JP5530022B1 - 映像観覧システム及び映像表示方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な装置を用いることなく、複数の観覧者が同等の観覧環境下でかつ同時に、臨場感を得られる映像を表示する。
【解決手段】映像観覧システム10は、水平面上に配置された円形の外縁部12aを有する表示部12と、表示部12を見下ろす位置に、円形の外縁部12aと同心円をなすように配置された観覧ポイント14とを備えている。このため、臨場感を醸成するにあたり、観覧者Hによる観覧方向に依存しない映像を表示部12に表示することにより、観覧ポイント14内の、同心円の軸C周り方向に関するどの位置からも、観覧者Hに対して同等に映像を認識させることができる。更に、複数の観覧者Hが、観覧ポイント14内に視点を置いた状態で軸C周り方向に広がり、表示部12を見下ろす姿勢で映像を観覧することとなるため、複数の観覧者H全員に対して、同時に、同等な観覧環境を提供することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、観覧者の視点の下方に展開される映像を観覧するシステムに係り、特に、観覧者が臨場感を持って映像を観覧できる施設を含む映像観覧システム、及び、該システムに使用される映像表示方法に関する。
従来、大きなスクリーンを使用して、現場感及び実感がある映像を、観覧者に(仮想空間として)見せるものとして、種々の装置やシステムがある。例えば、代表的には、スクリーンがドーム型のプラネタリウムは周知であり、又、広視野の曲面スクリーンに、複数のプロジェクタから左目用映像と右目用映像からなる分割映像を、互いに一部を重複させながら投影し、立体映像として見せる映像投影システムがある(特許文献1)。スクリーンへの投影方法も、側方だけではなく下方から投影する方法もある(特許文献2)。又、スクリーンを観覧者の下部方向に設けた発明として、例えば、透過型のスクリーンを水平に設置し、スクリーンの下側から反射ミラーを介した映像を投影する表示装置(特許文献3)や、映像投影手段と動揺台とを備え、正面、左面、右面、床面の4つのスクリーンに映像投影手段により映像を投影する臨場感生成装置(特許文献4)がある。
又、よりよい画像を得るための投影技法として、スクリーンだけではなく、建築物や物体、或いは空間等に、映像を映し出す技術(プロジェクションマッピングと呼ばれている)がある。更に、広いスクリーンに投影される画像を明瞭にするために、1つのスクリーンに複数のプロジェクタから、映像の端部が重なり合うように分割映像を投影して、映像の重複部分を補正する技術(エッジブレンディング)や、再生した映像データをディスプレイに表示する際の表示モードの一つとして、映像データの1ピクセルをディスプレイの1ドットに対応させて表示するドットバイドットの方式も、従来、使用されている。
特許第3918860号公報 特開2005−257933号公報 特開2000−122175号公報 特開2000−122193号公報
臨場感を得るための手段として、3次元映像を表示する方法があるが、この3次元映像を見るためには、一般的に、左右の目に相異なる映像を表示する補助的装置が必要となる。又、動揺台による動きと、映像投影手段により複数のスクリーンに投影する映像とを組み合わせて、臨場感を得る方法もあるが、この方法の場合でも、複雑で大掛かりな装置が必要となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複雑な装置を用いることなく、複数の観覧者が同等の観覧環境下でかつ同時に、臨場感を得られる映像を表示することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)円形の外縁部が水平面上に配置された表示部と、該表示部を見下ろす位置に、前記円形の外縁部と同心円をなすように配置された観覧ポイントとを備える映像観覧システム。
本項に記載の映像観覧システムは、水平面上に配置された円形の外縁部を有する表示部と、観覧ポイントとを備えている。本明細書における「観覧ポイント」とは、表示部に表示される映像を観覧者が観覧する際に適切な観覧環境を得るための、表示部に対する観覧者の目の位置として好適な範囲を示している。そして、本項に記載の映像観覧システムは、この観覧ポイントが、表示部を見下ろす位置に、表示部の円形の外縁部と同心円をなすように、例えば妥当な範囲(高さ、幅)を持った環状に配置されるものである。このため、例えば宇宙空間や深海をイメージした映像等の、臨場感を醸成するにあたり、観覧者による観覧方向に依存しない映像を表示部に表示することにより、観覧ポイント内の、同心円の軸周り方向に関するどの位置からも、観覧者により同等に映像が認識されることとなる。更に、観覧者が複数の場合であっても、複数の観覧者が、表示部の外縁部と同心円をなすように配置された観覧ポイント内に視点を置いた状態で軸周り方向に広がり、表示部を見下ろす姿勢で、表示部に表示される映像を観覧することとなるため、複数の観覧者全員に対して、同時に、同等な観覧環境を提供するものとなる。
(2)上記(1)項において、前記表示部が、円形の平面部と、該平面部の周囲に配置され、前記円形の外縁部を規定する、外側に向かって上方に湾曲する湾曲部とからなり、前記表示部の、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界が、前記湾曲部に、前記境界をぼかすようにして表示するよう配置される映像観覧システム(請求項1)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示部が、円形の平面部と、この平面部の周囲に配置された湾曲部とからなるものである。湾曲部は、外側に向かって上方に湾曲した形状であり、その最も外側の縁が、表示部の円形の外縁部を規定している。更に、表示部の、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界が、湾曲部に、その境界をぼかすようにして表示するよう配置されることで、このような境界が観覧者により視認されることを抑制するものとなる。これは、表示部に表示する映像として、例えば、宇宙空間をイメージした角や縁がない映像を表示するような場合に特に有効であり、観覧者に対して、より臨場感のある映像を表示するものとなる。更に、平面部には平面に適した映像を、湾曲部には湾曲面に適した映像を表示することで、表示部の形状を利用した臨場感のある映像を表示するものとなる。
(3)上記(2)項において、前記表示部が設置された表示フロアと、前記観覧ポイントが設置された観覧フロアとを備える映像観覧システム(請求項2)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示部が設置された表示フロアと、観覧ポイントが設置された観覧フロアとを備えることで、表示部と観覧ポイントとを、フロア単位で適切な位置関係に配置するものである。又、表示フロアを表示部の設置に適した環境として構築し、観覧フロアを映像の観覧に適した環境として構築するものである。
(4)上記(3)項において、前記観覧フロアが、前記表示フロアの上層に配置され、かつ、前記表示部の円形の外縁部と同心円をなす開口を有している映像観覧システム(請求項3)。
本項に記載の映像観覧システムは、観覧フロアが表示フロアの上層に配置され、更に、観覧フロアに表示部の円形の外縁部と同心円をなす開口が設けられているものである。換言すれば、表示部は、開口の下側に開口と同心円をなして配置される。従って、観覧者は、開口の周りの観覧ポイントから、開口を介して表示部を見下ろす態様で、映像を観覧するように促されることとなる。すなわち、観覧ポイントは、観覧フロアに設けられた開口の周りに、表示部の円形の外縁部と同心円状に配置されることとなる。更に、上層に配置される観覧ポイントから、下層に配置される表示部までの適切な距離が確保されることとなる。このため、観覧ポイントから観覧する観覧者により、表示部の表示面や、映像を構成するドット(画素)が認識されることが抑制される。従って、観覧者に対し、同等な観覧環境を提供すると共に、臨場感のある映像を適切な解像度で表示するものとなる。
(5)上記(4)項において、前記開口の直径が、前記表示部の円形の外縁部の直径以下に形成されている映像観覧システム(請求項4)。
本項に記載の映像観覧システムは、開口の直径が表示部の円形の外縁部の直径以下に形成されることで、開口の周りに配置される観覧ポイントが、表示部の円形の外縁部よりも、同心円の中心軸側に配置される。これにより、開口を介して表示部を見下ろす観覧者に対して、開口よりも径方向外側に配置される表示部の円形の外縁部が、円形の鍔状にせり出す開口縁によって、意図的に覆い隠される。表示部の外縁部は、表示する映像によっては、臨場感を損なう一因となるが、本構成によれば、観覧者が表示部の外縁部を認識することが困難、或いは、認識できなくなる。従って、観覧者に対し、より臨場感のある映像を表示するものとなる。
