JP5523057B2 - 剥離型水性粘着剤組成物、剥離型水性粘着剤およびそれを用いた剥離型水性粘着部材 - Google Patents

剥離型水性粘着剤組成物、剥離型水性粘着剤およびそれを用いた剥離型水性粘着部材 Download PDF

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Description

本発明は、金属板、ガラス板、プラスチック板等の運搬、加工、切断等の際の傷付き防止や汚染防止等のための一時的な表面保護用或いは仮接着用の粘着テープ又はシートの粘着剤として有用な剥離型の水性粘着剤組成物に関する。更に詳しくは、経時での接着力上昇が少なく、かつ、合成紙やフィルム系の基材を用いた場合も優れた剥離性を示す1液硬化型水性粘着剤としても利用できる剥離型水性粘着剤組成物に関するものである。
従来より、剥離型粘着剤組成物は、表面保護フィルム、塗料用マスキングテープ、粘着シール等に広く用いられている。例えば、表面保護フィルムは、金属製品やプラスチック製品、ガラス製品等の運搬、加工、切断、貯蔵等の際に、傷付きや汚染、腐食等を防止するために、これらの製品の表面を一時的に保護するもので、目的が達した後は製品表面から剥離される。
このような表面保護フィルムは、金属製品やプラスチック製品、ガラス製品等の運搬、加工、切断、貯蔵時等には被着体に接着して充分な接着力を持ち剥離されることがなく、目的が達した後は被着体から容易に剥離できるといった剥離性が要求される。
しかし、粘着テープ又はシートは、貼り付け後の経時変化により接着力の上昇が起こりやすく、その結果、表面保護フィルムを被着体から剥離する際に剥離し難く、剥離作業に時間がかかったり、粘着剤の糊残りや貼り跡等の汚染を生じる等、剥離時の粘着性や剥離後の耐汚染性等の剥離性が問題となることがある。
近年では環境衛生上の観点より、剥離型粘着剤組成物においても溶剤を用いない水分散型粘着剤の検討が種々行われており、例えば、剥離性の向上及び剥離時の耐汚染性の向上を目的として、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散系共重合体に、オキサゾリン基を含有する水溶性架橋剤を、上記共重合体に含まれるカルボキシル基1当量あたり、オキサゾリン基が0.1〜5当量となるように配合してなる剥離型感圧接着剤を架橋反応させた層を有し、この層の溶剤可溶分が40重量%以下、弾性率が2〜50kg/cm2であり、メラミン塗装板に圧着し、23℃で20分放置したのち、引張速度30m/分(23℃、65%RHの雰囲気下)で180度剥離したときの剥離力が500g/20mm幅以下である接着シート(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
また、a)炭素数2〜14のアルキル基を有するアクリレート系単量体50〜99.9重量%と、b)カルボキシル基含有単量体0.1〜5重量%と、c)上記a,b成分と共重合可能な単量体0〜49.9重量%からなる単量体混合物の水分散型アクリレート系共重合体に、カルボジイミド基を含有する架橋剤を、上記共重合体のカルボキシル基に対するカルボジイミド基の比率(カルボジイミド基/カルボキシル基)が0.1〜5.0となるように配合してなり、再剥離性が500g/20mm幅以下である水分散型再剥離用感圧接着剤(例えば、特許文献2参照。)も提案されている。
その他に、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜20重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤の存在下に、乳化重合させて得られる、ゲル分率が70重量%未満のエマルジョン[A]と、架橋剤[B]とを含有してなることを特徴とする再剥離型水性粘着剤組成物(例えば、特許文献3参照)や炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)50〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)0.1〜10重量%、その他の不飽和単量体(a3)0〜49.9重量%を含む単量体混合物を、アニオン型反応性乳化剤の存在下に、乳化重合させて得られるエマルジョン[A]、架橋剤[B]、及びリン酸エステル系化合物[C]を含有してなることを特徴とする再剥離型水性粘着剤組成物(例えば、特許文献4参照)も提案されている。
特開平10−114887号公報 特開2001−131512号公報 特開2006−45410号公報 特開2006−45411号公報
しかしながら、上記特許文献1及び2の開示技術では、剥離性について、近年の要求性能に対してはまだまだ満足するものではなく更なる長時間の経時における剥離性が求められている。
また、上記特許文献3及び4の開示技術では、水性粘着剤組成物として、エマルジョン状態で長時間放置しておくと、保持力や剥離性が低下するといった傾向があり、まだまだ満足のいくものではなく、更なる改良が求められている。
更に、各種基材における密着性やそれに伴う汚染性などについても考慮されておらず、更なる改良が求められ、更に経時での接着力上昇が少なく、耐汚染性が良好で、かつ炭酸カルシウムを多く含む中性紙や光沢紙などの紙基材を用いた場合や、合成紙、合成樹脂フィルム等の基材を用いた場合など、双方に適した剥離型水性粘着剤組成物が求められている。
そこで、本発明ではこのような背景下において、種々の被着体に対する接着性に優れ、かつ、経時での接着力変化が少なく、剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れ、更には、水性粘着剤組成物としての保存安定性、特に放置による経時安定性にも優れ、紙基材およびフィルム基材双方に適した剥離型水性粘着剤組成物、剥離型水性粘着剤、及び、剥離型粘着部材を提供することを目的とするものである。
しかるに本発明者は、かかる事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、アクリル系エマルジョンと架橋剤を含有してなる粘着剤組成物において、特定の架橋剤を少なくとも2種組み合わせて用いた剥離型水性粘着剤組成物が、高温、高湿条件下での経時変化でも粘着力の変化が少なく、剥離後の糊残りもないといった耐汚染性に優れることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、アクリル系エマルジョン[A]と架橋剤[B]を含有してなる剥離型水性粘着剤組成物であり、架橋剤[B]がオキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)及びカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)を含有してなり、アクリル系エマルジョン[A]が、アクリル系単量体を主成分として共重合してなるアクリル系樹脂がアニオン型反応性乳化剤およびアニオン型非反応性乳化剤を含む乳化剤により分散安定化されてなるものであることを特徴とする剥離型水性粘着剤組成物に関するものである。
