JP5523032B2 - シリコーンブランケット - Google Patents

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Description

本発明は、オフセット印刷方法等の印刷方法に用いるシリコーンブランケットに関するものである。
オフセット印刷方法は、インキパターンを簡易に、かつ少ない工程数で効率よく多量に、しかも安価に形成できる利点を有しており、また近年に至って印刷精度の向上が図られていることから、特にエレクトロニクス分野において利用が広まりつつある。
例えば電気配線のパターンや蛍光体のパターン、あるいはプラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイパネル(LCD)の構成部品等における各種のパターンといった、微細でかつ高精度のパターンの形成が求められる分野において、従来のフォトリソグラフ法によるパターン形成に代えて、前記オフセット印刷方法が普及してきている。
オフセット印刷方法では、版の表面にパターン形成したインキをブランケットの表面に転写させたのち、被印刷体としての基板の表面に再転写させることで、前記基板の表面に所定のパターンが印刷される。
ブランケットとしては、少なくとも前記表面を構成する表面層を備え、前記表面層を、インキに対する離型性に優れたシリコーンゴムによって形成したシリコーンブランケットが広く用いられる。
表面層はインキと繰り返し接触することから、印刷を繰り返すうちに前記インキ中に含まれる溶剤が含浸されて徐々に膨潤し、それに伴ってインキに対する表面の濡れ性が徐々に上昇する。そのため、印刷初期から長期間に亘って印刷の精度を高いレベルに維持し続けることは困難である。
シリコーンゴムを殆ど膨潤しない濡れ性の低い溶剤を含むインキを使用すれば、印刷を繰り返しても前記濡れ性は殆ど変化しないため、安定した印刷を行うことができるように思われる。しかし濡れ性の低い溶剤を含むインキは、版の表面から表面層の表面への転写性が低いことから、特に細線のパターンにおいて断線を生じやすい。
断線は最も回避すべき不良の一つであり、これを防止するためには、シリコーンゴムをある程度は膨潤しうる溶剤を使用しなければならない。ところが前記溶剤を含むインキを使用して印刷を繰り返すと表面層が徐々に膨潤して、インキに対する濡れ性が徐々に上昇する。そしてそれに伴ってインキが滲みやすくなって、特に細線のパターンの線幅が徐々に広くなったり、版表面の微小な汚れを転写するようになったり、表面層の表面から基板の表面へのインキの転写性が徐々に低下したりするようになって印刷の精度が徐々に低下する。
シリコーンブランケットを加熱することで、表面層を膨潤している溶剤を除去することが考えられている。しかし、そのためにはシリコーンブランケットをおよそ40〜200℃程度まで加熱する必要があり、加熱直後の温度の高い表面を版に接触させると、前記版が熱膨張して印刷の精度が低下するという問題がある。
溶剤を吸収する機能を有する溶剤吸収体を表面層の表面に接触させて、膨潤した溶剤を除去することが提案されている(特許文献1等参照)。前記溶剤吸収体を使用すれば、シリコーンブランケットを加熱せずに溶剤を除去できるため、印刷の精度を高いレベルに維持することができる。
しかし溶剤吸収体による溶剤の除去は、表面層の膨潤状態を一定に維持するため、1回ないし数回の印刷ごとに印刷を停止して実施する必要があり、このことが印刷のタクトタイム、すなわち印刷機に基板をセットし、所定の手順にしたがって前記基板の表面にインキを印刷してパターンを形成したのち印刷機に新たな基板をセットするまでに要する平均の時間を長くする原因となって、製品の生産性を低下させるという問題がある。
特許文献2には、シリコーンゴムからなる表面層中に所定量のシリコーンゲルを含有させることが記載されている。
シリコーンゲルとは、基本的にシリコーンゴムと同様のポリシロキサン構造を有するものの、架橋反応後の架橋密度がシリコーンゴムよりも小さく、通常のゴム硬度計では測定できない程度の軟らかいゲル状に硬化するものをいう。かかるシリコーンゲルは、表面層を形成するシリコーンゴムと比べて溶剤を吸収する能力に優れている。
そのため表面層中に含有させたシリコーンゲルに溶剤を吸収させることで、前記表面層の表面の濡れ性が短期間で大きく上昇するのを抑制して、溶剤吸収体等による溶剤除去の工程等を省略することが考えられる。
