JP5527309B2 - ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物の製造方法 - Google Patents

ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の配合時間が短時間で可能であり、硬化剤(加硫剤)を配合する前の該シリコーンゴムコンパウンドの耐可塑戻り特性に優れると共に、このコンパウンドに硬化剤を配合して得られるミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化後の耐圧縮永久歪特性に優れるシリコーンゴム硬化物を与えるミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物を製造する方法に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品を初めとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるラバーコンタクト;建築用ガスケット;複写機用ロール、現像ロール、転写ロール、帯電ロール、給紙ロール等の各種ロール;オーディオ装置等の防振ゴム;コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキンなどの用途が挙げられる。現在、シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。これらのシリコーンゴムは、一般的には高重合度のオルガノポリシロキサン生ゴム(即ち、室温で自己流動性のない非液状の生ゴム状オルガノポリシロキサン)と補強性充填剤とを含有する硬化剤(加硫剤)を配合する前のミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びこのコンパウンドに硬化剤を配合したミラブル型シリコーンゴム組成物(即ち、ロールミル等の混練機で混練が可能な組成物)の形で使用に供される。このミラブル型コンパウンド及び組成物は、例えばニーダー、二本ロール(ロールミル)等の混合装置を用いて、原料ポリマーに補強性充填剤や各種分散剤を混合することにより調製されている。
ミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及び組成物を製造するには、上記の通り、オルガノポリシロキサン中に、ヒュームドシリカ等の補強性の充填剤を混練りする必要があり、その際、分散剤(ウェッター)とよばれる、補強性充填剤の表面処理剤を使用する。通常、オルガノポリシロキサンにシリカ等の補強性充填剤を分散する際には、シラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンが使用される。オルガノポリシロキサン中にニーダー等でシリカを分散させるには時間がかかり、この時間を短くして工程時間を短縮することが望まれている。
一般に、両末端にヒドロキシル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンは、シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の分散剤として有効であり、種々の分散剤が用いられている。分散剤としての効能はヒドロキシル基の含有量に比例し、ヒドロキシル基の含有量が大きいポリシロキサン、即ち末端基にヒドロキシル基を有する低分子量の直鎖状オルガノシロキサンの方が、使用量が少なくて済み、またシリコーンゴムコンパウンドの加工性を考えた場合より有効である。例えば、特許第2853539号公報(特許文献1)には、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールを配合するシリコーンゴム組成物が記載されており、可塑戻り、加工性等が改良できることが示されているが、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ジオールは、工業的に大量に生産することが難しく、高価である。
また、特開2004−189818号公報(特許文献2)には、可塑戻りが少ないシリコーンゴム組成物が例示されているが、水の添加については記載されていない。
更に、水が添加された組成物は、特開平9−40868号公報、特開平9−95612号公報、特開2007−153991号公報(特許文献3〜5)等に記載されているが、これはシリコーンゴム組成物を製造する際に使用するものではなく、熱処理が終了したシリコーンゴム組成物に水を添加して、金型離型を改善するためのものである。本発明で使用される水は、シリコーンゴムを製造する際に、通常行われる熱処理の前に添加するものであり、熱処理後のシリコーンゴム中に水が残存している必要はない。
特開平6−88027号公報(特許文献6)には、少量のシラザンを添加することにより、動的疲労耐久性が向上することが記載されているが、配合時間の短縮、耐圧縮永久歪の向上等については、何ら記載されていない。また、特開平6−88027号公報に記載されている添加量では、配合時間の短縮、圧縮永久歪、可塑戻りの改善には不十分であり、熱処理工程が必要となっている。
特許第2853539号公報 特開2004−189818号公報 特開平9−40868号公報 特開平9−95612号公報 特開2007−153991号公報 特開平6−88027号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の配合時間が短く、硬化剤(加硫剤)を配合する前の該コンパウンドの硬化前の耐可塑戻り特性に優れると共に、このコンパウンドに硬化剤を配合して得られるミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化後のポストキュアー等の高温での熱処理を行わなくても、耐圧縮永久歪特性の優れたシリコーンゴム硬化物を与えるミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、重合度が100以上のオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)と、補強性シリカを均一に混合してシリコーンゴムコンパウンドを調製する際に、該混合系内にアルコキシシラン及び水を添加して、系内で該アルコキシシランの加水分解物を生成し、該アルコキシシランの加水分解物をシリカのウェッターとして作用させることにより、シリカをオルガノポリシロキサン(ベースポリマー)と混練りする際の配合時間が短縮でき、特に、アルコキシシランの加水分解物が生成した後に、特定量のシラザン又はアンモニア水を添加することで、更なる配合時間が短縮できる。