JP5516804B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等に搭載される内燃機関の制御装置に係る。特に、本発明は、燃料噴射弁の燃料噴射タイミングを最適化するための対策に関する。
従来より、例えば自動車に搭載されるエンジン(内燃機関)として、下記の特許文献1や特許文献2に開示されているように、気筒内に向けて燃料を直接的に噴射する筒内直噴インジェクタを備えたものが知られている。この筒内直噴インジェクタは、高圧燃料ポンプによって高圧化された燃料がデリバリパイプを介して供給され、所定の燃料噴射タイミングで高圧燃料を気筒内に直接的に噴射するようになっている。
尚、この筒内直噴インジェクタは、特許文献1にも示されているように、エンジンの吸気通路(吸気ポート)内に燃料を噴射するポート噴射インジェクタと併用される場合が多い。これら筒内直噴インジェクタ及びポート噴射インジェクタの使用形態としては種々のものがある。例えば、エンジン負荷が低いときには筒内直噴インジェクタから燃料噴射を行って燃焼室内で混合気の成層燃焼を行い、エンジン負荷が高いときにはポート噴射インジェクタから燃料噴射を行って燃焼室内で混合気の均質燃焼を行うようにすることが挙げられる。また、エンジン負荷が高いときに筒内直噴インジェクタから燃料噴射を行って、気筒内での燃料の気化熱を増大させることで筒内温度を低下させ(吸気冷却効果)、これによって吸気の空気密度を高めて充填効率を高めたり、点火プラグの点火タイミングの進角化を可能にすることも挙げられる。
また、特許文献1には、燃焼室内での燃焼悪化時に、筒内直噴インジェクタからの燃料噴射を2回に分割し、第1回目の燃料噴射を吸入行程前期に行い、第2回目の燃料噴射を吸入行程後期に行うことが開示されている。
また、特許文献2には、必要燃料量が増量される時から設定期間だけ、筒内直噴インジェクタから噴射される増量後の必要燃料量を分割して噴射することが開示されている。
特開2006−194098号公報 特開2008−240551号公報
ところが、上述した各特許文献の構成では、各分割噴射での噴射形態(分割比率等)が固定されており、筒内直噴インジェクタからの燃料噴射の分割形態の最適化を図るためには改良の余地があった。例えば、エンジン性能やオイル希釈(燃料がシリンダ内壁面に付着することに起因するオイル(潤滑油)の希釈)や排気エミッション等を燃料噴射の分割形態によって適正化するためには未だ改良の余地があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、筒内直噴インジェクタからの燃料噴射を分割して実行する場合における分割比率の適正化を図ることが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、筒内直噴インジェクタ(筒内噴射用燃料噴射弁)からの燃料噴射形態として吸入行程上死点側と吸入行程下死点側とに分割する場合に、内燃機関の運転状態に応じてこれら分割比率を補正するようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁、及び、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁を備え、吸入行程における筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射を上死点側の分割噴射と下死点側の分割噴射とに分割して実行可能とする内燃機関の制御装置を前提とする。この内燃機関の制御装置に対し、上記筒内噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダ壁面に付着することに起因するオイル希釈率に応じて、上記上死点側の分割噴射と下死点側の分割噴射との分割比率を補正する分割比率補正手段と、この分割比率補正手段により補正された上記分割比率に基づいて上記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射量と上記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射量との比である分担率を設定する燃料噴射分担率設定手段とを備えさせている。
この特定事項により、例えば、燃焼室内での燃焼状態、排気エミッション、燃料消費率、WOT(Wide Open Throttle)性能、オイル希釈率等の適正化を図るための分割比率が得られ、筒内噴射用燃料噴射弁から分割噴射を行う場合の最適な燃料噴射形態を実現することが可能となる。
この場合、下死点側の分割噴射での噴射量に対する上死点側の分割噴射での噴射量の比である上死点側分割比率が高いほど、上記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射量に対する上記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射量の分担率を高く設定する。
これは、筒内噴射用燃料噴射弁及び吸気通路用燃料噴射弁から噴射される総燃料量のうち、上記インターバルが長く得られる吸気通路用燃料噴射弁からの燃料量を多く確保して、空気と燃料とのミキシング性を改善することに寄与する。
本発明では、筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射形態として吸入行程上死点側と吸入行程下死点側とに分割する場合に、内燃機関の運転状態に応じてこれら分割比率を補正するようにしている。これにより、上記分割噴射を行う場合の最適な燃料噴射形態を実現することが可能となる。
実施形態に係るV型エンジンをクランクシャフトの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成図である。 エンジン及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。 燃料供給システムの構造を模式的に示す図である。 エンジンの制御系を示すブロック図である。 筒内直噴インジェクタ及びポート噴射インジェクタそれぞれにおける燃料噴射期間の変更範囲を説明するための図である。 オイル希釈率に応じて上死点側分割比率を設定する場合に利用される分割比率設定マップを示す図である。 上死点側分割比率に応じて直噴噴射時期を設定する場合に利用される直噴噴射時期設定マップを示す図である。 上死点側分割比率に応じて直噴燃料圧力を設定する場合に利用される直噴燃料圧力設定マップを示す図である。 上死点側分割比率に応じてポート噴射と筒内直接噴射との噴き分け率を設定する場合に利用される噴き分け率設定マップを示す図である。 上死点側分割比率に応じてポート噴射時期を設定する場合に利用されるポート噴射時期設定マップを示す図である。 下死点側分割比率に応じて直噴噴射時期を設定する場合に利用される直噴噴射時期設定マップを示す図である。 下死点側分割比率に応じて直噴燃料圧力を設定する場合に利用される直噴燃料圧力設定マップを示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、自動車用V型8気筒ガソリンエンジン(内燃機関)に本発明を適用した場合について説明する。
−エンジン全体構成の説明−
先ず、本実施形態に係るエンジンの全体構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るV型エンジンEをクランクシャフトCの軸心に沿った方向から見たエンジン内部の概略構成を示す図である。また、図2は、このエンジンE及び吸排気系の概略を示すシステム構成図である。
これら図に示すように、V型エンジンEは、シリンダブロック1の上部にV型に突出した一対のバンク2L,2Rを有している。各バンク2L,2Rは、シリンダブロック1の上端部に設置されたシリンダヘッド3L,3Rと、その上端に取り付けられたヘッドカバー4L,4Rとをそれぞれ備えている。上記シリンダブロック1には複数のシリンダ5L,5R,…(例えば各バンク2L,2Rに4個ずつ)が所定の挟み角(例えば90°)をもって配設されており、これらシリンダ5L,5R,…の内部にピストン51L,51R,…が往復移動可能に収容されている。また、各ピストン51L,51R,…はコネクティングロッド52L,52R,…を介してクランクシャフトCに動力伝達可能に連結されている。更に、シリンダブロック1の下側にはクランクケース6が取り付けられており、上記シリンダブロック1内の下部からクランクケース6の内部に亘る空間がクランク室61となっている。また、このクランクケース6の更に下側にはオイル溜まり部となるオイルパン62が配設されている。
また、上記シリンダヘッド3L,3Rには吸気ポート31L,31Rを開閉するための吸気バルブ32L,32R及び排気ポート33L,33Rを開閉するための排気バルブ34L,34Rがそれぞれ組み付けられており、シリンダヘッド3L,3Rとヘッドカバー4L,4Rとの間に形成されているカム室41L,41Rに配置されたカムシャフト35L,35R,36L,36Rの回転によって各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作が行われるようになっている。
また、本実施形態に係るエンジンEのシリンダヘッド3L,3Rは、分割構造となっている。詳しくは、シリンダブロック1の上面に取り付けられるシリンダヘッド本体37L,37Rと、このシリンダヘッド本体37L,37Rの上側に組み付けられるカムシャフトハウジング38L,38Rとによりシリンダヘッド3L,3Rが構成されている。
一方、上記各バンク2L,2Rの内側(バンク間側)の上部には各バンク2L,2Rに対応する吸気マニホールド7L,7Rが配設されており、各吸気マニホールド7L,7Rの下流端が各吸気ポート31L,31R,…に連通している。また、この吸気マニホールド7L,7Rは、各バンク共通のサージタンク71(図2参照)及びスロットルバルブ72を備えた吸気管73に連通されており、この吸気管73の上流側にはエアクリーナ74が設けられている。これにより、上記エアクリーナ74から吸気管73内に導入された空気は、サージタンク71を通じて各吸気マニホールド7L,7Rに導入される。
上記シリンダヘッド3L,3Rの吸気ポート31L,31Rにはポート噴射インジェクタ(吸気通路用燃料噴射弁)75L,75Rがそれぞれ設けられており、このポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時にあっては、吸気マニホールド7L,7R内に導入された空気と、このポート噴射インジェクタ75L,75Rから噴射された燃料とが混合されて混合気となり、この混合気が吸気バルブ32L,32Rの開弁に伴って燃焼室76L,76Rへ導入されることになる。尚、上記ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時期としては、上記吸気バルブ32L,32Rの開弁動作に連動して燃料噴射を実行する同期噴射と、上記吸気バルブ32L,32Rの開弁動作に連動せず、つまり、吸気バルブ32L,32Rの閉弁状態においても燃料噴射を実行する非同期噴射とがあり、これらが切り換え可能となっている。
また、本実施形態に係るエンジンEは、筒内直噴インジェクタ(筒内噴射用燃料噴射弁)78L,78Rも備えており、この筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射時にあっては、燃焼室76L,76Rへ燃料が直接噴射されるようになっている。
尚、上記ポート噴射インジェクタ75L,75R及び筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射形態の一例として、エンジンEの低中負荷運転時には、両インジェクタ75L,75R,78L,78Rからの燃料噴射を行って均質な混合気を生成し、燃料消費率の改善及び排気エミッションの改善を図るようにする。また、エンジンEの高負荷運転時には、筒内直噴インジェクタ78L,78Rのみからの燃料噴射を行って吸気冷却効果による吸気充填効率の向上及びノッキングの抑制を図るようにしている。これらインジェクタ75L,75R,78L,78Rの燃料噴射形態としてはこれに限るものではない。
