JP5525481B2 - 油圧作業機の油圧システム - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベル等の油圧作業機に備えられ、油圧回路における余剰エネルギーを動力として回生する機能を有する油圧作業機の油圧システムに関する。
油圧作業機の油圧システムの効率を向上するために動力回生技術が用いられている。このような油圧作業機の油圧システムについて、特許文献1に開示されている油圧ショベルの例を用いて説明する。
特許文献1においては、電動機にて駆動される2つの油圧ポンプモータを、複動式油圧シリンダの2つのポートにそれぞれ接続する構成をとっている。複動式油圧シリンダは片側ロッド式であり、伸び側と縮み側のピストン受圧面積が異なるため、2つの油圧ポンプモータの容量はピストン受圧面積に応じた比率となっている。また、油圧シリンダの速度および方向の制御は、操作レバーの操作量に基づき、コントローラが油圧ポンプモータを駆動する電動機の回転速度と回転方向を制御することで行う。さらに、油圧シリンダのボトム側と油圧ポンプモータを接続する油路の間には、コントローラによって制御されるスプール式の流量制御弁を通過する油路が並列に設けられている。そして、操作レバーの操作量が所定値よりも小さい微操作領域の場合、油圧シリンダから排出される作動油がこの流量制御弁を通過するように制御され、操作レバーの操作量が上記所定値を超える場合、油圧シリンダから排出される作動油が流量制御弁を通過せずに、直接油圧ポンプモータに流入するように制御される。このように構成することで、微操作領域では流量制御弁によって油圧シリンダの良好な速度制御性を確保し、微操作領域を超える場合には、直接油圧ポンプモータに接続することで良好な動力回生効率を確保するようにしている。
特開2002−349505号公報
上述した特許文献1に示される従来技術では、微操作領域を超える場合、油圧ポンプモータの回転数制御のみで油圧シリンダの速度を制御するため、良好な回生効率を確保できるものの、レバー操作に対する応答性を確保するのが難しいといった課題がある。
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、アクチュエータの速度制御に対する応答性悪化の影響を最小限に抑え、スプール式流量制御弁に準ずる良好な操作性を確保できる油圧作業機の油圧システムを提供することにある。
この目的を達成するために、本発明は、回転動力生成手段と、この回転動力生成手段から油圧ポンプに回転動力を投入して油圧動力を生成し、その油圧動力によってアクチュエータを動作させる油圧作業機の油圧システムにおいて、上記アクチュエータからの作動油排出油路を、レバー操作によって制御される流量制御弁のスプールに接続する油路である流量制御油路と、上記作動油排出油路からの排出作動油の油圧動力を再利用可能なエネルギーに変換する可変容量モータに接続する油路である動力回生油路に分岐させ、上記流量制御油路に設けた第1圧力検出手段と上記動力回生油路に設けた第2圧力検出手段と、上記第1圧力検出手段の圧力が上記第2圧力検出手段の圧力よりも大きいときに上記可変容量モータの容量を小さくし、上記第1圧力検出手段の圧力が上記第2圧力検出手段の圧力よりも小さいときに上記可変容量モータの容量を大きくし、上記第1圧力検出手段と上記第2圧力検出手段の圧力が同じときに上記可変容量モータの容量を固定するモータ容量制御手段と、上記動力回生油路から分岐させた動力回生迂回油路と、上記動力回生油路の流量が所定流量以上のときに上記動力回生油路の流量の一部を動力回生迂回油路へ導くように制御する回生制限制御手段とを設けたことを特徴としている。
このように構成した本発明では、第1圧力検出手段の圧力と第2圧力検出手段の圧力が同じ圧力になるように制御される。第1圧力検出手段の圧力と第2圧力検出手段の圧力が同じ圧力に制御されることは、流量制御油路と動力回生油路の分岐部から、第1圧力検出手段の圧力検出部と第2圧力検出手段の圧力検出部の間に発生するそれぞれの油路区間の圧力損失が同一であることと同じことである。ここで、2つの油路区間の管路抵抗をオリフィス絞りと考え、オリフィスを流れる油量がオリフィスの開口面積と圧力損失の平方根の積に比例する一般的な関係式を適用すると、2つの油路区間の圧力損失が同一である場合、2つの油路を流れる流量は常に一定の比率になると言うことができる。つまり、第1圧力検出手段の圧力と第2圧力検出手段の圧力が同じ圧力になるように制御されることは、流量制御油路と動力回生油路の流量が固定比率に制御されることを意味する。このように、流量制御油路と動力再生油路の流量を固定比率にすることにより、アクチュエータが動作しているときには流量制御油路に必ず流量が発生している。したがって、レバー操作によって流量制御弁を調整して流量制御油路の流量変化を変化させた場合、その流量の変化が必ずアクチュエータの速度に影響するので、スプール式流量制御弁の応答性の良さが反映される。 さらに、流量制御油路と動力回生油路の流量比が常に一定であるため、レバー操作による流量制御油路の流量変化量に対してアクチュエータの速度変化量が常に一定となり、良好な操作性を得ることができる。また、動力回生油路の流量が所定流量以上になった場合、一部の流量を動力回生迂回油路に分岐させるため、可変容量モータに許容流量以上の流量を流すことがなく、上記の制御を安定して実施することができる。また、動力回生油路の最大流量を大きく設定することができるため、一部の流量を動力回生迂回油路に分岐させたとしても、可変容量モータへの平均流入流量が大きくなり、大きな回生効率を得ることができる。
また本発明は、上記発明において、 上記動力回生油路の流量が上記可変容量モータの許容流量を超えたときに、この許容流量を超えた流量を、上記可変容量モータに導くことなく上記動力回生迂回油路を介してタンクに導くことを特徴としている。
