JP5514739B2 - メラニン生成抑制剤及び皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明はメラニン生成抑制剤及びこれを利用した皮膚外用剤に関する。
従来から、皮膚の色黒やシミ、ソバカス等を改善する各種の美白用外用剤が提供されてきた。美白剤の有効成分として配合される美白成分として、アルブチンやコウジ酸、アスコルビン酸及びこれらの誘導体、グルタチオン、コロイドイオウなどが周知の物質として用いられており、近年では、4−MSK(4−メトキシサリチル酸カリウム塩)やルシノール(登録商標)、マグノリグナン(登録商標)、エラグ酸やリノール酸などが市販されている美白用外用剤の有効成分として用いられている。
こうした化合物以外にも、ウワウルシ抽出物やガジュツ抽出物、カミツレ抽出物、桑白皮抽出物、プラセンタ抽出物などの各種動植物抽出物、海藻抽出物も美白用外用剤の有効成分として用いられている。
しかしながら、これらの動植物等の抽出物に含まれている成分のなかでどの成分が美白効果を奏するのか特定されているものは少ない。これまでのところ、ウワウルシ抽出物中のアルブチンが美白作用を有することが知られているにすぎず、近年においても、美白作用が公知であるジャトバ抽出物から特定構造の縮合型タンニン型物質が美白作用を有することが開示されているのみである(特許文献1参照)。一方、美白効果が知られていない植物抽出物からも種々の美白成分が見いだされているのも事実である(例えば特許文献2参照)。
下記の化1で示されるゼデロン(zederone)は、ガジュツ(我朮、Curcuma zedoaria Roscoe (Zingiberaceae):別名紫ウコン)中にその存在が確認されて以来(非特許文献1)、ガジュツのみならずその類縁植物であるウコン属の植物、例えば、C. phaeocaulisや日本で言われるウコン(Curcuma longa 〔syn. C. domestica〕:別名秋ウコン)、春ウコン(Curcuma aromatica Salisb)、センリョウ科チャラン属のフタリシズカ(Chloranthus serratus (Chloranthaceae))などに存在していることが数多く報告されている(例えば非特許文献2〜4参照)。
Figure 0005514739
ガジュツ抽出物やウコン抽出物が美白作用の他に抗アレルギー作用を有すること(特許文献3〜6参照)や痩身作用を有すること(特許文献7参照)、発毛促進作用を有すること(特許文献8参照)、血行促進作用を有すること(特許文献9参照)、皮膚の老化やシワ防止作用を有すること(特許文献10参照)など種々の薬理作用を示すことについては多くの報告がある。
しかしながら、ウコン属の植物である秋ウコンについては美白作用がないことが本願出願人によって確認されており(特許文献11参照)、同じくゼデロンを含有する植物抽出物であってもそれぞれ美白作用を発揮するとは限られず、ゼデロンが美白成分の本質であるとは考えられなかった。
さらに、美白作用のメカニズムについては種々の研究が行われ、様々な作用機序が見いだされている。例えば、メラニンの生成にはc−kit遺伝子が関与することが見いだされ、前記特許文献11には、ガジュツの50%(v/v)エタノール抽出物がc−kit遺伝子の発現を抑制することにより美白作用が発揮されることが開示されている。しかしながら、このようにガジュツ抽出物の作用機序としてc−kit遺伝子の発現抑制が見いだされたとしても、上記のようにガジュツ抽出物中に含まれるいかなる物質がc−kit遺伝子の発現抑制に関与しているかどうかは不明である。
化合物としてのゼデロンについて言及するならば、ゼデロンが抗菌活性を有すること(非特許文献5参照)、D-GalN/LPSで誘導される肝障害を防ぐ作用があること(非特許文献6参照)が知られているにすぎない。また、前記特許文献3にはゼデロンを含むガジュツ抽出物が皮膚活性化促進を図ることが、前記特許文献11にはゼデロンを含むガジュツの精油成分が肝臓の解毒機能促進作用や利尿作用、強心作用、抗菌作用、血中コレステロールの抑制作用を示すことが、前記特許文献12にはゼデロン等のテルペン類が抗生活習慣病作用を示すことがそれぞれ記載されているが、いずれの特許文献においてもゼデロンが直接これらの作用を示すことについては明確にされていない。
また、抗炎症活性を有する物質としてガジュツに含まれるフラノジエノンが知られており(非特許文献7参照)、ガジュツから単離される成分にストレス性潰瘍を抑える作用があり、抗潰瘍活性を有する物質としてフラノジエノンが知られている(非特許文献8参照)。
また、抗微生物作用、抗菌、抗ウィルス効果を有する物質としてフラノジエノン及びクルゼレノンが知られている(特許文献13参照)。
このように、これまでのところゼデロンなどの物質が美白作用を有することについての報告は見あたらず、ガジュツ抽出物中の美白成分についてはほとんど知られていないのが実情である。
このような技術背景の下、本願発明者等はこれまでとは異なる美白成分を求めていた。すなわち、アスコルビン酸は酸化されやすく不安定であり、種々の誘導体が用いられているが、人の肌に触れる化粧料の成分としては天然物由来の成分が好ましいという事情がある。グルタチオンやコロイドイオウは特有の異臭や沈殿を生じるという欠点を有する。動植物抽出物や海藻抽出物は効果が不十分であったり、品質が一定しないといった問題点がある。コウジ酸やフェノール基を有するアルブチンやエラグ酸はアルカリ下や金属イオンの存在で着色を起こす虞があるので、その安定性の維持に配慮しなければならないという製剤上の問題を有していた。また、前記特許文献2に記載のセスキテルペンラクトン類は特有の匂いを有することが多く、オイル状である化合物は安定性がよくないことが知られており、製品への安定配合が困難であった。このように、これまでの美白成分はそれぞれある種の欠点を有していた。
特許第3650245号公報 特開2005−2050号公報 特開平2−209804号公報 特開昭61−291524号公報 特開昭62−108822号公報 特開平09−208480号公報 特開平11−193240号公報 特開2002−20242号公報 特開2002−249435号公報 特開2005-194246号公報 特開2006−246752号公報 特開2007−129920号公報 特開2000−119188号公報
Hiroshi Hikino et al., Chemical Pharmaceutical Bulletin (1968), 16(6), 1081-1087. Yu-Chi Hou et al., Chinese Pharmaceutical Journal (Taipei) (1997), 49(2), 119-125. Jun Kawabata et. al., Agricultural and Biological Chemistry (1985), 49(5), 1479-1485. Minh Giang Phan et al., Tap Chi Hoa Hoc (2000), 38(4), 96-99. Minh Giang Phan et al., Tap Chi Hoa Hoc (2000), 38(1), 91-94. Hisashi Matsuda, Chemical Pharmaceutical Bulletin (2001), 49(12), 1558-1566. H. Makabe et al., Natural Product Research, Part B: Bioactive Natural Products (2006), 20(7), 680-685. Kazuo Watanabe et al., Yakugaku Zasshi (1986), 106(12), 1137-1142.
