JP5520020B2 - 赤外線センサ - Google Patents
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Description
なお、本明細書では、上記した赤外線信号増幅処理装置、抵抗信号増幅処理装置を一括して信号処理装置と記すものとする。
さらに、特許文献1に記載された従来技術では、赤外線感知信号が、センサ素子の端子間に生じる電圧値を示している。この電圧は、赤外線感知によって生じる電流が、センサ素子自身の抵抗に流れて生じるもので、この電流と抵抗の積から成るものである。このように、赤外線感知信号に不要な抵抗成分が含まれるため、センサ素子の抵抗値のばらつきや抵抗の温度特性等が赤外線感知信号に影響し、赤外線センサの精度を低下させることになる。
前記切替制御部が前記第1の端子を選択しているときに赤外線を感知することにより前記赤外線センサ素子から出力される第1の信号と、前記切替制御部が前記第2の端子を選択しているときに前記赤外線センサ素子から出力される前記赤外線センサ素子の抵抗値に応じた第2の信号とのいずれかを増幅する増幅部と、を有し、前記増幅部は、前記切替制御部が前記第1の端子を選択しているときに、前記第1の信号に対応した第1の増幅率で前記第1の信号を増幅し、前記切替制御部が前記第2の端子を選択しているときに、前記第2の信号に対応した前記第1の増幅率と異なる第2の増幅率で前記第2の信号を増幅することを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の赤外線センサは、請求項1または請求項2において、前記増幅部は、第1の抵抗素子と、非反転入力端子に前記基準電圧が与えられ、出力端子と反転入力端子との間に前記第1の抵抗素子が接続された第1の演算増幅器と、前記第1の演算増幅器の出力端子に接続された増幅器と、を有し、前記赤外線センサ素子の一方の端子が、前記切替部に接続され、前記赤外線センサ素子の他方の端子が、前記第1の演算増幅器の反転入力端子に接続され、前記第1の抵抗素子の抵抗値が切替可能または前記増幅器の増幅率が切替可能であることを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の赤外線センサは、請求項4において、前記反転増幅器は、前記第1の演算増幅器の出力端子に一端が接続された第2の抵抗素子と、第3の抵抗素子と、非反転入力端子に前記基準電圧が与えられ、出力端子と反転入力端子との間に前記第3の抵抗素子が接続された第2の演算増幅器と、を有し、前記第1の抵抗素子、前記第2の抵抗素子、及び前記第3の抵抗素子のうち少なくとも1つの抵抗値が切替可能であることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の赤外線センサは、請求項3において、前記増幅器は、非反転増幅器であることを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の赤外線センサは、請求項1から6のいずれかにおいて、前記第1の信号の増幅値および前記第2の信号の増幅値および前記赤外線センサ素子の内部の抵抗の温度特性値に基づいて、前記赤外線センサ素子の温度特性を補正する補正演算部と、を備えることを特徴とする。
ンサ素子の抵抗値に応じた第二の信号、即ち、温度測定信号が出力され、増幅部で増幅される。このように、センサ素子単独で、赤外線感知と温度測定の信号が得られるので、専用温測部品が不要となり、部品点数の増加を効果的に抑えることができる。また、信号処理装置は、入力される信号として、赤外線感知信号、温度測定信号のいずれか一方を選択する切替部を備えている。このため、赤外線感知信号、温度測定信号の両方を交互に信号処理装置に入力させることができる。また、信号処理装置の増幅部が、赤外線感知信号、温度測定信号の両方を増幅することから、唯一の信号処理装置を使って赤外線感知信号、温度測定信号の両方を処理することができる。このため、センサ素子と信号処理装置と演算増幅部からなる赤外線センサのシステム全体を小型化にすることができる。さらに、赤外線感知信号、温度測定信号の演算誤差が同一の要素に起因するものとなり、同一の誤差要因を除去することによって演算誤差を修正することができるので、効率的に誤差要因を排除することができ、かつ高い精度の赤外線センサを提供することができる。
本発明の赤外線センサの一態様は、センサ素子の赤外線感知信号、温度測定信号の入力、増幅から、温度に基づく赤外線感知信号の補正までを一括して処理することができる。
実施形態1
(赤外線センサ)
図1は、本発明の実施形態1の赤外線センサを説明するための回路図である。図示した赤外線センサは、量子型のセンサ素子11と、センサ素子11によって感知された赤外線に応じて出力される信号(以降、赤外線感知信号aと記す)を処理する信号処理装置101と、信号処理装置101で同じく処理されるセンサ素子11の抵抗値に応じて出力される信号(以降、温度測定信号b)から温度を換算して赤外線感知信号aの温度特性を補正する補正演算部56と、を備えている。