このように製造した未硬化状態でのシリコーンゴムコンパウンドの可塑戻り(クリープハードニング)の低減、このコンパウンドに硬化剤を配合して得られるミラブル型シリコーンゴム組成物を一次硬化(プレスキュアー)及びポストキュアー(二次硬化)したシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪の改善、プレスキュアー時とポストキュアー時(二次硬化時)のシリコーンゴム硬化物の硬度差の低減化が達成できることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及びシリコーンゴム組成物の製造方法を提供する。
<1> 下記(A)〜(E)成分を混合した後、熱処理を行ってミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造するに際し、(B)成分を必要添加量の25質量%以上添加して(A)、(C)、(D)成分と均一に混合、混練した後、(E)成分及び(B)成分の残量を添加して均一に混合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
5〜100質量部、
(C)下記一般式(II)
2 mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
で示されるアルコキシシラン 0.1〜20質量部、
(D)水
(C)成分のアルコキシシラン中のアルコキシ基のモル数の0.3〜10倍モル量、
(E)下記一般式(III)
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
で示されるヘキサオルガノジシラザン又はアンモニア水 0.01〜1質量部。
<2> (C)成分がジオルガノジアルコキシシランである<1>記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
<3> (C)成分がジメトキシジメチルシランである<2>記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
<4> (E)成分のヘキサオルガノジシラザンが、ヘキサメチルジシラザン又は1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンである<1>〜<3>のいずれかに記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
<5> <1>〜<4>のいずれかに記載のコンパウンドを製造した後、これに硬化剤を配合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
なお、本発明において、上記(A)〜(E)成分を配合し、硬化剤を配合する前の混合物をシリコーンゴムコンパウンドと称し、このコンパウンドに硬化剤を配合したものをシリコーンゴム組成物と称する。
本発明の方法によれば、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造する際の配合時間が短く、硬化剤を配合する前の該コンパウンドの硬化前の耐可塑戻り特性に優れると共に、このコンパウンドに硬化剤を配合して得られるミラブル型シリコーンゴム組成物の硬化後の耐圧縮永久歪特性に優れるシリコーンゴム硬化物を与えるミラブル型シリコーンゴムコンパウンド及び組成物を製造することができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の製造方法により得られるミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ、
(C)下記一般式(II)
2 mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
で示されるアルコキシシラン、
(D)水、
(E)下記一般式(III)
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
で示されるヘキサオルガノジシラザン
を含有してなるものである。
−(A)成分−
本発明において、(A)成分は、下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサンである。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(I)中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、通常、炭素数1〜12、特に炭素数1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは1,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜20,000であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
−(B)成分−
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される充填剤であり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、またこれらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種又は2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜100質量部であり、10〜50質量部であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
