JP5530313B2 - サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ - Google Patents

サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサ Download PDF

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Description

本発明は、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物及びサーミスタセンサに関する。
サーミスタセンサは、温度検出素子等として、自動車、家電、産業機器等、幅広い分野で使用されている。このサーミスタセンサの構造として、サーミスタ素子に、導体外周に軟質塩化ビニル樹脂等の絶縁被覆を設けた電線を接続して、保護ケースに挿入するとともに、保護ケース内にエポキシ系等の絶縁性液状樹脂を注入し硬化させた、いわゆる樹脂モールド型サーミスタセンサと称するものが知られている。
近年、サーミスタセンサにおいては、その使用環境の厳しさが増す一方、信頼性に対する要求が一段と高まってきている。樹脂モールド型サーミスタセンサも例外ではなく、大きな温度差といった厳しい条件下での使用によっても、樹脂部にクラックが入ったり、樹脂部と電線との間で界面剥離が生じたりすることのないサーミスタセンサが要望されてきている。
そこで、例えば、モールド樹脂材料に2液硬化型のポリブタジエン系ウレタン樹脂を使用したものや、絶縁被覆の表面にさらに特定のプライマを塗布することによって電線の樹脂部に対する接着強度を高めたもの等が開発されてきている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、2液型の樹脂材料やプライマの使用は作業性の低下につながり、特に、プライマの使用は作業性のみならず材料コスト、製造コストも増大させる。さらにモールド樹脂材料は、温度変化をサーミスタ素子に速やかに伝達させるため、高い熱伝導率を有することが要求されるが、この点でも上記サーミスタセンサは特性がやや不十分であった。
特開平8−94452号公報
本発明は上記従来技術の課題を解決するためになされたもので、それ自身、高い熱伝導性を有し、かつプライマ処理せずともクラックや界面剥離等が生ずることがない樹脂部を形成することができるサーミスタセンサ注形用樹脂組成物、及びそのような組成物を用いた高性能で、かつ高い信頼性を有するサーミスタセンサを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部、(B)可撓性エポキシ樹脂2〜20質量部、(C)反応性希釈剤2〜20質量部、(D)アミン系硬化剤80〜200質量部、及び(E)アルミナ粉末300〜500質量部を含有することを特徴としている。
本発明の他の態様に係るサーミスタセンサは、サーミスタ素子と、このサーミスタ素子に接続された絶縁電線と、前記サーミスタ素子及び前記絶縁電線端部外周に注形によって形成された樹脂部とを備え、前記樹脂部が、上記サーミスタセンサ注形用樹脂組成物からなることを特徴としている。
本発明によれば、高性能で、かつ高い信頼性を有するサーミスタセンサを、従来に比べて安価に、かつ作業性良く製造することが可能になる。
本発明の一実施形態のサーミスタセンサの概略構成を示す断面図である。 サーミスタセンサ注形用樹脂組成物の特性評価方法を説明する断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物に用いられる各成分について説明する。
本発明に用いられる(A)成分のビスフェノールA型エポキシ樹脂は、下記の一般式(1)で表される液状のエポキシ樹脂であり、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンの縮合反応により得られる。市販品としては、例えば、R−140(三井化学(株)製 商品名)等が挙げられる。
Figure 0005530313
(式中、nは0または1以上の整数を表す)
次に、本発明に用いられる(B)成分の可撓性エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を脂肪族ポリエーテルで変性したものである。具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の主鎖に、エチレンオキシエチル基、ジ(エチレンオキシ)エチル基、トリ(エチレンオキシ)エチル基、プロピレンオキシプロピル基、ジ(プロピレンオキシ)プロピル基、トリ(プロピレンオキシ)プロピル基、炭素原子数2〜15のアルキレン基等の柔軟性骨格、及び下記一般式(2)で表される極性骨格を有する、例えば、下記一般式(3)〜(5)で表されるものや、ビスフェノールAに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加したポリオールをエポキシ化した、例えば、下記一般式(6)で表されるもの等が使用される。なお、上記柔軟性骨格は、炭素数1〜4のアルキル基を有していてもよい。市販品としては、例えば、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4003(以上、いずれも(株)ADEKA製 商品名)、EPICLON EXA−4850−150(DIC(株)製 商品名)等が挙げられる。(B)成分の可撓性エポキシ樹脂としては、なかでも、ビニルエーテル骨格を有するもの、例えば、EPICLON EXA−4850−150(商品名)等が好ましい。このようなビニルエーテル骨格を有する可撓性エポキシ樹脂を用いることにより、銅管等からなる保護ケース等に対する接着力が向上する。