量子型のセンサ素子は、光エネルギーによって起こる電気現象を検知することによって赤外線を感知するセンサ素子である。量子型センサ素子としては、例えば、フォトダイオード等がある。センサ素子11にゼロ電圧が与えられると、センサ素子11から赤外線感知に応じた電流のみが生じて、赤外線感知信号aが得られる。
信号処理装置101は、赤外線感知信号a及び温度測定信号bに共通に設けられ、これら信号のうち、いずれか一方を選択して入力する切替部21、切替部21によって選択された信号に、増幅を含む処理を実行する信号処理部41を備えている。信号処理部41は、切替部21によって赤外線感知信号aが選択された場合、入力された赤外線感知信号aに増幅を含む処理を実行する。また、信号処理部41は、切替部21によって温度測定信号bが選択された場合には、温度測定信号bに対しても、増幅を含む処理を実行する。
実施形態1が従来と異なるのは、赤外線感知信号a、温度測定信号bが、切替部21で切り替えられながら共通の信号処理部41に入力される点である。このような実施形態1によれば、センサ素子11から出力される赤外線感知信号a、温度測定信号bを1つの信号処理部41によって処理することができるので、センサ素子11と信号処理装置101とを含めた赤外線センサのシステム全体をより小型化することができる。また、部品点数を低減したことにより、赤外線センサのコストをより効果的に低減することができる。
A/Dコンバータ51は、信号処理部41によって処理された赤外線感知信号aと、温度測定信号bとを交互にデジタル信号に変換する。デジタル変換された信号は、補正演算部56に出力される。補正演算部56により、温度測定信号bから温度が読み取られ、赤外線感知信号aが補正される。補正された赤外線感知信号は、出力端子61から外部に出力される。
図3は、本発明の実施形態2の赤外線センサを説明するための回路図である。図3に示した構成のうち、図1に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、説明を一部略すものとする。
図示した赤外線センサは、センサ素子12と、センサ素子12によって出力された信号を処理する信号処理装置102と、補正演算部56を備えている。実施形態2のセンサ素子12は、赤外線を感知する量子型のセンサ素子である。なお、実施形態2においても、センサ素子12自身の抵抗値を使ってセンサ素子12の温度を測定するものとする。
信号処理装置102は、初段演算増幅器71、2段目演算増幅器72を備えている。初段演算増幅器71、2段目演算増幅器72は、いずれも反転入力端子、非反転入力端子を有している。初段演算増幅器71の非反転入力端子71aには、基準電圧VREFが与えられている。初段演算増幅器71の出力端子71cと反転入力端子71bとの間には抵抗値R2の抵抗素子201が接続されている。
初段演算増幅器71、2段目演算増幅器72が同一基板上に形成されるものであれば、両者のプロセスに起因する特性に生じるばらつきは同様のものになる。したがって、実施形態2のように、2つの演算増幅器によって増幅器を構成しても、共通の要素を除去することによって赤外線感知信号a、温度測定信号bの演算誤差を除去することができる。
VOUTA=Io・R2・R4/R3A …式(1)
VOUTB=VBIAS・(R4/R3B)・(R2/Rs) …式(2)
さらに、実施形態2では、赤外線の感知によって生じる電流Ioだけが信号として取り出せるので、赤外線感知信号に不要な成分による誤差が含まれず、赤外線センサの精度を向上させることができる。
また、実施形態2では、2段目演算増幅器72が反転増幅器を構成する例を示したが、実施形態2はこのような構成に限定されるものではなく、非反転増幅器を構成するものであってもよい。また、実施形態2では、抵抗素子202において抵抗値をR3AとR3Bとに切り替える例を示している。しかし、実施形態2はこのような構成に限定されるものでなく、初段演算増幅器71の出力が、赤外線感知信号a、温度測定信号bに大きな差がなければ、切り替えの必要はなく、一定の抵抗値R3を持つ抵抗素子を用いても良い。
また、センサ素子12が信号処理装置102に接続する向きは、実施形態2とは逆であっても良い。
また、実施形態1、実施形態2では、赤外線感知信号a、温度測定信号bについてはA/Dコンバータ51でデジタル信号に変換しているが、これに限定されるものでなく、デジタル信号に変換せずにアナログ信号のまま温度補正を行っても良い。
以上のように、実施形態1、実施形態2は、さらに種々の形態で実現できることは明らかであり、上述した実施の形態に制約されるものではない。
図4は、従来の赤外線センサの概略図であって、上記した実施形態1と比較するための構成を示している。なお、図4に示した構成のうち、図1に示した赤外線センサと同様の構成については同様の符号を付して示し、説明の一部を略す。