−(C)成分−
本発明においては、(C)成分として、下記一般式(II)で表されるアルコキシシランを使用する。
2 mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
上記式(II)で表されるアルコキシシランとしては、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノアルコキシシラン等のオルガノアルコキシシランや、m=1で、かつR2が水素原子であるトリアルコキシシラン、m=0のテトラアルコキシシランが例示できる。
ここで、R2は水素原子、又は同一もしくは異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、非置換もしくは置換の一価炭化水素基としては、前記(A)成分の式(I)中のR1と同様のものが挙げられるが、通常、炭素数1〜8、特に炭素数1〜4のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。また(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から(A)成分の非置換もしくは置換の一価炭化水素基R1と同一であることが好ましい。
3の非置換又は置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の、通常、炭素数1〜4程度のアルキル基や、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が例示されるが、加水分解性等の点からメチル基、エチル基が好ましい。式中のmは0,1,2又は3であり、好ましくは1又は2である。
このようなアルコキシシランとしては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができるが、m=2であるジアルキルジアルコキシシラン等のジオルガノジアルコキシシランが好ましく、特にジメトキシジメチルシランが好ましい。
これらアルコキシシランは比較的安価であり、これを出発原料として用いることは経済的に極めて有利である。上述したアルコキシシランは単独又は2種以上の組み合わせで使用できる。ただし複数のアルコキシシランを混ぜて使用する場合には、両者の加水分解速度が異なるため、均一に反応しない可能性があるので注意が必要である。
(C)成分の使用量は、上記(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量部であり、好ましくは1〜15質量部である。アルコキシシランの使用量が少なすぎるとコンパウンドの可塑度が高くなりすぎ、また可塑戻り(クリープハードニング)が大きくなり、多すぎるとコンパウンドの可塑度が低くなりすぎ、ロールミル等の混練手段においてロール粘着性が発生してロール作業性が悪化する。
−(D)成分−
(D)成分の水は、(C)成分のアルコキシシランを加水分解するために使用される。(D)成分の水を添加しないと、配合時間が長くかかり、コンパウンドの可塑戻りが大きくなり、シリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪が増大し、プレスキュアーとポストキュアーの硬度差が大きくなるなど、物性が悪化する。
(D)成分である水のpHは特に限定されないが、pHが高すぎたり、低すぎたりすると、配合時に使用する装置が腐食してしまうため、pHは1.0〜12.0であることが好ましく、より好ましくは2.0〜10.0、更に好ましくは2.0〜7.0である。
ここで、(D)成分の水は、上記範囲のpHとするために、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸等の有機酸を用いて調整した酸性水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いて調整した塩基性水溶液として用いることも可能である。
また用いる水の量は、前記アルコキシシランのアルコキシ基に対して0.3〜10倍モル、特に0.5〜2.0倍モル、とりわけ1.0〜1.5倍モルが好ましい。この量が上記範囲よりも少ないと、アルコキシ基が完全に加水分解せず、わずかしか水酸基が生成しないといった問題が生じる。多く添加しても、過剰の水を除去する必要がある。
−(E)成分−
(E)成分は、下記一般式(III)で示されるヘキサオルガノジシラザンである。
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
(E)成分は、(C)成分のアルコキシ基又はその加水分解物としての水酸基を有するオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンと(B)成分の充填剤の表面のシラノール基の縮合反応を促進させる目的で添加される。
上記式(III)中、R4としては、前記(A)成分におけるR1と同様のものが挙げられるが、特にメチル基、エチル基等の炭素数1〜6程度のアルキル基が好ましく、また分子中にビニル基等のアルケニル基を有していても構わない。
(E)成分としては、ヘキサメチルジシラザン、1−ビニルペンタメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシラザン等が例示されるが、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが好ましく、ヘキサメチルジシラザンがより好ましい。
(E)成分としては、上記のヘキサオルガノジシラザンの他にアンモニア水を用いることができる。アンモニア水の濃度は特に限定されないが、通常1〜30質量%、好ましくは10〜28質量%、より好ましくは15〜28質量%程度のものを用いることができる。
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対してヘキサオルガノジシラザンの場合には、0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部であり、アンモニア水の場合には、0.01〜1質量部、好ましくは0.05〜1質量部、より好ましくは0.1〜1質量部である。(E)成分の配合量が少なすぎる場合には、配合時間の短縮効果が少なく、また耐圧縮永久歪、動的疲労耐久性向上の効果が得られず、多すぎる場合には、得られるゴムの硬度が高くなりすぎ、また経済的にも好ましくない。
