていても良く、その位置が固定されていても良い。
「第2の誘導ガイド(12)」は、第1の誘導ガイド(11)によって反りが低減された鋼板の反りをさらに小さくすると共に、鋼板を熱間矯正機(2)へと適切に誘導する。そのため、第2の誘導ガイド(12)は、熱間矯正機(2)の入り側直前、且つ、第1の誘導ガイド(11)の下流側に設置される。本発明において、第2の誘導ガイド(12)は、熱間矯正機(2)と同期する機構を有する。例えば、熱間矯正機(2)がローラレベラーである場合、鋼板(3)の厚みによってロール間隔を調整する必要がある。このとき、第2の誘導ガイド(12)とローラレベラーとを直接接続し一体化させることにより、油圧装置等の昇降装置を用いることなく第2の誘導ガイド(12)とローラレベラーとを同期させても良い。このほか、ローラレベラーと第2の誘導ガイド(12)とを接続せず独立して存在させる場合には、ロール間隔の調整にあわせて第2の誘導ガイドを上下動させ、第2の誘導ガイドの位置がロール間隔に合った位置になるように、油圧装置等の昇降装置を用いて第2の誘導ガイドの位置をロール間隔の調整に連動させることによって、第2の誘導ガイド(12)とローラレベラーとを同期させても良い。
第2の誘導ガイド(12)の大きさは、基本的に、設置される熱間圧延鋼板製造ライン(1)に依存する。第2の誘導ガイド(12)の横幅は熱間圧延鋼板製造ライン(1)の幅方向の長さと同程度とすることができ、第2の誘導ガイド(12)の縦幅は、500〜1200mm程度とすることができる。また、鋼板誘導ガイド(10)では、第1の誘導ガイド(11)によって鋼板(3)の反りが低減されているので、鋼板(3)と第2の誘導ガイド(12)とがある程度大きな角度をもって衝突しても、大きな問題は生じ難い。よって、第2の誘導ガイド(12)の設置角度(水平面に対する角度)は、第1の誘導ガイド(11)の設置角度よりも大きくすることができる。第2の誘導ガイド(12)は、面(12b)と水平面とのなす角度が20〜40°程度となるように設置すれば良い。
第2の本発明は、鋼板入り側に上記第1の本発明の鋼板誘導ガイド(10)を備えた、熱間矯正機(2)である。
第3の本発明は、熱間圧延機(31)、第一熱間矯正機(32)、冷却装置(33)、および、第二熱間矯正機(34)が、この順に配列され、第一熱間矯正機および/または第二熱間矯正機が上記第2の本発明の熱間矯正機である、熱間圧延鋼板製造ライン(30)である。
第1の本発明では、ノックダウンロールを用いないので、反りを有する鋼板(3)でも一旦停止および搬送方向の逆方向への引抜きを行う必要がない。それゆえ、第1の本発明によれば、鋼板(3)の反りを除去するために要していた時間を短縮することができ、鋼板の製造能率の向上を図ることができる。また、第1の本発明は、複数の誘導ガイド(11、12)を有しているので、特に厚みが大きく鋼板誘導ガイド(10)への衝突による衝撃力が大きくなるような鋼板(3)であっても、鋼板(3)を熱間矯正機(2)のロールへと適切に誘導する役割を担う第2の誘導ガイド(12)の位置ずれを低減することが可能になり、熱間矯正機(2)のロールに鋼板(3)を適切に誘導することが可能になる。また、誘導ガイドが分割されていない単一の場合には、誘導ガイドを大型化せざるを得ず、誘導ガイドと一体化したローラレベラーのバランスを害する虞があるほか、昇降装置による同期制御が困難になるが、第1の本発明では、誘導ガイドを複数に分けているので、同期させる誘導ガイド(12)を小さくすることができ、同期制御を容易に行うことができる。さらに、第1の本発明において、第2の誘導ガイド(12)の上流側の先端辺(12a)が、第1の誘導ガイド(11)の下流側の先端辺(11a)よりも上空側且つ上流側に位置していることにより、第1の誘導ガイド(11)の下流側の先端辺(11a)を通過した鋼板(3)が第2の誘導ガイド(12)の上側に逃げる事態を防止することが可能になるので、トラブルなく鋼板(3)の熱間矯正を行うことが容易になる。
第2の本発明および第3の本発明によれば、上記第1の本発明の鋼板誘導ガイド(10)を備えることによって、鋼板の製造能率を向上させることや、熱間矯正機(2、32、34)への鋼板導入の安定性を向上させることが可能な、熱間矯正機(2、32、34)および熱間圧延鋼板製造ライン(30)を提供することができる。
鋼板誘導ガイド10を備える熱間圧延鋼板製造ライン1の一部を示す図である。 熱間圧延鋼板製造ライン30を示す図である。 鋼板入り側にノックダウンロール40を備える従来の熱間圧延鋼板製造ライン41の一部を示す図である。
