JP5509858B2 - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
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Description
このような観点からみると、有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送物質と不活性高分子物質とを主成分としているために一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により、摩耗が発生しやすいという欠点を有している。加えて、高画質化の要求によるトナー粒子の小粒径化に伴い、クリーニング性を向上させる目的からクリーニングブレードのゴム硬度の増大(上昇)と当接圧力の増化(上昇)が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗量を増加させる要因となっている。この様な感光体の摩耗は、電気的特性を劣化させ(感度の劣化、帯電性の低下など)、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。したがって、有機感光体の高耐久化においては前述の摩耗量を低減することが不可欠であり、これが当分野で最も解決が迫られている課題である。
また、上記のように、この場合バインダー樹脂がモノマーの硬化を妨げるほか、この感光体において使用される上記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性のものであり、この2官能性モノマーでは官能基数が少なく充分な架橋密度が得られず、これらの点で耐摩耗性の点では未だ満足するには至らなかった。また、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、上記モノマーおよび上記バインダー樹脂に含有される官能基数の低さから、上記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性および耐摩耗性も十分とは言えないものであった。
しかし、この感光層は嵩高い電荷輸送物質が二つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し内部応力が高くなり、表面層の荒れや経時におけるクラックが発生しやすい場合があり、十分な耐久性を有していない。
前記光エネルギーの照射時に、前記導電性支持体の内側に熱媒体を直接、あるいは間接的に接触させて該導電性支持体の温度を制御することを特徴とする電子写真感光体の製造方法により解決される。
したがって、電子写真感光体は、耐摩耗性および耐傷性が高く、安定であると共に電気的特性が良好であり、高耐久、高性能、加えて人体・環境への負荷が少なく、長期間にわたり高画質化を実現可能とすることができる。
本発明の電子写真感光体を備えた画像形成装置とすれば、耐摩耗性、耐傷性、電気的特性が良好で高耐久、高性能の電子写真感光体を用いるため、繰り返し使用(例えば、プロセス線速が高速)しても異常画像の発生がなく安定した高品質画像を継続的に出力することができる。
前記光エネルギーの照射時に、前記導電性支持体の内側に熱媒体を直接、あるいは間接的に接触させて該導電性支持体の温度を制御することを特徴とするものである。
ここで、前記光エネルギー照射時における導電性支持体の表面温度を、40℃以上、且つ、表面層用塗工液に含有される溶媒の沸点以下に制御することが好ましい。また、前記光エネルギー照射時(照射中)における導電性支持体の表面温度の変化率を10%以下に制御することが好ましい。
すなわち従来、架橋表面層は、少なくともラジカル重合性化合物と溶媒を含有する表面層用塗工液(塗工液)を感光層上に塗工後、塗膜に光エネルギー、主として紫外線を照射することで形成するが、一般に紫外線照射装置は開始剤がラジカルを発生する波長光だけでなくそれ以外の不必要な波長光も照射する。具体的には、400nmを超える可視光、赤外光なども発光し、それによって被照射体である基体の温度上昇が起こり、ラジカル重合性化合物の架橋反応時に表面層の収縮が顕著となり、表面膜の凹凸が発生する。表面膜に凹凸が発生すると、画像形成プロセスにおいて、その凹凸のすき間をトナーがすり抜けることでクリーニング不良が起こり、黒スジ等の異常画像となる。また、急激な収縮により内部応力が大きくなると、摩耗が進行するに従って表面層と電荷輸送層界面で表面層の膜剥がれが生じ、その後急速に摩耗が進む。
しかしながら現在、LED光源の光エネルギーは、従来の紫外線ランプと比べて非常に小さく、ラジカル重合性化合物の硬化反応において摩耗特性を満足させるだけの架橋密度を得ることができない。このような不具合を解消するため、本発明では導電性支持体の内側に熱媒体を直接、あるいは間接的に接触させて該導電性支持体の温度を制御(例えば、温度を上昇させる)してラジカル重合性化合物の分子運動を高め、架橋反応速度を大きくすることにより、十分な架橋密度を確保する。この際、導電性支持体の表面温度を高くしていくと架橋反応速度は増大するが、その温度が表面層用塗工液に含有される溶媒の沸点以上になると、塗膜(表面層)中の溶媒が膜内から急速に脱離することになる。その結果、ラジカル重合性化合物(ラジカル重合性モノマー)の自由度が阻害されて硬化速度が低下し、架橋密度が低下する。したがって、導電性支持体の温度は表面層用塗工液に含まれる溶媒の沸点以下に抑える必要がある。
また、赤外線を発生させないLEDを使用することにより、LED点灯時に被照射体である基体の温度変化は非常に小さい。このため、基体温度は熱媒体を直接あるいは間接的に接触させることにより必要とする温度を、光エネルギーの照射中に一定の温度で均一に制御(コントロール)することが可能となり、その結果、表面層内部の架橋密度の均一性を高めることが可能となり、耐摩耗性が向上して摩耗特性にバラツキがなく良好となる。この場合、前述のように光エネルギー照射時(照射中)における導電性支持体の表面温度の変化率として10%以下、さらには8%以下であることが表面層内部の架橋密度の均一性を高める点で好ましい。
一般に、光エネルギーを照射してラジカル重合性化合物にラジカルを発生させる光源としては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等に代表される有電極ランプやマイクロ波エネルギーによって発光物質を励起させて発光させる無電極ランプがある。前述のように、これら紫外線ランプの発光波長は400nm以下が主であるが、400nm以上の波長光も多く含まれており、また400nm以下の波長光であっても開始剤がラジカルを発生する波長領域外の光も含まれる。すなわち、これら不必要な波長領域の光の吸収により、被照射体である基体の温度上昇を招き、硬化時に表面凹凸が生じたり、急激な架橋反応によって表面層の内部応力が大きくなることで表面層の膜剥がれを生じる原因となる。
