JP5509528B2 - 熱接着シートおよびキーシート - Google Patents

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Description

本発明は、携帯電子機器のキーシート等の狭間配置される部材の固定に適した熱接着シートに関する。
携帯電話、携帯情報端末、各種家電製品用リモコン、カードリモコン、各種キーボードなどには、入力操作に使用するキーシートが利用されている。このキーシートとは、例えばウレタンゴムのようなゴム状弾性体からなるベース部に接着剤を塗布し、ポリカーボネート(PC)樹脂のような硬質樹脂を成形して得たキートップ部を該接着剤によって接着してベース部に固着した構造とされている。そして、キートップ部には、入力要素として文字や数字や記号などが表示されており、キートップ部を押圧するとベース部が該押圧方向へ撓んで、ベース部の下方に位置する導電接点が導通して、表示されている文字等の所定の入力がなされる、というものである。
しかし接着剤は液状のため、接着目的とする部分とは異なる部位に付着したりダレが生じたりする場合があり、キーシートの意匠性が悪化する問題があった。また、例えば携帯電話用キーシートのように、キートップ同士を互いに隣接した位置に接着させなければならない場合には、キートップ同士をそれぞれ正確な位置に接着するのは容易ではなく、部品を配する位置や固定部の面積が異なる多数の機種やモデルを有する携帯電子端末においては、これら機種毎に接着剤の塗布条件や位置決め設定を調整することは工程上煩雑であった(特許文献1)。
そこで接着剤のようなダレがなく、初期タックがあり位置決め性の容易な両面粘着シートによる固定が増えている。しかし近年のキートップ部の狭面積化により、両面粘着シートによる固定では接着強度が不足する問題が生じていた。
一方、接着力の高いものとして熱接着シートが挙げられるが、熱接着シートは加熱前には接着力が無いものが多く、位置あわせが困難であった。また、位置あわせが可能な初期タック性を有する熱接着シートは抜き加工性が良好でなく、部品固定用に微細な形状に抜き加工する場合や粘着剤部分を狭間配置させる場合などは、抜き加工時に剥離紙が脱落する問題があった。
特開2003−231865
本発明が解決しようとする課題は、貼り付け時の位置決めが容易であり、打ち抜き加工性に優れ、高い接着強度を有する熱接着シートを提供することにある。さらには接着性・意匠性に優れたキーシートを提供することにある。
本発明においては、両面接着シートの各表面に剥離フィルムが設けられた熱接着シートにおいて、両面接着シートの感熱接着剤層を常温近傍で特定の弾性率を有する接着剤とすることで、初期タック性と良好な接着性を実現でき、好適に位置合わせが可能となる。また当該初期タック性を有する感熱接着剤層を有する両面接着シートの各表面に貼り合わせる剥離フィルムを、重剥離側と軽剥離側とが特定の剥離バランスとなるよう設定し、さらに剥離フィルムの樹脂基材としてぬれ張力が一定値以下の樹脂基材を使用する。これにより、本発明の熱接着シートは、抜き加工時にはみ出しが生じやすい感熱接着剤層を用いても、軽剥離側の剥離フィルム剥離時に、重剥離側からの剥離が生じにくい。従って、剥離フィルムの脱落が生じやすい微細形状への打ち抜き加工を行った際にも、好適に軽剥離側の剥離フィルムを剥離することが可能となる。
すなわち、本発明は熱可塑性接着剤からなる感熱接着剤層表面を両面に有する両面接着シートの各表面に剥離フィルムが設けられた熱接着シートであって、
前記両面接着シートの一方の表面と剥離フィルムとの間の剥離力と、前記両面接着シートの他方の表面と剥離フィルムとの間の剥離力とが、それぞれ異なる剥離力を有し、剥離力の小さい軽剥離側の剥離力(F)と、剥離力の大きい重剥離側の剥離力(F)との比が、(F/F)>1で表され、
前記軽剥離側の感熱接着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける23℃の弾性率E’が10〜10Paであり、
前記軽剥離側の剥離フィルムが離型処理された樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムのぬれ張力が35mN/m以下であることを特徴とする熱接着シートを提供するものである。
本発明の熱接着シートは、初期タック性、打ち抜き加工性、接着性に優れるため、位置あわせ作業と加工が容易であり、狭い接着面積であっても高い接着信頼性がある。さらに本発明の接着シートを使用したキーシートは接着性、意匠生に優れる。
[感熱接着剤層]
本発明の熱接着シートの感熱接着剤層は、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける23℃の弾性率E’が10〜10Paである。好ましくは10〜10Paであり、さらに好ましくは10〜10Paである。上記範囲にあることで、接着性と位置あわせ性を高度に両立できる。23℃の弾性率E’が高すぎると感熱接着剤層の粘性が低下し初期タックが低下する。一方、弾性率が低すぎると感熱接着剤層の弾性が低下し接着強度が低下する。
また本発明の熱接着シートに使用する感熱接着剤層は、周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接のピークを示す温度が25℃以下であることが好ましい。さらに好ましくは20℃以下である。上記温度にあることで、常温での感熱接着剤層が被着体の表面に流動しやすくなるため、位置あわせ性に優れ、低温で過熱圧着した時に高い接着力を実現できる。
なお、感熱接着剤層の動的粘弾性スペクトルは次の方法で測定する。ティー・エイ・インスツルメント製粘弾性測定機「RSA III」を用い、引っ張りモードで、振動数1Hz、昇温速度3℃/min、負荷歪み0.1%の条件で、−50℃〜200℃までの温度領域における、弾性率E’と損失正接を測定する。
[熱可塑性接着剤]
感熱接着剤層を形成する熱可塑性接着剤組成物の種類としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、フェノール系樹脂を単独或いは複数混合したものが挙げられる。そのなかでもポリエステル系樹脂が好ましく、ポリエステルとポリエステルウレタンを混合した樹脂が最も好ましい。上記の樹脂の種類とすることで23℃の弾性率E’を目的の範囲に制御しやすい。
上記ポリエステルは、特に制限されず、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合物であるポリエステルやこれを変性したポリエステルを通常使用できる。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤においては、一種のポリエステルを使用しても、複数のポリエステルを混合しても良いが、ガラス転移温度が−50〜10℃のポリエステルを含有することが好ましく、−40〜−10℃のポリエステルを含有することが特に好ましい。ガラス転移温度が当該範囲のポリエステルを使用することにより、23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。