(E)成分の添加は、(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が充分に行われた後に添加することが必要であり、具体的には、組成物の製造過程において各成分を均一に混合、混練する際に、(A)、(C)、(D)成分に、(B)成分を必要添加量の25質量%以上(25〜100質量%)、好ましくは50〜100質量%添加して、均一に混合したあとに、(E)成分を添加することが必要である。
(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が不充分な時点で(E)成分が添加されると、硬化前の耐可塑戻り特性や硬化後の耐圧縮永久歪特性に劣った組成物となる。
本発明のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドは、上述した(A)〜(E)成分の所定量を、所定の配合順序(配合時期)で二本ロール(ロールミル)、ニーダー、バンバリーミキサー等で均一に混練り、混合することによって得ることができる。
即ち、(B)成分の必要添加量の25〜100質量%、好ましくは50〜100質量%と、(A)、(C)、(D)成分とを混合する。この混合時に(C)成分であるアルコキシシランと(D)成分である水とが加水分解反応し、該加水分解反応物が(B)成分であるシリカのウェッターとして作用するため、混合時間が短縮される。この場合、ここでの混合、混練は(C)成分の(D)成分による加水分解反応を十分達成させるため、好ましくは0〜100℃、より好ましくは10〜90℃、更に好ましくは30〜80℃において好ましくは1〜120分、より好ましくは10〜60分間の条件とすることが望ましい。
次いで、このように(C)成分と(D)成分の加水分解反応が十分進行した後に(E)成分であるヘキサオルガノジシラザン又はアンモニア水を添加する。これにより混合時間もより短縮される。なお、(B)成分のシリカ全量を前の混合、混練工程で使用していない場合は(B)成分のシリカの残部はこの混合、混練工程時に添加する。この(E)成分及び(B)成分の残量を添加し、混合、混練する場合の温度は0〜100℃、特に10〜90℃、とりわけ40〜80℃が好ましく、また混合、混練時間は1〜120分、特に3〜60分間とすることが好ましい。
なお、上記(A)〜(E)成分の総配合時間は5分〜5時間、より好ましくは10分〜3時間とすることが好ましい。
上記の方法により混合した後、通常100℃以上250℃以下の温度で熱処理が行われるが、150℃以上200℃以下の温度で、好ましくは1〜300分、より好ましくは30〜180分間熱処理が行われることが好ましい。本発明のコンパウンドは熱処理をすることにより、加水分解反応により生成したアルコール、残存する水等が除かれ、未硬化状態でのシリコーンゴムコンパウンドの可塑戻り(クリープハードニング)の低減、このコンパウンドに硬化剤(加硫剤)を配合して得られるミラブル型シリコーンゴム組成物を一次硬化(プレスキュアー)及びポストキュアー(二次硬化)したシリコーンゴム硬化物の圧縮永久歪の改善、プレスキュアー時とポストキュアー時(二次硬化時)のシリコーンゴム硬化物の硬度差の低減化等の特性が向上する。
以上のようにして得られたシリコーンゴムコンパウンドは、これに硬化剤(加硫剤)を配合することにより、ミラブル型シリコーンゴム組成物を得る。
硬化剤(加硫剤)としては、上記(A)成分を硬化させ得るものであれば特に限定されるものではないが、一般的にゴム硬化剤として公知の(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)型硬化剤、即ちオルガノハイドロジェンポリシロキサン(架橋剤)とヒドロシリル化触媒との組み合わせ、又は(ii)有機過酸化物が好ましい。
この場合、付加反応による硬化の場合は、(A)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中に2個以上のアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものであることが必要であり、有機過酸化物硬化の場合も(A)成分のオルガノポリシロキサンが1分子中に2個以上のアルケニル基を有するものが好ましい。
上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋剤としてのオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子と結合した水素原子(SiH基)を含有するもので、下記平均組成式(IV)で示される従来から公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが適用可能である。
5 bcSiO(4-b-c)/2 (IV)
ここで、R5は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基で、好ましくは脂肪族不飽和結合を有さないものである。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等の非置換の一価炭化水素基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基等の置換の一価炭化水素基である。bは0.7〜2.1、cは0.01〜1.0、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくはbは0.8〜2.0、cは0.10〜1.0、より好ましくは0.18〜1.0、更に好ましくは0.2〜1.0、かつb+cは1.0〜2.5を満足する正数で示される。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。この場合、1分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜300個、特に4〜200個程度の室温で液状のものが好適に用いられる。