また、ラジカル重合性化合物として本発明のような電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)を含有する場合には、紫外線ランプの特定の波長光が電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)を分解させる原因になる。
図1、図2において、符号1は配線基板、符号2はLED素子、符号3は感光体ドラム、符号4は反射板を示す。
また、LED光源による光エネルギー照射では熱の発生原因となる赤外線を発生させないことも可能であるため、光エネルギー照射時に感光体ドラムの冷却が不必要になる。
導電性支持体の温度を調整する方法として、恒温水槽等で一定の温度にコントロールされた熱媒体を導電性支持体の内部に直接導入する方法がある。図3の模式図に、本発明において光エネルギーの照射時に、導電性支持体の内側に熱媒体を直接接触させて導電性支持体の温度を制御する方法の一例を示す。
図3において、恒温槽5から導電性支持体2(感光体ドラム:以降、「基体」と略称することがある)内部に導入する熱媒体4は気体でも液体でも構わないが、温度コントロールのしやすさから液体の方が好ましく、その中で100℃未満の場合は水を使用することが好ましく、100℃を越える場合はシリコーンオイル類を使用することが好ましい。図3中、符号6はモーター、7はベルト、9はエアー抜き弁、をそれぞれ示す。
熱媒体4は基体内部に滞留させることで温度コントロール可能であるが、より精密な温度コントロールを行うためには図4に示すように恒温水槽と基体内部の間を循環させることが好ましい。図4の模式図に、本発明において光エネルギーの照射時に、導電性支持体の内側に熱媒体を直接接触させて導電性支持体の温度を制御する方法を説明するための別例を示す。
図4において、恒温槽5から導電性支持体2(感光体ドラム:以降、「基体」と略称することがある)内部に熱媒体4が導入され、恒温槽5と導電性支持体2の間を熱媒体4が循環する。図4の熱媒体流方向は一例であって、熱媒体を流す方向は基体の下部から上部に流れて中央の管を通って戻る方向と、中央の管を通って基体の上部から下部に向かって流れる方向のどちらでもよい。図4中、符号6はモーター、7はベルト、8は二重管、をそれぞれ示す。
なお、前記熱媒体の温度については40℃以上が好ましく、表面層用塗工液に使用される溶媒の沸点以下が好ましい。
次に、熱媒体を導電性支持体に間接的に接触させる方法について述べる。
例えば、導電性支持体の内部に、膨張・収縮自在の円筒状弾性体を接触させ、該円筒状弾性体の内部に熱媒体を循環し、前記円筒状弾性体を介して導電性支持体の温度を制御する方法が適用できる。図5の模式図に、本発明において光エネルギーの照射時に、導電性支持体の内側に膨張・収縮自在の円筒状弾性体を接触させて円筒状弾性体の内部に熱媒体を循環し、導電性支持体の温度を制御する方法の一例を示す。
図5において、恒温槽5から導電性支持体2(感光体ドラム:以降、「基体」と略称することがある)内部に接触された円筒状弾性体3内に熱媒体4が導入され、恒温槽5と円筒状弾性体3の間を熱媒体4が循環する。
すなわち、恒温水槽等で一定の温度にコントロールされた熱媒体4を円筒状弾性体3の内部に導入し、その圧力によって円筒状弾性体3を膨らませて導電性支持体2に密着させる。図5中、符号6はモーター、7はベルト、8は二重管、をそれぞれ示す。
円筒状弾性体3を通して熱交換を行い、基体の温度を一定に保つことができる。弾性体の材質については繰り返し使用において耐久性があるものが好ましい。弾性体の厚みについては0.2mm〜5mmが好ましいが、強度と熱交換効率を考慮すると、0.5mm〜1.5mmが好ましい。
本発明における前記ラジカル重合性化合物として、電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)および/または電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)を用いることが好適である。
以下、電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)と、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)について詳述する。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)としては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造や、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有さないモノマーを指す。
上記ラジカル重合性官能基とは、炭素−炭素2重結合を有し、ラジカル重合可能な基であれば何れでもよい。これらラジカル重合性官能基としては、例えば、下記に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基等が挙げられる。
上記置換基を有していてもよいアリーレン基の具体例としては、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられ、また、R36におけるアルキル基としてはメチル基、エチル基等が、アラルキル基としてはベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等が、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
上記Y4における置換基を有していてもよいアルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基等が、置換基を有していてもよいアラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が、置換基を有していてもよいアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が、置換基を有していてもよいアルコキシ基としてはメトキシ基あるいはエトキシ基等が挙げられる。また、R37における置換基を有していてもよいアルキル基としてはメチル基、エチル基等が、置換基を有していてもよいアラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が、置換基を有していてもよいアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。さらにR38およびR39における置換基を有していてもよいアルキル基としてはメチル基、エチル基等が、置換基を有していてもよいアラルキル基としてはベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等が、置換基を有していてもよいアリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)の具体例としては、以下のものが例示されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
