JP5523022B2 - モバイル式越水防止装置 - Google Patents

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Description

堤防に運搬・設置され、河川の増水による越水を防止するためのモバイル式越水防止装置に関する。
従来のモバイル式の越水防止装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この越水防止装置は、互いに連結された複数の枠体と、枠体の底部に取り付けられた底シートを有している。
各枠体は、上下方向に延び、互いに対向する2枚の縦フレームと、これらの縦フレームの端部に連結され、上下方向に延び、互いに対向する2枚の横フレームで構成されている。この横フレームは、中央において内側に折曲げ可能になっており、それにより、複数の枠体で構成される越水防止装置全体が、折り畳み自在に構成されている。また、枠体の角部にはそれぞれ、アンカーピンを上下方向に案内するガイド筒が設けられ、縦フレームの上部には、リング状の吊りフックが取り付けられている。底シートは、軟質の不透水性素材で構成され、展開された状態の越水防止装置とほぼ同じ大きさを有し、その一端部が、一方の横フレームの下端部に取り付けられている。
この越水防止装置は、通常、横フレームを内側に折り曲げることにより、コンパクトに折り畳まれた状態で、倉庫に収納されている。一方、大雨などにより河川が増水し、洪水のおそれが生じた場合には、越水防止装置を折り畳んだ状態で堤防まで運搬し、設置する。具体的には、一方の横フレームが河川に対向した状態で、越水防止装置を堤防上に置き、展開し、アンカーピンを枠体のガイド筒に通し、堤防に打ち付け、固定する。その後、バックホウなどを用いて、枠体の内側の底シートの上に、土砂などを投入する。以上により、越水防止装置は、堤防に固定され、河川に対向する横フレームが越水防止板として機能することにより、河川の増水による越水を防止する。
また、大雨などが過ぎ去った後には、越水防止装置が撤去される。具体的には、アンカーピンを抜き取り、クレーン車などを用いて、吊りフックを介して越水防止装置全体を持ち上げ、枠体内の土砂を取り除く。その後、越水防止装置を折り畳み、倉庫に運搬し、収納する。
特開2006−283505号公報
しかし、この従来の越水防止装置は、設置の際、折り畳んだ状態から展開し、複数の枠体の1つ1つをアンカーピンで固定し、さらに枠体へ土砂を投入し、充填するなどの作業が必要であるため、設置作業に時間がかかり、容易に設置することができない。また、そのような長時間の設置作業を、大雨などの危険を伴う状況において行わなければならない。また、撤去の際にも、上記と逆の作業が必要であるため、撤去作業に時間がかかり、容易に撤去することができない。
また、越水防止装置の設置の際には、土砂の投入のためにバックホウを用い、撤去の際には、土砂の除去のためにクレーン車などの重機を用いることが必要があり、作業が大がかりになり、コストが増大する。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、構成が単純で、短時間で容易に設置・撤去できるとともに、河川の増水時に、その水力を利用して止水高さを拡大し、それにより越水防止機能を効果的に発揮させることができるモバイル式越水防止装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、堤防に運搬・設置され、河川の増水による越水を防止するためのモバイル式越水防止装置であって、堤防に設けられるボックス状の堤防ユニットで構成され、堤防ユニットは、堤防に固定され、水平に延びる下壁、下壁の河川と反対側の後端部から上方に延びる後壁、ならびに下壁および後壁の左右の端部を覆うように上方に延びる2つの側壁を一体に有する固定部と、前壁、および前壁の上端部から直角に後方に延びる上壁を一体に有し、前壁と上壁との角部において、側壁の前側の上端部に回動自在に取り付けられ、常時には、固定部とともにボックスを形成し、河川の増水時に、河川の水圧で前壁が押圧されることによって、上方に回動する可動部と、を備えていることを特徴とする。
このモバイル式越水防止装置は、堤防ユニットで構成されている。この堤防ユニットは、下壁、後壁および2つの側壁から成る固定部と、前壁および上壁から成り、固定部に回動自在に取り付けられた可動部とから構成されたボックス状のものである。以上の構成の堤防ユニットは、堤防に運搬され、ボックスの状態で設置される。
