JP5527559B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、三相の交流電動機と、該交流電動機の各相のうちの一相に流れる電流を検出する電流センサとを備えた交流電動機の制御装置に関する発明である。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源として交流モータ(交流電動機)を搭載した電気自動車やハイブリッド車が注目されている。例えば、電気自動車においては、図15に示すように、二次電池等からなる直流電源11と交流モータ13とを、インバータ等で構成されたモータ制御装置6を介して接続し、直流電源11の直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流モータ13を駆動するようにしたものがあり、ハイブリッド車においては、図1に示すように、二次電池等からなる直流電源11と交流モータ13A,13Bとを、インバータ等で構成されたモータ制御装置6を介して接続し、直流電源11の直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流モータ13A,13Bを駆動するようにしたものがある。
このような電気自動車やハイブリッド車に搭載される交流モータの制御システムは、三相の交流モータの各相のうちの二相又は三相に流れる電流をそれぞれ検出するように二つ又は三つの電流センサを設け、これらの電流センサの出力(電流検出値)に基づいて交流モータを制御するようにしたものが主流であるが、一つの交流モータに対して二つ又は三つの電流センサを設ける必要があるため、インバータの三相出力端子近傍の小型化やモータ制御系統の低コスト化に対して弊害となっている。
交流モータの制御システムにおいて、電流センサの数を削減して低コスト化する技術としては、例えば、特許文献1(特開2001−145398号公報)に記載されているように、交流モータの各相のうちの一相(例えばU相)に流れる電流を検出する一つの電流センサを設け、この電流センサで検出した一相(例えばU相)の電流検出値と他の二相(例えばV相とW相)の前回の電流推定値とに基づいて交流モータの回転座標系におけるd軸電流推定値(励磁分電流推定値)とq軸電流推定値(トルク分電流推定値)を算出し、これらのd軸電流推定値とq軸電流推定値をそれぞれ1次遅れフィルタにより平均化した値に基づいて他の二相(例えばV相とW相)の電流推定値を算出すると共に、この電流推定処理によって算出したq軸電流推定値(又はd軸電流推定値とq軸電流推定値の両方)を用いて交流モータを制御するようにしたものがある。
特開2001−145398号公報
上記特許文献1の技術では、一つの交流モータに対して一つの電流センサを設ける「電流センサの一相化」によりインバータの小型化や低コスト化をすることが可能になるが、モータトルクが変化し、実電流が急変した場合などに、電流推定の応答性が不足して電流推定値の追従が遅れることによって推定誤差が生じてトルク変動を生じるとともに、交流モータに要求されるトルク応答性を満足できない可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、交流電動機の各相のうちの一相に流れる電流を検出する電流センサを備えたシステムにおいて、交流電動機の電流推定の応答性を向上させ、その結果車両要求のトルク応答性を満足することができる交流電動機の制御装置を提供することにある。
本出願人の研究によると、上記特許文献1の技術のように、電流センサで検出した一相の電流検出値と他の二相の前回の電流推定値とに基づいてd軸及びq軸電流推定値を算出し、これらのd軸及びq軸電流推定値を平滑化した値に基づいて他の二相の電流推定値を算出するシステムでは、電流制御応答性を高速にして車両から要求されるトルク応答性を実現するため、すなわちd軸及びq軸電流推定値の推定応答性を高速にするために、前記平滑化処理の時定数(例えばLPF(ローパスフィルタ)とその設計時定数)を小さく設定すると、d軸及びq軸電流推定値がそれぞれ大きく振動し、d軸及びq軸実電流値に収束するまでの時間遅れが大きくなることが判明した。このd軸及びq軸電流推定値の振動によって電流推定値は、横軸にd軸電流推定値、縦軸にq軸電流推定値をとるdq平面上において実電流値を中心とする渦を描く(図4)。本出願人は研究の結果、このように電流推定値が渦を描き始めると、実電流値と電流推定値の距離がなかなか縮まらず、電流推定値が実電流値に収束する速さが著しく遅くなることを発見した。さらにこの、電流推定値が渦を描くという現象は、LPFの時定数がある程度以上大きい範囲では発生せず、小さい方が、電流推定値が実電流値に収束する速さが速くなるが、ある時定数以下の範囲では電流推定値が渦を描くことによって、逆に電流推定値が実電流値に収束する速さが遅くなることを発見した。すなわち、高速なトルク応答性が要求されるシステムにおいては、これを満足するためにLPFの時定数のみを設計すると却って電流推定全体の応答時定数を低下させることを発見した。これにより、要求トルクが急峻に変化し、実電流値が急峻に変化したとき、電流推定値は遅れをもって追従し、変化が急峻であるほど誤差が大きくなるため、安定的に制御できなくなる。従って,電流推定の応答性が不足することによって、安定的に制御可能な要求トルクの変化速度が制限され、車両要求のトルク応答性が満足できなくなる。