これらポート噴射インジェクタ75L,75R及び筒内直噴インジェクタ78L,78Rへ燃料を供給する燃料供給システムについては後述する。
上記燃焼室76L,76Rの頂部には点火プラグ77L,77R(図2参照)が配設されている。上記燃焼室76L,76Rにおいて、点火プラグ77L,77Rの点火に伴う混合気の燃焼圧力はピストン51L,51Rに伝えられ、ピストン51L,51Rを往復運動させる。このピストン51L,51Rの往復運動はコネクティングロッド52L,52Rを介してクランクシャフトCに伝えられ、回転運動に変換されてエンジンEの出力として取り出されることになる。また、上記各カムシャフト35L,35R,36L,36Rは、クランクシャフトCから取り出される動力がタイミングチェーンによって伝達されて回転駆動され、この回転によって上記各バルブ32L,32R,34L,34Rの開閉動作を行わせる。
上記燃焼後の混合気は排気ガスとなり、排気バルブ34L,34Rの開弁に伴い排気マニホールド8L,8Rに排出される。排気マニホールド8L,8Rには排気管81L,81Rがそれぞれ接続され、更に、排気管81L,81Rには三元触媒等を内蔵した触媒コンバータ82L,82Rが取り付けられている。この触媒コンバータ82L,82Rを排気ガスが通過することにより、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、及び、酸化窒素成分(NOx)が浄化されるようになっている。また、上記排気管81L,81Rの下流端側は合流されてマフラ83に接続されている。
尚、エンジンEにおけるシリンダ5L,5Rの内壁面とピストン51L,51Rの外周面との間を潤滑するための潤滑構造としては、図示しないオイルポンプ、オイルフィルタ、オイルジェット機構等が備えられている。上記オイルパン62内に貯留されている潤滑油は、フィルタを介してオイルポンプにより吸引され、オイルジェット機構に供給される。そして、このオイルジェット機構に供給された潤滑油が、シリンダ5L,5Rの内壁面に供給されることにより、シリンダ5L,5Rの内壁面とピストン51L,51Rの外周面との間が潤滑される。その後、潤滑油はピストン51L,51Rが往復動するのに伴ってシリンダ5L,5Rの内壁面から掻き落とされてオイルパン62に戻される。
また、このようにして潤滑油による潤滑が行われる際に、上記筒内直噴インジェクタ78L,78Rから噴射された燃料の一部がシリンダ5L,5Rの内壁面に付着する状況にあっては、この付着した燃料により潤滑油が希釈されることになる。すなわち、潤滑油と燃料とが混合されてオイルパン62に回収され、オイルパン62に貯留されている潤滑油が燃料によって希釈されることになる。このオイルパン62に流入した燃料は、その後、蒸発し、図示しないPCV装置によってエンジンEの吸気系に導入される。
−燃料供給システム−
次に、上記ポート噴射インジェクタ75L,75R及び筒内直噴インジェクタ78L,78Rに対して燃料を供給する燃料供給システムについて図3を用いて説明する。この図3は、本実施形態に係るエンジンEの一方のバンクに備えられた燃料供給システム100の構造を模式的に示す図である。つまり、本エンジンEでは、両バンク2L,2Rそれぞれに同様の燃料供給システム100が備えられている。ここでは右側バンク2Rに備えられた燃料供給システム100を代表して説明する。
この燃料供給システム100は、燃料タンク101から燃料を送り出すフィードポンプ102を備えており、このフィードポンプ102の吐出側に接続された低圧燃料配管103が、低圧燃料系LF及び高圧燃料系HFに向けてそれぞれ分岐している。
低圧燃料系LFには、上記低圧燃料配管103の一方の分岐側に接続された低圧燃料系デリバリパイプ104が備えられている。この低圧燃料系デリバリパイプ104には、各気筒(4気筒)の上記ポート噴射インジェクタ75R,75R,…が接続されていると共に、この低圧燃料系デリバリパイプ104内での燃圧脈動を抑制するためのパルセーションダンパ105が備えられている。
一方、高圧燃料系HFには、上記フィードポンプ102によって送り出され、低圧燃料配管103の他方の分岐側を経て吸入された燃料を加圧して各気筒(4気筒)の上記筒内直噴インジェクタ78R,78Rに向けて吐出する高圧燃料ポンプ110が備えられている。
この高圧燃料ポンプ110の概略構成としては、シリンダ111、プランジャ112、加圧室113及び電磁スピル弁114を備えている。プランジャ112は、その下端にリフタ112aが取り付けられている。上記吸気カムシャフト35Rには駆動カム115が回転一体に取り付けられている。この駆動カム115には、吸気カムシャフト35Rの回転軸回りに180°の角度間隔をもって2つのカム山(カムノーズ)116,116が形成されている。これにより、吸気カムシャフト35Rの回転に伴う駆動カム115の回転により、カムノーズ116,116によってリフタ112aを介してプランジャ112が押し上げられ、このプランジャ112がシリンダ111内で往復移動し、加圧室113の容積が拡大または縮小する構成となっている。
尚、本実施形態に係るエンジンEは片バンクが4気筒であるため、エンジンEの1サイクル中、つまりクランクシャフトCが2回転する間に、気筒毎に設けられたインジェクタ(上記ポート噴射インジェクタ75R及び筒内直噴インジェクタ78Rのうちの一方、または両方)からそれぞれ燃料噴射が行われることになる。また、このエンジンEでは、クランクシャフトCが2回転する度に吸気カムシャフト35Rは1回転する。よって、エンジンEの1サイクル毎に、高圧燃料ポンプ110からの燃料吐出動作は2回ずつ行われるようになっている。
上記加圧室113はプランジャ112及びシリンダ111によって区画されている。この加圧室113は、低圧燃料配管103を介して上記フィードポンプ102に連通しており、また、高圧燃料配管106を介して高圧燃料系デリバリパイプ(蓄圧容器)107内に連通している。
この高圧燃料系デリバリパイプ107には、上記筒内直噴インジェクタ78R,78R,…が接続されていると共に、リリーフバルブ107aを介してリターン配管108が接続されている。このリリーフバルブ107aは、高圧燃料系デリバリパイプ107内の燃料圧力が所定圧(例えば15MPa)を超えたときに開弁する。この開弁により、高圧燃料系デリバリパイプ107に蓄えられた燃料の一部をリターン配管108を介して燃料タンク101に戻すようになっている。これにより、高圧燃料系デリバリパイプ107内の燃料圧力の過上昇が防止される。また、上記リターン配管108と高圧燃料ポンプ110とは、燃料排出配管109によって接続されており、上記プランジャ112とシリンダ111との間隙から漏出した燃料が、シールユニット117の上部の燃料収容室118に蓄積され、その後、この燃料収容室118に接続された上記燃料排出配管109及びリターン配管108を経て燃料タンク101に戻されるようになっている。
尚、低圧燃料配管103には、フィルタ103a及びプレッシャレギュレータ103bが設けられている。このプレッシャレギュレータ103bは、低圧燃料配管103内の燃料圧力が所定圧(例えば0.4MPa)を超えたときに低圧燃料配管103内の燃料を燃料タンク101に戻すことによって、この低圧燃料配管103内の燃料圧力を所定圧以下に維持している。また、上記高圧燃料ポンプ110の吸入側にはパルセーションダンパ119が備えられており、このパルセーションダンパ119によって高圧燃料ポンプ110の作動時における低圧燃料配管103内の燃圧脈動が抑制されるようになっている。また、高圧燃料配管106には、高圧燃料ポンプ110から吐出された燃料が逆流することを阻止するための逆止弁120が設けられている。
上記高圧燃料ポンプ110には、低圧燃料配管103と加圧室113との間を連通または遮断するための上記電磁スピル弁114が設けられている。この電磁スピル弁114は、電磁ソレノイド114aを備えており、その電磁ソレノイド114aへの通電を制御することにより開閉動作する。電磁スピル弁114は、電磁ソレノイド114aへの通電が停止されているときにはコイルスプリング114bの付勢力によって開弁する。以下、この電磁スピル弁114の開閉動作について説明する。
先ず、電磁ソレノイド114aに対する通電が停止された状態のときには、電磁スピル弁114がコイルスプリング114bの付勢力によって開弁し、低圧燃料配管103と加圧室113とが連通した状態になる。この状態において、加圧室113の容積が増大する方向にプランジャ112が移動するとき(吸入行程)には、フィードポンプ102から送り出された燃料が低圧燃料配管103を経て加圧室113内に吸入される。
一方、加圧室113の容積が収縮する方向にプランジャ112が移動するとき(加圧行程)において、電磁ソレノイド114aへの通電により電磁スピル弁114がコイルスプリング114bの付勢力に抗して閉弁すると、低圧燃料配管103と加圧室113との間が遮断され、加圧室113内の燃料圧力が所定値に達した時点でチェック弁121が開放して、高圧の燃料が高圧燃料配管106を通じて高圧燃料系デリバリパイプ107に向けて吐出される。
そして、高圧燃料ポンプ110における燃料吐出量の調整は、加圧行程での電磁スピル弁114の閉弁期間を制御することによって行われる。即ち、電磁スピル弁114の閉弁開始時期を早めて閉弁期間を長くすると燃料吐出量が増加し、電磁スピル弁114の閉弁開始時期を遅らせて閉弁期間を短くすると燃料吐出量が減少するようになる。このように、高圧燃料ポンプ110の燃料吐出量を調整することにより、高圧燃料系デリバリパイプ107内の燃料圧力が制御される。
以上が右側バンク2Rに備えられた燃料供給システム100の構造であり、左側バンク2Lにおいても同様の燃料供給システム100が備えられている。
−制御ブロックの説明−
以上の如く構成されたエンジンEの運転状態はエンジンECU(Electronic Control Unit)9によって制御される。このエンジンECU9は、図4に示すように、CPU(Central Processing Unit)91、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)93及びバックアップRAM94などを備えている。
上記ROM92は、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPU91は、ROM92に記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。RAM93は、CPU91での演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリである。バックアップRAM94は、エンジンEの停止時にその保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
これらROM92、CPU91、RAM93及びバックアップRAM94は、バス97を介して互いに接続されるとともに、外部入力回路95及び外部出力回路96と接続されている。
外部入力回路95には、水温センサ201、エアフローメータ202、吸気温センサ203、A/Fセンサ204L,204R、O2センサ205L,205R、スロットルポジションセンサ206、クランク角センサ207、カム角センサ208L,208R、ノックセンサ209L,209R、吸気圧センサ210、アクセル開度センサ211等が接続されている。尚、上記各センサのうち、A/Fセンサ204L,204R、O2センサ205L,205R、カム角センサ208L,208R、ノックセンサ209L,209Rについては、各バンク2L,2Rにそれぞれ対応して設けられている。
一方、外部出力回路96には、上記ポート噴射インジェクタ75L,75R、筒内直噴インジェクタ78L,78R、上記スロットルバルブ72を駆動するスロットルモータ72a、上記点火プラグ77L,77Rの点火動作を行わせるためのイグナイタ220L,220R等が接続されている。
上記水温センサ201は、シリンダブロック1に形成されているウォータジャケット11(図2参照)内を流れる冷却水の温度を検出し、その冷却水温信号をエンジンECU9に送信する。また、この水温センサ201からの冷却水温信号に基づいて、上記オイルパン62内に貯留されている潤滑油の温度を推定するようになっている。尚、この潤滑油の温度は、オイルパン62内に油温センサを設けることにより直接検出するようにしてもよい。