また、ポリエステルの数平均分子量としては、8,000〜30,000であることが好ましい。数平均分子量が当該範囲のポリエステルを含有することで、好適な接着性を得やすくなる。また、15,000〜25,000であることがより好ましい。含有量を上記範囲内とすると、接着剤を好適な粘度範囲で取り扱うことができ、また、耐型崩れ性に優れる。
ポリエステルに使用する多価カルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類など、あるいはこれらの酸無水物などが挙げられ、これらのカルボン酸は通常単独でまたは2種以上混合して用いられる。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4ブタンジオール、1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール等が挙げられる。また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものとしてはジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸などが挙げられる。さらに、多価アルコールをε−カプロラクトンなどのカプロラクトン化合物により変性することで、ポリエステルのガラス転移温度を低温化でき、23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。
多価カルボン酸と多価アルコールの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例を挙げると、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)する合成法が一般的である。
また、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合反応では、三価以上のカルボン酸あるいはアルコールを使用すれば、得られる縮合物に分岐構造を付与することもできる。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤中の上記ポリエステルの含有量は、溶剤を除いた熱接着剤組成物中の35〜80質量%であることが好ましく、50〜65質量%であることがより好ましい。
上記ポリエステルウレタンは、水酸基含有ポリエステルに、ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるポリエステルウレタンを好適使用できる。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤においては、一種のポリエステルウレタンを使用しても、複数のポリエステルウレタンを混合しても良いが、数平均分子量が15,000〜100,000であるポリエステルウレタンを使用することが好ましい。
また、上記ポリエステルウレタンとして、ガラス転移温度が低温のポリエステルウレタンを使用する場合には、ガラス転移温度が好ましくは−30〜80℃、より好ましくは25〜50℃のポリエステルウレタンを使用することで、23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。
ポリエステルウレタンに使用する水酸基含有ポリエステルは、上記ポリエステルと同様に、多価カルボン酸と多価アルコールの縮合により得られるポリエステルを使用できる。水酸基含有ポリエステルは、数平均分子量が4,000〜20,000の範囲にあることが好ましく、また、水酸基価が3〜50mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。
本発明の熱接着シートに使用する感熱接着剤組成物は、前記ポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルの質量和がWPE、感熱接着剤組成物中に含有するポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、式(1)を充足する組成物であることが初期タック性と型崩れ性を高度に両立できるため好ましい。
−50<[(WPEPE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
上記ポリエステルの平均ガラス転移温度TPEは、感熱接着剤中に含有するポリエステルが一種の場合には、当該ポリエステルのガラス転移温度であり、複数種のポリエステルを含有する場合には、含有するポリエステルのガラス転移温度の平均温度を表す。ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度TPEUも同様である。
また感熱接着剤組成物においては、TPE<TPEU、及び、WPE>WPEUとなるよう配合することで、初期タック性と耐型崩れ性の調整が容易であるため好ましい。
ところで、携帯電子機器のうち携帯電話やPHS、デジタルカメラなどは用途上、人の皮膚や頭髪などと接触する機会が多い。皮膚や頭髪の表面には汗のほかに皮脂や化粧品類などの油状成分が存在するため、これらの機器を長期間使用しているうちに、例えばキーとキーの間から徐々に浸入し、両面粘着テープや接着剤を犯す場合がある。油状成分は粘着剤を軟化・膨潤させる作用ががあるため、デザインによっては両面粘着テープまたは接着剤が接合端部にはみだす問題がある。そのため、キーシートなどに用いられる熱接着シートには耐油性が求められる。上記の式(1)を充足するポリエステルとポリエステルウレタンを用いることで、耐油性が良好であるため、これら用途に使用する際に特に適している。
水酸基含有ポリエステルに反応させるポリイソシアネート化合物としては、芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できる。脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートが代表例として挙げられる。芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートが代表例として挙げられる。
また、上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、ヌレート、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も使用することができる。
上記ポリエステルウレタンの含有量は、溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜40質量%であることが好ましい。
また、ポリエステル100質量部に対するポリエステルウレタンの配合量は5〜60質量部であることが好ましい。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤は、加熱後の接着力を高くできるため、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。当該エポキシ樹脂としては、数平均分子量が350〜3000の範囲内、より好ましくは500〜2000の範囲内にあるものが好適に使用される。分子量を上記下限以上とすることで、感熱接着剤層が型崩れしにくくなり、また、上記上限以下とすることで、良好な相溶性を確保しやすく、該接着剤組成物の好適な貯蔵安定性とできる。