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は製剤中への配合が容易でしかも有効性が著しく高いメラニン生成抑制剤を提供することにある。
本発明者らは上記の背景技術の下、鋭意努力したところ、ガジュツ抽出物を出発点として、一群の化合物が優れた美白効果を有することを見いだし、本願発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
[1]
式:
Figure 0005514739
{式中、
はH又はC1−3アルキルであり、
及びRは、独立して、H、OH又はC1−3アルキルであり、
あるいはRとRは一緒になって=Oになり、
はH又はC1−3アルキルであり、
X及びYは
Figure 0005514739
[式中、
記号:
Figure 0005514739
は単結合又は二重結合を表し;
はH又はC1−3アルキルであり、
はH、OH又はC1−3アルキルであり、
及びRは、独立して、H又はC1−3アルキルであり、又は結合(1)が二重結合である場合はRとR又はRのいずれか一方とは存在せず、あるいはRとRは一緒になって−O−を形成し、
はH又はC1−3アルキルであり、
10はH又はC1−3アルキルであり、又は結合(2)が二重結合である場合はR10は存在しない]で表される二価の基、
又は
Figure 0005514739
[式中、
11は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルキル又は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルケニルであり、
12は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルキル又は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルケニルであり、
13はH又はC1−3アルキルである]で表される二価の基
を形成する}
で表される1種又2種以上の化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤;
[2]
該化合物が、
式:
Figure 0005514739
{式中、
はメチルであり、
及びRは、独立して、H又はOHであるか、又はRとRは一緒になって=Oになり、
はHであり、
X及びYは
Figure 0005514739
[式中、記号:
Figure 0005514739
は単結合又は二重結合を表し;
はHであるか、又は存在せず、
はH又はOHであり、
及びRは、独立して、H又はメチルであり、又は結合(1)が二重結合である場合はRとR又はRのいずれか一方とは存在せず、あるいはRとRは一緒になって−O−を形成し、
はメチルであり、
10はHであるか、又は結合(2)が二重結合である場合はR10は存在しない]で示される二価の基、
又は
Figure 0005514739
[式中、
11はイソプロペニルであり、
12はエテニルであり、
13はメチルである]で示される二価の基
を形成する}
で表される1種又2種以上の化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤;
[3]
該化合物が、
Figure 0005514739
で表されるゼデロン、
Figure 0005514739
で表されるフラノジエノン、
Figure 0005514739
で表されるクルゼレノン、
Figure 0005514739
で表される水添ゼデロン、及び
Figure 0005514739
で表される水添フラノジエノン
よりなる群から選択される1種又は2種以上である前記[1]記載のメラニン生成抑制剤;
[4]
(1)ガジュツ(Curcuma zedoaria)根茎乾燥物をメタノール、エタノール、メタノール水溶液、エタノール水溶液、ヘキサン及び酢酸エチルよりなる群から選択される1種又は2種以上の溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)ガジュツ抽出液を濾過し、
(3)濾液をヘキサン−水層間に液々分配し、ついで
(4)ヘキサン層を蒸発乾固させてメラニン生成抑制剤を得る
工程を含むメラニン生成抑制剤の製造方法;
[5]
さらに、工程(3)において水層を酢酸エチル−水層間に液々分配し、工程(4)において酢酸エチル層を蒸発乾固させてメラニン生成抑制剤を得る
工程を含む前記[4]記載のメラニン生成抑制剤の製造方法;
[6]
(1)ガジュツ(Curcuma zedoaria)根茎乾燥物をヘキサンに浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)ガジュツ抽出液を放置して結晶化させ、
(3)結晶化物を少量のヘキサンで洗浄し、ついで
(4)洗浄した結晶化物をヘキサンから再結晶化させてメラニン生成抑制剤を得る
工程を含むメラニン生成抑制剤の製造方法;
[7]
約0.000001〜1.0質量%の前記[1]−[3]のいずれか1に記載のメラニン生成抑制剤を含む美白用皮膚外用剤;
[8]
ゼデロン、フラノジエノン及びクルゼレノンよりなる群から選択される1種又は2種以上の有効成分を含み、ゼデロン、フラノジエノン及びクルゼレノンよりなる群から選択される1種又は2種以上を含む天然物抽出物を含まない皮膚外用剤
を提供するものである。
本発明によると効果の高いメラニン生成抑制剤が提供され、単離された1種又は2種以上の特定の化合物又はそれらから生成した化合物を配合することにより、これまでの化粧料にはない安定性に優れ、極めて高い美白効果を発揮する美白用外用剤を製造できる。
なお、本発明において美白効果が確認された上記の物質以外にも、水添クルゼレノンや以下の化合物が公知であるが、本発明によれば、これらの化合物にも美白効果が期待される。
Figure 0005514739
ガジュツエキス末(A)から液々分配による分画を示すフロー図である。 ガジュツエキス末(A)の液々分配物によるメラニン生成抑制効果を示す写真であって、(a)はコントロール、(b)はアルブチン、(c)はガジュツエキス末(A)、(d)はヘキサン画分(B)、(e)は酢酸エチル画分(C)、(f)は水画分(D)の結果である。 分取薄層クロマトグラフィーによるクロマトグラムである。 分取薄層クロマトグラフィーにより得られた各画分のクロマトグラムである。 分取薄層クロマトグラフィーにより得られた画分のメラニン生成抑制効果を示す写真であって、(a)はコントロール、(b)はアルブチン、(c)はガジュツエキス末(A)、(d)はヘキサン画分(B)、(e)は試料B−1(バンドS1)、(f)は試料B−2(バンドS2)、(g)は試料B−3(バンドS3〜S5)、(h)は試料B−4(バンドS6〜S8)の結果である。 精製されたメラニン生成抑制物質(ゼデロン)の紫外部吸収スペクトルである。 精製されたメラニン生成抑制物質(ゼデロン)のIRによるチャートである。 精製されたメラニン生成抑制物質(ゼデロン)のマススペクトルである。 精製されたメラニン生成抑制物質(ゼデロン)のH−NMRスペクトルである。 精製されたメラニン生成抑制物質(ゼデロン)の13C−NMRスペクトルである。 ガジュツエキス末(A)のヘキサン−酢酸エチル(8:2)溶出画分のHPLCチャートである。 精製されたメラニン生成抑制物質(フラノジエノン)の紫外部吸収スペクトルである。 精製されたメラニン生成抑制物質(フラノジエノン)のIRによるチャートである。 精製されたメラニン生成抑制物質(クルゼレノン)の紫外部吸収スペクトルである。 精製されたメラニン生成抑制物質(クルゼレノン)のIRによるチャートである。 生成したメラニン生成抑制物質(水添ゼデロン)の紫外部吸収スペクトルである。 生成したメラニン生成抑制物質(水添フラノジエノン)の紫外部吸収スペクトルである。 製造例1の製造物によるメラニン生成抑制効果を示す写真であって、(a)はコントロール、(b)はアルブチン、(c)はガジュツエキス末(A)、(d)は製造例1の結果である。