(6)上記(1)から(5)項において、前記表示部の円形の外縁部、又は、前記観覧フロアの開口の周縁部に沿って、円形の柵が設けられている映像観覧システム(請求項5)。
本項に記載の映像観覧システムは、円形の柵が設けられたものであり、例えば、観覧ポイントと観覧フロアの床面との間に表示部が配置されるような場合には、表示部の円形の外縁部に沿って、又、観覧フロアの開口の下に表示部が配置されるような場合には、開口の周縁部に沿って、円形の柵が設けられる。これにより、観覧者が柵を拠り所として、自ら適当な観覧ポイントを見出すものとなる。すなわち、観覧者は、表示部に表示される映像を観覧する際に、円形の柵に沿った位置から、円形の柵越しに表示部を覗き込むような姿勢となる。このため、観覧者が複数の場合であっても、観覧者の視界に他の観覧者が入ることが抑制され、観覧者に没入感を与えるものとなる。更に、設置される円形の柵の高さを、観覧ポイントを考慮した高さに設定することで、観覧者が映像を観覧する姿勢になったときに、観覧者の視点が自然に置かれるような範囲に、観覧ポイントの配置が促されるものとなる。
(7)上記(2)から(6)項において、前記湾曲部は、外側に向かうにつれて、上方への傾斜角度が徐々に増加する映像観覧システム(請求項)。
本項に記載の映像観覧システムは、湾曲部の上方への傾斜角度が、外側に向かうにつれて徐々に増加していることで、上記(2)項に記載した表示範囲の境界が観覧者により視認されることを更に抑制し、観覧者に対してより臨場感のある映像を表示するものである。
(8)上記(1)から(7)項において、前記表示部に映像を表示するための表示装置を備える映像観覧システム(請求項)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示部に映像を表示するための表示装置を備えたものである。表示装置として、例えば、表示部に映像を投射するプロジェクタを含む構成のものや、表示部そのものに映像を表示するLEDディスプレイ等が挙げられる。そして、表示部の大きさや形状を考慮した、適切な構成の表示装置を用いることで、表示部に効率よく映像を表示するものである。
(9)上記(8)項において、前記表示装置は、前記表示部にドットバイドットで映像を表示するものである映像観覧システム(請求項)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置を用いて、表示部にドットバイドットで映像を表示するものである。ここで、「ドットバイドット」とは、再生機器等により再生した映像データの1ピクセルを、プロジェクタやLEDディスプレイ等の映像を実際に投射或いは表示する装置の、1ドットに対応させる方式である。このドットバイドットの方式を採用することで、映像データに拡大や縮小等の処理を加えずに、そのままの解像度で映像を表示することとなるため、再生した映像データから映像品質を劣化させずに、表示部に映像を表示するものとなる。
(10)上記(8)(9)項において、前記表示装置は、前記表示部に映像を表示する際に、前記湾曲部にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示するものである映像観覧システム(請求項)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が表示部に映像を表示する際に、表示部のうちの湾曲部にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示するものである。ここで、「プロジェクションマッピング」とは、概略的には、プロジェクタ等の映写装置により映像を投射する際に、投射対象の形状と調和するような映像を投射することで、投射対象の形状を利用した空間的な映像を表示させる技術である。すなわち、本項に記載の映像観覧システムは、表示部の湾曲部に、湾曲部の湾曲した形状に調和するような映像を投射し、湾曲形状を利用した空間的な映像を表示することで、観覧者に対して、より臨場感のある映像を表示するものである。
(11)上記(8)から(10)項において、前記表示装置は、前記表示部に表示する映像のドットサイズが、観覧者が前記観覧ポイントから映像を観覧する際の、観覧者の目と前記表示部との間の予め設定される観覧距離の、1000分の1以下である映像観覧システム(請求項10)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が表示部に表示する映像のドットサイズ、すなわち、映像の1ドットの1辺の長さを、観覧者の目と表示部との間の予め設定される観覧距離の、1000分の1以下としたものである。例えば、観覧者が観覧ポイントから映像を観覧する際の観覧距離が、3mに設定されている場合には、表示部に表示する映像のドットサイズを、3mの1000分の1以下である3mm以下とする。これは、人間の目から映像までの距離と映像のドットサイズとの関係として、例えば、距離が1mの場合はドットサイズが1mm以下、距離が2mの場合はドットサイズが2mm以下であれば、人間が映像をドット単位で視認することはない、という、当業者の間で演出上好ましいとされる判断基準に基づくものである。これにより、観覧ポイントから観覧する観覧者によって、表示部に表示する映像がドット単位で視認されることを抑制することとなり、観覧者に対して更なる没入感を与えるものである。更に、表示部に表示する映像のドットサイズは、観覧ポイントから観覧する観覧者の観覧距離に基づいて設定されるため、観覧ポイントと表示部との位置関係や、表示部の大きさに関わらず、観覧ポイントから観覧する観覧者に対して、常に同程度の画質で視認される映像を表示するものとなる。
(12)上記(11)項において、前記表示装置は、前記表示部の大きさと前記ドットサイズとに基づいて算出された総ドット数で構成される映像を、前記表示部に投射可能な数量の、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射するプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含む映像観覧システム(請求項11)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、表示部の上方から表示部に映像を投射するプロジェクタと、このプロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含むものである。そして、表示装置が含むプロジェクタの数量は、表示部の大きさと、上記(11)項に記載した映像のドットサイズとに基づいて算出された総ドット数で構成される映像を、表示部に投射することが可能な数量である。例えば、表示部の大きさから、表示部の実際に映像を表示する領域の全体を含む大きさの矩形領域が設定され、更に、この矩形領域を上述したドットサイズで分割して、総ドット数が算出される。そして、算出された総ドット数と、表示装置に用いるプロジェクタの1台あたりの解像度とから、算出された総ドット数で構成される映像を投射するのに必要なプロジェクタの数量が算出される。本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、このように算出された数量のプロジェクタを含むものであるため、観覧者に対して臨場感や没入感を与える映像を、適切な構成で効率よく表示するものとなる。
(13)上記(8)から(11)項において、前記表示装置は、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射する1台以上のプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する1台以上の再生機器とを含む映像観覧システム(請求項12)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、表示部の上方から表示部に映像を投射する1台以上のプロジェクタと、このプロジェクタに映像データを提供する1台以上の再生機器とを含むものである。プロジェクタの投射領域は、通常は矩形であるため、表示部に円形の映像を投射するような場合には、プロジェクタのマスク機能を用いて投射領域を制限する。又、表示部が湾曲部等の湾曲面を有するような場合は、その湾曲面にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を投射する。これにより、観覧者に対して臨場感や没入感を与える映像を表示するものである。