そこで、請求項1に係る発明は、三相の交流電動機と、該交流電動機の各相のうちの一相(以下「センサ相」という)に流れる電流を検出する電流センサとを備えた交流電動機の制御装置において、電流センサで検出したセンサ相の電流検出値と該センサ相以外の二相の前回の電流推定値とに基づいて交流電動機の回転座標系におけるd軸及びq軸電流推定値を算出し、d軸電流推定値とq軸電流推定値をそれぞれ平滑化した値に基づいて各相の電流推定値を算出する電流推定処理を所定の演算周期で繰り返し実行する電流推定手段を備え、この電流推定手段は、d軸及びq軸電流推定値を算出する際に、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいてセンサ相の電流推定値を算出し、該センサ相の電流推定値とセンサ相の電流検出値とから求めたセンサ相の電流推定誤差に基づいてセンサ相軸に直交する方向(以下、センサ相軸と直交方向)にd軸及びq軸電流推定値を補正する手段を有する構成としたものである。
この構成では、センサ相軸直交方向にd軸及びq軸電流推定値を補正することができるため、電流推定値を真値(実電流値)に向かって直線的に収束させることが可能となる。これにより、車両要求のトルク応答性を満足するためにLPFの時定数を設計したとしても電流推定値が渦を描くような挙動を示すことを抑制することができ、電流推定値の応答性を向上させ(真値に収束するまでの時間を短くし)、電流制御応答性、ひいては車両要求のトルク応答性を満足することができる。
具体的には、請求項2のように、電流推定手段は、センサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値を補正する際に、センサ相の電流検出値と電流推定値及びそれらから求められる電流推定誤差の今回値と前回値に基づいてセンサ相軸と直交方向の電流推定誤差を算出し、該センサ相軸と直交方向の電流推定誤差に基づいてセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を算出し、該センサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を用いてd軸及びq軸電流推定値を補正するようにすると良い。
本出願人の研究によると、dq平面上における電流推定値と真値(実電流値)の幾何学的な位置関係から、センサ相軸と直交方向の電流推定誤差は、センサ相の電流検出値と電流推定値の差であるセンサ相の電流推定誤差の今回値と前回値を用いて求められることが判明した。
従って、センサ相の電流推定誤差の今回値と前回値を用いれば、センサ相軸と直交方向の電流推定誤差を算出することができ、このセンサ相軸と直交方向の電流推定誤差から求めたセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を用いてd軸及びq軸電流推定値を補正することで、センサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値を補正することができる。
この場合、請求項3のように、電流推定手段は、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいてセンサ相を含む三相の電流推定値を算出する逆dq変換と、センサ相の電流検出値と該逆dq変換により算出したセンサ相以外の二相の電流推定値とに基づいてd軸及びq軸電流推定値を算出するdq変換とを所定の演算周期で繰り返し実行する電流推定手段を備え、この電流推定手段は、d軸及びq軸電流推定値を算出する際に、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいてセンサ相の電流推定値を算出し、該センサ相の電流推定値とセンサ相の電流検出値とから求めたセンサ相の電流推定誤差に基づいてセンサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値を補正する手段を有するようにしても良い。
また、請求項4のように、電流推定手段は、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいてセンサ相の電流推定値を算出する逆dq変換と、センサ相の電流推定値とセンサ相の電流検出値とから求めたセンサ相の電流推定誤差に基づいてセンサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値を算出するdq変換と、センサ相の電流推定誤差の今回値と前回値に基づいてセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を算出する処理と、センサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値とセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値とを用いて前回のd軸及びq軸電流推定値を補正して今回のd軸及びq軸電流推定値を求める処理とを所定の演算周期で繰り返し実行するようにしても良い。
これらの構成では、前回値として使用する値を、直流量であるd軸及びq軸の値とすることができるため、前回と今回の時間差の中で変化する交流電動機の回転角や電流値の変化の悪影響を小さくすることができ、交流電動機の電流推定精度を向上させることができる。
また、請求項5のように、d軸及びq軸電流推定値に基づいて交流電動機の通電を制御するようにしても良い。本発明は、交流電動機の電流推定の応答性を向上し、実電流値が変化したときにd軸及びq軸電流推定値が速やかに実電流値に収束できるので、d軸及びq軸電流推定値を用いて交流電動機の通電を制御することで、より高速な要求トルクの変化に対しても安定的に制御することができ、交流電動機のトルク応答性を向上させることができる。
