JP5521452B2 - 船外機のフライホイールカバー取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、略鉛直方向に配置されたクランクシャフトの上端部に結合されるフライホイールを覆うフライホイールカバーを、エンジンの上面に取り付ける船外機のフライホイールカバー取付構造に関する。
船外機のエンジンでは、クランクシャフトが略鉛直方向に配置され、このクランクシャフトの上端部にフライホイールが回転一体に結合されている。また、特許文献1に記載のように、エンジンの上面にはフライホイールに隣接して、船外機を懸吊するために用いられるエンジンフックが固着されている。
上述のような特許文献1に記載のエンジンでは、フライホイールを含めたエンジンの上面全体がフライホイールカバー(スタータカバー)によって覆われている。エンジンフックは、このフライホイールカバーに形成された開口を貫通して上方に延びる。
特開平8−99698号公報
ところで、エンジンの上面には、燃料ホースやブリーザホースなどの配管やハーネス類が多数本配設されている。フライホイールカバーがエンジンの上面全体を覆わず、フライホイール付近のみを覆う構成とした場合には、このフライホイールカバーの周囲を固定する取付ボルトが、エンジン上面上の上述の配管やハーネスと干渉してしまう恐れがある。
また、エンジンフックが、船外機の重心の延長線上またはその付近に1個設置される場合で、上述のようにフライホイールカバーがフライホイール付近のみを覆う構成である場合には、エンジンフックはフライホイールカバーに接近することになるが、このカバーを切り欠くことはできない。そのため、エンジンフックは、フライホイールカバーを避けて配置される必要があり、この結果、エンジンフックを船外機の懸吊のための適切な位置に設置することができなくなる恐れがある。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、エンジンの上面に配設された配管やハーネス等との干渉を防ぎつつ、フライホイールカバーをエンジンの上面に取り付けることができ、且つエンジンの上面に固着されるエンジンフックを適切な位置に設置できる船外機のフライホイールカバー取付構造を提供することにある。
本発明は、クランクシャフトが略鉛直方向に配置された船外機のエンジンには、前記クランクシャフトの上端部にフライホイールが回転一体に結合され、このフライホイールを覆うフライホイールカバーが前記エンジンの上面に取り付けられる船外機のフライホイールカバー取付構造において、前記エンジンの前記上面には、前記船外機を懸吊するためのエンジンフックが固着され、前記フライホイールカバーは、少なくとも一箇所が前記エンジンの前記上面にボルト固定され、他の部分が、前記エンジンフックに設けられた係止部に、前記フライホイールカバーに設けられた突起部を着脱可能に係止して取り付けられるとともに、前記エンジンフックの係止部と、この係止部に係止される前記フライホイールカバーの突起部との間に弾性部材が介在されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、フライホイールカバーは、少なくとも一箇所がエンジンの上面にボルト固定され、他の部分がエンジンフックの係止部に着脱可能に係止して取り付けられる。このため、フライホイールカバーの着脱を容易化できると共に、フライホイールカバーのボルト固定箇所が削減されるので、エンジンの上面に配設される配管やハーネスと前記ボルト固定箇所との干渉を防止でき、配管等のレイアウトの自由度を高めることができる。また、エンジンフックがフライホイールカバーの近傍に設置されることになるので、このエンジンフックを船外機の懸吊のために適切な位置に設置できる。
本発明に係る船外機のフライホイールカバー取付構造における第1の実施の形態が適用された船外機を示す右側面図。 図1のエンジン等を示す右側面図。 図2のIII矢視図。 図1のエンジン等を示す左側面図。 図4のエンジンの後方部分を拡大して示す部分左側面図。 図1のエンジン等を示す平面図。 図4及び図6に示すフライホイールカバー及びエンジンフックを示す斜視図。 図7のフライホイールカバーとエンジンフックとの組付け状態を示す斜視図。 本発明に係る船外機のフライホイールカバー取付構造における第2の実施の形態が適用された船外機のエンジン等を示す、図6に対応する平面図。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図8)