(14)上記(12)(13)項において、前記表示装置は、前記プロジェクタと前記再生機器とを同数備え、前記プロジェクタと前記再生機器とが1対1で接続される映像観覧システム(請求項13)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、プロジェクタと再生機器とを同数備え、更に、プロジェクタと再生機器とが1対1で接続されているものである。このような構成により、1台の再生機器から提供された映像データが、1台のプロジェクタから投射されることとなるため、プロジェクタと再生機器とが異なる数量の構成と比較して、映像データの管理や投射する映像の調整が容易になる。更に、1台の再生機器から提供する映像データの画素数と、1台のプロジェクタの解像度とが一致する構成とすることで、ドットバイドットでの表示を容易に実現するものとなる。
(15)上記(14)項において、前記表示装置は、前記プロジェクタを複数備え、複数の前記プロジェクタの各々から、予め設定された前記表示部の対応する表示領域に映像を投射して、前記表示部に切れ目のない映像を表示するものである映像観覧システム(請求項14)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、複数のプロジェクタと、プロジェクタと同数の複数の再生機器とを備え、プロジェクタと再生機器とが1対1で接続されているものである。そして、複数の再生機器で映像を同期再生し、複数のプロジェクタの各々から、予め設定された表示部の対応する表示領域に映像を投射して、表示部に切れ目のない映像を表示する。すなわち、各プロジェクタには、映像を投射する表示領域が表示部の一部に予め設定されており、これらの表示領域は、複数のプロジェクタから複数の表示領域に映像を投射したときに、表示部に切れ目のない映像が表示されるように設定されている。従って、表示面積が大きい表示部に映像を表示するような場合であっても、複数のプロジェクタを用いて、臨場感のある自然な映像を表示するものとなる。
(16)上記(15)項において、前記表示装置は、複数の前記プロジェクタの各々から、隣接する前記表示領域同士の端部が重複するように映像を投射し、この際、前記プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて、前記表示領域の重複箇所に投射する映像を調整するものである映像観覧システム(請求項15)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、複数のプロジェクタから映像を投射する際に、各プロジェクタの隣接する表示領域同士の端部が重複するように映像を投射する。すなわち、各プロジェクタには、隣接する表示領域と端部同士が重複するように、表示領域が設定されている。そして、本項の表示装置は、このような表示領域の重複箇所に、プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて調整した映像を投射する。これにより、表示部に切れ目のない映像を表示すると共に、隣接する表示領域に表示する映像同士を、つなぎ目が目立たないように接合して表示するものである。
(17)上記(8)(9)(11)項において、前記表示装置は、前記表示部がLEDディスプレイで構成されている映像観覧システム(請求項16)。
本項に記載の映像観覧システムは、表示装置が、表示部を構成するLEDディスプレイを含むものである。これにより、LEDディスプレイで表示部に直接映像を表示するものでありながら、上記(8)(9)(11)項と同等の作用を奏するものである。
(18)上記(3)から(17)項において、前記観覧フロアの外周の一部に沿って、観覧者が前記観覧フロアに入るための上りのスロープと、観覧者が前記観覧フロアから出るための下りのスロープとが設けられている映像観覧システム(請求項17)。
本項に記載の映像観覧システムは、観覧者が観覧フロアに入るための上りのスロープと、観覧者が観覧フロアから出るための下りのスロープとが設けられているものである。これにより、観覧ポイントが設置された観覧フロアが高い位置に設けられている場合であっても、フロア間の高低差をスロープでつなぐことで、観覧者がスムーズかつ容易に観覧フロアに出入りするものである。更に、上り及び下りのスロープが、観覧フロアの外周の一部に沿って設けられていることで、観覧者の観覧フロアに対するアプローチの形状に合わせた省スペース化を図るものとなる。
(19)上記(1)から(18)項において、前記観覧ポイントが、外側ほど高い位置に設けられる同心円の複数列状に設けられている映像観覧システム(請求項18)。
本項に記載の映像観覧システムは、観覧ポイントが、外側ほど高い位置に設けられる同心円の複数列状に設けられているものである。例えば、観覧ポイントが観覧フロアに設置される場合には、表示部の円形の外縁部と同心円をなすように、外側ほど高い位置となる環状の複数列の段を、観覧フロアに設ける。これにより、環状の複数列の段の各々に、各段から表示部に表示される映像を観覧者が適切に観覧するための、観覧ポイントが配置される。この構成により、更に多くの観覧者に対して同時に、かつ、同一段の観覧者に対して同等な、観覧環境を提供するものとなる。又、外側の段ほど観覧ポイントから表示部までの距離が遠くなることで、観覧者により映像を構成するドットが認識されることを更に抑制し、臨場感のある映像を表示するものとなる。
(20)円形の外縁部が水平面上に配置されると共に、円形の平面部と、該平面部の周囲に配置され、前記円形の外縁部を規定する、外側に向かって上方に湾曲する湾曲部とからなる表示部に対し、前記円形の外縁部と同心円をなすように観覧ポイントを配置して、該観覧ポイントから前記表示部を見下ろす態様で観覧されるように、前記表示部に映像を表示し、この際、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界を、前記湾曲部に、前記境界がぼかされるようにして表示されるよう配置する映像表示方法(請求項19)。
(21)上記(20)項において、前記表示部を表示フロアに設置し、前記観覧ポイントを観覧フロアに設置する映像表示方法(請求項20)。
(22)上記(21)項において、前記観覧フロアを前記表示フロアの上層に配置すると共に、前記観覧フロアに前記表示部の円形の外縁部と同心円をなす開口を設ける映像表示方法(請求項21)。
(23)上記(22)項において、前記開口の直径を、前記表示部の円形の外縁部の直径以下に形成する映像表示方法(請求項22)。
(24)上記(20)から(23)項において、前記表示部の円形の外縁部、又は、前記観覧フロアの開口の周縁部に沿って、円形の柵を設置する映像表示方法(請求項23)。
(25)上記(20)から(24)項において、表示装置を用いて、前記表示部に映像を表示する映像表示方法(請求項24)。
(26)上記(25)項において、前記表示装置により、前記表示部にドットバイドットで映像を表示する映像表示方法(請求項25)。
(27)上記(25)(26)項において、前記表示装置により、前記表示部に映像を表示する際に、前記湾曲部にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示する映像表示方法(請求項26)。
そして、(20)から(27)項に記載の映像表示方法は、各々、上記(2)から(6)及び(8)から(10)項に記載の映像観覧システムを用いて、各種の映像の表示を実行することで、上記(2)から(6)及び(8)から(10)項に対応する同等の作用を奏するものである。
(28)上記(25)から(27)項において、観覧者が前記観覧ポイントから映像を観覧する際の、観覧者の目と前記表示部との間の観覧距離を予め設定し、該観覧距離の1000分の1以下のドットサイズで構成される映像を、前記表示装置により前記表示部に表示する映像表示方法(請求項27)。
本項に記載の映像表示方法は、表示部の円形の外縁部と同心円をなすように配置した観覧ポイントから、表示部に表示される映像を観覧者が観覧する際の、観覧者の目と表示部との間の観覧距離を予め設定する。この観覧距離として、例えば、観覧者が観覧ポイントから表示部を見下ろす際の、観覧者の目の位置から表示部までの鉛直距離を設定する。更に、上記(11)項に記載した判断基準に基づき、設定した観覧距離から、観覧距離の1000分の1以下の大きさの、表示部に表示する映像のドットサイズを算出する。そして、算出したドットサイズで構成した映像を、表示装置により表示部に表示するものである。これにより、上記(11)項に記載した映像観覧システムに対応する、同等の作用を奏するものである。