Figure 0005530313
Figure 0005530313
(式中、nは1〜10の整数を表す)
Figure 0005530313
(式中、Rは水素原子またはメチル基、m及びnは、m≧0、n≧0、及びm+n=2を満足する整数を表す)
この(B)成分の可撓性エポキシ樹脂の配合量は、(A)成分のビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して2〜20質量部の範囲が好ましく、4〜10質量部の範囲がより好ましい。配合量が2質量部未満では、銅管等からなる保護ケース等に対する接着力が低下するおそれがあり、逆に20質量部を超えると、硬化物の耐湿性が低下するおそれがある。
上記(A)及び(B)成分に加え、他のエポキシ樹脂を併用することができる。併用するエポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のフェノール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化したもの;ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換ビスフェノール等のジグリシジルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;シクロヘキサン誘導体等のエポキシ化によって得られる脂環式エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。他のエポキシ樹脂を併用する場合、接着性及び耐湿性の観点から、エポキシ樹脂全量の25質量%以下とすることが好ましく、20質量%以下とすることがより好ましい。
次に、本発明に用いられる(C)成分の反応性希釈剤としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル等が挙げられる。これらのなかでも、柔軟性付与の点から、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル等の炭素数6以上の高級アルコールのグリシジルエーテルが好ましい。このような高級アルコールのグリシジルエーテルの市販品としては、例えば、SY40M、SY35M(以上、いずれも阪本薬品工業(株)製 商品名)等が挙げられる。反応性希釈剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(C)成分の反応性希釈剤の配合量は、(A)成分のビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して2〜20質量部の範囲が好ましく、4〜10質量部の範囲がより好ましい。配合量が2質量部未満では、希釈効果が十分に得られないおそれがあり、逆に20質量部を超えると、反応性が不良となるおそれがある。
次に、本発明に用いられる(D)成分のアミン系硬化剤としては、ポリエーテルアミン、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の炭素数2〜80の脂肪族多価アミン;p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルメタン等の芳香族多価アミン;4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環式多価アミン;ジシアンジアミド等が挙げられる。これらのなかでも、ロングライフ性の点から、脂肪族多価アミンが好ましく、ポリエーテルアミンがより好ましい。アミン系硬化剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
この(D)成分のアミン系硬化剤の配合量は、(A)及び(B)成分のエポキシ樹脂を硬化させることができる量であればよいが、好ましくは(A)成分のビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して80〜200質量部の範囲であり、80〜180質量部の範囲であるとより好ましい。配合量が80質量部未満では、硬化物のガラス転移点が下がり、逆に200質量部を超えると、硬化物の耐湿性が低下するおそれがある。
上記(D)成分に加え、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等の他の硬化剤を併用することができる。フェノール系硬化剤としては、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等のアラルキル型フェノ−ル樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、これらの変性樹脂、例えばエポキシ化もしくはブチル化したノボラック型フェノール樹脂等、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂等が挙げられる。また、酸無水物系硬化剤としては、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸やこれらの誘導体等が挙げられる。その他、ジシアンアミド、イミダゾール、アルミニウムキレート、BFのようなルイス酸のアミン錯体等も使用可能である。これらは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。他の硬化剤を併用する場合、硬化性及び架橋性の観点から、硬化剤全量の20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