一方、河川の増水時に、上昇した水位が可動部の前壁に達すると、その水圧で前壁が押圧されることによって、可動部が上方に回動し、それに伴い、前壁が後方に開くとともに、上壁が次第に立ち上がる。このときの可動部の位置(角度)は、河川の水位に応じて定まる。この可動部の回動に伴い、河川の水が、前壁と下壁の間から堤防ユニット内に浸入する。浸入した水は、下壁および後壁などの4つの壁で構成される固定部内に保持され、越水が防止される。
水位がさらに上昇し、固定部を越えると、その時点ですでに立ち上がっている上壁によって止水され、越水が防止される。すなわち、上壁が越水防止板として機能する。また、水位がさらに上昇すると、河川の水が、上壁を越え、水平に近い状態になっている前壁に落下する。このように、前壁が水叩きとして機能することによって、越水による堤防の浸食が防止される。
以上のように、本発明のモバイル式越水防止装置は、基本的に、6枚の壁から成るボックス状の堤防ユニットで構成されているため、従来と比較して、部品点数が少なく、構成が単純である。また、あらかじめ組み立てたボックス状の堤防ユニットを、その状態で堤防まで運搬し、単純に設置するだけでよく、従来と異なり、重機などを用いる必要がないので、モバイル式越水防止装置を短時間で容易に設置・撤去することができ、そのコストを削減することができる。
さらに、河川の増水時に、越水防止板として機能する可動部の上壁の立ち上げを、河川の水力を利用して行い、そのための人的または機械的な作業はまったく不要であるので、越水防止機能を効果的に発揮させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のモバイル式越水防止装置において、上壁が鉛直に立ち上がった位置まで可動部が回動したときに、可動部のそれ以上の回動を阻止するストッパをさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、河川の増水時、上壁が鉛直に立ち上がった位置(以下「最大高さ位置」という)まで可動部が回動したときに、可動部のそれ以上の回動がストッパによって阻止される。これにより、水位のさらなる上昇に伴い、可動部が最大高さ位置から河川側にさらに回動することで、上壁が逆に低くなるのを防止でき、したがって、上壁の越水防止機能を最大限に発揮させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のモバイル式越水防止装置において、ストッパは、固定部の後壁および2つの側壁の上端部に、それらの内縁部に沿って連続的に設けられ、前壁が水密状態で当接するように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、可動部が最大高さ位置まで回動したときに、その前壁がストッパに水密状態で当接する。このため、固定部に浸入した水が、前壁とストッパの間の隙間から外部に漏れ出るのを防止でき、それにより、越水をより確実に防止することができる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のモバイル式越水防止装置において、前壁の前面に設けられ、河川の水圧を前壁に伝達する水圧伝達手段をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、前壁は、水位の上昇に伴い、可動部が最大高さ位置付近まで回動した場合において、固定部内の水位と上壁側の水位との差が小さく、前壁に作用する水圧が小さいときにも、前壁の前面に設けられた水圧伝達手段により水圧が前壁に伝達されることによって、前壁がストッパに押し付けられる。その結果、前壁とストッパとの水密性を十分に確保することができ、請求項3による作用をより確実に得ることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のモバイル式越水防止装置において、可動部の上方への回動を許容し、下方への回動を阻止する回動規制手段をさらに備えることを特徴とする。
この構成によれば、回動規制手段により、可動部の上方への回動が許容され、下方への回動が阻止される。このため、可動部は、上昇した水位に応じた位置まで回動すると、その後、水位が低下しても、下方に回動することなく、その位置に保持され、それにより、堤防ユニットの越水防止機能を確実に発揮させることができる。