エポキシ樹脂としては、接着性、耐熱性などの観点からビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好適に使用できる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂の代表的なものとしてJER828,JER1001,JER1004,JER1007(ジャパンエポキシレジン株式会社製)、エピクロン850,エピクロン1050,エピクロン1055,エピクロン4050(大日本インキ化学工業株式会社製)などが挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としてエピコート180(ジャパンエポキシレジン株式会社製),エピクロンN−665(大日本インキ化学工業株式会社製),エポトートYDCN−701,エポトート−702(東都化成株式会社製)などのクレゾールノボラックエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂を含有する場合には、当該エポキシ樹脂の含有量が、溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが特に好ましい。上記含有量とすることで、23℃の弾性率E’と損失正接のピーク温度を目的の範囲に制御しやすい。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤組成物は硬化剤を含有することが好ましい。当該硬化剤としては、イソシアネート化合物を好適に使用できる。イソシアネート化合物で硬化させることで耐油性、耐熱性が良好となる。
イソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族、脂環族の公知のイソシアネート化合物を利用できるが、安全性、耐黄変性の点から脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が好適に使用できる。
脂肪族イソシアネート化合物としてはヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジジイソシアネート等が一例として挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としてはイソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としてはトリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4、4’−ジベンジルジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3’−フェニレンジイソシアネート、1,4’−フェニレンジイソシアネートなどが挙げられる。
イソシアネート化合物は上記記載の1種または数種のイソシアネートより得られる化合物(2量体、3量体、アダクト、ビューレット、プレポリマー等)も含まれる。特にこれらのイソシアネート化合物の中で本発明に用いられるものとしては脂肪族及び、又は脂環族イソシアネート化合物が適しており、この中でヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが特に好意に用いることができる。
イソシアネート化合物の配合量は溶剤を除いた熱可塑性接着剤組成物中の0.1〜10質量%であることが好ましい。配合量が0.1質量部より少ない場合には、イソシアネート化合物の反応が少なく、接着剤の凝集力が低下する。また、10質量部よりも多い場合には接着剤が過剰に硬化するため、初期タック性が低下する。
本発明の熱接着シートに使用する熱可塑性接着剤組成物は特に限定されるものではないが、通常塗料または接着剤に用いられている酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルケチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等に溶かして使用される。
本発明の熱接着シートに使用される熱可塑性接着剤は、感熱接着剤層に視認性を付与するため、着色剤を配合することが好ましい。接着剤層を着色することで、万一、キーシートのキー状に打ち抜いた感熱接着剤層が欠損していても容易に発見することができる。着色剤としては、白色顔料、黒色顔料等の有色顔料や、有色染料が好ましい。その中でも光透過性と視認性に優れる白色顔料が好ましい。また白色顔料としては、酸化チタンや炭酸カルシウム等が好ましい。
本発明の熱接着シートに使用される熱可塑性接着剤は、上記成分の他に充填剤、軟化剤、安定剤、接着促進剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、無機フィラー、粘着付与樹脂、繊維類、可視用時間延長剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、増粘剤、可塑剤、顔料などの着色剤、充填剤などの添加剤を必要に応じて使用することが出来る。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤などを使用することが出来る。
[両面接着シート]
本発明における両面接着シートは、両表面に上記の感熱接着剤層が設けられた構成を有する。当該層は感熱接着剤層の表面が最外層であればよく、各表面は同一の熱可塑性接着剤からなる感熱接着剤層表面であっても、それぞれ異なる熱可塑性接着剤からなる感熱接着剤層表面であってもよい。
また、その層構成も特に制限されず、単層の感熱接着剤層からなる両面接着シートであっても、二層以上の感熱接着剤層から構成される両面接着シートであってもよい。二層以上の感熱接着剤層から構成される両面接着シートの場合には、基材層を有するものであってもよい。
基材を有さない構成のものは、熱接着シートの薄型化に適しているため好ましく使用できる。一方、基材を有する構成のものは、熱接着シートのコシや厚みの調整を容易に行うことができ、且つ加工性に優れるため好ましい。
使用できる基材としては特に制限されず、不織布、金属箔、フィルム基材などを適用できる。好ましくは、各種フィルム基材を使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。
また、フィルム基材には、接着剤層との密着性を向上させる目的で、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理などの表面処理を施すことができる。