図1は本発明の実施例1におけるハイブリッド車の駆動システムの概略構成を示す図である。 図2は交流モータ制御システムの概略構成図である。 図3は交流モータの電流フィードバック制御を説明するブロック図である。 図4は比較例の電流推定を説明するブロック図である。 図5は比較例の電流推定の実行例を示す図である。 図6は比較例の電流推定による電流推定値の挙動を説明する図である。 図7はセンサ相軸の方向とそれに直交する方向の定義を説明する図である。 図8は実施例1の電流推定部の構成を示すブロック図である。 図9はセンサ相と直交方向の電流推定誤差xを説明する図である。 図10は直交方向補正値算出部の構成を示すブロック図である。 図11は電流推定ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図12は実施例1電流推定の実行例を示す図である。 図13は実施例2の電流推定部の構成を示すブロック図である。 図14は実施例3の電流推定部の構成を示すブロック図である。 図15は他の実施例における電気自動車の駆動システムの概略構成を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を、例えば、交流モータと内燃機関(エンジン)を動力源とするハイブリッド車に適用して具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図12に基づいて説明する。
まず、図1に基づいてハイブリッド車の駆動システムの概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン1と第1の交流モータ13Aと第2の交流モータ13Bが搭載され、主にエンジン1の出力に対して第1の交流モータ13Aを駆動させることで第2の交流モータ13Bの回転軸に伝達される駆動力と第2の交流モータ13Bの駆動力で車輪2を駆動する。エンジン1のクランク軸と第1の交流モータ13Aの回転軸と第2の交流モータ13Bの回転軸とが動力分割機構3(例えば遊星ギヤ機構)を介して連結され、第2の交流モータ13Bの回転軸が差動減速ギヤ4を介して車軸5に連結されている。交流モータ13A,13Bは、インバータ12(図2参照)やモータ制御回路16(図2参照)等で構成されたモータ制御装置6を介して二次電池等からなる直流電源11に接続され、このモータ制御装置6を介して直流電源11と電力を授受するようになっている。
駆動力演算回路7は、ハイブリッド車全体を総合的に制御するコンピュータ等で構成され、アクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル信号、ブレーキスイッチ(図示せず)で検出したブレーキ信号、シフトスイッチ(図示せず)で検出したシフト信号等の各種のセンサやスイッチの出力信号を読み込んで車両の運転状態を検出する。この駆動力演算回路7は、エンジン1の運転を制御するエンジン制御回路(図示せず)や、交流モータ13A,13Bの運転を制御するモータ制御回路16(図2参照)との間で制御信号やデータ信号等を送受信し、車両の運転状態に応じて駆動力要求値を出力してエンジン1や交流モータ13A,13Bの駆動力を制御する。
次に、図2に基づいてハイブリッド車に搭載される交流モータ制御システムの概略構成を説明する。尚、2つの交流モータ13A,13Bの制御システムは、実質的に同一構成であるため、「交流モータ13」と表記して、1つの交流モータ13の制御システムについて説明する。
二次電池等からなる直流電源11には、電圧制御型の三相のインバータ12が接続され、このインバータ12で交流モータ13(交流電動機)が駆動される。尚、直流電源11に昇圧コンバータ等を介してインバータ12を接続した構成としても良い。
交流モータ13は、三相永久磁石式同期モータで、永久磁石が内蔵されたものであり、ロータの回転位置(回転角)を検出するロータ回転位置センサ14が搭載されている。また、交流モータ13の各相のうちの一相(以下「センサ相」という)に流れる電流を検出する電流センサ15が一つのみ設けられている。本実施例では、センサ相としてW相に流れる電流を電流センサ15で検出する。尚、交流モータ13は、永久磁石式同期モータに限定されず、例えば、誘導モータやその他の同期モータであっても良い。
インバータ12は、モータ制御回路16(制御手段)から出力される三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに基づいて、直流電圧を三相の交流電圧U,V,Wに変換して交流モータ13を駆動する。
モータ制御回路16は、交流モータ13の出力トルクが目標トルク(トルク指令値)となるようにインバータ12を制御して交流モータ13に印加する交流電圧を調整するトルク制御を実行する。本実施例では、トルク指令値に基づいた電流指令値と、電流センサ15の出力に基づいた電流推定値との偏差が小さくなるように交流モータ13の通電をF/B制御する電流F/B制御を次のようにして実行する。ここで、「F/B」は「フィードバック」を意味する(以下、同様)。
図3に示すように、モータ制御回路16は、トルク指令値trq* に基づいて、交流モータ13のロータ回転座標として設定された回転座標系(d−q座標系)における指令電流ベクトル(d軸電流指令値id*,q軸電流指令値iq*)をマップ又は数式等により演算する。