エアフローメータ202は、上記エアクリーナ74の下流側に配設され、吸入空気量を検出して、その吸入空気量信号をエンジンECU9に送信する。
吸気温センサ203は、上記エアクリーナ74の下流側に配設され、吸入空気温度を検出して、その吸気温信号をエンジンECU9に送信する。
A/Fセンサ204L,204Rは、各触媒コンバータ82L,82Rの上流側にそれぞれ配設され、例えば限界電流式の酸素濃度センサが適用されている。そして、このA/Fセンサ204L,204Rは、広い空燃比領域に亘って空燃比に対応した出力電圧を発生し、その電圧信号をエンジンECU9に送信する。
2センサ205L,205Rは、各触媒コンバータ82L,82Rの下流側にそれぞれ配設され、例えば起電力式(濃淡電池式)の酸素濃度センサが適用されている。そして、このO2センサ205L,205Rは、排気中の空燃比が理論空燃比にあるか否かを判定しその判定信号をエンジンECU9に送信する。
スロットルポジションセンサ206は、スロットルバルブ72の開度を検出するものであって、そのスロットル開度検出信号をエンジンECU9に送信する。
クランク角センサ207は、クランクシャフトCの近傍に配設されており、クランクシャフトCの回転角(クランク角CA)及び回転速度(エンジン回転速度NE)を検出するものである。具体的に、このクランク角センサ207は、所定のクランク角(例えば30°)毎にパルス信号を出力する。このクランク角センサ207によるクランク角の検出手法の一例としては、クランクシャフトCと回転一体のロータ(NEロータ)の外周面の30°おきに外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記クランク角センサ207を配置する。そして、クランクシャフトCの回転に伴って外歯がクランク角センサ207の近傍を通過した際に、このクランク角センサ207が出力パルスを発生するようになっている。
カム角センサ208L,208Rは、各吸気カムシャフト35L,35Rの近傍にそれぞれ配設されており、例えば左側バンク2Lに位置する第1番気筒と右側バンク2Rに位置する第2番気筒との圧縮上死点(TDC)にそれぞれ対応してパルス信号を出力することにより気筒判別センサとして使用される。つまり、このカム角センサ208L,208Rは、吸気カムシャフト35L,35Rの1回転毎にパルス信号を出力する。このカム角センサ208L,208Rによるカム角の検出手法の一例としては、吸気カムシャフト35L,35Rと回転一体のロータの外周面の1箇所に外歯を形成しておき、この外歯と対面して電磁ピックアップで成る上記カム角センサ208L,208Rを配置し、吸気カムシャフト35L,35Rの回転に伴って外歯がカム角センサ208L,208Rの近傍を通過した際に、このカム角センサ208L,208Rが出力パルスを発生するようになっている。上記ロータはクランクシャフトCの1/2の回転速度で回転するため、クランクシャフトCが720°回転する毎に出力パルスを発生する。言い換えると、ある特定の気筒が同一行程(例えば左側バンク2Lのカム角センサ208Lにあっては第1番気筒のピストン51Lが圧縮上死点に達した時点、右側バンク2Rのカム角センサ208Rにあっては第2番気筒のピストン51Rが圧縮上死点に達した時点)となる度に出力パルスを発生する構成である。
ノックセンサ209L,209Rは、シリンダブロック1に伝わるエンジンの振動を圧電素子式(ピエゾ素子式)または電磁式(マグネット、コイル)などによって検出する振動式センサであり、シリンダブロック1の振動の大きさに応じた出力信号をエンジンECU9に送信する。
吸気圧センサ210は、サージタンク71に取り付けられており、吸気管73内の圧力(吸気管内圧力)を検出し、その吸気圧信号をエンジンECU9に送信する。
アクセル開度センサ211は、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)に応じた検出信号を出力するものであり、単位時間あたりのアクセル開度の変化量を認識することによってアクセルの操作速度を認識できるようになっている。
そして、エンジンECU9は、上記各種センサ201〜211の出力信号に基づいて、ポート噴射インジェクタ75L,75R、筒内直噴インジェクタ78L,78R、スロットルモータ72a、イグナイタ220L,220R等の各部を制御することにより、燃料噴射制御等の各種制御を実行する。
その一例として、イグナイタ220L,220Rによる点火プラグ77L,77Rの点火タイミングの基本制御では、点火タイミングがMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque:最適点火時期)に近付くように点火タイミングの進角補正を行っていきながら、上記ノックセンサ209L,209Rによってノッキングが検知された場合には、点火タイミングの遅角補正を行ってノッキングを解消するといった制御が行われる。
また、各インジェクタ75L,75R,78L,78Rの燃料噴射の基本制御としては、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて目標空燃比を算出し、エアフローメータ202によって検出された吸入空気量に基づき、上記目標空燃比が得られるように燃料噴射量の制御(インジェクタ75L,75R,78L,78Rの開弁時間の制御)が行われる。この際、上記A/Fセンサ204L,204R及びO2センサ205L,205Rの各出力に基づいて排気ガス中の酸素濃度を算出し、その算出した酸素濃度から得られる実際の空燃比を目標空燃比(例えば理論空燃比)に一致させるように、インジェクタ75L,75R,78L,78Rによる燃料噴射量を制御するといった空燃比フィードバック制御が行われる。また、上述した如く、エンジンEの低中負荷運転時には、両インジェクタ75L,75R,78L,78Rからの燃料噴射を行って均質な混合気を生成し、燃料消費率の改善及び低エミッション化を図る。また、エンジンEの高負荷運転時には、筒内直噴インジェクタ78L,78Rのみからの燃料噴射を行って吸気冷却効果による充填効率の向上及びノッキングの抑制を図るようにしている。これらインジェクタ75L,75R,78L,78Rの燃料噴射形態としてはこれに限るものではない。尚、本実施形態の特徴とする各インジェクタ75L,75R,78L,78Rの燃料噴射形態(筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの噴射形態としての分割噴射の分割比率や、筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射量とポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量との噴き分け率など)については後述する。
また、スロットルモータ72aの駆動制御としては、運転者により操作されるアクセルペダルの開度等に基づき、要求されたエンジン出力を得るための吸入空気量となるスロットルバルブ72の開度が得られるようにスロットルモータ72aの駆動量が制御される。
−オイル希釈率判定動作−
上述した如く、インジェクタ(主に筒内直噴インジェクタ78L,78R)から噴射された燃料の一部がシリンダ5L,5Rの内壁面に付着する場合、その燃料が液相状態で潤滑油(シリンダ5L,5Rの内壁面とピストン51L,51Rの外周面との間の潤滑に寄与しているエンジンオイル)と混ざり合うことになる。そして、この潤滑油と混ざり合った燃料は、ピストン51L,51Rの往復運動に伴ってシリンダ内壁面から掻き落とされオイルパン62に流れ込む。このような状況が継続すると、オイルパン62内でのオイル希釈が進んでしまい、潤滑性能の悪化に繋がってしまう。
本実施形態では、このようなオイル希釈が進んでしまうことを抑制するべく、オイル希釈の発生状況に応じて、筒内直噴インジェクタ78L,78Rやポート噴射インジェクタ75L,75Rにおける燃料噴射形態を変更するようにしている。
このような燃料噴射形態の変更を行うためには、オイル希釈の度合い(以下、「オイル希釈率」と呼ぶ)を正確に認識しておく必要があるため、オイル希釈率判定動作が行われるようになっている。このオイル希釈率判定動作としては、種々の手法が既に提案されている。以下の説明では、オイル希釈率判定の代表的な動作について説明するが、オイル希釈率判定動作としてはこれに限定されるものではない。
オイル希釈率は、周知の燃料噴射量のフィードバック補正量FAF及びフィードバック補正量FAFの学習値(燃料噴射量の恒常的なズレ量を表す値)FGAFを利用して求められる。つまり、上記A/Fセンサ204L,204R及びO2センサ205L,205Rの各出力に基づいて排気空燃比が求められ、この排気空燃比の目標空燃比に対する乖離量から上記フィードバック補正量FAF及び学習値FGAFが算出される。
実空燃比がリーンである場合(理論空燃比よりもリーンである場合)、実空燃比がリッチ側に移行するようにフィードバック補正量FAFが算出される。空燃比がリッチである場合(理論空燃比よりもリッチである場合)、実空燃比がリーン側に移行するようにフィードバック補正量FAFが算出される。なお、フィードバック補正量FAFの算出方法は公知であるため、ここでの説明は省略する。また、学習値FGAFは、予め定められた学習条件が成立した場合に、マップに基づいて決定される更新量を、前回算出された学習値FGAFに対して加算または減算することにより算出される。燃料噴射量が過剰であるほど(目標の燃料噴射量よりも実際の燃料噴射量が多いほど)、学習値FGAFが小さい値として算出される。一方、燃料噴射量が不足するほど(目標の燃料噴射量よりも実際の燃料噴射量が少ないほど)、学習値FGAFが大きい値として算出される。なお、学習値FGAFの算出方法についても公知であるため、ここでの説明は省略する。
このようにして算出されたフィードバック補正量FAF及び学習値FGAFに応じ、以下の式(1)に従って燃料によるオイルの希釈率Δqdが算出される(本発明でいうオイル希釈率認識手段によるオイル希釈率の算出動作)。
Δqd=(FAF+FGAF)/定数 …(1)
尚、その他のオイル希釈率判定動作としては、上記フィードバック補正量FAFと学習値FGAFとの合算値である燃料補正量を算出し、エンジン高負荷運転時における燃料補正量とエンジン低負荷運転時における燃料補正量との偏差からオイルの希釈率Δqdを算出するものなどが挙げられる。
−燃料噴射期間の可変範囲−
次に、上記筒内直噴インジェクタ78L,78R及びポート噴射インジェクタ75L,75Rそれぞれにおける燃料噴射期間の変更範囲について説明する。図5は、各インジェクタ78L,78R,75L,75Rそれぞれにおける燃料噴射期間の変更範囲を示す図(クランクシャフトCの回転角度位置を示す図)である。以下、具体的に説明する。
図5に示すように、吸気バルブ32L,32Rの開弁期間IVP及び排気バルブ34L,34Rの開弁期間EVPは、上記エンジンECU9によって実行されるバルブタイミング制御により設定される。
一般的に、吸気バルブ32L,32Rの開弁期間IVPは、開弁開始が吸入上死点(TDC)よりも進角側のタイミングとされ、開弁終了が吸入下死点(BDC)よりも遅角側のタイミングとされる。一方、排気バルブ34L,34Rの開弁期間EVPは、開弁開始が排気下死点(BDC)よりも進角側のタイミングとされ、開弁終了が排気上死点(TDC=吸入上死点)よりも遅角側のタイミングとされる。
そして、筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射期間の変更範囲は、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1と吸入行程下死点側噴射範囲DIP2との2回に分割されている。具体的には、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1は、クランクシャフトCの回転角度においてピストン51L,51Rの吸入行程上死点後(ATDC)90°の位置よりも進角側に設定されている。例えば吸入行程上死点後(ATDC)20°〜70°の範囲に設定されている。一方、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2は、クランクシャフトCの回転角度においてピストン51L,51Rの吸入行程上死点後(ATDC)90°の位置よりも遅角側に設定されている。例えば吸入行程上死点後(ATDC)110°〜160°の範囲に設定されている。