また、基材には、その他配合材料として帯電防止剤を添加し帯電防止機能を付与することができる。ノニオン系としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸グリセリンエステル、アルキルポリエチレンイミン等を挙げることができる。カチオン系としてアルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩、アルキルイミダゾリン誘導体等を挙げることができる。またエチレンオキサイドを骨格に持つアクリレート化合物なども使用することができる。導電性高分子としてポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン及びこれらの誘導体を使用することができる。金属酸化物としてアンチモンドープ型酸化錫(ATO)、錫ドープ型酸化インジウム(ITO)、アルミニウムドープ型酸化亜鉛、アンチモン副酸化物などを使用することができる。またその他にリチウムイオンなどの金属イオンを混合するイオン伝導型の帯電防止剤も用いることができる。
[剥離フィルム]
本発明の熱接着シートには、上記の両面接着シートの各表面に設けられる2枚の剥離フィルムを使用する。2枚の剥離フィルムは両面接着シートの有する各感熱接着剤層表面との間で、軽剥離側と重剥離側のそれぞれ異なる剥離力を有するものを使用する。
本発明に使用する軽剥離側の剥離フィルムは離型処理された樹脂フィルムであって、樹脂フィルムのぬれ張力が35mN/m以下である。好ましくは33mN/m以下である。上記ぬれ張力の樹脂フィルムを使用することで、打ち抜き加工時にはみだした感熱接着剤層と剥離フィルム断面の再接着を抑制することができる。
ぬれ張力はJIS K6768により測定される。具体的には、和光純薬工業(株)製ぬれ張力試験用混合液等を用いて測定される。
本発明に使用する剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレン等の各種の樹脂フィルムを使用できる。なかでも軽剥離側の剥離フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが上記ぬれ張力に制御しやすいため好ましい。さらにそのなかでも適度な伸びを示すLDPE(低密度ポリエチレン)が加工性に優れるため特に好ましい。一方重剥離側の剥離フィルムとしては、ハーフカットの打ち抜き加工時に台紙とする際に好適に使用できることから、機械的強度の高いポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
離型処理としては、例えば、シリコーン系離型剤の塗布、長鎖アルキル系離型剤の塗布、フッ素系離型剤の塗布があげられる。なかでも軽剥離側の剥離フィルムの離型処理としては剥離力が軽くしやすいシリコーン系離型剤の塗布が好ましい。一方重剥離側の剥離フィルムの離型処理としては、長鎖アルキル系離型剤の塗布が比較的剥離力が軽くなりがちな感熱接着剤層に対して適度な重さを実現できるため好ましい。
[熱接着シート]
本発明の熱接着シートは、上記両面接着シートの各感熱接着剤層表面に、それぞれ剥離フィルムが設けられた構成を有する。具体的な構成例としては、単一の感熱接着剤層からなる両面接着シートの各表面に剥離フィルムが設けられた構成(図1)や、基材の各表面に感熱接着剤層が設けられた両面接着シートの各表面に剥離フィルムが設けられた構成(図2)等を例示できる。
本発明の熱接着シートは、当該構成において、両面接着シートと剥離フィルムとの間の剥離力が、各表面において異なるものである。すなわち、両面接着シートの一方の感熱接着剤層表面と剥離フィルムとの間の剥離力、および、両面接着シートの他方の感熱接着剤層表面と剥離フィルムとの間の剥離力が異なる剥離力を有する。さらに、各々異なる剥離力のうち、剥離力が小さい軽剥離側の剥離力(F)と、剥離力の大きい重剥離側の剥離力(F)との比が、(F/F)>1で表される熱接着シートである。
また、軽剥離側の感熱接着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける23℃の弾性率E’が10〜10Paであり、軽剥離側の剥離フィルムが離型処理された樹脂フィルムからなり、前記樹脂フィルムのぬれ張力が35mN/m以下である。
このように、本発明の熱接着シートは、軽剥離側に初期タック性を有する感熱接着剤層を設け、当該軽剥離側の剥離フィルムとしてぬれ張力の低い樹脂フィルムに離型処理したものを使用し、更に、両面接着シートの各感熱接着剤層に一定の剥離力差を設けたものである。
本発明の熱接着シートは、常温近傍で特定の弾性率を示す初期タック性を有する感熱接着剤層を使用するが、当該接着剤層は、打ち抜き加工時にはみ出しが生じやすい。図3は、軽剥離側剥離フィルム側からハーフカットの打ち抜き加工により押し切りした際に、剥離フィルムの切断端面に感熱接着剤層のはみ出しが生じた状態の模式図である。さらに通常、剥離フィルムの断面は離型処理されていないためぬれ張力が高く、剥離フィルム断面−感熱接着剤層−剥離フィルム断面で再接着が生じやすい。その結果、ハーフカットの打ち抜き加工時に不要なカスと一緒に必要な部分がカス上げされてしまう問題が生じる。これら問題は、感熱接着剤層に初期タック性を付与した場合や、微細な部品固定用に微細面積で打ち抜き加工した際に、より顕著に生じる。
本発明の熱接着シートは、上記の構成により、初期タック性の付与による貼付時の位置あわせの容易性を実現すると共に、打ち抜き加工時の感熱接着剤のはみ出しによる加工不具合の防止を実現したものである。
本発明の熱接着シートにおいて、両面接着シートの各表面の剥離力の差異は、上記の感熱接着剤層と、剥離フィルムとの組合せにより適宜調整することができる。両面接着シートが単一の感熱接着剤層からなる場合には、剥離フィルムを適宜選択して剥離力を調整する。
本発明の熱接着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。例えば、フィルム基材または剥離フィルム上に接着剤層を形成して製造することができる。具体的には、接着剤の組成物を基材フィルムに直接塗布し乾燥または硬化・重合するか、或いは、いったん剥離フィルム上に塗布し、乾燥し、接着剤層を形成後、同様にして剥離フィルム上に作成した接着剤層又は基材フィルムに貼り合わせる方法などにより製造できる。
本発明の熱接着シートにおける両面接着シートは、厚さが5〜100μm、好ましくは10〜60μm、より好ましくは20〜50μmである。当該範囲の厚みであることで、高い接着力と薄さが求められキーシート用熱接着シートとして最適である。軽剥離側の剥離フィルムの厚みとしては38〜200μmのものが好ましく、なかでも80〜150μmのものが加工性に優れるため最も好ましい。重剥離側の剥離フィルムの厚みとしては38〜200μmのものが好ましく、なかでも75〜150μmのものが加工性に優れるため最も好ましい。
本発明の熱接着シートにおける両面接着シートの初期粘着力は、いずれの面においても以下の測定により測定される初期粘着力(Fa)が、0.1〜10N/10mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.5〜8N/10mmである。上記範囲にあることで位置合わせ性と抜き加工性を高度に両立できる。初期粘着力(Fa)の測定は、両面接着シートの粘着力を測定する面とは他方の面を25μmのPETフィルムで裏打ちし、粘着力を測定する面を輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に、23℃50%RHの雰囲気下で2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、5分間放置した後に引張り速さ300mm/minで180°方向に引き剥がして測定する。なお、RaはJIS B060に従い測定される。