図1は、本発明に係る船外機のフライホイールカバー取付構造における第1の実施の形態が適用された船外機を示す右側面図である。
図1に示すように、船外機10は、搭載されたエンジン14の駆動力によりプロペラ15を駆動して、船外機前方または船外機後方への推進力を発生する船外機本体11と、この船外機本体11を支持して船体16のトランサム16Aに取り付ける取付手段としての取付ブラケット装置12と、船外機本体11と取付ブラケット装置12との間に配設され、アッパマウントユニット17及びロアマウントユニット18を備えてなるマウント装置13と、を有して構成される。
船外機本体11は、エンジンホルダ20を備え、このエンジンホルダ20にエンジン14が搭載される。エンジンホルダ20の下方にはオイルパン21が配置され、このオイルパン21の下部にドライブシャフトハウジング22が、このドライブシャフトハウジング22の下部にギアケース23がそれぞれ設置される。そして、エンジン14、エンジンホルダ20及びオイルパン21がエンジンカバー24により覆われる。
このエンジン14は、船外機前方から船外機後方へ向かってクランクケース25、シリンダブロック26、シリンダヘッド27、ヘッドカバー32が順次配置されてなる。シリンダブロック26に、ピストン(不図示)が往復運動するシリンダ19A、19B、19C(図2)が略水平方向に形成されると共に、クランクケース25とシリンダブロック26との間にクランクシャフト28が略鉛直垂直方向に配置される。エンジン14は、このようにシリンダ19A、19B、19Cが略水平方向に、クランクシャフト28が略鉛直方向に配置されて、縦置き型に構成される。
エンジン14のクランクシャフト28の下端部にドライブシャフト29が同一直線状に連結、例えばスプライン連結される。このドライブシャフト29は、エンジンホルダ20、オイルパン21、ドライブシャフトハウジング22及びギアケース23内を略鉛直方向に延び、ギアケース23内のベベルギア30を介してプロペラシャフト31に連結される。これにより、エンジン14の駆動力(即ちクランクシャフト28の回転力)がドライブシャフト29、ベベルギア30及びプロペラシャフト31を介して、このプロペラシャフト31に結合されたプロペラ15へ伝達される。
前記取付ブラケット装置12は、クランプブラケット35、スイベルブラケット36、パイロットシャフト(ステアリングシャフト)37、アッパマウントブラケット38及びロアマウントブラケット39を備えてなる。上記クランプブラケット35は、船体16のトランサム16Aを把持可能に設けられる。また、上記スイベルブラケット36は、クランプブラケット35にスイベルシャフト40を介して上下方向に回動可能に支持される。
パイロットシャフト37は、スイベルブラケット36に鉛直方向に延設されて回動可能に設けられる。このパイロットシャフト37の上端に、ステアリングブラケット41の基端部を兼ねる前記アッパマウントブラケット38が、またパイロットシャフト37の下端に前記ロアマウントブラケット39がそれぞれ回転一体に結合される。アッパマウントブラケット38に前記アッパマウントユニット17を介して、またロアマウントブラケット39に前記ロアマウントユニット18を介して船外機本体11が取り付けられる。
これにより、船外機本体11は、パイロットシャフト37を中心にクランプブラケット35及びスイベルブラケット36に対して左右方向に回動可能に枢支され、且つ、スイベルブラケット36と共に、スイベルシャフト40を中心にクランプブラケット35に対して上下方向に回動(チルト動作、トリム動作)可能に枢支される。
図2に示すように、エンジン14は、シリンダブロック26に、水平方向に延びる複数個(例えば3個)のシリンダ19A、19B、19Cが鉛直方向に配列された水冷式4サイクル3気筒エンジンである。図3に示すように、このエンジン14のヘッドカバー32の頂面32A(即ちエンジン14の後面)には、気筒毎にイグニッションコイル(ダイレクトイグニッションコイル)42A、42B、42Cが設置されている。また、このエンジン14の動弁機構はダイレクトオーバーヘッドカムシャフト(DOHC)型式であり、図3において左側に吸気カム(不図示)を備える吸気カムシャフト43が、右側に排気カム(不図示)を備える排気カムシャフト44が、ヘッドカバー32内に軸支されている。