特開2006−188015号公報 特開2008−49495号公報
ところが、後述する実施例、比較例の結果からも明らかなように特許文献2で規定された、シリコーンゴム100質量部あたり50質量部以下という少量のシリコーンゲルを表面層中に含有させただけでは期待した効果は得られず、前記表面層の表面の濡れ性が短期間で大きく上昇するのを抑制することはできない。
本発明の目的は、長期間に亘って表面層の表面の濡れ性が大きく上昇するのを抑制して良好な印刷を続けることができるため、印刷途中の溶剤除去の工程を省略して印刷のタクトタイムを短くでき、製品の生産性を向上できるシリコーンブランケットを提供することにある。
本発明は、印刷用のシリコーンブランケットであって、前記印刷用のインキを担持させる表面を構成する、シリコーンゴムからなる表面層を少なくとも備え、前記表面層が、前記シリコーンゴム100質量部あたり60質量部以上、150質量部以下のシリコーンゲルを含むことを特徴とするものである。
本発明によれば、印刷層中に、前記印刷層を形成するシリコーンゴム100質量部あたり60質量部以上という多量のシリコーンゲルを含有させているため、インキ中に含まれ、表面層中に含浸される溶剤を前記多量のシリコーンゲルによって選択的に吸収させることでシリコーンゴムの膨潤を抑制して、前記シリコーンゴムからなる表面層の表面の濡れ性が上昇するのを長期間に亘って抑制することが可能となる。
なお本発明において、シリコーンゲルの配合割合がシリコーンゴム100質量部あたり150質量部以下に限定されているのは、前記範囲を超える多量のシリコーンゲルを含有させた場合、表面層が軟らかくなりすぎて強度が低下したり、印刷時に版や基板に接触させる際の印圧やニップ幅等が大きく変化して印刷性に問題を生じたり、その結果として印刷の精度が低下したりするためである。
また、前記のように多量のシリコーンゲルを含有させても表面層が軟らかくなりすぎて前記の問題が生じるのを確実に防止することを考慮すると、前記表面層を形成するシリコーンゴムは、単独で硬化させた際のタイプAデュロメータ硬さがA40/S以上であるのが好ましい。
本発明のシリコーンブランケットは、フィルム状またはシート状の基材と、前記基材の片面に形成した前記表面層とを備えているのが好ましい。前記基材を設けることによってシリコーンブランケット全体の強度を維持し、かつ良好な取扱性を確保することができる。
本発明によれば、長期間に亘って表面層の表面の濡れ性が大きく上昇するのを抑制して良好な印刷を続けることができるため、印刷途中の溶剤除去の工程を省略して印刷のタクトタイムを短くでき、製品の生産性を向上できるシリコーンブランケットを提供することが可能となる。
本発明のシリコーンブランケットは、印刷用のインキを担持させる表面を構成する、シリコーンゴムからなる表面層を少なくとも備え、前記表面層が、前記シリコーンゴム100質量部あたり60質量部以上、150質量部以下のシリコーンゲルを含むことを特徴とする。
前記表面層を形成するシリコーンゴムとしては種々のシリコーンゴムが挙げられるが、入手のしやすさや、あるいは表面層に良好な印刷性を付与すること等を考慮すると、特にジメチルシリコーンゴムが好ましい。
また前記シリコーンゴムとしては、未硬化時に液状ないしペースト状を呈する液状のシリコーンゴムが好ましい。
前記液状ないしペースト状を呈するシリコーンゴムは、例えばドクターナイフ、バーコータ、ロールコータ等を用いて所定の厚みとなるように基材上に塗布したのち硬化させて表面層を形成することができ、その際に、いわゆるセルフレベリング効果によって、前記表面層のもとになる塗膜の表面、つまり硬化後の表面層の表面を平滑化するとともに、前記表面層の厚みを均一化できる。
そのため被印刷体としての基板の表面に微細でかつ高精度のパターンを形成するのに適した表面平滑性に優れた表面層を有するシリコーンブランケットを、研磨等の工程を経ることなく生産性よく製造できる。なお必要に応じて表面層の表面を研磨してもよいことはいうまでもない。
またシリコーンブランケットは、前記液状ないしはペースト状を呈するシリコーンゴムを、表面層の表面形状に対応する賦形面を有し、基材をセットした金型内に注入して硬化させることによって製造してもよい。