本発明は、第1の態様において、メラニン生成抑制剤を提供する。
本発明のメラニン生成抑制剤は、ゲルマクロン様骨格を有する一群の化合物を有効成分とする。本発明で用いるこれらの化合物は、上記のように、ガジュツを始めとして、その多くはショウガ科に属する植物に含まれる成分として知られている。また、本発明で用いる化合物には、ショウガ科に属する植物から単離される天然成分を水素添加して生成したものも含まれる。
本発明のメラニン生成抑制剤に含まれる一群の化合物は、下記の実施例に示すように、メラニン生成抑制効果が高いとされているアルブチンに比べて、約400倍の作用、つまりアルブチンの使用量の約1/400の使用量で同等のメラニン生成抑制作用を示す。
本発明のメラニン生成抑制剤に含まれる一群の化合物は、ガジュツ(Curcuma zedoaria Roscoe (Zingiberaceae):別名紫ウコン)の根や茎、葉などの各部位又は全草、好ましくはその根茎から各種有機溶媒にて抽出され、活性炭、スチレン−ジビニルベンゼン系合成吸着剤(例えば、三菱化成社製:HP−20)、オクタデシルシリル化シリカゲルやシリカゲルを用いて精製を行うことによって得ることができる。このとき、抽出溶媒としては、水やメタノール、エタノールなどの炭素数1〜4程度の低級アルコール又はそれらの水溶液、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチルや酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−ペンタンやn−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンなど直鎖、分岐を問わず各種の飽和、不飽和炭化水素などより選択される1種又は2種以上の溶媒を用いることができる。そして、これら溶媒を適宜使い分け、例えば、植物からの抽出には非極性溶媒よりは極性溶媒を用いるのが好ましく、その後、極性を低めることにより分画することができる。また、得られた化合物を公知の方法に従って水素化することによって、本発明のメラニン生成抑制剤に含まれる水添物を得ることができる。
もっとも、本発明のメラニン生成抑制剤は、単一の純粋な化合物にまで精製する必要もなく、下記実施例において述べるように、各種の溶媒を用いた抽出、吸着、液々分配、結晶化、クロマトグラフィー分画などの操作によって比較的高濃度の、例えば、60%(w/w)以上、65%以上、70%以上、75%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらにより好ましくは90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上、最も好ましくは99.5%以上の純度の化合物を含む粗精製物として入手することも可能である。
本発明のメラニン生成抑制剤に有効成分として含まれる一群の化合物には、
Figure 0005514739
で表されるゼデロン、
Figure 0005514739
で表されるフラノジエノン、
Figure 0005514739
で表されるクルゼレノン、
Figure 0005514739
で表される水添ゼデロン、
Figure 0005514739
で表される水添フラノジエノンなどが含まれ、好ましい化合物はゼデロン、フラノジエノン、クルゼレノンであり、最も好ましくはゼデロンである。
これらのメラニン生成抑制剤は、本明細書中に記載する方法のほか、公知の方法により合成したものや、市販されているものを用いることも可能である。
本発明は、第2の態様において、メラニン生成抑制剤の製造方法を提供する。
本発明に係るメラニン生成抑制剤は、
(1)ガジュツ(Curcuma zedoaria)の乾燥物を溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)ガジュツ抽出液の溶媒を減圧下にて留去し、
(3)生成した結晶分を少量の溶媒で洗浄し、ついで
(4)得られた結晶分を溶媒から再結晶化する
工程を含む製造方法により得ることができる。
また、本発明に係るメラニン生成抑制剤は、
(1)ガジュツの乾燥物を溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)ガジュツ抽出液の溶媒を減圧下にて留去し、
(3)得られた乾固物を溶媒に溶解して、シリカゲルを充填剤とするカラムクロマトグラフィーによる分画を行い、ついで
(4)画分の溶媒留去物を溶媒から結晶化する
工程を含む製造方法により得ることができる。
また、本発明に係るメラニン生成抑制剤は、
(1)ガジュツの乾燥物を溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)ガジュツ抽出液に活性炭を加えて攪拌し、
(3)混合物を濾過し、残渣を溶媒で洗浄し、ついで
(4)洗浄した残渣からメラニン生成抑制剤を溶媒で抽出する
工程を含む製造方法により得ることができる。
また、本発明に係るメラニン生成抑制剤は、
(1)ガジュツの乾燥物を溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
(2)非水性溶媒−親水性溶媒間の液々分配に付し、
(3)非水性溶媒層をカラムクロマトグラフィーに付し、目的の画分の溶媒を減圧下にて乾固させ、ついで
(4)非水性溶媒から再結晶化させる
工程を含む製造方法により得ることができる。
好ましい形態において、ガジュツ抽出液の調製は、約1:50〜約1:3(容量比)、好ましくは約1:10〜約1:4(容量比)のガジュツ乾燥物:溶媒の浴比で、約10℃ないし抽出溶媒の沸点まで、好ましくは室温ないし溶媒の沸点より約10℃低い温度にて約2時間〜約14日間、好ましくは約7日間、攪拌、ソックスレー抽出又は静置して行う。
好ましい形態において、抽出、吸着、液々分配、結晶化、クロマトグラフィーの移動相などの操作に用いる溶媒は、水、メタノール、エタノール、30〜95%(v/v)のメタノール水溶液若しくはエタノール水溶液、ヘキサン又は酢酸エチルであり、これらの溶媒は1種又は2種以上を混合して用いることもできる。
好ましい形態において、クロマトグラフィーの条件は以下のとおりである。
カラム:Chemcobond 5-ODS-W(6.0×150(6A))(株式会社ケムコ社)
移動相:75%(v/v)メタノール水溶液
カラム温度:55℃
流速:1.0mL/min
注入量:10μL
モニター:UV 280nm 吸光度
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれるゼデロンは、
(1)ガジュツの根茎乾燥物を酢酸エチルに浸漬して室温下で放置して抽出し、