さらに、エポキシ樹脂と硬化剤との反応を促進する硬化促進剤も、本発明の硬化を阻害しない範囲で配合することができる。硬化促進剤としては、例えば、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐ヘプタデシルイミダゾール、2‐メチルイミダゾール、2‐エチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐ヒドロキシメチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐メチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチル‐5‐ヒドロキシメチルイミダゾール、2‐フェニル‐4、5‐ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、α‐メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、2‐(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類、1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン‐7(DBU)、1,5‐ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン‐5等のジアザビシクロアルケン及びその誘導体、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン等ホスフィン類等が挙げられる。
次に、本発明に用いられる(E)成分のアルミナ粉末は、数平均粒径が2〜15μmであることが好ましく、4〜12μmであることがより好ましい。数平均粒径が2μm未満では、組成物の粘度が高くなり、数平均粒径が15μmを超えると、沈降しやすくなる。
この(E)成分のアルミナ粉末の配合量は、(A)成分のビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部に対して300〜500質量部の範囲が好ましく、300〜350質量部の範囲であるとより好ましい。配合量が300質量部未満では、硬化物の熱伝導率が低下し、逆に500質量部を超えると、組成物の粘度が上昇する。
本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物には、(E)成分のアルミナ粉末以外の無機充填剤の1種以上を、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて配合することができる。このような無機充填剤としては、例えば、シリカ、ジルコン、タルク、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタンホワイト、クレー、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア等の粉末、これらを球形化したビーズ、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
さらに、本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物には、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、沈降防止剤、カーボンブラック等の着色剤、消泡剤、三酸化アンチモン等の難燃剤を配合することができる。
本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、100℃で6時間硬化させて得られる硬化物の熱伝導率が0.7W/(m・K)以上であることが好ましく、0.9W/(m・K)以上であることがより好ましい。熱伝導率が0.7W/(m・K)未満では、センサの感度が低下する。なお、熱伝導率は、プローブ法により測定される。
本発明のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物は、(A)〜(E)の各成分、及び前述したその他の成分の所定量をミキサー等により均一に混合することにより、1液型のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物として得ることができる。また、(D)成分及び必要に応じて配合される他の硬化剤、硬化促進剤を含有する硬化剤と、それらの硬化剤成分以外の成分を含有する主剤との2液型のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物として調製することもできる。主剤と硬化剤は、使用に際し、ミキサー等により均一に混合される。
次に、本発明のサーミスタセンサについて説明する。
本発明のサーミスタセンサは、上述したサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注形硬化させたものであり、図1に、その一実施形態を示す。なお、図面は単に図解のために提供されるものであって、本発明はそれらの図面により何ら限定されるものではない。
図1に示すように、本実施形態のサーミスタセンサ10は、サーミスタ素子11と、サーミスタ素子11に接続された銅線等からなるリード線12と、このリード線12を介して接続された外部リード線13の端部とを、保護ケース(銅管)14に挿入するとともに、保護ケース14内に液状の樹脂組成物を注入し硬化させて樹脂部15を形成した構造を有する。外部リード線13は、導体13a外周に、軟質塩化ビニル樹脂、架橋ポリエチレン等の絶縁被覆13bを施した絶縁電線により構成されており、また、樹脂部15を形成する液状の樹脂組成物として、前述したサーミスタセンサ注形用樹脂組成物が使用されている。