このエンジン14の周囲には、図2に示す右側面(排気カムシャフト44側側面)に電装品45及び排気装置46がそれぞれ集約して配置され、図4に示す左側面(吸気カムシャフト43側側面)に吸気装置47が集約して配置される。エンジン14の右側面から後面(ヘッドカバー32の頂面32A)を経て左側面に至る範囲に燃料供給系48が配置される。
図2に示す排気装置46は、シリンダブロック26の右側面(排気カムシャフト44側側面)を覆うエキゾーストカバー49を備えてなる。このエキゾーストカバー49は、シリンダヘッド27の図示しない排気ポートに連通してシリンダブロック26に形成された排気通路(不図示)を覆って排気マニホールドを構成する。この排気マニホールドに導かれた排気は、エンジンホルダ20、オイルパン21、ドライブシャフトハウジング22にそれぞれ形成された排気通路(不図示)を経て、主に、図1に示すギアケース23におけるプロペラシャフト31周囲の排気通路から水中に排出される。
ここで、エンジン14は水冷式エンジンであり、ギアケース23に設けられた取水口50から取り込まれた冷却水、例えば海水を用いる。エンジン14が作動すると、冷却水は、ドライブシャフト29にて駆動されるモータポンプ51によって取水口50から取り込まれ、エンジンホルダ20内のウォータジャケット(不図示)を経てエンジン14の各部へ供給される。エンジン14の各部を冷却した冷却水は、図2及び図3に示す冷却水リターンホース52を経てエンジンホルダ20内へ至り、ドライブシャフトハウジング22内で一部の排気と混合されて機外へ排水される。
前記吸気装置47は、図4に示すように、サイレンサ53、スロットルボディ54、インテークマニホールド55が順次接続して構成される。インテークマニホールド55は、スロットルボディ54に接続されるサージタンク部56と、このサージタンク部56に連通し、且つシリンダヘッド27の各気筒における吸気ポート(不図示)に接続されるインテークパイプ部57とが一体成形されてなる。シリンダヘッド27には、各気筒毎に燃料インジェクタ62(後述)が設置される。この燃料インジェクタ62は、サイレンサ53、スロットルボディ54及びインテークマニホールド55を経て各吸気ポートへ供給された空気に燃料を噴射して各気筒の燃焼室(不図示)へ導く。
前記燃料供給系48は、図2〜図4に示すように、エンジン14の周囲に設置された燃料フィルタ58、燃料ポンプ59、ベーパセパレータ60、デリバリーパイプ61及び燃料インジェクタ62を有し、これらの各部品が燃料配管としての燃料ホース63にて接続されて構成される。
図2に示す燃料フィルタ58は、船体16に設置された図示しない燃料タンクに第1燃料ホース63Aを用いて接続される。図3に示すように燃料フィルタ58と燃料ポンプ59とは第2燃料ホース63Bにて、また図4に示すように燃料ポンプ59とベーパセパレータ60とは第3燃料ホース63Cにて、またベーパセパレータ60とデリバリーパイプ61とは第4燃料ホース63Dにて、それぞれ接続される。
前記燃料フィルタ58及び前記燃料ポンプ59は、図3に示すように、ヘッドカバー32の頂面32Aにおける下部(即ちエンジンホルダ20側部分)に設置される。つまり、このヘッドカバー32の頂面32Aは、上部(即ちエンジンホルダ20の反対側部分)が船外機後方へ膨出してブリーザ室64として形成される。このブリーザ室64内に、クランクケース25内のブローバイガスが導入されて気液分離がなされる。ヘッドカバー32の頂面32Aにおける下部は、上部よりも船外機前方側へ窪み、上部よりも低い位置に設けられる。このヘッドカバー32の頂面32における下部に、燃料フィルタ58及び燃料ポンプ59が設置される。
このうち、燃料ポンプ59は、エンジン14の一側面側としての左側面側(即ち吸気カムシャフト43側)に、また燃料フィルタ58は、エンジン14の他側面側としての右側面側(即ち排気カムシャフト44側)にそれぞれ設置される。これらの燃料フィルタ58と燃料ポンプ59は、気筒毎に設置された複数個、例えば3個のイグションコイル42A、42B、42Cを挟んで、その両側に配置される。
図4に示すように、エンジン14の左側面(吸気カムシャフト43側側面)とインテークマニホールド55との間には空間が形成され、この空間に前記ベーパセパレータ60が設置される。このベーパセパレータ60は、周囲の熱によって液体燃料(例えばガソリン)から発生する燃料蒸気を分離し、この燃料蒸気のみを大気中へ放出可能とするものである。