例えば、後述するように主剤と硬化剤とからなる二液付加反応型の液状シリコーンゴムからなり、シリコーンゲルを含む表面層は、まず前記主剤と硬化剤のうちの一方、例えば主剤に所定量のシリコーンゲルを加えて混合し、次いで硬化剤を加えてさらに混合して表面層用の液状の組成物(塗布液、注入液等)を調製したのち、前記組成物を用いて前記いずれかの方法によって形成することができる。
前記シリコーンゴムとしては、室温硬化型(RTV)であるものが好ましい。前記室温硬化型のシリコーンゴムは、その名のとおり加熱しなくても室温(5〜35℃)で硬化させることが可能であるため、シリコーンブランケットの製造工程および製造のための設備を簡略化できる上、加熱による膨張と冷却時の収縮を経ないため、表面層の厚みの精度を向上できる。
また前記シリコーンゴムとしては、先に説明したように主剤と硬化剤の2成分からなり、前記両者を付加反応によって硬化させることができる二液付加反応型のものが好ましい。
前記二液付加反応型のシリコーンゴムは、硬化反応に際して副生成物を生じないため表面層の寸法精度を向上し、かつ前記副生成物に基づく気泡等を含まない均一な表面層を形成できる。
前記室温硬化型でかつ二液付加反応型の液状ジメチルシリコーンゴムとしては、例えば信越化学工業(株)製の品番KE1600、KE1603、KE1606、KE1310ST、KE1300T、KE1314、KE1241、KE106、KE103、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の品番TSE3402、TSE3453、TSE3455T、TSE3457、TSE3466等が挙げられる。
また前記シリコーンゴムは、シリコーンゲルを含有させずに単独で硬化させた際の、温度23±3℃、相対湿度55±5%の環境下で測定される、日本工業規格JIS K6253:2006「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方」において規定されたタイプAデュロメータ硬さがA25/S以上、特にA40/S以上であるのが好ましい。
これにより、多量のシリコーンゲルを含有させても表面層が軟らかくなりすぎて強度が低下したり、印刷時に版や基板に接触させる際の印圧やニップ幅等が大きく変化して印刷性に問題を生じたり、あるいは印刷の精度が低下したりするのを抑制できる。
なお表面層が硬くなりすぎて、版の表面から表面層の表面へのインキの転写性が低下したり、前記表面層の表面の微妙な凹凸の影響が出て印刷形状に乱れを生じたりするのを防止することを考慮すると、シリコーンゴムの、シリコーンゲルを含有させずに単独で硬化させた際のタイプAデュロメータ硬さはA90/S以下、特にA70/S以下であるのが好ましい。
表面層に含有させるシリコーンゲルとは、基本的にシリコーンゴムと同様のポリシロキサン構造を有するものの、架橋反応後の架橋密度がシリコーンゴムよりも小さく、通常のゴム硬度計で測定できない程度の軟らかいゲル状に硬化するものをいう。
前記シリコーンゲルとしては、主鎖を構成するポリシロキサンの種類によって分類されるジメチルシリコーンゲル、メチルフェニルシリコーンゲル等の種々のシリコーンゲルが使用可能であり、中でも前記シリコーンゴムとの相溶性、親和性に優れたシリコーンゲル、特にシリコーンゴムと同系のシリコーンゲルを選択して用いるのが好ましい。例えば表面層を形成するシリコーンゴムがジメチルシリコーンゴムである場合には、ジメチルシリコーンゲルを組み合わせて使用するのが好ましい。
また前記シリコーンゲルとしては、先に説明したセルフレベリング効果によって平滑な表面層を形成することを考慮すると液状のシリコーンゲルが好ましい。
また前記シリコーンゲルとしては、一液型、二液型の種々のシリコーンゲルがいずれも使用可能であるが、シリコーンゴムとして先に説明した二液付加反応型のものを使用する場合、組み合わせるシリコーンゲルとしては、前記シリコーンゴムの硬化反応を阻害するのを防止するために、やはり主剤と硬化剤の2成分からなり、前記両者を付加反応によって硬化させることができる二液付加反応型のシリコーンゲルを用いるのが好ましい。
また前記シリコーンゲルとして、例えば室温硬化型でかつ二液付加反応型のシリコーンゲルを使用する場合には、基材上に塗布液を塗布して表面層を形成する際の作業性を向上することを考慮すると、そのポットライフ、すなわちシリコーンゲルの主剤と硬化剤とを配合してから粘度が上昇を開始するまでの時間が30分間以上であるものを用いるのが好ましい。