また、本発明においては、前記剥離型水性粘着剤組成物からなる剥離型水性粘着剤、更
には、前記剥離型水性粘着剤が基材の少なくとも片面に積層されてなる剥離型粘着部材も
提供するものである。
なお、本発明において、剥離とは一度貼ったものを剥がしてとることを言い、一度剥がしたものを再度貼り、また剥がす再剥離の意味も含むものである。また、粘着部材とは、粘着シートや粘着テープ又は粘着フィルム等を含める意味である。
本発明の剥離型水性粘着剤組成物は、アクリル系エマルジョン[A]と架橋剤[B]を含有してなる剥離型水性粘着剤組成物であり、架橋剤[B]がオキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)及びカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)を含有してなり、アクリル系エマルジョン[A]が、アクリル系単量体を主成分として共重合してなるアクリル系樹脂がアニオン型反応性乳化剤およびアニオン型非反応性乳化剤を含む乳化剤により分散安定化されてなるものであるため、経時での接着上昇力が少なく、かつ、剥離時における被着体への糊残りや貼り跡などの汚染が少ないといった耐汚染性に優れた効果を示すものである。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の剥離型粘着剤組成物は、アクリル系エマルジョン[A]及び架橋剤[B]を含有してなるものである。
かかるアクリル系エマルジョン[A]は、アクリル系単量体を主成分として共重合してなるアクリル系樹脂が、乳化剤により分散安定化されてなるものであり、主成分とは、共重合成分全体に対して50重量%以上を意味するものである。
中でも、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)及びその他の不飽和単量体(a3)を共重合成分とするアクリル系樹脂(a)が、乳化剤により分散安定かされてなるアクリル系エマルジョンであることが、高い接着力と良好な剥離性を両立できる点で好ましい。
そして、かかるアクリル系エマルジョン[A]は、例えば、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)及びその他の不飽和単量体(a3)を含む共重合成分を、乳化剤の存在下に乳化重合することにより得ることができる。
なお、本発明において、(メタ)アクリルとはアクリルあるいはメタクリルを、(メタ)アクリロイルとはアクリロイルあるいはメタクロイルを、(メタ)アクリレートとはアクリレートあるいはメタクリレートをそれぞれ意味するものである。
上記炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)としては、例えば、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも炭素数4〜10、更には4〜8のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的にはn−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等が好ましく用いられ、特に2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましく用いられる。又、これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
上記カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸ダイマー、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられ、中でもアクリル酸、メタクリル酸等が好ましく用いられる。又、これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
更に、その他の不飽和単量体(a3)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜3のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、トリデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の炭素数13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
また、不飽和単量体(a3)として、上記の他に、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)と反応する単量体、互いに反応し得る単量体や自己架橋可能な官能基をもつ単量体等、例えば水酸基含不飽和有単量体、エポキシ基含有不飽和単量体、アルコキシシリル基含有不飽和単量体、アミド基やメチロール基、カルボニル基を含有する不飽和単量体等を用いてもよい。
水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
アルコキシシリル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルクロロシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロピオキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリブトキシシラン、(メタ)アクリロキシブチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシペンチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシヘキシルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシドデシルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシオクタデシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリポロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジプロポキシシラン等が挙げられる。
アミド基やメチロール基、カルボニル基を含有する単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ブトキシN−メチロールアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレート、アリルアセトアセテート等が挙げられる。