また、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射範囲(ポート燃料噴射範囲)PIPとしては、このポート噴射インジェクタ75L,75Rが上記非同期噴射を実行する場合、クランクシャフトCの回転角度においてピストン51L,51Rの吸入行程上死点前(BTDC)90°の位置よりも遅角側で且つ吸入上死点(TDC)よりも進角側に設定されている。例えば吸入行程上死点前(BTDC)80°〜30°の範囲に設定されている。
これら燃料噴射期間の変更範囲の一部の期間において筒内直噴インジェクタ78L,78Rやポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射が実行される。それぞれの変更範囲における具体的な燃料噴射実行期間や燃料噴射量については後述する。
−燃料噴射形態−
次に、本実施形態の特徴である各インジェクタ78L,78R,75L,75Rからの燃料噴射形態について説明する。この燃料噴射形態における制御パラメータとしては以下のものが挙げられる。
(1)筒内直噴インジェクタ78L,78Rにおける吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量と吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量との比率(以下、「分割比率」と呼ぶ)。
尚、以下では、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量に対する吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量の比(DIP1/DIP2)を「上死点側分割比率(Kh)」と呼び、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量に対する吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量の比(DIP2/DIP1)を「下死点側分割比率(Kl)」と呼ぶこととする。
(2)上死点側分割比率Khに応じて設定される筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射時期(直噴噴射時期ainjd)。
(3)上死点側分割比率Khに応じた筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射圧力(直噴燃料圧力epr)。
(4)上死点側分割比率Khに応じた、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量と筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射量との噴き分け率(kpfi)。
(5)上死点側分割比率Khに応じたポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時期(ポート噴射時期ainjp)。
(6)下死点側分割比率Klに応じた筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射時期(直噴噴射時期ainjd)。
(7)下死点側分割比率Klに応じた筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射圧力(直噴燃料圧力epr)。
次に、上述した各制御パラメータの設定動作について具体的に説明する。
(1)分割比率の設定動作
先ず、筒内直噴インジェクタ78L,78Rにおける吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量と吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量との比率(分割比率)の設定動作について説明する。
上記吸入行程上死点側噴射範囲DIP1において筒内直噴インジェクタ78L,78Rから燃料が噴射された場合、その燃料が噴射された時点から点火プラグ77L,77Rの点火タイミング(燃焼行程開始タイミング)までの期間は比較的長く得られるため(吸入行程下死点側噴射範囲DIP2において燃料が噴射された場合に比べて長く得られるため)、燃焼行程開始時における筒内の混合気の均質性が高く得られる。このため、安定した燃焼が実現できる。また、この吸入行程上死点側噴射範囲DIP1では、ピストン51L,51Rが上死点に近い位置にあることから筒内圧力が比較的高くなっており燃料の貫徹力(ペネトレーション)は比較的低く、且つ、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積は比較的小さい。このため、シリンダ5L,5Rの内壁面への燃料の付着量は少なくなる傾向にある。つまり、上記オイル希釈は生じにくい状況となっている。
一方、上記吸入行程下死点側噴射範囲DIP2において筒内直噴インジェクタ78L,78Rから燃料が噴射された場合、ピストン51L,51Rの下降速度(上死点から下死点に向かって移動する速度)が最も速くなる期間(ATDC90°付近)を通過した後であって吸気の流速が高い状態で燃料噴射が行われることから、気筒内の吸気の乱れが大きい状態で燃料噴射が行われる。このため、燃料の攪拌が促進され、燃焼行程時には弱成層燃焼が行われることになる。その結果、燃焼速度が高まり、エンジン出力の向上及び燃料消費率の改善が図れることになる。ところが、この吸入行程下死点側噴射範囲DIP2にあっては、ピストン51L,51Rが下死点に近い位置にあることから気筒内圧力が比較的低くなっており(上記吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での気筒内圧力に比べて低くなっており)燃料の貫徹力(ペネトレーション)は比較的高く、且つ、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積は比較的大きい。このため、シリンダ5L,5Rの内壁面への燃料の付着量は多くなる傾向にある。つまり、上記オイル希釈が生じやすい状況となっている。
そこで、本実施形態では、上述したオイル希釈率判定動作によって判定されたオイル希釈率Δqdが高いほど、上死点側分割比率Khを高く設定するようにしている(本発明でいう分割比率補正手段による分割比率の補正動作)。これにより、オイル希釈が生じやすい吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量を減量補正し、オイル希釈を抑制することが可能になる。
図6は、オイル希釈率Δqdに応じて上死点側分割比率Khを設定する場合に利用される分割比率設定マップである。上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdをこの分割比率設定マップに当て嵌めて上死点側分割比率Khを読み出し、この上死点側分割比率Khが得られるように、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量及び吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が設定されるようになっている。この分割比率設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。尚、上記吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量及び吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量の総量は、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて、図示しない燃料噴射量設定マップに従って設定される。
また、演算によって上死点側分割比率Khを設定する場合の演算式は以下の式(2)のとおりである。
Kh=Kh0×(1+Δqd) …(2)
Kh:設定される上死点側分割比率
Kh0:オイル希釈率Δqdが「0」である場合の上死点側分割比率(予め実験やシミュレーション等によって設定された上死点側分割比率)
Δqd:オイル希釈率
具体的な例を挙げると、オイル希釈率Δqdが「0(オイル希釈無し)」である場合には上死点側分割比率を「1」に設定する。つまり、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量と吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量とを同一にする。また、オイル希釈率Δqdが「0.1(10%の希釈)」である場合には上死点側分割比率を「1.1」に設定する。つまり、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量に対して吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が10%だけ多くなるように設定する。これら数値はこれに限定されるものではなく、実験やシミュレーション等によって適宜設定される。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて上死点側分割比率Khを設定することにより、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量としては、オイル希釈の抑制または防止が図れる範囲で最大限に設定することが可能となる。つまり、エンジン性能の確保及び燃料消費率の改善と、オイル希釈の抑制とを両立することが可能な分割比率を設定することが可能となる。
尚、上記では、オイル希釈率Δqdに応じて上死点側分割比率Khを設定する場合について説明したが、上死点側分割比率Khと下死点側分割比率Klとは相関があるため、オイル希釈率Δqdに応じて下死点側分割比率Klを設定するようにしてもよい。つまり、オイル希釈率Δqdが高いほど、下死点側分割比率Klを低く設定するものである。このようにオイル希釈率Δqdに応じて下死点側分割比率Klを設定する場合にも、上述と同様に、予め作成された分割比率設定マップ(この場合、オイル希釈率Δqdが高いほど下死点側分割比率Klが低くなるマップとなる)や、演算によって下死点側分割比率Klを求めるようにする。
(2)筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射時期設定動作
次に、筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射の開始時期の設定動作について説明する。
上述の如く上死点側分割比率Khが設定された場合、その上死点側分割比率Khに従って吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が変化することになる。つまり、上死点側分割比率Khが高く設定されるほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量は増大する。それに伴って、噴射期間も変化する(燃料噴射圧が一定の場合)。このため、噴射期間の最適化が必要になる。言い換えると、噴射期間が最適期間からずれている場合、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT(Wide Open Throttle)性能、オイル希釈が共に悪化することが懸念される。
この点に鑑み、上死点側分割比率Khに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における燃料噴射時期(以下、直噴噴射時期ainjdと呼ぶ)を設定する。