前記ポットライフの時間を満足する、室温硬化型でかつ二液付加反応型の液状ジメチルシリコーンゲルとしては、例えば信越化学工業(株)製の品番KE1052、KE1051J、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の品番TSE3062、TSE3070、YE5818、TSE3080、TSE3081等が挙げられる。
またシリコーンゲルとしては加熱硬化型のものを用い、前記加熱硬化型のシリコーンゲルを室温硬化型のシリコーンゴムと併用して、シリコーンゴムの硬化後に、適正な物性を得るために加熱してシリコーンゲルを硬化させるようにしてもよい。
前記加熱硬化型でかつ二液付加反応型の液状ジメチルシリコーンゲルとしては、例えば信越化学工業(株)製の品番KE104、KE1056、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製の品番TSJ3175等が挙げられる。
前記シリコーンゲルの配合割合は、先に説明したようにシリコーンゴム100質量部あたり60質量部以上、150質量部以下の範囲に限定される。
配合割合が前記範囲未満では、前記シリコーンゲルを含有させることによる、溶剤をシリコーンゲルによって吸収させることで、長期間に亘って表面層の表面の濡れ性が上昇するのを抑制して良好な印刷を続ける効果が得られない。
一方、配合割合が前記範囲を超える場合には、表面層が軟らかくなりすぎて強度が低下したり、前記表面層の表面のべたつきが強くなったりする。
そのため、例えば表面層を版や被印刷体としての基板の表面に接触させた後に引き離しにくくなったり、前記接触後の引き離し時に表面層が部分的に剥離したり、あるいは剥離した表面層が版や基板の表面に付着したりしやすくなる。
さらには部分的に剥離した表面層が版や基板の表面に付着することで、前記基板の表面に印刷されるパターンの状態が悪化するといった問題も生じる。
なおシリコーンゲルの配合割合は、吸収できる溶剤量をさらに増加させて、より長期間に亘って表面層の表面の濡れ性が上昇するのを抑制すること等を考慮すると、前記範囲内でも70質量部以上であるのが好ましい。また表面層の強度の低下やべたつきを抑制すること等を考慮すると、前記範囲内でも130質量部以下、特に90質量部以下であるのが好ましい。
表面層の厚みは、特に先に説明したPDPやLCDのパターン等の高い印刷精度が要求される精密印刷用のシリコーンブランケットの場合は0.1mm以上、1mm以下程度であるのが好ましい。
表面層の硬さは、前出のJIS K6253:2006において規定された、温度23±3℃、相対湿度55±5%の環境下で測定されるタイプAデュロメータ硬さで表してA5/S以上、A70/S以下、特にA10/S以上、A50/S以下程度であるのが好ましい。
またシリコーンブランケットの表面状態は、インキパターンが微細になるほどその精度に影響を及ぼすため、できるだけ平坦であることが好ましい。例えば前記精密印刷用のシリコーンブランケットの表面粗さは、日本工業規格JIS B0601:2001「製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ」の付属書1で規定された十点平均粗さRzJIS94で表して0.01μm以上、1μm以下程度であるのが好ましい。
本発明のシリコーンブランケットは、フィルム状またはシート状の基材と、前記基材の片面に形成した前記表面層とを備えているのが好ましい。前記基材を設けることによってシリコーンブランケット全体の強度を維持し、かつ良好な取扱性を確保することができる。
基材としては、種々の樹脂のフィルムまたはシートや、金属の薄板等が挙げられる。このうち樹脂のフィルムまたはシートとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンおよびその共重合物、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリアミド、ポリイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、TPXポリマ、およびポリパラキシレン等の樹脂からなるフィルムまたはシートが挙げられる。
また金属の薄板としては銅またはその合金、アルミニウムまたはその合金、ステンレス鋼、ニッケル等の金属からなる薄板が好ましい。
特に任意の厚み、および表面粗さを有するフィルム状またはシート状に加工しやすい上、寸法安定性に優れたPETのフィルムまたはシートを基材として用いるのが好ましい。