また、可動部は、前壁と上壁との角部において、固定部の側壁の前側上端部に回動自在に取り付けられているため、可動部の重心がこの前側上端部の真下に位置した状態、すなわち前壁が河川側に開いた状態で静止する。このように前壁が開いた状態で設置されると、水位の上昇に伴い、可動部が河川側に回動するおそれがある。本発明によれば、回動規制手段により、河川側への可動部の回動が阻止されるため、開き状態の可動部を回動させ、閉じ状態に調整するだけで、可動部を閉じ状態に容易に保持し、設置することができる。
また、大雨が止み、河川の水位が低下した後にも、可動部は、増水時に回動した位置に保持されるので、その位置(角度)は、堤防ユニットの設置場所における概略の水位を表す。したがって、この可動部の位置を測定し、増水時の水位データとして役立てることができる。
本発明の実施形態によるモバイル式越水防止装置を、堤防上に設置した状態で示す斜視図である。 モバイル式越水防止装置の堤防ユニットを模式的に示す斜視図である。 可動部が(a)通常位置および(b)最大高さ位置にあるときのストッパとの当接状態を示す部分拡大斜視図である。 河川の水位に応じたモバイル式越水防止装置の動作を説明するための図である。 (a)接合パネルの斜視図、および(b)2つの上壁の間に接合された接合パネルを示す斜視図である。 堤防へのモバイル式越水防止装置の異なる2つの設置例を模式的に示す図である。 変形例による堤防ユニットを模式的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、実施形態によるモバイル式越水防止装置(以下、単に「越水防止装置」という)1を、堤防2に設置した状態を示している。なお、以下の説明では、越水防止装置1を河川3側から見た場合の手前側を「前」、奥側を「後」とし、さらに左側および右側をそれぞれ「左」および「右」として、説明を行うものとする。
図1に示すように、越水防止装置1は、堤防2の河川3側の法肩付近の上面に載置されており、堤防2の長さ方向に沿って並設されたボックス状の複数の堤防ユニット4と、隣接する各2つの堤防ユニット4,4を接合する接合パネル5で構成されている。
図2に示すように、各堤防ユニット4は、6つのパネルを組み合わせたボックス状のものであり、例えば、その幅Wは150cmであり、高さHおよび奥行きDは、互いにほぼ等しく、50〜100cmである。また、堤防ユニット4は、固定部6と、固定部6に取り付けられた可動部7を備えている。
固定部6は、上記の6つのパネルのうち、下壁8、後壁9および2つの側壁10,10を一体に組み立てたものである。これらの材質は、必要な強度、剛性および水密性などを有する任意のものを採用することが可能であり、本実施形態ではFRP(Fiber reinforced plastics) と樹脂モルタルとの複合板で構成されている。下壁8は水平に延び、後壁9は、下壁8の後端部から上方に直角に延び、側壁10,10は、下壁8および後壁9の左右の端部を覆うように上方に直角に延びている。
図3に示すように、後壁9および側壁10,10(左側壁のみ図示)の内側面の上端部には、ストッパ11がそれぞれ取り付けられている。これらのストッパ11は、断面が矩形のものであり、後壁9および側壁10,10の全体にわたって連続的に水平に延びている。また、ストッパ11の下面の全体には、ゴムなどの水密性を有する漏水防止シート12が取り付けられている。
一方、可動部7は、前壁13、およびその上端部から後方直角に延びる上壁14を一体に組み立てたものである。これらの材質は、必要な強度、剛性および水密性などを有する任意のものを採用することが可能であり、本実施形態ではFRPで構成されている。また、可動部7は、前壁13と上壁14との角部において、回動軸15を介して側壁10,10の上前側の角部に、水平軸線回りに回動自在に取り付けられている。以上の構成により、可動部7は、前壁13が鉛直に延び、上壁14が水平に延びる図4(a)に示す位置(以下「通常位置」という)に位置するときに、固定部6とともにボックスを形成し、河川3の増水時に、水圧で前壁13が押圧されることによって、上方(図4の時計方向)に回動する。
また、図3に示すように、上壁14の下面および前壁13の背面にはそれぞれ切欠14a,13aが形成されている。これらの切欠14a,13aは、固定部6のストッパ11に対応する大きさを有し、連続的に延びている。可動部7が通常位置に位置するときには、上壁14が切欠14aの部分でストッパ11に当接し(図3(a))、可動部7が最大高さ位置に位置するときには、前壁13が切欠13aの部分でストッパ11に当接している(図3(b))。
また、回動軸15付近には、ラチェット機構16が設けられている(図4参照)。ラチェット機構16は、可動部7側に設けられた爪(図示せず)と、固定部6側に設けられたラック(図示せず)を有しており、ラックが爪に係合することにより、可動部7の上方への回動を許容し、下方への回動を阻止する。