(29)上記(28)項において、前記表示装置を、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射するプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含むように構成し、前記表示部の大きさと前記ドットサイズとに基づいて、前記表示部に表示する映像の総ドット数を算出し、算出した総ドット数で構成される映像を前記表示部に投射可能な、前記プロジェクタの数量を算出して、算出した数量の前記プロジェクタにより前記表示部に映像を投射する映像表示方法(請求項28)。
本項に記載の映像表示方法は、表示部の大きさと、上記(28)項に記載したように算出したドットサイズとに基づいて、表示部に表示する映像の総ドット数を算出する。例えば、表示部全体に映像を表示する場合には、算出したドットサイズのドットにより、表示部の円形の外縁部を内側に含むような大きさの矩形の映像を構成する際の、総ドット数を算出する。
次に、算出した総ドット数で構成される映像を、表示部の上方から表示部に投射することが可能な、プロジェクタの数量を算出する。このプロジェクタの数量は、表示装置に用いるプロジェクタの解像度に応じて、必要数量を算出する。そして、算出した数量のプロジェクタと、プロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含むように表示装置を構成し、このように構成した表示装置のプロジェクタにより、表示部に映像を投射する。本項に記載の映像表示方法は、上述したように映像を表示することで、上記(12)項に記載した映像観覧システムに対応する、同等の作用を奏するものである。
(30)上記(25)から(29)項において、前記表示装置を、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射する複数のプロジェクタと、該複数のプロジェクタに1対1で映像データを提供する、前記複数のプロジェクタと同数の複数の再生機器とを含むように構成し、前記複数のプロジェクタの各々から、予め設定した前記表示部の対応する表示領域に、隣接する前記表示領域同士の端部が重複するように映像を投射し、この際、前記プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて、前記表示領域の重複箇所に投射する映像を調整する映像表示方法(請求項29)。
本項に記載の映像表示方法は、表示部の上方から表示部に映像を投射する複数のプロジェクタと、これら複数のプロジェクタに1対1で映像データを提供する、複数のプロジェクタと同数の複数の再生機器とを含むように、表示装置を構成する。そして、各プロジェクタに対して、映像を投射する表示領域を、隣接する表示領域同士の端部が重複するように設定する。そして、このように設定した表示領域に、複数のプロジェクタの各々から映像を投射し、この際、プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて、表示領域の重複箇所に投射する映像を調整するものである。これにより、上記(16)項に記載した映像観覧システムに対応する、同等の作用を奏するものである。
本発明はこのように構成したので、複雑な装置を用いることなく、複数の観覧者が同等の観覧環境下でかつ同時に、臨場感を得られる映像を表示することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る映像観覧システムを概略的に示す断面イメージ図である。 図1の映像観覧システムの平面図である。 図1の映像観覧システムが備える表示装置の構成を概略的に示すブロック図である。 表示部に表示する映像を説明するための平面イメージ図である。 本発明の実施の形態に係る映像表示方法を概略的に示すフロー図である。 観覧距離を説明するための断面イメージ図である。 ドットサイズを説明するためのイメージ図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
図1は、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10の、中心軸Cを通る断面イメージ図であり、図2は、同じく映像観覧システム10の平面図である。図示のように、映像観覧システム10は、映像が表示される表示部12と、この表示部12に表示される映像を観賞するための観覧ポイント14とを備えている。そして、図1、2の例では、表示部12が設置された表示フロア16の上層に、観覧ポイント14が設けられた観覧フロア18が配置されており、表示部12を見下ろす位置に観覧ポイント14が設けられている。
表示部12は、中心軸Cを中心とする円形の平面部12bと、平面部12bの周囲に連続して配置された湾曲部12cとで構成されており、図2の境界線L1が、これら平面部12bと湾曲部12cとの境界を示している。そして、図1で確認できるように、湾曲部12cは、外側(図中右側及び左側)に向かうにつれて徐々に傾斜角度を増しながら、上方へ湾曲しており、この湾曲部12cの上端により、水平面上に配置され、中心軸Cを中心とする、表示部12の円形の外縁部12aが規定されている。
観覧フロア18には、円形の外縁部12aの直径d12よりも小さい直径d20を有し、中心軸Cを中心とする、円形の開口20が形成されている。又、この開口20の周縁部20aに沿って、円形の柵22が設けられている。そして、図1、2の例では、観覧ポイント14が、円形の柵22の上端部(図1上方の端部)に沿うようにして、中心軸Cを中心とする環状に配置されている。すなわち、表示部12の円形の外縁部12aと、観覧フロア18の開口20と、観覧ポイント14とは、中心軸Cを中心とする同心円状に配置されており、更に、観覧ポイント14が、表示部12の円形の外縁部12aよりも中心軸C側に配置されている。このため、図1に示すように、観覧者Hは、表示部12の円形の外縁部12aから中心軸C側に、円形の鍔状にせり出た開口縁20b上に立ち、観覧ポイント14から表示部12を見下ろす態様で、表示部12に表示される映像を観覧することとなる。
又、映像観覧システム10は、下層から、上層の観覧フロア18の入口18aまで達する上りのスロープ40と、上層の観覧フロア18の出口18bから、下層まで達する下りのスロープ42とを備えている。図2で確認できるように、上りのスロープ40は、観覧フロア18の外周に沿って設けられており、下りのスロープ42は、踊り場44を介して折り返すような構造で、折り返し前の前半部分が観覧フロア18の外周に沿って、折り返し後の後半部分が前半部分の外周に沿って設けられている。
更に、映像観覧システム10は、表示部12に映像を表示するための、図3に示すような構成を含む表示装置30を備えている。表示装置30は、複数のプロジェクタ32と、プロジェクタ32と同数の複数の再生機器34とを含んでおり、プロジェクタ32と再生機器34とが1対1で接続されている。詳しくは後述するが、プロジェクタ32や再生機器32の数量は、表示部12に表示する映像に応じて、適切な数量が設定可能であり、例えば、各12台の構成とすることもできる。なお、図1、2においては、表示装置30の図示を省略しており、その構成の一部である4台のプロジェクタ32のみを、図1に示している。
複数のプロジェクタ32は、例えば、図1に示すように、観覧フロア18の天井に設置され、観覧フロア18の下層の表示フロア16に設置された表示部12に、表示部12の上方から、観覧フロア18の開口20を介して映像を投射するものである。そして、上述したように、表示部12は、外側に向かって上方に湾曲し、円形の外縁部12aを規定する湾曲部12cを有しており、又、観覧フロア18の開口20は、その直径d20が円形の外縁部12aの直径d12よりも小さく形成されている。このため、図1で確認できるように、湾曲部12cの、境界線L2よりも円形の外縁部12a側に、プロジェクタ32により映像が投射されない領域が発生する。これは、プロジェクタ32が、開口20を介して表示部12の上方から映像を投射していることから、プロジェクタ32の設置高さや開口20の直径d20の大きさの制約を受けて、投射領域が制限されるためである。そして、上方から投射した場合の投射領域は、下方になるほど広がるため、境界線L2は、円形の開口20よりも大きい円形に形成される。
又、複数の再生機器34は、1対1で接続されたプロジェクタ32の各々に、再生した映像データを提供するものである。これらの再生機器34とプロジェクタ32とに、再生機器34の出力画素数と、プロジェクタ32の解像度とが等しい組み合わせのものを用いることで、再生機器34から提供される映像データに基づく映像を、プロジェクタ32から表示部12にドットバイドットで表示する。又、複数の再生機器34の各々により、1つの大きな映像の、互いに異なる部分的な映像を同期再生して、各プロジェクタ32に提供することで、複数のプロジェクタ32から投射する映像が組み合わさり、1つの大きな映像が表示部12に表示されるようにする。