基材の厚みは、前記精密印刷用のシリコーンブランケットの場合は0.01mm以上、0.4mm以下程度であるのが好ましい。
表面層を形成する前の基材の表面には,前記表面層の密着性を高めるために、例えばプラズマ処理、フレーム処理等の前処理を施したり、任意の下地層を形成したりしてもよい。
本発明のシリコーンブランケットは、例えば
(1) 凹版、平版等の版の表面にパターン形成したインキをシリコーンブランケットの表面に転写したのち、被印刷体としての基板の表面に再転写させるオフセット印刷方法、
(2) シリコーンブランケットの表面の全面にインキを塗布したのち凹版と接触させることで、前記凹版の凹部以外の領域と接触したインキを選択的にシリコーンブランケットの表面から除去して前記表面のインキ層をパターン形成したのち、前記基板の表面に転写する反転印刷方法、
(3) シリコーンブランケットの表面に直接にインキパターンを描画したのち、前記基板の表面に転写する印刷方法、
等の種々の印刷方法に用いることができる。
前記各種の印刷方法に用いて連続印刷をする際に、本発明のシリコーンブランケットによれば、インキ中に含まれ、表面層中に含浸される溶剤を、前記表面層中に含有させたシリコーンゲルによって選択的に吸収させることでシリコーンゴムの膨潤を抑制して、前記シリコーンゴムからなる表面層の表面の濡れ性が上昇するのを長期間に亘って抑制できる。そのため印刷途中の溶剤除去の工程を省略して印刷のタクトタイムを短くして、PDP等の製品の生産性を向上することが可能となる。
以下の実施例、比較例のシリコーンブランケットの製造、特性の測定、および試験を、特記した以外は温度23±3℃、相対湿度55±5%の環境下で実施した。
比較例1
室温硬化型で、かつ二液付加反応型の液状ジメチルシリコーンゴム〔単独硬化後のタイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:2006準拠)がA30/Sであるもの、信越化学工業(株)製のKE1606〕の主剤91質量部と、同じく室温硬化型で、かつ二液付加反応型の液状ジメチルシリコーンゲル〔信越化学工業(株)製の品番KE1051J〕の主剤Aと硬化剤Bの合計50質量部(主剤と硬化剤との質量比1:1)とを混合した。
次いで前記混合物に、前記液状ジメチルシリコーンゴムの硬化剤9質量部を加えて混合したのち脱泡して表面層用の塗布液を調製し、前記塗布液を、基材としての厚み0.30mmのPETフィルムの片面にバーコータを用いて塗布したのち室温で24時間静置して硬化させて、厚み0.70mm、PETフィルムの面方向の寸法が縦50cm×横50cmである表面層を形成してシリコーンブランケットを製造した。
前記シリコーンブランケットの表面層における、ジメチルシリコーンゴムの主剤と硬化剤計100質量部あたりのジメチルシリコーンゲルの配合割合は、前記配合量から明らかなように50質量部であった。
〈比較例
液状ジメチルシリコーンゲルを配合しなかったこと以外は比較例1と同様にしてシリコーンブランケットを製造した。
〈実施例1、2、比較例3、4
液状ジメチルシリコーンゲル〔信越化学工業(株)製の品番KE1051J〕の主剤と硬化剤の合計の配合割合を、ジメチルシリコーンゴムの主剤と硬化剤計100質量部あたり30質量部(比較例)、80質量部(実施例)、140質量部(実施例)、および200質量部(比較例)としたこと以外は比較例1と同様にしてシリコーンブランケットを製造した。
〈硬さ測定〉
実施例、比較例で製造したシリコーンブランケットの表面層のタイプAデュロメータ硬さを、前出のJIS K6253:2006の規定に準拠して測定した。
〈印刷特性試験〉
実施例、比較例で製造したシリコーンブランケットを、凹版オフセット印刷機〔ナカン(株)製、300mm×400mm対応の平板型精密印刷機〕のブランケット胴の外周に、表面層を外側にして捲回して固定した。また凹版としては、ガラス板の表面に線幅100μm、ピッチ300μm、深さ8μmの凹部を格子状にパターン形成したものを用いた。
インキとしては、ポリエステル樹脂と、溶剤としてのブチルカルビトールアセテートと、顔料粉末とを3本ロールを用いて混練して調製したものを用いた。
印刷の条件は、凹版の凹部からシリコーンブランケットの表面層の表面へのインキの転写速度を100mm/s、前記表面層の表面から、被印刷体としてのガラス基板の表面へのインキの転写速度を100mm/sに設定して、前記ガラス基板を交換しながら50回の連続印刷をした。