本発明に用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)としては、例えば、トリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造や、例えば、縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送構造を有しており、且つラジカル重合性官能基を有する化合物を指す。このラジカル重合性官能基としては、先のラジカル重合性モノマー(イ)について説明した基が挙げられ、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が有用である。
このようなことから、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)としては、1官能の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用い、架橋結合間にペンダント状に固定化することにより、クラックや傷の発生防止、および静電的特性の安定化を図ることができる。
前記一般式(3)、(4)において、R1の置換基中、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基(メチル基、エチル基等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等)等により置換されていてもよい。R1の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子またはメチル基である。
前記縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、およびナフタセニル基等が挙げられる。
前記非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテルおよびジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、およびポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
前記複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、およびチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
〔1〕ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等。
〔2〕アルキル基。好ましくは、C1〜C12とりわけC1〜C8、さらに好ましくはC1〜C4の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基にはさらにフッ素原子、水酸基、シアノ基、C1〜C4のアルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子、C1〜C4のアルキル基もしくはC1〜C4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体例を示すとメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
〔3〕アルコキシ基(−OR2)[R2は前記〔2〕で定義したアルキル基を表す]。
その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
〔4〕アリールオキシ基。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、C1〜C4のアルコキシ基、C1〜C4のアルキル基またはハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
〔5〕アルキルメルカプト基またはアリールメルカプト基。具体例としてはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
〔6〕下記一般式(a)で表される基が挙げられる。
〔8〕置換または無置換のスチリル基、置換または無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基等。
前記Xは単結合、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のシクロアルキレン基、置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。
具体的には、メチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキシエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
前記置換もしくは無置換のアルキレンエーテル基としては、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコールを表し、アルキレンエーテル基、アルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有してもよい。
また、光重合促進効果を有するものを単独または上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これら重合開始剤は、LED光源の波長光でラジカルを発生するものを使用することが重要である。
これら重合開始剤の添加量は、ラジカル重合性化合物100重量部に対し、0.5〜40重量部、好ましくは1〜20重量部である。
[電子写真感光体の層構造]
本発明の電子写真感光体を図面に基づいて説明する。
図6は、本発明における電子写真感光体の層構成の一例を示す概略断面図である。図6の電子写真感光体では、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する単層構造の感光層(33)が設けられ、さらに感光層(33)上に架橋表面層(表面層)(39)が形成された構成からなる。