具体的には、(A)空気と燃料とのミキシング性の改善、(B)オイル希釈の抑制、(C)空気の充填効率の改善、といった各目的に従い、上死点側分割比率Khに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定するようにしている(本発明でいう筒内燃料噴射時期設定手段による燃料噴射時期の設定動作)。以下、各目的それぞれに応じた直噴噴射時期ainjdの設定について個別に説明する。
(A)空気と燃料とのミキシング性の改善
空気と燃料とのミキシング性を改善するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間(インターバル)を長く確保することが有効である。そのため、上死点側分割比率Khが高いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、上死点側分割比率Khが高い場合、この吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定して、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射終了タイミングを早期に得ることで上記インターバルを長く確保し、空気と燃料とのミキシング性を改善するようにしている。
図7は、上死点側分割比率Khに応じて直噴噴射時期ainjdを設定する場合に利用される直噴噴射時期設定マップである。上述の如く設定された上死点側分割比率Khをこの直噴噴射時期設定マップに当て嵌めて直噴噴射時期ainjdを読み出し、この直噴噴射時期ainjdが得られるように、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射を制御するようになっている。この直噴噴射時期設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。尚、上記直噴噴射時期設定マップに従って補正される前の直噴噴射時期ainjdは、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて予め設定されている。
また、演算によって筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを設定する場合の演算式は以下の式(3)のとおりである。
ainjd=ainjd0+Kh×Kainjd …(3)
ainjd:設定される直噴噴射時期
ainjd0:上死点側分割比率Khが「0」である場合の直噴噴射時期(予め実験やシミュレーション等によって設定された直噴噴射時期)
Kainjd:直噴噴射時期への変換係数
このようにして上死点側分割比率Khに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングを迎えるまでの期間を長く確保することが可能となり、空気と燃料とのミキシング性を改善できて、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈を改善することができる。
尚、この空気と燃料とのミキシング性を改善するための直噴噴射時期ainjdの設定動作が対象とする上死点側分割比率Khとして、例えば上死点側分割比率Khが「0.5」を超えている場合に、上死点側分割比率Khに応じて直噴噴射時期ainjdを設定するようにしてもよい。つまり、上死点側分割比率Khが予め設定された所定値を超えた場合に、上死点側分割比率Khが高いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するものである。これは、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が比較的多い場合に、上記ミキシング性の改善が要求される状況に対応するためである。
尚、上記では、上死点側分割比率Khに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定する場合について説明したが、上死点側分割比率Khと下死点側分割比率Klとは相関があるため、下死点側分割比率Klに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定するようにしてもよい。つまり、下死点側分割比率Klが低いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するものである。このように下死点側分割比率Klに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定する場合にも、上述と同様に予め作成された直噴噴射時期設定マップ(この場合、下死点側分割比率Klが低いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するマップとなる)や、演算によって直噴噴射時期ainjdを求めるようにする。
(B)オイル希釈の抑制
上記オイル希釈を抑制するためには、筒内圧力が比較的高い状態で燃料噴射を行って燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くし、また、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積が比較的小さい状態で燃料噴射を行うことが有効である。そのため、上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、上死点側分割比率Khが高い場合、この吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射時期を進角側に設定して、筒内圧力が比較的高い状態で燃料噴射を行って燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くし、また、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積が比較的小さい状態で燃料噴射を行うようにしている。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、オイル希釈を抑制することができる。
(C)空気の充填効率の改善
空気の充填効率ηvを改善するためには、噴射される燃料によって気筒内への空気の流入が妨げられることがないようにし、また、気化潜熱を最大限に利用して上記燃料による吸気冷却効果を効率よく発揮させることが有効である。そのため、上死点側分割比率Khが低いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、上死点側分割比率Khが低い場合、この吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が少なく、燃料噴射期間も短くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定して、単位時間当たりの吸入空気量が多い期間での燃料噴射を停止できるようにしている。具体的には、吸入行程においてピストン51L,51Rの下降速度(上死点から下死点に向かって移動する速度)が最も速くなる期間(例えば上死点後60°〜120°)では燃料噴射を行わないように、つまり、上死点後60°の時点では、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での必要量の燃料の噴射が完了しているように直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。
このようにして上死点側分割比率Khに応じて吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、空気の充填効率ηvを高めることができ、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能を改善することができる。
尚、この空気の充填効率ηvを改善するための直噴噴射時期ainjdの設定動作が対象とする上死点側分割比率Khとして、例えば上死点側分割比率Khが「0.3」を下回った場合に、上死点側分割比率Khに応じて直噴噴射時期ainjdを設定するようにしてもよい。つまり、上死点側分割比率Khが予め設定された所定値を下回った場合に、上死点側分割比率Khが低いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するものである。これは、吸入行程においてピストン51L,51Rの下降速度(上死点から下死点に向かって移動する速度)が最も速くなる期間では燃料噴射を停止することが可能となる程度の比較的少量の燃料噴射量を噴射する場合に上記効果を奏することができるからである。言い換えると、上死点側分割比率Khが比較的高い場合には直噴噴射時期ainjdを進角側に設定したとしても空気の充填効率ηvの改善効果を得ることができない可能性があるので、上記動作が対象とする上死点側分割比率Khの範囲を特定したものである。
(3)筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射圧力設定動作
次に、筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射圧力(以下、直噴燃料圧力eprと呼ぶ)の設定動作について説明する。
上述の如く上死点側分割比率Khが設定された場合、その上死点側分割比率Khに従って吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が変化することになる。つまり、上死点側分割比率Khが高く設定されるほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が増大する。それに伴って、噴射期間を適正に得るための適切な燃料噴射圧力も変化する。言い換えると、燃料噴射圧力が適正値からずれている場合、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈が共に悪化することが懸念される。
この点に鑑み、上死点側分割比率Khに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定する。
具体的には、(A)空気と燃料とのミキシング性の改善、(B)オイル希釈の抑制、といった各目的に従い、上死点側分割比率Khに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定するようにしている(本発明でいう燃料噴射圧力設定手段による燃料噴射圧力の設定動作)。以下、各目的それぞれに応じた直噴燃料圧力eprの設定について個別に説明する。
(A)空気と燃料とのミキシング性の改善
上述した如く、空気と燃料とのミキシング性を改善するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間(インターバル)を長く確保することが有効である。そのため、上死点側分割比率Khが高いほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射期間の短縮化が図れるように直噴燃料圧力eprを高圧側に設定する。つまり、上死点側分割比率Khが高い場合、この吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなりやすいため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴燃料圧力eprを高く設定し、必要量の燃料噴射が完了するまでの燃料噴射期間を短くすることで上記インターバルを長く確保できるようにし、空気と燃料とのミキシング性を改善するようにしている。
図8は、上死点側分割比率Khに応じて直噴燃料圧力eprを設定する場合に利用される直噴燃料圧力設定マップである。上述の如く設定された上死点側分割比率Khをこの直噴燃料圧力設定マップに当て嵌めて直噴燃料圧力eprを読み出し、この直噴燃料圧力eprが得られるように、高圧燃料ポンプ110(電磁スピル弁114)を制御するようになっている。この直噴燃料圧力設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。