このように構成した本発明にあっては、モータ容量制御手段は、流量制御油路と動力回生油路の流量比を一定に保つ制御のみを行い、回生制限制御手段は、可変容量モータの許容流量を超えた流量を動力回生迂回油路を介してタンクに流す制御のみを行うため、両方の制御が互いに干渉しない。もし可変容量モータの許容流量を超えた流量を流量制御油路に戻す構成とした場合は、流量制御油路と動力回生油路の流量比や流量制御弁のスプール開口面積の制御がさらに必要となる。したがって、このような構成に比べて本発明はシンプルなシステム構成とすることができる。
また本発明は、上記発明において、上記可変容量モータの容量を調整する電子制御レギュレータと、上記動力回生迂回油路に設けた電磁比例弁から成る回生制限弁と、上記電子制御レギュレータの指令容量が所定の値よりも大きいときに、上記動力回生迂回油路を開くように上記回生制限弁を制御するコントローラとを備え、上記モータ容量制御手段は、上記コントローラと上記電子制御レギュレータとを含み、上記回生制限制御手段は、上記コントローラと上記回生制限弁とを含むことを特徴としている。
このように構成した本発明は、電子制御レギュレータの指令容量からコントローラにて動力回生油路の流量を推定することで、動力回生油路の流量を検出する流量計等の別の手段を別途設けることなくシンプルな構成とすることができる。
また本発明は、上記発明において、上記第1圧力検出手段が上記流量制御油路から分岐する第1圧力検出油路から成り、上記第2圧力検出手段が上記動力回生油路から分岐する第2圧力検出油路から成り、上記モータ容量制御手段が、上記可変容量モータの容量を調整するモータ容量制御シリンダと、このモータ容量制御シリンダの圧油の給排を切り換えるモータ容量制御スプールとを含み、上記モータ容量制御スプール両端に設けた同じ面積をもつ受圧部に、上記第1圧力検出油路と上記第2圧力検出油路を対抗させて接続し、上記回生制限制御手段は、上記動力回生迂回油路に設けた油圧パイロット流量制御弁から成る回生制限弁と、上記モータ容量制御シリンダが所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、上記動力回生油路の流量の一部を上記動力回生迂回油路に導くように回生制限弁の指令パイロット圧を制御する回生制限弁パイロット圧制御手段とを含むことを特徴としている。
このように構成した本発明は、モータ容量制御シリンダのストロークから機械的に動力回生油路の流量を推定することで、動力回生油路の流量を検出する流量計等の別の手段を別途設けることなくシンプルな構成とすることができる。
また本発明は、上記発明において、上記回生制限弁パイロット圧制御手段は、パイロットポンプと、上記モータ容量制御シリンダのスプール弁部と、このスプール弁部を介して上記回生制限弁に上記パイロットポンプのパイロット圧を導く回生制限弁制御油路とを含み、この回生制限弁パイロット圧制御手段は、上記第1圧力検出油路が検出する圧力より上記第2圧力検出油路が検出する圧力の方が高いときに、上記モータ容量制御シリンダの上記スプール弁部と上記パイロットポンプを接続させ、上記モータ容量制御シリンダの上記スプール弁部が、所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、上記回生制限弁制御油路と上記回生制限弁を接続させることを特徴としている。
このように構成した本発明は、モータ容量制御シリンダのストロークから、機械的に、すなわち油圧回路にて、回生制限弁の指令パイロット圧を制御することで、電子制御を用いないシステム構成が可能となり、電波ノイズの多い環境において、電子制御を使用する場合と比較してより安定な制御を実現することができる。
本発明にあっては、第1圧力検出手段の圧力と第2圧力検出手段の圧力を同じ圧力に制御し、流量制御油路と動力回生油路の流量を固定比率にすることにより、アクチュエータが動作しているときには流量制御油路に必ず流量が発生している。したがって、レバー操作によって流量制御弁を調整して流量制御油路の流量変化を変化させた場合、その流量の変化が必ずアクチュエータの速度に影響するので、スプール式流量制御弁の応答性の良さが反映される。 さらに、流量制御油路と動力回生油路の流量比が常に一定であるため、レバー操作による流量制御油路の流量変化量に対してアクチュエータの速度変化量が常に一定となり、良好な操作性を得ることができる。また、動力回生油路の流量が所定流量以上になった場合、一部の流量を動力回生迂回油路に分岐させるため、可変容量モータに許容流量以上の流量を流すことがなく、上記の制御を安定して実施することができる。すなわち本発明は、アクチュエータの速度制御に対する応答性悪化の影響を最小限に抑え、スプール式流量制御弁に準ずる良好な操作性を確保でき、従来よりも精度の高い作業性を得ることができる。また本発明は、動力回生油路の最大流量を大きく設定することができるため、一部の流量を動力回生迂回油路に分岐させたとしても、可変容量モータへの平均流入流量が大きくなり、大きな回生効率を得ることができる。
本発明に係る油圧システムが備えられる油圧作業機の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。 図1に示す油圧ショベルに備えられる本発明に係る油圧システムの第1実施形態を示す電気・油圧回路図である。 第1実施形態に備えられるコントローラにおける処理手順を示すフローチャートである。 図2の要部拡大図である。 本発明の第2実施形態を示す油圧回路図である。 第2実施形態の動作を示す図である。 第1実施形態における時間に対する、作動油排出油路と動力回生油路の流量変化の一例を示す図である。
以下、本発明に係る油圧作業機の油圧システムの実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明に係る油圧システムが備えられる油圧作業機の一例として挙げた油圧ショベルを示す側面図である。