図7は、本発明における電子写真感光体の層構成の別例を示す概略断面図である。図7の電子写真感光体では、導電性支持体(31)上に、電荷発生機能を有する電荷発生層(35)と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層(37)とが積層された積層構造の感光層上に架橋表面層(表面層)(39)が形成された構成からなる。
導電性支持体(31)としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
次に感光層について説明する。感光層は積層構造でも単層構造でもよい。
積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
[感光層が積層構成のもの]
(電荷発生層)
電荷発生層[例えば、図7に示す電荷発生層(35)]は、電荷発生機能を有する電荷発生化合物を主成分とする層で、必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。電荷発生化合物としては、無機系材料と有機系材料を用いることができる。
一方、有機系材料としては、公知の材料を用いることができる。例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系または多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタンおよびトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノンおよびナフトキノン系顔料、シアニンおよびアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。そのなかで特にフタロシアニン類が有用に用いられ、中でもチタニルフタロシアニン、その中でも、少なくともCu−Kα線に対するX線回折スペクトルにおいてブラッグ角2θの主要ピークが、少なくとも9.6°±0.2°、24.0°±0.2°および27.2°±0.2°にある結晶型を有するY型チタニルフタロシアニンは高感度材料として特に有効である。これらの電荷発生化合物は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
電荷発生層に併用できる低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独または2種以上の混合物として用いることができる。
前者の方法には、真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が用いられ、電荷発生層を良好に形成できる。
また、後述のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系もしくは有機系電荷発生化合物を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、電荷発生層を形成することができる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。塗布は、浸漬塗工法やスプレーコート、ビードコート、リングコート法などを用いて行なうことができる。
以上のようにして設けられる電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.05〜2μmである。
電荷輸送層[例えば、図7に示す電荷輸送層(37)]は電荷輸送機能を有する層で、本発明では電荷輸送層の上に表面層[例えば、図7に示す架橋表面層(39)]が形成される。
電荷輸送層は、少なくとも電荷輸送機能を有する電荷輸送物質およびバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成し、この上に前記本発明のラジカル重合性組成物と、必要に応じてフィラーを含有する塗工液を塗布し、形成された塗膜を導電性支持体の温度を制御しつつ、LEDを光源とする光エネルギーにより架橋、硬化させる。電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm程度が適当であり、好ましくは10〜30μm程度が適当である。
バインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーが使用され、その使用量は、バインダー樹脂100重量部に対して0〜1重量部程度が適当である。
単層構造の感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層で、本発明では感光層の上に表面層が形成される。
単層構造の感光層中に含有される電荷発生化合物は感光層全量に対し1〜30重量%が好ましく、感光層に含有されるバインダー樹脂は全量の20〜80重量%、電荷輸送物質は10〜70重量部が良好に用いられる。
本発明の電子写真感光体においては、導電性支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
また、本発明においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、表面層、電荷発生層、電荷輸送層、下引き層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
(フェノール系化合物)
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3′−ビス(4′−ヒドロキシ−3′−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]グリコ−ルエステル、トコフェロール類など。
(パラフェニレンジアミン類)
N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジメチル−N,N′−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなど。
(ハイドロキノン類)
2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなど。
(有機燐化合物類)
トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなど。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
本発明における酸化防止剤の添加量は、添加する層の総重量に対して0.01〜10重量%である。
また、実施例における発光波長測定、および電荷輸送性構造を有する化合物の合成はそれぞれ下記により実施した。
〔発光波長測定〕
LED光源の波長スペクトルは光スペクトラム・アナライザQ8381A(アドバンテスト社製)を用いて350nm〜400nmの範囲で測定した。
〔電荷輸送性構造を有する化合物の合成〕