本実施形態のサーミスタセンサ10を製造するにあたっては、予めサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注入した保護ケース14内に、リード線12及び外部リード線13を接続したサーミスタ素子11を挿入し、その後、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物を硬化させるようにしてもよく、あるいは、リード線12及び外部リード線13を接続したサーミスタ素子11を保護ケース14内に挿入した後、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物を注入し、硬化させるようにしてもよい。硬化条件としては、95〜105℃の温度で5〜7時間程度が好ましい。
本実施形態のサーミスタセンサ10においては、前述したサーミスタセンサ注形用樹脂組成物を用いたことにより、厳しい環境下での使用においても、樹脂部にクラックや界面剥離が発生することがなく、長期に亘って高い信頼性を有することができる。しかも、従来のような絶縁被覆13b表面に対するプライマ処理の必要がないため、作業性も良好で、材料コスト、製造コストも低減される。さらに、サーミスタセンサ注形用樹脂組成物は熱伝導率が高いため、外部の温度変化がサーミスタ素子に速やかに伝達され、高いセンサ機能を有することができる。
なお、上記サーミスタセンサ注形用樹脂組成物の絶縁被覆13bに対する接着性は、絶縁被覆13bが軟質塩化ビニル樹脂からなる場合に特に良好である。したがって、本発明は、絶縁被覆13bが軟質塩化ビニル樹脂からなる電線を用いたサーミスタセンサに適用した場合に特に顕著な効果が得られる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の記載において特に明示しない限り、「部」は「質量部」を示すものとする。
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三井化学(株)製 商品名 R140P;エポキシ樹脂(1)と表記)90部、ビニルエーテル変性エポキシ樹脂(DIC(株)製 商品名 EPICLON EXA4850−150;エポキシ樹脂(2)と表記)5部、反応性希釈剤として高級アルコールグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株)製 商品名 SY40M)5部、平均粒径0.024μmのカーボンブラック(三菱化学(株)製 商品名 MA100R)1.2部、平均粒径4μmのアルミナ粉末(太平洋ランダム(株)製 商品名 LA4000)140部、平均粒径12μmのアルミナ粉末(太平洋ランダム(株)製 商品名 LA1200)180部、消泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製 商品名 TSA720)0.1部、沈降防止剤(日本有機粘土(株)製 商品名 エスベン)1部、分子量430のポリエーテルアミン(Huntsman Corp.製 商品名 ジェファーミンD−400;硬化剤(1)と表記)19.4部、及び分子量2000のポリエーテルアミン(Huntsman Corp.製 商品名 ジェファーミンD−2000;硬化剤(2)と表記)を真空混練してエポキシ樹脂組成物を調製した後、図1に示すように、予めサーミスタ素子11、リード12線等をセットしておいた銅製の保護ケース14内に注入し、100℃で6時間加熱し硬化させてサーミスタセンサを製造した。
(実施例2)
反応性希釈剤として、高級アルコールグリシジルエーテル(商品名 SY40M)に代えて、ブチルグリシジルエーテル(阪本薬品工業(株)製 商品名 BGE)を用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(実施例3)
平均粒径4μmのアルミナ粉末(商品名 LA4000)及び平均粒径12μmのアルミナ粉末(商品名 LA1200)の配合量をそれぞれ200部及び120部に変えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(実施例4)
平均粒径4μmのアルミナ粉末(商品名 LA4000)及び平均粒径12μmのアルミナ粉末(商品名 LA1200)の配合量をそれぞれ157部及び202部に変え、かつ硬化剤成分として分子量2000のポリエーテルアミン(商品名 ジェファーミンD−2000)を単独で160部配合するようにした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(実施例5)
ビニルエーテル変性エポキシ樹脂(商品名 EPICRON EXA4850−150)に代えて、ビスフェノールA‐アルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテル((株)ADEKA製 商品名 EP−4000;エポキシ樹脂(3)と表記)を用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(比較例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名 R140P)の配合量を95部とし、かつビニルエーテル変性脂肪族エポキシ樹脂とビスフェノールAとの混合物(商品名EPICRON EXA4850−150)を未配合とした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(比較例2)