また、演算によって筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定する場合の演算式は以下の式(4)のとおりである。
epr=epr0+Kh×Kepr …(4)
epr:設定される直噴燃料圧力
epr0:上死点側分割比率Khが「0」である場合の直噴燃料圧力(予め実験やシミュレーション等によって設定された直噴燃料圧力)
Kepr:直噴燃料圧力への変換係数
このようにして上死点側分割比率Khに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定することにより、短時間で必要量の燃料噴射を完了させることができ、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングを迎えるまでの期間を長く確保することが可能となり、空気と燃料とのミキシング性を改善できて、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈を改善することができる。
また、この場合、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料圧力も高くなるので、その噴射期間を短く設定し、上記上死点側分割比率Khを維持するようにする。
尚、上記では、上死点側分割比率Khに応じて直噴燃料圧力eprを設定する場合について説明したが、上死点側分割比率Khと下死点側分割比率Klとは相関があるため、下死点側分割比率Klに応じて直噴燃料圧力eprを設定するようにしてもよい。つまり、下死点側分割比率Klが低いほど直噴燃料圧力eprを高圧側に設定するものである。このように下死点側分割比率Klに応じて直噴燃料圧力eprを設定する場合にも、上述と同様に予め作成された直噴燃料圧力設定マップ(この場合、下死点側分割比率Klが低いほど直噴燃料圧力eprを高圧側に設定するマップとなる)や、演算によって直噴燃料圧力eprを求めるようにする。
(B)オイル希釈の抑制
上記オイル希釈を抑制するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rから噴射される燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くすることが有効である。そのため、上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを低圧側に設定する。これにより、燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低く設定するようにしている。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて直噴燃料圧力eprを設定することにより、オイル希釈を抑制することができる。
尚、このように直噴燃料圧力eprを低圧側に設定した場合、燃料噴射期間が長くなる傾向となるため、この場合には、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射期間を進角側に移行させることが好ましい。
(4)噴き分け率設定動作
次に、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量と筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射量との噴き分け率(本発明でいう分担率)kpfiの設定動作について説明する。
上述の如く上死点側分割比率Khが設定された場合、その上死点側分割比率Khに従って吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が変化することになる。つまり、上死点側分割比率Khが高く設定されるほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が増大する。そして、このように上死点側分割比率Khが設定された場合の燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈をよりいっそう改善するためには、上記噴き分け率の最適化が必要である。
この点に鑑み、上死点側分割比率Khに応じて上記噴き分け率kpfiを設定する。
具体的には、(A)空気と燃料とのミキシング性の改善、(B)オイル希釈の抑制、(C)空気の充填効率の適正化、といった各目的に従い、上死点側分割比率Khに応じて噴き分け率kpfiを設定するようにしている(本発明でいう燃料噴射分担率設定手段による分担率の設定動作)。以下、各目的それぞれに応じた噴き分け率kpfiの設定について個別に説明する。
(A)空気と燃料とのミキシング性の改善
上述した如く、空気と燃料とのミキシング性を改善するためには、各インジェクタ75L,75R,78L,78Rから燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間(インターバル)を長く確保することが有効である。そのため、上死点側分割比率Khが高いほどポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量を増量する。つまり、筒内直噴インジェクタ78L,78R側の噴き分け率を低く設定すると共に、ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定する。これにより、各インジェクタ75L,75R,78L,78Rから噴射される総燃料量のうち、上記インターバルが長く得られる燃料量(ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料量)を多く確保して、空気と燃料とのミキシング性を改善するようにしている。つまり、上記上死点側分割比率Khが高く設定されている場合、空気と燃料とのミキシング性改善要求のある燃料噴射制御が行われていると想定されるため、ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定することで、よりいっそう空気と燃料とのミキシング性を改善できる燃料噴射形態を実現するようにしたものである。
図9は、上死点側分割比率Khに応じて噴き分け率(ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率)kpfiを設定する場合に利用される噴き分け率設定マップである。上述の如く設定された上死点側分割比率Khをこの噴き分け率設定マップに当て嵌めて噴き分け率kpfiを読み出し、この噴き分け率kpfiが得られるように、各インジェクタ75L,75R,78L,78Rからの燃料噴射量(開弁期間)を制御するようになっている。この噴き分け率設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。
また、演算によって噴き分け率kpfiを設定する場合の演算式は以下の式(5)のとおりである。
kpfi=kpfi0+Kh×Kkpfi …(5)
kpfi:設定される噴き分け率
kpfi0:上死点側分割比率Khが「0」である場合の噴き分け率(予め実験やシミュレーション等によって設定された噴き分け率)
Kkpfi:噴き分け率への変換係数
このようにして上死点側分割比率Khに応じて噴き分け率kpfiを設定することにより、各インジェクタ75L,75R,78L,78Rから噴射される総燃料量のうち、上記インターバルが長く得られる燃料量を多く確保することが可能となり、空気と燃料とのミキシング性を改善できて、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈を改善することができる。
尚、上記では、上死点側分割比率Khに応じて噴き分け率kpfiを設定する場合について説明したが、上死点側分割比率Khと下死点側分割比率Klとは相関があるため、下死点側分割比率Klに応じて噴き分け率kpfiを設定するようにしてもよい。つまり、下死点側分割比率Klが低いほどポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定するものである。このように下死点側分割比率Klに応じて噴き分け率kpfiを設定する場合にも、上述と同様に予め作成された噴き分け率設定マップ(この場合、下死点側分割比率Klが低いほどポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定するマップとなる)や、演算によって噴き分け率kpfiを求めるようにする。
(B)オイル希釈の抑制
上記オイル希釈を抑制するためには、気筒内に供給される燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くすることが有効である。そのため、上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdが高いほどポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量を多く設定する。つまり、筒内直噴インジェクタ78L,78R側の噴き分け率を低く設定すると共に、ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定する。ポート噴射インジェクタ75L,75Rは吸気ポート31L,31Rに配設されており、シリンダ5L,5Rの内壁面との距離が比較的大きい(筒内直噴インジェクタ78L,78Rとシリンダ5L,5Rの内壁面との距離よりも大きい)、また、このポート噴射インジェクタ75L,75Rから噴射される燃料の圧力は上記フィードポンプ102からの吐出圧程度であり比較的低い(高圧燃料ポンプ110からの吐出圧を受ける筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射圧力よりも低い)。このため、ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定することにより、気筒内に直接噴射される燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くすることが可能になり、シリンダ5L,5Rの内壁面への燃料の付着量を少なくできる。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて噴き分け率kpfiを設定することにより、オイル希釈を抑制することができる。
(C)空気の充填効率の適正化
空気の充填効率ηvが高すぎる場合、それに応じて燃料噴射量も多くなるため、ノッキングの発生が懸念される状況となる。つまり、上死点側分割比率Khが高い場合、上記吸気冷却効果が大きく発生される吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が多くなるため、空気の充填効率ηvが高くなりすぎてノッキングの発生が懸念される可能性がある。
そのため、上死点側分割比率Khが高いほど、つまり、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が多いほど、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射量を多く設定する。つまり、筒内直噴インジェクタ78L,78R側の噴き分け率を低く設定すると共に、ポート噴射インジェクタ75L,75R側の噴き分け率を高く設定する。
これにより、筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射総量が減量され、その結果、吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量も減量されることになる(上記分割比率を変化させることなく吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が減量されることになる)。
このようにして上死点側分割比率Khに応じて噴き分け率kpfiを設定することにより、空気の充填効率ηvの適正化が図れ、ノッキングの抑制を図ることができる。