また、加熱後の接着力は、いずれの面においても以下の測定により測定される接着力が、10N/10mm以上であることが好ましく、さらに好ましくは13N/10mm以上である。上記範囲にあることで狭い接着面積で高い接着力が求められるキーシート部材固定用に好ましい。接着力の上限は特に制限されるものではないが、本発明の好適な組成においては、実質的に30N/10mm程度が上限となる。接着力の測定は、両面接着シートの両面接着シートの接着力を測定する面とは他方の面25μmのPETフィルムで裏打ちし、接着力を測定する面を輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に、120℃5秒、100N/cmの条件で熱プレスし、23℃50%RH雰囲気下で50mm/minの速度で180°方向に引き剥がした時の2mm厚のポリカーボネート板に対する接着力を測定する。
本発明の熱接着シートにおける両面接着シートは全光線透過率Ttが70〜95%でありことが好ましく、ヘイズが5〜50%であることが好ましい。上記範囲にあることで、光透過性と視認性を両立でき、キーシート部材固定用に適する。直、全光線透過率Tt及びヘイズはJIS K7105に準じて測定される。
本発明の熱接着シートは、剥離力の小さい軽剥離フィルムの感熱接着剤層表面に対する剥離力(F)と、剥離力の大きい重剥離フィルムの感熱接着剤層表面に対する剥離力(F)との比が、(F/F)>1である。好ましくは(F/F)>3であり、最も好ましくは(F/F)>5である。上記範囲にすることて加工時に軽面剥離フィルムをはがした際に両面接着シートがナキワカレせず加工性に優れる。
前記熱接着シートを重剥離側の剥離フィルムがついた状態で23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の前記軽剥離側の剥離力(F)は1〜200mN/25mmが好ましい。さらに好ましくは5〜100mN/25mmである。
一方、前記熱接着シートの軽剥離側の剥離フィルムを剥がし、感熱接着剤層表面を50μmのPETフィルム基材の片面粘着テープで裏打ちし、23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の重剥離側の剥離力(F)は30〜1000mN/25mmが好ましい。さらに好ましくは50〜400mN/25mmである。上記範囲にすることで加工時に軽面剥離フィルムをはがした際に両面接着シートがナキワカレせず加工性に優れる。
本発明の熱接着シートは、その用途に応じて打ち抜き加工により重剥離フィルム上に両面接着シートと軽剥離フィルムを特定の一定形状に容易に加工でき、また一定形状に加工された両面接着シートと軽剥離フィルムを相互に任意に配置できる。また、貼付時や加熱プレス時にもズレが生じにくいため、本発明の熱接着シートは、携帯電話の押釦やPDAのキーシート等の位置決めに高い精度の要求される狭額縁中に押釦が狭間配置される携帯電子端末用途に極めて有用である。
これら用途に使用する際には、本発明の熱接着シートは、打ち抜き加工により、重剥離フィルム上に固定するキートップ形状に準じて一定形状に加工された両面接着シートと軽剥離フィルムが狭間配置された形状となる。
特定形状への加工は、接着シートの一般的な打ち抜き加工方法を適用することができ、その打ち抜きは、軽剥離フィルム側からの打ち抜きされる。また、熱接着シートの全層を打ち抜いてもよいが、重剥離フィルムを台紙として両面接着シートと軽剥離フィルムを特定形状にハーフカットで打ち抜くことが好ましい。重剥離フィルムを台紙としてハーフカットの打ち抜き加工をすることで、不要なカスの部分を剥離する際にナキワカレが生じにくいため好ましい。
また、本発明の熱接着シートにおいては、打ち抜き加工を行った後に、重剥離フィルム上に固定するキートップ形状に準じて一定形状に加工された両面接着シートと軽剥離フィルムが狭間配置された形状となるが、この上に複数のキートップ形状の打ち抜き部分を覆う粘着テープを貼り付けた構成とすることが好ましい。こうすることで、台紙上に打ち抜かれた複数のキートップ形状に打ち抜かれた軽剥離フィルムを別々にはがさずに、貼り付けた粘着シートを剥がすことで複数の軽剥離フィルムを一度にはがすことができ好ましい。
打ち抜き加工された熱接着シートに使用する粘着テープとしては、片面の粘着テープであれば特に限定されるものではないが、台紙となる剥離フィルムに対するJIS Z0237で規定される180°ピール接着力が0.01〜0.5N/25mmであるものが好ましく、0.03〜0.2N/25mmのものが最も好ましい。このような片面の粘着テープとしてはリンテック(株)製SRL−0758やSRL−0759等があげられる。
打ち抜き加工された本発明の熱接着シートの好ましい構成を図4に示す。当該構成は、重剥離フィルムを残して打ち抜き加工された熱接着シート上に、当該熱接着シートの打ち抜き部分を覆う粘着テープを貼り付けた構成である。当該構成の熱接着シートは、剥離フィルム上にこれら粘着テープを貼り付けることで、打ち抜き部分が微細な形状や複雑な形状であっても剥離フィルムの剥離が容易となる。
また、打ち抜き加工された熱接着シートの打ち抜き部分が狭間配置された構成の一例として、携帯電話のキーシート用に打ち抜き加工された熱接着シートの例を図5に示す。当該キーシート用熱接着シートは、携帯電話の押釦部位に使用されるキーシートであり、重剥離フィルム上に、少なくとも携帯電話の0〜9、#、*の各釦に対応した位置に、これら押釦の形状に準じた形状に打ち抜かれた複数の両面接着シートが押釦の設けられる配列に準じて狭間配置され、その他の携帯電話の機能に応じ、十字方向釦や電源釦等の押釦に準じた形状に打ち抜かれて配列される。これら配列された各両面接着シート上に同様に配列された軽剥離フィルムが設けられる。また、当該軽剥離フィルム上に、使用される態様の一集合毎、携帯電話であれば、一端末に設けられる一そろいの押釦の集合全体を覆う粘着テープが設けられた構成が好ましい例としてあげられる。
このような構成のキーシート用に打ち抜き加工された熱接着シートは、微細な位置決めが必要な携帯電子端末の部品の接着を容易にでき、特に本発明の熱接着シートを使用することで、剥離用粘着テープを剥離した際に、ナキワカレが生じにくく、また位置決め精度が高いため携帯電子端末の製造の歩留まり向上に有利である。さらに剥離用粘着テープを剥がすことで軽剥離フィルムと一度に剥離できるため、作業時間を短縮できコストを削減できる。
[キーシート]
本発明の熱接着シートを使用したキーシートの好適な実施態様の一例として、図6の断面図で示すように、ベースシート上にキートップが、本発明の熱接着シートの両面接着シートにより接着された構成を例示できる。