図4に示した赤外線センサにあっても、センサ素子11は赤外線感知信号aと共に温度測定信号bを出力している。切替部21は、赤外線感知信号aを信号処理部41に、温度測定信号bを信号処理部42に、交互に入力する。従来技術であっても、センサ素子11が温度の測定を兼用するので小型化できるが、信号処理部41、42を備えるため、システム全体の小型化には改善の余地がある。
このような誤差を残したままで、センサ素子11の温度特性を補正すると、赤外線センサの精度を損なう一因になる。
センサ素子12は量子型のセンサ素子であって、入力端子が基準電圧VREFに固定されている。センサ素子12の出力端子は、切替部22に接続されている。切替部22は、赤外線感知信号aを電圧計46に、センサ素子12の抵抗値に相当する、温度測定信号bを、計測部47に入力するように、交互に接続を切り替えている。ここでいう赤外線感知信号aは、赤外線感知によって生じる電流が、センサ素子自身の抵抗に流れて生じるもので、この電流と抵抗の積から成る電圧である。このように、赤外線感知信号aは不要な抵抗成分が含まれるため、センサ素子の抵抗値のばらつきや抵抗の温度特性等が赤外線感知信号に影響し、赤外線センサの精度を低下させることになる。
さらに、実施形態1、実施形態2は、赤外線の感知によって生じる電流だけが信号として取り出せるので、赤外線感知信号に不要な成分による誤差が含まれず、赤外線センサの精度を向上させることができる利点がある。
21、22 切替部
41、42 信号処理部
51 A/Dコンバータ
56 補正演算部
71 初段演算増幅器
72 2段目演算増幅器
91 切替制御部
101、102 信号処理装置
201、202 抵抗素子
Claims (7)
- 赤外線センサ素子と、
基準電圧を有する第1の端子と前記基準電圧にバイアス電圧が加えられた電圧を有する第2の端子とが設けられ、前記赤外線センサ素子の一方の端子に印加する電圧を切り替える切替部と、
前記第1の端子と前記第2の端子とのいずれかを選択して前記一方の端子を前記第1の端子と前記第2の端子とのいずれかに接続させる切替制御部と、
前記切替制御部が前記第1の端子を選択しているときに赤外線を感知することにより前記赤外線センサ素子から出力される第1の信号と、前記切替制御部が前記第2の端子を選択しているときに前記赤外線センサ素子から出力される前記赤外線センサ素子の抵抗値に応じた第2の信号とのいずれかを増幅する増幅部と、
を有し、
前記増幅部は、
前記切替制御部が前記第1の端子を選択しているときに、前記第1の信号に対応した第1の増幅率で前記第1の信号を増幅し、前記切替制御部が前記第2の端子を選択しているときに、前記第2の信号に対応した前記第1の増幅率と異なる第2の増幅率で前記第2の信号を増幅することを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1に記載の赤外線センサであって、
前記赤外線センサ素子が、量子型赤外線センサ素子であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1または2に記載の赤外線センサであって、
前記増幅部は、
第1の抵抗素子と、
非反転入力端子に前記基準電圧が与えられ、出力端子と反転入力端子との間に前記第1の抵抗素子が接続された第1の演算増幅器と、
前記第1の演算増幅器の出力端子に接続された増幅器と、
を有し、
前記赤外線センサ素子の一方の端子が、前記切替部に接続され、
前記赤外線センサ素子の他方の端子が、前記第1の演算増幅器の反転入力端子に接続され、
前記第1の抵抗素子の抵抗値が切替可能または前記増幅器の増幅率が切替可能であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項3に記載の赤外線センサであって、
前記増幅器は、反転増幅器であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項4に記載の赤外線センサであって、
前記反転増幅器は、
前記第1の演算増幅器の出力端子に一端が接続された第2の抵抗素子と、
第3の抵抗素子と、
非反転入力端子に前記基準電圧が与えられ、出力端子と反転入力端子との間に前記第3の抵抗素子が接続された第2の演算増幅器と、
を有し、
前記第1の抵抗素子、前記第2の抵抗素子、及び前記第3の抵抗素子のうち少なくとも1つの抵抗値が切替可能であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項3に記載の赤外線センサであって、
前記増幅器は、非反転増幅器であることを特徴とする赤外線センサ。 - 請求項1から6のいずれかに記載の赤外線センサであって、
前記第1の信号の増幅値および前記第2の信号の増幅値および前記赤外線センサ素子の内部の抵抗の温度特性値に基づいて、前記赤外線センサ素子の温度特性を補正する補正演算部と、
を備えることを特徴とする赤外線センサ。
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