JP5509739B2 - 厚板剪断設備、鋼板蛇行制御方法および鋼板蛇行防止方法 - Google Patents
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Description
(1)左右のピンチロールの軸芯を含む水平面内における鋼板搬送方向とロール軸芯とのなす角度(θ)に起因した蛇行発生力(以下、直行度差と呼ぶ)、
(2)左右のピンチロールの偏磨耗差に起因した鋼板の搬送時の左右速度差(以下、偏磨耗差と呼ぶ)、
(3)左右のピンチロールの速度差に起因した鋼板の搬送時の左右速度差(以下、周速差と呼ぶ)、
(4)上下ピンチロールを昇降させるアクチュエータにより鋼板を挟圧する際の左右ピンチ力差(以下、ピンチ力差と呼ぶ)等が考えられる。
(3)については左右ピンチロールの間に連結軸を設けたメカタイ構造化もしくは左右ロール周速を同期化するためのピンチロール駆動アクチュエータの電気信号制御、(4)についてはアクチュエータ設定(例えば油圧シリンダの場合は設定圧力)の調整により、管理するのが一般的である。
また、ローラの磨耗等によって摩擦力が低下した際に、蛇行防止効果が低下するため、ローラの交換が必要になるという問題がある。更に、鋼板の蛇行量を検出出来ないため、上記ローラの交換周期が正確に把握できず、大量の品質不良を誘発することも有りうるという問題がある。
(a)ピンチロールの軸芯を含む水平面内における鋼板搬送方向とピンチロールの軸芯とのなす角度が直行する場合は、鋼板搬送方向と実際の鋼板移動方向は一致するので、鋼板の蛇行は生じないことに着目し、
(b)直行度にずれを生じた場合には、鋼板搬送方向とピンチロールの周速方向とのずれによる相対速度成分が蛇行速度成分となり、当該速度に応じた鋼板の蛇行が発生すること、
(c)ピンチロールの軸芯方向に、蛇行速度成分を打ち消す速度成分を与えれば、直行度差があっても鋼板搬送方向と実際の鋼板移動方向は一致すること、
を知見し、本発明を完成させたものである。
耳部切断機または分割切断機を、鋼板が走行中は、鋼板の蛇行量を算出する鋼板蛇行検出装置と、算出した蛇行量を相殺する方向に各ピンチロール列をロール軸芯方向に強制変位させる機構と、前記耳部切断機または分割切断機で鋼板を剪断中は、鋼板の横ずれを防止するために、ピンチロールの軸芯方向への移動を停止する機構とを有するピンチロールを備えたことを特徴とする厚板剪断設備である。
本発明に用いるスプライン連結構造は、モータ側を中空構造のボス側、ピンチロール側をインボリュート歯形加工を施したスプライン軸とし、作動中の歯車かみあい部の自動調心性を有し、大きなトルク伝達が可能なインボリュートスプライン構造とするのが良い。
鋼板が走行中は、ピンチロールのロール軸芯方向位置制御が適用される。即ち、蛇行検出ロールは昇降フレーム間に渡されたロール軸に沿って、鋼板蛇行量に応じて摺動し、その摺動位置をロール位置検出センサで逐次測定し、算出された蛇行量に基づき、位置保持機能付アクチュエータを作動して、ピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させる。
21a 鋼板幅端部
22 テーブルロール
23 入側搬送テーブル
24 DSS入側ピンチロール
25 両側耳切断機(DSS)
26 DSS出側ピンチロール
27 SL入側ピンチロール
28 分割剪断機(SL)
29 SL出側ピンチロール
31 出側搬送テーブル
32 入側押えローラ
34 出側押えローラ
36 中間押えローラ
38 流体圧シリンダ
39 支持部材
Claims (6)
- 鋼板の両側耳部を同時に切断する耳部切断機と、該耳部切断機の入側および出側に設けられ、鋼板の両耳部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールと、鋼板を幅方向に沿って分割する分割切断機と、該分割切断機の入側および出側に設けられ、分割する鋼板の両側端部近傍の各々を上下1対のロールで挟むピンチロールとからなる厚板剪断設備であって、
耳部切断機または分割切断機を、鋼板が走行中は、鋼板の蛇行量を算出する鋼板蛇行検出装置と、算出した蛇行量を相殺する方向に各ピンチロール列をロール軸芯方向に強制変位させる機構と、前記耳部切断機または分割切断機で鋼板を剪断中は、鋼板の横ずれを防止するために、ピンチロールの軸芯方向への移動を停止する機構とを有するピンチロールを備えたことを特徴とする厚板剪断設備。 - 前記鋼板蛇行検出装置は、耳部切断機および分割切断機に配置された左右ピンチロールの上ピンチロール軸受が固定されている左右の昇降フレーム間に鋼板搬送方向と直行する方向で鋼板面上方に設けられたロール軸と、鋼板に接触して該ロール軸上を回転摺動する蛇行検出ロールと、該蛇行検出ロールの位置を測定するロール位置検出センサと、該ロール位置から蛇行量を算出する蛇行量演算装置とからなることを特徴とする請求項1に記載の厚板剪断設備。
- 前記ピンチロールをロール軸芯方向に強制変位させる機構は、上下ピンチロールとロール駆動力発生源との間の動力伝達軸がスプライン連結構造であり、前記ピンチロールのロール軸芯方向への移動を可能とする、または停止する機構は、ピンチロール側面またはピンチロール側のスプライン軸外周に設けたフランジ面もしくはスプライン軸端面をスラスト軸受を介して固定する位置保持機能付きアクチュエータであることを特徴とする請求項1または2に記載の厚板剪断設備。
- 請求項2または3に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板が走行モードか切断モードかを判定するモード判定ステップと、鋼板走行モードでは、ピンチロールのロール軸芯方向初期位置と蛇行検出ロールの初期位置を設定する初期設定ステップと、ロール位置検出センサにより蛇行検出ロール端面位置を測定するロール端面位置測定ステップと、ロール端面測定値とロール初期位置とから蛇行量を算出する蛇行量算出ステップと、蛇行量が設定値を超えると蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させる蛇行量相殺ステップとを備え、鋼板切断モードでは、アクチュエータを固定してピンチロールのロール軸芯方向移動を固定するアクチュエータロックステップを備えたことを特徴とする鋼板蛇行制御方法。
- 請求項2または3に記載の厚板剪断設備を用いて、鋼板走行中は、位置保持機能付きアクチュエータにより、鋼板蛇行検出装置で算出された蛇行量を相殺する方向にピンチロール列を強制変位させて鋼板蛇行を防止するとともに、耳部切断機または分割切断機で鋼板を切断中は、前記アクチュエータを位置保持状態にて固定することで、ピンチロールの軸芯方向変位を固定し、鋼板切断時の横ずれを防止することを特徴とする鋼板蛇行防止方法。
- 耳部切断機または分割切断機での鋼板剪断が完了し、次の鋼板の剪断が開始される前に、ピンチロールのロール軸芯方向変位が初期位置に戻るように、前記アクチュエータのストロークを調節することを特徴とする請求項5に記載の鋼板の蛇行防止方法。
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