(2)抽出液をフィルター(ADVANTEC No.131)にて濾過し、濾液を減圧下にて溶媒を留去し、
(3)乾固物を移動相をヘキサンと酢酸エチルの混液(容量比7:3)を用いて、シリカゲルを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(上記分析条件と同じ)に付して波長210nmによる紫外部吸収を指標として分画を行い、
(4)吸収が認められた画分を収集して減圧下にて溶媒を留去し、ついで
(5)留去物をヘキサンを用いて再結晶してゼデロンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれるフラノジエノンは、
(1)ガジュツの根茎乾燥物をヘキサンで還流して濃縮し、
(2)収集した抽出液を減圧下にて留去した乾固物を少量のヘキサンに溶解し、
(3)シリカカラムに付して、ヘキサン、ヘキサン:酢酸エチル(容量比9:1)、ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)で順次溶出し、
(4)ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)溶出画分を収集し、ついで
(5)少量の75%(v/v)メタノール水溶液に溶解して、ODSカラムに付し、特定の画分を分取してフラノジエノンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれるクルゼレノンは、
(1)ガジュツの根茎乾燥物をヘキサンで還流して濃縮し、
(2)収集した抽出液を減圧下にて留去した乾固物を少量のヘキサンに溶解し、
(3)シリカカラムに付して、ヘキサン、ヘキサン:酢酸エチル(容量比9:1)、ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)で順次溶出し、
(4)ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)溶出画分を収集し、ついで
(5)少量の75%(v/v)メタノール水溶液に溶解して、ODSカラムに付し、特定の画分を分取してクルゼレノンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれる水添ゼデロンは、
(1)上記の製法などにより得られたゼデロンを99.5%(v/v)エタノールに溶解し、
(2)5%Pd−アルミナを加えて水素バックを用いて水添反応を行い、ついで
(3)反応終了後に濾過を行い、濾液の溶媒を減圧下にて留去して水添ゼデロンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれる水添フラノジエノンは、
(1)上記の製法などにより得られたフラノジエノンを99.5%(v/v)エタノールに溶解し、
(2)5%Pd−アルミナを加えて水素バックを用いて水添反応を行い、ついで
(3)反応終了後に濾過を行い、濾液の溶媒を減圧下にて留去して水添フラノジエノンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
好ましい形態において、本発明に係るメラニン生成抑制剤に含まれる水添クルゼレノンは、
(1)上記の製法などにより得られたクルゼレノンを99.5%(v/v)エタノールに溶解し、
(2)5%Pd−アルミナを加えて水素バックを用いて水添反応を行い、ついで
(3)反応終了後に濾過を行い、濾液の溶媒を減圧下にて留去して水添クルゼレノンを得る
工程を含む製法により得ることができる。
本発明は、第3の態様において、メラニン生成抑制剤を含む美白用の皮膚外用剤を提供する。
本発明のメラニン生成抑制剤は、通例、各種の化粧料用基剤や外用医薬用基剤に配合して用いられ、例えば、クリーム、乳液、化粧水、パック剤、洗顔料などの各種基礎化粧料、ファンデーション、ほほ紅、白粉などの各種メーキャップ化粧料、洗髪料、養毛剤、シャンプー、リンスなどの各種頭髪用化粧料及び石鹸、美爪料、オーデコロンなどのその他化粧料並びに皮膚に適用される医薬部外品及び医療用外用剤などを包含する皮膚外用剤として提供される。
当該化粧料用基剤や外用医薬用基剤として、例えば、液状、固体状を問わず、油脂やロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、シリコーン油などの各種の油性原料、水、アルコール、多価アルコールが例示される。また、前記化粧料や医療用外用剤等には、前記基剤の他に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、pH調整剤、各種水溶性高分子、増粘剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤(キレート剤)、糖類、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、保湿剤、抗炎症剤、抗菌剤、細胞賦活剤、香料、顔料や色素などの着色剤、防腐剤などの添加剤を配合することもできる。
本発明に係る皮膚外用剤は、上記基剤に天然物から単離された一群の化合物又は合成された一群の化合物を配合した皮膚外用剤であって、かかる天然物から単離される一群の化合物を含む天然物抽出物を含まないものである。つまり、ゼデロンなど一群の化合物を含む天然物抽出物を用いることなく、単離された一群の化合物又はそれから合成された一群の化合物を配合して得られたこの皮膚外用剤は美白用剤として好ましく用いられる。もっとも、本発明は、単離又は合成された一群の化合物をメラニン生成抑制剤として使用することに特徴を有するものであって、一群の化合物のみを人為的に加えた皮膚外用剤又は一群の化合物が含まれる天然物抽出物とさらに単離された一群の化合物を人為的に加えた皮膚外用剤を使用することにより美白作用を発揮させることに技術的特徴を有する。
化粧料や医療用外用剤等の剤型も特に制限されるものではなく、例えば液状やエマルジョン、軟膏、ゾル、ゲル、パウダー、スプレーなどの剤型が例示される。このような化粧料や医療用外用剤として用いることにより、美白効果を発揮することができる。
化粧料等には各剤型に応じて美白効果を発揮する有効量の本発明に用いる一群の化合物が配合されるが、その配合量は具体的に言うと、1種又は2種以上の合計量として皮膚外用剤の全量に対して約0.000001〜約1.0質量%であり、好ましくは約0.00001〜約0.01質量%であり、約0.0001%〜約0.005質量%程度の配合量で効果を得ることができる。なお、ゼデロンの抽出効率が最もよかった70%(v/v)エタノール水溶液抽出物をHPLC分析した結果(示さず)に基づくと、ガジュツ中にはその乾燥物に対して約0.3%のゼデロンが含まれると考えられる。化粧品原料に用いることができるガジュツ抽出エキスは水抽出物やエタノール抽出物、水・エタノール混液による抽出物である。これらの抽出物においては、原植物乾燥物1kgから少なくとも約25gの抽出乾燥物(ガジュツ乾燥エキス)が得られる。そうすると、化粧料中に配合されるガジュツエキス(乾燥物に換算して)中には約10質量%程度のゼデロンしか含まれない。匂いや着色を考慮するとガジュツエキスの配合量は乾燥物に換算して化粧料中に概ね0.01質量%、多くとも約0.05%質量以下である。従って、これまでの公知である化粧料中のゼデロン含有量は多く見積もっても約0.005質量%程度である。そこで、本願発明の美白化粧料においては約0.005質量%以上のゼデロン、さらに好ましくは約0.01質量%以上のゼデロンを配合するのが好ましい。これにより従来の美白化粧料にはない美白効果を発揮することができる。