キーシートに使用されるベースシートは、各種携帯電子端末におけるキートップの押圧操作に際し、繰り返し生じる変形及び復元に適した素材により形成する。ベースシートの素材としては、復元弾性力を有する素材であれば特に制限されず、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系共重合樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを含むポリアミド樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、フェノール系樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、あるいは、これらの複合樹脂などを使用することができる。
これら例示された素材のなかから、適用する携帯電子端末の種類、キーシートの層構成や厚さ等により適宜選択すればよい。例えば、軟質のキートップとの組み合わせにおいて押釦の押打感を高める場合や、少ない層構成にて一定の強度や弾性率を確保する必要がある場合などにおいては、剛性の高い素材を好適に使用できる。また、ベースシートが剛性の高い他の層と積層される場合や、硬質のキートップとの組合せにおいてソフトな押圧感が求められる場合などにおいては、軟質のゴム状素材を好適に使用できる。
近年要請の高い薄型携帯電話などの薄型携帯電子端末においては、通常、硬質のキートップとの組み合わせであることから、軟質のベースシートを好適に使用でき、ウレタンシートなどのゴム状弾性体を好ましく使用できる。
また、携帯電子端末用途においては、バックライト光源からの光が、キートップの光透過性部位から視認される構成であることが多い。このような用途においては、ベースシートの可視光の光透過率が、60%以上であることが好ましく、80%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
キーシートに使用されるキートップは、携帯電子端末の操作釦等の外部から視認される部位である。当該キートップの素材、形状、模様等は、使用される態様により、適宜選択すればよいが、その素材の例としては、例えば例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂を使用できる。また、樹脂素材以外にステンレスやアルミニウム等の金属素材や、樹脂素材に金属のめっき加工が施されたものを使用してもよい。
キーシートが、携帯電話の押釦部位に使用されるような場合には、配列される少なくとも一部のキートップに文字や図形、記号などが表記される。これらの文字、図形、記号は、キートップの表面に表示部を印刷する方法や、透明素材で作成したキートップの裏面に印刷する方法、あるいは、透明素材で作成したキートップに抜き文字上の印刷をし、内部光源からの照射により抜き文字部を外部から視認できるようにする方法等により設けることができる。
キートップに光を透過させる場合には、印刷前のキートップの可視光透過率を60%以上とすることが好ましく、80%以上とすることがより好ましく、90%以上とすることが更に好ましい。
キートップは、金型成形や切削加工等により作成でき、その形状や大きさは使用する態様により方形や円形等の任意の形状を選択でき、その断面も方形や半球状に加工して使用できる。また、キートップが隣接して配列される場合においては、図7に示したようなキートップ形状とすることで、隙間を設けなくとも隣接するキートップの誤押を低減できると共に、キートップ間に筐体を設ける必要がないため押釦部分の小面積化に有利である。
キーシートには、これが設置される小型電子端末の筐体と同様の外装が予め設置された構成(図8)としてもよい。当該構成のキーシートは、小型電子端末を製造する際に押釦部位の位置あわせが不要となるため、組み立てが容易となる。
また、キーシートのキートップが設置される面の他方の面に、放熱シートや絶縁シート等の機能性シートが設けられていてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお実施例および比較例における部との記載は質量部を表し、用いた原料の質量部は不揮発成分を除く固形分の質量部とする。
(実施例1)
ポリエステルとしてバイロンBX10SS(Mn=21,000、Tg=−18℃、東洋紡績株式会社製)100部と、ポリエステルウレタンとしてバイロンUR1350(Mn=36,000、Tg=43℃、東洋紡績株式会社製)22部と、エポキシ樹脂としてエピクロン1055(Mn=900、大日本インキ化学工業株式会社製)39部と、レベリング剤としてポリフローNo.90(共栄社化学株式会社製)0.1部をメチルエチルケトンとトルエンの質量比が1:1である混合溶剤を用いて、組成物中の固形分量が35%となるように調整した。この組成物にイソシアネート化合物としてバーノックDN980(ヘキサメチレンジイソシアネート型、大日本インキ化学工業株式会社製)5.2部を添加し10分攪拌した後、1時間放置して泡抜けさせた。このように作成した感熱接着剤組成物を棒状の金属アプリケータを用いて、PET剥離フィルムTN100−75(東洋紡績株製非シリコーン系剥離フィルム)の剥離処理面上に乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、100℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した。その後、PE剥離フィルムPEW80X1(ニッパ製シリコーン系剥離フィルム)を貼り合せた。その後、40℃で3日間放置し、熱接着シートを得た。
(実施例2)
PE剥離フィルムの代わりにOPP剥離フィルム40RL−01(王子特殊紙製シリコーン系剥離フィルム)を用いた以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(実施例3)
イソシアネート化合物の配合量を2.6部に変更した以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(比較例1)
PE製剥離フィルムの代わりにPET剥離フィルム38E0010NO.23(藤森工業製シリコーン系剥離フィルム)を用いた以外は実施例1と同様にして熱接着シートを得た。
(比較例2)
攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート44.9質量部、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部、アクリル酸2質量部、酢酸ビニル3質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部、重合開始剤として2,2'−アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部とを、酢酸エチル100質量部に溶解した。これを70℃で10時間重合して、質量平均分子量80万の(メタ)アクリル系共重合体(I)溶液を得た。
次に、(メタ)アクリル系共重合体(I)100質量部に対し、荒川化学工業製「ペンセルD135」(粘着付与剤、重合ロジンのペンタエリスリトールエステル)10質量部を添加し、酢酸エチルを加えて均一に混合して、不揮発分45%の粘着剤溶液Aを得た。