また、前壁13の前面には、その全体にわたってエアシート17が取り付けられている(図4参照)。エアシート17は、河川3の水圧を前壁13に伝達するために設けられており、ポリエチレンのシートに空気を封入した多数の空気室17aを点在するように形成したものである。
可動部7,7の上壁14,14を接合するための接合パネル5は、ゴムなどの水密性および弾性を有する材料で構成されている。図5に示すように、接合パネル5は、上壁14と同じ長さを有し、左右の両側面にはそれぞれ、接合溝5a,5aが形成されている。
次に、図4を参照しながら、上記の構成の越水防止装置1の動作を説明する。堤防ユニット4は、あらかじめボックス状に組み立てられた状態で堤防2に運搬され、同図(a)に示すように設置される。具体的には、複数の堤防ユニット4を、前壁13が河川3に対向した状態で、堤防2に沿って並ぶように配置するとともに、各堤防ユニット4の固定部6を固定することによって設置する。
次に、可動部6を上方に回動させ、互いに隣接する各2つの上壁14,14に、接合パネル5を接合溝5a,5aを介して後方から差し込み、スライドさせることによって、取り付ける(図5(b)参照)。接合パネル5が弾性を有するため、堤防2が湾曲している場合にも、上壁14,14の間の角度関係に応じて接合パネル5が変形することにより、上壁14,14の間の水密性を良好に保つことができる。
次に、ラチェット機構16の爪とラックの係合状態を解除し、可動部7を下方に回動させ、上壁14をストッパ11に当接させることによって、可動部7を通常位置にセットする(図3(a)の状態)。次に、ラチェット機構16の爪とラックを係合状態に戻し、越水防止装置1の設置作業を完了する。
この状態から、河川3の増水により、水位が上昇し、前壁13に達すると、その水圧で前壁13が押圧されることによって、可動部7が回動軸15を中心として通常位置から上方に回動し、それに伴い、前壁13が後方に開くとともに、上壁14が次第に立ち上がる(図4(b)参照)。このときの可動部7の位置(角度)は、河川3の水位に応じて定まる。この可動部7の回動に伴い、河川3の水が、前壁13と下壁8の間から堤防ユニット4内に浸入する。浸入した水は固定部6内に保持され、越水が防止される。
その後、水位がさらに上昇するのに伴い、可動部7が最大高さ位置まで回動すると、前壁13がストッパ11に当接することによって(図3(b)および図4(c)の状態)、可動部7のそれ以上の回動が阻止される。それにより、可動部7が最大高さ位置から河川3側にさらに回動し、上壁14が逆に低くなるのを防止できる。また、ラチェット機構16により、可動部7の下方への回動も阻止されるため、可動部7は最大高さ位置に保持される。
また、前壁13がストッパ11に当接する直前において、河川3の水圧がエアシート17の空気室17a内の空気を介して前壁13に伝達されることによって、前壁13がストッパ11に押し付けられる。また、前壁13が、漏水防止シート12を介してストッパ11に水密状態で当接するため、前壁13とストッパ11との水密性が十分に確保される。その結果、固定部6に浸入した水が、前壁13とストッパ11の間の隙間から外部に漏れ出るのを防止でき、越水をより確実に防止することができる。
その後、図4(d)に示すように、水位がさらに上昇し、固定部6を越え、上壁14に達すると、鉛直に立ち上がった状態の上壁14によって止水が行われ、越水が防止される。この場合、互いに隣接する上壁14,14の間が、接合パネル5によって水密状態に接合されているため、河川3の水が上壁14,14の間から堤防2側に浸入するのを防止することができる。また、上述したように、可動部7は、一旦、最大高さ位置まで回動した後には、その位置に保持されるため、上壁14の越水防止機能を最大限に発揮させることができる。
その後、図4(e)に示すように、水位がさらに上昇すると、河川3の水が、上壁14を越え、水平になっている前壁13に落下する。このように、前壁13が水叩きとして機能することによって、越水による堤防2の浸食が防止される。
また、図4(f)に示すように、その後、河川3の水位が低下しても、可動部7は、ラチェット機構16により、増水時に回動した位置に保持されるので、その可動部7の位置は、堤防ユニット4の設置場所における概略の水位を表す。したがって、可動部7の位置を測定し、増水時の水位データとして役立てることができる。