上記の炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)及びその他の不飽和単量体(a3)の含有割合としては、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が80〜99.9重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.1〜2重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜19.9重量%であり、特に好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が85〜99.8重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.2〜1.5重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜13.5重量%であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が90〜99.7重量%、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が0.3〜1.2重量%、その他の不飽和単量体(a3)が0〜8.8重量%である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)が少なすぎると充分な接着力、タックが得られない傾向があり、多すぎるとカルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が少量となり、充分な剥離性が得られない傾向がある。カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)が少なすぎると安定性が低下するとともに剥離性が不充分となる傾向があり、多すぎるとエマルジョンの粘度が上昇し取り扱いが悪くなり、又接着力、タックも低下する傾向がある。また、その他の不飽和単量体(a3)が多すぎると接着力、タックが低下する傾向がある。
本発明で用いられるアクリル系エマルジョン[A]は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)を用いて製造するわけであるが、本発明では(a1)〜(a3)を含む共重合成分の単量体混合物を、乳化剤の存在下に乳化重合することが安定に製造できる点で好ましい。
かかる乳化重合においては、アニオン型反応性乳化剤及びアニオン型非反応性乳化剤を併用することが必要であり、かかるアニオン型反応性乳化剤及びアニオン型非反応性乳化剤を併用することにより、重合をさらに安定に行うことができ、かつ基材密着性や剥離性が良好となり、本発明の効果を顕著に発揮する。
かかるアニオン型反応性乳化剤としては、アニオン型であって、かつ反応性を有する乳化剤であれば特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)〜(11)のような構造をもつものが挙げられる。
Figure 0005523057
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〔ここで、一般式(1)〜(11)において、R1はアルキル基、R2は水素又はメチル基、R3はアルキレン基、nは1以上の整数、m、lは1以上の整数(m+l=3)、XはSO3NH4、SO3Naのいずれかである。〕
上記アニオン型反応性乳化剤として具体的には、「アデカリアソープSE−20N」、「アデカリアソープSE−10N」、「アデカリアソープPP−70」、「アデカリアソープPP−710」、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」〔以上、旭電化工業社製〕、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」〔以上、三洋化成工業社製〕、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」〔以上、花王社製〕、「アクアロンBC−05」、「アクアロンBC−10」、「アクアロンBC−20」、「アクアロンHS−05」、「アクアロンHS−10」、「アクアロンHS−20」、「ニューフロンティアS−510」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」〔以上、第一工業製薬社製〕、「フォスフィノ−ルTX」〔東邦化学工業社製〕)等の市販品が挙げられる。
上記アニオン型反応性乳化剤の中でも特に、アクリルとの反応が良好であり、エマルジョンの安定性がよく、剥離性にも優れる点で、上記一般式(3)、(4)、(5)、(9)、(10)で示される構造の乳化剤、即ちアルキルフェノール構造を有さないアニオン型反応性乳化剤、具体的には、「アデカリアソープSR−10」、「アデカリアソープSR−20」、「エレミノールJS−2」、「エレミノールRS−30」、「ラテムルS−180A」、「ラテムルS−180」、「ラテムルPD−104」、「アクアロンKH−05」、「アクアロンKH−10」等が好適である。中でも、良好な剥離性を有することから「アクアロンKH−10」、「ラテムルPD−104」が更に好適である。
上記アニオン型非反応性乳化剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル等が挙げられる。中でも、アルキレンオキサイド鎖を持たない乳化剤であることが好ましく、更にはアルキレンオキサイド鎖を持たず、かつ1個以上、好ましくは2個以上のベンゼン環骨格構造を有するものであることがフィルム系基材への密着性が良好な点で好ましく、通常ベンゼン環骨格構造は5個以下であることが好ましい。具体的にはアルキルベンゼンスルホン酸塩やアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
上記アニオン型反応性乳化剤及びアニオン型非反応性乳化剤の使用量については、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して、合計量として0.5〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.8〜7重量部である。該乳化剤が少なすぎると乳化重合が不安定となる傾向があり、多すぎると耐水性が低くなり、高湿条件下にさらされた場合の基材密着性の低下や被着体汚染の原因となる傾向がある。
また、アニオン型反応性乳化剤とアニオン型非反応性乳化剤を併用する場合においては、アニオン型反応性乳化剤とアニオン型非反応性乳化剤との配合割合としては、アニオン型反応性乳化剤/アニオン型非反応性乳化剤が0.2〜5(重量比)であることが好ましく、特には0.3〜3(重量比)であることが好ましい。
又、必要に応じて、ノニオン型非反応性乳化剤或いはノニオン型反応性乳化剤を併用することもできる。
ノニオン型非反応性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸等が挙げられる。