この図1に示すように、油圧ショベルは、走行体1と、この走行体1上に配置される旋回体2と、この旋回体2に回動可能に取り付けられる作業装置3とを備えている。作業装置3は、旋回体2に上下方向の回動可能に接続されるブーム4と、このブーム4の先端に上下方向の回動可能に接続されるアーム5と、このアーム5の先端に上下方向の回動可能に接続されるバケット6とを含んでいる。また、この作業装置3は、ブーム4を作動させるブームシリンダ4aと、アーム5を作動させるアームシリンダ5aと、バケット6を作動させるバケットシリンダ6aとを含んでいる。旋回体2上には運転室7を設けてあり、運転室7の後方には油圧ポンプ等が収容される機械室8を設けてある。
図2は図1に示す油圧ショベルに備えられる本発明に係る油圧システムの第1実施形態を示す電気・油圧回路図である。
この図2に示す回転動力生成手段11は、電動機、エンジン等の電気や化石燃料のエネルギーを回転動力に変換する装置であり、回転動力生成手段11の出力軸が油圧ポンプ12、パイロットポンプ13の入力軸と機械的に接続され、回転動力生成手段11によって油圧ポンプ12、パイロットポンプ13が駆動される。なお、回転動力生成手段11は出力軸の回転速度をほぼ一定に保持する制御を行っている。
油圧ポンプ12は後述するアクチュエータ14を駆動する油圧動力を生成する装置で、1回転当たりに吐出する作動油の流量を調整できるようになっているため、入力軸の回転数が一定でも、作動油の吐出流量を変化させることが可能である。油圧ポンプ12の容量は、後述するレバー15の操作量(後述するパイロット弁16で発生するパイロット圧)や、油圧ポンプ12の吐出圧、回転動力生成手段11の負荷余裕率などから、図示しないレギュレータによって制御される。
パイロットポンプ13は後述する油圧機器の制御に用いられるパイロット圧を生成する装置であり、1回転当たりに吐出する作動油の流量が固定となっている。パイロットポンプ13が吐出した作動油は、パイロットリリーフ弁17を介して作動油タンク18に戻るようになっており、パイロット回路の圧力はパイロットリリーフ弁17の設定圧に保持されている。
アクチュエータ14は例えば前述したブームシリンダ4a、すなわち複動片ロッド式の油圧シリンダであり、動力源の油圧ポンプ12とは流量制御弁19を介して接続されている。流量制御弁19は3位置4ポートの油圧パイロット切り換え弁で、パイロット弁16にて調整されたパイロット圧によって動作する。レバー15によってパイロット弁16をA側に操作した時は、本図における流量制御弁19の右側が高圧となり、流量制御弁19のスプールが左側に移動する。すると、油圧ポンプ12とアクチュエータ14のAポートが接続し、アクチュエータ14は収縮動作を行い、アクチュエータ14のBポートから排出された作動油から排出された作動油は作動油排出油路20を通り、流量制御油路21と動力回生油路22に分岐し、流量制御油路21の作動油は流量制御弁19を通過して作動油タンク18に戻り、動力回生油路22の作動油は可変容量モータ23を通過して作動油タンク18に戻る。なお、アクチュエータ14が収縮動作をしているとき(パイロット弁16がA側に操作されている時)は、動力回生油路22に設けられた切換弁24が開位置になっており、アクチュエータ14のBポートから排出された作動油の一部が可変容量モータ23を通過することができるようになっている。
反対に、パイロット弁16をB側に操作した時は、同図2における流量制御弁19の左側が高圧となり、流量制御弁19のスプールが右側に移動する。すると、油圧ポンプ12とアクチュエータ14のBポートが接続し、アクチュエータ14は伸長動作を行い、アクチュエータ14のAポートから排出された作動油は流量制御弁19を通過して作動油タンク18に戻る。なお、アクチュエータ14が伸長動作をしているとき(パイロット弁16がB側に操作されている時)は、動力回生油路22に設けられた切換弁24が閉位置になっており、油圧ポンプ12から供給される作動油が可変容量モータ23に流入すること無く、全量がアクチュエータ14に供給される。
可変容量モータ23はその出力軸が油圧ポンプ12(回転動力生成手段11とパイロットポンプ13も同様)に機械的に接続されている。可変容量モータ23は1回転当たりの作動油吸入流量を変化させることができるため、出力軸の回転数が一定でも、吸入流量を変化させることができる。なお、可変容量モータ23と油圧ポンプ12は機械的に接続されているため、可変容量モータ23も常に回転している。したがって、可変容量モータ23の入力ポートに圧油が流入している場合にはモータ作用を行い油圧ポンプ12の駆動トルクを発生し、回転動力生成手段11をアシストするが、十分な作動油の流入が無い場合には、メイクアップ油路29から作動油を吸い上げてポンプ作用をするので、逆にトルクを吸収(ロス)することになる。この第1実施形態では、この場合のロスを最低限に抑えるため、可変容量モータ23が最小容量ゼロ(モータが回転しても作動油の吸い込み、吐き出しを行わない)の可変容量モータから成っている。
また、この第1実施形態は、流量制御油路21に設けた第1圧力検出手段、例えば圧力計27と、動力回生油路2に設けた第2圧力検出手段、例えば圧力計28と、アクチュエータを収縮させる動作を行う場合(パイロット弁16がA側に操作された時)に昇圧されるパイロットラインへの圧力検出手段、例えば圧力計100とを備えている。
また、この第1実施形態は、圧力計27の圧力が圧力計28の圧力よりも大きいときに可変容量モータ23の容量を小さくし、圧力計27の圧力が圧力計28の圧力よりも小さいときに可変容量モータ23の容量を大きくし、圧力計27と圧力計28の圧力が同じときに可変容量モータ23の容量を固定するモータ容量制御手段を備えている。
さらに、この第1実施形態は、動力回生油路22から分岐させ、作動油タンク18に連通させた動力回生迂回油路30を備えている。この動力回生迂回油路30は、動力回生油路22とメイクアップ回路29との接続点と切換弁24との間に位置する動力回生油路22部分から分岐させてある。また、この第1実施形態は、動力回生油路22の流量が所定流量以上のときに、動力回生油路22の流量の一部を動力回生迂回油路30へ導くように制御する回生制限制御手段を設けてある。