(5)ポート噴射インジェクタ75L,75Rの燃料噴射時期設定動作
次に、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時期の設定動作について説明する。
上述の如く上死点側分割比率Khが設定された場合、その上死点側分割比率Khに従って吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量が変化することになる。つまり、上死点側分割比率Khが高く設定されるほど吸入行程上死点側噴射範囲DIP1での燃料噴射量は増大する。そして、このように上死点側分割比率Khが設定された場合の燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈をよりいっそう改善するためには、上記ポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時期の最適化が必要である。
この点に鑑み、上死点側分割比率Khに応じてポート噴射インジェクタ75L,75Rからの燃料噴射時期(以下、ポート噴射時期ainjpと呼ぶ)を設定する。
具体的には、(A)空気の充填効率の改善とノッキングの抑制、(B)オイル希釈の抑制とエンジンの性能確保、といった各目的に従い、上死点側分割比率Khに応じてポート噴射時期ainjpを設定するようにしている(本発明でいう吸気通路燃料噴射時期設定手段による燃料噴射時期の設定動作)。以下、各目的それぞれに応じたポート噴射時期ainjpの設定について個別に説明する。
尚、上述した如くポート噴射時期ainjpとしては、上記吸気バルブ32L,32Rの開弁動作に連動して燃料噴射を実行する同期噴射と、上記吸気バルブ32L,32Rの開弁動作に連動せず、つまり、吸気バルブ32L,32Rの閉弁状態においても燃料噴射を実行する非同期噴射とがあり、これらが切り換え可能、または、同期噴射での噴射量と非同期噴射での噴射量との比率が変更可能となっている。一般に、エンジンEの通常運転時には非同期噴射が行われ、冷間運転時等にあっては同期噴射が行われる。
(A)空気の充填効率の改善とノッキングの抑制
上死点側分割比率Khが所定値よりも高い場合には、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからのポート噴射時期ainjpとしては同期噴射が行われる。または、上死点側分割比率Khが高いほど、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからのポート噴射時期ainjpとしては同期噴射での噴射量が非同期噴射での噴射量よりも多くなるように設定される。
同期噴射では、上記筒内直噴インジェクタ78L,78Rでの燃料噴射と同等の効果が発揮され、また、燃料噴射圧力は比較的低いため、シリンダ5L,5Rの内壁面への燃料の付着量は少ない。このため、オイル希釈の抑制、エンジンEの性能確保、ノッキングの抑制を図ることが可能になる。
図10は、上死点側分割比率Khに応じてポート噴射時期ainjpを設定する場合に利用されるポート噴射時期設定マップである。上述の如く設定された上死点側分割比率Khをこのポート噴射時期設定マップに当て嵌めてポート噴射時期ainjpを読み出し、このポート噴射時期ainjpが得られるように、ポート噴射インジェクタ75L,75Rの燃料噴射を制御するようになっている。この図10は、縦軸であるポート噴射時期ainjpの上側が同期噴射量を増大する側となっている。このポート噴射時期設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。
また、演算によってポート噴射時期ainjpを設定する場合の演算式は以下の式(6)のとおりである。
ainjp=ainjp0+Kh×Kainjp …(6)
ainjp:設定されるポート噴射時期
ainjp0:上死点側分割比率Khが「0」である場合のポート噴射時期(予め実験やシミュレーション等によって設定されたポート噴射時期)
Kainjp:ポート噴射時期への変換係数
このようにして上死点側分割比率Khに応じてポート噴射時期ainjpを設定することにより、オイル希釈の抑制、エンジンEの性能確保、ノッキングの抑制を図ることが可能になる。
尚、上記では、上死点側分割比率Khに応じてポート噴射時期ainjpを設定する場合について説明したが、上死点側分割比率Khと下死点側分割比率Klとは相関があるため、下死点側分割比率Klに応じてポート噴射時期ainjpを設定するようにしてもよい。つまり、下死点側分割比率Klが所定値以下である場合には、ポート噴射時期ainjpとして同期噴射を実行するようにしたり、下死点側分割比率Klが低いほど、ポート噴射インジェクタ75L,75Rからのポート噴射時期ainjpとしては同期噴射での噴射量が非同期噴射での噴射量よりも多くなるように設定する。このように下死点側分割比率Klに応じてポート噴射時期ainjpを設定する場合にも、上述と同様に予め作成されたポート噴射時期設定マップや、演算によってポート噴射時期ainjpを求めるようにする。
(B)オイル希釈の抑制とエンジン性能の確保
上死点側分割比率Khが所定値よりも低い場合には、ポート噴射時期ainjpとしては非同期噴射が行われる。または、上死点側分割比率Khが低いほど、非同期噴射での噴射量が同期噴射での噴射量よりも多くなるように設定する。
非同期噴射では、上述した如く、吸気バルブ32L,32Rの閉弁状態において燃料噴射が実行されるため、吸気ポート31L,31R内での燃料と空気とのミキシングが行われ、吸気バルブ32L,32Rの開弁時には予混合状態の混合気が筒内に導入されることになる。このため、オイル希釈の抑制とエンジンEの性能確保とを図ることが可能になる。
(6)吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射時期設定動作
次に、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射の開始時期の設定動作について説明する。
上述の如く下死点側分割比率Klが設定された場合、その下死点側分割比率Klに従って吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が変化することになる。つまり、下死点側分割比率Klが高く設定されるほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量は増大する。それに伴って、噴射期間も変化する(燃料噴射圧が一定の場合)。このため、噴射期間の最適化が必要になる。言い換えると、噴射期間が最適期間からずれている場合、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈が共に悪化することが懸念される。
この点に鑑み、下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における燃料噴射時期(以下、直噴噴射時期ainjdと呼ぶ)を設定する。
具体的には、(A)空気と燃料とのミキシング性の改善、(B)オイル希釈の抑制、(C)空気の充填効率の改善、(D)スモーク発生の抑制、といった各目的に従い、下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定するようにしている。以下、各目的それぞれに応じた直噴噴射時期ainjdの設定について個別に説明する。
(A)空気と燃料とのミキシング性の改善
空気と燃料とのミキシング性を改善するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間(インターバル)を長く確保することが有効である。そのため、下死点側分割比率Klが高いほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、下死点側分割比率Klが高い場合、この吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定して上記インターバルを長く確保し、空気と燃料とのミキシング性を改善するようにしている。
図11は、下死点側分割比率Klに応じて直噴噴射時期ainjdを設定する場合に利用される直噴噴射時期設定マップである。上述の如く設定された下死点側分割比率Klをこの直噴噴射時期設定マップに当て嵌めて直噴噴射時期ainjdを読み出し、この直噴噴射時期ainjdが得られるように、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射を制御するようになっている。この直噴噴射時期設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。尚、上記直噴噴射時期設定マップに従って補正される前の直噴噴射時期ainjdは、エンジン負荷やエンジン回転数等に基づいて予め設定されている。
また、演算によって筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを設定する場合の演算式は以下の式(7)のとおりである。
ainjd=ainjd0+Kl×Kainjd …(7)
ainjd0:下死点側分割比率Klが「0」である場合の直噴噴射時期(予め実験やシミュレーション等によって設定された燃料噴射時期)
このようにして下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、筒内直噴インジェクタ78L,78Rから燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間を長く確保することが可能となり、空気と燃料とのミキシング性を改善できて、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈を改善することができる。
尚、上記では、下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定する場合について説明したが、下死点側分割比率Klと上死点側分割比率Khとは相関があるため、上死点側分割比率Khに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定するようにしてもよい。つまり、上死点側分割比率Khが低いほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するものである。このように上死点側分割比率Khに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定する場合にも、上述と同様に予め作成された直噴噴射時期設定マップ(この場合、上死点側分割比率Khが低いほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを進角側に設定するマップとなる)や、演算によって直噴噴射時期ainjdを求めるようにする。
(B)オイル希釈の抑制
上記オイル希釈を抑制するためには、筒内圧力が比較的高い状態で燃料噴射を行って燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くし、また、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積が比較的小さい状態で燃料噴射を行うことが有効である。そのため、上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、下死点側分割比率Klが高い場合、この吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射時期を進角側に設定して、筒内圧力が比較的高い状態で燃料噴射を行って燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くし、また、気筒内に露出しているシリンダ5L,5Rの内壁面の面積が比較的小さい状態で燃料噴射を行うようにしている。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、オイル希釈を抑制することができる。