前記デリバリーパイプ61は、シリンダヘッド27の外側に、クランクシャフト28(図1)と平行して直線状に設けられ、シリンダヘッド27に気筒毎に設置された複数個(例えば3個)の燃料インジェクタ62に連通する。デリバリーパイプ61は、ベーパセパレータ60から供給された燃料を分配して複数の燃料インジェクタ62へ導く。
ところで、図3に示すように、燃料フィルタ58と燃料ポンプ59とを接続する前記第2燃料ホース63Bは、ヘッドカバー32の頂面32A上において、複数の気筒の配列方向(即ちエンジン14の上下方向)に対し略直交して直線状に延設される。
つまり、第2燃料ホース63Bは、ヘッドカバー32の頂面32Aにおける下部に設置された、隣接するイグニッションコイル42B、42C間に直線状に配設される。これにより、第2燃料ホース63Bは、図5に示すように、船外機10の前後方向においてイグニッションコイル42B、42Cと略同一位置に設定され、イグニッションコイル42B、42Cから船外機後方へ突出しないよう設けられる。
燃料ホース63Bを上述のように、隣接するイグニッションコイル42B、42C間に配設させるために、燃料フィルタ58のユニオン58Aと、燃料ポンプ59のユニオン59Aとは、隣接するイグニッションコイル42B、42C間の方向を向き、且つ互いに対向して配置される。第2燃料ホース63Bの一端部が燃料フィルタ58のユニオン58Aに、他端部が燃料ポンプ59のユニオン59Aにそれぞれ接合されることで、第2燃料ホース63Bは燃料フィルタ58と燃料ポンプ59とを接続する。
また、第2燃料ホース63Bが配設される隣接するイグニッションコイル42B及び42Cは、これらのコネクタ取付部65が第2燃料ホース63Bから離反するように、エンジン14の上下方向において互いに逆向きに配置される。これにより、イグニッションコイル42B及び42Cのそれぞれのコネクタ取付部65に装着されるコネクタ(不図示)が、第2燃料ホース63Bと干渉することが防止される。
図2に示すように、船体16内の燃料タンクと燃料フィルタ58とを接続する第1燃料ホース63Aは、シリンダヘッド27の右側方において、冷却水リターンホース52と交差する。例えばC字形状の一対のコネクタの背面同士が接合されてなるコネクタユニット66を用い、このコネクタユニット66の一方のコネクタに第1燃料ホース63Aを嵌合させ、他方のコネクタに冷却水リターンホース52を嵌合させることで、第1燃料ホース63Aが冷却水リターンホース52に保持される。
さて、図4に示すように、クランクシャフト28の上端部には、伏せた椀形状のフライホイール67が回転一体に結合されている。このフライホイール67の外周には、大径のリングギア68が鍔状に固着され、フライホイール67の内周に複数個の永久磁石69が固着されている。また、クランクケース25及びシリンダブロック26の上面は、フライホイール67内に位置してステータ70が固定されている。フライホイール67の永久磁石69とステータ70とにより、発電機として機能するフライホイールマグネット装置71が構成される。
図6に示すように、エンジン14の上部には、吸気装置47のサイレンサ53に隣接して、エンジン始動用のスタータモータ72が設置される。このスタータモータ72のモータ軸端に小径のピニオンギア73が設けられる。このピニオンギア73は、フライホイール67のリングギア68側へ突出して、このリングギア68と噛み合い可能に設けられる。スタータモータ72を始動させることにより、ピニオンギア73がリングギア68側へ突出してこのリングギア68に噛み合い、スタータモータ72の動力がクランクシャフト28へ伝達されてエンジン14が始動する。
また、エンジン14の上面に、船外機10またはエンジン14を懸吊するためのエンジンフック74が、取付ボルト75を用いて固着される。このエンジンフック74は、船外機10の重心を通る延長線上またはその付近、本実施の形態ではフライホイール67における船外機後方で、且つ後述のフライホイールカバー77の近傍において、シリンダブロック26の上面に1個設置される。船外機10またはエンジン14を引き上げる際には、エンジンカバー24(図1)を外して、図4に示すようにエンジンフック74を露出させ、このエンジンフック74に吊上げフック76を引っ掛けることにより実施する。