上記の粘着剤溶液A100質量部に対し、日本ポリウレタン社製「コロネートL−45」(イソシアネート系架橋剤、固形分45%)を、1.1質量部添加した。次いで、15分攪拌後、75μmのPET剥離フィルム75E0010DG2(藤森工業社製シリコーン系剥離フィルム)上に、乾燥後の厚さが30μmになるように塗工して、70℃で3分間乾燥し、さらにPET剥離フィルム38E0010NO.33(藤森工業社製シリコーン系剥離フィルム)を貼り合せ、粘着テープを得た。その後、40℃で2日間熟成し、厚さ85μmの粘着テープを得た。なお、ゲル分率は40%であった。
(比較例3)
ポリエステルとしてバイロンPES−314(Mn=21,000、Tg=25℃、東洋紡績株式会社製)55部とバイロンBX10SS(Mn=21,000、Tg=−18℃、東洋紡績株式会社製)67部と、エポキシ樹脂としてエピクロン1055(Mn=900、大日本インキ化学工業株式会社製)39部と、レベリング剤としてポリフローNo.90(共栄社化学株式会社製)0.1部をメチルエチルケトンとトルエンの質量比が1:1である混合溶剤を用いて、組成物中の固形分量が35%となるように調整した。この組成物にイソシアネート化合物としてバーノックDN980(ヘキサメチレンジイソシアネート型、大日本インキ化学工業株式会社製)5.2部を添加し10分攪拌した後、1時間放置して泡抜けさせた。このように作成した感熱接着剤組成物を棒状の金属アプリケータを用いて、PET剥離フィルムTN100−75(東洋紡績株製非シリコーン系剥離フィルム)の剥離処理面上に乾燥後の厚さが30μmになるように塗工し、100℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した。その後、PET剥離フィルム38E0010NO.33(藤森工業製シリコーン系剥離フィルム)を貼り合せた。その後、40℃で3日間放置し、熱接着シートを得た。
(ぬれ張力)
剥離フィルムに使用する樹脂フィルム(離型処理前)のぬれ張力はJIS K6768に準じて、和光純薬工業(株)製「濡れ張力試験用混合液」を用いて測定した。得られた結果は表1に示す。
(弾性率)
熱接着剤層の動的粘弾性スペクトルは次の方法で測定する。ティー・エイ・インスツルメント製粘弾性測定機「RSA III」を用い、引っ張りモードで、振動数1Hz、昇温速度3℃/min、負荷歪み0.1%の条件で、−50℃〜200℃までの温度領域における、弾性率E’と損失正接を測定する。
上記にて得られた熱接着シート、粘着テープにつき、以下の評価方法に基づいて接着力、打ち抜き加工性、位置決め性、耐油性、初期粘着力(Fa)、軽剥離側剥離力(F)、重剥離側剥離力(F)を評価した。得られた結果を表1に示す。
〔接着力〕
厚さ25μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、S#25)と厚さ2mmのPC板の間に幅25mm熱接着シートを仮固定したのち、熱接着シートに100N/cmの圧力が均一に掛かるようにして120℃5秒加熱圧着した。
このように作成されたPETフィルム−熱接着シート−PC板の積層体を幅20mmに切断し、PETフィルム側を23℃50%RHの雰囲気で180°方向に引張り速度50mm/minで引っ張った際の接着力を評価した。
10N/10mm以上の接着力が得られた場合が良好と判断した。
〔打ち抜き加工性〕
熱接着シートを図のようなキートップ形状に打ち抜き、不要なカスを10m/minの速度でカス上げした。
なお、打ち抜き刃はピナクル刃を使用して軽剥離フィルム側から打ち抜いた。
評価結果は1000個のシートを打ち抜いて以下の判断基準で評価した。
◎:キートップ形状部の剥離フィルムのハガレが0個であった。
○:キートップ形状部の剥離フィルムのハガレが1〜20個であった。
×:キートップ形状部の剥離フィルムのハガレが21個以上であった。
〔位置決め性〕
1000個のキートップ形状に打ち抜いた熱接着シートをPETフィルムに手で貼り合せ、1mの距離を移動したとき、熱接着シート加工品がPETフィルムを位置ズレしないかを評価した。
○:全ての加工品で位置ズレが発生しなかった。
×:1つ以上の加工品で位置ズレが発生した。
〔耐油性〕
3mm×40mmの熱接着シートを厚さ2mmのPC板と0.5mmのPC板を貼り合せ、120℃30秒、100N/cmの温度と圧力をかけ加圧接着する。次に隙間からスクアレンを注入する。80℃で1kg重りを載せ、3日間放置してシートの幅の変化量を測定した。評価結果は下記の基準で判断した。
◎:シートの幅の変化が0.1mm未満。
○:シートの幅の変化が0.1mm〜0.5mm。
×:シートの幅の変化が0.5mmを越える。
〔初期粘着力(Fa)〕
幅20mmの熱接着シートを厚さ25μmのPETフィルム(ユニチカ株式会社製、S#25)で裏打ちする。次に輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に、23℃50%RHで裏打ちした幅20mmの熱接着シートを2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、5分後に引張り速さ300mm/minで180°方向に引き剥がし、接着力を測定した。
〔軽剥離側剥離力(F)〕
幅25mmの熱接着シートおよび粘着テープを重剥離側の剥離フィルムがついた状態で23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の剥離力を測定した。
〔重剥離側剥離力(F)〕
幅25mmの熱接着シートおよび粘着テープの軽面側剥離フィルムを剥がし、50μmのPETフィルム基材の片面テープ(大日本インキ化学工業製PF−050H)で裏打ちし、23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の剥離力を測定した。
Figure 0005509528
表1より、実施例の熱接着シートは何れも接着力・位置きめ性が良好で、且つ加工性に優れるものであった。一方、比較例1は接着力に優れるものの加工性に劣るものであった。比較例2は初期性に優れるものの接着力・加工性に劣るものであった。比較例3は加工性に優れるものの位置決め性に劣るものであった。
本発明の熱接着シートの構成の一例を表す概略断面図である。 本発明の熱接着シートの構成の一例を表す概略断面図である。 打ち抜き加工時に切断端面に感熱接着剤層のはみ出しが生じた熱接着シートの模式図である。 打ち抜き加工されたシート上に、打ち抜き部分を覆う粘着テープを貼り付けた熱接着シートの概略断面図である。 キーシート用に打ち抜き加工された熱接着シートの概略図((a)正面図、(b)断面図)である。 両面熱接着シートにより、ベースシート上にキートップが接着されたキーシートの概略断面図である。 両面熱接着シートにより、ベースシート上にキートップが接着されたキーシートの概略断面図である。 両面熱接着シートにより、ベースシート上にキートップが接着され、周囲に筐体外装が固定されたキーシートの概略断面図である。
符号の説明
1 両面接着シート
2 軽剥離側の剥離フィルム
3 重剥離側の剥離フィルム
4 感熱接着剤層
5 基材
6 はみ出し部
7,8 粘着テープ