(C)空気の充填効率の改善
空気の充填効率ηvを改善するためには、噴射される燃料によって気筒内への空気の流入が妨げられることがないようにし、また、気化潜熱を最大限に利用して上記燃料による吸気冷却効果を効率よく発揮させることが有効である。そのため、下死点側分割比率Klが低いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを遅角側に設定する。つまり、下死点側分割比率Klが低い場合、この吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が少なく、燃料噴射期間も短くなるため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを遅角側に設定して、単位時間当たりの吸入空気量が多い期間を経た後に燃料噴射が開始されるようにしている。具体的には、吸入行程においてピストン51L,51Rの下降速度(上死点から下死点に向かって移動する速度)が最も速くなる期間(例えば上死点後60°〜120°)では燃料噴射を行わないように、つまり、上死点後120°を経た後に、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射を開始するように直噴噴射時期ainjdを遅角側に設定する。
このようにして下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における直噴噴射時期ainjdを設定することにより、空気の充填効率ηvを高めることができ、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能を改善することができる。
(D)スモーク発生の抑制
スモークの発生を抑制するためには、ピストン51L,51Rの頂面への液相燃料の付着を抑制することが有効である。つまり、ピストン51L,51Rの頂面周辺での酸素不足に伴うスモークの発生を回避する必要がある。
このため、下死点側分割比率Klが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定する。つまり、ピストン51L,51Rの頂面への液相燃料の付着を抑制するためには、吸入行程下死点側噴射範囲DIP2における燃料噴射を、ピストン51L,51Rが上死点から下死点に向かって移動している状態で完了することが有効である。言い換えると、ピストン51L,51Rが下死点から上死点に向かって移動している状態では、ピストン51L,51Rが筒内直噴インジェクタ78L,78Rに向かって近付いてくるため、このタイミングで燃料噴射を行うと、ピストン51L,51Rの頂面への液相燃料の付着が懸念される状況となる。このため、下死点側分割比率Klが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴噴射時期ainjdを進角側に設定し、ピストン51L,51Rが筒内直噴インジェクタ78L,78Rから遠離っていく期間に燃料噴射を完了させ、ピストン51L,51Rの頂面への液相燃料の付着を抑制して、スモークの発生を抑制する。
(7)下死点側分割比率Klに応じた燃料噴射圧力設定動作
次に、下死点側分割比率Klに応じた筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの燃料噴射圧力(直噴燃料圧力epr)の設定動作について説明する。
上述の如く下死点側分割比率Klが設定された場合、その下死点側分割比率Klに従って吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が変化することになる。つまり、下死点側分割比率Klが高く設定されるほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が増大する。それに伴って、噴射期間を適正に得るための適切な燃料噴射圧力も変化する。言い換えると、燃料噴射圧力が適正値からずれている場合、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈が共に悪化することが懸念される。
この点に鑑み、下死点側分割比率Klに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定する。
具体的には、(A)空気と燃料とのミキシング性の改善、(B)オイル希釈の抑制、(C)気筒内での混合気状態の適正化、といった各目的に従い、下死点側分割比率Klに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定するようにしている。以下、各目的それぞれに応じた直噴燃料圧力eprの設定について個別に説明する。
(A)空気と燃料とのミキシング性の改善
上述した如く、空気と燃料とのミキシング性を改善するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間(インターバル)を長く確保することが有効である。そのため、下死点側分割比率Klが高いほど吸入行程下死点側噴射範囲DIP2の短縮化が図れるように直噴燃料圧力eprを高圧側に設定する。つまり、下死点側分割比率Klが高い場合、この吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での燃料噴射量が多く、燃料噴射期間も長くなりやすいため、筒内直噴インジェクタ78L,78Rの直噴燃料圧力eprを高く設定し、必要量の燃料噴射が完了するまでの燃料噴射期間を短くすることで上記インターバルを長く確保できるようにし、空気と燃料とのミキシング性を改善するようにしている。
図12は、下死点側分割比率Klに応じて吸入行程下死点側噴射範囲DIP2での直噴燃料圧力eprを設定する場合に利用される直噴燃料圧力設定マップである。上述の如く設定された下死点側分割比率Klをこの直噴燃料圧力設定マップに当て嵌めて直噴燃料圧力eprを読み出し、この直噴燃料圧力eprが得られるように、高圧燃料ポンプ110(電磁スピル弁114)を制御するようになっている。この直噴燃料圧力設定マップは、予め実験やシミュレーション等によって作成されたものであり、上記ROM92に記憶されている。
また、演算によって筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定する場合の演算式は以下の式(8)のとおりである。
epr=epr0+Kl×Kepr …(8)
epr0:下死点側分割比率Klが「0」である場合の直噴燃料圧力(予め実験やシミュレーション等によって設定された直噴燃料圧力)
このようにして下死点側分割比率Klに応じて筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを設定することにより、短時間で必要量の燃料噴射を完了させることができ、筒内直噴インジェクタ78L,78Rから燃料噴射が終了してから点火プラグ77L,77Rの点火タイミングまでの期間を長く確保することが可能となり、空気と燃料とのミキシング性を改善できて、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈を改善することができる。
(B)オイル希釈の抑制
上記オイル希釈を抑制するためには、筒内直噴インジェクタ78L,78Rから噴射される燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低くすることが有効である。そのため、上記オイル希釈率判定動作によって求められたオイル希釈率Δqdが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを低圧側に設定する。これにより、燃料の貫徹力(ペネトレーション)を低く設定するようにしている。
このようにしてオイル希釈率Δqdに応じて直噴燃料圧力eprを設定することにより、オイル希釈を抑制することができる。
(C)気筒内での混合気状態の適正化
気筒内での混合気状態の適正化を図るためには、気筒内での混合気の攪拌が効果的に行えるよう空気と燃料とのミキシング性を改善する必要がある。このため、下死点側分割比率Klが高いほど筒内直噴インジェクタ78L,78Rからの直噴燃料圧力eprを高圧側に設定し、気筒内での乱流の発生を促進させ、燃焼速度を高めて燃焼効率の向上を図るようにしている。
以上説明してきた制御パラメータ(1)〜(7)の設定動作は、エンジンEの運転時において何れか一つを実行するようにしてもよいし、複数を同時に実行するようにしてもよい。または、全てを同時に実行するようにしてもよい。これら制御パラメータの設定により、燃料噴射形態の適正化が図れ、燃焼、排気エミッション、燃料消費率、WOT性能、オイル希釈の改善を図ることができる。
−他の実施形態−
以上説明した実施形態では、自動車用V型8気筒ガソリンエンジンEに本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、自動車用直列型エンジン、自動車用水平対向型エンジン等に対しても適用可能である。また、自動車用に限らず、その他のエンジンにも本発明は適用可能である。また、気筒数、V型エンジンEにおけるVバンクの挟み角、その他エンジンEの仕様は特に限定されるものではない。
また、本発明は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両、FR(フロントエンジン・リアドライブ)型車両、4輪駆動車の何れにも適用できる。
また、上述した燃料噴射形態における制御パラメータ(1)〜(7)のうち(1)〜(3)、(6)、(7)については、燃料噴射弁として筒内直噴インジェクタ78L,78Rのみを備えたエンジンに対しても適用が可能である。
本発明は、筒内直噴インジェクタを備えた自動車用エンジンにおいて、吸入上死点側での燃料噴射と吸入下死点側での燃料噴射との分割比率を設定することによりオイル希釈の抑制を図る燃料噴射制御に適用可能である。
5L,5R シリンダ
31L,31R 吸気ポート
75L,75R ポート噴射インジェクタ(吸気通路用燃料噴射弁)
76L,76R 燃焼室
78L,78R 筒内直噴インジェクタ(筒内噴射用燃料噴射弁)
9 エンジンECU
E エンジン(内燃機関)
DIP1 吸入行程上死点側噴射範囲
DIP2 吸入行程下死点側噴射範囲
KL 上死点側分割比率
Kl 下死点側分割比率
Δqd オイル希釈率

Claims (2)

  1. 吸気通路に燃料を噴射する吸気通路用燃料噴射弁、及び、燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射用燃料噴射弁を備え、吸入行程における筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射を上死点側の分割噴射と下死点側の分割噴射とに分割して実行可能とする内燃機関の制御装置において、
    上記筒内噴射用燃料噴射弁から噴射された燃料がシリンダ壁面に付着することに起因するオイル希釈率に応じて、上記上死点側の分割噴射と下死点側の分割噴射との分割比率を補正する分割比率補正手段と、
    上記分割比率補正手段により補正された上記分割比率に基づいて上記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射量と上記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射量との比である分担率を設定する燃料噴射分担率設定手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の制御装置において、
    上記燃料噴射分担率設定手段は、下死点側の分割噴射での噴射量に対する上死点側の分割噴射での噴射量の比である上死点側分割比率が高いほど、上記筒内噴射用燃料噴射弁からの燃料噴射量に対する上記吸気通路用燃料噴射弁からの燃料噴射量の分担率を高く設定するよう構成されていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
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