ここで、表示装置30により表示部12に表示する映像について、更に詳しく説明する。図4は、表示部12に表示する映像を説明するためのイメージ図であり、図4には、プロジェクタ32を12台用いた場合の、各プロジェクタ32に設定される表示領域を、平面視した表示部12と共に示している。なお、本説明では、便宜上、12台の各プロジェクタ32に設定された表示領域を、行及び列を示す符号c1〜c4及びr1〜r3を用いて示すこととする。具体的には、例えば、図4左上の表示領域を表示領域c1r1、その右隣の表示領域を表示領域c1r2、図4右下の表示領域を表示領域c4r3のように示す。
表示装置30は、12台のプロジェクタ32により表示部12に映像を投射する際に、図4に示すように、12個の表示領域に投射する12個の映像を組み合わせて、1つの大きな映像を表示する。プロジェクタ32の表示領域は、夫々が等しい大きさの矩形に設定されると共に、隣接する表示領域同士の端部が重複して設定されている。例えば、表示領域c1r1は、右端部が右隣の表示領域c1r2と重複しており、下端部が下側の表示領域c2r1と重複している。又、表示領域c3r2は、上下左右の端部が、夫々、表示領域c2r2、c4r2、c3r1、c3r3と重複している。
一方、上述したように、境界線L2の外側は、映像が投射されない領域である。このため、プロジェクタ32により実際に映像を投射する際には、プロジェクタ32のマスク機能を利用して、各プロジェクタ32に設定されている表示領域のうち、境界線L2よりも内側の領域のみに映像を投射する。従って、例えば、表示領域c1r1が設定されているプロジェクタ32により、実際に映像を投射する領域は、表示領域c1r1のうち、境界線L2よりも図中右下側の、略扇形の領域となる。又、表示領域c1r2が設定されているプロジェクタ32により、実際に映像を投射する領域は、表示領域c1r2のうち、境界線L2よりも図中下側の、矩形の一辺が弓なりに膨らんだ形状の領域となる。一方、表示領域c2r2及びc3r2は、全体が境界線L2の内側であるため、これら2つの表示領域が設定されているプロジェクタ32により映像を投射する領域は、プロジェクタ32のマスク機能により制限する必要はなく、設定された表示領域全体となる。
そして、表示装置30は、12台のプロジェクタ32により映像を投射する際に、境界線L2の内側の、表示領域が重複している箇所(図4中斜線で示す箇所)には、プロジェクタ32が有するエッジブレンディング機能を用いて調整した映像を投射する。例えば、表示領域c1r1が設定されているプロジェクタ32と、表示領域c1r2が設定されているプロジェクタ32とは、表示領域の重複箇所ar1に、互いが投射する映像が調和するようにエッジブレンディング機能により調整した映像を投射する。同様に、表示領域c1r1と表示領域c2r1との重複箇所ar2には、表示領域c1r1が設定されているプロジェクタ32と、表示領域c2r1が設定されているプロジェクタ32とにより、互いの映像が調和するようにエッジブレンディング機能により調整された映像が投射される。又、表示領域c1r1、c1r2、c2r1、c2r2の4つの表示領域の重複箇所ar3には、4つの各表示領域が設定されているプロジェクタ32により、互いの映像が調和するようにエッジブレンディング機能により調整された映像が投射される。
更に、表示装置30は、境界線L2の内側かつ境界線L1の外側の領域(図4中ドットで示す領域)、すなわち、湾曲部12cの境界線L2よりも内側の領域に、プロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示する。具体的には、12台のプロジェクタ32のうち、表示領域c2r2及びc3r2が設定されている2台のプロジェクタ32を除く、10台のプロジェクタ32により、各プロジェクタ32に設定されている表示領域内の湾曲部12cに、プロジェクションマッピング技術を利用して、湾曲部12cの形状に調和した映像を投射する。この際、更に、境界線L2近傍に投射する映像を、エッジブレンディング機能により調整することで、映像の表示領域と非表示領域との境界を目立たなくさせることとしてもよい。
なお、図1及び図2に示した映像観覧システム10は、表示部12が設置された表示フロア16の上層に、観覧ポイント14が設置された観覧フロア18が配置された構造であるが、本発明の実施の形態に係る映像観覧システムは、これに限定されるものではない。例えば、表示フロアを設けずに、観覧フロアの床面より少し高い位置に円卓状の表示部を設置し、表示部の円形の外縁部に沿って円形の柵を設けた構造であってもよい。このような構造であっても、適切な観覧環境が得られるような範囲に観覧ポイントが配置され、観覧者は、観覧ポイントから表示部を見下ろす態様で、表示部に表示される映像を観覧することとなる
次に、上述した映像観覧システム10を用いた、本発明の実施の形態に係る映像表示方法について、図5に示したフロー図に沿って説明する。本説明に際しては、必要に応じて、適宜、図1〜図4を参照することとする。
S10(表示部の形状・大きさ決定):映像観覧システム10を構築する場所の広さ等を考慮して、表示部12の形状や大きさを決定する。例えば、図1、2に示したような、平面部12bと湾曲部12cとからなり、直径d12の円形の外縁部12aを有する表示部12に決定する。
S20(観覧ポイント設定):表示部12に表示される映像を観覧するための観覧ポイント14を設定する。例えば、図1、2の例のように、円形の柵22の周囲に立った観覧者Hの視点高さを基準にして、観覧ポイント14を設定する。又、円形の柵22の高さを図1の例よりも低くし、更に、円形の柵22の周囲に座席を設置して、座席に座った状態の観覧者Hの視点高さを基準に、観覧ポイント14を設定してもよい。ここでは、観覧者Hが立った状態で映像を観覧するものとして、図1、2に示したような、表示部12との位置関係の場所に、観覧ポイント14を設定したものとする。
S30(観覧距離設定):観覧ポイント14から映像を観覧する際の、基準となる観覧距離を設定する。図6には、図1の観覧ポイント14付近の拡大図を示している。図示のように、観覧者Hが、表示部12に表示される映像を観覧ポイント14から観覧する際の、観覧距離dvを設定する。この観覧距離dvは、例えば、観覧ポイント14から観覧者Hが表示部12を見下ろす際の、観覧者Hの目の位置から表示部12の平面部12bまでの、鉛直距離を設定する。ここでは、観覧フロア18の床面からの観覧者Hの目の高さを1.5m、観覧フロア18の床面から、表示部12の平面部12bまでの鉛直距離を1.5mとして、観覧距離dvが3mに設定されたものとする。
S40(ドットサイズ決定):表示部12に表示する映像のドットサイズを決定する。図7は、表示部12に表示する映像の一部を、ドットサイズが確認できる大きさで示したイメージ図である。本説明におけるドットサイズは、図7に示すような1ドットの縦及び横の大きさxを示している。ここで、ドットサイズxを決定する指標について説明する。概して、視力1.0の人間は、3m先にある1mm程度の大きさのものを認識できるとされている。一方、表示部12に表示される映像は、複数のドットにより構成される映像であるため、このような映像のドットの境界を認識させないようにするためには、人間の目から映像までの距離が1mの場合に、映像を構成するドットサイズが1mm以下、距離が2mの場合はドットサイズが2mm以下、距離が3mの場合はドットサイズが3mm以下、すなわち、ドットサイズが距離の1000分の1以下であればよいという、当業者の間での判断基準(経験則)がある。これに基づき、本工程で決定するドットサイズxは、上記S30で設定した観覧距離dvの、1000分の1以下とする。ここでは、観覧距離dvが3mに設定されたものとして、ドットサイズxを3mmに決定する。なお、本発明者らによる鋭意研究の結果、ドットサイズxは、観覧距離dvの1000分の1以下で値を下げ続けたとしても、一般的な肉眼視によるドットの境界の視認性に大差は出ないことが確認されているが、ドットにより映像を構成することを考慮し、ドットサイズxの値は、0より大きくかつ観覧距離dvの1000分の1以下の適切な値を採用することとする。
S50(映像の総ドット数算出):上記S10で決定した表示部12の大きさと、上記S40で決定したドットサイズxとに基づいて、表示部12に表示する映像の総ドット数を算出する。例えば、表示部12の円形の外縁部12aの直径d12(図2参照)が13m、ドットサイズxが3mmである場合は、4334×4334ドット以上の総ドット数であれば、表示部12全体に映像を表示できることになる。ここでは、説明の便宜上、表示部12に表示する映像の総ドット数を、図4に示すhn×wnドットとして、以降の説明を続ける。