また、ロータ回転位置センサ14で検出した交流モータ13のロータ回転位置mθ(回転角)に基づいて電気角eθを演算すると共に、後述する電流推定部17(電流推定手段)により、電流センサ15で検出した交流モータ13のセンサ相(W相)の電流検出値iw.sns と、交流モータ13の電気角eθとに基づいて、回転座標系における推定電流ベクトル(d軸電流推定値id.est ,q軸電流推定値iq.est )を演算する。
この後、d軸電流指令値id*とd軸電流推定値id.est との偏差Δid が小さくなるようにPI制御等によりd軸電圧指令値Vd を演算すると共に、q軸電流指令値iq*とq軸電流推定値iq.est との偏差Δiq が小さくなるようにPI制御等によりq軸電圧指令値Vq を演算して、指令電圧ベクトル(d軸電圧指令値Vd ,q軸電圧指令値Vq )を求める。
この指令電圧ベクトル(d軸電圧指令値Vd ,q軸電圧指令値Vq )と、交流モータ13の電気角eθとに基づいて、三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を演算した後、これらの三相電圧指令値Vu ,Vv ,Vw を、例えば正弦波PWM制御方式等で三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLに変換し、これらの三相の6アーム電圧指令信号UU,UL,VU,VL,WU,WLをインバータ12に出力する。これにより、トルク指令値に基づいた電流指令値id*,iq*と、電流センサ15の出力に基づいた電流推定値id.est ,iq.est との偏差が小さくなるように交流モータ13の通電をF/B制御する電流F/B制御を実行する。
ところで、交流モータ13の電流を推定する場合に、図4に示す比較例のように、電流センサ15で検出したセンサ相(W相)の電流検出値iw.sns と他の二相(U相とV相)の前回の電流推定値iu.est ,iv.est とに基づいてd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を算出するdq変換と、このdq変換により算出したd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est をLPF処理(例えば、なまし処理や一次遅れ処理等)により平滑化した値id.lpf ,iq.lpf に基づいて他の二相(U相とV相)の電流推定値iu.est ,iv.est を算出する逆dq変換とを所定の演算周期で繰り返す電流推定処理を実行するシステムでは、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est に施すLPF処理の時定数が、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est の変化を律速することが容易に推測できる。尚、上記の「LPF」は「ローパスフィルタ」を意味する(以下、同様)。
従って、d軸及びq軸実電流値が急変した場合に、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est がd軸及びq軸実電流値に追い付く速さは(以下、電流推定応答性)、前記LPFの時定数に支配されると考えられる。この電流推定応答性は、モータのトルク及び回転数条件が予め定められた一つ又は複数のトルク及び回転数条件での定常運転に限定される機器においては大きな問題とならない。しかし、例えば、ハイブリッド車両の駆動用主機モータ及びその制御装置においては、ドライバのアクセル/ブレーキ操作や路面条件の変化によって、要求されるトルク、モータ回転数が連続的かつ急激に変化することがあり、それらの急激な変化によって、モータの駆動電流もまた急激に変化する。このとき、前記電流推定処理によって算出される推定電流ベクトルに基づいてモータへの印加電圧を決定する電流F/B制御を実行するシステムにおいて、電流推定応答性が十分でない場合、急変した実電流ベクトルに対して遅れと同時に誤差を持って追従するため、その間の電流F/B制御によってモータの挙動が不安定になったり、瞬間的に過電流が流れることでモータまたはモータ制御装置に何らかの重大故障を来たす恐れがある。従って、ハイブリッド車両の駆動用主機モータ及びその制御装置、あるいは同等以上の電流の急変が起こり得るシステムにおいては、電流推定応答性が十分であるかが重要な技術課題の一つである。
この電流推定応答性と前記LPFの時定数(一次なましのなまし回数)との関係を、実電流ベクトルを0から特定の値までステップさせたときの推定電流ベクトルの挙動をシミュレーションし調査した結果が図5である。この図5はdq平面上の挙動と横軸に時間、縦軸に推定誤差ベクトルの大きさをとって描画したグラフである。これにより、LPFの時定数を小さくしていくと、ある値以上の範囲では単純に電流推定応答性が向上するが、その範囲を超えて小さくしていくとdq平面上で推定電流ベクトルの軌道が円を描くような挙動を示し、逆に極端に電流推定応答性が悪化していくことが判明した。この範囲はモータ回転数によって変化するが、前記ハイブリッド車両の駆動用主機モータ等のシステムにおいては停止状態から回転数上限までの広い回転数範囲をとり得るため、根本的な対策が必要である。