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば、特許第3164426号公報記載の方法により合成される。
Al製支持体(外径100mmφ)表面に、下記下引き層用塗工液を用いて、乾燥後の膜厚が4.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、
大日本インキ化学工業製): 6.5部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、
大日本インキ化学工業製): 3.5部
酸化チタン(CR−EL:石原産業): 60部
メチルエチルケトン: 90部
Y型チタニルフタロシアニン顔料: 2.5部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学社製): 0.5部
メチルエチルケトン: 100部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート: 9部
下記構造式(A)で示される電荷輸送化合物: 9部
光照射時における感光体ドラムの表面温度を光照射面とは反対面のドラム表面に熱電対を接触させて表面温度を測定した。
トリメチロールプロパントリアクリレート〔3官能アクリルモノマー〕
(商品名;SR351S、サートマー(株)社製): 5部
下記構造式(B)で示される電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物: 5部
実施例1において、表面層形成用塗工液に用いた構造式(B)で示される電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式(E)で示される2官能のラジカル重合性化合物に代えた以外は実施例1と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例1において、表面層形成用塗工液に用いた構造式(B)で示される電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を下記構造式(F)で示される3官能のラジカル重合性化合物に代えた以外は実施例1と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例1における表面層形成時に、LED照射の最初の10分間は温水を循環させず、照射10分後に25℃の温水を感光体ドラム内部に導入して循環させ、さらに5分LED照射を続けた以外は、実施例1と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例1におけるLED光源に代えて、交流式Fusion製UV照射装置(F600V−20QPN)、Dバルブ、を用いて照射時間を2分に変更し、さらに熱媒体を導電性支持体内部に導入せず温度コントロールを行わなかった以外は実施例1と同様に表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
実施例1におけるLED光源に代えて、交流式Fusion製UV照射装置(F600V−20QPN)、Dバルブ、を用いて照射時間を2分に変更した以外は、実施例1と同様に導電性支持体の温度を制御しつつ表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
実施例1において熱媒体を導電性支持体内部に導入せず温度コントロールを行わなかった以外は実施例1と同様に表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
以下に本発明で行った試験方法について示す。
<表面状態の評価>
加速摩耗前の表面層を光学顕微鏡で拡大観察して表面性を評価した。
<剥離強度の測定>
表面層の剥離強度の評価方法として、サイカス(SAICAS)装置DN−20型(ダイプラ・ウィンテス製)を用い、刃幅0.5mmの切刃を用い、水平切り込み速度:0.1μm/s、垂直切り込み速度:0.01μm/sの切り込み速度一定モードで測定を行った。また、試験する切り込み深さは表面層の膜厚よりも大きな値となるように試験時間を決定した。剥離強度としては表面層膜厚に相当する切込み深さの水平荷重を刃幅で割ることで算出した。温度22℃、相対湿度55%の環境条件下で測定を行った。
<耐久性試験>
粒度3.0μmのラッピングフィルム(住友3M社製)を用いて感光体の中央において感光体の軸方向10cm幅の表面層を3μm加速摩耗させた。そして感光体の加速摩耗した部分を超深度形状測定顕微鏡VK−8500(キーエンス社製)にて表面観察を行い、剥離の有無を確認した。次に、この感光体をRICOH Pro 900に搭載にて暗部電位を−900Vに設定し、加速摩耗部分の画像評価と明部電位測定を行った。その後A4サイズ5万枚通紙、さらに5万枚の通紙を行い、各通紙後に画像評価、剥離の有無、明部電位測定を行った。また初期、5万枚および10万枚通紙後に加速摩耗部の膜厚測定を行い、通紙による摩耗量を測定した。なお感光体の膜厚は渦電流式膜厚測定装置(フィッシャーインスツルメント製)を用いて測定した。
Al製支持体(外径100mmφ)表面に、下記下引き層用塗工液を用いて、乾燥後の膜厚が3.5μmになるように浸漬法で塗工し、下引き層を形成した。
アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、
大日本インキ化学工業製): 6.5部
メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、
大日本インキ化学工業製): 3.5部
酸化チタン(CR−EL:石原産業): 60部
メチルエチルケトン: 90部
Y型チタニルフタロシアニン顔料: 2.5部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学社製): 0.5部
メチルエチルケトン: 100部
ビスフェーノルZ型ポリカーボネート: 9部
下記構造式(A)で示される電荷輸送化合物: 9部
光照射時における感光体ドラムの表面温度を光照射面とは反対面のドラム表面に熱電対を接触させて表面温度を測定した。
テトラエチレングリコールジアクリレート〔2官能アクリルモノマー〕
(商品名:SR268、サートマー(株)社製): 10部