次に、下記実施例に基づいて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の内容に制限されるものではない。
〔ガジュツからの抽出・分画精製〕
ガジュツからの本発明に係るメラニン生成抑制剤の抽出、精製に当たり、まず図1に示す方法により分画操作を行い、各分画について美白作用を調べた。美白作用は下記に示すようにメラニンの生成抑制作用を調べることによって行った。なお、ガジュツは新和物産株式会社より入手したものを用いた。
300gのガジュツ(Curcuma zedoaria Roscoe (Zingiberaceae))の根茎乾燥物に50%(v/v)エタノール水溶液1800mLを加え、室温で5日間放置した。その後、濾過して1600mLの抽出液を得た。抽出液を減圧濃縮し乾固物7.5gを得た(ガジュツエキス末(A))。その乾固物1gを少量の50%(v/v)エタノール水溶液に溶解した上で分液漏斗へ投入し、更に、水とヘキサン(容量比で1:1)を加えてよく振り混ぜ、静置する。下層の水層を取り出し、上層のヘキサン層を別のフラスコに分取した。取り出した水層を再び分液漏斗に戻し、水層とほぼ同容量のヘキサンを加え、同様の操作をさらに2回繰り返した。次いで、水層を再び、分液漏斗に戻し、水層とほぼ同容量の酢酸エチルを加えて分液操作を行った。上層の酢酸エチル層を集め、取り出した水層を再び分液漏斗に戻し、再び水層とほぼ同容量の酢酸エチルを加え、同様の操作をさらに2回繰り返した。集めたヘキサン層、酢酸エチル層及び残部の水層は減圧下、濃縮を行い、メラニン生成抑制試験の試料とした(試料(A)〜(D))。
(メラニン生成抑制試験)
メラニン生成抑制試験として、三次元培養皮膚モデルによる試験とその際に生成されたメラニン量及びタンパク量を指標にした試験を行った。
メラニン生成抑制試験は、市販されている三次元培養皮膚モデル(MEL-300キットAsian donor:クラボウ社)を用いて行った。キットの使用方法に従い、MEL-300皮膚モデルカップを6ウエルプレートの各ウエルにセットし、37℃インキュベーターで温めたキット用維持培地(EPI−100:培地添加時にSCFを最終濃度10ng/mLになるように添加した)を皮膚モデルカップに無菌的に5mLずつ入れた。皮膚モデルカップの内部に直接的に各試料の溶液を100μLずつ加え、皮膚モデルカップの入った6ウエルプレートをインキュベーター(37℃、5%CO、加湿状態)に入れ、14日間培養した。2日毎に新しい培地と培地交換を行い、交換の都度、各試料の溶液100μLを皮膚モデルカップに加えた。なお、各試料の溶液の調製には細胞培養用のPBS(−)を用いた。
培養後、MEL-300皮膚モデルカップをPBS(−)で3回洗浄後、細胞部分を剥離して1.5mLエッペンドルフチューブに入れ、0.5mLの2mol/L−NaOHを添加し、室温下で一晩放置した。15分間煮沸後、各サンプル250μLを96ウエルプレートに移し、405nmでメラニンを定量した。
さらに、上記煮沸後のメラニン定量用サンプル40μLを96ウエルプレートに移し、タンパク定量用のBCA試薬(商品名:タカラバイオ(株)社)200μLを各ウエルに入れて、37℃で30分間インキュベートした後、540nmの吸光度を測定した。
また、コントロールとしてPBS(−)と、陽性対照としてアルブチン−PBS(−)溶液(2.0%(w/v))を用いて同様の試験を行い、コントロールを100としたときのメラニン量(相対比)及びタンパク量(相対比)を算出し、メラニン生成抑制度を調べた。その結果を表1に示す。また、そのときの三次元培養皮膚モデルの結果を示す写真を図2に示す。
Figure 0005514739
(TLCによる分画精製)
表1及び図2の結果から、図1の(B)に示されるヘキサン抽出画分が最も強いメラニン生成抑制度を示すことが分かった(図2の(d))。そこで、この画分をさらに分取TLC(分取薄層クロマトグラフィー)を用いて精製を進めた。
ヘキサン抽出層から溶媒を留去した後、その濃縮物を少量のヘキサンに溶解し、分取用薄層プレート(シリカゲル60・F254、メルク社、厚さ2mm)にて、ヘキサン及び酢酸エチルの混液(容量比7:3)を展開溶媒として分画を行った。検出は目視及び波長254/366nmのUVランプにより行った。その結果を図3に示す。図3に示すように、明確な3つのバンド(S1〜S3)とうっすらと観察された2つのバンド(S5、S7)並びに原点からテーリングした1つのバンド(S8)が観察された。そこで、図に示すように8つのバンド(バンドS1〜バンドS8)に分画した。分画された各バンド部分をかき取って酢酸エチルにて抽出した後、酢酸エチルを留去し、各分画成分を得た。
次に上記分画成分について分画状況をTLCにより確認した。各分画濃縮物の少量を再び少量のヘキサンに溶解した後、薄層プレート(シリカゲル60・F254、厚さ0.2mm(メルク社))を用いて上記の展開溶媒による展開を行った。この結果を図4に示す。左側から順にバンドS1、S2、S3、・・S7、S8のヘキサン溶液をスポットしたレーンを示す。この結果、バンドS2では単一のスポットが検出された(ヨウ素による検出)。
(メラニン生成抑制試験)
次に分画された試料についてメラニン生成抑制試験を行った。試験に際し、このTLCの結果に基づいて、バンドS1、S2については各バンドをそれぞれ試料(試料B−1、試料B−2)として用い、バンドS3〜バンドS5、バンドS6〜S8については前記バンドをまとめたものをそれぞれ試料(試料B−3、試料B−4)として用いた。メラニン量及びタンパク量から求めたメラニン生成抑制度の結果を表2に示す。また、参考として、ガジュツエキス末(A)及びヘキサン層の濃縮物(B)についても試験を行った。この結果、単一スポットが得られた試料B−2の画分が最も強いメラニン生成抑制度を示した。また、このときの三次元培養皮膚モデルの結果を示す写真を図5に示す。
Figure 0005514739
〔メラニン生成抑制物質の構造決定〕
表2に示すとおり、バンドS2の画分が最も強いメラニン生成抑制度を示し、また紫外部吸収による検出、ヨウ素による検出においても単一のスポットが確認できたので、この画分に存在するメラニン生成抑制物質の構造決定を行った。構造決定は、紫外部吸収スペクトルによる分析(溶媒:ヘキサン)、赤外吸収分析(IR)、質量分析、H−NMR(溶媒:CDCl3)及び13C−NMR(溶媒:CDCl3)に基づき行った。その結果は次のとおりであり、各分析によるチャートを図6〜図10に示す。また、NMRによる帰属を表3に示した。これらの結果から、生成されたメラニン生成抑制物質は、ゼデロンであると同定された。この物質のメラニン生成抑制度は、表2から理解されるように、これまで美白効果があるとされてきたアルブチンと対比して、アルブチン濃度の約1/400の濃度でほぼ同等の効果を示し、その作用はアルブチンの約400倍の強さがあると言える。
性状:白色の結晶性固体
紫外部吸収:極大吸収波長(λmax)281nm
質量分析:246(m/e)
赤外吸収スペクトル(cm-1):1662,1523,1427,1400,1232,1066,1020,929,881,863.