本出願人は前記電流推定処理の挙動を詳細に解析した結果、図6のような挙動であることを明らかにした。すなわち、電流センサ15で検出したセンサ相の電流検出値と他の二相の前回の電流推定値に基づいて算出されたd軸及びq軸電流推定値で表される推定電流ベクトルは、前回の推定電流ベクトルに対し、dq平面上における、センサ相軸の方向にのみ動くという事実を見出した。このとき、センサ相軸に沿って動く距離は、図6に示すΔiw に係数Kを乗じた長さである。係数Kはd軸及びq軸電流推定値に施されるLPFの特性(例えば時定数)によって決まる係数である。
ここで、dq平面上におけるセンサ相軸の方向を図7に示した。この図7においては、センサ相としてw相のセンサ相の例が示されており、このw相のセンサ相軸は、U相軸より120°ずれた方向の軸にて定義されている。dq平面上では、本来固定座標軸であるU相、V相、及びW相の軸はモータ回転により相対的に逆転するため、センサ相軸にのみ動くという性質により推定電流ベクトルの軌道は弧もしくは渦を描くことが判明した。
そこで、以上の課題を解決するために本実施例では、電流センサ15で検出したセンサ相の電流検出値と他の二相の前回の電流推定値に基づいてd軸及びq軸電流推定値を算出する際に、図8及び次式のようにセンサ相に直交する方向成分にd軸及びq軸電流推定値を補正する。
Figure 0005527559
ここで、xは図9に示す推定誤差ベクトルのセンサ相直交方向成分であり、センサ相直交方向推定誤差と称する。このxは、電気角移動量(今回の電気角と前回の電気角の差)、前回のセンサ相の電流検出値といった、前回もしくはそれ以前に知ることの出来る過去値に基づいて求めることができる。例えば図9に示す、実電流ベクトルと推定電流ベクトルと、センサ相軸とセンサ相直交軸の位置関係を解析することで得られる下記(1)式によって求められる。
Figure 0005527559
ここで、Δiw はセンサ相(W相)の電流推定誤差であり、センサ相の電流推定値iw.est とセンサ相の電流検出値iw.sns との差である。また、センサ相の電流推定値iw.est は、LPF処理後のd軸及びq軸電流推定値に基づいて逆dq変換を行い、センサ相の他の二相の電流推定値を算出する際に同時に、もしくは別途次式を計算することで得られるものである。
Figure 0005527559
また、Δθは今回の電気角θ(n) と前回の電気角θ(n-1) の差として算出される、前回と今回の間の電気角の変化量(以下、電気角移動量)であり、同時にdq平面上におけるセンサ相軸の回転量である。
以上のようにセンサ相直交方向の補正量を算出する処理部は、例えば図10のようなブロック図で表されるものである。この処理部はセンサ相推定誤差と電気角移動量を入力とし、センサ相直交方向誤差xを算出した後、xの値に基づいてセンサ相直交方向補正量を算出するdq変換を実行する。このdq変換の入力である位相は、センサ相に対して直交する成分を変換するため、センサ相の位相に対して90°加算した値を入力し、下記(2)式によって算出する。
Figure 0005527559
このようにして算出したセンサ相直交方向補正量を電流推定部に出力する。
本実施例1では、以上のように、電流センサ15で検出したセンサ相の電流検出値iw.sns と他の二相の前回の電流推定値iu.est ,iv.est に基づいてd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を算出するdq変換と、そのdq変換の際に、センサ相軸と直交する方向にd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正する補正処理と、補正後のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est をLPF処理(例えば、なまし処理や一次遅れ処理)により平滑化した値id.lpf ,iq.lpf に基づいてセンサ相以外の二相の電流推定値iu.est ,iv.est (もしくはセンサ相を含む三相の電流推定値iu.est ,iv.est ,iw.est )を算出する逆dq変換とを所定の演算周期で繰り返す構成(図8参照)である。
以上説明した本実施例の電流推定は、モータ制御回路16によって図11の電流推定ルーチンに従って実行される。以下、この電流推定ルーチンの処理内容を説明する。
図11に示す電流推定ルーチンは、モータ制御回路16の電源オン期間中に所定の演算周期Tで繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、電流センサ15で検出したセンサ相(W相)の電流検出値iw.sns を読み込んだ後、ステップ102に進み、ロータ回転位置センサ14で検出した交流モータ13のロータ回転位置mθから求めた電気角eθを読み込む。
この後、ステップ103に進み、前回のセンサ相以外の二相の電流推定値iu.est ,iv.est を読み込む。尚、モータ制御回路16の電源オフ中はインバータ12がシャットダウン状態であるため、モータ制御回路16の電源オン直後で本ルーチンの初回の起動時には、前回のセンサ相以外の二相の電流推定値iu.est ,iv.est をそれぞれ「0」にする(つまり、前回のセンサ相以外の二相の電流推定値iu.est ,iv.est の初期値をそれぞれ「0」にする)。
この後、ステップ104に進み、電流センサ15で検出したセンサ相の電流検出値と他の二相の前回の電流推定値に基づいて、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を算出するdq変換を実行する。