本発明では、熱間圧延鋼板製造ラインにおいて、反りを有する鋼板でも、その鋼板の一旦停止および逆方向への引抜きを行うことなく、安定的に熱間矯正機へと導入することを可能にする鋼板誘導ガイドを提供する。さらに、当該鋼板誘導ガイドを備えた熱間矯正機および熱間圧延鋼板製造ラインを提供する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
1.鋼板誘導ガイド
図1は、本発明の鋼板誘導ガイド10を備える熱間圧延鋼板製造ライン1の一部を概略的に示す図である。図1中の直線矢印は鋼板3の搬送方向である。図1において、紙面右側が上流側、紙面左側が下流側である。
図1に示すように、本発明の鋼板誘導ガイド10は、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12を有している(以下、第1の誘導ガイド11と第2の誘導ガイド12とをまとめて、単に「鋼板誘導ガイド10」ということがある。)。鋼板誘導ガイド10は、熱間圧延鋼板製造ライン1(以下において、「製造ライン1」ということがある。)に備えられる熱間矯正機2の鋼板入り側に設置されている。鋼板誘導ガイド10は、第2の誘導ガイド12の上流側の先端辺12aが、第1の誘導ガイド11の下流側の先端辺11aよりも上空側且つ上流側に位置するように、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12が設置されている。
鋼板誘導ガイド10が熱間矯正機2の鋼板入り側に備えられることによって、反りを有する状態で製造ライン1上を搬送されてきた鋼板3は、図1(a)に示すように、熱間矯正機2に導入される前に第1の誘導ガイド11に衝突する。鋼板3は、第1の誘導ガイド11に衝突後、第1の誘導ガイド11によって押さえられながら搬送されることによって、図1(b)に示すようにある程度反りが除去された状態で第2の誘導ガイド12へと誘導される。鋼板3は、第2の誘導ガイド12に衝突後、第2の誘導ガイド12によって押さえられながら搬送されることによって、図1(c)に示すようにある程度反りが除去された状態で熱間矯正機2へと誘導される。
このように、鋼板誘導ガイド10を用いることによって、反りを有する鋼板3であっても、一旦停止および搬送方向の逆方向への引抜きを行うことなく、熱間矯正機2へと適切に導入することができる。
ここで、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12は、ともに鋼板3を押さえつける役割を果たす一方、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12は、それぞれ個々の役割を果たす。
第1の誘導ガイド11は、製造ライン1を搬送される反りを有する鋼板3と衝突し、最初の衝撃を受ける。特に熱間圧延鋼板3の板厚が大きい場合、その衝撃はかなりなものとなる。第1の誘導ガイド11はこれを受け入れ、鋼板3を第2の誘導ガイド12へと渡す役割を果たす。
第2の誘導ガイド12は、熱間矯正機2と同期する機能を有する。この機能により、第2の誘導ガイド12は熱間矯正機2に鋼板3を適切に導入することができる。ここで、第2の誘導ガイド12には、第1の誘導ガイド11から鋼板3が渡されるため、鋼板3が第2の誘導ガイド12に与える衝撃は、鋼板3が第1の誘導ガイド11に与える衝撃よりも小さい。衝撃が大きいと上述の機能は破壊され同期が取れなくなる可能性がある。
第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12がそれぞれの役割を果たすことにより、鋼板3が鋼板誘導ガイド10へと衝突する際の衝撃が大きい場合でも、鋼板3を適切に熱間矯正機2へと導くことができる。したがって、鋼板誘導ガイド10を用いることにより、安定的な鋼板の製造が可能になる。