Figure 0005514739
Figure 0005514739
〔安定性の確認〕
上記方法で得たゼデロン100mgを50%(v/v)エタノール水溶液200mLに溶解した液を高温(60℃)下で、また、この液に0.5mol/L−NaOHを加え終濃度0.125mol/L−NaOHとした液並びに0.5mol/L−HClを加え終濃度0.125mol/L−HClとした液を室温下で、それぞれ保存し、安定性の確認を行った。また、コントロールには同上のエタノール溶液を4℃で保管したものを使用した。安定性は、下記条件による高速液体クロマトグラフィーを行い、ピーク面積による百分率から残存率を求めることにより測定した。なお、アルカリ保存、酸保存したサンプル溶液はそれぞれ中和後に測定を行った。
(分析条件)
カラム:Chemcobond 5-ODS-W(6.0×150(6A))(株式会社ケムコ社)
移動相:メタノール
カラム温度:55℃
流速:1.0mL/min
注入量:10μL
モニター:UV 280nm 吸光度
その結果を表4に示した。アルブチンやエラグ酸などフェノール性の化合物はアルカリ域で褐変することはよく知られているが、ゼデロンに変化は認められなかった。また、酸性域では若干の低下が見られるもののアルカリ域及び高温条件下でも安定であることが判明し、ゼデロンは様々な物理的条件の組成物に配合することができ、また、様々な条件下で使用し得ることが明らかになった。
Figure 0005514739
次に、下記製造法に従い本発明のメラニン生成抑制剤に含まれる一群の化合物を調製した。
〔製造例1〕ゼデロン
ガジュツ(Curcuma zedoaria)の根茎乾燥物1kgをヘキサン6Lに浸漬し、室温下で7日間放置して抽出した。その抽出液をフィルター(ADVANTEC No.131)にて濾過し、濾液を減圧下にて溶媒を留去した後、冷暗所で放置した。生成してきた結晶分を分取し、これを少量のヘキサンで洗浄した。更に、得た結晶分をヘキサンで再結晶を行い、ゼデロン300mg(純度約95%)を得た。純度は、上記液体クロマトグラフィーの条件で操作して求めた。実施例1で得られたゼデロンを標準品として用い、検出波長220nmにおけるピーク高さ比からゼデロンの定量を行った(製造例2においても同じ)。
〔製造例2〕ゼデロン
ガジュツの根茎乾燥物1kgを酢酸エチル6Lに浸漬し、室温下で4日間放置して抽出した。その抽出液をフィルター(ADVANTEC No.131)にて濾過し、濾液を減圧下にて溶媒を留去した後、移動層をヘキサンと酢酸エチルの混液(容量比7:3)を用いて、シリカゲルを充填剤とするカラムクロマトグラフィー(上記分析条件と同じ)による精製を行った。分画はフラクションコレクターにより行い、各フラクション毎に測定した波長280nmによる紫外部吸収を指標として分画を行った。吸収が見られた画分の溶媒留去物をヘキサンを用いて再結晶し、白色結晶2200mg(ゼデロン含量2000mg)を得た。
〔製造例3〕フラノジエノン
ガジュツの根茎乾燥物350gをヘキサン1750mLで3時間還流した。溶媒を濾別し、濃縮を行った。残渣にヘキサン1750mLを加えて還流し、同操作を繰り返した。集めた抽出液を減圧下にて留去し、3.12gの乾固物を得た。それを少量のヘキサン(約20mL)に溶解し、不溶分を濾過後、シリカカラム(BW300(富士シリシア社)、φ=20mm、h=200mm)に付し、ヘキサン、ヘキサン:酢酸エチル(容量比9:1)、ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)各100mLで順次溶出した。ヘキサン:酢酸エチル(容量比8:2)溶出画分を収集し、溶媒を留去して収量0.484gを得た。次いで、それを少量の75%(v/v)メタノール水溶液に溶解し、下記条件のカラムに付した。フラクションコレクターで分取し、それぞれの画分について液体クロマトグラフィーを用いて下記条件で分析を行い、図11のチャートにある*1にあたる部分ピークのみを持つ画分を集め、溶媒を留去後、0.10g(収率0.028%)の白色の結晶性固体を得た。この画分に存在するメラニン生成抑制物質の構造決定を行った。構造決定は、紫外部吸収スペクトルによる分析(溶媒:ヘキサン)、赤外吸収分析(IR)、H−NMR(溶媒:CDCl3)に基づき行い、以下の物性値が得られた。紫外部吸収及び赤外吸収分析によるチャートを図12及び図13に示す。
これらの物性値から得られたメラニン生成抑制物質がフラノジエノンであることが判明した。
カラム:Chemcobond 5-ODS-W(6.0×150(6A))(株式会社ケムコ社)
移動相:メタノール:水=75:25(v:v)
カラム温度:55℃
流速:1.0mL/min
注入量:10μL
検出波長:280nm
紫外部吸収:極大吸収波長(λmax):なし
赤外吸収スペクトル(cm-1):1644,1523,1375,1270,1240,1105,1020,931
1H-NMRスペクトル:1.30(3H,s),1.99(3H,s),2.13(3H,s),1.85-2.49(4H,m),3.70(2H,m),5.17(1H,m),5.81(1H,s),7.07(1H,s).
〔製造例4〕クルゼレノン
また、図11のチャートにある*2にあたる部分ピークのみを持つ画分を集め、溶媒を留去後、0.07g(収率0.02%)の透明油状液体を得た。この画分に存在するメラニン生成抑制物質の構造決定を行った。構造決定は、紫外部吸収スペクトルによる分析(溶媒:ヘキサン)、赤外吸収分析(IR)、H−NMR(溶媒:CDCl3)に基づき行い、以下の物性値が得られた。紫外部吸収及び赤外吸収分析によるチャートを図14及び図15に示す。
これらの物性値から得られたメラニン生成抑制物質がクルゼレノンであることが判明した。
紫外部吸収:極大吸収波長(λmax):272nm
赤外吸収スペクトル(cm-1):1675,1562,1427,1257,1070,997
H−NMRスペクトル:1.222(3H),1.658(3H),2.97(1H,q),2.262(3H),3.166(1H,d),3.249(1H,d),3.104(1H),5.028(1H,d),5.029(1H,d),5.039(1H,d),5.126(1H,d),5.729(1H,d),7.068(1H).
〔製造例5〕水添ゼデロン
製造例2で得たゼデロン500mgを99.5%(v/v)エタノール100mLに溶解し、5%Pd−アルミナ100mgを加え、水素バックを用いて水添反応を行った。反応は室温下にて15時間行った。反応終了後に濾過を行い、濾液の溶媒を減圧下にて留去し、500mgの白色の結晶性固体を得た。この画分に存在するメラニン生成抑制物質の構造決定を行った。構造決定は、紫外部吸収スペクトルによる分析(溶媒:ヘキサン)及びH−NMR(溶媒:CDCl3)に基づき行い、以下の物性値が得られた。紫外部吸収分析によるチャートを図16に示す。
これらの物性値から得られたメラニン生成抑制物質が水添ゼデロンであることが判明した。
紫外部吸収:極大吸収波長(λmax):287nm
H−NMRスペクトル:2.180(3H,m),1.008(3H,d),1.059(3H,d),7.093(1H),1.434(1H,d),1.604(1H,d),1.434(1H,d),1.653(1H,d),1.343(1H,d),1.474(1H,d),2.995(1H,d),2.454(1H,d),1.743(1H,d),1.657(1H,d),2.113(1H,d),1.776(1H,d),4.199(1H,d).
〔製造例6〕水添フラノジエノン
製造例3で得たフラノジエノン500mgを99.5%エタノール100mLに溶解し、5%Pd−アルミナ100mgを加え、水素バックを用いて水添反応を行った。反応は室温下にて15時間行った。反応終了後に濾過を行い、濾液の溶媒を減圧下にて留去し、500mgの白色の結晶性固体を得た。この画分に存在するメラニン生成抑制物質の構造決定を行った。構造決定は、紫外部吸収スペクトルによる分析(溶媒:ヘキサン)及びH−NMR(溶媒:CDCl3)に基づき行い、以下の物性値が得られた。紫外部吸収分析によるチャートを図17に示す。
これらの物性値から得られたメラニン生成抑制物質が水添フラノジエノンであることが判明した。
紫外部吸収:極大吸収波長(λmax):なし
H−NMRスペクトル:2.167(3H,m),0.467(3H,d),0.909(3H,d),6.594(1H),1.440(1H,d),1.579(1H,d),1.400(1H,d),1.779(1H,d),1.601(1H,d),1.366(1H,d),2.808(1H,d),2.676(1H,d),2.212(1H,d),1.884(1H,d),4.774(1H,d),3.665(1H,d).