この後、ステップ105に進み、センサ相(W相)の電流推定誤差の今回値iw(n)と前回値iw(n-1)と電気角変化量Δθを用いて、上記(1)式により、センサ相軸(W相軸)と直交方向の電流推定誤差xを求める。
この後、ステップ106に進み、センサ相軸(W相軸)と直交方向の電流推定誤差xに基づいて、センサ相軸(W相軸)と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x を算出するdq変換を実行する。このdq変換では、上記(2)式により、センサ相軸(W相軸)と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x を求める。
この後、ステップ107に進み、センサ相軸(W相軸)と直交方向成分の補正後のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est をそれぞれLPF処理(例えば、なまし処理や一次遅れ処理等)により平滑化した後、ステップ108に進み、LPF処理後のd軸及びq軸電流推定値id.lpf ,iq.lpf に基づいて今回のセンサ相を含む三相の電流推定値iu.est ,iv.est ,iw.est を算出する逆dq変換を実行する。
この後、ステップ109に進み、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を出力する。出力されたd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est は、例えば、前述した電流F/B制御に用いられる。
この後、ステップ110に進み、今回のセンサ相を含む三相の電流推定値iu.est ,iv.est ,iw.est をバッファ(記憶領域)に保存(記憶)して、本ルーチンを終了する。これらのセンサ相以外の二相の(もしくはセンサ相を含む三相の)電流推定値は、次回の本ルーチンの実行時(次回の電流推定処理の実行時)に、前回のセンサ相を含む三相の電流推定値として同時あるいは別々に用いられる。
以上説明した本実施例1は、センサ相の電流推定誤差の今回値iw(n)と前回値iw(n-1)に基づいてセンサ相軸と直交方向の電流推定誤差xを算出し、このセンサ相軸と直交方向の電流推定誤差xに基づいてセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x を算出し、このセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x を用いて前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正することで、センサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正するようにしたので、図12に示すように、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を真値(実電流値)に向かって直線的に収束させることが可能となって、低回転領域でd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est が渦を描くような挙動を示すことを防止することができ、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est の応答性を向上させる(真値に収束するまでの時間を短くする)ことができる。
また、本実施例1では、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est が振動的になるのを防止することができ、このd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を用いて交流モータ13の通電をF/B制御するようにしたので、交流モータ13の挙動が不安定になるのを防止することができる。
また、本実施例1では、交流電動機の電流推定の応答性を向上し、実電流値が変化したときにd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est が速やかに実電流値に収束でき、このd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を用いて交流モータ13の通電をF/B制御するようにしたので、交流モータ13のトルク応答性を向上させることができる。
また、本実施例1では、一相のセンサ相の電流検出値に基づいてd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を直接推定し、これを用いて交流モータ13の通電をF/B制御するようにしたので、二つ以上の電流センサの電流検出値を用いたときの、二つ以上の電流センサ間のゲイン誤差による出力トルクの電気二次変動(d軸及びq軸電流値が電気二次の周波数で変動することによる)の発生を原理上解消することができる。
以上のように本発明は、「電流センサ一相化」における電流推定の応答遅れを軽減することができ、それによって生じる推定誤差によるトルク変動(三相電流の直流成分による電気一次変動や振幅ずれによる電気二次変動等)を軽減できることによって、この「電流センサ一相化」を適用した交流モータ制御システムを搭載した機器の要求トルクが急変した際の振動が軽減され、また素早く要求トルクを出力することができる。従って特に、乗員の乗り心地、運転性能が重視される車載用モータにおいて、より適した効能が得られる。