S60(プロジェクタ数量算出):上記S50で算出した総ドット数で構成される映像を表示部12に投射可能な、プロジェクタ32の数量を算出する。この際、プロジェクタ32の隣接する表示領域同士の一部を重複させることを考慮して算出する。必要なプロジェクタ32の数量は、1台のプロジェクタ32により投射する映像のドット数に依存するが、ここでは、図4に示すように、総ドット数hn×wnドットで構成される映像を、表示部12に表示可能なプロジェクタ32の数量として、12台が算出されたものとする。そして、表示装置30を図3に示したような構成とする場合には、プロジェクタ32の数量が12台に決定されたことで、プロジェクタ32に1対1で接続される再生機器34の数量も12台に決定される。
なお、決定した数量のプロジェクタ32により投射する映像の総ドット数は、必ずしも上記S50で算出した総ドット数hn×wnドットと等しくなくてもよく、hn×wnドットより大きければよい。すなわち、表示装置30に用いるプロジェクタ32の解像度や、プロジェクタ32の隣接する表示領域同士の重複箇所の大きさ等に応じて、hn×wnドット以上の適切な総ドット数の映像を投射できればよい。
S70(各構成要素の設置):上記S10〜S60で決定した内容に基づいて、図1、2に示すように、映像観覧システム10の各構成要素を設置する。この際、例えば、プロジェクタ32等は、実際に映像を投射しながら設置位置を調整することとしてもよい。
S80(映像表示):12台の再生機器34により同期再生を行い、12台のプロジェクタ32により、上方から表示部12に同期再生した映像を投射することで、表示部12に1つの大きな映像を表示する。表示する映像は、上記S40で設定した3mmのドットサイズで構成された映像であり、又、プロジェクタ32のマスク機能を用いて表示領域を制限した円形の映像である。この際、再生機器34とプロジェクタ32とに、再生機器34の出力画素数と、プロジェクタ32の解像度とが等しい組み合わせのものを用い、更に、プロジェクタ32と再生機器34とを1対1で接続することで、再生機器34で再生した映像から画素数を変化させずに、プロジェクタ32から映像を投射して、表示部12にドットバイドットで映像を表示する。又、表示部12の湾曲部12cには、プロジェクションマッピング技術を利用した映像を投射し、更に、プロジェクタ32の表示領域が重複する箇所には、エッジブレンディング機能を用いて調整した映像を投射する。
そして、上述した方法で表示された映像は、図1に示すように、円形の柵22の周りに立つ観覧者Hに、観覧ポイント14から表示部12を見下ろす態様で観覧されることとなる。なお、表示部12に表示する映像としては、例えば、宇宙、深海、世界遺産等をテーマにした映像が挙げられる。又、表示する映像のテーマに応じて、表示部の形状を、例えば、六角形や八角形等の多角形の外縁部を有する形状に変更することとしてもよい。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、図1及び図2に示すように、水平面上に配置された円形の外縁部12aを有する表示部12と、観覧ポイント14とを備えている。そして、図1及び図2の映像観覧システム10は、観覧ポイント14が、表示部12を見下ろす位置に、表示部12の円形の外縁部12aと同心円をなすように、環状に配置されている。このため、例えば宇宙空間をイメージした映像等の、臨場感を醸成するにあたり、観覧者Hによる観覧方向に依存しない映像を表示部12に表示することにより、観覧ポイント14内の、同心円の軸C周り方向に関するどの位置からも、観覧者Hに対して同等に映像を認識させることができる。更に、観覧者Hが複数の場合であっても、複数の観覧者Hが、表示部12の外縁部12aと同心円をなすように配置された観覧ポイント14内に視点を置いた状態で軸C周り方向に広がり、表示部12を見下ろす姿勢で、表示部12に表示される映像を観覧することとなるため、複数の観覧者H全員に対して、同時に、同等な観覧環境を提供することが可能となる。
又、映像観覧システム10は、表示部12が設置された表示フロア16と、観覧ポイント14が設置された観覧フロア18とを備えることで、表示部12と観覧ポイント14とを、フロア単位で適切な位置関係に配置することができると共に、表示フロア16を表示部12の設置に適した環境として構築し、観覧フロア18を映像の観覧に適した環境として構築することができる。
又、図1及び図2の映像観覧システム10は、観覧フロア18が表示フロア16の上層に配置され、更に、観覧フロア18に表示部12の円形の外縁部12aと同心円をなす開口20が設けられているものである。換言すれば、表示部12は、開口20の下側に開口20と同心円をなして配置される。従って、観覧者Hに対し、開口20の周りの観覧ポイント14から、開口20を介して表示部12を見下ろす態様で、映像を観覧するように促すことができる。すなわち、観覧ポイント14は、観覧フロア18に設けられた開口20の周りに、表示部12の円形の外縁部12aと同心円状に配置されることとなる。更に、上層に配置される観覧ポイント14から、下層に配置される表示部12までの適切な距離を確保することができる。このため、観覧ポイント14から観覧する観覧者Hにより、表示部12の表示面や、映像を構成するドット(画素)が認識されることを抑制できる。従って、観覧者Hに対し、同等な観覧環境を提供すると共に、臨場感のある映像を適切な解像度で表示することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、開口20の直径d20が表示部12の円形の外縁部12aの直径d12以下に形成されることで、開口20の周りに配置される観覧ポイント14が、表示部12の円形の外縁部12aよりも、同心円の中心軸C側に配置される。これにより、開口20を介して表示部12を見下ろす観覧者Hに対して、開口20よりも径方向外側に配置される表示部12の円形の外縁部12aが、円形の鍔状にせり出す開口縁20bによって、意図的に覆い隠される。表示部12の外縁部12aは、表示する映像によっては、臨場感を損なう一因となるが、図1に示すような構成によれば、観覧者Hが表示部12の外縁部12aを認識することが困難、或いは、認識できなくなる。従って、観覧者Hに対し、より臨場感のある映像を表示することができる。
又、図1及び図2の映像観覧システム10は、開口20の周縁部20aに沿って、円形の柵22が設けられたものである。これにより、観覧者Hが柵22を拠り所として、自ら適当な観覧ポイント14を見出すものとなる。すなわち、観覧者Hは、表示部12に表示される映像を観覧する際に、円形の柵22に沿った位置から、円形の柵22越しに表示部12を覗き込むような姿勢となる。このため、観覧者Hが複数の場合であっても、観覧者Hの視界に他の観覧者Hが入ることが抑制され、観覧者Hに没入感を与えることができる。更に、設置される円形の柵22の高さを、観覧ポイント14を考慮した高さに設定することで、観覧者Hが映像を観覧する姿勢になったときに、観覧者Hの視点が自然に置かれるような範囲に、観覧ポイント14の配置を促すことができる。
又、映像観覧システム10は、表示部12が、円形の平面部12bと、この平面部12bの周囲に配置された湾曲部12cとからなるものである。湾曲部12cは、外側に向かって上方に湾曲した形状であり、その最も外側の縁が、表示部12の円形の外縁部12aを規定している。更に、表示部12の、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界L2が湾曲部12に、その境界L2をぼかすようにして表示するよう配置されることで、このような境界L2が観覧者Hにより視認されることを抑制することができる。これは、表示部12に表示する映像として、例えば、宇宙空間等をイメージした角や縁がない映像を表示するような場合に特に有効であり、観覧者Hに対して、より臨場感のある映像を表示することが可能となる。更に、平面部12bには平面に適した映像を、湾曲部12cには湾曲面に適した映像を表示することで、表示部12の形状を利用した臨場感のある映像を表示することができる。
更に、映像観覧システム10は、図1に示すように、湾曲部12cの上方への傾斜角度が、外側に向かうにつれて徐々に増加していることで、映像の表示範囲と非表示範囲との境界L2が、観覧者Hにより視認されることを更に抑制することができ、観覧者Hに対してより臨場感のある映像を表示することが可能となる。
又、映像観覧システム10は、図2に示すように、観覧者Hが観覧フロア18に入るための上りのスロープ40と、観覧者Hが観覧フロア18から出るための下りのスロープ42とが設けられているものである。これにより、観覧ポイント14が設置された観覧フロア18が高い位置に設けられている場合であっても、フロア間の高低差をスロープ40、42でつなぐことで、観覧者Hがスムーズかつ容易に観覧フロア18に出入りすることができる。更に、上り及び下りのスロープ40、42が、観覧フロア18の外周の一部に沿って設けられていることで、観覧者Hの観覧フロア18に対するアプローチの形状に合わせた省スペース化を図ることができる。