鋼板誘導ガイド10において、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12は、その設置角度を調節できるものであることが好ましい。角度の調整方法としては、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12を取り付ける装置(不図示)により調節することが考えられる。第1の誘導ガイド11の具体的な角度の調整範囲としては、側面視において、第1の誘導ガイド11の面11bと鋼板搬送方向(通常は水平方向。図1における紙面左右方向。以下において同じ。)とのなす角が10〜30°の範囲であることが好ましい。この角度が10°未満であると、反りの大きな鋼板に対応することが困難になる虞があり、30°を超える大きさであると、鋼板3を熱間矯正機2に誘導することが困難になるだけでなく、第1の誘導ガイド11の上方の空間を有効に活用することができなくなる虞がある。また、第2の誘導ガイド12は、側面視における、第2の誘導ガイド12の面12bと鋼板搬送方向とのなす角が、例えば20〜40°の範囲となるように設置することができる。
第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12は板状体である。ただし、必ずしも図1に示す第2の誘導ガイド12のように、面が一定の板状体である必要はなく、図1に示す第1の誘導ガイド11のように、側面視でその一部が鈍角を有する板状体であっても良い。特に、第1の誘導ガイド11は、側面視で、その下流側の一部が鈍角を有する板状体であることが好ましい。このような形状であることにより、鋼板3の先端が第1の誘導ガイド11の下流側の先端辺11aに到達した後に生じる、鋼板3の反りの跳ね返りによる、第2の誘導ガイド12への衝撃を小さくすることができる。
2.熱間矯正機
本発明の熱間矯正機2には、鋼板入り側に鋼板誘導ガイド10が備えられる。かかる形態とすることによって、上述したように、反りを有する鋼板3でも一旦停止および搬送方向の逆方向への引抜きを行うことなく、鋼板3を適切に熱間矯正機2へと導入することができる。したがって、本発明の熱間矯正機2によれば、熱間矯正機2に鋼板3を導入する前にその鋼板3の反りを除去するために要していた時間を短縮することができ、鋼板の製造能率および熱間矯正機2への鋼板導入の安定性を向上させることができる。
3.熱間圧延鋼板製造ライン
図2は、本発明の熱間圧延鋼板製造ライン30(以下において、「製造ライン30」という。)を概略的に示す図である。図2において、紙面右側が上流側、紙面左側が下流側である。図2に示すように、製造ライン30は、熱間圧延機31、鋼板入り側に鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)を備えた第一熱間矯正機32、冷却装置33、および、鋼板入り側に鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)を備えた第二熱間矯正機34が、この順で配列されている。
製造ライン30では、図2(a)に示すように、熱間圧延機31による圧延工程を経た鋼板35が、反りを有した状態で搬送され、第一熱間矯正機32の入り側に設置されている鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)に衝突する。そして、鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)に衝突した鋼板35は、そこである程度反りが除去されて、図2(b)に示すように、第一熱間矯正機32へと導入される。さらに、鋼板35は、冷却装置33による冷却工程を経て、図2(c)に示すように、反りを有した状態で、第二熱間矯正機34の入り側に設置されている鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)に衝突する。そして、鋼板誘導ガイド10(第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12)に衝突した鋼板35は、そこである程度反りが除去されて、図2(d)に示すように、第二熱間矯正機34へと導入される。
このように、製造ライン30では、熱間圧延機31や冷却装置33を経て反りを有した状態で熱間矯正機32、34の前まで搬送されてきた鋼板35であっても、鋼板35の一旦停止および搬送方向の逆方向への引抜きを行うことなく、安定的に、鋼板35を熱間矯正機32、34へと導入することができる。そのため、製造ライン30によれば、鋼板35の反りを除去するために要していた時間を短縮することができ、鋼板の製造能率の向上を図ることができる。
製造ライン30に関する上記説明では、第一熱間矯正機32および第二熱間矯正機34の両方に鋼板誘導ガイド10が備えられている形態を例示したが、鋼板の反りが大きくなければ、いずれか一方の熱間矯正機の鋼板入り側に鋼板誘導ガイドが備えられていても良い。