尚、本発明は、上記実施例1で説明したものに限定されず、前回のd軸及びq軸電流推定値と電流センサ15で検出したセンサ相の電流検出値とに基づいて今回のd軸及びq軸電流推定値を算出するシステムに対しても広く適用することができる。
例えば、図13に示す実施例2のように、前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est をLPF処理により平滑化した値id.lpf ,iq.lpf に基づいて他の二相の電流推定値iu.est ,iv.est を算出する逆dq変換と、この逆dq変換により算出した他の二相の電流推定値iu.est ,iv.est とセンサ相の電流検出値iw.sns とに基づいてd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を算出するdq変換とを所定の演算周期で繰り返し実行するシステムにおいて、センサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正するロジックを追加した構成(つまり、d軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を算出する際に、前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est に基づいてセンサ相の電流推定値iw.est を算出し、該センサ相の電流推定値iw.est とセンサ相の電流検出値iw.sns とから求めたセンサ相の電流推定誤差Δiw に基づいてセンサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正する構成)としても良い。
或は、図14に示す実施例3のように、前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est に基づいてセンサ相の電流推定値iw.est を算出する逆dq変換と、センサ相の電流推定値iw.est とセンサ相の電流検出値iw.sns とから求めたセンサ相の電流推定誤差Δiw に基づいてセンサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr ,iq.crr を算出するdq変換と、算出したd軸及びq軸電流補正値id.crr ,iq.crr を用いて前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正して今回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を求める処理を所定の演算周期で繰り返し実行するシステムにおいて、センサ相軸と直交方向にd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正するロジックを追加した構成、つまり、前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est に基づいてセンサ相の電流推定値iw.est を算出する逆dq変換と、センサ相の電流推定値iw.est とセンサ相の電流検出値iw.sns とから求めたセンサ相の電流推定誤差Δiw に基づいてセンサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr ,iq.crr を算出するdq変換と、センサ相の電流推定誤差Δiw の今回値と前回値に基づいてセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x を算出する処理と、センサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr ,iq.crr とセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値id.crr.x ,iq.crr.x とを用いて前回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を補正して今回のd軸及びq軸電流推定値id.est ,iq.est を求める処理とを所定の演算周期で繰り返し実行する構成としても良い。
更に、センサ相軸と直交方向の電流推定誤差を算出する方法やセンサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を算出する方法は、上記各実施例で説明した方法に限定されず、適宜変更しても良い。
また、上記各実施例では、センサ相としてW相に流れる電流を電流センサで検出する構成としたが、これに限定されず、センサ相としてU相に流れる電流を電流センサで検出する構成としたり、或は、センサ相としてV相に流れる電流を電流センサで検出する構成としても良い。
また、本発明は、図15に示されるような電気自動車の駆動システムにも採用をすることができる。詳細には、電気自動車の駆動システムでは、交流モータ13が搭載され、交流モータ13の駆動力で車輪2を駆動する。交流モータ13は、インバータ12(図2参照)やモータ制御回路16(図2参照)等で構成されたモータ制御装置6を介して二次電池等からなる直流電源11に接続され、このモータ制御装置6を介して直流電源11と電力を授受ずるようになっている。