なお、ケイ素原子に結合する水素原子(SiH基)は分子鎖末端にあっても側鎖(分子鎖途中)にあっても、その両方にあってもよく、1分子中に少なくとも2個(通常2〜300個)、好ましくは3個以上(例えば3〜200個)、より好ましくは4〜150個程度含有するものが使用される。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポリシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C65)SiO3/2単位とからなる共重合体等や、上記各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたものなどが挙げられる。また、このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的に下記構造式の化合物を例示することができる。
Figure 0005527309
(式中、kは2〜10の整数、s及びtはそれぞれ0〜10の整数である。)
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。粘度は、回転粘度計(BL型、BH型、BS型、コーンプレート型等)により測定することができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部、更に好ましくは0.3〜10質量部である。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基等の脂肪族不飽和基に対するオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)のモル比(SiH基/脂肪族不飽和基)が0.5〜10モル/モル、好ましくは0.8〜6モル/モル、より好ましくは1〜5モル/モルとなる量で配合することが望ましい。0.5モル/モル未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10モル/モルを超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性と耐圧縮永久歪性が著しく劣化する場合がある。
また、上記(i)付加反応(ヒドロシリル化反応)における架橋反応に用いられるヒドロシリル化触媒は、(A)成分中の脂肪族不飽和基(例えばアルケニル基等)と架橋剤としての上記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族の金属単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた微粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物が好ましい。
ヒドロシリル化触媒の添加量は、付加反応を促進できる、いわゆる触媒量であればよく、通常、(A)成分に対して白金系金属質量に換算して1ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500ppmの範囲が好ましい。添加量が1ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
また、上記の触媒のほかに硬化速度を調整する目的で、付加架橋制御剤を使用してもよい。具体的にはエチニルシクロヘキサノールやテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。
一方、(ii)有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜15質量部、特に0.2〜10質量部が好ましい。添加量が少なすぎると架橋反応が十分に進行せず、硬度低下やゴム強度不足、圧縮永久歪増大等の物性悪化を生じる場合があり、多すぎると経済的に好ましくないばかりでなく、硬化剤の分解物が多く発生して、圧縮永久歪増大等の物性悪化や得られたシートの変色を増大させる場合がある。
本発明のシリコーンゴム組成物には、上記成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、カーボンブラック等の導電性付与剤、酸化鉄やハロゲン化合物のような難燃性付与剤、軟化剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等を添加することができる。
このようにして得られた本発明のシリコーンゴム組成物は、80〜300℃、特に100〜200℃で、5秒〜1時間、特に30秒〜30分間硬化させることにより、シリコーンゴム硬化物が得られる。本発明のシリコーンゴム組成物は、硬化後のポストキュアー等の高温での熱処理を行わなくても、耐圧縮永久歪特性、耐可塑戻り特性の優れたシリコーンゴム硬化物を与える。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記例中の部は質量部を示す。
物性特性測定法
シリコーンゴム組成物を165℃/10分の条件で一次硬化(プレスキュアー)させたシート、その後200℃/4時間熱処理(ポストキュアー)したシートをそれぞれ作製し、JIS K6249に準じて、密度、硬さ(デュロメーターA)、引張り強さ、伸び、反発弾性率、圧縮永久歪(150℃/22時間、25%圧縮)等の物性を測定した。また、JIS K6249に準じて、硬化剤を配合する前のシリコーンゴムコンパウンドの未硬化時の可塑度を測定した。
[実施例1]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)100部、BET比表面積200m2/gの湿式シリカ(商品名ニプシルLP、東ソーシリカ(株)製)31部、ジメトキシジメチルシラン3.9部、1N塩酸をイオン交換水で希釈してpHを3.5に調整した水1.1部を配合し、40℃で25分間ニーダーにて均一に混練りした後、上記BET比表面積200m2/gの湿式シリカ(商品名ニプシルLP、東ソーシリカ(株)製)10部とヘキサメチルジシラザン0.12部を配合し、ニーダーにて60℃で10分間均一に混練りした後、更に、170℃で2時間の熱処理を行い、ミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを得た。