また、鋼板誘導ガイドがあれば鋼板35を一旦停止する必要がない。このため、鋼板35の先端が第二熱間矯正機34で矯正されると同時に後端が冷却装置33で冷却されるように、冷却装置33と第二熱間矯正機34を配置してもよい。言い換えれば、冷却装置33と第二熱間矯正機34との設置間隔より全長(長手方向(鋼板3の搬送方向と平行な方向)の長さ)が長い鋼板35でも本熱間圧延鋼板製造ラインで扱うことができる。こうすることで製造ライン30自体をコンパクトにすることができる。
本発明に関する上記説明では、第2の誘導ガイド12の上流側の先端辺12aが、第1の誘導ガイド11の下流側の先端辺11aよりも上空側且つ上流側に位置するように、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12が設置されている形態の鋼板誘導ガイド10を例示したが、本発明の鋼板誘導ガイドは当該形態に限定されるものではない。ただし、第1の誘導ガイド11の下流側の先端辺11aを通過した鋼板3が、第2の誘導ガイド12の上側に逃げる事態を防止して、トラブルなく鋼板の熱間矯正を行うことを容易にする等の観点からは、第2の誘導ガイド12の上流側の先端辺12aが、第1の誘導ガイド11の下流側の先端辺11aよりも上空側且つ上流側に位置するように、第1の誘導ガイド11および第2の誘導ガイド12を設置することが好ましい。
また、本発明はノックダウンロールの課題を解決するものであるが、本発明の鋼板誘導ガイドを有する熱間圧延鋼板製造ラインには、ノックダウンロールが設置されていても良い。
熱間圧延鋼板製造ラインにおいて、冷却装置の後に、ローラレベラーを備える熱間矯正機を設置し、該熱間矯正機の鋼板入り側に本発明の鋼板誘導ガイドを設置して、鋼板の反り矯正を行うと共に平坦度を矯正した。冷却工程を経た鋼板は反りを有していたが、いずれの鋼板についても本発明の鋼板誘導ガイドによりローラレベラーへと安定的に導入され、ローラレベラーで平坦度が矯正されることにより平坦度の高い鋼板が得られた。なお、本発明の鋼板誘導ガイドを設置するに当たり、第1の誘導ガイドおよび第2の誘導ガイドの、水平面に対する設置角度を10°、20°、30°と変化させ、鋼板の矯正を行った。その結果、いずれの角度においても、鋼板が、本発明の鋼板誘導ガイドによりローラレベラー(熱間矯正機)へと安定的に導入され、平坦度の高い鋼板が得られた。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う鋼板誘導ガイド、該鋼板誘導ガイドを備えた熱間矯正機および熱間圧延鋼板製造ラインもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明は、自動車用、家電用、機械構造用、建築用等の用途に使用される熱間圧延鋼板を製造する際に用いることができる。
1…熱間圧延鋼板製造ライン
2…熱間矯正機
3…鋼板
10…鋼板誘導ガイド
11…第1の誘導ガイド
12…第2の誘導ガイド
30…熱間圧延鋼板製造ライン
31…熱間圧延機
32…第一熱間矯正機
33…冷却装置
34…第二熱間矯正機
35…鋼板
40…ノックダウンロール
41…熱間圧延鋼板製造ライン
42…熱間矯正機
43…鋼板

Claims (3)

  1. 熱間圧延鋼板製造ラインに備えられる熱間矯正機の鋼板入り側に設置され、鋼板を前記熱間矯正機へと導入するために用いられる鋼板誘導ガイドであって、
    第1の誘導ガイドと、該第1の誘導ガイドの下流側に設置され前記熱間矯正機と同期する第2の誘導ガイドとを有し、前記第2の誘導ガイドの上流側の先端辺は、前記第1の誘導ガイドの下流側の先端辺よりも上空側且つ上流側に位置していることを特徴とする、鋼板誘導ガイド。
  2. 鋼板入り側に、請求項1に記載の鋼板誘導ガイドを備えた、熱間矯正機。
  3. 熱間圧延機、第一熱間矯正機、冷却装置、および、第二熱間矯正機が、この順に配列され、前記第一熱間矯正機および/または前記第二熱間矯正機が、請求項2に記載の熱間矯正機であることを特徴とする、熱間圧延鋼板製造ライン。
JP2010115207A 2010-05-19 2010-05-19 鋼板誘導ガイド、熱間矯正機、および、熱間圧延鋼板製造ライン Active JP5531772B2 (ja)

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