〔ヒト・メラノサイトを用いたメラニン生成抑制試験〕
(ヒト・メラノサイトの培養)
ヒト・メラノサイト(NHEM(Moderately)、クラボウ社)を、Medium254培地(成長因子HMGS−2含有)1000μLを入れた12ウエルプレートに1ウエルあたり2.5×10個ずつ播き、翌日、培地に幹細胞増殖因子(SCF、最終濃度10ng/mL)、そして4時間後に被検試料を添加した。それを37℃でインキュベートし、3日後に培地を交換して、SCF(最終濃度10ng/mL)を再添加後、4時間後に被検試料を添加し、37℃にて7日間インキュベートした。その後、以下の方法に従ってメラニン量及びタンパク量を測定した。
(メラニンの定量)
ウエル中の培地を取り除き、PBS(−)500μLで細胞を3回洗浄した後にPBS(−)を完全に取り除いた。洗浄した細胞に2mol/L−NaOH 400μLを加えて細胞を溶解し、シェ−カーで30分間振動させて細胞溶解物を調製した。各細胞溶解物を1.5mLエッペンドルフチューブに移して10分間沸騰湯で加熱し、Voltexミキサーで激しく攪拌した。その350μLを96ウエルに移し、405nmで吸光度を測定した。
(タンパクの定量)
上記で得た細胞溶解物40μLをBCA溶液200μLと混合して、37℃にて30分間インキュベートした後、540nmで吸光度を測定した。
〔製造例1〕及び〔製造例3〕〜〔製造例6〕で得られたゼデロン、フラノジエノン、クルゼレノン、水添ゼデロン及び水添フラノジエノンについて、上述したメラニン及びタンパクの定量を指標としたメラニン生成抑制試験を行った。各成分によるメラニン及びタンパク量を表5に示す。〔製造例1〕及び〔製造例3〕〜〔製造例6〕で得られたゼデロン、フラノジエノン、クルゼレノン、水添ゼデロン及び水添フラノジエノンは、薄層クロマトグラフィーにより単離されたゼデロンとほぼ同程度ないしそれを超えるメラニン生成抑制効果が認められた。
Figure 0005514739
ゼデロン、フラノジエノン、クルゼレノン、水添ゼデロン及び水添フラノジエノンはすべて、美白効果を持つことで知られているアルブチンと比較して、細胞に対する毒性は弱く、極めて低い濃度で美白効果を示すことが確認された。
また、上述した(メラニン生成抑制試験)と同様に、三次元皮膚培養モデルを用いて〔製造例1〕で得られたゼデロンについてメラニン生成抑制試験を行った。その結果を表6及び図18に示す。〔製造例1〕で得られたゼデロンには、薄層クロマトグラフィーにより単離されたゼデロンとほぼ同程度のメラニン生成抑制効果が認められた。
Figure 0005514739
〔官能評価試験〕
(被験者の選定)
健常肌を有する男性(20〜50歳)を6名選出した。
(試料製剤)
(i)アルブチン溶液(陽性対照;7質量%)
(ii)ゼデロン(2濃度;0.01質量%、0.0025質量%)
(iii)ガジュツエキス末(A)(抽出乾燥物0.05質量%)
(iv)有効成分−非含有
上記の合計5試料を用いて、8質量%の1,3−ブチレングリコール、5質量%のグリセリン、0.3質量%のポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン(20E.O.)、0.2質量%のパラベン及び残余量の精製水と共に、自体公知の方法によって化粧水を調製し、試料製剤とした。
(ヒトへの紫外線照射)
被験者6名の腹部皮膚に、紫外線照射部位(1.5×1.5cm)を設定し、最小紅斑量の1.5倍の中波長領域紫外線(デルマレイM−DMR 80型、東芝医療用品)を照射した。照射日より、試料製剤を1日の朝夜に各1回ずつ4週間毎日の塗布を行った。紫外線照射から4週間後にそれぞれの部分を肉眼判定により、有効成分−非含有製剤(対照)の塗布部と各試料製剤の塗布部の色素沈着の回復度を以下の評価基準により判定した。
(判定方法)
照射日より、4週間後に写真撮影及び、写真を評価基準に従い効果の判定を行った。
(評価基準)
Figure 0005514739
(測定実施方法)
(1)まずはじめに、前回と同じ位置関係(状態)で写真撮影を行う。(前回データを見ながら:1回目の撮影は任意で行う)
(2)専門判定者10名により、効果の判定を行った。
(結果)
Figure 0005514739
表8に示すように、ゼデロンには、美白効果を持つことが知られているアルブチンと比較して、極めて低い濃度で色素沈着の回復が認められ、実際のヒトの日焼け状態にある皮膚に対しても優れた美白効果を示すことが確認された。また、被験者の試料塗布部位においては、紅斑や湿疹等の皮膚刺激反応は認められず、ゼデロンが製剤の形態でも安全性が高いものであることが確認された。
以下に、本発明のメラニン生成抑制剤を応用した処方例を挙げる。
<処方例1>化粧水 (質量%)
ゼデロン 0.005
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.) 1.5
1,3−ブチレングリコール 5.0
グリセリン 3.0
防腐剤・酸化防止剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例2>化粧料クリーム (質量%)
ゼデロン 0.05
ミツロウ 2.0
ステアリルアルコール 5.0
ステアリン酸 8.0
スクワラン 10.0
自己乳化型グリセリルモノステアレート 3.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.0.) 1.0
プロピレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.3
防腐剤・酸化防止剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例3>乳液 (質量%)
ゼデロン 0.01
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0.) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
プロピレングリコール 0.5
水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0
防腐剤・酸化防止剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例4>美容液 (質量%)
ゼデロン 0.001
ソルビット 4.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.5
POEモノラウリン酸ソルビタン 0.4
寒天 1.0
ネイティブジェランガム 0.5
トリメチルグリシン 1.0
防腐剤 適 量
pH調整剤 (pH8.0に調整)
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例5>化粧水 (質量%)
ゼデロン 0.001
フラノジエノン 0.010
グリセリン 5.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.) 1.5
エタノール 8.0
クエン酸トリエチル 2.0
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例6>化粧水 (質量%)
クルゼレノン 0.020
フラノジエノン 0.010
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 7.0
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(20E.0.) 1.5
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例7>乳液 (質量%)
ゼデロン 0.010
水添ゼデロン 0.010
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0.) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 1.5
水酸化カリウム 0.1
エタノール 7.0
香料 適 量
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例8>乳液 (質量%)
水添ゼデロン 0.005
水添フラノジエノン 0.010
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.0.) 1.2
カルボキシビニルポリマー 0.2
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.1
香料 適 量
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例9>美容液 (質量%)
フラノジエノン 0.01
POB(3)POE(8)POP(5)グリセリルエーテル 5.0
スクワラン 8.0
ワセリン 2.0
ミツロウ 0.5
ソルビタンセスキオレエート 0.8
カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 1.5
エタノール 7.0
防腐剤 適 量