また、この第1実施形態は、可変容量モータ23の容量を調整する電子制御レギュレータ26と、動力回生迂回油路30に設けた電磁比例弁から成る回生制限弁31とを備えている。また、圧力計27,28,100から出力される電気信号を圧力値に変換し、それらの圧力値を基にして電子制御レギュレータ26と、回生制限弁31を制御するコントローラ25を備えている。
この第1実施形態では、前述したモータ容量制御手段が、コントローラ25と電子制御レギュレータ26を含んでおり、前述した回生制限制御手段が、コントローラ25と回生制限弁31を含んでいる。
このように構成した第1実施形態における動作について、図3に基づいて説明する。
(a)図の主フローは油圧ショベルの起動から停止までの流れを示し、この中で、S1,S2,S3は、コントローラ25における原理を示している。まず、油圧ショベルが起動されると、コントローラ25は、可変容量モータ23の容量指令値qをqmin(本実施形態の場合はゼロ)に、回生制限弁31の開口面積指令値Aをゼロにセットし、電子制御レギュレータ26と回生制限弁31に対応する電気信号を出力する(S1)。引き続き、処理Aにてその時点での可変容量モータ23の容量指令値q、および、回生制限弁31の開口面積指令値Aを決定する(S2)。その後、S2にて決定されたq及びAに対応する電気信号を、電子制御レギュレータ26と回生制限弁31に出力する(S3)。そして、油圧ショベルが停止状態にあればフローを終了し、停止状態でなければ(引き続き運転状態にあれば)、S2に戻り、フローを繰り返す。
次に(b)図により、処理Aにおける可変容量モータ23の容量指令値q、回生制限弁31の開口面積指令値Aの決定プロセスについて説明する。まず初めに、圧力計27、28、100から出力される電気信号を基に、それぞれの圧力値P1,P2,Ppを取得する。そして、Pp<δの場合、可変容量モータ23に容量を最小にするルーチン(処理B)を行う。δは圧力Ppのフルレンジに対して数%程度に設定されており、圧力Pp自体の微少な変動や圧力計の電気的なノイズによって、パイロット弁16がA側に操作されていない場合、すなわち、アクチュエータ14が縮小動作をしていないときに可変容量モータ23に不要な制御指令を出さないようにするための閾値である。この時、動力回生油路22に設けられた切換弁24は、ばね力によって油路を遮断する位置にあり、動力回生油路22に流量は発生しない。そして、圧力計27,28の検出部27a,28aは連通しているため、このときの両検出部27a,28aの圧力、すなわち圧力計27で検出される圧力P1と圧力計28で検出される圧力P2は、ほぼ等しくP1=P2である(高さ方向の差による圧力差は微小で無視できる)。
パイロット弁16がA側に操作され、圧力Ppが昇圧しδ≦Ppになると、処理Aでは可変容量モータ23の目標容量演算が行われる。処理Aは基本的にP2をP1にほぼ等しくするように、可変容量モータ23の容量指令値qを決定する。具体的には、P2<P1−εの場合、動力回生油路22の流量を減らす方向に可変容量モータ23の容量指令値qと回生制限弁31の開口面積指令値Aを調整し(処理D)、P1−ε≦P2≦P1+εの場合、現在のqおよびAを保持し、P1+ε<P2の場合、動力回生油路22の流量を増やす方向にqとAを調整する(処理C)。なお、εは制御を安定させるための不感帯でありP2最大圧力の数%程度としているが、これは使用する圧力計の測定誤差に対して誤動作を十分防止できる範囲を想定して決定している。
同図3の(c)図に示す処理Bにおいては、可変容量モータ23の容量指令値qを最小容量qmin、回生制限弁31の開口面積目標値Aをゼロに設定し、処理を終了する。
同図3の(d)に示す処理Cにおいては、可変容量モータ23の容量指令値qをΔqだけ増加させる。このとき、qが最大容量qmaxを超えない場合には処理を終了する。一方、qが最大容量qmaxを超えた場合にはq=qmaxとし、さらに、回生制限弁31の開口面積指令値AをΔAだけ増加させる。このとき、Aが最大開口面積Amaxを超えた場合には、A=Amaxとして処理を終了する。
同図3の(e)図に示す処理Dにおいては、開口面積指令値Aがゼロの場合、可変容量モータ23の容量指令値qをΔqだけ減少させる。このとき、qが最小容量qminを下回らない場合には処理を終了し、qが最小容量qminを下回った場合にはq=qminとして処理を終了する。一方、開口面積指令値Aがゼロより大きい場合、AをΔAだけ減少させる。このとき、Aがゼロ以上の場合には処理を終了し、Aがゼロを下回った場合にはA=0として処理を終了する。
このように、この第1実施形態は、処理C、Dにおける処理によって、可変容量モータ23が最大容量以下のときには可変容量モータ23の容量にて動力回生油路22の流量を調整し、可変容量モータ23が最大容量に達しているときには、回生制限弁31によって動力回生迂回油路30の流量を調整することで、動力回生油路22の流量を調整するシステムとなっている。
ここで、P1とP2をほぼ等しくなるように制御することと、流量制御油路21と動力回生油路22の流量の関係を説明する。油路に流量が発生すると、管路抵抗によって下流側の圧力が降下する。流量制御油路21と動力回生油路22の分岐部32と圧力計27の検出部27aの間の管路抵抗を仮想的に等価絞り44、分岐部32と圧力計28の検出部28aの間の管路抵抗を仮想的に等価絞り45とし、それぞれの等価開口面積(オリフィス断面積)をAo1、Ao2する。また、分岐部32の圧力をPA、流量制御油路21の流量、動力回生油路22の流量をそれぞれQ1、Q2とする。なお、等価絞りは、油圧回路上に圧損を付与する目的で意図して設けられているものである必要は無く、ホースや継ぎ手等の圧損などを本実施形態の機能を説明するために、油圧回路上に明示的に示したものである。オリフィス絞りにおける圧力損失の一般的な式に当てはめると、