駆動力演算回路7は、電気自動車全体を総合的に制御するコンピュータ等で構成され、アクセルセンサ(図示せず)で検出したアクセル信号、ブレーキスイッチ(図示せず)で検出したブレーキ信号、シフトスイッチ(図示せず)で検出したシフト信号等の各種のセンサやスイッチの出力信号を読み込んで車両の運転状態を検出する。この駆動力演算回路7は、交流モータ13の運転を制御するモータ制御回路16(図2参照)との間で制御信号やデータ信号等を送受信し、車両の運転状態に応じて駆動力要求値を出力して交流モータ13の駆動力を制御する。
このような電気自動車の駆動システムに本願発明を適用しても、上述と同様に一つの交流電動機に対して一つの電流センサを設ける「電流センサの一相化」により低コスト化の要求を満たしながら、交流電動機の電流推定精度を向上させることができる。
さらにまた、上記実施例では、インバータと交流モータを一組のみ設けたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、図1のようなハイブリッドシステムや、その他のインバータと交流モータを二組以上設けたシステムに本発明を適用しても良い。
その他、本発明は、上述するような電気自動車やハイブリッド車に搭載される交流モータの制御装置に限定されず、電気自動車やハイブリッド車以外の交流モータの制御装置にも適用可能である。
11…直流電源、12…インバータ、13…交流モータ(交流電動機)、14…ロータ回転位置センサ、15…電流センサ、16…モータ制御回路(制御手段)、17…電流推定部(電流推定手段)、18…直交方向補正値算出部

Claims (5)

  1. 三相の交流電動機と、該交流電動機の各相のうちの一相(以下「センサ相」という)に流れる電流を検出する電流センサとを備えた交流電動機の制御装置において、
    前記電流センサで検出した前記センサ相の電流検出値と該センサ相以外の二相の前回の電流推定値とに基づいて前記交流電動機の回転座標系におけるd軸及びq軸電流推定値を算出し、該d軸及びq軸電流推定値をそれぞれ平滑化した値に基づいて各相の電流推定値を算出する電流推定処理を所定の演算周期で繰り返し実行する電流推定手段を備え、
    前記電流推定手段は、前記d軸及びq軸電流推定値を算出する際に、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいて前記センサ相の電流推定値を算出し、該センサ相の電流推定値と前記センサ相の電流検出値とから求めた前記センサ相の電流推定誤差に基づいて前記センサ相軸と直交方向に前記d軸及びq軸電流推定値を補正する手段を有することを特徴とする交流電動機の制御装置。
  2. 前記電流推定手段は、前記センサ相軸と直交方向に前記d軸及びq軸電流推定値を補正する際に、前記センサ相の電流検出値と電流推定値及びそれらから求められる電流推定誤差の今回値と前回値に基づいて前記センサ相軸と直交方向の電流推定誤差を算出し、該センサ相軸と直交方向の電流推定誤差に基づいて前記センサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を算出し、該センサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を用いて前記d軸及びq軸電流推定値を補正することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記電流推定手段は、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいて前記センサ相を含む三相の電流推定値を算出する逆dq変換と、前記センサ相の電流検出値と該逆dq変換により算出した前記センサ相以外の二相の電流推定値とに基づいてd軸及びq軸電流推定値を算出するdq変換とを所定の演算周期で繰り返し実行し、
    前記d軸及びq軸電流推定値を算出する際に、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいて前記センサ相の電流推定値を算出し、該センサ相の電流推定値と前記センサ相の電流検出値とから求めた前記センサ相の電流推定誤差に基づいて前記センサ相軸と直交方向に前記d軸及びq軸電流推定値を補正する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記電流推定手段は、前回のd軸及びq軸電流推定値に基づいて前記センサ相の電流推定値を算出する逆dq変換と、前記センサ相の電流推定値と前記センサ相の電流検出値とから求めた前記センサ相の電流推定誤差に基づいて前記センサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値を算出するdq変換と、前記センサ相の電流推定誤差の今回値と前回値に基づいて前記センサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値を算出する直交方向補正値算出処理と、前記センサ相軸と同方向のd軸及びq軸電流補正値と前記センサ相軸と直交方向のd軸及びq軸電流補正値とを用いて前回のd軸及びq軸電流推定値を補正して今回のd軸及びq軸電流推定値を求める補正処理とを所定の演算周期で繰り返し実行することを特徴とする請求項2に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記d軸及びq軸電流推定値に基づいて前記交流電動機の通電を制御する制御手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の交流電動機の制御装置。
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