水酸化カリウム 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例10>美容液 (質量%)
ゼデロン 0.01
フラノジエノン 0.02
モノステアリン酸グリセリル 0.7
セスキオレイン酸ソルビタン 1.7
ステアリン酸 0.3
セラミド 0.05
スクワラン 3.5
グリチルレチン酸エステル 0.05
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 1.0
メドフォーム油 6.0
ホホバ油 3.5
ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/
フィトステアリル/ベヘニル) 1.0
寒天 0.25
ショ糖脂肪酸エステル 0.20
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 4.5
トリメチルグリシン 1.5
シリコン樹脂 0.05
ヒアルロン酸(0.5%水溶液) 0.5
酸化防止剤 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例11>パック剤 (質量%)
水添ゼデロン 0.005
クルゼレノン 0.005
酢酸ビニル樹脂エマルジョン 15.0
ポリビニルアルコール 10.0
ホホバ油 3.0
グリセリン 5.0
酸化チタン 8.0
カオリン 7.0
エタノール 5.0
香料 適 量
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例12>軟膏 (質量%)
ゼデロン 0.005
フラノジエノン 0.005
クルゼレノン 0.005
パラジメチルアミノ安息香酸オクチル 4.0
ブチルメトキシベンゾイルメタン 4.0
ステアリルアルコール 18.0
モクロウ 20.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 0.3
ワセリン 33.0
香料 適 量
防腐剤・酸化防止剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例13>クリームファンデーション (質量%)
水添ゼデロン 0.001
水添フラノジエノン 0.001
タルク 5.0
セリサイト 8.0
酸化チタン 5.0
色顔料 適 量
モノイソステアリン酸ポリグリセリル 3.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.5
イソノナン酸イソトリデシル 10.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
酸化防止剤 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
<処方例14>日焼け止め化粧料 (質量%)
水添ゼデロン 0.005
水添フラノジエノン 0.010
酸化チタン 10.0
酸化亜鉛 10.0
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
シクロペンタシロキサン 20.0
ジメチコン 10.0
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 0.5
セチルジメチコン 0.25
グリチルレチン酸エステル 0.05
メチルグルセス−20 1.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
塩化ナトリウム 適 量
酸化防止剤 適 量
防腐剤 適 量
精製水 残 部
合 計 100.0
本発明は、安定性に優れ、極めて高い美白効果を発揮するメラニン生成抑制剤及びそれを含む皮膚外用剤の分野に関する。

Claims (8)

  1. 式:
    Figure 0005514739
    {式中、
    はH又はC1−3アルキルであり、
    及びRは、独立して、H、OH又はC1−3アルキルであり、
    あるいはRとRは一緒になって=Oになり、
    はH又はC1−3アルキルであり、
    X及びYは
    Figure 0005514739
    [式中、
    記号:
    Figure 0005514739
    は単結合又は二重結合を表し;
    はH又はC1−3アルキルであり、
    はH、OH又はC1−3アルキルであり、
    及びRは、独立して、H又はC1−3アルキルであり、又は結合(1)が二重結合である場合はRとR又はRのいずれか一方とは存在せず、あるいはRとRは一緒になって−O−を形成し、
    はH又はC1−3アルキルであり、
    10はH又はC1−3アルキルであり、又は結合(2)が二重結合である場合はR10は存在しない]で表される二価の基、
    又は
    Figure 0005514739
    [式中、
    11は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルキル又は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルケニルであり、
    12は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルキル又は直鎖若しくは分岐鎖のC1−5アルケニルであり、
    13はH又はC1−3アルキルである]で表される二価の基
    を形成する}
    で表される単離された化合物の1種又は2種以上を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
  2. 該化合物が、
    式:
    Figure 0005514739
    {式中、
    はメチルであり、
    及びRは、独立して、H又はOHであるか、又はRとRは一緒になって=Oになり、
    はHであり、
    X及びYは
    Figure 0005514739
    [式中、記号:
    Figure 0005514739
    は単結合又は二重結合を表し;
    はHであるか、又は存在せず、
    はH又はOHであり、
    及びRは、独立して、H又はメチルであり、又は結合(1)が二重結合である場合はRとR又はRのいずれか一方とは存在せず、あるいはRとRは一緒になって−O−を形成し、
    はメチルであり、
    10はHであるか、又は結合(2)が二重結合である場合はR10は存在しない]で示される二価の基、
    又は
    Figure 0005514739
    [式中、
    11はイソプロペニルであり、
    12はエテニルであり、
    13はメチルである]で示される二価の基
    を形成する}
    で表される単離された化合物の1種又は2種以上である請求項1記載のメラニン生成抑制剤。
  3. 該化合物が、
    Figure 0005514739
    で表されるゼデロン、
    Figure 0005514739
    で表されるフラノジエノン、
    Figure 0005514739
    で表されるクルゼレノン、
    Figure 0005514739
    で表される水添ゼデロン、及び
    Figure 0005514739
    で表される水添フラノジエノン
    よりなる群から選択される1種又は2種以上である請求項1記載のメラニン生成抑制剤。
  4. (1)ガジュツ(Curcuma zedoaria)根茎乾燥物をメタノール、エタノール、メタノール水溶液、エタノール水溶液、ヘキサン及び酢酸エチルよりなる群から選択される1種又は2種以上の溶媒に浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
    (2)ガジュツ抽出液を濾過し、
    (3)濾液をヘキサン−水層間に液々分配し、ついで
    (4)ヘキサン層を蒸発乾固させてメラニン生成抑制剤を得る
    工程を含むメラニン生成抑制剤の製造方法。
  5. さらに、工程(3)において水層を酢酸エチル−水層間に液々分配し、工程(4)において酢酸エチル層を蒸発乾固させてメラニン生成抑制剤を得る
    工程を含む請求項4記載のメラニン生成抑制剤の製造方法。
  6. (1)ガジュツ(Curcuma zedoaria)根茎乾燥物をヘキサンに浸漬してガジュツ抽出液を調製し、
    (2)ガジュツ抽出液を放置して結晶化させ、
    (3)結晶化物を少量のヘキサンで洗浄し、ついで
    (4)洗浄した結晶化物をヘキサンから再結晶化させてメラニン生成抑制剤を得る
    工程を含むメラニン生成抑制剤の製造方法。
  7. .000001〜1.0質量%の請求項1−3のいずれか1項に記載のメラニン生成抑制剤を含む美白用皮膚外用剤。
  8. 単離されたゼデロン、フラノジエノン及びクルゼレノンよりなる群から選択される1種又は2種以上の有効成分を含み、ゼデロン、フラノジエノン及びクルゼレノンよりなる群から選択される1種又は2種以上を含む天然物抽出物を含まない皮膚外用剤。
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