Q1=C・Ao1√{2(Pa−P1)/ρ}
Q2=C・Ao2√{2(Pa−P2)/ρ}
C:流量係数,ρ:作動密度
と表わすことができ、Q1,Q2の関係は、
Q2=Q1・(Ao2/Ao1)√(Pa−P2)/(Pa−P1)
となる。ここで、P1とP2が同じ圧力である場合、
√{(Pa−P2)/(Pa−P1)}=1
であるから、
Q2=Q1・Ao2/Ao1
となり、Q1、Q2の流量比が、等価絞り44、等価絞り45の等価開口面積比で決まることが分かる。ここで、等価絞り44、等価絞り45は管路抵抗であり、これらの等価開口面積は固定的な数値となるので、Q1、Q2の流量比は固定比率に制御されることになる。
第1実施形態の構成と動作の概要は上述した通りであるが、アクチュエータ14に収縮を行わせる場合(回生を行う場合)の一連の動作における過渡的な状態について図4をも用いて補足説明する。
まず、レバー15が操作されていない状態においては、パイロット弁16から流量制御弁19、動力回生油路22の切換弁24に作用するパイロット圧はタンク圧(ほぼゼロ)となっている。この状態では、流量制御弁19はスプール両端にあるバネ力によって中央位置にあり、切換弁24はバネ力によって油路を閉じる位置にあるため、流量制御油路21および動力回生油路22の流量はゼロとなっている。このとき、コントローラ25ではPp<δの判定が下され、電子制御レギュレータ26に対して可変容量モータ23の目標容量を最小容量とする指令を出し、可変容量モータ23は容量ゼロとなっている。
次に、レバー15が操作されていない状態からパイロット弁16をA側に操作すると、操作直後、流量制御弁19のスプールが左側に移動を始め、油圧ポンプ12とアクチュエータ14のAポートを接続する油路と、作動油タンク18とアクチュエータ14のBポートを接続する油路が開き始める。また、動力回生油路22の切換弁24にもパイロット圧が作用してバネを押し、油路が開き始めるとともに、流量制御油路21には徐々に流量が発生し始める。流量が発生すると圧力損失が発生するため、下流に行くほど圧力が低下し、分岐部32の圧力Paに対して、流量制御油路21の圧力P1は小さくなる。一方、動力回生油路22にはまだ流量が発生していないため、圧力損失が発生せず、Pa=P2である。ここで、P2≦P1+εの範囲にある状態では、可変容量モータ23はまだ容量ゼロの制御状態にあり、動力回生油路22に流量は発生しない。さらに、時間が進みP1+ε<P2になると、コントローラ25内の可変容量モータ23の目標容量の値が増加し始める。そして、さらに時間が進むと、コントローラ25から電子制御レギュレータ26への目標容量指令値も適度に大きくなり、可変容量モータ23の容量に応じた流量が動力回生油路22に発生する。動力回生油路22に流量が発生すると、圧力損失によってP2はPaより小さくなる。
この状態が続くと、いずれP1−ε≦P2≦P1+εの状態になり、その時点の可変容量モータ23の容量が保持される。なお、P1+ε<P2の状態で可変容量モータ23の容量指令値qが最大容量qmaxを超えた場合には、コントローラ25内の回生制限弁31の開口面積指令値Aが増大し、動力回生油路22の一部の流量が動力回生迂回油路30に導かれ、可変容量モータ23を迂回して作動油タンク18に導かれる。このため、可変容量モータ23の吸収流量を超える流量範囲についても、P1−ε≦P2≦P1+εの状態になるまで動力回生油路22の流量が増加する。こうして、P2がP1にほぼ等しくするように制御され、上述した様に、流量制御油路21の流量Q1に対して、動力回生油路の流量Q2が固定比率になるように調整される。
次に、パイロット弁16がA側に操作されており、動力回生油路22の流量Q2がQ1に対して固定比率になるように調整されている状態から、レバー15を戻す場合について説明する。レバー15を戻し始めると、流量制御弁19のスプールが右側に移動を始め、油圧ポンプ12とアクチュエータ14のAポートを接続する油路と、作動油タンク18とアクチュエータ14のBポートを接続する油路が閉じ始める。このとき、流量制御油路21の流量Q1は徐々に減少し始める。流量Q1が減少すると等価絞り44における圧力損失が小さくなるので、圧力P1は大きくなる。そして、時間が進んでP2<P1−εの状態になると、回生制限弁31が開いている状態においては、コントローラ25内の回生制限弁31の開口面積指令値Aを減少し、開口面積指令値Aがゼロの場合には、可変容量モータ23の容量指令値qの値が減少し、それに応じて可変容量モータ23の容量も小さくなり、動力回生油路22の流量Q2が減少する。流量Q2が減少すると等価絞り45における圧力損失が小さくなるので、圧力P2は大きくなる。こうしてP2がP1に追従するように制御が行われ、Q1とQ2が固定比率になるように再調整される。
ところで、レバー15を戻す操作がゆっくりと行われた場合には、流量Q2はQ1に対して固定比率を保ちながら減少していくが、レバー15を急に戻した場合には、流量制御油路21の流量減少に、動力回生油路22の流量減少の再調整が追いつかない状況が発生する。このような状況でレバー15が中立(無操作)状態に戻されると、動力回生油路22の切換弁24も油路を閉じる位置に移動し、動力回生油路22の作動油の流れが強制的に遮断される。この瞬間は、可変容量モータ23はゼロでないある容量を有しているので、メイクアップ油路29から作動油を吸い上げることで、吸い込みポートへの供給流量が不足することによるキャビテーションを防止し、可変容量モータ23のポンプ作用による吸収トルク(動力ロス)の増大を抑えると共に、可変容量モータ23のダメージを最小限に抑える。また、レバー15が中立位置に戻ることで、パイロット圧Ppがゼロになるので、コントローラ25ではPp<δの判定が下され、電子制御レギュレータ26に対して可変容量モータ23の目標容量を最小容量とする指令を出し、最終的に可変容量モータ23の容量はゼロに戻る。このように、急なレバー戻し操作を行った場合には、可変容量モータ23の容量状態によらずアクチュエータ14を急停止させることができるので、緊急時にアクチュエータ14の停止が遅れることによる危険を防止することができる。