10 キートップ
11 キーベース
13 粘着テープ
14 筐体外装

Claims (21)

  1. 熱可塑性接着剤からなる感熱接着剤層表面を両面に有する両面接着シートの各表面に剥離フィルムが設けられた熱接着シートであって、
    前記両面接着シートの一方の表面と剥離フィルムとの間の剥離力と、前記両面接着シートの他方の表面と剥離フィルムとの間の剥離力とが、それぞれ異なる剥離力を有し、剥離力の小さい軽剥離側の剥離力(F)と、剥離力の大きい重剥離側の剥離力(F)との比が、(F/F)>1で表され、
    前記軽剥離側の感熱接着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルにおける23℃の弾性率E’が10〜10Paであり、
    前記軽剥離側の感熱接着剤層が、ポリエステル及びポリエステルウレタンを含有する熱可塑性接着剤からなり、
    前記軽剥離側の剥離フィルムが、シリコーン系離型剤により離型処理された樹脂フィルムからなり、前記離型処理される前の樹脂フィルムのぬれ張力が35mN/m以下であることを特徴とする熱接着シート。
  2. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤中のポリエステルのガラス転移温度が−50〜10℃であり、前記ポリエステルウレタンのガラス転移温度が−30℃〜80℃である請求項1に記載の熱接着シート。
  3. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤中のポリエステルの含有量が溶剤を除いた熱可塑性熱接着剤中の35〜80質量%であり、ポリエステルウレタンの含有量が溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜40質量%である請求項1又は2に記載の熱接着シート。
  4. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤が、熱可塑性接着剤中のポリエステルの平均ガラス転移温度がTPE℃、前記ポリエステルウレタンの平均ガラス転移温度がTPEU℃、前記熱可塑性接着剤中のポリエステルの質量和がWPE、ポリエステルウレタンの質量和がWPEUである場合に、下式(1)
    −50<[(WPEPE+WPEUPEU)/(WPE+WPEU)]<0 (1)
    を充足する請求項1〜3のいずれかに記載の熱接着シート。
  5. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤中のポリエステルの数平均分子量が8000〜30000であり、ポリエステルウレタンの数平均分子量が15000〜100000である請求項1〜4のいずれかに記載の熱接着シート。
  6. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤が、エポキシ樹脂を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の熱接着シート。
  7. 前記軽剥離側の感熱接着剤層に使用する熱可塑性接着剤中のエポキシ樹脂の含有量が、溶剤を除いた熱可塑性接着剤中の5〜60質量%である請求項6に記載の熱接着シート。
  8. 前記エポキシ樹脂の数平均分子量が500〜2000である請求項6又は7に記載の熱接着シート。
  9. 軽剥離側の剥離フィルムに使用する樹脂フィルムが、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリスチレンフィルムである請求項1〜8のいずれかに記載の熱接着シート。
  10. 前記両面接着シートの両面の接着力が、両面接着シートを厚さ25μmのPETフィルムで裏打ちし、輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に、23℃50%RHの雰囲気下で2kgのローラーで圧着速さ5mm/s、圧着回数1往復で貼り付けた後、5分間放置した後に引張り速さ300mm/minで180°方向に引き剥がして測定される初期粘着力(Fa)が0.1〜10N/10mmである請求項1〜9のいずれかに記載の熱接着シート。
  11. ベースシート上に複数のキートップが狭間配置されたキーシートにおいて、前記キートップのベースシート上への固定に用いられる請求項1〜10のいずれかに記載の熱接着シート。
  12. 打ち抜き加工により、固定するキートップ形状に準じて狭間配置された請求項11に記載の熱接着シート。
  13. 前記感熱接着剤層の周波数1Hzでの動的粘弾性スペクトルの損失正接のピークを示す温度が25℃以下である請求項1〜12のいずれかに記載の熱接着シート。
  14. 前記両面接着シートの両面の接着力が、両面接着シートを厚さ25μmのPETフィルムで裏打ちし、輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)が0〜0.1μmのポリカーボネート板に、120℃5秒、100N/cmの条件で熱プレスし、23℃50%RH雰囲気下で50mm/minの速度で180°方向に引き剥がした時の2mm厚のポリカーボネート板に対する接着力が10N/10mm以上である請求項1〜13のいずれかに記載の熱接着シート。
  15. 前記熱接着シートを重剥離側の剥離フィルムがついた状態で23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の前記軽剥離側の剥離力(F)が1〜200mN/25mmであり、前記熱接着シートの軽剥離側の剥離フィルムを剥がし、感熱接着剤層表面を厚さ50μmのPETフィルム基材の片面粘着テープで裏打ちし、23℃50%RH下で180°方向に300mm/minの速度で剥がした時の重剥離側の剥離力(F)が30〜1000mN/25mmである請求項1〜14のいずれかに記載の熱接着シート。
  16. 前記軽剥離側の剥離フィルムが、ポリオレフィン系樹脂フィルムに離型処理を行った剥離フィルムである請求項1〜15のいずれかに記載の熱接着シート。
  17. 前記軽剥離側の剥離フィルムがシリコーン系樹脂からなる離型剤により離型処理された剥離フィルムであり、前記重剥離側の剥離フィルムが長鎖アルキル樹脂からなる離型剤により離型処理された剥離フィルムである請求項1〜16のいずれかに記載の熱接着シート。
  18. 前記軽剥離側の剥離フィルム及び重剥離側の剥離フィルムの少なくとも一方が着色された剥離フィルムである請求項1〜17のいずれかに記載の熱接着シート。
  19. 前記感熱接着剤層が、着色剤を含有する請求項1〜18のいずれかに記載の熱接着シート。
  20. 前記両面接着シートの光透過率が70〜95%であり、ヘイズが5〜50%である請求項1〜19のいずれかに記載の熱接着シート。
  21. ベースシート上に複数のキートップが狭間配置されたキーシートであって、前記キートップが請求項1〜20のいずれかに記載の熱接着シートの両面接着シートによりベースシート上に固定されていることを特徴とするキーシート。
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