図6に示すように、上述のフライホイール67、リングギア68、スタータモータ72及びピニオンギア73は、エンジン14の上面に取り付けられたフライホイールカバー77によって覆われる。このフライホイールカバー77は少なくとも1箇所、本実施の形態では、フライホイール77の周囲の3箇所(被取付部85A、85B、85C)が取付ボルト78A、78B及び78Cを用いてエンジン14の上面に固定され、他の1箇所(突起部82)が、図7及び図8に示すように、エンジンフック74に形成された係止部としての凹部80に、弾性部材としての例えばグロメット81を介して着脱可能に係止される。
つまり、取付ボルト78Aは、図4に示すように、フライホイールカバー77の被取付部85Aを貫通し、クランクケース25に形成されたボス79Aに螺合することにより、また取付ボルト78Bは、図2に示すように、フライホイールカバー77の被取付部85Bを貫通し、クランクケース25に形成されたボス79Bに螺合することにより、更に取付ボルト78Cは、図2に示すように、フライホイールカバー77の被取付部85Cを貫通し、シリンダブロック26に形成されたボス79Cに螺合することにより、それぞれフライホイールカバー77をクランクケース25及びシリンダブロック26にボルト固定する。これらの取付ボルト78A、78B、78Cによりフライホイールカバー77がクランクケース25及びシリンダブロック26の上面に固定される固定方向は、クランクシャフト28の軸方向に平行な方向である。
また、フライホイールカバー77には、図7及び図8に示すように、エンジンフック74の凹部80に、グロメット81を介在させることで係止される突起部82が形成されている。つまり、この突起部82にグロメット81が挿通され、このグロメット81がエンジンフック74の凹部80に係止されることで、フライホイールカバー77の突起部82は、グロメット81を介してエンジンフック74の凹部80に係止されて位置規制される。この位置規制の方向は、クランクシャフト28の軸方向に直交する方向、即ちシリンダブロック26のシリンダ19A、19B、19C(図2)の軸方向に平行な方向である。これにより、シリンダ19A、19B、19C内をピストン(不図示)が往復運動することに伴う振動がフライホイールカバー77に作用しても、この振動に起因するフライホイールカバー77の変位が低減される。
図6に示すように、フライホイールカバー77の突起部82の軸長としての軸方向長さL1は、グロメット81の軸長としての軸方向長さ(即ちグロメット81が突起部82に挿通される方向に沿う長さ)L2よりも大きく形成される。これにより、エンジンフック74の凹部80やフライホイールカバー77の突起部82の位置が、突起部82の軸方向にずれた場合にも、グロメット81の組付けが確実になされる。
図7に示すように、エンジンフック74の凹部80とフライホイールカバー77の突起部82との係止位置(つまり突起部82の位置)は、エンジンフック74が取付ボルト75によりシリンダブロック26の上面に固着される位置(即ち取付ボルト75によるエンジンフック74の取付面83の位置)よりも高さHだけ高い位置に設定される。この高さHは、エンジン14(クランクケース25、シリンダブロック26、シリンダヘッド27、ヘッドカバー32)の上面に配置される配管類、例えば図6に示す燃料ホース63C及び63Dや、ヘッドカバー32のブリーザ室64から吸気装置47のサイレンサ53へ至るブリーザホース84などの直径以上の寸法に設定される。
ここで、フライホイールカバー77は、上述の取付ボルト78A、78B、78C及びエンジンフック74を用いて、フライホイールカバー77の周囲に沿って略等間隔にエンジン14の上面に取り付けられている。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、次の効果(1)〜(6)を奏する。
(1)フライホイールカバー77は、少なくとも1箇所、例えば3箇所の被取付部85A、85B、85Cが、取付ボルト78A、78B及び78Cを用いてエンジン14(クランクケース25及びシリンダブロック26)の上面にボルト固定され、他の1箇所の突起部82が、エンジンフック74の凹部80にグロメット81を介して着脱可能に係止して取り付けられる。このため、フライホイールカバー77の着脱を容易化できると共に、フライホイールカバー77のボルト固定箇所が削減されるので、エンジン14の上面に配設される燃料ホース63C、63D及びブリーザホース84などの配管やハーネス(不図示)と前記ボルト固定箇所との干渉を防止でき、配管等のレイアウトの自由度を高めることができる。