上記コンパウンド100部に対し、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し、均一に混合して、ミラブル型シリコーンゴム組成物を調製した後、この組成物を165℃で10分間プレスキュアーを行い、試験用シートを作製した。更にその後、200℃で4時間のポストキュアーを行った試験用シートを作製して、ポストキュアー前(プレスキュアー時)の物性とポストキュアー後の物性を測定した。また、未硬化時の可塑度を測定した。
[実施例2]
ヘキサメチルジシラザンを添加する前に、湿式シリカを25部添加し、40℃で20分間ニーダーにて均一に混練りした後、ヘキサメチルジシラザン0.12部と湿式シリカを16部添加した以外は、実施例1と同様な方法によりシリコーンゴム組成物を作製し、同様に評価した。
[実施例3]
主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位としてジメチルシロキサン単位99.850モル%とメチルビニルシロキサン単位0.125モル%、分子鎖末端基としてジメチルビニルシロキシ基0.025モル%を含有する平均重合度が約6,000である直鎖状オルガノポリシロキサン(生ゴム)100部、BET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)20部、ジメトキシジメチルシラン5.7部、1N塩酸をイオン交換水で希釈してpHを3.5に調整した水1.6部を配合し、ニーダーにて40℃で10分間均一に混練りした後、BET比表面積200m2/gのヒュームドシリカ(商品名アエロジル200、日本アエロジル(株)製)15部とヘキサメチルジシラザン0.12部を配合し、60℃で5分間均一に混練りした後、更に、170℃で2時間の熱処理を行い、シリコーンゴムコンパウンドを得た。以下、実施例1と同様にしてシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
[比較例1]
ヘキサメチルジシラザンを添加せず、湿式シリカ41部(全量)を一括で配合し、40℃で45分間、更に60℃で10分間ニーダーで均一に混練りしてシリコーンゴムコンパウンドを得た以外は実施例1と同様にシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
[比較例2]
ヘキサメチルジシラザンを、湿式シリカ41部(全量)と、ジメトキシジメチルシランと1N塩酸をイオン交換水で希釈してpHを3.5に調整した水と同時に添加して、40℃で65分間、更に60℃で10分間、ニーダーで均一に混練りしてシリコーンゴムコンパウンドを得た以外は実施例1と同様にシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
[比較例3]
ヘキサメチルジシラザンを添加せず、ヒュームドシリカ35部(全量)を一括で配合して、40℃で20分間、更に60℃で5分間、ニーダーで均一に混練りしてシリコーンゴムコンパウンドを得た以外は実施例3と同様にシリコーンゴム組成物を製造し、同様に評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005527309

Claims (5)

  1. 下記(A)〜(E)成分を混合した後、熱処理を行ってミラブル型シリコーンゴムコンパウンドを製造するに際し、(B)成分を必要添加量の25質量%以上添加して(A)、(C)、(D)成分と均一に混合、混練した後、(E)成分及び(B)成分の残量を添加して均一に混合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
    (A)下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
    で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン 100質量部、
    (B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
    5〜100質量部、
    (C)下記一般式(II)
    2 mSi(OR34-m (II)
    (式中、R2は独立に水素原子又は非置換もしくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換もしくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
    で示されるアルコキシシラン 0.1〜20質量部、
    (D)水
    (C)成分のアルコキシシラン中のアルコキシ基のモル数の0.3〜10倍モル量、
    (E)下記一般式(III)
    4 3SiNHSiR4 3 (III)
    (式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
    で示されるヘキサオルガノジシラザン又はアンモニア水 0.01〜1質量部。
  2. (C)成分がジオルガノジアルコキシシランである請求項1記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
  3. (C)成分がジメトキシジメチルシランである請求項2記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
  4. (E)成分のヘキサオルガノジシラザンが、ヘキサメチルジシラザン又は1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンである請求項1〜3のいずれか1項記載のミラブル型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載のコンパウンドを製造した後、これに硬化剤を配合することを特徴とするミラブル型シリコーンゴム組成物の製造方法。
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