そして50回目の印刷後にシリコーンブランケットの表面層の表面、およびガラス基板の表面に印刷されたパターンを観察して、下記の基準で印刷特性を評価した。
◎:表面層の表面には転写不良によるインキの残留はなく、またガラス基板の表面に印刷されたパターンには線幅の増加は殆ど見られなかった。
×:転写不良によるインキの残留は見られなかったが、パターンの線幅の増加がわずかに観察された。または転写不良によるインキの残留が観察され、線幅の増加も大きかった。
た印刷50回目のガラス基板の表面に印刷されたパターンを観察して、下記の基準で印刷形状の良否を評価した。
◎:パターンに乱れは全く観察されなかった。
○:パターンにわずかな乱れが観察されたが、許容できる範囲内であった。
×:パターンの乱れがひどすぎて、製品として使用できるレベルではなかった。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0005523032
表1より、表面層にシリコーンゲルを含有させなかった比較例、およびシリコーンゲルの配合割合を、シリコーンゴム100質量部あたり60質量部未満とした比較例1、3のシリコーンブランケットは、いずれも印刷を繰り返すことで表面層の表面の濡れ性が大きく上昇して、線幅の増大や転写不良等を生じることが判った。
また、シリコーンゴム100質量部あたり150質量部を超える多量のシリコーンゲルを含有させた比較例のシリコーンブランケットは、表面層が軟らかすぎて印刷の精度が低下することが判った。
これに対し実施例1、2のシリコーンブランケットによれば、いずれも印刷を繰り返した際に表面層の表面の濡れ性が大きく上昇するのを抑制して、線幅の増大や転写不良等の発生を抑制できる上、前記表面層に適度な硬さを付与して良好な印刷の精度を維持できることが判った。
〈実施例3、4、比較例5〜7
液状ジメチルシリコーンゴムとして、単独硬化後のタイプAデュロメータ硬さ(JIS K6253:2006準拠)がA50/Sであるもの〔信越化学工業(株)製のKE1600〕の主剤91質量部と硬化剤9質量部とを用いたこと以外は実施例1、2、比較例1、3、4と同様にしてシリコーンブランケットを製造した。
前記実施例、比較例で製造したシリコーンブランケットについて、先の各試験を行なった。結果を表2に示す。
Figure 0005523032
表2より、シリコーンゴムのタイプAデュロメータ硬さをA40/S以上とした系でも同様の結果が得られることが判った。
すなわちシリコーンゲルの配合割合を、シリコーンゴム100質量部あたり60質量部未満とした比較例5、6のシリコーンブランケットは、印刷を繰り返すことで表面層の表面の濡れ性が大きく上昇して、線幅の増大や転写不良等を生じることが判った。
また、シリコーンゴム100質量部あたり150質量部を超える多量のシリコーンゲルを含有させた比較例のシリコーンブランケットは、表面層が軟らかすぎて印刷の精度が低下することが判った。
これに対し実施例3、4のシリコーンブランケットによれば、いずれも印刷を繰り返した際に表面層の表面の濡れ性が大きく上昇するのを抑制して、線幅の増大や転写不良等の発生を抑制できる上、前記表面層に適度な硬さを付与して良好な印刷の精度を維持できることが判った。
またシリコーンゲルの配合割合を同じにした表1、表2の各実施例、比較例の結果より、シリコーンゴムのタイプAデュロメータ硬さをA40/S以上とすることで、多量のシリコーンゲルを含有させても表面層が軟らかくなりすぎて印刷の精度が低下するのを抑制できることも判った。

Claims (3)

  1. 印刷用のシリコーンブランケットであって、前記印刷用のインキを担持させる表面を構成する、シリコーンゴムからなる表面層を少なくとも備え、前記表面層が、前記シリコーンゴム100質量部あたり60質量部以上、150質量部以下のシリコーンゲルを含むことを特徴とするシリコーンブランケット。
  2. 前記シリコーンゴムは、単独で硬化させた際のタイプAデュロメータ硬さがA40/S以上である請求項1に記載のシリコーンブランケット。
  3. フィルム状またはシート状の基材と、前記基材の片面に形成した前記表面層とを備えている請求項1または2に記載のシリコーンブランケット。
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