更に、エンジン14のクランクケース25及びシリンダブロック26の上面に3箇所のボルト取付用のボス79A、79B、79Cやブラケット(不図示)を設けるのみで足りるので、エンジン14の軽量化を図ることができると共に、部品点数を削減できる。
(2)エンジンフック74にフライホイールカバー77係止用の凹部80が形成されることで、このエンジンフック74をフライホイールカバー77の近傍に設置することができる。この結果、エンジンフック74を船外機10の重心の延長線上またはその付近に配置でき、従って、このエンジンフック74を、船外機10またはエンジン14の懸吊のために適切な位置に設置できる。
(3)フライホイールカバー77は、取付ボルト78A、78B、78Cを用いてエンジン14の上面にボルト固定される固定方向が、クランクシャフト28の軸方向に平行な方向であり、突起部82がグロメット81を介してエンジンフック74の凹部80に係止されて位置規制される位置規制方向が、クランクシャフト28の軸方向に直交する方向、つまりシリンダブロック26のシリンダ19A、19B、19Cの軸方向である。このため、シリンダ19A、19B、19C内をピストン(不図示)が往復運動することに伴う振動がフライホイールカバー77に作用しても、この振動に基づくフライホイールカバー77の変位(シリンダ19A、19B、19Cの軸方向に沿う変位)を低減できる。
(4)フライホイールカバー77の突起部82は、グロメット81を介してエンジンフック84の凹部80に係止されるので、このグロメット81が、エンジン14の振動に起因するフライホイールカバー77の振動を吸収して低減できる。
更に、このグロメット81を介在させることで、フライホイールカバー77の突起部82とエンジンフック74の凹部80との間に組付け誤差が生じていても、グロメット81がこの誤差を吸収できるので、これらの突起部82と凹部80との組付けに対する許容性を拡大できる。
(5)エンジンフック74の凹部80とフライホイールカバー77の突起部82との係止位置(つまり突起部82の位置)は、エンジンフック74の取付面83の位置よりも、エンジン14の上面上に配設された配管類の直径以上の高さHに設定されている。この結果、エンジンフック74の凹部80とフライホイールカバー77の突起部82との係合箇所が、エンジン14の上面上の配管類と干渉することを防止できる。
(6)フライホイールカバー77の突起部82の軸方向長さL1が、この突起部82に挿通されるグロメット81の軸方向長さL2よりも大きく設定されている。このため、エンジンフック74の変形などによってその凹部80の位置がフライホイールカバー77の突起部82の軸方向にずれたり、また、この突起部82自体の位置が軸方向に変化した場合にも、グロメット81を突起部82の軸方向で移動させることで、このグロメット81を介してフライホイールカバー77の突起部82をエンジンフック74の凹部80に好適に組み付けることができる。
[B]第2の実施の形態(図9)
図9は、本発明に係る船外機のフライホイールカバー取付構造における第2の実施の形態が適用された船外機のエンジン等を示す、図6に対応する平面図である。この第2の実施の形態において、前記第1実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
この第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、フライホイールカバー86が、フライホイール67のみならず、エンジン14の上面上に配設された燃料ホース63C及び63D、ブリーザホース84並びに冷却水リターンホース52をも含めて、エンジン14の上面の略全面を覆うよう構成された点である。
このフライホイールカバー86では、長手方向(船外機10の前後方向)に沿う中央位置に、エンジンフック74が貫通する開口87が形成されている。フライホイールカバー86には、この開口87を臨み、且つフライホイール67の船外機後方で、更にエンジン14上面の左右方向中央線88寄りの位置から、突起部82が開口87へ向かって突設されている。従って、この突起部82は、フライホイールカバー86の長手方向、及びこの長手方向に直交する左右方向における略中央位置に設けられることになる。この突起部82が、前記実施の形態と同様に、グロメット81を介してエンジンフック74の凹部80に係止される。