ノニオン型反応性乳化剤としては、例えば上記一般式(1)〜(11)において、Xが水素に変更されたものが挙げられ、具体的には、「アデカリアソープNE−10」、「アデカリアソープNE−20」、「アデカリアソープNE−30」、「アデカリアソープNE−40」、「アデカリアソープER−10」、「アデカリアソープER−20」、「アデカリアソープER−30」、「アデカリアソープER−40」、〔以上、旭電化工業社製〕、「アクアロンRN−10」、「アクアロンRN−20」、「アクアロンRN−30」、「アクアロンRN−50」〔以上、第一工業製薬社製〕等の市販品が挙げられる。
尚、乳化剤は単量体混合物からなる乳化モノマー液に添加したり、予め重合缶に添加しておいたりしてもよく、又両者を併用してもよい。
乳化重合を行うに当たっては重合開始剤を用いることが好ましく、かかる重合開始剤としては、特に制限されず、水溶性、油溶性のいずれのものも用いることが可能で、具体的には、アルキルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジクロルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、ジ−イソブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッドのアンモニウム(アミン)塩、2,2’−アゾビス(2−メチルアミドオキシム)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンアミドオキシム)ジヒドロクロライドテトラヒドレート、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕−プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド〕、各種レドックス系触媒(この場合酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等が、還元剤としては亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、アスコルビン酸等が用いられる。)等が挙げられ、これらの中でも過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、各種レドックス系触媒等が好適である。
重合開始剤の使用量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)の単量体混合物100重量部に対して、0.03〜5重量部、更には0.05〜3重量部であることが好ましく、少なすぎると重合速度が遅くなる傾向があり、多すぎると剥離性が低下する傾向がある。
尚、該重合開始剤は重合缶内に予め加えておいてもよいし、重合開始直前に加えてもよいし、必要に応じて重合途中に追加添加してもよい。又、(a1)〜(a3)の単量体混合物に予め添加したり、該単量体混合物からなる乳化液に添加してもよい。添加に当たっては重合開始剤を別途溶媒や上記単量体に溶解して添加したり、溶解した重合開始剤を更に乳化状にして添加してもよい。
又、必要に応じて、重合時に、重合時のpH調整のため、pH緩衝剤を併用してもよく、該pH緩衝剤の使用量は、(a1)〜(a3)の単量体混合物100重量部に対して0.01〜10重量部、特には0.1〜3重量部であることが好ましい。
かかるpH緩衝剤としては、pH緩衝作用を有するものであれば特に制限されないが、具体的には、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸一カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、蟻酸ナトリウム、ギ酸アンモニウム等が挙げられる。
水の使用量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)の単量体混合物100重量部に対して、25〜200重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜150重量部、特に好ましくは35〜120重量部である。水の使用量が少なすぎると得られる樹脂組成物が高粘度となり、又、重合安定性も低下する傾向があり、多すぎると得られる樹脂組成物の濃度が低くなり、被膜化する際の乾燥性が低下する傾向がある。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)の単量体混合物を乳化剤の存在下に、上記重合開始剤により重合を行うのであるが、その方法としては、
(1)反応缶に水を仕込んでおき昇温した後、あらかじめ水、乳化剤、単量体混合物を混合乳化した乳化液を滴下または分割して重合する。
(2)反応缶に水を仕込んでおき昇温した後、あらかじめ水、乳化剤、単量体混合物を混合乳化した乳化液の一部を仕込み重合し、さらに残りの乳化液を滴下又は分割添加して重合を継続する。
(3)反応缶に水、乳化剤等を仕込んでおき昇温した後、あらかじめ水、乳化剤、単量体混合物を混合乳化した乳化液を全量滴下又は分割添加して重合する。
等が挙げられる。
上記重合方法における重合条件としては、特に限定されないが、例えば、(1)、(3)の方法では、通常40〜90℃程度の温度範囲が適当であり、滴下または分割添加は1〜8時間程度で反応を行い、その後、同温度程度で1〜5時間程度熟成する。
(2)の方法では、単量体混合物の1〜50重量%を40〜90℃で0.1〜1時間重合した後、残りの単量体混合物を1〜8時間程度かけて滴下又は分割添加して、その後同温度程度で1〜5時間程度熟成する。
上記重合方法において、単量体混合物は、乳化剤(又は乳化剤の一部)を単量体混合物に溶解して使用してもよいが、上記のように、予めO/W型の乳化液の状態としておいたほうが重合安定性の点で好ましい。
乳化液の調整方法としては、特に限定されないが、水に乳化剤を溶解した後上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)、その他の不飽和単量体(a3)を仕込み、この混合液を撹拌乳化する方法、或いは水に乳化剤を溶解した後撹拌しながら上記(a1)〜(a3)を仕込む方法等が挙げられる。
上記乳化液の乳化の際の撹拌は、各成分を混合し、ホモディスパー、パドル翼等の撹拌翼を取り付けた撹拌装置を用いて行うことができる。
乳化時の温度は、乳化中に混合物が反応しない程度の温度であれば問題なく、通常5〜60℃程度が適当である。
かくしてアクリル系エマルジョン[A]が得られるが、本発明においては、かかるアクリル系エマルジョン[A]のゲル分率が40〜90重量%であることが好ましく、更に45〜85重量%、特には50〜80重量%が好ましい。かかるゲル分率が小さすぎると、架橋剤[B]の配合量を多くしても糊残りが多く耐汚染性が不良となる傾向があり、又経時での接着力上昇が大きくなる傾向がある。逆に、大きすぎると接着力が小さくなったり、基材への密着性が低下する傾向がある。