前述した第1実施形態においては、アクチュエータ14が動作する際には常に流量制御弁19に流量が発生しているため、レバー操作量の変化に対して発生する流量制御弁19での流量調整作用がアクチュエータ14の作動速度に必ず反映される。当然、流量制御弁19と比較して応答性に劣る可変容量モータ23による流量制御が含まれるため、本実施形態のレバー操作に対する応答性は、アクチュエータ14に給排される作動油の全流量が流量制御弁19に流れる従来の一般的な油圧作業機の油圧システムと比較すれば劣る。しかしながら、可変容量モータ23の流量制御の応答性に合わせて、応答性の悪さが問題無いレベルに収まるように、流量制御油路21と動力回生油路22の流量比率を設定することで、実用性を確保することができる。さらにこの第1実施形態は、流量制御油路21と動力回生油路22の流量比が常に一定であるため、レバー操作による流量制御油路21の流量変化量に対してアクチュエータ14の速度変化量が常に一定となり、良好な操作性を得ることができる。また、動力回生油路22の流量が所定流量以上になった場合、一部の流量を動力回生迂回油路30に分岐させるため、可変容量モータ23に許容流量以上の流量を流すことがなく、上記の制御を安定して実施することができる。すなわちこの第1実施形態は、アクチュエータ14の速度制御に対する応答性悪化の影響を最小限に抑え、スプール式流量制御弁に準ずる良好な操作性を確保でき、精度の高い作業性を得ることができる。
また、この第1実施形態によれば、動力回生油路22の最大流量を大きく設定することができるため、一部の流量を動力回生迂回油路30に分岐させたとしても、可変容量モータ23への平均流入流量が大きくなり、大きな回生効率を得ることができる。この点について、図7を用いて説明する。図7は、時間に対する、作動油排出油路20と動力回生油路22の流量変化の一例を示したものである。同図7中、C0は作動油排出油路20の流量、C1は動力回生油路22の最大流量を可変容量モータ23の許容流量Qmの範囲内に抑えた設定における動力回生油路22の流量、C2は動力回生油路22の最大流量を可変容量モータ23の許容流量Qmを超える値に設定した場合の動力回生油路22の流量を示す。C1,C2は、いずれもC0に対して固定比率の流量で推移するが、区間Sに示す通り、Qmを超える流量は動力回生迂回油路30に分岐するため、C2’の部分は可変容量モータ23には流入しない。したがって、動力回生油路22の最大流量を可変容量モータ23の許容流量Qmを超える値に設定した場合(C2)は、動力回生油路22に流入するすべての動力を回生することはできない。しかし、C1よりC2の方が平均流量を大きくとることができるため、C2の方がより大きな動力を回生できることが分かる。なお、動力回生油路22の最大流量、すなわち、流量制御油路21と動力回生油路22の流量比率の変更は、流量制御油路21と動力回生油路22の分岐部32から、圧力計27の検出部27aと圧力計28の検出部28aの間に発生するそれぞれの油路区間の圧力損失を、意図的に調整することで可能である。また、電子制御レギュレータ26の指令容量からコントローラ25にて動力回生油路22の流量を推定することで、動力回生油路22の流量を検出する流量計等の別の手段を別途設けることなくシンプルな構成とすることができる。
なお、この第1実施形態にあっては前述したように、動力回生油路22の流量が可変容量モータ23の許容流量を超えたときに、この許容流量を超えた流量を、可変容量モータ23に導くことなく動力回生迂回油路30を介してタンク18に導く構成にしてある。このように構成した第1実施形態にあっては、モータ容量制御手段は、流量制御油路21と動力回生油路22の流量比を一定に保つ制御のみを行い、回生制限制御手段は、可変容量モータ23の許容流量を超えた流量を動力回生迂回油路30を介してタンク18に流す制御のみを行うため、両方の制御が互いに干渉しない。もし可変容量モータ23の許容流量を超えた流量を流量制御油路21に戻す構成とした場合は、流量制御油路21と動力回生油路22の流量比や流量制御弁19のスプール開口面積の制御がさらに必要となる。したがって、このような構成に比べてこの第1実施形態は、シンプルなシステム構成とすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図5,6に基づいて説明する。なお、第1実施形態と共通する部分は省略し、差異のある部分のみ説明する。
この第2実施形態は、流量制御油路21に設けた第1圧力検出手段が、流量制御油路21から分岐する第1圧力検出油路50から成り、動力回生油路22に設けた第2圧力検出手段が、動力回生油路22から分岐する第2圧力検出油路51から成っている。
また、可変容量モータ23の容量を制御するモータ容量制御手段が、可変容量モータ23の容量を調整するモータ容量制御シリンダ52と、このモータ容量制御シリンダ52の圧油の給排を切り換えるモータ容量制御スプール53とを含んでいる。このモータ容量制御スプール53の両端に設けた同じ面積をもつ受圧部に、第1圧力検出油路50と第2圧力検出油路51を対抗させて接続させてある。
また、第1圧力検出油路50に切換弁54を設けてあり、モータ容量制御スプール53とモータ容量制御シリンダ52を接続する油路に切換弁55を設けてある。
また、この第2実施形態は、動力回生油路22の流量が所定流量以上のときに動力回生油路22の流量の一部を動力回生迂回油路30に導くように制御する回生制限制御手段が、回生制限弁101を含むとともに、モータ容量制御シリンダ52が所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、動力回生油路22の流量の一部を動力回生迂回油路30に導くように回生制限弁101の指令パイロット圧を制御する回生制限弁パイロット圧制御手段を含んでいる。