尚、このフライホイールカバー86では、船外機前方側が取付ボルト78A及び78Bにより、また長手方向中央位置の右側が取付ボルト78Cにより、また船外機後方側が取付ボルト89A及び89Bにより、それぞれエンジン14の上面にボルト固定される。更に、このフライホイールカバー86では、その長手方向及び左右方向の略中央位置が、突起部82及びグロメット81を用いてエンジンフック74の凹部80に係止される。
この第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏するほか、次の効果(7)を奏する。
(7)フライホイールカバー86の長手方向及び左右方向の略中央位置に突起部82が形成され、この突起部82がグロメット81を介してエンジンフック74の凹部80に係止されるので、長尺状のフライホイールカバー86の剛性が低くなる部分がエンジンフック74により係止されることになる。従って、フライホイールカバー86の剛性が確保されてその振動を低減でき、更にフライホイールカバー86の損傷も防止できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、上述の両実施の形態では、エンジン14の上面にエンジンフック74が単一に設置される場合を述べたが、このエンジンフック74は、船外機10の重心を通る延長線を囲み、且つフライホイール67の外側におけるエンジン14の上面に複数個、例えば2個設置され、それぞれのエンジンフック74により、フライホイールカバー77または86の外周を部分的に着脱可能に係止してもよい。この場合には、フライホイールカバー77または86が着脱可能に係止される位置が増加することで、フライホイールカバー77または86の着脱をより容易化できる。
10 船外機
14 エンジン
28 クランクシャフト
67 フライホイール
78A、78B、78C 取付ボルト
80 凹部(係止部)
81 グロメット(弾性部材)
82 突起部
83 取付面
86 フライホイールカバー
L1、L2 軸方向長さ
H 高さ

Claims (6)

  1. クランクシャフトが略鉛直方向に配置された船外機のエンジンには、前記クランクシャフトの上端部にフライホイールが回転一体に結合され、このフライホイールを覆うフライホイールカバーが前記エンジンの上面に取り付けられる船外機のフライホイールカバー取付構造において、
    前記エンジンの前記上面には、前記船外機を懸吊するためのエンジンフックが固着され、
    前記フライホイールカバーは、少なくとも一箇所が前記エンジンの前記上面にボルト固定され、他の部分が、前記エンジンフックに設けられた係止部に、前記フライホイールカバーに設けられた突起部を着脱可能に係止して取り付けられるとともに、前記エンジンフックの係止部と、この係止部に係止される前記フライホイールカバーの突起部との間に弾性部材が介在されたことを特徴とする船外機のフライホイールカバー取付構造。
  2. 前記フライホイールカバーは、前記エンジンの上面にボルト固定される固定方向がクランクシャフトの軸方向に平行な方向であり、前記エンジンフックの係止部に係止されて位置規制される前記突起部の軸方向が前記クランクシャフトの軸方向に直交するシリンダの軸方向と平行な方向であることを特徴とする請求項1に記載の船外機のフライホイールカバー取付構造。
  3. 前記エンジンフックの係止部とフライホイールカバーとの係止位置は、前記エンジンフックをエンジンの上面に固着する固着位置よりも高い位置に設定されたことを特徴とする請求項1に記載の船外機のフライホイールカバー取付構造。
  4. 前記フライホイールカバーの突起部に弾性部材が挿入され、この弾性部材がエンジンフックの係止部に係止され、前記突起部の軸長が、前記弾性部材の軸長よりも大きく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の船外機のフライホイールカバー取付構造。
  5. 前記フライホイールカバーは、フライホイールを含めてエンジンの上面の略全面を覆うよう構成されるとともに、前記フライホイールカバーの長手方向略中央位置に開口を形成し、この開口に臨んだ位置に、前記係止部に前記フライホイールカバーの突起部を係止したエンジンフックを配設したことを特徴とする請求項1に記載の船外機のフライホイールカバー取付構造。
  6. 前記エンジンフックは、船外機の重心を通る延長線を囲み、且つフライホイールの周囲におけるエンジンの上面に複数個固着されたことを特徴とする請求項1に記載の船外機のフライホイールカバー取付構造。
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