かかるアクリル系エマルジョン[A]のゲル分率を40〜90重量%以上に調整する方法としては、例えば、連鎖移動剤の配合や、多官能性不飽和単量体(分子内に少なくとも2個の不飽和基を有する単量体)や自己架橋性官能基を有する不飽和単量体(加水分解性シリル基含有単量体やメチロール基含有単量体等)を共重合成分として共重合する方法や、互いに反応しうる官能基をもつ不飽和単量体を共重合する方法等が挙げられる。
尚、アクリル系エマルジョン[A]のゲル分率とは、樹脂組成物の溶剤不溶解分の割合のことであり、アクリル系エマルジョン[A]の、40℃で24時間乾燥した10μmの塗膜において、トルエンに23℃で24時間浸漬し乾燥したときの、浸漬前の塗膜重量に対する浸漬後の残存塗膜重量の割合(%)として求められる。
又、得られたアクリル系エマルジョン[A]の平均粒子径については2μm以下、特には1μm以下の微粒子であることが高速塗工などで必要とされる高濃度、かつ低粘度の調整が可能である点で好ましい。
更に、アクリル系エマルジョン[A]の樹脂分濃度は40〜68重量%、特には50〜65重量%であることが乾燥性、塗工性の点で好ましい。
次に、本発明で用いられる架橋剤[B]は、オキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)及びカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)を含有してなるものである。
かかるオキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)としては、オキサゾリン系化合物である、2位の炭素位置に不飽和炭素−炭素結合をもつ置換基を有する付加重合性2−オキサゾリン(例えば2−イソプロペニル−2−オキサゾリン)と他の不飽和単量体との共重合体等が挙げられ、市販品として、日本触媒社製の水溶型の「エポクロスWS−300」、「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」、及びエマルジョン型の「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスK−2030」等が挙げられ、中でも水溶型の「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」が耐汚染性及び経時での接着力上昇の抑制効果が優れる点で好適である。
かかるカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)としては、カルボジイミド基を少なくとも2個以上含有するものであればよく、例えば日清紡社製の水溶型の「カルボジライトV−02」、「カルボジライトV−02−L2」、「カルボジライトV−04」、「カルボジライトV−06」、及びエマルジョン型の「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトE−04」等が挙げられ、中でも水溶型の「カルボジライトV−04」が耐汚染性及び経時での接着力上昇の抑制効果が優れる点で好適である。
上記架橋剤[B]において、オキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)の含有量は、上記アクリル系エマルジョン[A]の中のアクリル系樹脂(a)に含まれるカルボキシル基1当量あたり、オキサゾリン基が0.01〜1当量であることが好ましく、更には0.02〜0.5当量となる量、特には0.03〜0.3当量となる量であることが接着力と剥離性のバランスがよい点で好ましい。かかる含有量が少なすぎると中性紙などの紙基材を用いたときの耐熱促進条件下の接着力経時上昇が大きくなったり、凝集力が小さくなり剥離時の糸引きが多くなる傾向があり、多すぎると十分な接着力が得られなくなる傾向がある。
更に、カルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)の含有量は、アクリル系エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂(a)に含まれるカルボキシル基1当量あたり、カルボジイミド基が0.01〜1当量であることが好ましく、更には0.02〜0.5当量となる量、特には0.03〜0.3当量となる量であることが接着力と剥離性のバランスがよい点で好ましい。かかる含有量が少なすぎると合成紙やフィルムなどの基材を用いたときの耐熱促進条件下及び耐湿促進条件下の剥離性が低下する傾向があり、多すぎると十分な接着力が得られなくなる傾向がある。
また、オキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)とカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)との配合割合としては、(b1)/(b2)が0.05〜20(官能基当量比)であることが好ましく、特には0.1〜15(官能基当量比)、更には0.5〜10(官能基当量比)であることが好ましい。かかる配合割合が上記範囲を外れる、即ち(b1)/(b2)が小さすぎると中性紙などの紙基材を用いたときの耐熱促進条件下の接着力経時上昇が大きくなったり、凝集力が小さくなり剥離時の糸引きが多くなる傾向があり、大きすぎると合成紙やフィルムなどの基材を用いたときの耐熱促進条件下及び耐湿促進条件下の剥離性が低下する傾向がある。更には、オキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)がカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)よりも官能基当量で多いことが好ましく、(b1)/(b2)が1.1〜10(官能基当量比)、特には1.5〜6(官能基当量比)であることが好ましい。
本発明で用いられる架橋剤[B]としては、上記架橋剤(b1)及び(b2)のほかに、必要に応じて従来公知の架橋剤を用いることもでき、例えば、金属系化合物(b3)、エポキシ系化合物(b4)、アジリジン系化合物(b5)、イソシアネート系化合物(b6)、メラミン系化合物(b7)、ヒドラジン系化合物(b8)、アミン系化合物(b9)等が使用できる。
上記金属系化合物(b3)としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニウムイソプロピオネート等の金属アルコキシドや、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル、エチレンジアミン四酢酸配位化合物の金属キレート化合物等や、酢酸−アンモニウム錯塩、アンモニウム−カーボネート錯塩等が挙げられる。