又、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、表示部12に映像を表示するための、例えば図3に示すような構成を含む表示装置30を備えたものである。この表示装置30として、表示部12の大きさや形状を考慮した、適切な構成の表示装置30を用いることで、表示部12に効率よく映像を表示することができる。
更に、表示装置30を用いて、表示部12にドットバイドットで映像を表示することで、映像データに拡大や縮小等の処理を加えずに、そのままの解像度で映像を表示することとなるため、再生した映像データから映像品質を劣化させずに、表示部12に映像を表示することが可能となる。
又、映像観覧システム10は、図3に示すように、表示装置30が、表示部12の上方から表示部12に映像を投射する複数のプロジェクタ32(図1参照)と、これらのプロジェクタ32に映像データを提供する、プロジェクタ32と同数の複数の再生機器34とを備え、更に、プロジェクタ32と再生機器34とが1対1で接続されているものである。このような構成により、1台の再生機器34から提供された映像データが、1台のプロジェクタ32から投射されることとなるため、プロジェクタ32と再生機器34とが異なる数量の構成と比較して、映像データの管理や投射する映像の調整が容易になる。更に、1台の再生機器34から提供する映像データの画素数と、1台のプロジェクタ32の解像度とが一致する構成とすることで、ドットバイドットでの表示を容易に実現することができる。
更に、映像観覧システム10は、表示装置30が、複数の再生機器34で映像を同期再生し、複数のプロジェクタ32の各々から、予め設定された表示部12の対応する表示領域に映像を投射して、表示部12に切れ目のない映像を表示する。すなわち、各プロジェクタ32には、例えば、図4に示す表示領域c1r1〜c4r3のような、映像を投射する表示領域が表示部12の一部に予め設定されており、これらの表示領域は、複数のプロジェクタ32から複数の表示領域に映像を投射したときに、表示部12に切れ目のない映像が表示されるように設定されている。従って、表示面積が大きい表示部12に映像を表示するような場合であっても、複数のプロジェクタ32を用いて、臨場感のある自然な映像を表示すること可能となる。又、図4に示すように、プロジェクタ32の表示領域は通常は矩形であるが、プロジェクタ32のマスク機能を用いて表示領域を制限することで、表示部12に円形の映像を表示することができる。
又、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、表示装置30のプロジェクタ32により、表示部12に映像を表示する際に、図4に示すように、湾曲部12cの境界線L2よりも内側(図中ドットで示す領域)に、プロジェクションマッピング技術を利用した映像を投射するものである。すなわち、表示部12の湾曲部12cに、湾曲部12cの湾曲した形状に調和するような映像を投射し、湾曲形状を利用した空間的な映像を表示することで、観覧者Hに対して、より臨場感のある映像を表示することが可能となる。
又、映像観覧システム10は、表示装置30が、複数のプロジェクタ32から映像を投射する際に、各プロジェクタ32の隣接する表示領域同士の端部が重複するように映像を投射する。すなわち、各プロジェクタ32には、図4に示す表示領域c1r1〜c4r3のように、隣接する表示領域と端部同士が重複するように、表示領域が設定されている。そして、表示装置30は、このような表示領域の重複箇所(図中斜線で示す領域)に、プロジェクタ32が有するエッジブレンディング機能を用いて調整した映像を投射する。これにより、表示部12に切れ目のない映像を表示すると共に、隣接する表示領域に表示する映像同士を、つなぎ目が目立たないように接合して表示することができる。
なお、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、表示装置30が、表示部12を構成するLEDディスプレイを含むように構成されていてもよいものである。これにより、LEDディスプレイで表示部12に直接映像を表示するものでありながら、観覧者Hに対して臨場感や没入感を与える映像を表示することができる。
又、本発明の実施の形態に係る映像観覧システム10は、観覧ポイント14が、最適には1列が好ましいが、外側ほど高い位置に設けられる同心円の複数列状に設けられていてもよいものである。例えば、観覧ポイント14が観覧フロア18に設置される場合には、表示部12の円形の外縁部12aと同心円をなすように、外側ほど高い位置となる環状の複数列の段を、観覧フロア18に設ける。これにより、環状の複数列の段の各々に、各段から表示部12に表示される映像を観覧者Hが適切に観覧するための、観覧ポイント14が配置される。この構成により、更に多くの観覧者Hに対して同時に、かつ、同一段の観覧者Hに対して同等な、観覧環境を提供することができる。又、外側の段ほど観覧ポイント14から表示部12までの距離が遠くなることで、観覧者Hにより映像を構成するドットが認識されることを更に抑制することができ、臨場感のある映像を表示することが可能となる。
一方、本発明の実施の形態に係る映像表示方法は、図5に示すように、映像観覧システム10の構築場所等を考慮して、表示部12の形状や大きさを決定し(S10)、表示部12の円形の外縁部12aと同心円をなすような位置に、観覧ポイント14を設定する(S20)。そして、観覧ポイント14から、表示部12に表示される映像を観覧者Hが観覧する際の、観覧者Hの目と表示部12との間の観覧距離dv(図6参照)を設定する(S30)。この観覧距離dvには、例えば、図6に示すように、観覧者Hが観覧ポイント14から表示部12を見下ろす際の、観覧者Hの目の位置から表示部12までの鉛直距離を設定する。更に、当業者の間で演出上好ましいとされる判断基準に基づき、観覧距離dvの1000分の1以下の大きさの、表示部12に表示する映像のドットサイズx(図7参照)を設定する(S40)。例えば、観覧距離dvが3mに設定されている場合には、表示部12に表示する映像のドットサイズxを、3mの1000分の1以下である3mm以下に設定する。
そして、上述のように設定したドットサイズxで構成した映像を、表示装置30により表示部12に表示することで、観覧ポイント14から観覧する観覧者Hによって、表示部12に表示する映像がドット単位で視認されることを抑制することができ、観覧者Hに対して更なる没入感を与えることが可能となる。更に、表示部12に表示する映像のドットサイズxは、観覧ポイント14から観覧する観覧者Hの観覧距離dvに基づいて設定されるため、観覧ポイント14と表示部12との位置関係や、表示部12の大きさに関わらず、観覧ポイント14から観覧する観覧者Hに対して、常に同程度の画質で視認される映像を表示することが可能となる。
更に、本発明の実施の形態に係る映像表示方法は、図5に示すように、S10で決定した表示部12の大きさと、S40で設定したドットサイズxとに基づいて、表示部12に表示する映像の総ドット数を算出する(S50)。すなわち、図4を例に説明すると、表示部12内の境界線L2の内側の領域よりも大きい矩形領域を、ドットサイズxのドットで構成する場合の、総ドット数hn×wnドットを算出する。次に、算出した総ドット数hn×wnドットで構成される映像を、表示部12の上方から表示部12に投射することが可能な、プロジェクタ32の数量を算出する(S60)。このプロジェクタ32の数量は、表示装置30に用いるプロジェクタ32の解像度に応じて、又、プロジェクタ32の隣接する表示領域同士の端部を重複させることを考慮して、必要数量を算出する。そして、算出した数量のプロジェクタ32と、プロジェクタ32に映像データを提供する再生機器34とを含むように表示装置30を構成し、このように構成した表示装置30のプロジェクタ32により、表示部12に映像を投射する。これにより、本発明の実施の形態に係る映像表示方法は、観覧者Hに対して臨場感や没入感を与える映像を、適切な構成の表示装置30を用いて、効率よく表示することが可能となる。
なお、表示部12は、円形の外縁部12aをベストモードとして、多角形の外縁部を有していてもよい。この場合には、観覧ポイントが、多角形の外縁部と相似形をなすように配置される。
10:映像観覧システム、12:表示部、12a:円形の外縁部、12b:平面部、12c:湾曲部、14:観覧ポイント、16:表示フロア、18:観覧フロア、20:開口、20a:周縁部、22:円形の柵、30:表示装置、32:プロジェクタ、34:再生機器、40:上りのスロープ、42:下りのスロープ、H:観覧者、d12:外縁部の直径、d20:開口の直径、dv:観覧距離、x:ドットサイズ、ar1〜ar3:重複箇所