この回生制限弁パイロット圧制御手段は、パイロットポンプ13と、モータ容量制御シリンダ52のスプール弁部52aと、このスプール弁部52aを介して回生制限弁101にパイロットポンプ13のパイロット圧を導く回生制限弁制御油路56とを含んでいる。この回生制限弁パイロット圧制御手段は、第1圧力検出油路50が検出する圧力より第2圧力検出油路51が検出する圧力の方が高いときに、モータ容量制御シリンダ52のスプール弁部52aとパイロットポンプ13を接続させ、モータ容量制御シリンダ52のスプール弁部52aが、所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、回生制限弁制御油路56と回生制限弁101を接続させるものである。
モータ容量制御シリンダ52のスプール弁部52aは、図6の(a)図に示すように、5ポート(A〜E)を有し、一端側がハウジングから突出して可変容量モータ23の容量を調整する機構となっている。スプール弁部52aが右方向に移動するとモータ容量が大きくなり、スプール弁部52aが左方向に移動するとモータ容量が小さくなる。レバー15が操作されていないときには、スプール弁部52aの右側端部に設けられた圧縮バネによってスプール弁部52aは左側に位置し、モータ容量は最小となっている。また、この第2実施形態の可変容量モータ23は、入り口ポートに流量が発生したときに、容量を大きくする方向(モータ容量制御シリンダ52の圧縮バネを圧縮してスプール弁部52aを右側にストロークさせる方向)に自動的に変化しようとする特性を持たせてある。そのため、モータ容量制御シリンダ52は、Bポートにパイロット圧を作用させることで、可変容量モータ23の容量自動調整作用に逆らって、容量を小さくする方向(モータ容量制御シリンダ52の圧縮バネの反発力と同じ向き)に推力を発生する構成となっている。そして、スプール弁部52aが右に移動しモータ容量が最大容量付近になると、それまで作動油タンク18に接続しているEポートの開口面積が徐々に減少し、新たにAポートの開口面積が徐々に増加することで、回生制限弁101に接続されるCポートの圧力が徐々に昇圧され、それに伴い、回生制限弁101が徐々に開くようになる。
モータ容量制御シリンダ52のA、Bポートには、モータ容量制御スプール53が接続されており、モータ容量制御スプール53にはパイロットポンプ13が接続されている。また、モータ容量制御スプール53の両端には、第1圧力検出油路50、第2圧力検出油路51が接続され、両圧力検出油路50,51の圧力差に応じて、モータ容量制御スプール53が移動するようになっている。第1圧力検出油路50の圧力P1が高いとき、スプール53は右側に移動し、モータ容量制御シリンダ52のBポートにパイロットポンプ13が接続され、モータ容量が減少する。第2圧力検出油路51の圧力P2が高いとき、スプール53は左側に移動し、モータ容量制御シリンダ52のBポートがタンクに接続され、モータ容量制御シリンダ52の推力が無くなり、可変容量モータ23の容量自動調整作用によってモータ容量が増加する。なお、この第2実施形態ではP1とP2が同圧の時にスプールが中央位置になるようにモータ容量制御スプール53の両端のバネがセットされている。また、レバー15が操作されていない時(中立時)には、切換弁54が第1圧力検出油路50と第2圧力検出油路51を接続する位置にあり、P1とP2が同圧になるため、モータ容量制御スプール53は中央位置になる。
レバー15を操作して、アクチュエータ14を縮小する動作をさせるとき、図6の(b)図に示すように、流量制御弁19のスプールは左側に移動すると共に、図5に示す切換弁55が閉位置、切換弁24が開位置、切換弁54が第1圧力検出油路50とスプール油路を連通させる位置に切り換わる。すると、アクチュエータ14から排出された作動油は、作動油排出油路20、流量制御油路21を通って流量制御弁19のスプールから作動油タンク18へと戻り、等価絞り44にて圧力損失が発生する。レバー操作開始直後は、動力回生油路22にも作動油が流れようとするが、可変容量モータ23がゼロ容量位置にあり流量が発生していないため、等価絞り45において圧力損失は発生していない。
したがって、モータ容量制御スプール53は左側に移動し、図6の(c)図に示すように、モータ容量制御シリンダ52のBポートが作動油タンク18と連通する。同時に、動力回生油路22に発生した圧力で、可変容量モータ23の容量が自動的に大きくなり始め、動力回生油路22に流量が発生する。動力回生油路22に流量が発生すると、等価絞り45において圧力損失が発生し、第2圧力検出油路51で検出される圧力P2が下がり始め、図6の(d)図の状態となる。そして、動力回生油路22の流量が増加し、P2が第1圧力検出油路50の圧力P1に対して所定の圧力以下になると、モータ容量制御スプール53が右側に移動し、図6の(e)図に示すように、モータ容量制御シリンダ52のBポートにパイロット圧が作用してモータ容量を小さくする。
また、可変容量モータ23が最大容量付近になると、上述した通りAポートと回生制限弁101のパイロットポートに接続するCポートが連通するが、このとき図6の(c)図に示すように、依然としてP1よりP2が大きい状態にあると、モータ容量制御スプール53が左側にあるため、モータ容量制御シリンダ52のA、Cポートを介して回生制限弁101のパイロットポートにパイロット圧が作用し、回生制限弁101を開くことになる。回生制限弁101が開くと、動力回生油路22の一部の流量が動力回生迂回油路30に導かれ、可変容量モータ23を迂回して作動油タンク18に流入する。すなわち、可変容量モータ23の容量を超えた流量を動力回生油路22に流すことが可能になる。
このようにして、P2がP1と同圧になるように、可変容量モータ23の容量が自動的に調整される。なお、第1実施形態で説明した通り、P2がP1と同圧になるように制御することは、Q1、Q2の流量比を固定比率に制御することと同じである。したがって、この第2実施形態にあっても、第1実施形態におけるのと同様にアクチュエータ14の速度制御に対する応答性悪化の影響を最小限に抑え、スプール式流量制御弁に準ずる良好な操作性を確保でき、精度の高い作業性を得ることができる。