上記エポキシ系化合物(b4)としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、ソルビトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−611」、「デナコールEX−612」、「デナコールEX−614」、「デナコールEX−614B」、「デナコールEX−622」等)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−512」、「デナコールEX−521」等)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−411」等)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールE
X−421」等)、グリセロールポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−313」、「デナコールEX−314」等)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−321」等)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−201」等)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−211」等)、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−212」等)、ヒドロゲネイティッドビスフェノールAジグリしジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−252」等)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−810」、「デナコールEX−811」等)、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−850」、「デナコールEX−851」等)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−821」、「デナコールEX−830」、「デナコールEX−832」、「デナコールEX−841」、「デナコールEX−861」等)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−911」等)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(例えば、ナガセケムテックス社製の「デナコールEX−941」、「デナコールEX−920」、「デナコールEX−931」等が挙げられる。
上記アジリジン系化合物(b5)としては、アジリジン基を少なくとも2個以上含有す
るものであればよく、例えば「ケミタイトPZ−33」、「ケミタイトDZ−22E」(
日本触媒社製)等が挙げられる。
上記イソシアネート系化合物(b6)としては、例えば、トルイレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トルイレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、等のイソシアネート化合物、「スミジュールN」(住友バイエルウレタン社製)の如きビュレットポリイソシアネート化合物、「デスモジュールIL」、「デスモジュールHL」(バイエルA.G.社製)、「コロネートEH」(日本ウレタン社製)の如きイソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物、「スミジュールL」(住友バイエルウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「コロネートHL」(日本ポリウレタン社製)の如きアダクトポリイソシアネート化合物、「アクアネート100」、「アクアネート110」、「アクアネート200」、「アクアネート210」(日本ポリウレタン社製)の如き自己乳化型の水分散ポリイソシアネート化合物等が挙げられる。
上記メラミン系化合物(b7)としては、例えば、ヘキサメトキシメチロールメラミン、メトキシメチロールユリア等が挙げられる。
上記ヒドラジド系化合物(b8)としては、分子中に少なくとも2個以上のヒドラジド基を有するものであればよく、例えば、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルたる酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル)−5−イソプロピルヒダントイン、7,11−オクタデカジエン−1,18ジカルボヒドラジド等が挙げられる。ヒドラジド化合物(b8)を使用する場合は、アクリル系エマルジョン[A]の構成成分のその他の不飽和単量体(a3)として、カルボニル基含有した不飽和単量体を使用するのが好ましい。
上記アミン系化合物(b9)としては、1,3−ジアミノプロパン、ビス−(3−アミノプロピル)エーテル、1,2−ビス−(3−アミノプロポキシ)エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキシ)−2,2−ジメチルプロパン、1,4−ジアミノブタン等が挙げられる。
上記、架橋剤(b1)と(b2)以外の架橋剤(b3)〜(b9)は、架橋剤の種類にもよるが、本発明の剥離型水性粘着剤を1液硬化型粘着剤としての使用する場合に、その使用を阻害しない範囲での配合が好ましい。
又、必要に応じて更に、粘着付与剤(例えばロジン系、ロジンエステル系、ポリテルペン樹脂、クロマン−インデン樹脂、石油系樹脂及びテルペンフェノール系樹脂等)を配合することが出来る。かかる粘着付与剤の配合方法としては、たとえばエマルジョン型の粘着付与剤を乳化重合の途中や後に配合する方法、また、固形タイプの粘着付与剤を不飽和単量体混合物に溶解して、その後、乳化重合して配合する方法が挙げられる。その他、可塑剤(例えば液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン及び液状ポリアクリレート等)、防腐・防黴剤、防錆剤、凍結融解安定剤、可塑剤、高沸点溶剤、顔料、着色剤、充填剤(亜鉛華、チタン白、炭酸カルシウム、クレー等)、金属粉末、消泡剤、増粘剤、接着力コントロール剤等を適宜添加したり、又、上記の乳化重合の重合前や重合途中に添加したりすることもできる。
かくして本発明の剥離型水性粘着剤組成物が得られるが、かかる剥離型水性粘着剤組成物は、通常、基材シート等に塗布されて架橋剤により架橋されてなる粘着剤が形成され、粘着シートや粘着テープ等の剥離型粘着部材として実用に供されることが多く、かかる粘着シートや粘着テープ等の粘着部材を製造するには、まず本発明の剥離型水性粘着剤組成物をそのまま又は適当な濃度に調整し、シリコン処理等が施された基材の処理面に塗工したり、あるいは直接基材に塗工して、例えば80〜105℃、5秒〜10分間加熱処理等により乾燥させて粘着層を形成させることができる。
又、剥離型水性粘着剤組成物を離型フィルムに塗布し乾燥した後、基材上に転写することもできる。