実施例5の表面層形成用塗工液で使用する電荷輸送性を有さないラジカル重合性モノマー(2官能)を3官能アクリルモノマーであるトリメチロールプロパントリアクリレート(商品名:SR351S、サートマー(株)社製)に代えた以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例5の表面層形成用塗工液で使用する電荷輸送性を有さないラジカル重合性モノマー(2官能)を4官能アクリルモノマーであるペンタエリスリトールテトラアクリレート(商品名:SR295、サートマー(株)社製))に代えた以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例5の表面層形成時における恒温槽の温度を30℃に設定した以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例5の表面層形成時における恒温槽の温度を50℃に設定した以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
実施例5の表面層形成時における恒温槽の温度を60℃に設定した以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
作製した。
実施例5の表面層形成時における恒温槽の温度を70℃に設定した以外は実施例5と同様に表面層を設けて本発明の電子写真感光体を得た。
作製した。
実施例5におけるLED光源に代えて、交流式Fusion製UV照射装置(F600V−20QPN)、Dバルブ、を用いて照射時間を3分に変更し、さらに熱媒体を導電性支持体内部に導入せず温度コントロールを行わなかった以外は実施例5と同様に表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
実施例1におけるLED光源に代えて、交流式Fusion製UV照射装置(F600V−20QPN)、Dバルブ、を用いて照射時間を3分に変更した以外は実施例5と同様に導電性支持体の温度を制御しつつ表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
実施例5において 熱媒体を導電性支持体内部に導入せず温度コントロールを行わなかった以外は実施例5と同様に表面層を設けて電子写真感光体を作製した。
粒度3.0μmのラッピングフィルム(住友3M社製)を用いて感光体の中央において感光体の軸方向10cm幅の表面層を3μm加速摩耗させた。そして感光体の加速摩耗した部分を超深度形状測定顕微鏡VK−8500(キーエンス社製)にて表面観察を行い、剥離の有無を確認した。次にこの感光体をRICOH Pro 1350に搭載にて暗部電位を−800Vに設定し、加速摩耗部分の画像評価と明部電位測定を行った。その後A4サイズ5万枚通紙、さらに5万枚の通紙を行い、各通紙後に画像評価、剥離の有無、明部電位測定を行った。また初期、5万枚および10万枚通紙後に加速摩耗部の膜厚測定を行い、通紙による摩耗量を測定した。なお感光体の膜厚は渦電流式膜厚測定装置(フィッシャーインスツルメント製)を用いて測定した。
これに対して、紫外線ランプを用い、温度制御無しで表面層を設けた[比較例1]および[比較例4]は、いずれも感光体表面の温度およびその変化率が異常に大きく、剥離強度も低く、多数枚(10万枚)通紙後の画像評価(全面に黒スジ発生)および明部電位の数値も悪く、摩耗量も大きく、剥離が発生している。
また、紫外線ランプを用い、温度制御有りで表面層を設けた[比較例2]および[比較例5]は、いずれも感光体表面の温度変化率が高く、剥離強度も低めであり、多数枚(10万枚)通紙後の画像評価において黒スジが発生している。
また、LEDを用い、温度制御無しで表面層を設けた[比較例3]および[比較例6]は、いずれも多数枚(10万枚)通紙後の画像評価において全面に黒スジが発生し、摩耗量も大きい。
このような電子写真感光体を用いれば、複写機、レーザープリンターあるいは普通ファクシミリ等の画像形成装置を提供することができ、高速化、小型化、カラー化、高画質化、易メンテナンス性に対応することができる。
1 配線基板
2 LED素子
3 感光体ドラム
4 反射板
(図3)
2 導電性支持体(感光体ドラム)
4 熱媒体
5 恒温槽
6 モーター
7 ベルト
9 エアー抜き弁、
(図4)
2 導電性支持体(感光体ドラム)
4 熱媒体
5 恒温槽
6 モーター
7 ベルト
8 二重管、
(図5)
2 導電性支持体(感光体ドラム)
3 円筒状弾性体
4 熱媒体
5 恒温槽
6 モーター
7 ベルト
8 二重管
(図6)
31 導電性支持体
33 感光層
39 架橋表面層
(図7)
31 導電性支持体
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
39 架橋表面層
Claims (9)
- 導電性支持体上に、少なくとも感光層と表面層とを有し、該表面層がラジカル重合性化合物と溶媒を含有する表面層用塗工液を用いて塗膜を形成後に、LEDを光源とする光エネルギーの照射により硬化させてなる電子写真感光体の製造方法において、
前記光エネルギーの照射時に、前記導電性支持体の内側に熱媒体を直接、あるいは間接的に接触させて該導電性支持体の温度を制御することを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記光エネルギー照射時における導電性支持体の表面温度を、40℃以上、且つ、表面層用塗工液に含有される溶媒の沸点以下に制御することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記光エネルギー照射時における導電性支持体の表面温度の変化率を10%以下に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記導電性支持体の内部に、膨張・収縮自在の円筒状弾性体を接触させて該円筒状弾性体の内部に熱媒体を循環し、前記該円筒状弾性体を介して導電性支持体の温度を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記ラジカル重合性化合物が、電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)および/または電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)が、3官能以上であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマー(イ)の官能基が、アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項5または6に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)が、1官能であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物(ロ)の官能基が、アクリロイルオキシ基および/またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項5または8に記載の電子写真感光体の製造方法。
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