また、この第2実施形態によれば、モータ容量制御シリンダ52のストロークから動力回生油路22の流量を推定することで、動力回生油路22の流量を検出する流量計等の別の手段を別途設けることなくシンプルな構成とすることができる。さらに、この第2実施形態によれば、モータ容量制御シリンダ52のストロークから、機械的に、すなわち油圧回路にて、回生制限弁31の指令パイロット圧を制御することで、電子制御を用いないシステム構成が可能となり、電波ノイズの多い環境において、電子制御を使用する場合と比較してより安定な制御を実現することができる。
1 走行体
2 旋回体
3 作業装置
4 ブーム
4a ブームシリンダ
11 回転動力生成手段
12 油圧ポンプ
13 パイロットポンプ
14 アクチュエータ
15 レバー
16 パイロット弁
18 作動油タンク
19 流量制御弁
20 作動油排出油路
21 流量制御油路
22 動力回生油路
23 可変容量モータ
24 切換弁
25 コントローラ
26 電子制御レギュレータ
27 圧力計(第1圧力検出手段)
28 圧力計(第2圧力検出手段)
30 動力回生迂回油路
31 回生制限弁
32 分岐部
44 等価絞り
45 等価絞り
50 第1圧力検出油路(第1圧力検出手段)
51 第2圧力検出油路(第2圧力検出手段)
52 モータ容量制御シリンダ
52a スプール弁部
53 モータ容量制御スプール
54 切換弁
55 切換弁
56 回生制限弁制御油路
100 圧力計
101 回生制限弁

Claims (5)

  1. 回転動力生成手段と、この回転動力生成手段から油圧ポンプに回転動力を投入して油圧動力を生成し、その油圧動力によってアクチュエータを動作させる油圧作業機の油圧システムにおいて、
    上記アクチュエータからの作動油排出油路を、レバー操作によって制御される流量制御弁のスプールに接続する油路である流量制御油路と、上記作動油排出油路からの排出作動油の油圧動力を再利用可能なエネルギーに変換する可変容量モータに接続する油路である動力回生油路に分岐させ、
    上記流量制御油路に設けた第1圧力検出手段と上記動力回生油路に設けた第2圧力検出手段と、
    上記第1圧力検出手段の圧力が上記第2圧力検出手段の圧力よりも大きいときに上記可変容量モータの容量を小さくし、上記第1圧力検出手段の圧力が上記第2圧力検出手段の圧力よりも小さいときに上記可変容量モータの容量を大きくし、上記第1圧力検出手段と上記第2圧力検出手段の圧力が同じときに上記可変容量モータの容量を固定するモータ容量制御手段と、
    上記動力回生油路から分岐させた動力回生迂回油路と、
    上記動力回生油路の流量が所定流量以上のときに上記動力回生油路の流量の一部を動力回生迂回油路へ導くように制御する回生制限制御手段とを設けたことを特徴とする油圧作業機の油圧システム。
  2. 請求項1に記載の油圧作業機の油圧システムにおいて、
    上記動力回生油路の流量が上記可変容量モータの許容流量を超えたときに、この許容流量を超えた流量を、上記可変容量モータに導くことなく上記動力回生迂回油路を介してタンクに導くことを特徴とする油圧作業機の油圧システム。
  3. 請求項1または2に記載の油圧作業機の油圧システムにおいて、
    上記可変容量モータの容量を調整する電子制御レギュレータと、上記動力回生迂回油路に設けた電磁比例弁から成る回生制限弁と、上記電子制御レギュレータの指令容量が所定の値よりも大きいときに、上記動力回生迂回油路を開くように上記回生制限弁を制御するコントローラとを備え、
    上記モータ容量制御手段は、上記コントローラと上記電子制御レギュレータとを含み、
    上記回生制限制御手段は、上記コントローラと上記回生制限弁とを含むことを特徴とする油圧作業機の油圧システム。
  4. 請求項1または2に記載の油圧作業機の油圧システムにおいて、
    上記第1圧力検出手段が上記流量制御油路から分岐する第1圧力検出油路から成り、上記第2圧力検出手段が上記動力回生油路から分岐する第2圧力検出油路から成り、
    上記モータ容量制御手段が、上記可変容量モータの容量を調整するモータ容量制御シリンダと、このモータ容量制御シリンダの圧油の給排を切り換えるモータ容量制御スプールとを含み、
    上記モータ容量制御スプール両端に設けた同じ面積をもつ受圧部に、上記第1圧力検出油路と上記第2圧力検出油路を対抗させて接続し、
    上記回生制限制御手段は、上記動力回生迂回油路に設けた油圧パイロット流量制御弁から成る回生制限弁と、上記モータ容量制御シリンダが所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、上記動力回生油路の流量の一部を上記動力回生迂回油路に導くように回生制限弁の指令パイロット圧を制御する回生制限弁パイロット圧制御手段とを含むことを特徴とする油圧作業機の油圧システム。
  5. 請求項4に記載の油圧作業機の油圧システムにおいて、
    上記回生制限弁パイロット圧制御手段は、パイロットポンプと、上記モータ容量制御シリンダのスプール弁部と、このスプール弁部を介して上記回生制限弁に上記パイロットポンプのパイロット圧を導く回生制限弁制御油路とを含み、この回生制限弁パイロット圧制御手段は、上記第1圧力検出油路が検出する圧力より上記第2圧力検出油路が検出する圧力の方が高いときに、上記モータ容量制御シリンダの上記スプール弁部と上記パイロットポンプを接続させ、上記モータ容量制御シリンダの上記スプール弁部が、所定ストロークよりもモータ容量を大きくする側に位置するときに、上記回生制限弁制御油路と上記回生制限弁を接続させることを特徴とする油圧作業機の油圧システム。
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