アルミナ粉末の全量を、平均粒径6.6μmのシリカ粉末((株)龍森製 商品名 CMC−12S)に変えた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(比較例3)
平均粒径4μmのアルミナ粉末(商品名 LA4000)及び平均粒径12μmのアルミナ粉末(商品名 LA1200)の配合量をそれぞれ136.5部及び175.5部とし、かつ硬化剤成分としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成工業(株)製 商品名 HN2000)82.4部、及び硬化促進剤(花王(株)製 商品名 カオーライザーNo.20)1.6部を用いた以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
(比較例4)
反応性希釈剤を未配合とした以外は実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製し、さらに、この組成物を用いてサーミスタセンサを製造した。
上記各実施例及び比較例で得られたエポキシ樹脂組成物及びサーミスタセンサについて、下記に示すような方法で各種特性を評価した。結果を、樹脂組成物の組成とともに表1に示す。
[粘度]
調製直後のエポキシ樹脂組成物の粘度を、B型粘度計を用いて、25℃、12rpmの条件で測定した。
[硬化性]
エポキシ樹脂組成物を試験管に入れ、140℃で針金を1秒間に1回の割合で上下させて、針金が沈まなくなるまでの時間を測定した。
[硬さ]
エポキシ樹脂組成物を100℃、6時間の条件で硬化させて作製した試料(50g)について、25℃で、タイプC2デュロメータを用いて測定した。
[絶縁電線ピール強度]
銅板に長さ5cmに亘ってエポキシ樹脂組成物を塗布し、その上にφ1.5mm×2本の平行塩化ビニル樹脂絶縁電線を載せ、エポキシ樹脂組成物を100℃で6時間加熱し硬化させた後、(株)島津製作所製のオートグラフにより180°ピール試験を行った。
[絶縁電線引き抜き強度]
図2に示すように、銅ケース21内に、φ1.5mm×2本の平行塩化ビニル樹脂絶縁電線22とともにエポキシ樹脂組成物23を注入し、100℃、6時間の条件で硬化させて測定用試料24を作製した。この試料について、(株)イマダ製のプッシュプルゲージを用いて塩化ビニル樹脂絶縁電線22の引き抜き力を測定した。
[熱伝導率]
エポキシ樹脂組成物を100℃、6時間の条件で硬化させて作製した試料について、京都電子工業(株)製の熱伝導計を用いて測定した。
[サーミスタセンサ信頼性]
サーミスタセンサについて−25℃〜75℃の気中でのサイクル試験を行い、500サイクル後の樹脂部断面におけるクラックの発生の有無を目視により観察し、その発生率(試料数10)を調べた。
[注入作業性]
エポキシ樹脂組成物注入(テルモ(株)製1.20×38mm注射針を使用)時の作業性を、次の基準により評価した。
○…注形時間30秒未満
△…注形時間30秒以上60秒未満
×…注形時間60秒以上
これらの結果を、エポキシ樹脂組成物の組成とともに表1に示す。
Figure 0005530313
表1から明らかなように、実施例で得られたサーミスタセンサは、いずれも高い信頼性を備えており、かつ作業性も良好であった。
10…サーミスタセンサ、11…サーミスタ素子、12…リード線、13…絶縁電線からなる外部リード線、14…保護ケース、15…樹脂部。

Claims (7)

  1. (A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂100質量部、(B)可撓性エポキシ樹脂2〜20質量部、(C)反応性希釈剤2〜20質量部、(D)アミン系硬化剤80〜200質量部、及び(E)アルミナ粉末300〜500質量部を含有することを特徴とするサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  2. (B)可撓性エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を脂肪族ポリエーテルで変性した変性エポキシ樹脂である請求項1記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  3. 前記変性エポキシ樹脂が、ビニルエーテル骨格を有するものであることを特徴とする請求項2記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  4. (C)反応性希釈剤が、炭素数12〜14の高級アルコールグリシジルエーテルであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  5. 100℃で6時間硬化させたときの硬化物の熱伝導率が、0.7W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  6. 一液型の注形用樹脂組成物である請求項1乃至5のいずれか1項記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物。
  7. サーミスタ素子と、このサーミスタ素子に接続された絶縁電線と、前記サーミスタ素子及び前記絶縁電線端部外周に注形によって形成された樹脂部とを備え、
    前記樹脂部が、請求項1乃至6のいずれか1項記載のサーミスタセンサ注形用樹脂組成物からなることを特徴とするサーミスタセンサ。
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