以上のように、本実施形態の越水防止装置1は、基本的に、6枚の壁から成るボックス状の堤防ユニット4で構成されているため、従来と比較して、部品点数が少なく、構成が単純である。また、あらかじめ組み立てたボックス状の堤防ユニット4を、その状態で堤防2まで運搬し、単純に設置するだけでよく、従来と異なり、重機などを用いる必要がないので、モバイル式越水防止装置1を短時間で容易に設置・撤去することができ、そのコストを削減することができる。
さらに、河川3の増水時に、越水防止板として機能する上壁14の立ち上げを、水力を利用して行い、そのための人的または機械的な作業はまったく不要であるので、越水防止機能を効果的に発揮させることができる。
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。実施形態では、越水防止装置1を堤防2に常時、設置するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、大雨による河川3の増水が予想されるときに、越水防止装置1を堤防2に運搬し、設置するようにしてもよい。
また、実施形態では、堤防ユニット4を堤防2の法肩付近の上面に載置しているが、図6に示すように、堤防2の法肩付近を掘削するとともに、掘削した部分に堤防ユニット4の一部または全体を埋設するように設置してもよい。さらに、図7に示すように、可動部7を補強するために、その前壁13と上壁14を連結するすじかい状の補強部材18を取り付けてもよい。
また、実施形態では、可動部7を最大高さ位置に保持するために、ストッパ11およびラチェット機構16を用いているが、これらに代えて、可動部7が最大高さ位置まで回動したときに、可動部7をロックするロック機構を採用してもよい。このロック機構は、例えば、可動部7の所定の位置に形成された凹部と、固定部6側に設けられ、可動部7が最大高さ位置まで回動したときに、凹部に抜止め状態で係合するピンによって構成することが可能である。
また、実施形態では、水圧を前壁13に伝達する水圧伝達手段として、エアシート17を用いているが、これに限らず、他の適当な手段を採用してもよい。その他、本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更することが可能である。
1 モバイル式越水防止装置
2 堤防
3 河川
4 堤防ユニット
5 接合パネル(接合部材)
6 固定部
7 可動部
8 下壁
9 後壁
10 側壁
11 ストッパ
13 前壁
14 上壁
16 ラチェット機構(回動規制手段)
17 エアシート(水圧伝達手段)

Claims (5)

  1. 堤防に運搬・設置され、河川の増水による越水を防止するためのモバイル式越水防止装置であって、
    前記堤防に設けられるボックス状の堤防ユニットで構成され、
    当該堤防ユニットは、前記堤防に固定され、水平に延びる下壁、当該下壁の前記河川と反対側の後端部から上方に延びる後壁、ならびに前記下壁および後壁の左右の端部を覆うように上方に延びる2つの側壁を一体に有する固定部と、
    前壁、および当該前壁の上端部から直角に後方に延びる上壁を一体に有し、前記前壁と前記上壁との角部において、前記側壁の前側の上端部に回動自在に取り付けられ、常時には、前記固定部とともにボックスを形成し、前記河川の増水時に、当該河川の水圧で前記前壁が押圧されることによって、上方に回動する可動部と、
    を備えていることを特徴とするモバイル式越水防止装置。
  2. 前記上壁が鉛直に立ち上がった位置まで前記可動部が回動したときに、当該可動部のそれ以上の回動を阻止するストッパをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のモバイル式越水防止装置。
  3. 前記ストッパは、前記固定部の前記後壁および前記2つの側壁の上端部に、それらの内縁部に沿って連続的に設けられ、前記前壁が水密状態で当接するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のモバイル式越水防止装置。
  4. 前記前壁の前面に設けられ、前記河川の水圧を前記前壁に伝達する水圧伝達手段をさらに備えることを特徴とする、請求項3に記載のモバイル式越水防止装置。
  5. 前記可動部の上方への回動を許容し、下方への回動を阻止する回動規制手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のモバイル式越水防止装置。
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