かかる基材としては、特に限定されず、例えば、紙、合成紙、プラスチックフィルム、金属ホイルなどをあげることができるが、紙および合成紙基材としては、例えば、上質紙、キャストコート紙、コート紙、中性紙、アート紙、ポリプロピレンを主原料とした合成紙、感熱紙等紙材料等があげられる。本発明においては特に、炭酸カルシウムを含む中性紙や光沢紙を用いるときに顕著な効果を発揮する。また、プラスチックフィルム基材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリピロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリメチルペンテン、ポリブチレンテレフタレート等があげられる。その他、両面テープ用基材として、不織布等の多孔性材料なども利用できる。
基材の厚さは通常、10〜300μm、特には20〜100μmが好ましく、かかる基材の片面又は両面に、上記の再剥離型水性粘着剤組成物からなる層を1〜100μm、更には3〜50μm、特には5〜30μmの厚さに設けて、シート状やテープ状等の形態とする。
本発明の剥離型水性粘着剤組成物は、金属板、ガラス板、プラスチック板等の運搬、加工、切断等の際の傷防止や汚染防止等のための一時的な表面保護用或いは仮接着用の粘着テープ又はシートの粘着剤として用いられるものである。
例えば、被着体の表面を保護する時には充分な接着力を有しており、運搬、加工、切断等の処理が行われた後には、粘着シート又は粘着テープ等の粘着部材を被着体から容易に剥離することができる。
かくして本発明の剥離型粘着剤組成物は、アクリル系エマルジョン[A]と、オキサゾ
リン基を含有する架橋剤(b1)とカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)とを含む
架橋剤[B]を含有してなり、アクリル系エマルジョン[A]が、アクリル系単量体を主成分として共重合してなるアクリル系樹脂がアニオン型反応性乳化剤およびアニオン型非反応性乳化剤を含む乳化剤により分散安定化されてなるものであるため、経時での接着力上昇が少なく、かつ、剥離時における被着体への糊残りや貼り跡などの汚染が少ないといった優れた耐汚染性を有し、1液硬化型水性粘着剤組成物としても有用に利用できるものである。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔アクリル系エマルジョン[A]の製造〕
2−エチルヘキシルアクリレート(a1)99.2部、アクリル酸(a2)0.8部、1−ドデカンチオール0.03部、アニオン型反応性乳化剤(第一工業製薬社製、「アクアロンKH−10」)1.2部、アニオン型非反応性乳化剤(花王社製、「ペレックスSS−L」)1.2部、水31.5部を混合撹拌し、単量体混合物からなる乳化液を得た。
次に、冷却管、撹拌翼を備えたフラスコに、水19.9部を加え撹拌して溶解して、75℃に昇温した後、10%過硫酸アンモニウム水溶液を0.6部添加し、5分後に、上記乳化液および、10%過硫酸アンモニウム水溶液の1.9部の滴下を開始し、4時間かけて全量を滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後、80℃に保持したまま2時間撹拌を続けた後、60℃まで冷却し、10%アンモニア水溶液2部を添加し、酸基を中和した。その後、55℃まで冷却し、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液0.5部をそれぞれ添加し、15分間反応させた後、再度、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド(日本油脂社製、「パーブチルH−69」)の10%水溶液0.5部と10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液0.5部をそれぞれ添加し、15分間反応させた。その後、30℃まで冷却し、150メッシュのナイロンメッシュでろ過し、10%アンモニア水でpHを8.4に調整して、アクリル系エマルジョン[A]を得た(ゲル分率66%、平均粒子系403μm、固形分62.5%、粘度450mPa・s)。また、得られたアクリル系エマルジョン[A]の粗粒子量は1.0mgであった。
なお、アクリル系エマルジョン[A]の粗粒子量の評価方法は以下の通りである。
(粗粒子量)
上記の如くアクリル系エマルジョン[A]を得る際の、150meshのナイロンメッシュで濾過したものの濾過残分を105℃で1時間乾燥して得られた粗粒子について、その重量をエマルジョン100gに対する重量(mg)で評価した。
実施例1
上記で得られたアクリル系エマルジョン[A]に、架橋剤として日本触媒社製の「エポクロスWS−700」(b1)をエマルジョンの固形分100部に対して2.44部(有効成分として0.61部:カルボキシル基に対して0.25当量)および日清紡社製の「カルボジライトV−04」(b2)をエマルジョンの固形分100部に対して0.85部(有効成分として0.34部:カルボキシル基に対して0.09当量)を添加し、更にアクリル系エマルジョン100部に対し、濡れ剤としてサンノプコ社製の「SNウェット970」の0.75部、消泡剤としてサンノプコ社製の「SNデフォーマー777」の0.01部、剥離調整剤として北広ケミカル社製の「ES−N」の0.12部、最後に増粘剤のADEKA社製の「アデカノールUH−541VF」および水を添加して不揮発分55%、粘度2000mPa・s(BM型、12rpm、23℃)に調整し、本発明の剥離型水性粘着剤組成物[ア]を得た。
得られた剥離型水性粘着剤組成物[ア]について、以下の評価を行った。
(初期接着力)
得られた水性粘着剤組成物[ア]を、市販のシリコーン離型紙に乾燥重量で18g/m2となるように塗工し、100℃の電気オーブンにて2分間乾燥させた後、基材として、市販の炭酸カルシウムを含むキャストコート紙[I](秤量84.9g/m2、商品名「ミラーコートゴールド(73)」、王子製紙(株)製)、および市販のポリプロピレンを主原料とした合成紙[II](商品名「ユポタック原紙SGS80」、ユポコーポレーション(株)製)を用い、25N/cm2の圧力にてラミネートロールで積層し、粘着シートを得た。
該粘着シートを、23℃で7日間エージング処理した後、表面粗さ#280の紙やすり
で研磨したSUS304板に23℃、50%RHにて、2kgローラーを2往復させて接
着させてから24時間後に、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥
離強度(N/25mm)を測定した。
(剥離性)
(1)経時後の接着力
得られた水性粘着剤組成物[ア]を、市販のシリコーン離型紙に乾燥重量で18g/m2となるように塗工し、100℃の電気オーブンにて2分間乾燥させた後、市販の炭酸カルシウムを含むキャストコート紙[I](秤量84.9g/m2、商品名、「ミラーコートゴールド(73)」、王子製紙(株)製)、および市販のポリプロピレンを主原料とした合成紙[II](商品名、「ユポタック原紙SGS80」、ユポコーポレーション(株)製)を用い、25N/cm2の圧力にてラミネートロールで積層し、粘着シートを得た。該粘着シートを、23℃で7日間エージング処理した後、表面粗さ#280の紙やすりで研磨したSUS304板に23℃、50%RHにて2kgローラーを2往復させて接着させ、その後、経時変化(i)(70℃、7日間放置した後)と、経時変化(ii)(40℃、80%RH、7日間放置した後)について、JIS Z 0237の接着力の測定法に準じて180度剥離強度(N/25mm)を測定した。