Claims (29)

  1. 円形の外縁部が水平面上に配置された表示部と、該表示部を見下ろす位置に、前記円形の外縁部と同心円をなすように配置された観覧ポイントとを備え
    前記表示部が、円形の平面部と、該平面部の周囲に配置され、前記円形の外縁部を規定する、外側に向かって上方に湾曲する湾曲部とからなり、
    前記表示部の、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界が、前記湾曲部に、前記境界をぼかすようにして表示するよう配置されることを特徴とする映像観覧システム。
  2. 前記表示部が設置された表示フロアと、前記観覧ポイントが設置された観覧フロアとを備えることを特徴とする請求項1記載の映像観覧システム。
  3. 前記観覧フロアが、前記表示フロアの上層に配置され、かつ、前記表示部の円形の外縁部と同心円をなす開口を有していることを特徴とする請求項2記載の映像観覧システム。
  4. 前記開口の直径が、前記表示部の円形の外縁部の直径以下に形成されていることを特徴とする請求項3記載の映像観覧システム。
  5. 前記表示部の円形の外縁部、又は、前記観覧フロアの開口の周縁部に沿って、円形の柵が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  6. 前記湾曲部は、外側に向かうにつれて、上方への傾斜角度が徐々に増加することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  7. 前記表示部に映像を表示するための表示装置を備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の映像観覧システム。
  8. 前記表示装置は、前記表示部にドットバイドットで映像を表示するものであることを特徴とする請求項記載の映像観覧システム。
  9. 前記表示装置は、前記表示部に映像を表示する際に、前記湾曲部にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示するものであることを特徴とする請求項7又は8記載の映像観覧システム。
  10. 前記表示装置は、前記表示部に表示する映像のドットサイズが、観覧者が前記観覧ポイントから映像を観覧する際の、観覧者の目と前記表示部との間の予め設定される観覧距離の、1000分の1以下であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  11. 前記表示装置は、前記表示部の大きさと前記ドットサイズとに基づいて算出された総ドット数で構成される映像を、前記表示部に投射可能な数量の、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射するプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含むことを特徴とする請求項10記載の映像観覧システム。
  12. 前記表示装置は、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射する1台以上のプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する1台以上の再生機器とを含むことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  13. 前記表示装置は、前記プロジェクタと前記再生機器とを同数備え、前記プロジェクタと前記再生機器とが1対1で接続されることを特徴とする請求項11又は12記載の映像観覧システム。
  14. 前記表示装置は、前記プロジェクタを複数備え、複数の前記プロジェクタの各々から、予め設定された前記表示部の対応する表示領域に映像を投射して、前記表示部に切れ目のない映像を表示するものであることを特徴とする請求項13記載の映像観覧システム。
  15. 前記表示装置は、複数の前記プロジェクタの各々から、隣接する前記表示領域同士の端部が重複するように映像を投射し、この際、前記プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて、前記表示領域の重複箇所に投射する映像を調整するものであることを特徴とする請求項14記載の映像観覧システム。
  16. 前記表示装置は、前記表示部がLEDディスプレイで構成されていることを特徴とする請求項7、8、10のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  17. 前記観覧フロアの外周の一部に沿って、観覧者が前記観覧フロアに入るための上りのスロープと、観覧者が前記観覧フロアから出るための下りのスロープとが設けられていることを特徴とする請求項2から16のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  18. 前記観覧ポイントが、外側ほど高い位置に設けられる同心円の複数列状に設けられていることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項記載の映像観覧システム。
  19. 円形の外縁部が水平面上に配置されると共に、円形の平面部と、該平面部の周囲に配置され、前記円形の外縁部を規定する、外側に向かって上方に湾曲する湾曲部とからなる表示部に対し、前記円形の外縁部と同心円をなすように観覧ポイントを配置して、該観覧ポイントから前記表示部を見下ろす態様で観覧されるように、前記表示部に映像を表示し、この際、映像が表示される範囲と表示されない範囲との境界を、前記湾曲部に、前記境界がぼかされるようにして表示されるよう配置することを特徴とする映像表示方法。
  20. 前記表示部を表示フロアに設置し、前記観覧ポイントを観覧フロアに設置することを特徴とする請求項19記載の映像表示方法。
  21. 前記観覧フロアを前記表示フロアの上層に配置すると共に、前記観覧フロアに前記表示部の円形の外縁部と同心円をなす開口を設けることを特徴とする請求項20記載の映像表示方法。
  22. 前記開口の直径を、前記表示部の円形の外縁部の直径以下に形成することを特徴とする請求項21記載の映像表示方法。
  23. 前記表示部の円形の外縁部、又は、前記観覧フロアの開口の周縁部に沿って、円形の柵を設置することを特徴とする請求項19から22のいずれか1項記載の映像表示方法。
  24. 表示装置を用いて、前記表示部に映像を表示することを特徴とする請求項19から23のいずれか1項記載の映像表示方法。
  25. 前記表示装置により、前記表示部にドットバイドットで映像を表示することを特徴とする請求項24記載の映像表示方法。
  26. 記表示装置により、前記表示部に映像を表示する際に、前記湾曲部にプロジェクションマッピング技術を利用した映像を表示することを特徴とする請求項24又は25記載の映像表示方法。
  27. 観覧者が前記観覧ポイントから映像を観覧する際の、観覧者の目と前記表示部との間の観覧距離を予め設定し、該観覧距離の1000分の1以下のドットサイズで構成される映像を、前記表示装置により前記表示部に表示することを特徴とする請求項24から26のいずれか1項記載の映像表示方法。
  28. 前記表示装置を、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射するプロジェクタと、該プロジェクタに映像データを提供する再生機器とを含むように構成し、
    前記表示部の大きさと前記ドットサイズとに基づいて、前記表示部に表示する映像の総ドット数を算出し、算出した総ドット数で構成される映像を前記表示部に投射可能な、前記プロジェクタの数量を算出して、算出した数量の前記プロジェクタにより前記表示部に映像を投射することを特徴とする請求項27記載の映像表示方法。
  29. 前記表示装置を、前記表示部の上方から前記表示部に映像を投射する複数のプロジェクタと、該複数のプロジェクタに1対1で映像データを提供する、前記複数のプロジェクタと同数の複数の再生機器とを含むように構成し、
    前記複数のプロジェクタの各々から、予め設定した前記表示部の対応する表示領域に、隣接する前記表示領域同士の端部が重複するように映像を投射し、この際、前記プロジェクタが有するエッジブレンディング機能を用いて、前記表示領域の重複箇所に投射する映像を調整することを特徴とする請求項24から28のいずれか1項記載の映像表示方法。
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