(2)経時後の耐汚染性
上記の経時変化(i)(70℃、7日間放置した後)と、経時変化(ii)(40℃、80%RH、7日間放置した後)の接着力を測定した後に、被着体表面の汚染度合いを目視観察し、耐汚染性を以下の通り評価した。また、被着体をパルテック社製メラミン塗装板(白)に変更し同様の汚染性を評価した。
○・・・汚染は認められなかった
△・・・ごくわずかに糊残りが認められた
×・・・全体に糊残りが認められた
実施例2
上記で得られた水性粘着剤組成物[ア]を密栓できる、ねじ口式試薬瓶(200ml)に移し、40℃の恒温装置に1ヶ月間保存したものを、実施例1と同様にして、粘着シートを得、実施例1と同様に評価を行った。
実施例3〜4、比較例1〜3
上記で得られたアクリル系エマルジョン[A]に、表1に示す通り架橋剤を配合し、剥離型水性粘着剤組成物を得、得られた剥離型水性粘着剤組成物について実施例1と同様の評価を行った。更に、実施例1と同様にして、粘着シートを得、実施例1と同様に評価を行った。
実施例と比較例の評価結果を表2及び3に示す。
Figure 0005523057
注)
・表中の数値は配合量(部)を示す。但し、( )内の数値は有効成分量(部)を示す。
・WS−700(商品名「エポクロスWS−700」、日本触媒(株)製、有効成分25%、オキサゾリン基当量:220(オキサゾリン基1つ当りの分子量))
・V−04(商品名「カルボジライトV−04」日清紡績(株)製、有効成分40%、カルボジイミド基当量:334(カルボジイミド基1つ当りの分子量))
・オキサゾリン基数:架橋剤中のオキサゾリン基(モル)/エマルジョン[A]中のカルボキシル基(モル)
・カルボジイミド基数:架橋剤中のカルボジイミド基(モル)/エマルジョン[A]中のカルボキシル基(モル)
Figure 0005523057
注)
・基材I キャストコート紙:商品名「ミラーコートゴールド(73)」、王子製紙(株)製、秤量84.9g/m
・表中の記号 (破):基材破壊
・経時変化(i)は70℃、7日間放置した後の評価、経時変化(ii)は40℃、80%RH、7日間放置した後の評価である。
Figure 0005523057
注)
・基材II ポリプロピレン合成紙:商品名「ユポタック原紙 SGS80」、ユポコーポレーション(株)製
・表中の記号 (転):糊の転着、(凝):凝集破壊
・表中の経時変化(i)は70℃、7日間放置した後の評価、経時変化(ii)は40℃、80%RH、7日間放置した後の評価である。
上記の結果から、比較例1〜3は、架橋剤(b1)及び(b2)を併用していないため、耐熱、耐湿条件下での接着力の経時上昇が大きく、キャストコート紙とフィルム系基材の合成紙を基材としたときに耐汚染性を両立させることが出来ず、剥離性に劣るものであるのに対して、実施例1〜4は、架橋剤(b1)及び(b2)併用しているため、経時変化が少なく、耐汚染性に優れた粘着部材が得られたものであり、剥離型水性粘着剤組成物として有用であることが分かる。また、中でも実施例2からは、1液硬化型の剥離型水性粘着剤として有用であることが分かる。
本発明の剥離型水性粘着剤組成物は、粘着物性の経時変化が少なく、剥離性にも優れるため、表面保護フィルム、塗料用マスキングテープ、粘着シール、粘着ラベル等の用途に有用である。

Claims (9)

  1. アクリル系エマルジョン[A]と架橋剤[B]を含有してなる剥離型水性粘着剤組成物であり、架橋剤[B]がオキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)及びカルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)を含有してなり、アクリル系エマルジョン[A]が、アクリル系単量体を主成分として共重合してなるアクリル系樹脂がアニオン型反応性乳化剤およびアニオン型非反応性乳化剤を含む乳化剤により分散安定化されてなるものであることを特徴とする剥離型水性粘着剤組成物。
  2. アクリル系エマルジョン[A]が、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)及びその他の不飽和単量体(a3)を共重合成分とするアクリル系樹脂(a)が、乳化剤により分散安定化されてなるアクリル系エマルジョンであることを特徴とする請求項1記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  3. アクリル系エマルジョン[A]が、炭素数4〜12のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル(a1)、カルボキシル基含有不飽和単量体(a2)及びその他の不飽和単量体(a3)を含む共重合成分を、乳化剤の存在下に乳化重合してなることを特徴とする請求項1又は2記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  4. アニオン型非反応性乳化剤が、アルキレンオキサイド鎖を持たない乳化剤であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  5. アニオン型非反応性乳化剤が、1個以上のベンゼン環骨格構造を有するアニオン型非反応性乳化剤であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  6. オキサゾリン基を含有する架橋剤(b1)の含有量が、アクリル系エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂(a)に含まれるカルボキシル基1当量あたり、オキサゾリン基が0.01〜1当量となる量であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  7. カルボジイミド基を含有する架橋剤(b2)の含有量が、アクリル系エマルジョン[A]中のアクリル系樹脂(a)に含まれるカルボキシル基1当量あたり、カルボジイミド基が0.01〜1当量となる量であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の剥離型水性粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜いずれか記載の剥離型粘着剤組成物からなる剥離型水性粘着剤。
  9. 請求項記載の剥離型水性粘着剤が基材の少なくとも片面に積層させてなることを特徴とする剥離型粘着部材。
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